■そらのおとしもの 第11話 「いざ征かん!我が銭湯領域(パラダイス)」
 

「あぁ…女湯入りてぇえええええ〜」

いつものことですが
今回も絶好調で頭のネジが吹っ飛んでます智樹
今回の第一声がいきなりこれかよ!ある日の昼下がり、唐突に
「女湯に入りてぇ」という男の欲望がふつふつと湧いてきてしまった智樹。
すぐにでもイカロスのカードを使って実現しようとしますが、カードはそはらが
「どうせまた悪用するんだろ」と全部没収していた後でした
ところが
「それでも!!入りたい女湯があるんだ!!」とまったく諦める気がない智樹は、
いいアイデアはないかと部長へ相談しに向かいますが…

「興味ない」

「女湯ですよ女湯!一糸纏わぬ女性がてんこ盛り〜!」

「(無視)」

しかし智樹とは反対に
「女湯なんて何が楽しいの?馬鹿なの?」とこれっぽっちも女湯に興味がなかった部長。
部長が興味を持つのはやはり新大陸のことだけなのか、智樹の説得なんぞまるで聞く耳持たずにハンググライダーをいじくっております

「……先輩……新大陸ですよ!!」

「っ!?貴様…今なんと!?」

「考えてみてください。女湯に男性が入浴できるのはせいぜい10歳程度!
 それを過ぎた男性が女湯に入浴できる機会はもう2度と訪れない!」

「はっ!?」

「女湯がどんな世界なのか、もはや俺達に知る術はない!
 もしかしたらそこには、俺達が目指すべき新大陸があるかもしれないんだ!!」


(C)板垣恵介/秋田書店

ないないそれはない(えー

なんというバカな智樹の説得!成長した男にとって女湯は未知の秘境、すなわち新大陸という意味不明な主張を開始!
あまりにもアホすぎる智樹の論理ですが、それを聞いた部長は
「こんなところにも新大陸が存在していたとは!!」
惜しみなく智樹に全面協力を開始してしまいます。そんなんでいいのか部長ー!!

しゃきーん!!

「せ、先輩それは!?」

「以前イカロスと話した時に、調査用に一枚預かっていたものだ…
 量子変換機!!一時的に別のものに変化させることができる!」

その時部長が取り出したのは、研究のためにイカロスから預かっていた一枚のカード!
それを使ってシナプスから転送されてきたのは、自由自在に物体の姿を変えることができるという
量子変換機!
どうやらこれを使って女の姿になり、堂々と女湯に入って来いという作戦のようですが…

「これを使って女になれ!ただし、すぐ女湯に行くのは禁物だ…
 美香子達に疑われないよう、まずはしっかり女になり切ってから
 最後に新大陸を目指せ!いいな!!」

「分かりました!!」

しかし、にわか仕込みの女の振りでは満足できない部長は、智樹を完全な女に仕上げるための猛烈な特訓を開始!
女湯への突入は部長にとって
長年夢見た新大陸への上陸も同然、半端な準備で実行するなんて妥協をしたくないんでしょう

それからというもの、来る日も来る日も女になるための特訓に明け暮れた智樹は、
ついに本物の女になれたかどうか、最後の仕上げとして女の体で学校へ登校していくことに…

「あっ、おはようイカロスさん、ニンフさん!あれ?智ちゃんは?」

「あ…」

「風邪ひいてお休みだって」

「えっ!?嘘、智ちゃんが!?ほとんど病気なんてしたことないのに…心配だよね…
 私、放課後お見舞いに行こうかな」

「えっ!?へ、平気よ!大したことないから心配するなって智樹も言ってたから!ねぇα!」

「(こくこく)」

「そうなんだ…あれっ?」

「初めましてぇ!転校生のトモ子です、仲良くしてね!」

「あ、こちらこそよろしくね!」

(くっくっくっ…!よし、そはらにはバレてない!順調順調!)

とりあえず男の自分は家で寝込んでることにして、トモ子と名乗りながらそはらの前に現れた智樹!
女になった智樹は普段とはまるで別人、顔も声も違いすぎてそはらでさえまったく正体に気づいてません
ちなみにトモ子の声を担当するのは、あの初音ミクの声で有名な
藤田咲です
ミクの声は腐るほど耳にしたことあるけど、藤田咲の肉声を聞くのはこれが初めてだな…

「合格だ!!今日一日智樹の行動を全て監視していた。
 会話、行動パターン、動作、すべて一般女子の標準値をクリアしている。
 多少生き過ぎたドジっ子ぶりも、なぜか一部マニアの心を掴んで好評のようだ!」

「あざーす!!」

「俺もコーチをした甲斐があるというもの…これなら勘のいい美香子も気づくまい、
 いよいよ本番だ智樹!!」

そしてトモ子の正体には他のクラスメイトも誰一人気づかず、とうとう無事に一日学校での暮らしを乗り切った智樹。
妥協を知らない部長からも
「条件はクリアされた」と全肯定の誉め言葉が飛び出します。もはや女湯に乗り込む準備は万端…
それにしても「今日の智樹の行動を全て監視していた」って、今日の智樹がやったことと言えば
女子更衣室に入ったりとか、女子更衣室に入ったりとか、女子更衣室に入ったりとか
そんな一日だったんですがその一部始終を監視していたというのか…部長…

「え?銭湯?」

「イカロスさんがどうしてもみんなで行きたいって言うんです。智ちゃんも珍しくお休みしてるから、
 覗かれる心配もないですし」

「ふ〜ん…?で、あなたはだあれ?」

「トモ子です、うふっ♪」

「…」

「あ、あの、私転校してきたんですけど、前の学校から生徒会長さんにすっごい憧れてて!」

「…」

「ずっとずっとお近づきになりたいと思ってたんです!」

「…」

「だ、だから今日も、ぜひぜひ銭湯もご一緒したいな〜なんて!」

「そ〜お…別にいいけど?それじゃあみんなで行きましょうか〜」

(イエエエエエエス!!)

そして会長やそはらとも一緒に銭湯へ行く約束を交わし、いよいよ智樹の目的は達成間近に!
しかし疑り深い会長は最後までトモ子をジロジロ眺めていましたが、何か感づいたことでもあるんでしょうか…?
部長が完璧と太鼓判を押したトモ子の演技でさえこれとは…まあしかし、
智樹が急に学校を休み始めて
入れ替わりにトモ子って名前の女がイカロスとニンフを連れながら登校してきた
とあっては、
疑われるのも当然だと思いますが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

ガラガラガラッ

(きゃるーん!トモ子ったらどこからどう見ても女の子!)

(そうだ、見えたようだな智樹!女湯に溶け込んでこそ一人前の女子!!)

ここが新大陸けぇ…なんともチンケな女湯(とこ)だのう!!(えー
というわけで、ついに新大陸という名の女湯へ足を踏み入れた智樹!大量の美女が集うその場所に興奮を隠せないようですが、
そんな智樹の様子を
壁の絵と一体化した部長がしっかり見守っていました。部長ーー!!

(ここはまさに新大陸ですなあ〜!うっひゃっひゃっひゃっひゃ!)

「会長さ〜ん!よかったらお背中流しましょうか?」

「そうね〜え、お願いしようかしら」

(イエエエエエエッス!!)

そんな智樹が最初に目をつけたのはなんと会長!これは意外な…この女湯の中で
確実に一番の危険人物だと思うんですが、
それを最初にターゲットにするとは智樹も命知らずですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかし会長の巨乳っぷりが凄まじすぎる!これを
「ほどほどの乳」と呼んでいた智樹って一体…
それにしても会長の胸を隠すようにたらーんと垂れているこの髪、DVD版では絶対消えてなくなってるだろうな…(えー

(待たせたな俺の両手!待たせたな俺の煩悩!今こそ新たな大地を一歩踏み出す時!!)

もみもみもみもみ

「ひゃあん!?」

「きゃーっ!手が滑っちゃったぁ!」

「あ…あぁん!」

(イエスイエスイエーッス!!)

や…やりやがった!!なんと会長の背中を洗うと見せかけて、思いっきり胸をもみしだき始めた智樹!
し、死にたいのか!と思いきや、会長もなんだか
あっはぁ〜んとそれなりに気持ちいいようです:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかしまぁ視聴者からは会長の胸周辺に湯気が立ち込めて何も見えませんね
これこそ正真正銘の
DVDだと丸見えになります商法ってやつか…なにげにこういうアニメの感想書くのは初めてだ

「そはらさんも洗ってあげるね〜!」

「わ、私はいいよ…」

「遠慮しないでほらほら!女の子同士なんだからぁ!」

「きゃあああああ!!」

そして会長の胸を存分に堪能すると、今度はそはらの胸にダイブして揉みまくったりと暴走し始める智樹!
さらにはそれだけで飽き足らず、次々と見知らぬ女の人まで襲ってやりたい放題セクハラしまくる有様です

「イエーッス!!イエエエエエエス!!女の子同士なんだからああああああああ!!」

「「「きゃあああああああ!!」」」

ビービービービービー

「あっ?マスターのメタモルフォーゼに異変が…マスター危険です、このまま興奮状態が続けば…」

「女の子どぅおおおおしいいいいいい!!」

(…完全に自分を見失っているようだな…)

ところが最高潮に興奮しまくってハッスルしすぎた結果、段々と智樹の変身に異変が!
どうやら智樹のあまりに大きすぎる煩悩が
量子変換機の機能をも凌駕してしまったようです(えー
あの部長ですら
「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…」と智樹の暴走にドン引きする中、
もはや誰も止めようがないほどに暴走し続けた智樹は…

「あーあ…ひどいことになってる」

「マスター、落ち着いてください」

「イエエエエス!!イエエエエエエス!!」

ぼわんぼわんぼわんぼわん

「あぁ!?」

って、その時ついに智樹の体から爆発するような白煙が!
その煙が晴れた後には、すっかり男の姿に戻った智樹の姿がありました。お、終わった…
女湯の中に
フルチンで現れた男が一人…もはやどう言い逃れをしようと助かる状況じゃありません

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「じゃ…じゃあ、そういうことで…」

がしっ

「…」

「あ、あ、あのうそはらさん…バスタオル落ちちゃってますけど…」

「裸を見られて恥ずかしいとか…そんなの今どうでもいい…今はただ…
 智ちゃんを殺したいの私!!」

やあ、湯気で気がつかなかった、はじめまして!と逃げ出そうとする智樹でしたが、
かつてないほどの怒りに染まったそはらがそれを許さない!そして
「岩山両斬破ァ!!」と渾身のそはらチョップが叩き込まれ、
脳天を叩き割られた智樹は天に召されるのでした

「引き際が肝心だぞ…智樹!!」

って、智樹がそんな目に遭ってる間にちゃっかり自分は女湯から逃げ出していた部長!あんたって人はー!!
結局女子更衣室も覗きまくって女湯も覗きまくって部長の一人勝ちじゃないですか!
まあこの人のことだから、女の裸なんて見ても性的興奮なんざカケラも感じそうにないけどさ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

かぽーん

「ふう…やっとゆっくりお風呂に入れるわぁ」

「気持ちいい…」

「ほんっとサイコー!」

「イカロスちゃんには羽があるし、ニンフちゃんは首輪のこと気にしてたみたいだし、
 お風呂に入り辛かったんでしょう?」

って、智樹を成敗して女性客もみんな逃げ出してしまった後、改めてゆっくりと銭湯を堪能していた会長たち。
あれだけ長いこと風呂場にいてまだ入るのか…と思いきや、どうやら人目に触れたくなくて入れなかったイカロスとニンフのために、
再びこうして風呂に付き合ってあげているようです。変なところで気配りの出来る人だな会長…

「ごめんね2人とも、気づいてあげられなくて…私いつも、イカロスさんもニンフさんも
 普通の女の子だと思ってるから、ついエンジェロイドだってこと忘れちゃってて…」

「私は嬉しいです…」

「えっ?」

「そはらさんが普通の女の子だって思ってくれたこと…私、マスターのためにも、もっともっと人間らしくなりたい」

「エンジェロイドなこと忘れちゃってて正直すまんかった」とイカロスに謝るそはらでしたが、
イカロスは普通の人間と一緒に思われていたことを素直に嬉しがっているようです
しかし
「この程度の人間らしさじゃ全然満足できやしねぇ」とまだまだ人間らしくなりたいと思っているイカロス。
でもその表情は少々思いつめすぎているというか、あまりに気にしすぎているような気が…

「…イカロスさんは今のままでいいよ!この間みたいに、人間らしくなりたいからって
 嘘ついたりしちゃダメだからね!約束だよ!」

そんなイカロスの心境を察したのか、
「無理して人間らしくならなくていい、今のままでいい」と優しい言葉をかけるそはら。
そはらもこういう気配りの上手な奴ですね、そして「これからは嘘をつかないように」とイカロスの指を取って二人で指切りをしますが…

「嘘は…ダメですか?」

「うん、嘘はいけないことだもん。ゆっびきっりげんまん!嘘ついたら針千本のーます!ね!」

「…」

それにしても…こんな約束をしてイカロスが「そうか嘘をついた奴には針千本飲ませるのか」
変な勘違いをしないか心配ですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  そはらがうっかり小さな嘘でもついてしまった日には、
実際に千本の針を飲まされまくってあの世行き…いやああああああ!!

(マスターに…本当のことを打ち明けないと…!)

ところが、そんな指切りをしたことでまったく予想外な苦悩を始めてしまったイカロス。
イカロスの正体が
大量破壊兵器・ウラヌスクイーンということは視聴者みんなの知るところですが、
智樹にはまだ
ただの愛玩用エンジェロイドとしか伝えていない状態…そのことで智樹を騙し続けていると思ったイカロスは、
「嘘をついてるのはいけない」と本当のことを話すべきだと思い始めてしまったのです
うーむ、イカロスの気を楽にさせるつもりの指切りが、また新たな悩みの種になってしまうとは…

「あ、よかったな、お風呂に入らせてもらったんだ?俺は風呂掃除させられて、
 銭湯のオバちゃんになんとか許してもらったとこ…」

「マスター…大切なお話があります」

「えっ?」

「私…マスターに隠し事をしていました。だけど、この話をしたら…」

(私はきっと…マスターに…嫌われる…!)

そして銭湯を出たイカロスは、外で待っていた智樹を見るなりすぐに自分の正体を明かそうとしてしまいます
神妙な顔で話を切り出したイカロスですが、そこで思い出すのは
「テレビでよくある人型の兵器みたいなのは嫌」という
以前智樹が話していた言葉…秘密を話せば確実に嫌われると思っているイカロスは、とうとう悩みに悩んだ結果その場で泣き出してしまい…

「…」

「うう…うっ…うっ…」



「…イカロス、よく出来たな。お前も少しは人間らしくなったじゃないか」

「え…?」

「人間、隠し事の一つや二つあるもんな」

「マスター…私…私…!」

「いいんだ」

「…うぅ…!うっ…うう…!」

ところがなんと、
「Σ(゜Д゜;)えっえっ?な、なんで泣き出したの?何かあったの?」とうろたえるかと思いきや、
そんな態度は微塵もなく
「女の嘘は、許すのが男だ」とあえて何も追求せずに済ませる智樹!
な、なんという包容力…智樹がこれほどの甲斐性を持っていたとは…
しかしイカロスのこの泣き顔を見ていると、確かに「人間らしくなった」という智樹の言葉も的を射ている気がしますね
イカロスがこんな顔をするなんて、第一話の頃からじゃまったく想像できなかったからなぁ…

そんな今回のエンディングは、谷村新司の名曲「チャンピオン」をバックに腕立て・腹筋・ランニングに柔軟と、
厳しい特訓を乗り越えて女になろうとするトモ子の風景です。そしてチャンピオンを歌うのは、保志総一郎と藤田咲のデュエット…
藤田咲はさすがミクの中の人なだけあって、高音で歌い出すと
ほんとにミクですね

しかしそれ以上に気になるのがエンディング最後の風景、
女湯を覗いていたことがバレバレで
会長にズタズタにされる部長の姿
そ、そんな!会長め…あそこに部長が潜んでいることを見抜いて証拠写真まで撮っていたなんて!
しかし会長、
部長と一緒に風呂に入るのは全然平気なのに、覗いただけでここまで怒るとはなぜに…(えー

・自分ちの風呂入ってたら智樹が乱入してきた → 怒らない
・どこかの温泉で部長と一緒に入浴した → 怒らない
・女湯に智樹が乱入してきた → 怒らない
・女湯を部長が覗いた →
激怒

この差は一体なんなのだろう…(゜д゜)はっ、もしかして会長は、自分の裸を見られるのは全然平気だけど
他の女の裸を部長が見るのだけは許せんと考えているのか!?(えー
そういえばガンダム08小隊のシローとアイナも、一緒に温泉に入ったその時
すでに子作り完了していたという話だし、
この理屈で言うと会長と部長もすでに…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  つまり会長があれほど怒ったのは
「私を孕ませておきながら他の女の裸を覗くなんていい度胸ね」という意味だったんだよ!!次回に続く!


■そらのおとしもの 第12話 「逃れること叶わぬ螺旋回廊(クサリ)」
 

・今更感がありますけど「そらおと」の感想の続きが見たいです〜
・そらのおとしものとレールガンはまだですか? 気長にまってます
・そらおと残り2話マダー?原作見てしまってると、最終話でニンフが騙されちゃうのはちょっと残念だったかな〜。


ようやくこのリクエストに応えられる日がやってきたか…
長かった…一期最終回までの残り2話を書いていないまま、長らく放置していたそらおとですが
この秋から二期が始まる前に、ささっと片付けておきたいなと着手することにしました

まあそらおと二期が始まるのは今週の水曜(しかも深夜)ですからね!それまでに片付けちまえばいいだけの話さ!
すでに放送の早い地域では二期が始まってるとかは言うなよ!そんなことは言うなよ!
世の中は常に神奈川を中心に回っておるのだ!(えー 
神奈川で始まっていないなら、それは俺の世界では始まっていないということなのだ!わかったか!

「笑いなさい!」

「…?」

「顔だけでもいいからさ、笑ってみ!別に心から笑わなくたっていいんだよ、
 まずは表情から真似して笑ってみ、ニコッて感じで!」

さてそんな久々のそらおとですが、今回の話は
智樹がイカロスに笑顔を教えるシーンから始まります
話数を重ねるごとに少しずつ人間らしい描写が増え、
「もっともっと人間らしくなりたい」と常々思っているイカロス。
智樹はそんなイカロスのリクエストに応えるために、こうして感情表現のコーチを買って出たみたいですね

「にやり」

「口で言ってもダメだっつーの!」

「にこり」

「お面でいいわけないだろーが!」

「はあ…というわけでそはら、どうしてもこいつ笑えなくてさ、何かいい方法ないかな」

「笑い方…?うーん、でも笑いって自然に出るものだし…」

ところが相変わらずの無表情っぷりはどうにもならず、さっぱり笑顔の作り方が上達しないイカロス。
「もうダメだわー俺の手には負えそうもないわー」と根負けしてしまった智樹は、そはらの下へ連れて行って助言を求めることにします

「あ、そうだ!イカロスさん、ちょっとバンザイしてみて!」

「バンザイ…ですか?」

「てーい!こちょこちょこちょ〜!」

「はっ…!」

「どう、くすぐったいでしょ!これでさすがのイカロスさんも…!」

「(ガタンガタンガタガタバッタン)」

「きゃああああ!?な、な、なに!?」

って…そはらも結局は大した案が思いつかず、脇の下をくすぐるという実力行使しかできないようです
ところがその時、
突然何かがブッ壊れたかのようにガタゴト妙な大回転を始めたイカロス!
こ、これは一体…まさか故障!?
エンジェロイドは脇の下をいじると故障してしまうのか!?

「くすぐったいみたいよ」

「ええ!?は、反応おかしくない!?」

しかしこれがエンジェロイド流「ヒャアーくすぐってえー!」だのポーズと発覚
無表情のままブンブンするのがエンジェロイド流なのかよ!まったく意味が分からんな…
しかしニンフも当然のようにこう断言してるってことは、ニンフをくすぐってもきっと同じ反応が返ってくるんだろうな(えー

「ダメだダメだ!何やってんだそはら!
 お前のくすぐり方はなってない、俺が手本を見せてやる!」

「へっ、と、智ちゃ…(こちょこちょこちょ)あぁっ!?あ、や、やめ、あぁっ…!」

「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

「ん、あぁっ!あう、ん、あ、ぬぉがあああああーーっ!!」

「はっ!?し、しまっ…うっぎゃああーーっ!!」

そしてなぜかそはらに向かってくすぐり攻撃を開始した智樹
何やってんだこの人!しかも思いのほかそはらがアンアン喘ぎまくるので、ますますもって強力にくすぐりまくりますが
そのうちブチ切れたそはらにボコボコにされるという…完全にイカロスほったらかしじゃねーか!
それにしてもアニメの女性キャラというのは、こそばゆい思いをすると
性的に喘ぎまくるというのが常識なんだろうか…(えー

「どうすれば…笑えるようになるのかな…」

「うーん…あ、そうだ!」

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「なに?笑い方だと?」

「うん、何かアドバイスしてあげて!」

「…」

「…」

「………」

「………」

「………………」

「………………」

「はぁぁ…笑わない人に聞いてもムダだったみたいね…」

-----------------------------

「笑い方、ねぇ〜」

「はい…難しいです」

「ねえ、例えば会長はどんな時に笑ったりするの?」

「そうね〜、ハエ叩きで思いっきり叩き潰した時かしら、人間とかぁ」

「…」

「うふふふ、大笑いよねぇ〜〜」

結局智樹とそはらがアテにならないので、部長や会長に次々とアドバイスを求めるイカロス達。
しかしこいつらは
智樹達以上にアテにならん存在でした(えー
部長はもともと
イカロス並に全然笑ったことがない人物
会長はというと
「あー弱者を踏み潰すのってマジ快感だわー」という悪趣味な人物…どっちもまるで参考になりません
というか会長の鬼畜な性格って、あのクソムカつく空のマスターに通じるものがあるよな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「分からない…なんで、笑えないのかな…」

「感情プロテクトはとっくに解いたはずなのにね〜、アンタは戦闘に特化したエンジェロイドだから、
 その辺の機能がアレなんじゃない?」

「私が…戦闘用だから…」

「ま、笑い方なんて簡単な事だし、そーんな悩まなくても…」

「簡単じゃない…だって私…ニンフが笑ったところも、見たことない」

「え…?」

そんなわけで笑い方がまったく分からないまま、ますます悩みが深まるばかりのイカロス。
もはや付き合い切れないニンフは他人事のように軽口を叩きますが、
そこでイカロスから
「ニンフもまったく笑ったことがない」との発言が…
えっと…そ、そうでしたっけ、今までも
こんな顔とかこんな顔とか結構笑ってたような気が…(えー

「は、はぁ!?なに言ってんの!?」

「見たことないわ」

「な…」

「もう…ずっと、ニンフが笑ったところ…見たことない」

「…」

「それに…最近は何かずっと思い悩んでいるみたい」

「…!そ、そうね、じゃあ一緒に考えましょ!どうしたら私達エンジェロイドが笑えるのか!」

慌てて反論しようとするニンフでしたが、イカロスが
「あんた絶対笑ってない」と再び口にすると何も言えなくなってしまいます
そんなニンフの脳裏に浮かぶのは、あの腐った空のマスターにひたすら愛想笑いを浮かべる日々…
どうやらそんな生活を送るうちにニンフは、仮面のような笑いしか浮かべることができなくなってしまったようですな…
さらに
「最近は何かずっと悩んでるよね」とニンフの心中をズバズバ突いて行くイカロス。
それを聞くなりギョッとしたニンフは、慌てて作り笑いを浮かべて会話を切り上げてしまうのでした

「あ〜ハラ減った、お〜いイカロス〜」

「はい、マスター(微笑)」

「へ…?な、な!?」

「おはようございます(微笑)」

ってアレェー!?翌朝智樹が目を覚ましてみると、台所にはまさに天使のような微笑みを浮かべたイカロスが!
なんだ夢か…早く目覚ませよ智樹(えー
冗談は置いといて、一体どういう魔法を使ったのかニコニコしまくりのイカロス…
何が何だか分かりませんが、智樹は可愛すぎるイカロスの笑顔にひたすら心臓ドキバクしてしまいます

「な、な、なななっ、な…!」

「マスター…」

(お、おち、落ち着け俺!相手は羽生えてんだぞ羽!)

「どうかしましたか…?」

「い、いや、なんでも…どぉっ!?」

(ち、乳!乳でけぇーーっ!!)

こうなると普段意識しないようなことまで意識してしまい、
「こいつってこんな超おっぱいの持ち主だったっけ?」
いつも通りなイカロスの胸にも激しく欲情してしまいます。というか普通なら「こいつってこんなに可愛かったっけ」と言うところで
乳の方ばかり意識するとはさすがそらおとと言ったところか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ま、ままま、待ちなさいっ!」

がしっ

「ん…?(ぺたぺた)あ、あれ!?なんだこりゃ!顔がガチガチに固まってる!」

「ありゃー、やっぱダメ?接着剤で顔ガチガチに固めてみたんだけどぉ」

「お、お前らアホかあああああ!!」

って何かと思えば接着剤かよ!そんなムチャクチャな!?
さっきの
「どうやったら笑えるようになるか考えましょ!」って考えた結果がこれとは…
元々は
「もっと人間らしくなりたい」って話だったのに、どんどん人間らしさから逸脱していってるじゃねーか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

《僕を見ても、もう微笑んでくれないんですか…?》

《ええ…》

《そうだ、僕とデートをしましょう!あの並木道を通れば、また笑顔になれるかもしれない!》

「ん…?デートで、笑顔…?ねえ智樹!いいこと思いついた、3人でデートしよ!」

「は、はぁ!?」

って…そんな中で趣味の昼ドラを見ていたニンフは、
「デートをすれば君が笑顔になるかも」という
ドラマのセリフにすっかり影響されてしまいます。デートをすれば笑顔になれる…そう信じ込んでしまったニンフは、
「デートってのがなんだか分からないけどとにかく行こうぜー」と、強引に智樹達をテーマパークに連れ出してしまいます

(マスターとデート…なんだろう、私…わくわくしてる…)

「あぐぐ、よ、酔った…おぇぇぇ、気持ちわりぃっ…」

「大丈夫?もう、なっさけないわねぇ。ほら次行くわよ、立って智樹!(ぱしっ)」

「はっ…!?」

(今のは…なに…?動力炉に一瞬痛みを感じたような…)

しくじっちまった、どうりょくろをやられたみたいだ(えー
そんなわけでデートに繰り出した3人、ところがイカロスも最初はワクワクしていたものの
ふとした拍子に
ニンフが智樹の手を握った瞬間、「ちぃぃ!動力炉が持たんぞ!!」
嫉妬で胸の動力炉にチクチク痛みを感じてしまいます

「わぁー!すごい、すっごーい!」

(はは、楽しんでるみたいだな)

「俺ちょっと茶でも飲んでくるわ、2人でのんびりしてていいからなー(すたすた)」

「えっ、あ…」

(…智樹…智樹が…私のマスターだったらよかったのに…)

って、今度はニンフが動物園コーナーを見てはしゃいでいる中、ちょっと息抜きに飲み物を買いに行った智樹。
ところが智樹に手を放されてしまったニンフは、それまでのはしゃぎようが嘘のようにしょんぼりした顔を…
お、おいなんてこった
智樹モテモテってレベルじゃねーぞ!!
「あー喉かわいた」ってちょっと席を外したらこの落ち込みようかよ!2人はもう完全に智樹ラブラブになってしまったようですなぁ

「ねえ、アルファ…どうしてこの動物達、檻の中に入れられてるのかな…」

「さあ…」

「もしかしてこの檻って、私達の首輪みたいなものなのかな…」

「え…?」

「この子達も、ここから出られて自由になれたら…きっと嬉しいんだろうなぁ…」

って、ちょ、ちょっと…?そうしてイカロスと一緒に動物達を眺めていた結果、
もしかしてこの檻ブッ壊したらみんなハッピーになるんじゃない?
物騒なことを言い出したニンフ!お、おいおい…この無垢な表情からしてまったく悪気はないようですが
動物さんたちはどうだか知らんけど、この動物園の職員さん達は
一体どれほどの責任を追求されるか…(えー



「もし逃げることが出来たなら…智樹も喜んでくれるかなぁ」

「え…!?マスターが…マスターが喜ぶ…!?」

ドギュゴオオオオオ!!

「えっ!?ア、アルファ!?」

「マスターが…マスターが喜ぶ…!」

ゲェー!?ところがその時
「檻を壊せば智樹が喜ぶ」という言葉を聞いて、即座に例の破壊神モードを起動したイカロス!
恋は盲目とはこのことか、智樹のために恐るべきパワーでみるみる檻を破壊してしまいました。それにしてもこの姿は
まるで北斗の拳第一話のケンシロウのようです(えー  北斗現れるところ乱あり…不吉な…

「ぐぎゃああああーーっ!!な、な、なんじゃこりゃあああーーっ!!」

そんなわけで動物園の全ての檻を破壊してしまったイカロスですが、飛び出した動物達は
なぜか一斉に智樹を集中攻撃!
一体智樹が何をしたー!のんびりお茶をすすっていたらいきなり猛獣達の襲撃を受け、ボロ雑巾のようにされた智樹は
服を破かれ全裸で逃げ回るハメになってしまいます

「あ、あいつらだな!?絶対あいつらの仕業だな!?」

ドドドドドドドド!!

「お、檻に戻って!お願いみんな落ち着いてぇ!はっ!?」

「うおおおおおーーっ!!」

「は、裸!?いやぁぁぁーーっ!!」

ゲェー!?ところがその時、
檻の前でオロオロしていた女性飼育員の前に飛び出してしまった智樹!
それもちょうど
飼育員の目線の高さにアレが来るようなアングルで…ぎゃあああああ!!
その結果
「全裸のポルノ野郎が動物園で暴走中」と智樹は警察に通報されてしまうハメに…

「なにィ!?園内で全裸の男が檻を壊して暴れているだとォ!」

《各車両は至急現場に急行せよ!
 繰り返す!至急現場に急行せよォッ!!》

ブオンブオンバオオオオン!!

「チィィッ!新手のテロか!厳重警戒ッ!!」

ドッギュオオオオオン!!

「ざけやがってェェーーッ!!」

ギュラギュラギュラギュラギュラ

「畜生め!全弾撃ち尽くせぇぇぇーーッ!!」

ズドガガガガガガガ!!

ゲェー!?全裸男相手に一体どこまでやる気だよ!
なんだコレー!!園内に登場したポルノ野郎を成敗するべく、無数のパトカーが集結し、空母から戦闘機が出撃し、
頑強な戦車が町を突っ切り、さらに武装した歩兵部隊が銃撃で掃討する
という大惨事に!
どれだけ重罪なんだ公然わいせつ罪…(えー  もはや露出狂の生きていられる国じゃないな…

《本日のお昼過ぎ、テーマパーク内の動物園で
 全裸の男が暴れ回るという事件がありました》

《ええ、いつかはやるだろうと思ってました》

《極刑よ〜!極刑を要求するわ〜!》

そんなわけで哀れにも
「全裸で動物園を襲撃した不届き者」としてお縄を頂戴することになってしまった智樹。
そんな智樹に対する
友人Mさんと友人Sさんのコメント酷すぎ
「いつかこうなると思ってましたわー」とか「これは極刑以外ないですわー」とかてめえらの血は何色だー!!
とんだ冤罪により堕ちるところまで堕ちてしまった智樹…果たしてここから這い上がる術は残されているのか…

「すみませんでした、マスター…」

「はー…!はー…!も、もういいだろ、帰るぞ!もう十分デートっぽいことしただろ!」

って、次のシーンではすでにイカロスが例のなんでも願いが叶うカードを使って智樹を助け出した後でした。
そういえばそんな便利アイテムがあったな…そのおかげで智樹はなんとか九死に一生を得たわけですが…
というか最初からこのカードに向かって
「このイカロスを笑顔にしろー!!」ってお願いしたら
何もかも簡単に片付いたんじゃないか?:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  セコい気もするけど接着剤使うよりマシだろ!ねえ!

「でも…まだ足りないんじゃない?この本、デートの最後にはキスするものだって書いてあるわよ」

「がっ!?ア、アホか!キスってのはなぁ、心に決めた一人とするもんなの!」

「え…?そっか、一人としかできないんだ…ねえ、アルファ…私…してみたい」

「えっ!?」

「いいでしょ…?アルファ…」

って、な、なにぃ!?なんとその時
「デートはキスをしないと終わらない」とキスをせがみ始めたニンフ!
バ…バカな!
「いいでしょアルファ?」ってそんなにイカロス相手にキスがしたいのか…(えー
いや予想外だったわ…ニンフのやつ智樹狙いと見せかけて、
実はイカロス狙いだったとは予想外だったわ…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン



「智樹…ん〜…」

「な、なっ…」

「う…ううっ…!」

ばさばさばさ

「あ、こ、こら!俺を置いて行くなぁーっ!」

えー、バカな冗談は置いといて、もちろんイカロスではなく智樹にキスをねだり始めたニンフ…
その光景を見るのが耐えられないイカロスは、いたたまれなくなってその場から飛び去ってしまいます
そして智樹の前に残されたのは目を閉じたニンフ一人…完全に頭がパニックになりながら、智樹が取った行動とは…

(ど、どうしたら…どうしたらいいんだぁ…!?)

「ん、ん〜…」

「…はっ!?ちょっ!ス、ストップ!」

ぼぐしゃー!!

「おがあーっ!?」

「じょ…冗談よ冗談!!」

「ぐがが…な、殴んなぁぁー!!」

ゲゲェーッ!?予想外にもマジでキスをしようとする智樹でしたが、
その瞬間にいきなり渾身の岩山両斬波を叩き込むニンフ!(えー
な、なぜそうなる!?智樹が本当にキスしようとするのも意外でしたが、それに対してまさかの岩山両斬波とは予想外すぎるわ…
いざキスの瞬間になってみたらドッと恥ずかしくなったってやつでしょうか、乙女心ってやつは分からんもんだなあ

「アルファに…悪いことしちゃった…」

ばっさばっさばっさ

「お、おい、ちょっと!」

(ごめんねアルファ…最後にもうちょっと、思い出が欲しくなっちゃっただけなの。
 でも、もう十分…あんた達と過ごした時間、短い間だけど楽しかった…
 大丈夫よアルファ…たとえ笑うことが出来なくたって、智樹がマスターならあんたのこと…
 ずっと、ずっと大事にしてくれるわ)

そしてキスが未遂に終わった次の瞬間、ニンフは智樹を置いて空の向こうへ飛び立ってしまいます
そんな空の旅でニンフが思うことは、
「今まで楽しかった」という今生の別れのようなことばかり…
まさかもう2度と智樹達の所には戻らない気なんでしょうか…?

「さよならアルファ…さよなら…智樹…」

そしてニンフが決定的な別れの言葉を残すと同時に、場面は今回のED曲へと突入していきます
そんなEDで流れる映像は、これまでにニンフが体験してきたさまざまな思い出の数々…
なんというか、まるでニンフの
人生の走馬灯を映し出すようなこの演出…それが意味するものはやはり…

「さてと…どこにしようかな…」

ピッ…ピッ…ピッ…

「海…それとも人気のない山の中…どこかでひっそりと散ってしまえば、誰にも気付かれない…
 いっそ、爆弾を抱えたままシナプスへ帰るのも滑稽でいいかもね…
 そしたら私のマスターはなんて言うかしら…あはは、あはは…あははっ…」

そう、やはりEDの演出は、ニンフの死期が目前まで迫っていることを表していたのです
空のマスターと繋がれている忌まわしいニンフの首輪…なんとこの首輪は時限爆弾になっており、
「イカロスを空まで連れて帰ってこい」という任務が果たせなかった場合に備えて、爆発する仕組みになっていたのです



さっきイカロスが
「最近ニンフはずっと悩んでるみたい」と言っていましたが、
その悩みの内容とは
時限爆弾のタイムリミットが刻々と迫っていることに他ならなかったんですな…
あの空のマスターは一体どこまで腐った奴なのか…

ゴオオオオオオオッ!

「え…!?」

ドッボガアアアアアン!!

「きゃああああーっ!!」

「「んっふふふふふふふ…」」

「う…うぐっ…ガ…ガン…マ…!?」

って、ニンフが死に場所を求めてさまよっていたその時、突如として空から降ってきた謎の人影!
落下の衝撃でニンフを吹っ飛ばしておきながら、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる2つの人影…見てみればそいつらの背中には羽が…
それにニンフの
「ガンマ」という言葉からしてエンジェロイド・タイプγのお出ましということのようですな…
しかし放っておけば死ぬニンフの前に、わざわざこいつらが現れた理由とは…次回に続く!


■そらのおとしもの 第13話 「空の女王(オトシモノ)」
 

「ガ…γ!?」

「そう、私達は要撃用エンジェロイド・タイプγハーピー」

「あ…う…」

「大丈夫よぉ、私達はマスターから頼まれて来たの」

「マスターはあんたの事をずっと傍から見守ってくれてるわぁ。ずいぶんと心配してるのよ」

「え…?マ…マスターが…!?」

「んふ…そりゃ最初は、あんた一人でウラヌス・クイーンの相手をして来いなんて
 無茶言ってたけどさぁ」

「もしあんたが壊されちゃったらって考えてたら、気が気がじゃないって。
 あんたに早く帰って来て欲しいってよ」

「え…!?」

前回ニンフの前に突如として現れた、2体のエンジェロイド・ハーピー…こいつらは一体何の目的でやってきたのかと思いきや、
あの空のマスターが「やっぱり僕ニンフちゃんが心配!早く帰って来て!」と、ニンフを心配していることを伝えにやってきたと…
(#0M0)でたらめを言うなーー!!(えー
ふ、ふざけんな!あの超絶腐り切ったゴミマスターが今さらニンフを心配だと!?んなわけあるかボケ!
あまりにも見えすいた嘘で信じるのもバカらしいって感じです、そんなハーピー達のふざけた言動にニンフの反応は…

「なんだかんだ言ってマスター、βがいないと寂しいのよぉ」

(マ…マスターが私を心配してくれてる…?マスターが…私がいないと寂しいって…)

か…完全に信じとるーー!!(ガビーン)
ア…アホかーー!!なんで今さら嬉しそうにしとるんじゃニンフは!今までの地獄のような仕打ちの数々を忘れたのか!
ああ、まったくもう…ここまでニンフが騙されやすい性格だとは思いませんでした、
そんなわけですっかりハーピー達の口車に乗ってしまったニンフは、これから2人と行動を共にすることにしますが…

「ハハハハハ!ダウナーなんぞにうつつを抜かしているようでは、お仕置きだな…!
 ウラヌス・クイーンを壊してダウナーどもを殺し、私に褒められると思って
 意気揚々と帰ってくる…そこでこの欠陥品に伝えてやるのさ、
 お前は廃棄処分だとな。その時のこいつがそんな顔をするか…楽しみでたまらない…!
 フフフフハハハ!ハーッハッハッハッハッ!!」

そんなニンフの姿を映像で眺めながら、「騙されてやんのバーカ」と思いっきりあざ笑っていたゴミマスター。
やっぱり嘘だったんじゃねーか!しかもニンフの廃棄処分の仕方を考えて悦に浸ったりと、つくづく最低すぎて腹立つ奴ですゴミマスター
ハーピー達も騙されているニンフに対してこの悪どいツラ…どうやら完全にイカロス始末のためにニンフを利用してポイ捨てすることしか
考えていないようです

「段取りは話した通りよ。あんたのP-ステルスシステムを使って、
 私達の姿を消してちょうだい。いざというときには援護するから」

「援護…?」

「うっふふ…(ガシャッ)強高熱体圧縮発射砲・プロメテウス…!イージスを展開させる
 暇さえ与えなければ、ウラヌス・クイーンだって一瞬で仕留められるわ」

「ちょ、ちょっと待って!マスターの命令は、破壊ではなく連れ戻すこと!
 ここでαを説得するって話でしょう!?」

「もちろんよぉ。だけど、いざとなったら私達だって自分の身を守らなくちゃあ…
 そうでしょう?」

「こんな物騒なものを使わないためにも、あんたの力が必要なのよ」

「あ…」

「大丈夫。あんたなら、きっと上手くウラヌスクイーンを説得できるはずよぉ。
 これはあくまで保険」

「すべてはマスターの意志…成功すれば、マスターがどれほど喜ぶことか…」

(マ、マスターが…喜ぶ…)

「わ、分かりました…でも、説得が終わるまで、手を出さないって約束して!」

「ええ」

「もちろんよぉ」

それからはイカロスをおびき出す作戦を立て始めた3人…ハーピー2人をニンフのステルスシステムで透明にして、
そのままニンフがイカロスを呼び出すという内容です。ハーピー達は「あんたの説得を見守るためなのよぉ」と言ってはいますが、
なんかすげー物騒な武器を持ち出して「ヒャーこいつならウラヌスクイーンも一撃だぁ!」とか言ってるし
どう見ても殺る気です本当にありがとうございました
ここまで分かりやすいのになぜ気づかないんだニンフ…「マスターが喜ぶわよぉ」って言葉に釣られてるししっかりしてくれよ…

ビュオオオオオオ

(ニンフの反応はここから…)

「あっ…ニンフ!」

「ごめんねアルファ、どうしても2人きりで話したいことがあって…」

(ふふふふ…)

そんなわけで、ニンフの反応を追ってのこのこ現れてしまったイカロス…目の前にハーピー達が潜んでいるとは知るよしもありません
最初は例の戦闘モードで周囲を警戒していたイカロスですが、ニンフ1人だけと分かると警戒を解いてしまい…

「黙ってたけど、本当は私…あんたを空に連れ戻すために…」

ドッバゴオオオオオオオ!!

「あ…うっ…!」

「え…!?」

ところがニンフが説得を始めたその瞬間、「バカめスキだらけだ!」と即座にイカロスへビーム砲を食らわしたハーピー!
無防備なイカロスはまんまと背中に直撃を受け、そのままバッタリと倒れて動かなくなってしまいます。ああ…

「アッハハハ!案外あっけないものねぇ!」

「そ、そんな…!なんで!?説得させてくれるって言ったじゃない!」


(C)岩明均/講談社

ば〜〜〜っかじゃねえの!?(えー

「バァ〜カ!嘘だっつぅ〜の!!」

「アハハハハッ!けどそのバカのおかげで楽勝だったじゃなぁい?」

「…う…嘘…じゃあ、マスターは…」

「私達は、こいつの持つウラヌスシステムのコア・可変ウイングの回収だけが目的なのよ」

「マスターはそれだけを持って帰れってさぁ、だからアンタの役目はもうお終い」

「そ…そんな、だってさっき…!」

「いいからもう消えろよ!このクソチビ!!」

そしてイカロスを倒してからは、本性を隠そうともせずゲスな言葉を発し始めたクソ2匹…
もはや時間がくれば自爆するニンフにも用がないようで、冥土の土産に真実を教えてこの場から追い払おうとします
というかあのマスターの予定では
「ニンフが大喜びで帰ってきたところを廃棄処分にするんだ!あ〜超楽しみ」って話だったから
ここで本当のことバラして逃がしちゃったら
マスターの予定台無しなんじゃないか?(えー
こりゃハーピー達も帰ったら廃棄処分決定だな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「(ジャキッ)ばいば〜い?ウラヌスクイーン」

「…」

(そ、そんな…!やめて…!智樹が…智樹が悲しむ!)

「んっふふふふ…」

「う、うあ…うわああああああ!!パラダイスソング!!」

「なに!?」

ゴッバアアアアアアアン!!

ところがその時、とうとうハーピー達に反逆し
必殺のパラダイスソングを発射したニンフ!
どうやらトドメを刺されそうになるイカロスの姿を見て、ようやく我に返ったようで…
そして余裕こいてイカロスを始末しようとしていたバカ2人は、まんまとパラダイスソングの爆風に飲み込まれてしまいます

「はぁ…はぁ…はぁっ…」

「…」

「はっ!?」

ドッガァッ!

「あうっ!」

メキメキメキミシミシミシ!

「あがぁっ!あ、あ、あああ…!?
 あああああ!!いやああああーーっ!!」

な、なにをするきさまらーー!!
ところがニンフ決死の攻撃もむなしく、わずかな手傷を負っただけで平然と姿を現したハーピー!
それからはもう見るも無惨なリンチタイム開始…殴る蹴るの暴行に加えて、強引に羽を引きちぎるシーンがキツすぎます
肌ごと引き裂かれそうな描写がなんとも痛々しいですな…声優さんの演技も真に迫ってるので相当ニンフが可哀想なシーンです

ドガッ!ズガドガアッ!メキメキミシイッ!

「う、うあ…ああ…ああああっ…」

「…可変ウイングシステム…セーフティ解除…!」

ズゴゴゴゴゴゴ

「な…なに!?」

「こいつ…!プロメテウスをまともに食らったはずなのに!」

そんなニンフがズタズタに痛めつけられる中、ついに意識を取り戻したイカロスが再び戦闘モードに移行!
さっきは通常モードのまま背中に激しい損傷を負ってしまいましたが、戦闘モードに移行した途端
そんなダメージは簡単に直ってしまいました。つまり100%の力で遠慮なく戦えるってことですな…
こりゃハーピー達は完全に終わったくさいですぞ

「…」

「あ…!?ダ、ダメ…アルファ…!智樹達にバレちゃう!」

ゴゴゴゴゴゴ

「…マスター…申し訳ありません、今まで嘘をついていました…
 私は戦略エンジェロイド・タイプαイカロス…マスターの嫌いな…兵器です」

ところがいざ戦闘を開始しようとしたその時、そんな戦場に姿を現してしまった智樹・そはら・部長・会長の4人!
どうやらイカロスとニンフが帰ってこないのを心配して、4人で探しにやってきたようですが…というか智樹達って、まだイカロスの正体が
戦闘用ロボットってことを知らなかったんですね。久しぶりのレビューだからすっかり忘れてた:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

そんなわけでここで初めてバレてしまったわけですが、イカロスはもはや隠す気もなく淡々と自分の正体を語ってしまいます

「すいまセーン…ボクウソついてまーした…日本食とかヘドが出るほど嫌いデース…
 ボクの国ではみんな…ハンバーガーとバーベキューしか食べませーん…
 浴衣…こんなスカスカした布キレいりまセーン…
 ボクの国では夜寝る時は、裸にGパンって決まってマース…
 この魚と野菜だらけの料理も気が滅入りマース…自然と共存?クソくらえでーす…
 ボクの国ではホームランが打ちたかったら、薬物とコルクバット使いマース…」(えー



「知ってたさ」

「!?」

「なあイカロス、俺が兵器が嫌だって言ったのは、お前が可哀相だって思ったからなんだ。
 スイカ可愛がったり、ひよこ育てたり…お前結構優しい奴だからさ、
 そんな奴が生まれつき人殺しの道具なんて…あんまりだなって思ってさ」

「は…はい…」

「でもなイカロス、今は俺…こう思うんだ、お前が兵器で良かったって。
 おかげで友達を助けられる」

「はい…!」

「頼む…ニンフを助けてくれ、イカロス!行け!!」

「はい!!」

ところがイカロスの正体に嫌悪する様子など微塵もなく、あるがままイカロスの存在を受け入れる智樹!
むしろ、
「戦闘用のお前にしか出来ないことがある」と戦闘用のイカロスに誇りを持っているくらいです
てっきり拒絶されるだろうと思っていたイカロスは、予想外な智樹の言葉に涙が止まりません
そして智樹の言葉に背中を押され、イカロスは猛然とハーピー達へ飛びかかっていくことに…

ズガッドバギャアッ!!

「がはっ…!ちいいいっ!」

「このぉぉぉーっ!!」

「よし…!このスキにニンフの鎖を切るぞ!」

「大丈夫か、ニンフ!」

「ひどい…背中が…!」

「どうせロクでもない奴がマスターなんでしょう…?」

「あ…あんた達…」

そしてしょせんハーピー達は、不意打ちでなければイカロスとまともに戦う勇気もなかった連中、イカロスがパワー全開となった今
一方的に2人まとめてボコられ続ける!そしてその間に、智樹達はニンフと空のマスターを繋ぐ鎖を断ち切ろうとします
どうやら首の爆弾に信号を送っているのもこの鎖のようで、こいつさえ破壊すればニンフは助かるようですが…

それにしても、シリアスなシーンなのに
「ロクでもない奴がマスターなんでしょう」という会長の言葉に思わず吹いた(えー
会長…前回智樹が捕まったときに
「極刑よ〜!極刑よ〜!」と叫んでいたロクでもない人について
何かコメントはありませんか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

バチバチバチイッ!

「ぐぐぐぐ…!」

「む、無理よ!変に鎖を刺激したら誤爆するかもしれないのよ!?」

「先輩、どうやったらこの鎖切れますかね…!」

「そうだな…!鎖は引っ張られる力には強いがねじれる力には弱い、
 思い切りねじったところを斧で叩き切れば…!」

「人の話を聞きなさいよ!あんた達も、この辺り一帯も
 全部吹き飛んじゃうかもしれないのよ!?」

「だからどうした」

「え…?」

「私達、友達だよニンフさん!」

「友達が困ってたら助ける、当たり前のことをしてるだけだ!」

そして爆発の危険が伴なう切羽詰まった状況の中、ニンフの鎖を断ち切るために全力を尽くす四人!
なんて勇敢な奴らだ…まるで爆発物処理班のように生きた心地のしない作業を、
「友達のためだから」と何ひとつ恐れずにこなしております。これがただの中学生だっていうんだから凄いよな…

ズゴゴゴゴゴゴゴ!

「うっ…!あ、あれは!」

「ウ…ウラヌスシステム!?」

そんな一方でハーピーと交戦中のイカロスは、一気にケリをつけるべく切り札の
ウラヌスシステムとやらを起動!
なんだか分かりませんが、あの空のマスターでさえ欲しがっていると言っていたこのシステム…それを起動した途端、イカロスの背後に
巨大戦艦みたいな何かがぬーんと出現!なんだこりゃ!戦艦のスタンドを出すシステムなのか!?

ギュオオオオオオアアアアアアアア!!

そして戦艦の主砲らしき部分に、物凄い勢いで集束していく驚異的なエネルギー!
これは…もしかしなくても、このエネルギーを一気に放出してハーピーを吹き飛ばすつもりなのでしょう
そんな世にも恐ろしいほどのパワーが集結した結果、ハーピーに向かって放たれたものは…

ヒーローマァァァン!!
オースパーク!!
(えー

なんと宇宙の果てまで貫くほどの、超強烈なスーパービーム!人間サイズの敵に使う武器じゃねえー!!
こんなものの直撃を受けてしまったら、ハーピーなんぞはもはやチリも残さず消し炭に…って
どうやらイカロスは、あえてハーピーに直撃させずに
わざとギリギリで攻撃を外したようです
なので直接的なダメージはなかったものの、このスーパービームで戦意喪失したハーピーはすごすごと退散して行くのでした

「敵勢力の撤退を確認…通常モードへ移行します」

「おーいイカロスー!ははっ、どうだー!!」

「あ…よかった…」

「…」

そんなハーピーどもが片付いた一方で、智樹達も見事にニンフの鎖をぷっつりと断ち切っていました
これで首輪が爆発する心配もなくなり、あのクソマスターからも自由になれる…そんなハッピーエンドなわけですが、
まだニンフは実感が湧かないのか、微妙に暗い表情をしているようで…

(アルファ…私、分からないの…私達エンジェロイドは、生まれてきて一度も幸せだなんて思ったことなかった…
 私達は、マスターの幸せのためだけに存在する物だから…だけど今、分からないの…
 自分の気持ちが…多分今、私…幸せだって感じてる…今の私、きっと…笑える…)

ニンフが浮かない顔をしている理由…それは、自分が生まれて初めて幸福になるという事実に戸惑っていたからでした
これまではただただマスターの幸せのために尽くすだけの人生…今ようやくそこから解放され、自分の幸せを見つけることができたのです
それを段々実感していくにつれ、
「笑顔になったことがない」と言われていたニンフにもとうとう歓喜の笑みが…


と、これにてそらおとの一期はお終いになります。いやーなんていうか、完全にラスト2話は
ニンフのためのストーリーでしたね
まずは「笑顔になりたい」というイカロスの描写で始まりましたが、途中でニンフもイカロスと同じで笑顔を知らないことが分かって、
最終的にはこうしてニンフが笑顔を知って物語が終わるという…
もう完全にニンフが主役や!

しかしニンフのための話か…ついでに言っておくと、
これって本当にニンフのための曲だよなっていう歌がひとつあるんですよ
それは
ガンダム0080の主題歌「いつか空に届いて」であります

見上げる空は遠いけど
抱えきれない夢がある
そうよ 創られた世界の中を
抜け出して 自由になりたい
走り続けて 空に届けば
風になれると そう信じてるから
これでいいのと 誰もが
無口になってしまうけど

そうよ 今まで出会えなかった
本当の愛を 知りたいの
腕を伸ばして 空に届けば
新しい始まりの時 見えるよ

と、まあこんな感じです。そらおとは毎回EDが変わる仕様なんだから今回はこの曲にすればよかったのに!(えー
まあこの曲を採用してしまうと
主役がラストでミンチより酷いことになって死ぬという悪しきジンクスが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
それでは第二期に続く






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