逆境無頼カイジ 破戒録 第11話「歓喜と嘆声」 第12話「破天・破漢」
 

「ワシの最後の大博打!応援してくれやぁみんな!
 万が一出た時は祝儀をはずもう!1人あたり50万、後押し頼むぜぇ!」

「「「う、うおおおおーっ!!」」」

【ついに始まる坂崎の挑戦!究極のモンスターマシン・沼…!狙うは6億!】

さて前回、超高レートパチンコ”沼”攻略のために坂崎のおっちゃんと手を組んだカイジ…
今回は、いよいよその沼を落としに2人がカジノへ乗り込んだ場面で始まります
とはいえ、2人仲良く入店したのではなく他人を装った別行動。そして坂崎のおっちゃんが、他の客相手に「うおー俺はやるぞー!」と
場を異様に盛り上げながら沼へと挑みますが…



『えっ…入らない?』

『ああ、入らん…あの3段クルーンの最後、一番下の当たりには絶対に入らない。
 沼は玉のコントロールがきっちり仕上げられていて、クルーンへの落下速度・導入角度が寸分違わず毎回一緒…!
 ごくたまに当たり穴の手前まで行くことはあるが…ブレはその範囲、決して当たりには届かない』

って、おっちゃんが沼への挑戦を始めると同時にカイジの回想シーン突入。これは店へ行く直前の作戦会議の場面ですね
そう、今日は釘が甘くなっている設定Aの日ではありますが、それでも当たりをことごとく弾いてしまうのが
最後の難関・3段クルーン…当たり穴の周囲にハズレ穴がボコボコ空いているこのクルーンは、
どれだけ玉を打ち込んでも絶対に当たりが出ないよう調整されているそうで…



『だが…逆に言うなら、玉の遠心力を歪ませることができれば入りうる…!となれば…こいつが有効…!』

『じ…磁石!』

『そう、強力な磁石をガラス越しにかざせば…玉の軌道、遠心力は必ず歪む…!
 敵はそれが恐いから、打ち手への磁気チェックを義務付けているんだ』

そこでおっちゃんが立てた作戦が、磁力によって玉の軌道を歪ませるというもの!こうすることで当たりに入る可能性を作り出すという…
ただ、普通に打ったら「絶対に当たらない」というものが、磁力をかけたら「それなりに当たる可能性がある」と変わる程度の作戦…
100%勝てる保証はありませんが、だからこそおっちゃんは金庫から大金をパクッてきたのでしょう

おっちゃんの2000万だけで勝負した場合、アンラッキーが続いて当たらないまま終わる場合も考えられる…
だから金庫から金を持ち出して、5000万での勝負を挑もうと考えたんですね

あとは店で必ずやらされる磁気チェックをどう突破するかですが…そこでカイジの出番がくるというわけです

「おおっ!きたぞ!きたぞきたぞーっ!!」

カランカラン…

「ぐっ…!あーくそぉ!!ビールくれビール!」

「は、はい!」

「(ガブガブ)プハァーッ!さーてやるか…もう一度!」

「いいぞオヤジ!また来たぞクルーンに!」

「おっ…!おっおっおっ!そこのお前!ちょっと持っとれ!」

「えっ、は、はい!(よしっ…渡しは成功…!)」

そんなわけでカイジとおっちゃんの立てた作戦がこれ、ヤジ馬のフリをしたカイジが密かに磁石をおっちゃんに渡すというもの…
とはいえ、すぐ横では店員が目を光らせているので簡単にはいきません。具体的にはどうやったかというと

先に入店したカイジが缶ビールを買い、
その中にこっそりと磁石を入れておく
おっちゃんも沼を打ちながら缶ビールを買う
ヤジ馬のフリをしたカイジが寄ってきたところで、
「そこのお前!ちょっと持っとれ!」と
おっちゃんがカイジにビールを渡す
カイジからビールを受け取る際、
自分が渡した方でなく磁石の入っている方を受け取る

と、こんな感じでおっちゃんへの磁石入りビール受け渡し作戦が成功したという…
おっちゃんが「勝ったら50万やるぞー!」とギャラリーをかき集めて盛り上げているのも、
この一連の流れが不自然にならないようにするためだったんですね

ただ、この作戦にもたったひとつ重大な欠点がありますね…そう、たったひとつ…
それはビールを交換した後、両者ともそれに口を何度も付けているので
カイジとおっちゃんが間接キッスしまくりという欠点が…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

バチン…!バチン…!バチン…!バチン…!

「あ、あれ…?なんか、入らなくなったぞ…」

「クルーンに行ってねえ…!全部あの役物に弾かれてる!」

【今まで3分の1は通していたクルーンへの番人…急変!弾く…!弾く…!弾く…!弾く!!】

バチン…!バチン…!バチン…!

「がっ…!ぐ…!く、くっそぉぉぉっ…!」

「クックックックッ…」

(く…!あ、あいつら…!何かやりやがったのか!?)

ところが、そんな磁力ビールをせっかく渡したものの、突如としてクルーンへの当たりルートにまるで玉が入らなくなるという現象が!
何が起こったのかと思えば、クルーン手前にある開閉バーが猛烈に玉をブロックし始めたという…
あからさまに急変した沼の様子に戸惑うカイジ達。そう、こうなったのは店側がたった今ブロック機能をONに変えてしまったから…

今日は設定Aで当たりルートに入りやすい日、さらに坂崎のおっちゃんの5000万という豊富な資金…
これで沼を攻略されたらたまらないと思った店員たちは、とうとうあからさまな妨害工作を開始してしまったのです

バチン…!バチン…!バチン…!

「ぐ…ぐがっ…ぐががっ…!」

「お…おっちゃん…くっ…!」

バチン…!バチン…!バチン…!

「ぐ…ぐっ…!ひでぇ…こんなんありかよ…!ひどすぎる…!」

(も…もういい…おっちゃん…やめろ…!
 クルーンに行かなきゃいくら打っても…全部死に玉…!くっ…!)

バチン…!バチン…!バチン…!

(か…神にも…慈悲ってもんがあるだろ…!?これっきり…これっきりなんてことがあるかよ…!
 あと1回…!あと1回はあるはずだ…!クルーンに行けば…クルーンに行きさえすれば…!
 ねじ込むっ…!この…磁ビールで…!)

ああそして、鉄壁のブロックを突破できないままひたすらに玉を消費し続けていくおっちゃん!
5000万あった資金もみるみるうちに消えてなくなり、残るはもう1000万を切ってしまった状態…
今さらやめるにしても全財産の2000万を失い、盗み出してきた3000万を返すこともできない…
もはやおっちゃんは一縷の望みにかけて進むしかありません。ここで当たりを出さなければ自分には破滅が待っているだけ…

バチン…!バチン…!コロコロッ

「おっ…?おっ!?うおおーっ!!来た!来たぞオッサン!!」

「お…お、お…!おおおおっ…!!」

コロコロコロッ

「うおお来たぁぁぁぁーーっ!!3段目ぇーーっ!!」

(あああっ…!おっちゃん…!おそらくこれが…最後のチャンス…!)

「あ…ああ…あああ…あああああ…!た、頼む…!入ってくれ…!与えてくれ…!
 もう一度ワシに、あの暮らし…!日々をっ…!神様…神様…神様…神様あああっ…!」

ってその時、1個だけ奇跡的にブロックを突破しクルーンへと辿り着いた玉が!
その玉は吸い寄せられるように1段目・2段目の当たり穴へと入っていき、ついに念願の3段目に到着!
まさに神が与えた最後のチャンス、磁ビールを使うならもうここしかありません
そして玉が当たり穴のすぐ横にやってきたその時、おっちゃんは穴へ吸い寄せられるような角度で磁ビールをかざしますが…

コロコロ…コロ…ポトッ…

ってハズレに落ちやがったああああああああああうわあああああああ!!
なんということ!この最後の最後ラストチャンスでまさかの磁ビール効果なし!
なぜか玉がビールに吸い寄せられるような様子はなく、そのまま回転力を失ってハズレ穴に落ちて行ったという…
ああ、まさかカイジがさっき磁ビールを手渡す時に「あっごめーんこっち普通のビールだったわ」
間違えて普通のビールを渡しちゃったとでも言うのか…?:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「…あ…あが…かっ…あ…」

ドッシャアアアアアン!!

「お…おっちゃん!大丈夫か!?おっちゃん!」

「ククク…ご友人は大丈夫ですか?カイジ様」

「え…!?」

「当店では、よからぬことを企む連中への防衛策として…
 磁石に反応する鋼鉄製の玉と、反応しない真鍮製の玉を使い分けています」

「なっ…し…真…鍮…!?」

とその時、絶望に打ちひしがれるカイジとおっちゃんのそばにするすると寄ってきた1人の男!
その男によれば、今回の沼で使っていたのは磁石にまったく反応しない真鍮製の玉だったという…
それに、他人のフリをしていたカイジとおっちゃんがグルなことまでバレているとは…
どうやらカイジ達の作戦は、何もかも店側には筒抜けだったようです。そんなカイジ達の大敗北をせせら笑っているこの男の名は…

「ご挨拶が遅れました、
 店長の一条という者です」

バッ…バローネ様ァーー!!(えー
なんてこと!この店のボスであるカイジ達最大の敵はバローネ様!
いやなんでバローネ様かって、どっちも同じ声優で演技の仕方も一緒ってだけなんですけどね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「あ…かっ…か…」

「さあさあお客様、お気を確かに…まだパッキーは残り600もある…!
 大当たりの可能性は残されています、存分に夢を追いかけてください…
 我々はそのお姿を、心から応援する者です…!」

「あ…ああ…あああっ…!」

「…ぐっ…!」

ああそして、ショックで立ち上がれないおっちゃんに対し「オイいつまで寝てんの?早くパチンコ再開しろよ」と言ってのける一条!
にこやかな表情、穏やかな口調で励ますように言ってはいますが、結局その本質は
「あれあれ〜まだ600万も残ってるよ?ちゃんと全部使い果たしていけよ(笑)」
勝てる見込みのないおっちゃんをコケにしているだけ…

どうなさいました…?お客様…!
さあ さあ お気を確かに…!
がっかりするには及ばない…!
パッキーの残りはまだ600もある…!
まだまだ…大当たりの可能性は
残されている…!どうぞ…
存分に夢を追い続けてください…!
我々は…その姿を心から…
応援する者です…!

この表情で書けば分かりやすいだろうな…(えー  まったくバローネ様は鬼畜すぎるぜ…

【惨敗…!わずか2時間あまりで4262万を失った!この日、坂崎の手元に残ったのはわずか638万!】

「うあ…ああ…ちくしょう…全部…おとりだったんだ…釘設定の予定表も…なにもかも…
 くやしい…くやしい…!あ…ああ…うああ…あああっ…!」

「…」

その後は完全に戦意を失い、ドロップアウトして残った600万を手に店を去ることになったおっちゃん達…
「釘の甘い設定A、磁石によるクルーン攻略」という作戦は、「鉄壁のブロックバー、磁石の効かない真鍮の玉」という
店側の対策で完璧に封じられてしまったわけで…勝ち目など最初からなかったことに気づかずまんまと踊らされ、
ひたすらに敗北感だけを味わいながら2人は家路につくのでした

バッタアアアアン!!

「…」

「なっ…!なんだお前!ここは立入禁止だぞ、用のない奴が勝手に!」

「用ならあるさ、昨日のパチンコ玉が1つおっちゃんの服に紛れ込んでてな。
 換金してくれや」

「き、貴様…!」

「よせ…換金してやれ」

「ぐっ…!は、はい…ほら、4000円だ!もういいだろう、さあ出て行け!」

「ククク…そうカリカリしなさんなって。一服ぐらいさせろ(ぷはぁ〜)」

「なっ…!」

ところがその翌日、いきなり一条達のスタッフルームに乗り込むと店員達へしつこく挑発を繰り返すカイジ!
こ、これは一体?昨日あれだけ負けたばっかりで一体どうしようというのか…?
まさか単なるウサ晴らしでこんなことやってるわけじゃないんでしょうが…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「カイジくん。何を企んでるか知らないが…
 悪いことは言わない、あの沼以外のギャンブルにすることだ。
 本来パチンコは、台を支配している店側が100%勝つギャンブル…
 店が本気で出さないと決めた台では、決して客は勝てない」

「ハッ…かもしれねえな」

「かもじゃない、揺るぎない現実ですよ。どうです?くだらぬ夢を見るより、
 あなたにとって貴重な今を楽しんでは…(スッ)」

「…?」

「これを持ってこちらの店に行けば…タダで飲み放題食べ放題…
 カイジくんがこれから送る長い地下暮らしの慰めに、ぜひ」

って、そんな厄介者カイジをさっさと追い払うために、自分の紹介で飲み食いしたい放題の店を教える一条!
それにしても「どうせ長ーい地下暮らしに戻るんだから楽しんでいけよ」って、ここでもまた鼻につく嫌味を言うやつですなあ
なんにしろ、一条が「これを持って行けばいい」とカイジに差し出したカードとは…

蒼白なる月よ!
闇を照らす牙となれ!
我が友!
月光龍ストライク・ジークヴルムの
声を聞け!!

まあ我が友で間違いないだろうな…(えー
なんてったって我が友だからな…その店とやらで見せた時に「はっ!?い、一条様のご友人ですかァー!!」と相手に分からせるのに
これほど適切なカードもないだろうな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

ビリビリビリイイイッ!!

「な…!」

「ククク…!初めてやったが、思ったより気持ちがいいな…!
 それが鼻持ちならない奴の名刺ってんなら、さらに格別…!最高だっ…!」

わ、我が友死んだーー!!カ、カイジきさま何をするかー!!
なんと一条から我が友を渡された瞬間、ビリビリにそれを破いてその場に投げ捨てるカイジ!お、おんどりゃー!!
よりにもよって我が友に向かってなんてことを!まったくカードバトラーの風上にも置けない行動を…

(C)高橋和希/集英社

ま…カードバトラーでなくデュエリスト的な意見を言わせてもらえれば、
「こんなカードオレは36枚持っているよ」と言いつつ
相手の最強カードをビリビリに破くのも、たしかに憧れる行動ではありますがね…
(えー

「き、貴様ぁぁぁーーっ!!ここから無事に出られると思うな!!」

「よせ…!」

「て、店長…!いいんですか!?」

「いいも悪いも…一度渡したものをどうしようと、貰った者の自由だ…!
 多分これが最後の意地ってやつなんだろう、
 これからセミのように地の底へ戻る、負け人間のな…!」

「…」

そしてカイジに対する苛立ちを明らかに感じつつも、「ここは許してやろうじゃないか…寛容な精神で…!」とあえて見逃す一条…
ふうむ…なんだかチンチロ編で班長相手に挑発しまくっていた時と似ている状況ですが、
やはりカイジは今回も考えがあってこんなことをしているのか…?次回に続く!

(C)サンライズ・メ〜テレ


逆境無頼カイジ 破戒録 第13話「攻略の糸口」
 

【惨敗…!沼攻略に挑んだ坂崎、2時間足らずで4352万を失う!】

「く…う…うぅ…!ああ…あああっ…!カイジくん…どうしたら…どうしたらいい…?ワシは…これから先…!」

【だがしかし、カイジの脳裏に閃き…!閃光!】

「おっちゃん…思いついたんだ。沼の攻略法を」

「え…!?」

---------------------------

「バッ…バカげてる…!バカげてるが、しかし…天才的な発想だ…!いけるかもしれん…!」

「そうか…!」

「だが…かかるぞ、それ…仕掛け金に勝負金、とても600万じゃ足りない…」

「ああ…金だけでなくそれなりの人手も必要だ。とりあえず、ダメもとで当たってみたいと思う」

「あ、当たる?」

「ああ、出来ることなら引き入れたい。あの男を…」

さて前回、沼の攻略に失敗してボロカスに負けまくり、とんでもない額の大金を失ってしまったカイジ達…
完全に夢も希望もなくなり、おっちゃんはひたすらに嘆き続けていましたが
カイジはというと「天才的」とまで言われる新たな秘策を思いついたようで…
しかし、その秘策を実行するにはまず仲間集めから始めなければならないようですが…?

「チッ…!こんな車、たいした金にゃあならないが…まあ貰っていくか」

「…」

「今日のところはこれで帰りますが、くれぐれも次は現金でお願いしますよ?遠藤さん…!
 ま、払えなきゃあ帝愛の掟に従ってもらいますがねぇ…ククク…(すたすた)」

「…くっ…!」

「悪徳金融もそれなりに大変なんですねぇ、遠藤さん」

「なっ…カ、カイジ!なんでお前が!?」

そんなカイジが仲間に引き入れようと考えたのは、なんと二期第1話でカイジを地下送りにしたあの遠藤!
もともと帝愛グループの借金取りとして働いていた遠藤ですが…ミイラ取りがミイラになったとでも言うのか、
遠藤自身も相当な借金を抱えているようで、今日は借金のカタに愛車を差し押さえられてしまったところでした
別にこのハゲとホモちゅっちゅしてて
「カ、カイジ!なんでお前が!(見られちゃった…頭がフットーしそうだよおっ)」
とか
そういう場面じゃないから!それは違うから!
(えー

「ちょっと事情がありまして、一時的に地下から出してもらったんですよ…
 それより儲け話があるんです。成功すれば約7億」

「あん…?」

「遠藤さんも帝愛の人間なら、聞いたことぐらいあるんでしょ?
 帝愛の裏カジノ、沼という異名のパチンコ台…そいつを攻略する算段がつきました」

「攻略って…あの台をか!?バカな!不可能だ!」

「いいえ出来ます。俺と遠藤さん、2人が力を合わせればね」

「ふざけるな…!甘くねえぞ勝負は!そ、それに…仮に出来たとしても…」

「ああ…気が引けますか?ボスである帝愛に弓は引けないって。
 ハハハ、そいつは立派というかなんというか…!遠藤さん…
 さっき取り立てられた借金を返せなかったら、地下行きなんでしょ?俺達と同じ…」

「ぐっ…!」

そう簡単にはホイホイとカイジの誘いに乗ってこない遠藤でしたが、とはいえこのまま借金生活が続くことには相当な恐怖を感じていました
そう、二期の1話でカイジにそうしたように、今度はあの地下地獄へ自分が送り込まれるハメになってしまうという…
「あそこの暮らしは文字通りの地獄さ」と自分で語っていたくらいですから、どんな手を使ってでもあんなところへ行くのはゴメンでしょう
結局遠藤もしぶしぶ折れることになり、カイジと一緒に沼攻略へ動き出すことになります



「ちっ…!ガキが…!言ってみろ、いくら必要なんだ!」

「さすが遠藤さん…!当日のパチンコ代に5000万、勝負前の工作費として今500万、
 それとこういう裏事に躊躇なく手を染めてくれる人を数人…この金と人を、遠藤さんに用意してもらいたい」

「ふん。いいだろう…ただし三羽烏だ」

「えっ…三羽烏?」

「ああ。朝にカラスがカーと鳴けば、1割の金利がつく借金を”烏金”って言うんだが…
 今回はそれが三羽、1日3割増える」

「な…」

「勝負当日の5000万は単純に3割増しで6500万だが、
 お前が今日借りたいと言っていた500万は、1日ごとに複利で増える。
 さらにこっちが人手を用意するなら、その人件費および人材調達の手間賃として
 もう500万は必要…!これらが1日3割の複利で増えていき、
 お前が指定した6日後の勝負日となると…こうなる」

「よ…4826万!?くそっ、ひでえ商売だなまったく!」

「何を言う!俺だって用意する金は裏金融からの借り受けだ!
 この計画が破綻したら俺も破綻、そうなったら首を吊らなきゃならねえ…!
 それをこの一か八かに貸しつけてんだぞ!?感謝されることがあっても、
 文句など言われる筋合いはない!」

って、「とりあえず5500万円と手駒になる連中用意してー」「いいよー^^」とやけにあっさりカイジの要望を聞き入れた遠藤でしたが…
代わりに借りた金はどんどん増え、たったの6日で1億を軽く超えてしまうというとんでもない条件を提示されることに!
う、うーむ…しかし遠藤自身も5500万を用意するのは、ものすごい金利の闇金融から借りてくるみたいですしなあ…
これぐらい多めにカイジからふんだくっておかないと、借金返済だけでパーになってしまうということか…



「はぁ…わかった、分かりましたよ…当日の5000万が6500万になって、工作費の1000万が約4800万…
 合わせて1億1300万にして返すってことか…」

「プラス、共犯者としての取り分。今の話はあくまで金融業者としての請求…
 当然だが成功報酬は別だ」

「な、なに!?」

がしかし、遠藤への支払いはそれだけでは済まず、ゲットした金の山分けという形でもまた金を取られる結果に!
なので結局は、7億のうち1億1300万をまず遠藤に払い、残りの金をカイジ・遠藤・坂崎のおっちゃんで3等分するという…
要するに遠藤が一番多く金を持っていくというわけですな、まったくしたたかなオッサンです
弱みを見せたらあっという間に寝首をかかれそうで不安ですが、果たしてこんな調子で無事に大金をゲットできるのか…次回に続く!


■逆境無頼カイジ
破戒録 第24話「徘徊する銀玉」
 

「さあ行けっ…!決めろ…!取り除いたはずだ、行く手を阻む障害はすべて!
 釘の森…!番人…!そしてクルーン…!
 辿り着いた…!ここまで!詰みっ…!残るは…勝利のみ!!」

長きにわたるカイジ沼編もいよいよ最終局面、ちょうどカイジが数々の奇策によって沼の攻略を果たそうとしているところでした
まずは”設定C”の釘の森、これは沼のメンテに使われている一条の調整棒に細工することで突破、
次にクルーンの番人である鉄壁のブロック、これは沼の製造業者に手を回し飴細工のブロックにすり替えることで突破、
そして最後の難関3段クルーン…これはなんと地盤沈下でビル自体を傾け、その傾きでハズレ穴を詰まらすというウルトラCで突破…

「ぐ…ががっ…ぐ…!」

予想だにしないカイジのとんでもない奇策によって、みるみるうちに追い詰められていく一条…
がしかし、それでもまだ一条には最後の手段が残されていました。クルーンへの当たり穴を完全に塞いでしまう…
そんな一条の最後の手段とは…最後の手段とは…!


(C)鳥山明/集英社

ロケットエンジン点火!!(えー

ボシュウウウウ!!

「な…!?」

「な、なんだよ今の!?」

「は…はね返したぞ!?あんなんアリかよ!」

(クク…ククク…!やった…!これで生き残り!もう何発来ようと問題ない!
 全てはね返す…!この風のバリアーが!!)

そう、これこそが一条達に残された最終兵器!当たり穴の周囲から猛烈な勢いで吹き上げる風のバリアー!
一体どれほどの強さで吹き出しているんでしょうか、次々に寄ってくるパチンコ玉をすべてはじき返し、
玉同士がぶつかってジャンプしながら飛んできた玉でさえも軽々とブッ飛ばしてしまいます。おいおい露骨すぎんだろ!

「な…なんだよ…なんだよ…!これ…!」

バチン…!バチン…!バチン…!

【悪夢…!まるで亡霊のダンス!命なき銀の玉、届かない!】

「入れ…!入れ…!入れ…!入れぇぇぇぇっ…!」

バチン…!バチン…!バチン…!

【懇願…!圧倒的懇願!願うは奇跡!しかし…!】

「あ…あう…あああっ…!」

バチン…!バチン…!バチン…!

【しかし起きない…!起きずに消える…!ただ、玉のみ消えていく!】

まさかこんなものを出してくるとは思わなかったカイジ、出来ることといえばひたすら神に祈りながら打ち続けるのみ!
しかし…ここまでクルーンに玉が溢れているというのに、この風のバリアーは一切の侵入を許してはくれません
ここまでの長い戦いによってカイジの資金ももう限界…とうとう残り30玉でゲームオーバーという崖っぷちまで来てしまいました



バチン…!バチン…!

(あ…ああ…た、玉が…命の玉が…!嫌だ…嫌だ…!嫌だぁぁぁっ…!
 死ぬ…!死んじまう…!もう地下は嫌だ…!誰か…誰か…!たす…け…)

「どうしたァ!?何をグズグズしている!いつまでボーッとしている気だ、打て!さっさと!」

「い…一条…」

「あん…?」

「ひ…引き分け…引き分けで、手を打たないか…?」

「はぁ…!?」

「つ、つまりだ…買ってくれ、今ある残り玉…!30玉ほどあるから…!
 1玉400万で、約1億2000万…!こ、これでも借金は残るが、まあ、それはそれとして…」

ぶふぅ!?「今日のところは引き分けにしといてやるぜ!だからこの玉1個400万で買ってね☆」って
カイジイイイイイイイイ!!なに言ってんだ!なんつームチャクチャ!
「誰か助けて」と懇願するあまりに敵の一条にすらすがり始めるとは!しかも1玉4000円の玉を400万で買えと
とんでもないデタラメを言い出しました、これにはさすがの一条もポカーンとあっけに取られてしまい…

「アホかああああああーーッッ!!」

「ひいっ!?い、いち、一条〜…」

「ざけんな!ざけんなざけんなァァァァッ!!何が引き分けだ!?
 負けるんだよお前は!明白じゃねえかもう!!」

「い、いいのかよぉ…打っても…」

「いいも悪いも…!さっさとやれェッ!!燃え尽きろ!
 さっさと打って消えろォォッ!!地下行きだ!
 地下!地下!地下地下地下あああーーっ!!」

「う…うう…ふぐっ…こ、後悔…後悔するぞ…一条おおお〜っ…!」

そして当然のごとく却下!圧倒的却下!
この勝ち目のない状況で引き分けだなんだと言ってみたところで、完全にアホの寝言としか受け取ってもらえず
思いっきり罵倒されまくるカイジ!結局は最後まで打ち続けるしかありません
「後悔しやがれー!」と精一杯の捨てゼリフを残して、カイジは再び台に向き直りますが…

「う、う、う…うおおおおーーっ!!諦めるもんか!最後の最後までええーっ!!
 見せる…見せてやる!俺の勝負強さをぉぉーーっ!!」

【無駄な熱狂…!無駄な咆哮…!無駄な血、流血…!】

バチン…!バチン…!バチン…!

(救えねえバカ丸出し…!どうにもなるかよ!
 あの風のカーテンがある限り、何玉来ようと同じだ!)

「後悔せしめよ…!一条をおおおっ!一条…!一条…!一条…!一条!
 一条おおおお〜〜〜っ!!」

バチン…!バチン…!バチ…

「え…?あ、あ、あ…ああっ…ああ…あああああっ…!」

ああああ終わったー!!カイジ終わったああああああああ
なんとそのまま最後まで風のバリアを突破できず、カイジ完全に玉切れ!資金切れ!完全なる敗北!
すべての希望はたった今消え失せ、あとはもう破滅の人生を歩むしかないという…
あまりのことに茫然自失となり、カイジは完全に生気をなくして逃避することしかできません

「あっ…ああ…かっ…が…う、うそだ…夢だろ…これ…ゆ、夢に…夢に決まって…」

「ところがどっこい夢じゃありません!
 現実です!これが現実!!」

そんなカイジに対して一条はものすげーツラでゲラゲラと笑い転げるのでした
まったくなんて店長だ…さっきからの一条見てたらもう誰もこの店来なくなるんじゃないか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  次回に続く!






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