映画感想:THE FIRST SLAM DUNK



みなさんこんにちは、今日は映画スラムダンクことTHE FIRST SLAM DUNKの感想を書こうと思います
まず、どうして俺がこの映画をすぐさま見に行ったかというとですね…それはズバリ
前評判が死ぬほどボロボロだったからです!(えー

そう、とにかくこの映画の前評判はボロボロでした。なんでそんなことになってしまったのかというと
まず情報があまりにも出てこなかったんですよね。「スラムダンクの映画をやる」ということは発表されたものの、
それ以外のことが全然発表されなかったので、「おいもう公開の時期だってのになんにも情報出てこねーぞ!」っていうふうに
安心できるような材料がなさすぎて、不安がどんどん膨らんでしまったわけですよ

そんな中、さらに不安が加速する原因になってしまったのが
通常の作画ではなくCGアニメだということ、そして声優陣が総入れ替えされることだったんですよね
CGアニメってなると、現状まだまだ普通の作画より微妙に見えてしまう作品が多かったり、
声優陣にしても、スラムダンクのキャラ達がいきなり馴染みのない声になってしまうということで
ひたすら不安に不安が重なってしまい、もはやこの映画そのものが
湘北の不安要素とでも言うべき状態になってたというかね…(えー



それぐらいに前評判としては不安だらけのどうしようもない状態になってたわけですが、俺としてはそんな状況を見ながら
実際どれぐらい酷いのか逆に楽しみになってきたんですよ(えー
これほど前評判がボロカスの映画なんてそうそうお目にかかれないし、
言われている通りのクソ映画として終わるのか、それとも逆転ホームランをぶちかまして評判をひっくり返すのか
どっちに転んでも面白いだろうなと思って見に行ってみたわけですね

そして実際に映画を見てみた俺の評価としては…
100点満点中、80点くらいに感じましたね
「思っていたよりも良かった」というのがまず第一に言いたいです。
前評判通りだったら、40点とか50点くらいの評価になってたと思いますが
そこから80点まで上げてきたのはだいぶ良い内容だったんじゃないかなと。

俺が80点と評価した映画といったら、ドラゴンボール超スーパーヒーローがちょうど同じ点数だったわけですが
満足度としてはまさにあんな感じと思ってもらえればいいんじゃないだろうか
「ジャンプ漫画の映画化、そしてCG作画」って意味でも、どっちも共通点が多いですしね

さて、それでは具体的な内容についても語っていくと、まず今回の映画スラムダンクは
湘北vs山王の試合がメインとなっている内容だということを言っておきたいです
いやマジで、これって原作ファンにとってはめちゃめちゃ重要な要素で、
湘北vs山王といえば原作の最終決戦でムチャクチャ盛り上がった試合なわけですけど
今までアニメ化されたことがなかったんですよね

そう、スラムダンクが以前アニメ化された際、原作の最後までたどり着く前にアニメが終わってしまって
山王との決戦についてはアニメで見られないまま20年以上もの年月が過ぎてしまったわけなので
それを見たいと思っていたファンからしたら本当に待望のアニメ化だと思うんですよ

そういう意味では、今回の映画で「あの山王戦が見られる!」っていうのは
もっと事前にガンガン宣伝してほしかったと俺は思いますね
なにしろ原作ファンが20年以上も待ち望んだことなんだから、そこに関しては大々的にプッシュしまくって
もっと期待感を高めてほしかったなと。公開前は期待感がなさすぎてボロカス言われてたので、余計そう思いましたね

あとCG作画については、普通の作画より悪いところばかりじゃないというか
バスケ選手の動きをできるだけ再現するみたいな、リアリティのある動きっていうのはCGならではの描写ができていたように思います
俺がまず感心したのはあれですね、相手の動きを封じるようなディフェンスの動きですかね



たとえばこの原作のシーン、「どいつもこいつも厳しいディフェンスをしやがる…」ってセリフがあって
パスを出せるようなスキがまるでないっていう場面なわけなんですが
原作だと止め絵なぶん、細かいディフェンスの動きが想像しづらいわけなんですけど
こういうシーンが今回の映画だとすごく臨場感あるっていうかね
まさにバスケット選手たちが体を張ってポジションを取り合ってるっていう、そんな空気感が味わえるのが今回の映画のいいところだと思いましたね

それにディフェンスだけじゃなくてオフェンスのシーンも迫力あって、俺が特に興奮したのは
沢北が猛スピードでダンクシュート決める場面ですね



この場面、追ってくる流川・宮城・桜木を尻目に沢北が全員ぶっちぎってダンクを決めるっていうシーンなんですが
この動きの切れ味がハンパじゃなかったというかね
原作以上に沢北の凄まじさをビンビン感じたし、今回の映画では沢北とか流川とか動きにキレのあるキャラが迫力を増してると思いましたね

てなわけで、CGに関してはキャラクターの動きを表現するのに良い効果を生んでいたように思います
あとはキャラクターの声についてなんですが、俺的にはキャラごとに評価が分かれるなぁと思いましたね
まず一番声がいいなと思ったのは流川です。

流川の声を担当してるのは神尾晋一郎っていう人で、俺としてはまったく名前に覚えがなかったから
ぶっちゃけ今回一番期待してなかったんですが(えー
でも実際に声を聞いてみたら「ええやん…」ってなりましたね。なんというか緑川光を彷彿とさせる部分があるっていうか
流川の声といえば緑川光で慣れている俺としては、一番受け入れやすかったです

あとは赤木、宮城、三井あたりもさほど違和感なく受け入れられた気がします。
以前の声とは違うけど、みんな上手かったしキャラのイメージにも合ってたというかね
ただ桜木だけはどうも違和感すごかったけど…(えー
なんかこう桜木が喋ってるような感覚がしなかったというか、別のキャラが喋ってるのかと勘違いすることもあったり
俺の中でどうも桜木の声はしっくりこなかった感じがありましたね…

桜木は主人公なのに大丈夫かよと思われそうですが、
実は今回の映画はですね…主人公は桜木じゃないんですよ
宮城リョータが主人公なんですよ

いやこれはマジで俺もビックリしたというかね…映画の中で山王との試合を描写する他にも
宮城の生い立ちについても語られるシーンが数多くあって、
小学生の宮城、中学生の宮城、そして高校卒業後の宮城といった具合に
宮城リョータのストーリーが描かれるっていう内容になってるんですよね



そのためか、映画のイラストを改めて見てみると
チームの中心で一番大きく描かれてるのが宮城だし
さらに言うと、エンディングのスタッフロールでも
一番最初に名前が出てくるのが宮城なんですよね

正直ビビりましたよ、一番上の主人公ポジションに宮城の名前が出てくるっていうのは…
絶対そこは桜木だと思ってただけに、まさか宮城がこんなに出世するとは思ってなかったというか
「宮城の出世」といえば、高校卒業後の宮城もとんでもないことになってましたね
マジで目ん玉飛び出るくらいのスーパー大出世してたというか
ええ!?宮城がそんな…ええ!?宮城が!?ええ!?
って動揺しまくるくらいぶっとんだラストになっていたので、ある意味あの結末は必見ですね

それぐらい宮城については盛りに盛られてたわけですが、他のキャラの描写はというと…
三井とか流川に関しては、若干の違いはあれど、ほぼ原作通りかなって感じでした。
けっこう違っていたのが桜木と赤木ですね。

まず桜木については、試合の前半で
河田の弟の美紀男と勝負するシーンがまるっきりカットされてましたね



まあ美紀男に関しては、山王の中でもあきらかに未熟なキャラというか
絶対王者と呼ぶにはまだ全然ふさわしくないキャラなので
山王の格を保つためにも、美紀男のシーンを大幅に減らしたのは判断としてはアリかなと思います

そして赤木についてなんですが…赤木は河田にズタボロに叩きのめされた後の
「どう立ち直るのか」って流れがめっちゃ改変されてましたね
これは正直、俺としても「ええ!?そこ改変しちゃうの!?」って気持ちになったというか…

この原作での一連の場面、俺としてはぶっちゃけ山王戦で一番好きなシーンというか
赤木だけでなく魚住の人間性も表現されていて、キャラクターの深みを感じる大のお気に入りの場面なんですが
まさかそこが改変されるとは…って展開には結構ショック受けちゃいましたね

ただまあ、この改変に関しては
今回の映画が単発作品だからっていう影響を受けてしまったのかなって気がしました
というのも、赤木を立ち直らせるために魚住が言ってることっていうのは
魚住自身がかつての試合の中で気づいたことなんですよね



「うちには点を取れる奴がいる、オレが30点も40点も入れる必要はない。オレはチームの主役じゃなくていい」
という風に、仲間を活かすために自分のプライドを捨て、泥まみれになってでも勝利を目指すっていう
私情よりも仲間を活かし、チームを勝利に導くキャプテンに目覚めたのが魚住であり、
そのキャプテンとしての自覚を赤木にも与えるためにやってきたっていうのが原作の場面なわけですよね

ただ今回の映画に関しては、山王との試合に重きを置いた単発の作品なので
こうした魚住の積み重ねを描写することができないっていうのが痛いところというかね…
山王戦の描写だけ原作通りに魚住にやらせたとしても、ずいぶん唐突な展開になってしまうし
そもそも視聴者が魚住を知らない可能性すらありますしね

なにしろ単発の映画だから、それまでの話を知らない人が見に来ることもあるだろうし
そういう人からしたら、魚住はまず誰なのか分からないキャラだろうから
「魚住はこういう男で…」っていうのをイチから説明しないといけないし
そんなことをやって時間を取るわけにはいかないっていう事情があったのかもしれませんね

俺としてはそんな風に、キャラの積み重ねを実感できないっていうのは単発映画の弱点だなと思いましたね
たとえば桜木の「左手はそえるだけ…」って場面も、地道なシュートの練習をひたすらに繰り返した積み重ねがあるからこそ響くわけだし
他にも色々と今までの練習、今までの試合の積み重ねがあったからこそっていう場面が、原作の山王戦にはあったと思うんですよね
でも、そういった積み重ねが単発の映画だと表現できないっていうのは制作側も苦労したんじゃないかなあと思います

だからこそ、すべて原作通りってわけには行かなくて改変せざるを得なかったのかなと。
そう考えたら改変もまあ仕方ないことなのかなって俺は思いました
改変を残念に思う気持ちはあるんだけども、でもスタッフはよくやってくれたって気持ちの方が大きいというかね
十分に満足度の高い作品だと思うので、見に行くかどうか迷ってる人には「行ったほうがいいよ」と言える映画だと思います





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