第16話・出会い

焼き尽くされた荒野に一人残されてしまったルージ。いつまでもそこにじっとしているわけにもいかず、
とりあえずは昨晩ラ・カンの言っていた、
「西に山2つ越えたところの村を目指す」という言葉を頼りにその村を目指します

広い世界で初めての孤独な旅に、ルージの足取りもどこか重たげ…
しかしその時、突如としてルージの行く手をふさぐように5体のバラッツゾイド・フィラソードが出現!
山賊か、はたまた追いはぎか!?そのゾイドの中から姿を現したのは…
 
リクーム!!
バータ!!

ジース!!
グルド!!
ギニュー!!

みんなそろって
ギニュー特戦隊!!

「我々は、天下無敵の無敵団!」

な…なんだきさまらぁーっ!?今までのシリアスなムードを
めちゃくちゃに吹っ飛ばす妙な5人組。
突然現れた彼女たちですが、ルージに危害を加えるつもりはないようで
逆にルージを強引に無敵団の一員に引きずり込んでしまいます。

どうやら、ディガルドに対抗するための仲間を集めているようですが…


「あ、あの…ア・カンさん?」

「そんな他人行儀な!アタイのことはアネゴって呼びな」

「あ、アネゴ…?」

50代で落ち着いた雰囲気のラ・カンとは対照的に、まだ少女という感じで威勢のいいア・カン



「ルージさん、遠慮なくおかわりしてくださいね」

「ムゥの作る料理は天下一品さ!どんな材料だってごちそうに変えちまう」

「へぇ〜、丸焼きしかできない誰かさんとは、えらい違いだなぁ…」

野性的でおっかなくて丸焼きしか作れないミィ様とは対照的に、控えめで礼儀正しく料理も凄腕のラ・ムゥ



「んっふっふっふ〜、ゴトシよん。ゴッちゃんって呼んでねぇん」

「うぅぁ…」

ナイスバディでお色気たっぷりのコト姉とは対照的に、ぼってりとした体型でオカマのゴトシ


「あいたっ!いったぁ〜…。あ、どうも〜。博識の美少女フリ・テンで〜す」

頭の回転が早い策士のロンとは対照的に、のんびりした雰囲気でドジなフリ・テン
この二人は名前も対になってるぽいですね。ロン・マンガンとフリテンって両方
おもいっきしマージャン。


「ふ…拙者に挑む時はそれなりの覚悟が必要だ。
 なにしろ拙者は、かのサイコ流免許皆伝だからな。
 この刀は有名な竹を削り霊験あらたかな…」

無口で剣の達人のセイジュウロウとは対照的に、喋り出したら止まらないなまくら剣士のサイコ
というか「竹で作った」って、その刀
ただの竹光かよ!真剣と違うんかい!






「アタイ達はディガルドの輸送部隊を襲って、物資を奪っているんだ」

ムゥの作った食事を皆で囲みながら、無敵団の活動について聞かされるルージ。
まあ戦力が5体のフィラソードだけでは、それでも十分よくやっている方だと思いますが…

「少しずつでもディガルドにダメージを与えれば、いつか消耗して倒れるかもしれないだろ?」

「そうよ、小さなことからコツコツとですぅ」

「で、でも危険じゃないんですか?バラッツだけじゃ…」

「ふふん、アタイ達は一度も負けたことがないんだよ」

「ディガルドに!?」

なんと、ルージ達がさんざん苦渋を舐めさせられてきたディガルドを相手に、無敵団は常勝無敗という輝かしい戦績!
まさに無敵!絶対無敵!絶対無敵ライジンオー!彼らの強さの秘密とは一体…?

「そう…無敵団は文字通り無敵。どのくらい無敵かと言うと、
 勝てない相手以外には必ず勝てるくらいの無敵。勝てない奴は相手にしないという…」

(;゚д゚)……単に100%勝てる相手としか戦ってないだけかい!そんなことでは199×年の世界を生き残れんぞ!
お前はおのれより強い男と戦った事がなかった!だが俺は俺より強い男達の戦場を生き抜いてきた!
お前はもう死んでいる!ほうあったあ!



ひととおり無敵団についての話を聞き終わり、ぽつぽつと自分のいきさつを説明していくルージ。
それを聞いた無敵団の面々は、だばだばと涙の滝を流しルージへの協力を誓うのでした



「ルージ!ジェネレーターも仲間達の行方もアタイ達に任せな!」

「その通りよ、さあルージちゃん笑って!」

「笑う門には福来たる…。笑っていればいいことがある、
 笑って暮らすも泣いて暮らすも同じ一生。
 どうせ生きるなら笑わにゃ損々、さあさ皆さんご一緒に…スマイル」


そして翌朝、さっそくフィラソードに飛び乗るとラ・カン達の捜索に乗り出す無敵団。
ゼ・ルフトからの逃走ルートを予想し、ルージと手分けして付近の森を探していると…

「あれは…?」

その時、ア・カン達が森を歩くガラガのデッドリーコングを発見!

というか最初の再会がガラガかぁ…
私はてっきり、ミィ様かコト姉と最初に再会 → ルージきゅんと二人旅 →
親密度大幅アップわーいな展開があると:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

しかし無敵団がデッドリーコングを目にするのは初めてのこと。
ルージがこの場にいない以上、敵か味方か見極めるために神妙な表情で接触を試みます

「なんだ貴様らは…?」

「我々はディガルドに対して抵抗運動を…」

「ディガルドだとォッ!?まだ追手がいやがったのか!
 
てめぇら容赦しねえぞォォーッ!!」

「うぉあああ!?ひ、人の話を最後まで…」

「聞いてくださーーい!!」

「聞く耳持ってないですぅぅー!?」

ディガルドという言葉を聞いた途端
力のかぎりブチ切れるガラガ。
結局
早とちりで無敵団を叩きのめしルージと再会してようやく敵でないことに気付くのでした。

 

そして誤解の解けたガラガもまた無敵団の一員に。
新しい仲間が加わって上機嫌のア・カンは、これからの活動にむけていっそう張り切るのでした

「ルージにガラガが加わって、無敵団の未来はますます明るい!
 明日もまたディガルドの補給部隊をコツコツと襲っちゃうぞー!」


「とおああーっ!ちぇすとーっ!」

そして補給部隊襲撃作戦の当日、日が昇る前から竹やぶで剣の修行をするサイコ。
しかし竹をズバズバ両断していたセイジュウロウと違い、斬りつけられた竹にはなんの変化もありません
それを物陰から見ていたルージも、傷ひとつ付いていない竹に不思議そうな表情を…
そ、そうか!もしやこれは
邪悪のみを斬り裂くアバン流刀殺法・空の技!?(えー

「ルージ君」

「…は、はい!」

「真の達人とは…本当に斬りたいものを斬らず、斬りたくないものも斬らず、
 斬れるものも斬らぬ。そう、なにも斬らずだ」

「………?」



そう言い残して竹やぶを後にするサイコ。何も斬らないっていうか
何も斬れないだけかよ!!
まあそもそも
刀からして竹光じゃなぁ…これで何か斬れって言うほうが無茶な注文でしょうか



「いい奴らだな」

「そうだね…いい人達だね」

その後、なんとなく日の出を眺めていたルージの元へやってきたガラガ。
ポジティブな無敵団の中で居心地の良さそうな二人ですが、ルージは他にも何か思うことがあるようです

「でも、小さな事からコツコツと…それでいいんだろうか…
 ディガルドがこの世からいなくなるわけじゃない。でも何をしたらいいのか…」

やはりゼ・ルフトでの体験を経て、ルージの中にディガルドを大元から倒そうという意識が息づいてきているようです。
しかし、その目的を叶えるための手段が浮かばないルージ。まだまだディガルドを倒せる日というのは先のことのようで…

「あっ、こんな所にいたです〜!」



その時、とうとう作戦開始の時間が。それをルージ達に伝えようとして
盛大にずっこけるフリ・テン。
「あれ?めがねめがね…」とお約束のボケまでかます始末。というか今まで気づきませんでしたが
背中に持った
黒獅子ラルゴみたいな大鎌はなんですか!
そんなの背負って頭から突っ込んだら、
自分の首がスッパリ行きそうで恐いよ!なんて物騒な!



「来たよ…!みんな配置について!」

「ディガルドに一度も負けていない無敵団の力…」

いよいよディガルドのバラッツゾイド・コネクテスを狙うア・カン達。
同じバラッツだというのに無敗だという無敵団が、どのような戦法を見せるのかルージは息を飲みますが…

「あれはなんだ〜〜〜っ!?」

「…?」

「いまだっ!!」

ア・カンが繰り出したのはなんとあっち向いてホイ。そしてそれにまんまと引っかかるディガルド。
お、おい兵士さん達よ…
それでええんかああああああ!?
あんたらどんだけ間抜けなんですか!そういえば第一話でミロード村へやってきた部隊も、そもそも
ザイリンとはぐれちゃったからだし
ゼ・ルフトの戦いでは
ゲオルグのモルガに誤爆した兵士もいたし、ひょっとしてアホの子!?あんたらみんなアホの子ですか!?


そして、兵士がよそ見をしたスキにフリ・テン達のフィラソードが次々に突撃!
こうしてディガルドのコネクテスは、いとも簡単に行動不能となってしまいました

「い、いつもあんなやり方なの…?」

「死んだふり作戦、猫だまし作戦、お色気作戦、まだまだ色々ありますよ〜」

無敵団のメチャクチャな作戦に汗だらだらのルージ。
まだまだ他にもアホっぽい作戦はあるようですが…ええいこのバカモノどもが!
どうせアホな作戦使うならその
お色気作戦とやらで俺にサービスを:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「さあ、引き揚げるよ」

コネクテスから物資を奪い、引き揚げようとする無敵団。
しかし今回は、普段と違いバラッツだけではなくバイオラプターが伏兵として潜んでいた!
無敵団のフィラソードで到底敵う相手ではありません、今度は作戦を使うまでもなく一目散にスタコラ逃げる!

「ぎ…銀色のゾイドが補給部隊と一緒にいたとは!?罠だったんだ!」

「これは逃げているのではない!言わば前向きな撤退!勇気ある前進!」

 

「お姉様!うしろ!うしろ!」

「やばいですぅ〜〜っ!?」

しかし超速の逃げ足を誇る無敵団ですら、追いすがるバイオラプターにグングンと距離を詰められてしまう!

↓イメージ映像↓
無敵団「くそったれ!パワーがてめえならスピードはオレだ!一生かかっても追いつけんぞ!」
バイオラプター「これはこれは、お久しぶり…」
無敵団「ばっ、ばかな…!!」


とうとう追い抜かされて行く手をふさがれた無敵団。そしてバイオラプターのヘルファイヤーが彼らに放たれ…!?

ドガアアアアン!!

そんな無敵団の危機にガラガが登場!力任せにバイオラプターを殴り飛ばして無敵団を守る!
そして吹き飛んだバイオラプターをさらにルージが追撃!バイオラプターは、チャージしていたヘルファイヤーをルージに向けますが…

「遅いッ!!」

ズシャアアアア!!

火球を発射する暇すら与えず、高速の踏み込みでバイオラプター撃破!
最初の頃に比べると、ルージの戦闘技術もかなり上がってきているようです

「す、すごいルージさん…いえ、お兄様…!」

「わ、私は全然心配してなかったですよぉ〜!」

「ルージ君、ガラガ君、さすが無敵団の一員…!」



鮮やかにバイオラプターを蹴散らした二人を目にして、大喜びの無敵団。
こうして作戦は成功に終わり、ムゥのごちそうを味わいながら団欒の時間に。

「ルージ、目先の敵を倒したからってそれで終わりじゃねえ…もっともな話だ。
 だが、今だけは目先のことで楽しんでもいいんじゃねえか?」

「うん…そうだね!」

底抜けに明るい無敵団との交流。今だけは2人もそのメンバーとして、楽しい時間を彼らと共に過ごすのでした。

ガラガの横顔がやけに眩しく見えるぜ!実はけっこういい男なのか!?

次回へ続く!








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