第18話・合流


話は少しさかのぼって、ゼ・ルフトの森で散り散りになった直後の時点。
分断されたラ・カンが撤退するその途中、バイオラプターの群れに手こずっていると…

「ラ・カン…!貴様だけは逃がしはせんッ!!」

ガッシャアアアアア!!

「うぐおおおおおッ!!」

執拗にラ・カンだけを狙うゲオルグの強烈なぶちかまし!
まるで紙クズのように吹き飛ばされるソードウルフですが、しかしゲオルグの執拗な攻撃は終わらない!
追い撃ち!追い撃ち!追い撃ちあるのみ!どれだけソードウルフがダメージを受けようと
突いて弾いて吹っ飛ばす!



逃げ出すような暇もなく繰り出されるゲオルグの連続攻撃。とても逃げ腰でなんとかなる相手ではありません
びょんびょん伸びるヘルツインホーンの戻り際を狙って、ラ・カンは一気にゲオルグの懐へと飛び込む!
食らえダルシム野郎ー!

ガギイイイイッ!

ゲオルグのコクピットへピンポイント攻撃!バチバチとバイオトリケラの操縦システムがスパークする!
なんとかゲオルグに一矢報いたかに思えましたが…

「ディガルドに害をなす恐れのある者は…!
 このゲオルグがッ!徹底的に葬り去るッ!!」

げー!操縦席がバチバチ言おうと
お構いなしに突っ込むゲオルグ!この命知らずがー!
もはや狂気とも言えるゲオルグの執念。これではどっちかが死ぬまで戦わざるを得ません



そこへ助っ人に師匠参上!
ソウルタイガーとソードウルフ、スピード重視ゾイド2体の動きがゲオルグを翻弄する!
そしてついに、師匠との連携でダブルハックソードがバイオトリケラの操縦席を直撃!

「ぐ…小癪な真似をッ…!ぐゥおおおおおおおおッ!!」

貴様の心も一緒に連れて行くーー!どこまでも執念の男ゲオルグ!
断末魔の瞬間までも、ゲオルグはラ・カンを巻き添えにしようと前のめりに力尽きるのでした
 

なんとかゲオルグを仕留めたラ・カンは師匠、ミィ様、コト姉と合流して次の目的地ピクル村へ。
しかしソードウルフはすでにズタボロ、さらにラ・カン自身も重症を負わされていました。

一同が到着したピクル村は、ミロード村のように争いとは無縁でのどかな村。ここでなら安心して傷を癒せそうです



借りた小屋でラ・カンを安静に休ませている間、
ソードウルフに
何やらぺたぺた張り紙をするミィ様。なんでしょうねコレ、雨漏り対策?

「おじ様!ソードウルフの傷はもう大丈夫よ!」

嬉々として小屋に戻ってくるミィ様って
えー!?張り紙じゃなくてこれ修理かよ!
そ、そういえば以前サクサ村で「ゾイド修理の匠」のおじさんが、装甲板をあてがうとみるみるゾイドに一体化していく場面がありましたが…



うーむ…それにしてもぺったんぺったん張り紙しただけで、傷が直っちゃうもんなんでしょうか。
恐るべし金属生命体。
スゴいね、人体(人体じゃないけど

「のどかな村よねえ…こうしてゆっくり食事ができるなんて何日ぶりかしら。
 ゾイドもバラッツが一体あるだけ。ここにいると、ディガルドの侵略なんて遠い昔の出来事みたい」

数日前の激闘が嘘みたいな平和な村。そして親切な村人達に囲まれて、ラ・カン達は久々の心休まる時間を過ごしていました

しかしちょっと待て!パンをほおばるミィ様の指を数えてみると、1、2、3、4、5、6…(;゚Д゚)ギャー!
怪奇!ミィ様は常人ではなかった!なんだかコト姉も微妙におびえた表情です(関係ない


そんなある日、月に一度村のバラッツゾイドで大きい町へ買い出しに行く日がやってきました。
しかし、村の買い出し役の人が町へ到着してみると、なんだか普段よりも町の様子が変。
妙にあちこち町の家が破損しており、さらに住人の雰囲気もどこか騒然と…

「何かあったのかい?家が何軒も焼けてたけど…」

「ああ、ディガルドの連中さ。なんとかって大型ゾイドを探してるらしい」

「も…もしもだよ?そのゾイドを匿ってたりしたらどうなると思う?」

「ん?そうだなあ…すぐ質問に答えなかったってだけで家三軒焼かれたから、
 もし匿いなんかしたら町の一つや二つ吹っ飛ぶんじゃないか?」

村にやってきたラ・カン達のことを思い出し、さーっと血の気が引く買い出し役の人。
町の広場に手配書が出ていると聞いて、まさかと思いながら確認しに行ってみると…



わ…わかんねえーーーー!!!
なんなんだよこの
象形文字みたいなわけ分かんない絵は!ランスタッグとか本気で落書きにしか見えないよ!
というかソウルタイガーとバンブリアンの区別がまったくつかん…こんなんでどのゾイドかちゃんと見分けつくんだろうか…

しかし一目この絵を見るなり、血相を変えて村にすっとんでいく買い出しの人。すげえなんで一目で分かるんだ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「これは大ごとですよ!一刻も早くあのゾイド達を追い出さないと!」

「ディガルドに見つかったらこの村はオシマイだよ、村長!」

「あの人たちには悪いが、すぐにこの村から出て行ってもらおう!」

「…もしディガルドが来れば、大型ゾイドがいたことはすぐにバレる。
 かえって私たちが逃がしたと疑われるだろう。村を守る方法は…」

村に持ち帰った手配書を見て、すごい剣幕で村長の家に乗り込む村人たち。
ただ一人落ち着いた雰囲気の村長でしたが、ラ・カン達のフォローをしてくれるかと思いきや
「ただ追い出しても意味ないじゃーん」村のことしか考えてませんでした。そりゃないぜ村長


と、いうわけでその日の夜遅く。
ラ・カン達が寝静まっているスキに、ふんじばってディガルドに差し出すべく
夜襲をかける村人たち。



しかし
師匠の索敵能力をなめてもらっては困る!
眠っていながらも小屋の周囲に集まった異様な気配を感じ取り、師匠は飛び起きて反撃体勢を取る!

「みんな起きろッ!」

バタバタバタバタバタ!

師匠の声と同時に小屋へなだれ込んで来る村人たち!なんだか知らんがかかって来るなら返り討ちだ!ドカバキー!

「手を出してはいかん!この村の者たちだ!」

なんとか争いを収めようとするラ・カンでしたが、
生粋の武闘派ミィ様たちは言うことを聞いてくれません
ミィ様はローリングソバットを放ち、コト姉はハイキックで蹴散らし、師匠は鞘でぶっ叩き…

(C)細井雄二/講談社

なんだなんでぇ てめえらじゃ弱すぎて話になんねぇぞーっ!!

村人相手に暴れまくりの3人でしたが、とうとう手負いのラ・カンを人質に取られて手が出せなくなってしまいます


そして村の広場にはりつけにされた4人は、身動きのできないままディガルドの到着を待つことに…

「あなた達、絶対に許さない!こんな村いつか丸焼きにしてやるうっ!」

ぎゃー村まで丸焼きっておい!なんて物騒なヒロインなんだ!
普通のヒロインならきっと「私が村のために犠牲になります」って言うところなんだろうけど、さすがミィ様は違うと言うかなんと言うか…

「やめなさいミィ!それではディガルドと同じだッ!」

ミィ様の丸焼き発言をかなり厳しく戒めるラ・カン。え、えーと…かなりマジに怒ってるみたいなんですけど
てっきりミィ様は勢いだけで言ったのかと思いきや、ラ・カンのこの怒り方を見てると
ホントに村を滅ぼす気満々だったってことですか!?ミィ様…恐ろしい子!

「その気になれば逃げられないこともないんだけど…」

普段から体中に暗器を仕込んでいるコト姉。それを使えば、こんな縄から抜け出すことなど造作もありませんが、
それを無言でたしなめるように師匠の視線が…

「分かってるわよ…私だって、この人たちを傷つけるつもりはないわ」

えー!?そんな今さら!?あれだけ村人をボッコボコのメッタメタにぶっとばしておいて
「傷つけるつもりはないのれす」とか説得力ないですよコト姉!


「…村長。小屋の中にルージという少年の遠眼鏡があります、もし彼がここに来ることがあったら…」

どうやらディガルドに連行されていくことを覚悟したらしいラ・カン。
せめてルージの大事な望遠鏡だけでも渡して欲しいと村長に申し出ますが、それも聞き入れてはもらえませんでした

「来ないわよ、あんな奴…きっともうディガルドにやられちゃったのよ。あいつ鈍くさいから…」

「私は…来ると思うな。それも一番いいところで」

「来ない!」

「来ーる。賭ける?」

「…いいわよ、今日の晩ごはん」



おいおい!ディガルドに捕まったら処刑されるかもわからないのに、晩ごはんがどうとか
そんな悠長な!
とか言ってる間に、とうとうその場に2体のバイオラプターが到着!わー!言わんこっちゃない

ぬーんとラ・カン達に伸ばされるバイオラプターの腕。このまま黙って連れて行かれるしかないのか…
と、もう一体のバイオラプターが森に隠されたラ・カン達のゾイドを確認していると…

「ソードウルフ…確認。ランスタッグ…確認。ソウルタイガー…確認。
 レインボージャーク…確認。ムラサメライガー…!?…」

あれェ!?バイオラプターが森を解析していると、そこにいないはずのムラサメライガーの機体反応が!ということはまさか…

「てえあああああッ!!」

ルージきゅんキター!!
さすが主人公は期待を裏切らない!コト姉の予想通りに、颯爽と現れたルージきゅんはバイオラプターを瞬く間に斬り捨てる!

「おおっと…お前さんの相手は、この雷鳴のガラガ様だッ!!」

もう一体のバイオラプターの前にもガラガが現れ、さんざん殴り飛ばした後にヘルズボックスで串刺しに!

「…今日の晩ごはん♪」

「あ、あげるわよ!シシ豚の丸焼きね!」

賭けもやっぱり丸焼きだったのかミィ様
何はともあれ仲間合流!頼もしくなって帰ってきたルージを前にして、2人はほんのりと頬を染めるのでした。次回へ続く!

 








トップに戻る