第21話・帰郷



「ミロード村に…!?あのっ、それって…」


「もし私が職人探しに専念すると言ったとしよう。お前は大人しくそれに従えるのか?
 お前の胸の内には、打倒ディガルドの炎が灯ってしまった。
 そんな状態で職人探しを続けても、決して上手く行くまい」

「それじゃあやっぱりやるのか?」

「…決めるのはミロード村の人だ。
 私は村の人達と約束したのだ、必ずジェネレーターを修理する職人を連れて帰ると。
 約束を反故にするのなら、ミロード村の人達に了解を取らねばならない」

ルージに勝利したラ・カンの「好きにする」という内容とは、
一度ミロード村の人達に事情を話し、ディガルド討伐を了承してくれるのなら自分も立ち上がるというものでした。

「コトナさん、レインボージャークに乗せてもらえないか。ソードウルフでは時間がかかり過ぎる」

「オレも行きます!行って村の人たちを説得します!」

な…なにぃぃぃ!?
あの狭いコクピットに3人で空の旅!?
どう考えても数日はかかるでしょうから、
それまでずっと三連結!?うーむこいつはハードな旅になりそうだ
 

ってアレーーーーー!?
こ、このスペースは一体!?なんだかえらく広くなってますよ!一体これはどうしたことか!
確かコト姉は第6話で偵察に出る時も、「ガラガが入りきらないくらい狭い」と言っていたんですが…

仮説1:二人乗りすることが多いのでコクピットを拡張した
仮説2:実はコクピットは可変式。ルージきゅんとはスキンシップしたかったのでわざと密着
仮説3:単にガラガを乗せたくなくて「それじゃ乗れないよ、大男」ということを言った


まあ単にスタッフの都合という可能性も:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


そしてラ・カン達がミロード村へ向かう最中、ピクル村で留守番のミィ様達でしたが…

「ルージにいちゃーん!」

「ムラサメライガーのせてー!」

「ルージは今いねぇんだよ。何度も言ったろ」

「えー?だってムラサメライガーいるじゃん!」

「いねーもんはいねーんだよ、ガタガタ言う奴は丸焼きにして食うぞ!
 こっちには恐怖の丸焼き料理人レ・ミィ様がいるんだからなぁ!?」

注:ガラガのイメージ映像です

遊びに来た子供たちを追い払うためにミィ様をダシにするガラガ
しかし本人が目の前にいるのに、こんな事を言うとは
自殺行為もいいところです

ドッガアアアアアア!!

「誰が恐怖の丸焼き料理人よーーーっ!!」

注:実際のミィ様です

実際の映像の方が恐えよ!(;´Д`)

怒りに任せてガラガをギタギタに料理するミィ様。
子供達は
あまりに凄惨な殺戮ショーに耐えかねて、「うわーんこわいよー!」と逃げ出してしまいました

「あ、あのさミィ君、ちょっと聞きたいんだけど…」

「何よ」

「ムラサメライガーが赤くなったりとかいう話」

「形も変わったわよ、すぐ元に戻ったけどね。それがどうかしたの?」

(ふーん…エヴォルトか…) 

あーなんか悪い顔キター!!
前回にもムラサメライガーを観察するような素振りを見せたロンですが、
ムラサメライガーがエヴォルトという能力を持つと確信した途端この表情。
あからさまに怪しいぞロン!何かに利用しようと企んでるとしか思えません。やはりこいつはスパイで確定なのか!?


一方、順調に空の旅を続けていくルージ達。
しかしガルガンダという町の上空に差しかかると、ちょうどその町は運悪くディガルドに攻め落とされようとしているところでした
なんか
地獄大使の正体みたいな名前で気になる町ではありますが(えー
レインボージャーク一機で町一つ守れるわけもなく、後ろ髪を引かれる思いで上空を素通りしていくと…

「…!?コトナさんっ!8時の方向!」

「えっ!?」

ドドドドドド!

突然レインボージャークに向けて放たれる機銃の嵐!ディガルドは空戦ゾイドを持っていないはずでは…?
と、銃撃の方向を見てみれば、そこに出現したのは前回ザイリンの前に姿を見せたバイオプテラ!

ところでラ・カンの位置はコト姉のスカートを覗くのに一番いいポジションなんでは(そんな場合じゃない

「コトナさん、パラクライズは…!?」

「バイオゾイドにパラクライズは効かないわ!」

「逃げ切れ!こちらは十分に戦える態勢がない…!ここで戦いを長引かせるのは得策ではない!」

「分かっているけど、向こうの最高速度のほうが速いからそう簡単には…!」

速攻でトンズラを決め込むコト姉達ですが、バイオプテラに張り付かれたまま振り切ることができません
しかも向こうはヘルアーマーを持つバイオゾイド。
向こうからは機銃を撃ちたい放題なのに対して、こっちは同じように反撃してもまるでダメージなし。
こうなってはコト姉の曲芸飛行に望みをかけるしかありません

激しい加速Gが操縦席を襲う!掴まるものがないのでコト姉の尻にしがみつくルージきゅん
まったくこの子はなんだかんだでエロイ目に会う宿命だな(えー

しつこいバイオプテラを連れたまま、コト姉は地面めがけて急降下!
地表スレスレでバイオプテラのナパーム弾をかわすと、その爆炎の中に飛び込み姿をくらます!
ウオオーあちー!ひとつ間違えれば
丸焼きになるところです

「上手くまいたようだな…」

「昔から雲隠れは得意だったから。でもリーオの羽じゃなきゃ、きっとやられてたわ」

多少は羽が黒コゲになったものの、なんとかバイオプテラから逃げ切ったコト姉達。
とんだトラブルに巻き込まれてしまいましたが、引き続きミロード村へ向けて空の旅を続けます


「だから責任者に会わせろと言っているのだ!お前たちではラチがあかん!」

一方我らのうっかり少将ザイリンは、バイオプテラの事について司令部に問い合わせようと最寄りの基地を訪れていました。
しかし
どっから見ても怪しい浮浪者ザイリン。門番に邪魔されて中に入れてもらえません
まるで
ドラクエ3のエジンベアのように頑として動かない門番。いなかものは かえれ!



「いい加減諦めろ!怪しい奴を大佐に会わせるわけにはいかん!」

「くそっ、話にならん…」

「なにごとだ」

そこへ偶然通りがかったお目当ての大佐!まさに天の助け!
おい聞いてくれよあんたんとこの部下がよ〜

「…きさま何者だ?」

ザイリン全然知名度ねえーー!!
き、きさまらー!27歳にして少将!ディガルドのスーパーエース!常人には乗りこなせないバイオメガラプトルを与えられた男!
なのにまったく知られてないのかザイリン…(ノ∀`)
一つ溜め息をついたザイリンは、帽子を脱ぎながら大佐に語りかけるのでした

「この地方で最も出世した軍人の名は知ってるか?」

「…?独立混成団司令官ザイリン…はっ…!ザ、ザイリン少将!?これは失礼しましたッ!!」

遅いよ!遅すぎだよ!相手がザイリンでよかったですよ大佐、これがブルー将軍ならとっくの昔に死んでるところです(えー

(C)鳥山明/集英社

「総司令部と至急連絡を取りたい。通信施設を借りるぞ!」

「はっ!しかしながら現在故障中でありまして…」

「なにィ!?」

(ノ∀`)タハー こんな思いまでして通してもらったのに、肝心の通信施設は使えず!まったくのムダ足!うーんまいったね…

(昨日見たのは確かにバイオプテラだった…。あの女を前線に出すつもりなのか…!?)

な…なんだって!
「昨日見た」!?ってことはバイオプテラ見てから直行してきたわけじゃなかったのか!
だったらなんで軍服ちゃんと着てこないんですかザイリン!
こんなところに私服でのこのこ何やってんですか!通信施設使ったら
またすぐ釣りに行くつもりだったんだろうか…
そしてゲオルグの時と同じく、バイオプテラのパイロットもいけ好かない風なザイリン。
ザイリン…人間関係で色々と苦労してんのね…(えー


そしてレインボージャークでの旅もようやく終わり、ついにミロード村へ到着したルージ達。
久しぶりの故郷、それに初めて上空から見る自分の村に、感激した様子のルージでしたが…

「ルージ、気づかんか?村の周りの森が枯れ果てていることに…
 覚悟はいいか、自分の村が荒れ果てていくのを見て平気な者などいない」

やはり村の環境は刻々と悪化の道を辿っていました。「ジェネレーターを失った村は滅びる」という言い伝えに嘘はなく、
すでに森は枯れ、魚の数も激減し、ミロード村では普通の生活が困難になりつつあるようです

「あっ!?お兄ちゃんだ!」

「ルージ!ラ・カン殿!」

「お待ちしておりました!
 そちらの女性が、ジェネレーターを修理できるという職人の方ですか…?」

「いえ、わ、私は…」

「違うのですラージ殿…違うのです」

ジェネレーターの修理をずっと心待ちにしていたのでしょう、ルージ達の姿を見るや一斉に集まってくる村人達でしたが…

ルージ達が戻ってきた理由を聞いた一同は、絶望の色を隠しきれませんでした
世界の情勢を考えればディガルド討伐を優先するのも仕方のないこと、しかし自分たちの生活はどうなってしまうのか…
なんだか見てるこっちまで居たたまれなくなってきます
ああそれにしても
落ち込んだ顔のミンママかわええなぁ(えー

「…やむを得ませんな、ディガルドを倒さぬかぎりこの村にも平和はない。よく分かる話です、
 村の者には私から話しましょう。私がもっと若ければ、ディガルドを共に討ちたいものです」

「父さん…」

「ラージ殿…!かたじけない…」

村の人間としては怒鳴り散らしたい気持ちもあったでしょう、それでもこの世界に生きる人間として
最後には笑ってディガルド討伐を受け入れてくれたラージ。父さんマジいい男。・゜・(ノД`)・゜・。泣かせるシーンだぜ…


夜も遅くなったその日は久しぶりに我が家で眠り、翌日ラ・カンは村人をハラヤードに移住させる計画の段取りを決めることに。

「おはようございまふ…」

「ずいぶん遅いお目覚めね」

「久しぶりに自分の家だったから、思った以上にぐっすり眠れて…そういえばファージは?」

「畑に出てるよ、最近じゃあの子も大人の手伝いをするようになってねぇ」

朝食を終えたルージは、コト姉に村を案内するついでにファージの様子を身に行くことにしますが…

その途中、見かけた家はどこも扉に板が打ちつけてあるものばかり…
親しかった友人の家に立ち寄ってみても、もぬけのカラで生活している様子がありません

「ロレルの一家ならとうの昔に村を出てったよ。ロレルんちだけじゃない、他にもいっぱい出てったさ。
 こんなことならウチもとっとと出てけばよかったよ…」

通りすがったおばさんのきつい一言。100年人の出入りがなかったというこの村が、すでにそんなことになっていたとは…
暗いムードを引きずりながらファージの元へ向かう2人でしたが、ある小屋の前を通りかかると中からすすり泣く声が…

「お兄ちゃん…?」

「ファージ!?何かあったのか!?畑の手伝いをしてたんじゃなかったのか…?」

薄暗い部屋の中でうずくまっていたのはファージ!
畑でまじめに働いていたファージでしたが、村のガキ大将達に薄暗い小屋へと連れ込まれ、そして…

き、きさまらー!ファージきゅんに何をしたー!!
薄暗い部屋、争った形跡、そしてすすり泣くショタっ子…がー!
なんか
18禁やおい同人誌みたいな展開が頭の中を渦巻いてしょうがありません(えー
そしてファージは、ルージの差しのべた手を振り払い走り去ってしまうのでした

「お兄ちゃんには関係ないよ!だってディガルドと戦う方が大事なんでしょ!?」

「あっ…ファージ!」

「ルージの弟だから苛められたのね…
 村の人たちは、あなたとラ・カンがジェネレーターを直せる職人を連れて戻って来るのを
 それこそ一日千秋の思いで待ちわびていたはずよ。でも、その思いは裏切られた…」

「でも、村の人たちはみんな分かってくれたって父さんが…」

「そういうことにしておかなければ、あなたが村を出て行けなくなると思ったんでしょう…いいお父さんね」

コト姉の話を聞き、想像していたよりもずっとミロード村の問題が深刻なことを悟るルージ。
しかし、だからと言ってこれ以上ディガルドを野放しにできないのも事実。
ルージのディガルド討伐の意志は変わりませんでしたが、せめてもの償いに村人一人一人を訪ねて頭を下げて回ることに…

目線を合わせてもくれない人、罵声を浴びせてくる人、きつい反応を示してくる村人がほとんどでしたが
自分はそれだけ村人を裏切ることをしたのだ、と噛み締めるように村人全員の元を回るルージ。


そして翌日、とうとうルージ達が仲間の元へと出発する時間がやってきて…

「みんな…分かってくれたのかな」

「あなたはやるべき事をやったわ」

「今すぐは無理かもしれん…だがいつか、きっと分かってくれる」

村人達への後ろめたい気持ちを残したまま、レインボージャークに乗り込む3人。
そのままミロード村を飛び立とうしたその瞬間…

「お兄ちゃーん!みんなお兄ちゃんのこと応援してくれるって!
 ディガルドを倒して戻って来るのを待ってるって!」

なんとその時、ファージを始めとして村人たちからルージ達に向けての声援が!
全ての村人ではないにしろ、ルージの真剣な態度をもう一度信じてくれた人も多くそこにはいたのです
うおおおおおお!。・゜・(ノД`)・゜・。この人たちのためなら戦える!辛い旅にも耐えられる!この村はいい村だ!

「みんな…母さん…父さん…ファージ…婆ちゃん…元気で…!」

「ルージ…みんなの期待は大きいぞ!」

「はいッ!!」

ミロード村のためにも、一刻も早くディガルドの問題を片づける!ルージ達は決意を新たに仲間達の元への飛び去って行くのでした。
次回へ続く!








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