第23話・ハヤテ


「この広い世界でディガルドと戦っているのは我々だけではない。それらの者に対し、私は檄を飛ばそうと思う」

「檄を飛ばすって…?」

「そんなことも知らないの?」

「ラ・カンがみんなの前で話した内容を、檄文にして送りつけて決起を呼びかけるのさ」

いよいよ反ディガルドの下地を整え始めたラ・カン達。
各地で戦っている腕に覚えのある者たちをズーリに集結させ、一つの組織としてまとめ上げようという算段のようです
というかミィ様、前回きれいに髪を切り揃えたかと思いきや
何事もなかったように戻ってます。なんて再生能力(えー

「旅の間に見聞きした、各地の反ディガルド組織の情報だ」

「有力なところでは…ホーの一族、荒法師ディンガ、エレファンダー遊撃隊…」

「おっ!俺の名前もあるぜ!」

「おお、ガラガ殿の組織はすでになくなったのでしたな」

反ディガルド組織のリストに目を通すラ・カン達でしたが、
ガラガの名前を見つけると
本人の目の前でそこをぐりぐり塗り潰すダ・ジン。
可哀そうに、さすがのガラガも(´・ω・`)ショボーンとした表情です。
ダ・ジン…少しは空気読めよ!


目ぼしい猛者達を選び早速檄文をしたためるラ・カン。
しかしなぜかその作業をルージにも付き合わせて、2人で執筆作業をこなしていくのでした

「おじ様ったらどうしてルージばっかり構ってるのかしら…」

「ヤキモチなど姫には似合いませんぞ。それよりこの焼き菓子の方が…」

「そっ、そんなんじゃないわよ!ただ、あんな頼りない奴に頼むことないのに…」

「本当に頼りないのですかな、ルージ殿は…」

「頼りないわよっ!………そりゃ、最初に会った時に比べれば大分マシになったけど…」

「このダ・ジンとて、殿のお考え全てが分かるわけではありません。
 ただ、殿は常に遠い先のことを考えて行動しているように思います。
 ルージ殿に関しても先を見通してのことかと。例えば…姫のムコにとか」

「ば…バカ言わないでよっ!ダ・ジン嫌い!!」



親公認ならぬ
じいや公認キター!!
「ルージ殿が後継者になればキダ藩は安泰じゃあ」みたいな雰囲気で話を進めるダ・ジン。
会ってから間もないのにすっかりルージのことを気に入ってしまったようです。
老若男女無差別に虜にするルージ・フェロモン恐るべし!(えー




「う…ぐ…っ!ゲホッゲホッ!」

一方その時師匠に異変が!力なく物陰にもたれかかり辛そうに咳き込む師匠。まるでいつ吐血してもおかしくないような…
ゼ・ルフトで鬼教官にしごかれた時も様子が変でしたが、やはり師匠の体は何らかの病気に侵されているらしく…

「…セイジュウロウ!大丈夫!?」

「っ…」

「これからの戦いは厳しいものになるわ、あなたはもう…」

「く…黙れ!ただの…風邪だ!」

立った立ったー!フラグが立ったー!
師匠が病魔に蝕まれているという秘密を共有してしまったコト姉。
今回以降2人っきりでこそこそ密会…なんてことが増えたりするんでしょうか。
考えてみたら美男美女で割とこの2人って絵になりますね。
実は35歳と17歳で歳が倍以上離れてますが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
いやぁ…それにしてもコト姉17歳は
レイラ・ハミルトン17歳と同じくらいありえないね!(えー
師匠35歳はもっとありえないけどね!のび太のママ38歳と同年代だとは…


そして書きあがった檄文を各地へと届けに向かうコト姉たち。白装束は使者の証です
それを見送るルージも少しそわそわした雰囲気ですが、残念ながらズーリで留守番を任されます

「お前も使者に発ちたかったか?」

「い、いえそんなわけじゃ…」

「使者になると何日もズーリには帰って来れん。その間修行を怠ることになる…
 ディガルドとの戦いの前に、十分にハヤテライガーを使いこなせるようになることだ」

ラ・カンがルージをここに残したのは、ハヤテライガーへのエヴォルトを完全に習得させるためでした。
というわけでひたすら続く師匠との稽古・稽古・稽古!
軽々とあしらわれ続けるルージでしたが、持ち前のひたむきさでとうとう師匠をひるませる会心の一撃を!
ルージの剣術のウデも着々と上達!…って
だからゾイドと何の関係があるんだよォォォ!
それに前回は二刀流の修行でしたが、今回は一刀流じゃないですか!どういう意図の修行なんだ!
ムラサメライガーの力を底上げすることで、エヴォルトがしやすくなるとかそういう事かな…?う〜ん…




「なに、ティ・ゼが生きていると!?」

「はっ!ブラストルタイガーのティ・ゼが生きておるそうです!」

「ブラストルタイガーのティ・ゼ…さん?」

「キダ藩で3番隊隊長だった男だ、あやつが生きているとなれば大きな力になる!」

そんなある日。新たに入ってきた反ディガルドゲリラの情報で、ラ・カンのかつての頼もしい部下が生きているとの知らせが。
早速ティ・ゼの元へ使者を送ろうとするラ・カン達でしたが、そこへの道のりはディガルドの勢力下を横断するという厳しいものでした。
腕に覚えのあるゾイド乗りは、すでにルージ、ラ・カン、師匠以外は出払った状態。
3人のうち誰が行くか…というその時、師匠がルージの方を見て静かにうなずくと…

「あ…!俺が行きます!」

「……いいだろう。ルージを使者に立てよう」

すでに修行は一区切りついたのか、今度はルージの出発を了承する2人。ムラサメライガーで元気良く駆けていくルージを見送るのでした

「ときに、ルージはハヤテライガーを乗りこなせそうか?」

「出来なければ…ここから出しはしない」

というわけでルージきゅんも使者の白装束+半ズボンにお着替え。
師匠…あんたもしかして
結局これが見たかったから推薦したんじゃないのか!(えー


「あれがトールの山かぁ…もう一息だな」

ディガルドの勢力下を通るという危険な旅でしたが、どうにかこうにか敵と遭遇することもなく目的地付近まで来たルージ。
しかしゴールまでもう一歩というその時、ルージの頭上にまたもあのバイオプテラが!

「ザイリン少将の報告にあった青いライガータイプ…?こんな所でお散歩とは…どれほどの腕か見せてもらうよ」

ついにバイオプテラの搭乗者、フェルミ大佐初お目見え!
妙な色香の漂う姉ちゃんではありますが、コト姉よりもさらに妖しい雰囲気がプンプン。まさに悪女って感じです

そしてルージの技量を値踏みするかのように、自分は手を出さず次々にバイオラプターを投入!
圧倒的な物量で襲ってくるバイオラプターでしたが、ルージも今までに見られないような鋭い動きでこれに応戦!
師匠との修行の成果でしょうか、いつもより遥かに動きが冴えてるような感じです

「くっ…!囲まれてる…!」

「さあどうする…?ムラサメライガーのパイロット…」

そんな健闘もむなしく、とうとうバイオラプターに完全包囲されてしまったルージ。
いくらルージの腕が上達していても、十数体のバイオラプター相手にたった一人ではどうしようもありません

ブオオオオオオ!!

「うあああああーっ!!」

「あーあ…ここまでかぁ…」

四方八方からのヘルファイヤーをまともに食らい、ルージを襲う丸焼き地獄!たたりじゃあミィ様のたたりじゃあああ(えー

「ま…負けるもんか…!負けるもんかああああっ!!」

グルオオオオオオオオ!!



その時、ルージの叫びに呼応するかのようにコンソールの文字が
村雨から疾風へ変化!
ゾイドコアが激しい炎に包まれムラサメライガーのエヴォルトが始まる!



ムラサメブレードがムラサメディバイダー、ムラサメナイフに二刀分割され、真紅の装甲がムラサメライガーの全身を包む!
そして最高時速420キロを叩き出す超速のハヤテブースターに点火!



グアオオオオオオッ!!

ハヤテライガー見参!!ぎゃーカコイイー!やっぱり赤はヒーローの色ですよ
というか変身BGMの「エヴォルト」が決まりすぎて最高に痺れます。痺れすぎて死ねます
この時間裏番組のプリキュア見てた人は一生後悔してください(ええー



「あら…!?へぇ、エヴォルトできちゃうんだ…♪」

なんとエヴォルトのことをすでに知っていたフェルミ。しかもそれを楽しむ余裕までも…さすが四天王、まだまだ底が知れません
そしてハヤテライガーは、圧倒的に強化されたスピードで次々にバイオラプターを斬り伏せる!
包囲網に穴を空けたルージはすぐさまそこから脱出!
しかしいくらハヤテライガーと言えども、無尽蔵に湧いてくるバイオラプター相手にこれ以上戦うのは不利です

「まだあんなにいるのか…!逃げ切れるのか…?」

逃げ切るだけでも難しそうなバイオラプターの大群。厳しい現状に不安を隠せないルージでしたが
その時、ルージの前に真っ赤なセイバータイガー部隊を率いる漆黒の虎型ゾイドが出現!

「ディガルドのバイオゾイドども…!
 ここより先はブラストルタイガーのティ・ゼが一歩たりとも通さんッ!」

それこそがルージの探していたティ・ゼのブラストルタイガー。
ティ・ゼの部隊と真っ向からぶつかることを嫌ったフェルミは、バイオラプターを撤退させその場を去っていくのでした

「ルージ殿、と言われたか…?殿にお伝えください。このティ・ゼ、委細承ったと!」

さすがはラ・カンの忠臣、檄文を目にしたティ・ゼは快く共に戦うことを約束するのでした。
次回へ続く!




そしてロン先生のゾイド講座。第二回は今回から本格参戦のハヤテライガーです

「エヴォルトって不思議!なぜ形や色が変わるのか、謎だよねぇ」

「丸焼きにしたらわかるんじゃない?」

「そうそう、こんがり焼けると赤く色がついてムラサメがハヤテに。うーん美味しそうってなんでやねん!」

「じゃまたね〜」

「っておい!」








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