第24話・驕り


第21話以来、いまだに総司令部と連絡が取れていなかったザイリン。
いつまで経っても通信機を直せない部下たちに痺れを切らし、とうとう自らラジオペンチやら何やらを手に修理を始めてしまいます

「さすがザイリン少将…!なんでもお出来になるんですな…」

「…総司令部と連絡が取れたら教えてくれ」

意外にもあっさりと修理完了!相当メカに強かったんですねザイリン
残るは仕上げの調整だけ。後は部下達に任せると、ザイリンは息抜きに通信室を出て行くのでした

「久しぶりに森の向こうの湖に行ってみるか…」
 

単なる散歩かと思えば釣りに行く気満々です。よっぽど釣り好きなのねザイリン…
「今だとフタゴマスが釣れるかなあ」とすっかりご機嫌。子供の頃から慣れ親しんだ湖への道を、胸を躍らせながら歩いていくと…


( ゚д゚)…

(つд⊂)ゴシゴシ

( ゚д゚)…

(つд⊂)ゴシゴシ



(´・ω・) 工場になったのか…

なんと美しかった湖は見るも無惨に変わり果て、ディガルドの工場から出る排水でドス黒い死の湖と化していました
釣り竿を放り出して時の流れの寂しさを痛感するザイリン。
自分が幼かった頃、このザルツ村で暮らしていた時の思い出が次々に頭をよぎるのでした


「スッゲェ!こんなデカイの初めて見た!」

「ザイリンは何やらせても一番だなー!」



小さい頃から
やっぱり釣りが大好きだった少年ザイリン。
釣りだけではなく何をやっても人並み以上の
出来杉君だったザイリンは、多才な少年として村の人気者でした
そんなある日、バイオラプターの襲撃によりザルツ村は火の海に!ディガルドファイヤボォン!
ロクな戦力のないザルツ村はあっさりと占領され、ゼ・ルフトの人達と同じようにゾイド乗りの資質がある者は徴兵されていくのでした

「やっ、やめろ!もういいお前はこっちだ!」

しかしザイリンが検査の石版に手を置いた途端、石版と連動していたバイオラプターが暴走状態に!シンクロ率400%を超えています!
うっかり少将恐るべし。ザイリンのゾイド適正は常人を遥かに超えていたのです
そして士官学校に入った後も、その才能を存分に活かして次々と驚異的な記録を残していくのでした

「ジーンだ。まさかたった1日で私の記録が更新されると思わなかったな…」

「ジーン…?では国王の息子と言うのは…」

「ふふ、いずれ私は軍を指揮する者となる。そのためには信頼のおける部下が必要だ…」

そしてジーンと出会い、士官学校卒業後も異例のスピードで出世していくザイリン。
とうとう少将にまで登りつめ、バイオメガラプトルを与えられると同時に
「どこの部隊だろうとジーンの名において自由に指揮できる」という特権までジーンからプレゼントされるのでした


「ザイリン…?ザイリンじゃないか!?」

「…ウィプスか!?ようやく知り合いと会えた!」

とぼとぼとザイリンが元来た道を戻っていると、そこへ子供の頃遊んでいた友人とバッタリ遭遇!
懐かしいな〜オイとウィプスの家でだべるザイリンでしたが、ウィプスは頬も痩せこけ咳が止まらず、明らかに健康を害している状態でした

「強制移民や徴兵やらで、村もすっかり様変わりしたからな…ゲホッ!ゲホゲホッ!」

「どこか悪いのか…?」

「はは、村に残ってる連中はみんなこうさ…」

(ウィプス…俺と同じ歳なのにあんなにやつれ果てて…)

工場から絶え間なく吐き出されるドス黒い煙により、植物は枯れ村人は体を壊すという酷い状況になっていたザルツ村。
自分の村や友人が変わり果てていく姿を見て、ザイリンはなんとも言えないモヤモヤを抱えることに…
こ…これは
ザイリン味方化フラグが着々と!そう遠くないうちにザイリン軍離反か!?
そうこうしているうちに通信機の調整が完了し、首都ディグへの帰還命令を受けるザイリン。
これからについてジーンと話し合います。まさか早くもここで
「おれはディガルドをやめるぞォォォ!」な展開が…?

「ゲオルグがやられたそうだな」

「うむ…それに勢いづいてラ・カンめ、ゲリラどもを集めてディガルドへの抵抗を画策しているそうだ」

「叩き潰せというわけか…」

「因縁があるのだろう?ムラサメライガーとか言ったか…完全に決着をつけて来い」

「了解した。他の連中に任せるのではないかとヒヤヒヤしていたぞ」

「ソウタやフェルミのことか?安心しろ、バイオプテラとバイオケントロにはまだ試し乗りが必要だ」

(;゜Д゜)あ、あれー!?最低でも
「今日は乗り気じゃないんだよ」とか断りそうな雰囲気だったのに
「ルージきゅんと戦えるよ!」と言われた途端にザイリンやる気満々です
というか結局なんだ、バイオプテラに驚いて総司令部と連絡を取ろうとしてたのも
ルージきゅんを先に倒されるのが心配だったからですか
ルージきゅん>>>>>>>>>>>村とか友人 のザイリンが離反する日は果たして来るのだろうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


その頃ルージ達のいるズーリには、ラ・カンの檄文を受け取った同志達が次々と集結していました

「我が名はホー!俺がいれば千人力…いや万人力だ!」

「おい入口はどこだァ!」

「ラ・カンとか言う奴、来てやったぞ!」

「俺たちは新生エレファンダー遊撃隊だ!ディガルドには恨みがある…!」

セイバータイガー部隊を率いるホーの一族と荒法師ディンガ、コマンドウルフLC部隊のバルブロ、そして新生エレファンダー遊撃隊のハック…
どいつも横柄な奴ばっかりです(えー
やって来たのは誰も彼もケチなプライドとメンツの塊。とても仲良くやっていける連中だとは思えません
はるばる集結した同志のために宴を開くラ・カンでしたが、つまらない理由から早くもいがみ合いが始まってしまいます

「貴様ァ!今なんと言った!」

「足手まといだと言ったんだよ。旅の商人から聞いたぜ?
 たった一体のバイオゾイドに全滅させられたエレファンダー部隊がいるってな」

「あ、あれは…特別なゾイドだったんだ!」

「ヘッ、どうだか…」



そう、エレファンダー遊撃隊が
まだ新生でなかった時のこと、
彼らは第2話でミロード村へ向かう途中のザイリンにちょっかいを出し、ボコボコにやられて全滅していたのです
ザイリンのバイオメガラプトルと一般兵のバイオラプターでは、
シャアの乗ったガンダムと一般兵のジムくらい強さに違いがありますが、
バイオラプターとしか戦ったことのないバルブロには馬の耳に念仏。
「一体相手にやられてやんの、だっせー」
つまらない言い合いから大喧嘩にまで発展してしまうのでした


翌日、ラ・カン達の元にズーリを目指していた同志が襲われたとの情報が舞い込んで来ました
その襲撃者とはバイオ四天王最後の一人、ソウタの駆るバイオケントロ。
二本の巨剣ビーストスレイヤーと無数に装備された棘ミサイル・バックランスにより、強力な攻撃力を持っているゾイドです

そして強敵が現れたと聞いたズーリの連中は、出撃命令も出ていないのに次から次へと勝手に出撃。
あまりにも使い物にならない同志達にラ・カンは表情が曇りっぱなしです。
必要以上にハッスルして出て行くアホどもを目にして、
「何を考えてるんだこいつら!」
さすがのティ・ゼも
低レベルすぎる連中の考えが理解できません(えー


しかしズーリのアホ部隊が到着した頃には、すでにソウタの姿はなくバイオラプターの集団が残っているのみでした
数のうえでは圧倒的にズーリ側が有利!リーオの武器を持たなくとも十分に勝てる戦!
…のはずが、誰も彼も自分勝手に突っ込むせいで
逆に押されまくるアホ部隊。

「押されてるじゃない!あれだけの数がいるのに…!」

「ラ・カンの言った通りだ、みんな戦い方が分かってない!」

援護にやってきたコト姉とルージも、醜態を晒すアホ部隊に心底がっかり。
ルージはすぐさまハヤテライガーへとエヴォルトし、アホ部隊が頼りにならない分バイオラプターを次々に斬り伏せる!

「バイオラプターの弱点は口です、口を狙ってください!」

「んなこたぁ言われなくても分かってるよ!」

クハハこの嘘つきが!ルージに言われるまで、何も考えずに
意味ない攻撃を繰り返していたアホ部隊。
それにしてもバイオラプターの弱点が口っていうのは初耳ですね。
確かガラガのゲリラ部隊が初登場した時、口の中に命中したロケット弾でバイオラプターが倒されてましたが
口が弱点ぽい描写があったのはその時くらいでしょうか?ほとんどはメタルZiの武器でバッサリだから…

ルージの助言でようやく効率的にバイオラプターを倒し始めたアホ部隊。
バイオラプターはそれほどの大部隊でもなかった分、あっさりと勝ちをおさめることに成功します
戦略的には
勝っても全然得がない戦いでしたが、勝てば何でもいいアホ部隊は諸手を挙げて大喜びです。

「俺たちの大勝利だ!YOーYOーYOー!!YOーYOーYOー!!」



「分かってねぇ奴が多すぎるぜ…」

「初戦で大勝したのはまずかったな…」

アホ部隊が奇声を上げて勝利に酔いしれる中、ラ・カン達はそのお気楽っぷりにどうしようもない不安を感じているのでした
こいつらほど烏合の集という言葉が似合う連中は他にいないでしょう。次回へ続く!




そしてロン先生のゾイド講座。第三回は本編未登場の飛行ゾイド・バイオラプターグイです

「ついに登場した空飛ぶバイオゾイド!空を飛べるゾイドは非常に珍しくてとても貴重なんだ!
 バイオプテラ以外にも、新型のバイオラプターグイも作られているらしい…」

「乙女のビーンタビーンタビーンタビーンタビーンタビーンタ!」

「グィエエアッ!」

Σ (゜д゜;)ロン先生何か殴られるようなことを!?
と、思いきや、もしかしてグイとグィエエアッ!をかけてたんだろうか…まさかそんなことは…(えー








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