第3話・旅立ち


「ぐぬううううっ…!」

「おじ様…!放しなさいよ、このっ…!」

ヘルファイヤーの炎に包まれながら、バイオラプターに組み付かれ動きを封じられるラ・カン達。
2人の援護が期待できないまま、ルージはザイリンと1対1の戦いを強いられる!

「ルージ君!知り合ったばかりだというのに、こんなことになって残念だよ!
 運が悪かったと思ってくれたまえッ!!」

ルージに向けてバイオメガラプトルのヒートハッキングクローが唸りをあげる!
直撃を受ければ斬り裂かれるのは確実!しかし、夢中で突き出したムラサメブレードがメガラプトルのクローを押しとどめる!

「なに!?この刀…メタルZiで出来ているのか!そうでなければバイオゾイドは倒せぬか…!」

「あっ…!こっちにはご先祖様から伝わった大刀があるじゃないか…!」

ムラサメブレードを上手く使えば、ザイリンを撃退できる可能性はあります。少将がなんぼのもんじゃ!偉い人には分からんのです!
ルージは自分を奮い立たせると、ザイリンに向けて決死の突撃を仕掛ける!

「でやあああああっ!!」

「振り回せば当たるというものでもあるまいに!」

そんなルージ再三の攻撃も、ザイリンは冷静に見極めてことごとく回避!
思った以上に技量の開きがある2人。しかしザイリンからの反撃も、ルージはムラサメブレードを巧みに使い
ギリギリのところで致命打だけは防御する!

「くうっ…!」

「ええいッ!鬱陶しい!!」

素人相手になかなか決定的な攻撃を与えることができず、苛つきを見せ始めるザイリン。
さらにルージは組み付いたメガラプトルを強引に引きはがし、ムラサメブレードで怒涛の攻撃をかける!大人しく刺身になりやがれー!
ザイリンは斬撃を全てすんでのところで回避しますが、それでもルージの意外な粘りに驚きを隠せません

「く…!子供だと思って舐めすぎたか…!?」

一方、ルージが時間を稼いでいる間にラ・カンとミィもバイオラプターを倒し、ルージの元へ一直線に駆けつける!
そんな2人が戦いの場に到着して目に入ってきたのは、
村の生命線である『ジェネレーター』の付近で戦うルージの姿だった!

「いかんッ!」

「ジェネレーターを背に!?」

戦いの被害でジェネレーターが破損することを恐れるラ・カン達。

ジェネレーターは村の守り神のような装置であり、
破壊されてしまうとそこの土地は枯れ果て、
海からも生物が消え、最後には人の間に病が蔓延し村は滅びる
といいます。

なんとか戦いを止めようとするラ・カン達。しかしルージ達に追いつくにはまだかなりの距離がある!

「この村から…!出て行けぇーっ!」

「小僧がァーーーッ!!」



さながら
宮崎駿アニメのように怒りで髪を震わせるザイリン。ラピュタは本当にあったんだ!
そして怒りに任せた特大の火球をルージに向けて発射する!
素早い反応でザイリンの火球をかわすルージ。しかしその背後には、不運にもジェネレーターがそびえ立っていた!

ドガアアアアン!!

「な…!?」

「ああっ…!」

「し、しまった…!ええい迂闊なっ…!」

驚愕する面々。彼らの目前で無情にも機能を停止するジェネレーター。
意外なことにザイリンもまた、ジェネレーターが壊れてしまったことに衝撃を隠せません。



俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!俺は親善大使なんだぞ!(えー

やはり動揺で操縦に乱れが生じたのか、
ザイリンは反撃に転じたムラサメライガーの攻撃をかわせずメガラプトルの片腕を断ち切られる!

この状態でゾイド3体の相手は厳しいと見たザイリンは、目くらましの火球を放ち即座に撤退を試みます。ばいばいきーん

「こんな小さなジェネレーターなど軍事的には意味はないが……破壊したのはまずかったか……」

ミロード村から帰還する途中、目を閉じて自分の行いを悔いるザイリン。
意外にいい男ですこの人。いや、侵略者にいい男もクソもないんですけど
てっきり軍事利用できなくなるから後悔してるものかと…



そして、ディガルドを撃退したものの、自分の犯してしまった過ちの大きさに打ちのめされるルージ。

「ジェネレーターが……オレがあいつの攻撃を避けたから……」

「避けなければ君がやられていた…」

ルージを気遣うラ・カンの言葉も、今のルージの心には響きません

「…オレはなんてことを…こんなのありかよ…うあああああっ…!」

村を救うつもりが、結果として村を滅ぼすきっかけとなってしまった。
ルージの絶望は暗く深く、一晩中ムラサメライガーの操縦席で泣き崩れるのでした。


明くる日、傷ついたルージも弟のファージに迎えられようやく外に出てきます。
ミィもこのときばかりは怒鳴り散らすことなく、
「降りてきたら?美味しいわよ」とルージにおにぎりをプレゼント。
沈みっぱなしだったルージの表情も、ほんの少しだけ和やかになるのでした。





そして、ジェネレーターの壊れてしまったこの土地でこれからも暮らしていくか、
新しい土地へ移住するかで話し合う村人たち。
しかし、この先滅びる可能性があるとしても、ミロード村への未練が捨てきれない者が多数を占めていました。

「あきれた。この村は滅ぶのよ?出てくしかないじゃない」

あくまでドライな意見のミィ。とはいえ、100年以上誰も外に出て行くことのなかったミロード村の住人が、
移住することに難色を示すのも仕方のない話です。



「……生まれ故郷を捨てるのは、辛いものだな」

村の住人の姿を見て、何か過去の出来事を回想するラ・カン。かつてのラ・カンにもこのような経験が?
その過去の自分と村人たちをダブらせたのか、ラ・カンは意外なことを村人たちに申し出ます。

「ひとつだけ方法があるかもしれん。職人を連れてくるのだ、ジェネレーターを直せる職人をな。
 ジェネレーターが壊れた原因は私にもある、
 皆さんの賛同が得られれば、私がなんとか見つけ出し連れて来ましょう」

降って湧いたひとすじの光明!もちろん反対する村人などいようはずもなく、
村に残ったありったけのレッゲルをラ・カンに提供し、村の運命を彼に託すことに…


「ルージ、村の外へ出る気はないか?村のことをラ・カン殿一人に任せきりというわけにもいくまい」

そんな中、村で唯一残ったゾイド乗りであるルージに、ラ・カンと同行する気がないかと尋ねるラージ。
しかし、これまで村から出ることを考えもしなかったルージにとって、父の提案はすぐに返答できるものではありませんでした。

外の世界へ踏み出してみるべきか。ルージが一人物思いにふけっていると、そこへミィがひょっこりと現れて…

「ひょっとして、旅に出るのが怖い?」

「そんなわけないだろ、ただ…この2日いろんなことがありすぎて、気持ちの整理がつかなくて…
 3日前までオレ、教師になろうと思ってたんだ。オレ、本読むの好きだし…計算も得意だし」

「…ゾイド乗りでも教師はできるわよ?」

「あ、そっか…そうだよな…あははっ、あははははっ」

「そんなことで悩んでたの…?」




と、ミィの言葉で何かふっきれた感じのルージ。
それでいいのかよ!
ルージの悩み:教師>>>未知の世界での旅 ってお〜い!そんなの帰ってきてからいくらでも悩んでくださいルージさん…


かくして、旅立ちの腹を決めたルージに、家族達がそれぞれ餞別を送ります

「ひいおじいさんの代からこつこつと貯めてきたものだ、がんばってくるんだよ」

「寒い所に行くかもしれないから、鹿皮の外套も入れておいたよ。どんなことがあっても…無事に帰ってきてね」

「我が家に代々伝わる遠眼鏡(望遠鏡)だ。ルージ、その目で外の世界を見てこい。
 それがお前の糧となる。教師になるにせよ、他の何になるにせよ大切なことだ」

「はい、お兄ちゃん!貝のお守り、僕が作ったんだ!」

祖母からは貯金を、母からは旅の支度を、父からは一家の主の証である望遠鏡を、弟からは手作りのお守りを受け取るルージ。

それにしても閉鎖的な村で育ったのに、ラージはずいぶん外の世界に対して理解を示していますね。
やはりこの人も、御頭になるまでに様々な苦労を経験したんでしょうか?

とりあえず、息子を送り出すミンママ可愛すぎなので私も今すぐ旅の仕度をですね(えー



日が沈み、ミロード村での最後の夜で望遠鏡を覗き込むルージ。すると、そこにまたまたミィの姿が。

「夜が明けたらすぐ出発だって。忘れないでよ?じゃ、そういうことで…ガンバレよ、ミロード村代表!」

「う、うん…オヤスミ」

 

珍しく素直にルージを応援するミィ。ルージもミィの意外な言葉に真っ赤になって固まってしまいます。
青春っていいなぁオイ!こういう甘酸っぱい人生を歩んでみたいもんだ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン



そして翌日、大勢の村人に見送られながら早速村を出発するルージ達。

「ルージ、少しでも早く帰りたいなら振り返るな。一歩でも足を踏み出すことだ」

「はい、ラ・カンさん」

「私のことはラ・カンでいい。私も君のことはルージと呼ぶ」

「これからルージと呼ぶ」みたいなことを言いながら
直前からすでにルージと呼んでるラ・カン萌え
それにしても、40歳近く年下のルージに呼び捨てにさせるとは、ラ・カンもずいぶん肝っ玉が大きいというか…

そして早速
「私のことはミィ様って呼んでね♪」とルージをおちょくるミィ様。



旅立ち早々、ひたすらミィ様に振り回されるルージの姿が
目に浮かぶようです。
果たして、ジェネレーター職人を見つけるまでにルージにはこれからどんな苦難の道のり
(主にミィ様からの)が待ち受けているのか…
次回へ続く!








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