第4話・はじめての街

ジェネレーター職人探しの旅が始まり、ルージ達が最初に立ち寄ったのは商業都市・ハラヤード。

ミロード村よりもはるかに大きな町に、ルージは遠目からでも目を白黒させますが、
まずは旅に慣れているラ・カン、ミィ様の2人がゾイドから降りて町の様子を見てくることに。

「村のみんな、どうしてるかな…」

一人留守番を命じられたルージが考えることと言えば、やはりミロード村のことばかり。
住み慣れた村に思いをはせて空を眺めていると、その時ルージの視界を横切る一体のゾイドが!
何かと思いルージが飛び起きると、見たこともない飛行ゾイドがハラヤードの街へ舞い降りていき…

「町はすごいなぁ…!あんなゾイドがいるなんて!
 きっとジェネレーターを修理できる人も、たくさんいるんだろうな…」

と、ジェネレーターのことが頭をよぎると、その場にじっとしていられなくってしまったルージ。
とうとうムラサメライガーに飛び乗り、ラ・カン達には内緒でこっそりと町に出向いてみることに…

「うわぁ〜…町って大きいなあ…」

ミロード村とは違い、歩行者用の道だけでなくゾイド用の道路もしっかりと整備されているハラヤードの町。





ゾイド初心者のルージにとって、初めて自動車教習所から町中に繰り出した気分みたいなもんでしょうか。
何もかもが初めての体験に、ただただ感嘆の声をあげるルージ。しばらく進んだ後、はっと目的を思い出し立ち止まります

「そ、そうだ、ジェネレーターを修理できる人を探さなくちゃ」

「うわああーっ!!」ドガアアアン!!

「こ…こらああーっ!!」ドガアアアン!!

しかしここには、ムラサメライガーの他にも数多くのバラッツゾイドが走行中。
ムラサメライガーの急停車、反対車線へのはみ出しで次々に交通事故が起こってしまいます。わーごめんなさいバラッツさん

「急に止まるんじゃねー!」

「ふざけんじゃねーぞ!ゾイドは左側通行!」

「ご、ごめんなさいっ!」

ゾイドから飛び出してきた操縦者達に怒鳴られ、平謝りに謝るルージ。
そんなルージに、遠くから目をつける怪しい人影が…

「大層なライガータイプに乗ってるかと思えば、ただのガキかよ…フン、うらやましい限りだ」

「じゃあ…いただいちゃったら?あんな坊やに、あのゾイドは勿体ないと思ったんだけど」

見るからに荒くれ者ぞろいの盗賊団。その中にただ一人、コトナという美人の女性メンバーが。紅一点とはこのことか





コトナは、積極的にムラサメライガー強奪をリーダーの男に持ちかけます。

「あの坊やは私の方で上手くヤっとくから…悪事は、急げよ♪」

「よし…すぐに準備に取りかかれ!」

リーダーの一声ですぐに配置につく部下たち。
どうでもいいんですが「やっとく」の発音が
妙にエロく聞こえたのは私の空耳でしょうか(えー


「ごめんなさい!弟がとんでもないことをやらかしたみたいで…なんとお詫びしてよいものやら…」
さっそくコトナはルージの元へと向かい、カンカンの操縦者達をお色気でなだめにかかります。うふーん許してー


コトナの美貌に骨抜きにされた操縦者達は、すでに事故のことなど
忘却のはるか彼方。それでいいのかよオイ!
こいつら
脳みそまで下半身なんじゃなかろうか。私も人のこと言えないけど:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


かくして、騒ぎが大きくなる前にそそくさとこの場を退散するルージとコトナ。
このような
うらやましい体勢でゾイド置き場へと移動します。密着!密着!至近距離!

 

おっぱいをぷにぷにと押し付けられ、「せ、せまいんだけど…」と恥じらうルージ。
俺もルージきゅんの上に乗りてぇよ!!(そっちかよ


「どうして、オレのこと助けてくれたんですか?」

「ん?うーん…キミがチャーミングだったから」

「ええ!?」

「ふふ、お腹空いてるんじゃないの?おごってあ・げ・る」

ゾイド置き場にやってきた二人、はー助かったーとほっと一息。
どうしてコトナが自分を助けてくれたのか気になるルージですが、チャーミングの一言で片づけられてしまいます。
そしてコトナに手を引かれるまま食事処へ連れて行かれることに…

 

まったくうらやましい話だ…俺もルージきゅん口説きてぇよ!!(そっちかよ
コトナがルージを連れ出したことでムラサメライガーはまんまともぬけの空に。ムラサメさんピーンチ!
そのスキに着々と盗賊団がライガーの奪取準備を開始!

「フハハハッ…上物だな…」


「…キミの村のジェネレーター、止まったの?」

「…って言うより壊されたんです、ディガルドの連中に…オレの不注意もあったんですけど」

食事処にやってきたルージ達。
ルージはコトナにごちそうされながらこれまでの事情を説明しますが、心なしかなかなか箸が進まない様子です。
やはり村のことで食事が喉を通らないのか…

「オレ、どうしてもジェネレーターを修理できる人を連れて戻らなきゃならないんです!
 コトナさん、ジェネレーターを修理できる人を紹介してもらえませんか?
 こんな大きな町ならたくさんいると思うんですけど」

「あいにく、私の知り合いにはいないわね…
 それにこのハラヤードの町は、交易都市にしては小さい方だから…」

「ええええええええ!?そ、そうなんですか…」

ミロード村よりはるかに大きいこのハラヤードが、小さい方だと聞いて思わず絶叫するルージ。おどろきもものき。
その大声に奇異の視線が2人に集中し、恥ずかしさのあまりコトナは真っ赤に…





さあさあもっと叫んでみようかルージ君!!(えー


しかしジェネレーター職人を探したいことと、早く戻らないと
ミィ様に殺されるという事情があるので
食事もそこそこに席を立とうとするルージ。時間を稼ぎたいコトナは、そんなルージを慌てて引き止めます

「ル、ルージ君!海の方から来たのよね、
 じゃあ山の幸・炭火焼き山賊風盛り合わせ〜なんて食べたことないでしょ!」

「は、はあ…」

「すみませ〜ん!山の幸・炭火焼き山賊風盛り合わせ、お願いしま〜す!」

「は、はあ…」

こうしてまたまた強引に足止めをくらうルージ
一方その頃、盗賊達はルージ以外に操縦できないムラサメライガーに手こずっている最中だった。
しかし、動かせないなら引っ張るまで。盗賊達はムラサメライガーを台車に乗せると、とうとう街の外へ持ち出すことに…
足止めされてる場合じゃないぞルージ!一刻も早く追跡を!

「んぐんぐ…これも美味しいですね〜!この店の料理全部食べようかなぁ」

「…や、やめて…」

が、まるで
サイヤ人のような食欲で店の料理に次々とパクつくルージ。
さっきの「箸が進まない」とかいうのは私の気のせいかよ!!
自分から引き止めたコトナも、凄い勢いで軽くなっていく自分のサイフにさめざめとした様子。
その時、盗賊団の一人がコトナへの連絡に店の隅に姿を現し…

「ちょっと失礼!……終わったの?」

「ああ」





「他のみんなは獲物と一緒?」


「オレとお前以外はな」

「ふふ…じゃああなたは先に行って。オリの中に♪」

「…!?お、お前何を!」

はーいドッキリでーす!
実はもともとハラヤード領主から盗賊団撲滅の依頼を受けていたコトナ。
今回のことは、ムラサメライガーを餌に盗賊を集めて一網打尽にする作戦だったのです。

騙されていたことに逆上した盗賊は、なんと袖から
スパナを取り出すと(刃物じゃないのかよ!)コトナに殴りかかる!
しかしコトナも負けてはいない。ニーソックスに仕込んだ十手でたやすくスパナを防ぐと、華麗な体術で盗賊を張り倒す!
このアニメのヒロインはみんな武闘派か!女とはなんて恐ろしい生物なんだ…

「ごめんね、キミのムラサメライガーはすぐ取り返してくるから。待ってて!」

「あ、コトナさん!」

盗賊を倒すとその足で店を飛び出し、クジャク型ゾイド:レインボージャークに乗り込むコトナ。
が、自分のゾイドが盗まれたとあっては、ルージも黙って飯を食いながら待つことなどできません

結局こうなってしまいました。さっきのルージと同じように「せ、せまいんだけど…」と恥じらうコトナ。エロー!
また二人乗りなわけですが
この体勢はやばいだろ!
日曜朝の8時30分ですよ!日本全国のお子様たちが見てますよ!
私がお茶の間のお母さんなら
「こんな教育に悪いもの!!」と泣きながらテレビのチャンネルを連打することでしょう(えー


街の外に逃走した盗賊団を追いかけるコトナですが、さすがは飛行ゾイドのレインボージャーク。
並みのゾイドを大きく上回る速度で、あっと言う間に盗賊団を補足!ばびゅーん
まだコトナの裏切りに気付いていない盗賊団に、レインボービームテイルを展開し先制攻撃を仕掛ける!

「パラクライズッ!!」

「な、なんだこの音は!?オレのダブルソーダが動かねえ!」





ゾイドの運動神経を麻痺させる光線・パラクライズで盗賊団の動きを封じるコトナ。
しかしムラサメライガーの守りが手薄になったのを見て、いてもたってもいられなくなったルージが
レインボージャークから飛び出してしまう!ぎゃーこの命知らずがー!

「ちょ、ちょっとルージ君!あぁぁっ!?」

「地面の中まではそいつも通用しなかったようだな!てめえのレインボージャークも叩き売ってやるよ!」

その時、地面に潜んでいたステルスバイパーがレインボージャークの背後から出現!
全身にからみつかれ、レインボージャークは行動不能に!
パラクライズの効果も切れ、周囲を数多くのゾイドに囲まれてしまうコトナ。ひー助けてー!

しかしその時、ルージの起動したムラサメライガーが咆哮と共にステルスバイパーを一刀の元に斬り捨てる!

「ルージ君、無事だったのね!」

「ゾイドをブッ壊しても構わねえ!絶対生かして帰すんじゃねえ!!」

「そっちこそ…!人のゾイドを盗んでおいて、ただで済むと思うなよ!」

体勢を立て直したルージ達にとって、バラッツゾイドの群れなど烏合の衆も同然!
仮面ライダーにぶちのめされるショッカー戦闘員のように、盗賊団は次々と蹴散らされていく!

「このガキがぁぁーッ!!」

最後に残ったのはリーダー格のシャドーフォックス。このまま黙ってやられることなど我慢がならん!
シャドーフォックスは空高く跳び上がると、必殺のストライクレーザークローをルージ目がけて振り下ろす!
しかしそれすら見切っていたルージ。紙一重でレーザークローをかわすと、すれ違いざまにムラサメブレードで
シャドーフォックスの首をはね飛ばす!
素人の動きじゃねえ!

が、シャドーフォックスを倒したと同時に
街の方へは見向きもせずにどこかへ向けて駆け出してしまうルージ。おいおいどこ行くの!

「ど、どこ行くの!?ルージ君!」

「さすがにもう帰らないとまずいんです!さよならっ!」

ルージきゅんは盗賊団よりミィ様が怖かったのです。
敵がすべて片付いたと分かると、勝利の余韻にひたる間もなく留守番を命じられた場所へ一目散に帰ります。

「また会えるといいな…」

短い間ながらもルージに好印象を抱いたコトナ。名残惜しそうにしながら、駆けて行くムラサメライガーの後ろ姿を見送るのでした。


「すっかり待たせてしまったな…」

ようやく約束の場所に戻ってきたラ・カンとミィ様。
その2人が目にしたのは、ムラサメライガーの横でくうくうと寝息を立てるルージの姿だった。

「町では盗賊団が捕まったっていうのに、のんきなものねぇ」

その盗賊団を捕まえたのはルージと知らず、眠っているルージを見て呆れるミィ様。
しかし、くたくたになった様子のルージを見て、ラ・カンはある程度の事情を飲み込んだようでした





「ふふ、どうかな…?なべてこの世はこともなし…か。まあ、よかろう」

「…?」

「むにゃむにゃ…もう、食べられないよ…」

まああれだけ食えばそうでしょうな(えー
誰も知らない激闘をくぐり抜け、ルージは
寝言おなじみの台詞をつぶやきながら穏やかに眠るのでした…

次回へ続く!








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