デルトラクエスト11話 「はばひろ川を渡れ」

「遅いぞッ!約束の時間はとうに過ぎている!」

「も、申し訳ありません、やむを得ない事情がありまして…」

黒の憲兵団と落ち合うなりどやしつけられるネズヌク達。へこへこと頭を下げてご機嫌取りに必死です
あ、あんたらチュルナイじゃあんなにふんぞり返ってるくせに!一歩町から出れば一般兵より立場下なのかよ!

「まあまあ、まずは中で一杯どうぞ。これからいつも通り、食料を運びにデルの城まで戻られるんでしょう?」

そこへ憲兵をなだめにトム登場!いつも通りってことはやっぱり黒の憲兵団は常連客なのか…

(そうか…!あの食料は捨てられるんでなく、デルに運ばれるんだ!
 影の大王の手下どもがむさぼり食うために…)

(許せない…!影の大王もネズヌクも、そしてトムも!あいつはレジスタンスを支援するようなフリをして、
 実際は影の大王の味方だったんだ!)

ト…トムてめえ…てめえよくも影の大王の味方を…わたしは許しませんよーっ!!
トムの態度に我慢がならずリーフ大爆発!とその時、ジャスミンを追って飛んできたクリーが馬車に追いついてきました

「…?そういえばあの鳥、チュルナイからずっとついて来てるな」

「ほーう…?」

(まずいぞ…!トムはクリーを知っている!)

(私たちが来てることがバレちゃったかもしれないわ…!)

しげしげと荷台を眺めてニヤリと笑うトム。完全にバレてますよ!
しかしトムは告げ口をするような真似はせず、まずはお茶をどうぞと憲兵達を店の中へ押し込めます
馬車はこの後憲兵達が乗っていくので、ネズヌク達は他の手段で帰ることになりますが…

「申し訳ないんですが、みなさんにはチュルナイへ歩いて帰ってもらうことになりますな」

「どういうことだ…?」

「実はみなさんのお帰りに用意していたマドレッドが、盗まれてしまいましてね…悪賢い3人の旅人に」

「…やっぱりそうか、その3頭はチュルナイの牧草地に戻って来たよ。旅人を振り落としてな」

「それは何よりです!」

(なんて奴だ…!この間は僕たちにいい顔をしてたくせに!)

な、なにー!?「チュルナイに戻って来た」ってことは、リーフ達に売りつけたマドレッドは元々チュルナイの物だったってことですか!
トムのやつ人様の預かり物を売っぱらったのかよ!
それとも本心では「影の大王に仕える連中のものなんかこうしてくれる!」と思ってのことなのか…






その後トムは家の裏手へネズヌク達を誘導すると、聞こえよがしに馬車の前で独り言を始めました

「さてさて、こっそりと荷馬車を降りて店の脇の植え込みに逃げ込みたいんなら、今がチャンスだよな〜」

か、勘違いしないでよね!「逃げるなら今のうち」だなんて教えてないんだから!(えー
やっぱりリーフ達の味方なんでしょうか、ご丁寧に逃亡ルートをお膳立てするトム。
しかしトムへの怒りが治まらないリーフは、助けてくれたお礼も言わずに噛み付きます

「あんたは嘘つきだ!僕たちに自分の物でもない
 ネズヌクのマドレッドを売りつけておいて、「奴らに盗まれた」と言った!」

「ハッハッハ!そりゃ商人ですからねえ、自分の利益になることも考えますよ」

「おかげでこっちはチュルナイで酷い目に遭ったわ!」

「けどねえ、あたしゃ左の道を行くようにと言ったはずです。
 そうすりゃマドレッド達も、故郷の臭いに引かれて暴走することもなかったでしょうよ」

あー、マドレッドが暴れ出したのにはそんな理由が…
トムの忠告を無視した立場としてはグサッと来ますが、それでもまだまだリーフは言い足りない様子です

「もう一つある!お前はレジスタンスに味方するような顔をして、
 裏では影の大王と繋がってるじゃないか!」

「お気づきになりませんでしたかねぇ〜。
 うちの看板、どこから見ても同じに見えるでしょ?西から見ても東から見ても。
 あたし自身もそれと同じ、誰に対しても同じなんです」

「なんて奴だ…!」

「言ったでしょ?あたしゃ商人ですからねえ、
 お客様なら誰でも大歓迎。誰の味方もいたしますよ」

どこから見ても「TOM」に見える看板は、トムの人格をも象徴したものでした
うーん、表面的にコウモリ男を装ってるのかと思いましたが、やっぱりこれがトムの本音なんでしょうね
あっちが敵、こっちが味方という枠に捕われずにあらゆる人の味方になる。
危ないところを助けてくれたのも、ある意味では「リーフ達の味方」ということなんでしょう

「ああトムはそういう人なんだ」と割り切って出発するバルダとジャスミンでしたが、
リーフはいまだに納得できずにトムへの不満をたれ流していました

「トムは私たちを助けてくれたわ、それ以上何を望むの?自分のことしか信じない動物はたくさんいるわ」

「トムは動物じゃない、人間だ!人間なら正義を知るべきだ!」

「ほんと口だけは立派なんだから…リーフは本当に分かってるの?何が正しくて何が間違ってるのか」

人間は正義と悪のどっちかなんだ!トムは正義じゃないから悪なんだ!と極端なことを言い出すリーフ。
スザクも似たような話ロイドとしてた気がするなー。あんたら似た者同士だよ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「二人とも、言い争いをしてる場合じゃない。今は一刻も早くここを立ち去るべきだ」

ふふ、わかいなといった様子でリーフを微笑ましげに見つめるおっさん。大人の風格です
ラットシティ目指して今度は徒歩で出発する一同。しかしリーフは道中もずっとヘソを曲げたままでした






ひたすら地道に歩き続けてようやくはばひろ川へ到着。ラットシティを発見する3人でしたが、
ドラクエ1の竜王の城みたいに、見えてはいるのにとても渡れないような対岸に位置していました
ああこんな時にキャプテンブラボーさえいれば…(えー

「こいつはまるで海だな…」

「あれがラットシティかな、川さえ渡ればここからまっすぐなのに…」

「泳いで渡るのはとても無理だわ…」

「かと言って、イカダを作れそうな木も見当たらないか…」

「ここまで来たのにまいったなもう〜」という顔のおっさん萌え
長い旅路でジャスミンはもうクタクタ。休憩も兼ねてひとまずランチタイムにすることにします

「リーフ、トムの店で買ったもので食えそうなものはなかったか?」

「あいつの店の物なんか、どうせロクなもんじゃないと思うけど。
 火起こしビーズにシャボン玉パイプ、ウォーターメーカーにマジックブレッド…」

「マジックブレッドか、そいつは食い物のはずだ」

「どうだかね」

もうトムに関する全てが気に入らないリーフ。あんなに目輝かせて買ってたのに(ノ∀`)

「あとはおまけでもらったこれくらいかな」

「水食い虫…?なんなんだこりゃ?」

「生きてるの?」

おまけでもらった妙なアイテム・水食い虫。缶から出してみると、虫とは全然関係ないようなカケラが入っていました

「”乾いた土地が必要なところへ少しずつ撒いてください”…?」

「それで川を干上がらせてくれるとでも言うわけ?」

「説明書きを読んだだけだよっ!」

「ふん!」 「ふん!」

たかが説明書きでまたしても言い合い!ジャスミンに段々とツンデレ属性が:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そんな中、おっさんは「まったく二人とも仲がいいな」という感じで一人だけニッコリなごんでます
まあまあと2人をなだめながら、とりあえず水食い虫がどんなアイテムか確かめてみることに…

「ふふ、まあしかし物は試しだ。やってみるか…
 水食い虫とやら、この川を乾いた土地にしてみろ!そ〜れ〜!」

少年のような笑顔で水食い虫投げるおっさんマジ純真
期待に胸を膨らませて川へ投げ入れますが、残念ながらしばらく待っても何かが起こる様子はありません

「ダメか…?」

「当然だろ?あのトムが役に立つものをタダでくれるわけがない!」

ここぞとばかりにトムをこきおろすリーフ。そっぽを向いてまったくよートムの奴はよーって志村うしろー!!

ザッバアアアアアア!!

「ちょっ…ちょっとあれ見て!?」

「こいつは凄い…!」

「どんどんと川の水を吸い上げてる!」

あの小さいカケラが突然バカでかい水晶に!物凄い勢いで水を吸い上げて、あっという間に円状の陸地ができてしまいました
なるほど、これで次々に川に道を作っていけば…

「今なら川を渡れるぞ!」

「でもトムの店のものなんか、本当に信用していいのかな」

まだそんなこと言ってんのかよリーフ!目の前で実際にこれだけのことが起こってるのに!

「怖いの〜?歩いて渡るのが」

「そんなわけないだろっ!」

ジャスミンに乗せられて先頭をずんずん歩いていくリーフ。次々に水晶を立てて川をまっぷたつに割っていきます

「まるで魔法ね…」

「こんな便利なものだったとはな…」

思わず感嘆のため息を漏らしながら進むバルダとジャスミン。
こういう幻想的な風景って憧れてしまいますね、いかにも冒険って感じでいいなあ

「いいぞ、このまま一気に行こう!」

「でもこれ、あとちょっとしかないけど岸にたどり着くまで足りるかな」

ギャーン!!(゜Д゜;)いやちょっ…あっさりと口にしてますけど、それって凄くヤバイ状況なんじゃないですか!?

「えええ!?」

「あのねえっ!そういうことはもっと早く言ってよね!」

なんだとコノヤロー、とリーフがジャスミンに言い返そうとしたその時、
背後からずばーんどばーんと次々に何かが崩れるような音が…

ズッシャアアアアア!!

「はっ…柱が崩れたぞ!逃げろォォッ!!」

水をせき止めていた水晶が次々に崩壊!怒涛の勢いで水流が一気に迫る!

「どうなってるのぉぉーっ!!」

「効き目があまり長く持ちませんって書いてある!ええええ!?」

「もおおおっ!そういうことは早く言ってよねっ!!」

「とにかく急げっ!振り返るんじゃないぞ!」

すぐ後ろに迫る津波から逃げる逃げる逃げる!
しかし心配することはありません、こういう場合はギリギリなんとか逃げ切れるのがアニメのお約束…

ドザバアアアアアア!!

「ぶぉわあああああっ!!」

あー飲み込まれたー!!
強烈な水流に逆らうこともできずに押し流されるリーフ達!日が暮れるまでどんぶらこっこと流され続けた結果、
3人ともなんとか運良く対岸まで辿り着くことができました

「は〜あ…さすがに疲れたな、結局飯も食わずじまいだし」

「私もう眠りたいわ…」

「でもラットシティは目の前だ!」

「まさか今から行くつもり…!?ちょっと、何そんなに焦ってるのよ!」

「目の前に3つ目の宝石が近くにあるんだ、焦るに決まってるだろ!」

またしてもギャースカ言い合いになる2人。宝石の前にはゴールやソルディーンのような恐ろしい守護者が待ち受けているというのに、
こんなヘトヘトの状態で乗り込むのはあまりにも無謀です

「まあ飯にしようじゃないか、腹が減ってもう動けん」

「服も乾かしたいわ…」

「そうだリーフ、トムの店で買った物の中に火起こしビーズってのがあったろう。使えるかもしれないぞ」

「またトムに頼るのか!?」

「この際仕方がない」

「水食い虫は役に立ったわ、酷い目に遭ったのは
 誰かさんが説明書きを読んでなかったからだし!」

リーフダメな子一直線。空回るのはいつものことですが、今日はいくらなんでもひどすぎますよ!






「なになに…発火させるには硬いものに打ちつけ…」

ボワアアアアア

「あっちゃちゃちゃちゃああっ!!」

おっさん自分の手の上で火起こしビーズを発火!何を一人でコントやってるんですか!
場を和ませるためのおっさんなりのギャグなんでしょうか、100%素でやってると思いますが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「火がついた!これならすぐに服が乾くわぁ!」

「こりゃあいい!後はこれを投げ入れるだけで…
 リーフ!マジックブレッドってのを貸してくれ、きっと食えるぞ〜!」

「…ほら」

いつまでもむくれたままのリーフをよそに、魔法のようなトムのアイテムに夢中になる2人。キャッキャウフフと食事の支度を進めていきます

「そのままじゃ食べられそうにないわね?」

「これに水を垂らすとパンになるらしい」

「水…これでいい?」

「うむ、ウォーターメーカー…この名前がハッタリじゃなけりゃ、きっと飲み水が作れるはずだ!」

ウォーターメーカーって名前からして、ろ過でもするのかと思ったら何やら丸薬のようです。
川から汲んできた水に丸薬を入れると、みるみるうちにきれいな飲み水に!

「水が澄んできたぞ!」

「かけてみるわ…わっ、膨らんだ!」

「こりゃあ凄い、パンの出来上がりだ!」

「美味しい〜!」

「ああ、なかなかのもんだ!」

ジャスミンとおっさんはすっかり仲良しこよしです。

ジニとジッドの時あんなに無視されてたのが今となっては懐かしい:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「リーフ、お前は食べないのか」

「欲しくない!」

「意地張っちゃって」

「ホントに欲しくないんだよ!(ぐぅ〜)」

「あはは!体って正直よねえ〜」

こんな奴らに…くやしい!でも…お腹鳴っちゃう!(ぐきゅーぐきゅー)
意地を張り続けるリーフでしたが、「トムは気に入らないが売り物に罪はない」と諭されてようやくパンを受け取ります
リーフを真っ向から否定するジャスミンと違って、「トムは気に入らない」とリーフに歩み寄るおっさんの気遣いが光りますね

ドドドドドドドドドド!!

「…!?あ…あれは何だ!?」

「ネズミだわ!?」

「ネズミ…あれ全部がか!?」

ふと気づくと、遠くに地平線を埋め尽くすほど信じられない数のネズミが出現!しかもこちらに向かって猛スピードで突き進んできます
ワケの分からないまま川へと逃げるリーフ達。服が濡れたりネズミに噛まれるのを防ぐためか、大急ぎでネズヌクの防護服を着込みます

「はぁ…!はぁ…!きゃあっ!やめてったら…!」

「ジャスミン!くそっ!」

川があろうがお構いなしに水面を進むネズミ!疲労で逃げ足の遅いジャスミンへ次々に襲いかかる!
逃げ切れないと悟ったリーフは火起こしビーズを投げつけ、炎の壁でネズミを追い払いながら上流へと回り込みます

「はぁ…はぁ…私…もうダメ…」

嵐の後の静けさ。ネズミが去って川原に戻ってきた3人でしたが、丸一日アクシデントの連続でジャスミンはもう一歩も動けません

「ネズヌクの服か…無事だったのがこれだけとはな」

「きっとネズミもキノコの毒を嫌ったんだ」

んん!?い、言ってることがよく分からんのですが…防護服にはキノコの毒がついたままってことですか!?
あんな素肌で触れば1分かからず絶命するような猛毒が!?そんな危険物持ち歩くなー!

「はっ…?クリーンチュルナイ!」

「んん…?」

「ど、どうしちゃったの?」

「クリーンチュルナイ!」

こ、壊れた!突然リーフが壊れてしまった!
何をトチ狂ったか、いきなりチュルナイ教に目覚めてクリーンチュルナイを繰り返すリーフ。
おっさん達も変なモノを見る目で動揺した様子です



「クリーンチュルナイ…ひょっとしたらこの仕草、元々はネズミを払う仕草だったんじゃ」

あ、ああ、それが言いたかっただけなのか…最初からそう言えばいいのに!(えー

「きっとチュルナイは元はラットシティにあったんだ、でもネズミに追われて町を逃げ出したんじゃないかな」

「どうしてそう思うんだ?」

「あの紋章、チュルナイのあちこちで見た紋章によく似てる」

どうやら根拠のない思いつきではないらしく、リーフの指差したラットシティの搭には
チュルナイの聖なる杯にも描かれていた、勾玉のような紋章が描かれていました

「フィリを怖がったのもきっとネズミに似てるからだ」

「なるほど…ああまで清潔にこだわっていたのは、ネズミを寄せ付けないためか」

次々と解き明かされるチュルナイの謎。食べ物を落とすと鞭でしばかれるのも、食べ物にネズミが寄ってくるせいでしょうか

「ラットシティへ入る時はこれを着ていこう」

「そうだな、あそこにはまだウヨウヨネズミがいるだろうしな」

ゲー!!まだそんな猛毒つきの防護服着ていくつもりですか!そんなの持ってる方がよっぽど危ないよ!

「こんな目に遭ったっていうのに…まだラットシティに行くつもり?
 悪いけど…私はもうこれ以上付き合えないわ…私、旅はもうここでやめにしようと思うの」

な、なんだってー!?突然のジャスミン離脱宣言!確かに旅を始めてからこっち、
毎度毎度リーフたちとは意見の衝突を繰り返し、仕方なく言うことを聞いても死にかけるような大ピンチの連続。
精神的にも肉体的にも相当まいっているようです。やはりジャスミンにはここが限界なのか…次回に続く!

それにしても、今までの旅を振り返ってみると

  一番まともな人 一番お荷物な人
テーガン編 ジャスミン

バルダ

チュルナイ編 リーフ

ジャスミン

ラットシティ編 バルダ

リーフ

ってローテーションでも組んでるとしか思えないんですが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

デルトラクエスト12話 「ラット・シティの王」

「私、旅はここでやめにしようと思うの」

「ジャスミン…どうして急にそんなこと言うんだよ!」

「これ以上国王のために戦うのは嫌なのよ!
 今世界がこんな風になってしまったのは、影の大王のせいだけとは思えない。
 デルトラの国王も悪いんじゃないかしら」

「お国のためお国のため」と宝石集めの旅を続けてきたリーフ達ですが、どうやらジャスミンにはそれが気に入らなかったようです
確かに旅の途中で耳にした話では、影の大王が現れる以前から国王の政治は酷いものだったらしく、
国民はみな国王に対する不満を口にしていたとか…

「それは違う!国王は何も知らなかったんだ、取り巻きの手下に騙されていたんだから!」

「どうして分かるの?その目で見たの?」

「そういうわけじゃないけど…」

「自分で見てもいないものを信じ込んでるなんて、あなたも国王と同じね」

「…どういう意味だよ!」

お前らおっさんにちょっとは気使え!(えー
いつまでも言い合いを続ける2人に「もういい加減にしてよ」という表情のおっさん。仲裁をやり続ける身にもなって欲しいもんです

「まあどちらも自分の信じる道を行くんだな、俺はどっちの味方もするつもりはない」

「そうね、私も元々お母さんに言われたから旅を始めただけだし。
 ここからは自分で決めて行動するわ」

え、ええー!?(゜д゜;)おっさんそんな!「どっちも勝手にしたらいいじゃん」なんてドライなこと言わないで!
じゃあお言葉に甘えて、とジャスミンはマジで抜けてしまう気のようです。ああなんということだ

「…ジャスミン!」

「なに?」

「あ…その…僕は…」

「なによ…」

「…あの…」

な、なんだなんだ?急に告白みたいな雰囲気になってきたぞ?(えー
何かジャスミンに言いたいことがあるらしく、もごもごと曖昧な言葉を続けるリーフ。しかしなかなかきっぱりと喋ることができません

「はっきりしなさい!」

「か、勝手にすればいいだろ!」

「むっ…そうさせてもらうわ!」

「はぁ…」

あぁ…(´・ω・`)結局売り言葉に買い言葉で、2人はケンカ別れしてしまいました。
おっさんがため息をついてるところを見ると、どうやらリーフに歩み寄らせようとしてさっきはああ言ったようですが
それも失敗に終わってしまったみたいです

「なんでついて来るんだよ!勝手にするんじゃなかったのか?」

「誤解しないで?あなた達がたまたま私の前を歩いてるだけなんだから!」

「あっそう!」

「そうよ!」

なんだかんだ言ってもリーフ達の後をついてくるジャスミン。
口ではああ言ったものの、やはりリーフ達は苦楽を共にした仲間。ハイさよならと別れるのも抵抗があるようです
何かリーフの気の利いた言葉があれば、仲間に戻ってくれそうな気もするんですが…





しかしお互い素直になれないまま、スタスタと歩き続けたリーフ達はとうとうラットシティに到着。
さすがに町の中までついて行くのも体裁が悪いジャスミンは、入り口で立ち止まるといよいよリーフ達と別れてしまいます

「いいのかリーフ…?」

「ジャスミンがああ言ってるんだ、無理は言えないよ」

「それでお前はいいのか?」

もう一度考え直した方がいい、と再三リーフに問いかけるおっさん。なんとかリーフの心変わりを促そうとしますが、
リーフはあくまでも意地を張ったまま態度を変えようとしません

「これで元通り、私たちだけになったわね」

やれやれ足手まといと別れられてせいせいしたぜ!とばかりにフィリとクリーに話しかけるジャスミン。
しかし嬉しそうな顔は一瞬だけ。その表情はすぐに(´・ω・`)ショボーンと沈んでしまいます
どう見てもこんな別れ方を後悔している様子、微妙な乙女心ってやつですか…ああリーフのバカチンめが…





ラットシティに入って行ったリーフ達は、ベルトの反応を頼りに宝石を探し始めます
そして宝石の反応はひときわ目立つ塔の中から…。リーフ達はネズミを避けるために、
例のネズヌクスーツを着用して塔の中へと入っていきます。というかネズミのことよりも
そんなパープルヘイズ級の猛毒がついた服なんか着る方が怖いですよ!(えー

(C)荒木飛呂彦/集英社

ドッバアアアアアア!!

「くっ…おいでなすったか!」

その時、壁をブチ破って見るも恐ろしい数のネズミが出現!
ネズヌクスーツのおかげで噛み付かれることはないですが、濁流のようなネズミの群れに2人は首まで埋まってしまいます

「こ、このままじゃ生き埋めになる…!」

「リーフ!火起こしビーズを使うんだ!」

「昨夜全部使っちゃったよ!」

「もう一瓶あったろう!まとめて持ってたんじゃなかったのか!?」

「違うよ、僕は持ってない!」

お、お前らー!そんな大事なこと何を今さら確認してんだー!!
ネズミを追い払う一番有効な道具じゃないですか!そんなの町に入る前に話し合っておいてください(´・ω・`)
「ダ、ダメだ埋もれるー!」とおっさんが情けない声をあげたその時、どこからともなく火起こしビーズが飛来してネズミを撃退する!

「早くこっちに上がって来て!」

ジャスミンだー!!やはり2人を放っておけずに後を追って来てくれたのです

「助けに来てくれたのか…?」

「ホントに…私がいないとダメなんだから」

あまりにもジャスミンの言う通りすぎる…(えー
ジャスミンに助けられるのは毎度のことですが、まさかジャスミンと別れてから3分もたずに全滅の危機になるとは:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「私も一緒に行くわ、分からず屋がどうするのか見てみたいしね」

「なんだよ」

「なによ」

なんだかんだ言いつつ再びパーティに加わってくれたジャスミン。
相変わらず言い合いをする2人ですが、それほど険悪な雰囲気は感じられません。ケンカするほど仲がいいってやつでしょうか
そしてジャスミンは先頭を切りスイスイと塔の階段を登っていきますが、
なにげにおっさんがバテバテでついて行けてません
おっさんしっかりしてください!バテてるのがどっかのおっぱいでかい美少女ならともかく、
おっさん相手じゃ誰も手なんか貸してくれませんよ!(えー

階段を登っていくとだだっ広い広間に到着。周囲にネズミの気配はなく、ようやくリーフ達もネズヌクスーツを脱ぎ捨てます

「ベルトがますます熱くなってる…先に進めって言ってるんだ」

「でもフィリがおびえてるわ…あっちに何かいるのかしら…そうだわ、シャボン玉パイプ!」

真っ暗闇で視界がまるで効かない中、なぜか突然シャボン玉を作り始めるジャスミン。
こんな時に一体何を…と思いきや、作り出したシャボン玉からは電球のように明るい光が!すげー!
さすがにおっさん達もトムの店で「わぁいこれでシャボン玉で遊べるぞ!」とかいう目的だけで
これを買ったわけではなかったようです(えー

「…何かいるわ!」

シャボンに照らされた闇の中には、薄ぼんやりと怪物の姿が!すぐに臨戦態勢を整える3人ですが、
怪物から発せられる怪しい声によって、リーフが徐々に催眠状態に陥ってしまいます

「ワシは宝石の番人リア…デルのリーフよ、待っていたぞ。さあこちらへ来るがいい、さあ…」

「こ、この声…聞こえるだろ?こっちへ来いって…宝石が待ってる…」

「声…?なに言ってるのよ、どうしちゃったの!?」

「魔術にでもかかったのか!?」

リーフは こんらんしている!
「しっかりしなさい リーフ!」

ジャスミンは リーフに ぱふぱふした!
しかし むねのおおきさが たりない!
リーフには きかなかった!
(えー

こ、これはー!!操られてるリーフを止めようとして胸を押し当てるジャスミン可愛すぎ
しかしまったく正気に戻らないリーフ。バタバタ暴れていると偶然ベルトのトパーズに触れ、その力が催眠術を打ち消してくれます
うーむやはりジャスミンでは胸の感触が足りなかったのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ちっ…トパーズに触れたか!」

「お前か…ここに住んでいた人々を追い払ったのは!」

「そうよ、愚かな人間共はワシのネズミ達に操られ、この地を空け渡したのだ。
 オパールを守り続けることがワシの使命…
 そのために疫病を流行らせ、人間共を追い払ったのだ」

ついにその姿を現した大蛇リア!またしてもウェンバーやソルディーンに負けず劣らずの巨大なバケモノです
そしてリアの額には、第三の宝石オパールの埋め込まれた王冠が…

「…どうして襲って来ないのかしら」

「ルビーの力だ…”邪悪をかわす力あり”あいつはルビーの威力を感じてるんだ!」

リアはようすをうかがっている!
リーフ達に向き合ったままなかなか仕掛けてこようとしないリア。
ルビーには魔物探知機っていう他にもそういう能力があったのか…
要するにリーフは今、トヘロスとかスカラとかそんなような力に守られてるってことでしょうか(えー

「デルのリーフよ…確かにお前はなかなかの魔力に守られている、
 だがそれもお前を救うほど強くはないぞ!」

ついにリアは直接攻撃を開始!リーフはひらりと身をかわすとリアに剣を突き立てますが、
やはりソルディーンの時と同様、巨体のリアに振り回されて吹っ飛ばされてしまいます

「許さんぞ…小僧!」

ビカアアアアアアア

あ、あれー!?(゜д゜;)剣を受けたリアの全身から眩い光が!なんだかボス敵を撃破した時のエフェクトみたいですよ!
リーフの攻撃はきゅうしょにあたった!こうかはばつぐんだ!とクリティカルヒットしたってことですか!?(えー

「バ、バカな…!」

「首が…三つに!?」

マジックカード”融合”を発動!
手札のブルーアイズ2体と
場のブルーアイズを手札融合!
出でよ…!
海馬デッキ最強のしもべ!
ブルーアイズ!
アルティメットドラゴン!

粉砕!玉砕!大喝采!!三頭という真の姿を現し、リアの攻撃力は4500にパワーアップ!(えー

「覚悟するがいい…デルのリーフよ!」

バガアアアアアン!!

「うわああああーっ!!」

手数を増したリアの猛攻!反撃する間もない怒涛の攻撃に、リーフはたやすく追い詰められてしまいます
すかさずおっさんがリーフを助けに駆け寄りますが…

「リーフ!大丈ぶおおおおーーーっ!!」

もりさきくん
ふっとばされたー!!

おっさんだめだー!!いきなりリアに吹っ飛ばされてお空の星になってしまいました(えー
こんな見事な吹っ飛ばされ方コントでも無理ですよ!笑いの神のおっさんにしかできない芸当だな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「そのベルトもろとも丸飲みにしてくれる!」

そうこうしているうちにリアがリーフへ迫る!そのバカでかい口でなんとリーフを一口でぺロリと片付けてしまいます

「てやああああーっ!!」

ズバシャアアア!

しかし、リーフが口に含まれた瞬間ジャスミンのナイフがリアを切り裂く!
たまらずリーフを吐き出すリア。さすがジャスミンはおっさんと違っていざという時頼りになります(えー

「ベルトォォォッ!」

「させるかぁっ!」

なおもリーフを執拗に狙うリア!しかしそうはさせじとおっさんがリアの前に立ちはだかる!
おっさんが!おっさんがボス相手に健闘してますよ!
なんて珍しい光景なんだろう、これはお赤飯を炊いて祝福するべきですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン



おっさんに続いてリーフもリアに飛びかかり、ついに宝石のはまった王冠を弾き飛ばす!
しかし即座にリアの強烈な反撃が!吹っ飛んだリーフは激突した柱がへし折れるほどの衝撃で、
ひどいダメージを負って気を失ってしまいます

「グルオオオオオオッ!!」

王冠を失い、怒りで我を忘れたリアは狂ったように暴れまわり支柱を次々と破壊!
あっと言う間に塔は崩壊を始め、おっさんとジャスミンはリーフを抱えて命からがら塔から脱出します

「リーフ…リーフ!」

「リーフ…!頼む、目を開けてくれ!」

ラットシティを離れ、安全な場所でリーフを揺り動かす2人。
しかしリーフの容態は相当深刻なようで、いくら声をかけてもまったく息を吹き返す様子がありません

「…そうだわ、命の百合の蜜を使ってみましょうよ!
 これを舐めさせれば助かるかもしれない…!」

ジャスミンが取り出したのは、以前ゴールにやられたおっさんを復活させた回復アイテム。
これをなめさせるってことは…当然口移しですよね!口移しでやるべきですよね!

あーなんだよ普通に飲ませちゃったよ(えー
リーフを心配そうに覗き込むジャスミンがやたらハァハァだから期待したのにな…ちくしょうめ
でも仮に口移しでないと飲ませられないとすると、当然おっさんの時にもそうしてたわけだから
結果的にこれでよかったのかもしれないな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「う…僕は…?」

「リーフ…!」

「気がついたか!」

「そうか…命の百合の蜜を…」

「この蜜だってもうあと一回分しかないわよ…」

「ありがとう…でも僕はまた、無茶をしてでも自由を取り戻すために戦うと思う。
 昨夜はうまく言えなかったけど、僕がやろうとしていることは
 デルの人々や、マナスやティラ達を影の大王の支配から解き放つことなんだ」

命を救ってくれたジャスミンへの感謝の気持ちのためか、ようやく自分の素直な言葉を口にするリーフ。
リーフからジャスミンに歩み寄ろうとするその態度に、ジャスミンも意地を張るのをやめて微笑ましげにに応えます

「私も気がついたら無茶してた…こんな短剣であいつの喉をかき切ろうとするなんて…
 私たちは国王のために戦ってるんじゃない、
 自由のために戦ってるんだって、あなたが気づかせてくれたから…」

うおなんだかすごくいい雰囲気になってきたぞ。
ここで唐突に「よしジャスミン結婚しよう」とか言ってもあっさり同意してくれそうな気がしますね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「そうだ、リアの王冠は?オパールは?」

「…それがな、逃げるのに必死で王冠は…」

な、なんだってー!!(゜д゜;)あれだけ苦労して戦ったのに宝石置いてけぼりですか!
今ごろガレキの山の下敷きか…一体どうやって回収すれば…

「…そうか…」

「……くすっ、くすくすくす…」

「…?」

「王冠は無理だったがオパールはここにある」

こ、このタヌキオヤジがー!!ちゃんと宝石持ってんじゃないですか!おっさん自重しろ!
たった今まで死にかけてた奴相手に、そんなシャレにならん冗談言わないでくださいよ!

ともあれこれで3つ目の宝石ゲット。やったーわーいと宝石を受け取るリーフでしたが、
オパールの未来を見通す力により、リーフの脳裏に断片的な未来の映像が!
激しい砂嵐の中、バルダやジャスミンとはぐれて孤独に迷い続ける未来の自分…
縁起でもないその予知能力に、せっかく宝石を手に入れてもリーフは素直に喜べませんでした

「残念ながら…このオパールの告げる未来は、必ずしも希望に満ちているとは言えないみたいだ…」

「だが、オパールは希望の宝石でもあるはずだ」

「四つ目の宝石がなんだか分からないけど、今までの三つほどひどい旅にはならないわ」

「…そうだね」

仲間の温かい言葉に励まされ、再び笑顔を取り戻すリーフ。
確かにリーフ達は一番危険と言われる場所から先に旅をしているので、
ジャスミンの言うこともまんざら気休めというわけでもなさそうです
しかし物語的には進めば進むほど敵が強くなっていくのが定石ですが、果たして…?次回に続く





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