■イタズラなKiss 第20話 「ナイチンゲールの誓い」
 

啓太との熾烈な戦いから4年の歳月が経過した…(えー
看護科編が一段落した前回の話から、今回はもう4年後。またえらく時間がすっ飛びましたね
まあドラゴンボールも大きい戦いの後は必ず数年飛んでたし、これくらいの時間経過は割と普通なもんなのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「入江さん!いつまでも新人気分じゃ困りますよ、あなたもう2年目でしょ!」

「は、はい!すみません!」

今やKOTOKOは大学を卒業し、斗南大病院でプロの看護士として働いている身。
ですが真理奈、智子、幹、啓太、入江も同じ病院に配属されているので、大学時代とメンバーは基本的に同じみたいですね
それにしても社会人2年目か…今の私とまったく同じ境遇なだけに親近感感じるなぁ。
やっぱ「もう2年目なんだから(以下略)」はどこの職場でも言われるもんなですよね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ちょっと!大変大変!大事件よ!」

「なによどうしたの…」

「ノブヒロよ!ノブヒロが内科の外来に来てるんだって!」

「えええええ!?ノブヒロが!?」

「ノブヒロ?って誰?」

「こ、琴子あんたねえ!ノブヒロって言ったら、今をときめく美少年モデルじゃない!
 映画の主演まで決まってるくらいのスターなんだから!」

そんなある日、ドタドタ大騒ぎしながらナースステーションに駆け込んできた真理奈。
ちょー有名な芸能人・ノブヒロが病院にやってきたと聞き、キャーキャー騒いでいるようです
「ノブヒロなんて知らねーよ影山ヒロノブなら知ってるけど」と興味ない様子のKOTOKOでしたが(えー
狂喜乱舞する真理奈たちに連れられて、ノブヒロのところまで一緒に行くハメになってしまいます

「あ、あの!私たちノブヒロの大ファンで!」

「いっつも雑誌チェックしてるの!サ、サインお願いできます!?」

「嫌だね。仕事でもないのに、なんでそんなことしなくちゃなんねえんだよ」

しかしそのノブヒロはひどい冷血漢!ファンへの親愛の情なんぞ微塵も持ってないようです
すっかり固まってしまった真理奈達に対して、一言だけでは飽き足らずケチョンケチョンに罵倒しまくるノブヒロ。
あまりに横柄なノブヒロの態度に、とうとうKOTOKOは我慢ならなくなってしまい…

「大体さぁ、病院ってとこは具合悪い患者が来るもんだろ。
 そんな奴に看護士がよくサインとか頼めるよね、恥ずかしくないわけ?」

「ちょっとあんたねえ!そんな言い方ないんじゃない!?
 そりゃこっちも悪かったわよ、でも目上の人に対する口のきき方ってのがあるでしょうが!」

「敬語くらい使えこのゆとりが!」とノブヒロに真っ向から食ってかかるKOTOKO。
するとノブヒロは、ピク…と眉を動かすと無言でKOTOKOにずんずん詰め寄っていきます
ま、まさか実力行使で黙らせる気なのか!?ノブヒロも最近の切れやすい若者なのか!?(えー

「い、今から天狗になってると、将来大物になんかなれな…」

「会いたかった…琴子さん」

「え…ええ!?」

あれェーー!?なぜかノブヒロはいきなりKOTOKOにハグを!なんなんだお前ー!
「会いたかった」とか言ってますが、当のKOTOKOはまったくノブヒロに見覚えなんてありません。2人は今日が初対面なはずですが…?
まさかこいつ、「会いたかったKOTOKOさん!前世では悲しい僕らの愛を引き裂かれてしまったね!
転生した今はもう離さない!」
とかいうスーパー電波くんなんじゃなかろうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン   次回に続く


■イタズラなKiss 第21話 「ガラスの少年」
 

「こ、琴子さんって…!?」

「冷たいなあ琴子さん、僕なんか一目で分かったのに」

「…ノンちゃん…?君、ノンちゃんだろ?」

「オレだよオレオレ」とオレオレ詐欺みたいなことを言いながら抱きついてきた変なモデル・ノブヒロ。
すると偶然入江がそこへ通りがかり、ノブヒロを見た入江は意外な人物の名前を口にします
なんと、この性悪小僧ノブヒロの正体は、あの天使のように可愛らしかった病弱な少年・ノンちゃんだったのです

「え…ええ!?だってあたしの知ってるノンちゃんは…!」

「あれから何年経ってると思ってんの?俺もう16だよ」

「裕樹のやつ、君と急に連絡取れなくなったってずいぶんしょげてたよ。良かったら一度うちに遊びに来ないか?」

「なら今夜行くよ」

「お、おい、今夜は雑誌の取材が…」

「キャンセルすりゃいいじゃん」

「きゅ、急にキャンセルなんて出来るわけないだろ!?」

あの7年前からずっと音信不通となっていたノンちゃん。この機会にうちに遊びに来ないかと入江が提案すると、
「よしじゃあ仕事ほっといて今日行くか」とノンちゃんはとんでもない発言を…
ずいぶんと世の中を舐めたゆとり小僧に育ってしまったもんです、というか入江も「よーしじゃあ今晩楽しみに待ってるぞー」とか
こんなバカな言い分あっさり受け入れちゃダメだろ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ふざけんなァッ!スターだかなんだか知らないがつけ上がるなよ!」

「け、啓太!?どうしたのよいきなり!」

「俺が飲み物を買いに行ったスキに、こいつが秋子ちゃんに無理矢理キスしようと…!」

しばらくしてその日の昼頃、KOTOKOが中庭を歩いているとノンちゃんと大ゲンカをしている啓太の姿が!
慌ててKOTOKOが事情を聞いてみると、なんとノンちゃんは暇潰しに啓太の担当する患者さんとちゅっちゅしようとしていたようで…

「病院暮らしで退屈してると思って、ちょっと相手にしてやっただけじゃん。
 俺超有名人なんだぜ?本当ならこんな子相手にしないんだ、
 むしろボランティア精神ってやつ?」

「貴様ァァァァッ!!」

「やめてください鴨狩さん…!私が悪かったんです…
 雑誌によく出てる人だから、いつも見てますって…うっ…うぅっ…」

まるで悪びれもせず「慈悲深い俺様のキスをありがたく受け取れよ」と言い放つノンちゃん。なんて横柄な
お前は押尾学にでもなったつもりかー!(えー
その秋子ちゃんが泣きながら啓太を止めたおかげで、その場は何とか収まりましたが…
それにしても啓太、清楚で可憐な黒髪おさげの美少女とよろしくやってるなんてすっかり人生勝ち組ですね(えー
まあ入江ママも「お兄ちゃんなんかより断然いい男」と言ってたくらいだし、これくらいの美少女をゲットできても不思議じゃないか…

「それじゃあノブヒロ君との再会を祝ってかんぱーい!」

「あのノンちゃんがねえ〜!こんなにカッコよくなっちゃって!裕樹ももう少し背があればねえ」

「僕が芸能人になったら、パパの会社継ぐ人がいなくなるじゃん!」

「ふふ、頼りにしてるぞ」

そしてその日の晩、本当に仕事をすっぽかして入江家に姿を現したノンちゃん。
ごちそうを囲んでにこやかな団欒の時間が始まりますが、それすらもノンちゃんには偽善者どもの馴れ合いタイムのようにしか見えません
せっかくのごちそうにもまるで手をつけず、ノンちゃんは「トイレ」とだけ残して席を立ってしまいます

「そんなところでどうしたんだよ、戻ってこないからお兄ちゃんが見て来いって…」

「医者の兄貴に社長の親父、お前は進学校の高校生か。文句つけようがない人生だな」

「ノンちゃんだって、スターじゃん」

「体はポンコツさ」

「でも、今にお医者さんが…」

「医者なんて信用できない。治せもしないくせに調子のいいことばかり言って、
 そのくせ自分が一番偉いと思っていやがる。お前の兄貴だって、
 金と地位が欲しいから医者になったんじゃねえの?」

なんというノンちゃんの中二病。なるほどノンちゃんの病気とは中二病だったのか。確かに医者も手のつけようが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
「大人はみんな汚えよ」と中二病特有の変な理屈で医者をバカにするノンちゃん。
というか「自分が一番偉いと思ってやがる」って、偉そうな態度ならお前が一番ダメだろと思うんですが…(えー
そしていくら相手がノンちゃんでも、誰より尊敬している入江をこうもコケにされた裕樹は黙っていられません

「な…!もう一度言ってみろ!」

「どうせ先生先生って言われて内心いい気に…」

ドンッ!

「お兄ちゃんを馬鹿にするなァッ!!」



「…え?ノ、ノンちゃん?ノンちゃああああああん!」

あれェーー!?ど、どうしたノンちゃん!軽く突き飛ばされただけだというのにノンちゃん戦闘不能!
あれだけ偉そうな口を叩いていてもHP1しかないのかお前は!(えー
押されただけでこれってことは…さっき啓太に思いっきりブン殴られでもしたら確実に逝っていたと思うんですが
よくまああんな啓太の神経逆撫でするようなことを言えたもんだなぁ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「しばらく入院して検査をしたいので、家の方に連絡を取りたいのですが…」

「あっ、手続きでしたら事務所の方が」

「でもご両親は…?」

「…離婚されてます。お2人とも再婚しまして、ノブヒロはお父さんに引き取られたんですけど…
 新しい奥さんにお子さんができて、それで彼が家を出たいと…」

「うっせえな…!余計なことペラペラ喋んな!」

大急ぎでノンちゃんを病院に連れて行き、そのまま入院することをマネージャーに勧める入江。
すると、マネージャーの口からノンちゃんの意外な過去が明らかに…。
ここまでノンちゃんの性格が歪んでしまったのは、家庭環境に問題があったようで…

「あのう、ノブヒロはどうなんでしょう。来月の映画のクランクインは間に合いますかねえ…」

「…難しいですね」

「そ、そりゃ困ります!あいつのために今降りたりしたら、事務所のメンツは丸潰れです!」

「ちょっと!今はメンツよりノンちゃんの体のことが第一でしょ!?」

「い、いやしかしですね…」

「いいよ降板で。その方がスムーズに行くだろ」

「ちょ、ちょっと待てそんな簡単に!?ああ社長になんて報告したら…!」

しかしマネージャーの空気読めない一言炸裂。気分を害したノンちゃんは「あーあもう映画出る気なくなった」
せっかくの主演映画をあっさり棒に振ってしまいます。ノンちゃんもメチャクチャですがマネージャーもアホですな…
こういう時は「今は仕事のことは忘れてゆっくり休みなさい」って言うのが世間の常識でしょうよ
たとえ頭の中で「ちくしょーこんな時に休みやがって俺の負担増えまくりじゃねーか」と思ってたとしても:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「せっかくの主演映画なのに、降板なんかしなくても…」

「俺さ…長いこと病気して、執着心ってものがなくなっちゃったんだよね。学校行事の参加経験はゼロ…
 退院してやっと出来た友達も、次に入院してる間にすっかり俺のこと忘れちまう…
 そんなこと繰り返してるうちに、諦めるクセがついちまった。でもちょっと有名になったら
 みんな俺のことチヤホヤしだして…結局うわべだけなんだよね、人間の繋がりなんて」

屋上でKOTOKOと2人きりになり、「世の中腐ってる。人間なんてロクな奴がいない」と中二病節全開のノンちゃん。
自分の周囲の人間に対して、もはや完全に信用する気をなくしてしまったようです
しかし私にはうわべだけの奴ばかりとは思えません、7年経った今もノンちゃんへの友情を忘れていない裕樹とか、
ノンちゃんとの出会いをきっかけに、大きく人生を変えて医者にまでなった入江とか
ノンちゃんを大事に思っている人は確実に居るというのに…

「…手術?」

「正直、投薬治療では病状の維持は出来ても改善は難しいんだ。
 腫瘍のできた腎臓は切除した方がいい。もっともこれは入江先生の提案だけどね、
 私が執刀で入江先生が助手につく」

「ノンちゃん、俺たちに任せてくれないか?君の病気を治したいんだ」

「いい。手術なんて必要ない」

そしてノンちゃんの治療方針に関して、手術をするのが一番だという結論を出した入江。
ノンちゃんの病気ってのは腎臓の腫瘍だったのか…そう聞くとおっかない話ですが、
すでにクリスの件で凄腕なことを証明した西垣先生と、早くも飛び抜けた才能をを発揮しつつある入江なら何とかなるかもしれません
しかし、他人を信用できないノンちゃんは「は?どうせ治せないくせに何言っちゃってんの?」とまったく手術を受ける様子がなく…

「今は数値も全体的に安定してるし、手術には一番いいタイミングなんだ」

「なんでそんなに手術にこだわるの?早く実績積みたいわけ?
 それとも俺の病気、医者心くすぐる?学会で認められちゃったりして、
 直樹先生結構オイシイ思いできるとか」

病気に苦しめられているノンちゃんを救ってやりたい、その気持ちが医者を志す始まりだっただけに
普段にも増して徹底的な努力を重ねて手術への準備を進めていた入江。しかし、そんな入江の気持ちをまるで理解していないノンちゃんは
「そんなに地位が欲しいのか、この汚れた大人が」と、的外れな言いがかりをするばかり…

バッシイイイン!!

「いい加減にしなさいッ!!入江くんはノンちゃんのために医者になったのよ!?
 入江くんの中でノンちゃんは特別なんだよ!みんな自分のこと忘れちゃうなんて…
 甘ったれないでよ!!入江くんだって裕樹くんだって私だって、
 ノンちゃんのこと忘れてなんかいないんだから!
 ひねくれて恐がってないで…がんばんなさいよ!!」



KOTOKO怒りのメガトンパンチ!いつまでもグダグダとロクなことを言わないノンちゃんに、とうとう強烈な一発を!
よくやったKOTOKOと言いたいところですが、HP1のノンちゃんがこんなの食らって生き残れるかどうか…(えー

「はっ…そ、そういうことだから手術受けるように!(そそくさ)」

「…直樹先生、すげえ根性入ったの嫁にしたね」

「あいつは…俺の出来ることの90%は出来ないんだけど、俺の出来ない10%を…
 絶対真似出来ないことをやってのけるんだよね」

「…もし…手術が失敗して死んじゃったら、俺の人生なんだったんだろうって…
 そう思うと死ぬのが恐くて…たまんないんだ…」

「誰だって恐いさ…正直手術を提案した俺だって恐い。
 でも裕樹が言ってた、ノンちゃんはあれで根性があるって…」

真っ正直なKOTOKOの気持ちをぶつけられて少しは素直になったのか、
ノンちゃんは今まで隠していた臆病な気持ちを口にします
手術となれば誰でも不安がつきまとうもの…それを振り払うには、最終的に本人が根性と勇気を振り絞るしかありません

KOTOKOのド根性を目の当たりにし、裕樹からの信頼の言葉を受けたノンちゃんはついに手術を受ける決意を…
そう、KOTOKOのビンタはどの医者も治せなかったノンちゃんの中二病にメスを入れたのです(えー  次回に続く

関係ないんですけど、今回ひょっこり出てきた熟女松本7年前と同じ服いまだに着てちゃダメだろ…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


■イタズラなKiss 第22話 「最高のプレゼント」
 

「なんか、ノブヒロって雰囲気ちょっと変わったよね?」

「うん、笑顔が柔らかくなったっていうか」

「さらにいい男になったって感じ!この映画も絶対見に行かなきゃ!」

ノンちゃんが意を決して臨んだ手術は無事成功に終わり、今ではすっかり元気になって芸能界に復帰していました
前回「もう映画なんて出ねーよ」と言っていたのも考え直したらしく、製作発表の記者会見では
にこやかな笑顔を全国のお茶の間に振り撒いていました

「この映画ってどんな話なの?」

「すっごい素敵なラブストーリーなの!夜中に一人で悩むヒロインの下に彼が駆けつけてくれてぇ、
 突然抱き寄せ情熱的なキス!誕生日には彼が秘密でプレゼントを用意してくれるのよ!」

「…誕生日にプレゼントは普通でしょ?」

「琴子さん、まさかもらったことないとか…」

「あんた愛されてないのね琴子…」

映画の原作本を手にしてキャーキャー騒ぐKOTOKOでしたが、
夫から誕生日プレゼントなんてもらったことない寂しい女なことを暴露して、激しく自爆してしまいます
なんて愛のない夫婦なんだろう…と幹たちにかわいそうなモノを見る目で見られてしまい、
KOTOKOは今年こそ入江にとことん祝福してもらおうと鼻息を荒げますが…

「分かったわ!今年は濃密で濃厚な2人っきりの誕生日を過ごしなさいっ!!」

「お、お義母さま!!」

「私に任せなさい!まずはさりげなくお兄ちゃんに誕生日を認識させなくちゃ!」

「さりげなくは無理だろ…」

まず入江ママを味方につけたもののまったく意味がありませんでした。
こそこそ作戦会議しているところをあっさり入江に見つかってしまい、「そういやお前の誕生日は当直やるんだった」
KOTOKOの企みを粉々に打ち砕く一言を告げられてしまいます

「そ、そんなぁぁぁぁぁ!!」

「…どんな誕生日がいいんだ?言ってみろよ」

「えっ、は、恥ずかしいなぁ…うんとオシャレしてぇ、入江くんが歳の数ぶんのバラの花束を抱えて現れてぇ、
 それからシャンパンで乾杯してぇ、ディナーしてぇ、パティシエがケーキを運んできてくれてねぇ、
 それからそれから2人っきりの夜を過ごすの…きゃー!」

せめて話だけでも聞いてやる気になったのか、KOTOKO理想の誕生日について尋ねる入江。
というかバラの花束は正直キザすぎだと思いますが、
それ以外は恋人としちゃすんごい普通なことなんじゃなかろうか…
まさかケーキとか乾杯まで夫にやってもらったことがなかったとは…これは確かに愛されてないとしか言いようが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「…お前の誕生日にかける情熱はよく分かった、当直は誰かに代わってもらうよ」

「えっ…ホントに!?ホントにホントに!?」

「ああ」
「やっ…やったあああああああ!!」

な、なんですってー!?(゜д゜;)意外なまでの入江の物分りのよさ!気でも違ったか入江!ご乱心じゃああああああ(えー
まあさすがに奥さんの誕生日を、5年も乾杯すらせずにほっといたのは悪いことしたということなのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
ともかくKOTOKOのお願い通りに誕生祝いをやってくれると約束した入江。
KOTOKOは待ち遠しくてたまらないように誕生日までの日々をウキウキ過ごし、
当日のためにとびきりオシャレをしようと色んな服装に袖を通しますが…

このドレス姿の色気のなさときたら…(えー
以前から分かりきっていたことですが、ド貧乳にも程があるぞKOTOKO!
なんだか発育の遅い中学生が背伸びしてドレスを着てみた図でも見てるみたいです
これが25歳の姿とは…なんだか俺の方が悲しくなってきた:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ねえ入江くん今日だよ!ちゃんと覚えてる?ロイヤルホテルのラウンジに7時だからね!」

「ああ」

「頼むわよ!琴子ちゃんのために涙を飲んで譲ったんだから!」

「ああ」

「ちょっとお兄ちゃん、着替えは持ったの!?夜もこの格好で来るんじゃないでしょうね!」

「あっ入江くん!バラの花束なんて別にくれなくてもいいだからね?」

「何言ってるの琴子ちゃん!?だめよちゃんと用意させなさいよ!」

「いー加減にしてくれ!!」

そして9月28日、とうとうやってきたKOTOKOの誕生日。もう100ぺんは繰り返したセリフを何度も何度も入江に確認し、
さっさと定時で仕事をあがったKOTOKOはすぐに美容院へ向かいます。今日はとびきり決まった髪形にセットしてもらわないと…

「こ…これは…アリなの…?」

しかし、美容院から出てきたKOTOKOはデヴィ夫人の数倍強烈なオウム頭になっていました
この頭はねーだろとあぜんとするKOTOKOでしたが、約束の7時はもう目前。泣く泣くこんな変な頭でホテルへと向かいますが…

「おい救急車だ、救急車呼べ!」

「今呼んだけど、この辺の道は混んでるから…!」

するとその途中、人だかりの中にひどい出血で倒れている人を発見!どうやらバイクでかなり深刻な事故を起こしてしまったようです
すでに発見者達が救急車を呼んでいるようですが、渋滞のせいでここへの到着がかなり遅れているようで…

「あっ…!私ナースです!とにかく止血しなきゃ!」

無我夢中で飛び出してケガ人に応急処置を施すKOTOKO。さすがに今はデートのことを考えている場合じゃありません
大学時代はあんなにケガ人の扱いがドヘタだったKOTOKOでしたが、
さすがにプロの現場で2年揉まれただけあって、今では応急処置をするその動きもだいぶ手馴れたものに…
そして、一通り処置を終えたところでちょうど救急車が到着してくれたようです

「大腿部の骨折、止血と固定の応急処置をしてあります。脈拍は140で、意識はしっかりしていました!」

「はい、看護士さんがいてくれて助かりました。それじゃ乗ってください!」

「えっ、あ、あのあの、あたし待ち合わせが!ちょ、ちょっとぉぉぉ!?」

な、なにをするきさまらー!「それじゃあ看護士さんも同行して!」と救急隊員に押し込められて
KOTOKOも病院まで連れて来られるハメに!結局怪我人の容態が落ち着くまで病院に残らされ、
病院を出た頃には完全に辺りは真っ暗になっていました。一体今何時なんだ…

「本当にありがとうございました…!」

「あ、いえ当然のことをしただけです、で、では…」

「なんとお礼を言ったらよいものか…」

「い、いえそんな…」

「本当に看護士さんのおかげです…!」
「い、いえそんな…本当に、はい、失礼します…運転手さんっ!!
 ロイヤルホテルにウルトラ超特急でお願いしまぁぁぁぁす!!」

何度も何度も頭を下げる親御さん達を振り切り、ものすごい形相でタクシー運転手を急かしまくるKOTOKO。
しかしさっきの救急車がそうだったように、この辺りの道はどこも渋滞だらけ…いくら急いだところでちっとも先に進めません

「ウソ…!もうこんな時間!?お、降りまぁぁす!!」

これ以上モタモタしてられるかー!とタクシーを飛び降りたKOTOKOは、ホテルへ向けて全力疾走を開始!
すでに時間は9時15分…入江も相当な待ちぼうけを食っていることでしょう
ともかく1秒でも早くホテルを目指して必死に走るKOTOKOでしたが、その時ハイヒールのカカトが壊れて派手に転んでしまいます

「あ…あ…もう…入江くんが…帰っちゃうよぉ…」

あまりの不運続きに悲壮感が一気に押し寄せてきたKOTOKO。心が折れてしまいそうになりながらも
ホテルを目指すことだけはやめまいと、壊れたハイヒールを捨てて裸足で走り続けます
そして、とうとう入江と約束したロイヤルホテルまで走り切りますが…

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

「え…!?ケガしてるんじゃない…?」

「ズタボロ…?」

「お、お客様、大丈夫ですか…!?」

しかし今のKOTOKOの服は、バイク事故の返り血で真っ赤に染まり、転んだ擦り傷でボロボロになり、
そして裸足でペタペタ歩いているような状態…周りから見れば思わずぎょっとしてしまう、異様な姿になっていました

「そんな…こんなになっちゃって…初めて入江くんにお祝いしてもらうはずだったのに、こんな…
 こんな格好で…うっ…うぅ…」

鏡で自分の姿に気づいて愕然とするKOTOKO。やっとの思いでここまでやって来たというのに、
自分がこんな格好ではもう何もかも取り返しがつきません。今日のためにやってきたこと、今日頑張ってきたことが
すべて無駄になってしまい、KOTOKOはその場でボロボロと泣き出してしまいます

「…お前の血かと思ったろうが、驚かせやがって…」

「あ…!?」

「今日のお前は死んでも這ってでも来るって思ってたからな、帰りたくても帰れないだろ」

「い…入江くん…!」

そんなKOTOKOの前に、今までずっと律儀に待っていてくれた入江が登場!
どうやら「どこほっつき歩いてやがんだあのノロマ」とイラついていたのではなく、
「琴子の身に何かあったんじゃないか」と心配していたようです。約束のことより、今はKOTOKOが無事だったことに安堵しているようで…

「しっかしその格好ほんとにすげえな…時間が時間だし、店も開いてないかもな」

「はうっ…ご、ごめんね、こんな格好じゃどこにも入れないよね…」

とはいえ、予約していたディナーの店はもうすでに閉店時間。
代わりの店を探そうにも、今のKOTOKOを連れて行ってはとても普通に入店できそうにありません
さすがの入江も名案が浮かばず、どうしたらいいか2人で悩んでいると…

「ハァーイそこのお兄サーン!このお荷物はあなた達のデスネー!?」

「な…」

「ハーイ持って持ってお兄さん!あっともう飛行機の時間デース!
 ワタクシ国に帰りマース!それでぇわ〜!」

偶然通りがかった謎のおばさん登場!いきなり入江にポイポイ荷物を渡したかと思うと、
ドタドタ走ってホテルから飛び出していってしまいます。2人が呆然としながら渡された荷物を見てみると、
KOTOKOの歳の数ぶんのバラの花、シャンパン、そしてバースデーケーキが…
どれもKOTOKOが入江にリクエストしていたものばかりです。予約していた店に行けなくなって全部ダメになったと思ったら、
こうも運よく代替品を手に入れられるとは…謎のおばさん…一体何者なんだ…(えー

「…誕生日おめでとう、琴子」

「入江くん…」

もともとここへ泊まる予定だったのでしょう、2人はホテルの部屋でおばさんのプレゼントを堪能し甘いひとときを過ごします。
やがて入江の優しいキスをきっかけに2人は…

牙突エロスタイム!!(えー
そのままベッドになだれ込んで夜のお楽しみがスタート。結婚6年目ともなればエロスな夜も数えるまでもないでしょうが、
やはり今夜は特別中の特別。KOTOKOにとって忘れられない幸せな夜となったことでしょう





「すいませーん!お願いしまーす!」

「ちょ、ちょっと…!大丈夫だってば!」

翌日もまだぐっへっへと昨夜の余韻が残ったまま仕事をしていたKOTOKO。
すると病院を訪ねてきた患者から聞き覚えのある声が…見てみれば、なんと須藤先輩と熟女松本が2人揃ってやってきていました


「えっ、須藤先輩に松本さん!?」

「2人してどうしたんですか?」

「松本が急に倒れてなぁ」

「大したことないのよ、ちょっと貧血気味で…」

「たまたま偶然俺が一緒にいたから良かったんだが」

「何よ偶然って!いっつも来てるじゃない、営業車買えとか言って!」

どうやら貧血で倒れた拍子に足をケガしてしまったらしい松本。というか須藤先輩はもうあれから7年も経ってるのに
相変わらず松本に求愛しまくってるのか…KOTOKOですら片思いは5年で「私はもう疲れちゃったの!」とくじけてしまったのに!
7年経っても平然とアタック継続中とは恐れ入りました、一体どれだけず太い神経してるんだ須藤先輩

「入江先生急患です!5歳のお子さんで、意識が朦朧とした状態です!」

「分かったすぐ行く!」

しかし「やー懐かしいなーアッハッハ」と再会を懐かしんでいる暇もなく、人手不足でてんやわんやのKOTOKOと入江は
すぐに急患で呼び出されて診察室へと向かいます。関係ないけど今日の松本、前回と違ってちゃんと7年前とは違う服着てる:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「せ、先生!タカシは…!タカシは…!」

「嘔吐物を喉に詰まらせていますね…お子さんの口からチューブを入れて、
 食道に詰まらせた物を吸い出します」

「入江先生!準備できました!」

「苦しがって暴れる場合があるから、琴子は体を抑えててくれ」

「そ、そんな…!苦しがってって…!」

「大丈夫です、この入江先生は日本一吸引の上手い先生ですから!」

急患で運び込まれていた患者、それは喉にゲロを詰まらせて呼吸不全を起こしてしまった子供でした
ヒステリックに叫ぶママを「はっはっはっ。世間の医者もなかなかの腕前だがただし日本じゃ二番目だ」と黙らせ、
KOTOKOは入江のサポートのために子供を抑えにかかります。しかし子供の暴れ方は予想以上で、
思い切り蹴飛ばされたKOTOKOは思わず手を離してしまい…

「あうっ!」

「何やってる!しっかり抑えないか!」

「タカシ!大丈夫よ、お母さんいるからね!タカシ!」

するとその時、吹っ飛ばされたKOTOKOに代わり、がっしりとママが覆いかぶさり子供を抑える!
伊達や酔狂でメタボ体型してるんじゃねえんだ!(えー
これも母の愛がなせる業か、看護士のKOTOKO顔負けの抑え込み一本のおかげで、入江も治療に専念でき子供は意識を取り戻すのでした

それにしてもお礼を言って帰っていくシーンのママ、なんだか妙に可愛く見えるじゃないか…
さっきはメタボ体型なんて言ってすいませんでした:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ただいまぁ〜、はあ…」

「お疲れ様、大変だったみたいねぇ…琴子ちゃん、ちょっと顔が赤いわよ?大丈夫?」

人手不足のせいで一日中あちこちに駆り出され、くたくたになりながら家に帰ってきたKOTOKOと入江。
しかしKOTOKOはなんだか微熱があるようで、ぽわーんと顔が赤く染まっていました

「う〜ん…ちょっと熱っぽいかな?」

「風邪じゃないの…?お薬飲んどく?」

「いや…薬はちょっと待て。琴子、お前…妊娠してないか?」

な、なんだってー!!いきなり何を言い出しますか!微熱ってだけでいきなりもう妊娠に結びつくだなんて
つまり入江は、誕生日の夜にきっちりホテルで仕込んでおいた自信があるとそういうことですか!(えー
あぁ、でも誕生日はほんの一日二日前のことだから、そこで妊娠してたらこんな急に体調変わらないか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
てことは毎日妊娠するのが当たり前なくらいの回数こなしてるんだな…いや夫婦だから別にいいんだけど(;´д`)次回に続く!

というわけで、KOTOKOの妊娠疑惑で終わりとなった今回の話。実はこれ、漫画版イタキスの一番最後の場面なのです
そう、作者の多田かおるさんは、この話を最期に不慮の事故でこの世を去ってしまったという…(´・ω・`)
次回からの展開は、誰も見たことがない本当のイタキスのラストシーンへと繋がる話。
スタッフも脚本を9回も書き直したというほどの熱の入れようです。どんな終わりを見せてくれるのか楽しみに待ちましょう



そして、原作版イタキス最終話を見て目ん玉飛び出したのが遊戯王の名前出まくりだったことです
治してもらった子供「明日来る時遊戯王カード見せたげようか」
「おーっ知ってるぞー、デュエルモンスターってやつでしょ」

「ブルーアイズって知ってる?エクゾディアってすごいんだよ!」

↓体調を崩してふらつくKOTOKO
「明日は休むかな…しまった、明日は遊戯王カード見なきゃいけないのに…」
とか初めて見た時「うおおおおこんなに遊戯王の名前が!」と感激してしまいました
俺の大好きな少年漫画大好きな少女漫画夢のコラボレーション!
しかも最終話でそれが起こったというんだからもう奇跡です、俺と遊戯王とイタキスは運命の輪で繋がれていたんだな…( ´ω`)しみじみ





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