■戦国BASARA
第6話「裂かれた絆 政宗屈辱の退却!」
「な…長政様…!長政様、長政様…!」
「クックククク…いい泣き声ですお市さま。美味しくいただきましたよ」
織田軍の凶弾の前に倒れ、無念な死を遂げてしまった長政…市はその亡骸の前で悲痛な叫びを上げますが、
光秀はそんな様子を「他人の不幸で今日も飯がうまい!メシウマ状態!」と、どっぷり悦に浸りながら眺めていました。
こいつは本当にどうしようもないクズ野郎ですな…そんな光秀に、さすがの政宗も相当な怒りを感じているようです
「…テメエ等の盾になって戦った人間を、敵もろとも背中から狙いやがるたぁ…
やっていい事と悪い事があるぜッ!!」
「クックックック…怒っていますねぇ独眼竜?それにしても…
一発も当たりませんでしたか?並外れた悪運をお持ちのようで」
「テメエ…なに酔っ払ったみてえなツラしてやがる」
「決まっているでしょう?余韻に浸っているのですよ。
愛し合う者達の絶ちがたい絆を踏みにじる事ほど、楽しい事はありません…!
それに勝る悦びがあるとすれば…強き者が血と涙にまみれ
この足下を這いずり、命乞いする姿…!さあ、宴と参りましょう」
「…オーケイ…BAD LUCK!!」
次から次へと下卑たことしか喋らない光秀を相手に、「そうかいそうかいさっさと死なんかクズが!!」と
凄まじい怒りのオーラを噴出させ飛びかかる政宗!やすやすと大地を砕くほどの猛攻撃を次々と繰り出しますが、
光秀もさすがは魔王の片腕…それほどの攻撃でもなかなか倒せる相手ではありません
「つあああああッ!!」
「ひゅういいん!!」
「でええええああっ!!」
「むひゅうん!!」
それにしてもバトル中の光秀のキモさは異常
すごい奇声上げまくりなうえにヨダレまで飛びまくりだよ!きめえー!自分でも言ってたように
強い相手をメチャクチャにして這いつくばらせるのが、楽しくて楽しくて仕方ないんだろうな…
つくづくどうしようもない変態野郎です、こんなのと戦うハメになった政宗はご愁傷様としか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「家康様…!我等は織田に見限られたのです!頼みの鉄砲隊も不着の今、
数に勝る敵の前に壊滅は必至…!」
「く…!」
「このままでは、我等も浅井と同じ道を辿りまする…なにとぞご決断を…!」
「…分かった…退こう…!全軍撤退しろ!」
一方その頃、援軍に来るはずの鉄砲隊にまんまと見捨てられてしまった徳川軍は、
今や完全に劣勢に立たされ壊滅的打撃を受けていました。これ以上戦っては全滅するのも時間の問題、
やむなく家康は全軍に撤退命令を出しますが…
ギュオオオオオオ!!
「た、忠勝!?忠勝ーッ!!」
しかし敵軍の大攻勢が目前に迫る中、ただ一人敵陣のど真ん中へと突撃していったホンダム!
ま、まさかホンダム、自分の主君が逃げる時間を稼ぐために自ら犠牲に…!?
いくら無敵のホンダムと言えど、武田・上杉連合軍を相手に一人で持たせるとなれば、生きて帰ることはもう…
そんなホンダムが脇目も振らずに向かったのは、他でもない幸村の下でした。
天下無双の自分の一撃に対して、ただ一人何の小細工もなく真正面からはじき返した男…
最強の存在であり肩を並べる者のいないホンダムにとって、唯一自分に並ぼうとする幸村こそ最後の相手に相応しかったのでしょう
「幸村よ!戦国最強と謳われた男が、お前をひとかたの武将と認めたようじゃ…
ここは預ける!全力で持たせよ!」
「はっ!心得ましてございますお館様!!」
そんなホンダムの気持ちを汲んだのか、ここは幸村に任せて2人の一騎討ちを存分に行わせる信玄!
幸村とて元々ホンダムとの戦いは望むところ、最強の男に対し一歩も引かずに全力で迎え撃つ!
(C)LEVEL-5/FCイナズマイレブン・テレビ東京
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「うおおおおお!!
熱血パンチイイイッ!!」(えー |
ついに超次元サッカー技まで繰り出してホンダムとぶつかり合う幸村!
しかし、激しい死闘を演じる2人の下に突然現れた怪しい影が…
「天下は上総介様(信長のこと)の物…大人しく逝きなさい」
「な…!?織田の奥方殿!」
「本多忠勝、ここで散華なさい!」
なんと、男と男の世紀の一戦に土足で上がり込んだ無粋な女!それは信長の妻である濃姫でした
一見ただのか弱いねーちゃんですが、とんでもない銃火器で武装しておりその攻撃力は脅威そのもの…
そしてホンダムの最後の死に場所さえも踏みにじろうと言うのか、激闘を繰り広げていた2人へ向けて
地中を疾走する爆弾・バンカーバスターを発射する!
ガシイッ!!
「うっ!?ほ、本多殿!!うおあああーっ!?」
バオオオオオオ!!
すかさず「こんな女に俺の最後の戦いを台無しにされてたまるか」と、幸村を遥か上空へブン投げ避難させたホンダム!
自分も背中のバーニアを噴かせて離脱しようとしますが…その時!
バチバチバチイイイイ!!
突如激しいスパークを起こし爆発する背中のバーニア!なんという皮肉か、幸村との激闘のさなかに食らった槍が原因となり
ここに来てバーニアが動作不良を!もはやホンダムは翼をもがれた鳥も同然、迫り来るバンカーバスターを前に
ただただ無念に膝をつくことに…
(C)しげの秀一/講談社
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まいったな…
ご丁寧にこのドタン場で動作不良かよ…
ついてねえときゃ…こんなもんか… |
ドッバゴオオオオオオオ!!
「ほ…本多殿おおおおおおーーっ!!」
うああああああホンダムうううううううう!!
巨大なキノコ雲が発生する大爆発の中で壮絶に散ったホンダム!戦国最強の名を欲しいままにした男の最期は、
あまりにも突然であっけなく、無念極まりないものでした
長政に続いてホンダムも武士の誇りを踏みにじられて死ぬとは…織田軍の行いはまさに悪魔の所業ですな
「ククククッ…これで東国も満身創痍…いつでもどこからでも滅ぼせますね」
「でええええやあッ!!」
ガキイイイイン!!
「どうしました独眼竜?思ったよりキレがない…そろそろ踊ってもらいましょうか」
一方で光秀との戦いを続けていた政宗、しかし何故かその動きにはいつものキレがありません
「ちぇ、つまらない…そうなってはお前ももう終わりだな」と政宗と戦うのにも飽きたのか、再び光秀は背後の鉄砲隊に銃撃の指示を!
さっきの銃撃は奇跡的に助かりましたが、この数に再び撃たれたら今度こそは…
「政宗様、撤退のご指示を!あれだけの数の飛び道具…!
まともに相対せば全滅は必定!」
「ちっ…!」
「屈辱は、この小十郎が分かち合いまする!」
「…撤退だ…!小十郎!」
「フフフフ…ここは撃たないでおきましょう。その方が楽しめそうです」
はらわたの煮えくり返る思いを押し殺しながら、ここが引き際であると必死に自分を抑えて撤退して行った政宗。
あれほど叩きのめしてやりたいと思った光秀を相手に撤退など、政宗の屈辱たるやどれほどのものでしょうか
そして逃げ出した伊達軍をあえて攻撃せず見送った光秀…今日の不調な政宗を背中から撃つより、
絶好調な政宗をメチャクチャにしてやるのがこいつの趣味なんでしょうな
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「無事であったか、幸村!」
「はっ!本多殿が…奇襲より某を遠ざけ、お助け下さり申した…!
お館様、なにゆえ織田は同盟を結んでいるはずの徳川を、我らもろとも…?」
「…元より本多忠勝の強さを警戒しての同盟だったのであろう。
強固な連合軍たりうる浅井と朝倉を割いて利用せんとしたように、いずれ徳川も欺かれておったはず…」
「…なんと卑劣な…!」
「…全ての責めはこのワシに…!魔王に与し、他力本願でこの戦に勝とうとしたこのワシにある…!
忠勝…それでもワシはお前と共に天下を…忠勝ぅっ…!」
ほどなくして織田軍も兵を引き、無事生き延びた幸村は信玄たちと合流しますが…
信長に味方したことで、ホンダムを始めとする兵士達を犬死にさせてしまった家康は、
自分の選択を後悔しひたすらに打ちひしがれていました
「お主には忠勝だけではなく、忠勝一人に頼らぬ忠義の兵達がおる…
盟約を最後まで守り、引く事なき三河武士の心意気…この信玄、しかと見た」
「…くっ…!信玄公…!忠勝と多くの兵を失ったワシだが…
これからは魔王を倒すため、共に戦わせてもらいたい…!」
「うむ…幸村!出来得る限り手負いの者達を甲斐へ運ぶのじゃ、家名を問わず手を差し伸べよ」
「はっ!」
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なんと家康がおきあがり、仲間になりたそうにこちらをみている!(えー
自分を責め続ける家康に向かい、「三河武士の心意気は見事であった」とその生き様を認めた信玄。
そんな信玄の言葉に報いるべく、家康は生き恥を晒しながらも自分の罪を償うために、信玄達と共に戦う道を選ぶのでした
「待たれよ独眼竜!伊達政宗殿ォォーッ!奥州は遠うござる、我らと共に甲斐へ参られよ!」
「…」
そして負傷者の移送を任された幸村は、今回の戦いで傷ついた伊達軍にも声をかけていました
しかし光秀の一件のせいで機嫌最悪な政宗が、「いやぁそれじゃお世話になっちゃおっかなー^^」なんて答えてくれるわけもなく
ひたすら幸村を無視して馬をすっ飛ばしていました
「政宗様…ここは武田の申し出を受けましょう、傷ついた者も多くおります」
「…」
「…政宗様…?」
ドッシャアアアッ!!
「ま…!政宗様!?」
「だ、伊達殿!?いかがなされた!」
「政宗ちゃんもしもーし」と小十郎が眉をひそめたその瞬間、突然糸の切れた人形のように落馬してしまった政宗!
一体何が!?小十郎が血相を変えて政宗に駆け寄ると、なんとその脇腹からはおびただしい出血が!
なんてこった…被弾しなかったように見えた鉄砲隊の銃弾は、実は政宗の腹を貫いていたのです
光秀との戦いで、調子が悪かったのもこのためだったのか…というか長政が撃ち殺された時、すごい顔で政宗がギリギリしてたのは
長政の死に怒ったと言うより自分の腹が痛くてすごいガマンしてたからじゃなかろうか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
(…”種子島”に御身を貫かれておろうとは…察せられぬまま明智との戦いも止められず…
この小十郎、一生の不覚…!)
「ひ、筆頭は…」
「…政宗様なら大丈夫だ、てめえらそんな所でガン首揃えてねえで、
動ける奴は武田の皆さんの役に立ってこい!
里の者総出で、余所のケガ人まで面倒見てくださってるんだ!」
「は、はいっ!」
瀕死の政宗はすぐに甲斐へと運ばれると、信玄の配下から手厚い治療を受けることに…
さらに伊達軍の傷ついた兵たちも、皆政宗と同じように手厚くケガの面倒を見てもらっていました
これには小十郎も心底信玄に感謝の気持ちを抱いているようで…ヤクザっぽい性格の小十郎ですが、
仁義を重んじるという点ではやはり単なるチンピラではないようですね
「命は取り留めたようじゃな、だがかなりの血を失うておる…
口から流し込めるものを支度させておるゆえ、採らせてやるがよい」
「手厚き処遇、感謝申し上げる…!」
「竜の右眼よ、目先の国獲りに固執する武将達は、我らが織田を倒し同時に倒れることを望んでおる…
かと思えば武将にあらざる者が一人、毛利と長宗我部への使者として瀬戸内へ向かった」
「…?前田慶次…!」
そして信玄の口から伝えられた慶次の新たな行動。結局謙信に阻まれて信長と接触できなかった慶次は、あの戦いの後
「おいお前ちょっと西の奴ら仲間にしてこいよ」と謙信に言われて、瀬戸内海へと向かっていたのです
そこには激しくいがみ合っている強大な武将、毛利元就と長宗我部元親がいるという話ですが…
「同盟した我らを背に魔王と単身相まみえ、片をつける腹づもりであったらしい。
まこと面白き、風来坊としておくには勿体ない男よ」
「…真逆の企みでありましたか…」
慶次のことを織田軍のくそったれスパイ野郎と思っていた小十郎も、信玄の言葉で誤解は解けたようです。よかったな慶次
というか「一人で信長を片づけようなんて凄いじゃない」と感心しきりの信玄ですが、慶次のやろうとしたことが
暗殺じゃなくて説得っていうのを知ってのことなんでしょうか?実際謙信には「説得?絶対無理だよバカやめろ」と
感心どころか散々止められたわけだし、多分説得のことは謙信だけしか知らないんだろうな…
「魔王を倒しても消耗しきっていては後の祭り、次こそ万全の包囲陣をもって当たりたい」
「毛利、長宗我部を味方につけることは至難の業…
また、他国と共闘しての囲み討ちは伊達の流儀にも反しまする」
「…」
「が…背に腹は変えられますまい」
次に織田軍と戦う時は、毛利・長宗我部を加えた万全の包囲陣を…それにはもちろん伊達も戦力に数えられているはずです
そんな同盟の話に「毛利に長宗我部とか絶対協力してくんねーよ、そもそも俺ら伊達軍は共闘なんて大嫌い」と渋い顔をする小十郎でしたが、
政宗の命を救ってもらったという恩がある以上、自分達も同盟軍への参加を決意するのでした
しかし小十郎はおっかない上に頭も回るし、今まで扱いにくそうな奴だなーと思ってましたが
政宗を盾にすると結構コロッと言うこと聞いてくれて実はやりやすい奴なのかもしれん:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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「光秀、東国の動きを知らされながら何故黙っておった」
「所詮弱き者達の組む徒党…恐るるに足らぬものと判断しました」
「伊達の小僧を逃がしたは何故じゃ」
「あの場におられた、お市様の御身をお案じ致しました」
「判断は上総介様が下すもの。消耗させたとは言え武田の騎馬隊はほとんど無傷…
あまつさえ浅井長政を無駄死にさせ、まだ利用価値のあった徳川を…」
「本多忠勝を討ち取る好機に繋がりました。浅井は元より朝倉ともども滅ぼす算段。
伊達と上杉、武田もしばらくは動けますまい。後は私が越前に赴けば、
ひとまず帳尻も合いましょう?」
「…!」
一方その頃、頭蓋骨にジャブジャブ注いだ酒を飲み干しながら光秀の行いを問い詰めていた信長。うげえ趣味わるー!
同盟軍の動きを報告せず、徳川への援軍を取りやめ、長政を射殺し、政宗を取り逃がし…
今回の織田軍の動きは、何もかもが光秀の独断によるものだったようです。
それについてかなり濃姫は腹を立てているようですが、光秀は「は?別に上手く行ってんじゃん。何か文句あんの?」と
謝るどころか開き直る始末…お、おいおい信長の前でそんな…殺されますよ光秀!
バッシャアアアアッ!!
「勝手な真似は許さん…!次は酒ではなく、
脳天から噴き出す己が血を浴びる事となろうぞ!!」
うひい脳天から酒ぶっかけられたー!!こ、これは屈辱的な…問答無用でぶっ殺されるかとも思いましたが
これはこれで赤っ恥をかかされて、精神的ダメージが大きいかもしれませんね
「…申し訳ございません…信長公…(ベロォリッ)」
って酒ペロペロする光秀きめええええええ!!
なんなんだこいつはー!!まったく異様というかなんというか…信長とはまた違った意味で壊れてる奴ですな
信長が恐さナンバーワンだとするならこいつは気持ち悪さナンバーワンですよ
ともかく織田軍も一枚岩ではないようで、ただでさえ激動の情勢がますます激しく揺れ動きそうな予感が…次回に続く!
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