■マリア様がみてる 4th season 第1話「学園祭はショック^2」
 

というわけで始まりましたマリみて4期。まずオープニングはどんなのかなーと思ったら、すきま妖怪と化して時空を飛び回る祐巳にいきなり吹いた
なんという東方…霊夢や魔梨沙のパロディじゃバレバレだから紫のパロディにしたんですね、わかります(えー
というかオープニング前のアバンタイトルで「スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、
ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ」
って言ってるそばからドタバタ走りまくりのOPとか!淑女のたしなみ涙目すぎだろ



では初めて見る人のために軽く人物紹介でもしておきましょうか、主要人物となる山百合会メンバーには6人が在籍しているわけですが
一番凡人っぽいのが祐巳(主人公)、
一番女王様っぽいのが祥子、
一番宝塚の人っぽいのが令、
一番可愛いのが志摩子、
一番「贓物(ハラワタ)をブチ撒けろオオオオオ!」って言いそうなのが乃梨子、
最後に余ったのが由乃
と、まあこんな感じです:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

ちなみに山百合会というのはリリアン女学園の生徒会のことで、会長だの副会長だのという役職も
紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)黄薔薇さま(ロサ・フェティダ)白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)という一風変わった名前になってます
ロサギガンティアって言葉の響きがなんかすげえ強そうに聞こえるけど気にしないでください:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
ギガンテスとかブロッケンギガントとかゴムゴムのギガントピストルとか、ごつくて巨大で筋骨隆々なのを想像しないでください(えー

ちなみに学年的にはこんな感じ↓

 

紅薔薇

黄薔薇

白薔薇

3年

祥子

 

2年

祐巳

由乃

志摩子

1年

   

乃梨子

   

そろそろ本題に入りましょう、物語は弁当を口にほおばりながらペチャクチャ話す祐巳達のシーンから始まります
OPに続いてこのお行儀の悪さときたら:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「学園祭の劇の件だけど、今年はとりかえばや物語をやります」

「とりかえばや…?」
「確か、そっくりな姉と弟が入れ替わる話で…えぇ!?お、お姉さま!?」 

「そういうことだから、覚悟を決めてね祐巳」

「あ…?あ…?」

各部活ごとに出し物をやることになっているリリアンの学園祭。山百合会もそれに混ざって劇をやるようですが、
とりかえばや物語をやると聞いた祐巳は、口の中の弁当がぶっ飛ぶくらいの勢いで驚いてしまいます
それもそのはず、祐巳の弟・祐麒は祐巳にそっくりで、その劇をやるにはまさにうってつけ…
「主役はお前ら姉弟だからよろしく(笑)」と祥子に言われて、祐巳はがっくりと肩を落とすのでした

そんなわけで始まってしまった衣装合わせ。何十人もの女子に囲まれて、服のお世話をしてもらう6人の男たち…こいつら勝ち組すぎる!(えー
その6人とは、祐麒の通う学校・花寺学院の生徒会の面々です。花寺はリリアンの姉妹校なので、
山百合会の出しものには花寺の生徒会役員が手伝いに来てくれるのです(逆に山百合会が手伝ったりもする)
それにしても祐麒の女装の色気のなさときたら…(えー
女装したら祐巳そっくりになるかと思ったら誰お前!?声を出すまで誰なのか全然分からなかったよ!
というかこれだけ祐巳に似てないんじゃ、「そっくりな姉弟入れ替え」という設定がいきなり頓挫してしまったんでは:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「やっぱり似ているわ…!」

「すばらし〜!」

お前らの目は節穴かー!こともあろうに祐麒のこの残念な女装をベタ誉めする由乃たち。
つまり普段の祐巳もこれくらい色気がないということですね(えー

「すいません遅れまし…わっ」

そこに遅れてやってきたのは、乃梨子、瞳子、可南子の一年生トリオ。
瞳子と可南子は山百合会の人間ではありませんが、お手伝いとして今回の劇にも参加するようです
ちなみに可南子は背がバカでかいのが特徴、瞳子は頭がドリルなのが特徴です(えー

「あっ可南子ちゃん、ほらど〜お?祐巳ちゃん綺麗でしょ」

「えっ…!?」

「(ギロ…)この間違い探しにどんな意味があるんですか」

「あ、あのね可南子ちゃん、これはね…」

女装した祐麒を「ほら祐巳ちゃんだよ〜」とふざけて差し出す令でしたが、半ギレになってそれに答える可南子
一年坊に気圧されるロサフェティダマジ立場ない:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
それというのもこの可南子、「男は最低の生き物」と言ってのけるほどに男を嫌悪しているのです
それに加えて祐巳を女神のように信仰しているという、少々アブナイ思考の持ち主…今のおふざけも可南子からすれば、
こんなゴミクズに等しい男を、神聖なる祐巳様の名前で呼ぶとか馬鹿なの?死ぬの?
と思ったことでしょう。もしかすると
そもそも令てめーの顔も男みたいで大嫌いなんだよ
と思ってるかもしれません:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「”そうかそうか、これはめでたい。宰相も姫にも、中納言殿にも無事に子が生まれたと…”」

「志摩子、男役なんだからもっとキリッと」

「あっ、はい!」

「晶光さん朋光さんは女役なんだから、仁王立ちしないで女らしく」

「「むう……うっふん」」

「”私はなんて幸せ者なんだ、2人の妻に娘と息子が生まれた…”」

「可南子ちゃん、そこのセリフはもう少し嬉しそうに言えないかしら」

そしていよいよ演技の練習が始まりますが、あまり順調なスタートとは行かずに祥子の指示がバシバシ飛びまくります
そう、今回の劇は男女の役を全部入れ替えて、二重のとりかえばやになっているという変わった試みを取り入れたもの…
可憐な少女を絵に描いたような志摩子男嫌いな可南子が男役、むさくるしい日光月光が女役となれば、
そりゃ最初は上手く行かないでしょうなあ

「あのような才気溢れ男らしい若君を、ぜひ当家の婿にお迎え申し上げたいものだ!」

そんなヘタクソ演技が続く中で、唯一文句なしの名演を見せているのはドリルでした。さすが演劇部
普段から偉そうな性格してるせいか扇子の扱いもばっちりですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン 
もはやドリルはこの劇に欠かせない存在となりそうですが…

「え!?瞳子ちゃんが演劇部の主演を降板!?」

「ええ、ちょっと揉めたらしく…」

「揉めたって…」

「詳しくは…でも山百合会の劇に出演することに、関係がないとは言えないと思うんです」

「演劇部の稽古に支障が出たってこと…?」

しかしそんなドリルに思わぬアクシデントが!ドリルが掛け持ちで練習している演劇部の方で、ひと悶着あったとかなんとか…
「おめー山百合会の方ばっか練習してんじゃねーよ」と難癖をつけられたのでは?と推測する祐巳たち。
しかしドリルに話を聞いても、「演劇部の方は順調だから心配すんな」とのホラ話が返ってくるだけ…
困った祐巳は、山百合会の面々にこのことを相談することにします

「どうしたらいいでしょう…」

「どうもこうも…」

「考える余地がある?瞳子ちゃんにとって、大切なのはどちらだと思う?」

「それは…やっぱり演劇部ですよね」

「放っておいた方がいいんじゃないですか?誰にも相談なしで演劇部の芝居を降板してきたんでしょ?
 だったら自分の考えで、自分で落とし前つけるのがスジってもんです」

「由乃ちゃんの意見はある意味正しいけれど…まだ一年生なのに、
 そこまで突き放してもいいものなのかしら…ロサ・ギガンティアのご意見は?」

「私も両立が不可能なら、瞳子ちゃんを演劇部にお返しするのがいいと思います。
 なんと言っても正規の部員なのですし」

祥子、令、志摩子、そして祐巳自身も、「瞳子は演劇部の劇の方に専念させてあげるべき」との答えを出します
なるほど、山百合会メンバーじゃないドリルは善意のお手伝いさんですから、優先順位が高いのは演劇部の劇だということですね。
由乃だけは「別にそんなのどっちだっていいじゃねーか、本人の好きにしとけよ」と主張してるようですが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

というわけで、ドリルを追い返すための門番役に任命された祐巳。
いきなり道の真ん中で通せんぼしている祐巳を見て、ドリルは変なモノを見る目で話しかけますが…(えー

「…祐巳さま、なぜ通せんぼなんかしているんですか?」

「どういうことか聞きたくて、部活はどうしたの?」

「今日はお休みです」

「(さっ)演劇部の活動スケジュールよ、今日は体育館で稽古するはずでしょ」

「私だけがお休みですっ!それでいいですか!」

「よくないよ!部活に出ない日が続けば、それだけ戻りにくくなるんだよ!」

「…」

しれっと嘘のお休みで切り抜けようとするドリルでしたが、そんなこともあろうかとすでに演劇部の活動スケジュールを入手していた祐巳。
ドリルが逆ギレしてメチャクチャを言い出しても、一歩も引かずに説き伏せてしまいます。意外と事の運び方を心得てますなぁ祐巳

 

「降板って噂を聞いたけど、本当?」

「ええ」

「なんでまた…」

「別に…ただレベルが低いんです。ちょっとセリフを噛んだくらいで、ここぞとばかりに攻撃してきて…」

どうやら日ごろから、演劇部の先輩に目の敵にされていたらしいドリル。まあこの生意気な性格じゃあ
先輩から反感を買うのも無理ないでしょうな…演劇がテーマの少女マンガだとこういうのが定番ですしね
靴に画鋲入れられたりとか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ま、一年生で大きな役を貰ったので、睨まれるのも仕方ないんですけど」

「大きな役?」

「私、若草物語のエイミーだったんです」

「わぁ!?凄いじゃない!主役の一人だ!見に行くからね絶対!」

「…”だった”と過去形で言ったんですけど」

「あ、あぁ…」

ドリルが任されていた役の名前を聞いた途端、今までの神妙な顔がぶっ飛んで一気に盛り上がってしまう祐巳。
「若草物語のエイミー」っていうと、女の子の間じゃそれくらい有名なんでしょうか、私は全然分からないなぁ
エイミーで思いつくのっていうと、魚がいっぱい集まって巨大な魚に見せかけるっていう…はいそれはスイミーです:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「一人ネチネチしつこい先輩がいるんです、『本番で完成していればいいんじゃないんですか?』って
 反応したら、『稽古で出来ないものを本番で出来るのかしら?』って…
 それでとうとう言ってしまったんです。『だったらあなたがやれば?』って」

「う、うわぁ…それでエイミーはその先輩が?」

「分かりません…そのまま稽古場を飛び出して、それっきり顔を出してませんから」

降板の直接的原因はこれですか…稽古のミスを先輩にネチネチつつかれて、いい加減腹が立って飛び出してきたという…
でも「練習で出来なくたって本番でやれりゃいいんだよ!」っていう無茶な理屈は、先輩みたいな反論がきて当然な気はするなぁ
まぁ今まで散々嫌がらせされて、頭に血が昇ってこんなこと言っちゃったっていうのも分かりますが…
モロボシダン隊長の特訓中にこんなこと言ったらジープで轢き殺されますよ!(えー
まああの人は練習の時点ですでに轢き殺す気満々ですけど:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「瞳子ちゃん、あのね…ロサ・キネンシス達は演劇部へ戻った方がいいって」

「私は必要ないってことですか!?」

「ううん、私は瞳子ちゃんが来てくれて凄く感謝してるよ。でも演劇部に支障をきたすのなら、やっぱり問題だと思う」

「綺麗事なら聞きたくありません!私は祐巳さまのそういう
 良い子ちゃんみたいな所を見てると腹が立つんです!
 言葉を選ばずクビってはっきり言えばいいじゃないですかッ!!」

確かにそうだけど…それじゃ解決しないって今分かった」

た、確かにそう!?「そうだねクビだね」って認めちゃっていいんですか!(えー
いや「ドリルは山百合会の劇に不可欠だけど、演劇部の劇が疎かになるんじゃやむなくお返しする」って話だったんじゃ…
そんな「お前は要らないからクビにするわ」みたいな言い方しなくても:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ね、今から演劇部に行こう!私ついてってあげる!」

「は…はぁ!?」

「それでもう一度、エイミー役をやらせてくれるよう頼んでみようよ!
 ダメだったらその時は、通行人AとかBとかでも!」

「そんな役はないです…!」

「例えばだよ、だって瞳子ちゃんを使わないなんてリリアン演劇部にとって
 大きな損失だよ!こうなったらこっちの劇にも出てもらうからね!
 あぁでもまずは演劇部の活動を優先ね!とりかえばやの方は私の家で練習すれば?
 ちょうど祐麒もいるし!」

今度はドリルを急にベタ誉めし始めた祐巳、いらない子扱いしたり誉め殺ししたり祐巳の考えてることはよく分からんな…(゜д゜;)
ドリルもそんな祐巳の話について行けず、ただただポカーンと大口を開けて呆れてしまいます

「はぁ…私なんかがお邪魔したらご迷惑でしょう」

「そんなことないよ!!(がしっ)」

「…!?わ、分かりました!分かりましたからこの手を放してください!」

「じゃあ!?」

「お宅にお邪魔する必要はありませんし、演劇部へも一人で行きます!」

「あ、そ、そう?」

「ふぅ、ケンカして親に仲直りさせられる子供じゃあるまいし…」

祐巳のにっこり笑顔魅了アタックでついにドリル陥落!もはや完全に祐巳のペースに引きずり込まれてしまいました
「この人なんなのよもう」といった感じで、恥ずかしそうに演劇部への復帰を約束したドリル。
すると善は急げというやつでしょうか、早速きびすを返すと演劇部へ向かうつもりのようです

「(すたすたすた)」

「(すたすたすた)」

「〜〜っ…だからついて来ないでください!もう…!恥ずかしいじゃないですか!」

「一人で行く」言うてるのにさも当然のようについて行く祐巳
なんてやつだ、さすがのドリルも「もう勘弁して」と音をあげるように叫びます
そこまで言われちゃ仕方ないとドリルの尾行をやめる祐巳。でもあの様子なら、きっと演劇部への復帰は上手くいくことでしょう
終わってみれば、祐巳はドリルの演劇部と山百合会の劇を両立させるという、一番いい結果を出してしまったわけですか
あの意味不明な力押しの説得でよく…祐巳…恐ろしい子!

「どこのクラスも忙しそうね」

「学園祭は明日だからね。聖さまは来るって?」

「ええ」

「蓉子さまもいらっしゃるそうよ」

「久しぶりに先代の三薔薇さまもお揃いになるんでしょうか」

「ふふ、さあ最後の通し稽古よ。差し入れをいただいたら参りましょう」

早いもので、気がつけば学園祭までもうあと一日。劇の方も、なんとか客に見せられる仕上がりになっているようです
すべては順調…そんな中、可南子は沈んだ表情で学園祭の招待チケットを眺めていました
むう…?確かリリアン学園祭は、このチケットがないと生徒本人以外は入場できない仕組み…
どうも家族か誰かにチケットを渡すのをためらっているみたいですが…?次回に続く!


それにしてもEDのこの果てしない百合っぷりときたら…(えー
今までのEDも「おいおい」と思うようなものがありましたが、今回のガチ百合っぷりは過去最高ですよ!
中嶋敦子めやりすぎだぜ…そういえばこの人、プリンセスプリンセスのEDでも徹とし放題さんのホモホモ絵描きまくってたっけなー
やおいとか百合とかなんでそんなに同性ものが好きなんだ!非生産的すぎる!(えー
少子化問題の解決のためにも、きちんと異性カップルを作って子作りをですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


■マリア様がみてる 4th season 第2話「特別でないただの一日」
 

「蓉子ー!ハーイ、お待たせー!」

「遅いわよ聖、いつまで待たせたら気が済むの」

「しーましぇーん」

いよいよ今日はリリアン学園祭の日。学校中が活気に溢れる中、前薔薇さまの聖と蓉子もリリアンに遊びに来ていました
というか蓉子さんそれは本当に18歳女子大生の私服な格好ですか!(えー
どう見ても会社に行く途中のOLだこれ!まだ10代なんだからもう少し若さを前面に出した格好をですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「あれ、江利子はまだ?」

「電話してみたけど来ないって。あんまり頻繁に出没したら、由乃ちゃんが可哀想だからって」

しかし先代ロサ・フェティダの江利子だけは、なんやかやと理由をつけて今日はやってこなかったようです
そういえば江利子はリリアンにいた頃も、聖や蓉子と比べて激しく存在感がなかったなぁ(´;ω;`)卒業してからもそれは同じか…
いっそ黄薔薇はいらない子ってハッキリ言えばいいじゃない!(えー

「うんしょ、うんしょ…」

「…?」

とその時、2人はリリアンの塀をよじ登ろうとしてる変な女を発見します。歳は2人と同じかそれ以下って感じでしょうか?
事情はなんだか分かりませんが、とにかくこんな不審人物を放っておいちゃいけませんよね

「やめなさい、何してるの?」

「は、放してください!私どうしても中に入りたいんです!」

「別に私達はあなたをどうこうするつもりはないわ、ただ塀を登るのは無理ってアドバイスをしに来ただけよ。聖」

「うん」

「ごきげんよう(すたすたすた)」

え…えーー!?(゜д゜;)ちょ、ちょっと!そんだけ言ってハイさよならですか蓉子さん!
「私どうしても中に入りたいんです!」って言われて「へーそいつは初耳だ、でも関係ねえなそんな事は」
まったくこの人に興味を示さずに立ち去ってしまうとは…いくらなんでもちょいと冷血すぎやしませんか(´・ω・`)

(うーん、健在ねぇ)

「ま、待ってください!」

「くふっ」

しかしその時、女の人に呼び止められると「そらきた」と言わんばかりに振り向く2人。
おお、あんな風に冷たく突き放したのは、こうやってこの人に力を貸すためだったんですね
初対面の人ですら掌の上で転がすとはさすがです蓉子さま(えー

「あの、私ここの生徒の身内なんです!」

「身内…じゃあチケットは?リリアンの学園祭には、チケットがないと入れないことは知っているでしょう」

「あ…」

「忘れたのなら、生徒の名前とクラス名を受付に言えば…」

「それが…クラス名が分からないんです」

「あなた、名前は?」

「夕子…細川夕子と言います」

ほ、細川!?細川というと可南子と同じ苗字じゃないですか!この人は可南子の姉妹か何か?それとも従姉妹とか…
そういえば、前回ラストで可南子が複雑そうな顔でチケットを眺めてましたね。あれはこの人にチケットを渡すかどうか悩んでたわけか…

(えーっと、お姉さまは今クラスの当番だから交代時間まで展示を見て…
 それから一緒に瞳子ちゃんのお芝居を見に行けるかな)

ドタドタドタドカッ!

「うわっ!?」

「ご、ごめんなさい!お怪我はないですか!?」

って次の場面、その夕子と祐巳が学園の中で激突!夕子は蓉子達がなんとか中に入れてくれたんでしょうか?
それにしてもこの急ぎよう、早く可南子に会いたくて慌ててるんでしょうかね

「ごめんなさい、私ったら急いでたものだから…!」

「いいんですよ、それよりあなたの方が…」

「あっ、お気遣いなく…あ、あの、おでんはありますか!?」

「へっ?おでん?おでんは…そこを曲がった先に」

「あ、ありがとうございます!」

お、おでんだああああ!?(゜д゜;)なぜおでん!?探してたのは可南子じゃないんですか!?
聞かれた祐巳も「なんでこの人おでんに必死になってんだろう」と意味が分からない様子です
ですがおでん屋といえば、ちょうど祐巳が今売り子を手伝ってきたばかり…その場所を教えると、夕子は再びバタバタ駆け出してしまうのでした

ってその時通行人に志摩子のお父ちゃんが!!なんつー格好してるんですかお父ちゃん!
どっからどう見てもヤクザすぎて吹いた。実は3期の時も運動会でリリアンに来ていた志摩子父、しかし職業がお坊さんなので
あの時は僧衣で来たら「カトリックの学校にそんな格好で来んな」と志摩子に怒られたんでしたっけね
その反省を活かした格好がこれなわけです。全然反省になってないよお父ちゃん!!
それと志摩子父の後ろにいるのは、乃梨子のメル友・志村タクヤ君ですな
乃梨子は仏像が趣味なので、特別仲の良い人はこんな感じのおじいちゃんになってしまうのです。なんて色気のない生活:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「祐巳ちゃーん」

「あっ!蓉子さま、聖さま!ご無沙汰しております」

夕子がおでん屋へ向けて駆け出していったその時、今度は蓉子と聖が祐巳の所にやってきました。やっぱりこの2人が夕子をリリアンに入れたのね
久々に蓉子たちと会えて喜ぶ祐巳。さっそく2人と一緒に行動することにしますが…

「祐巳ちゃん、祥子のクラスへ行く?」

「はい!ご案内します、こちらへ…あ!?…お、おでんは…ってもしかして」

「ん、何?」

「い、いえ!なんでもありません!」

歩き出したその時、目の前にあったものを見て硬直してしまう祐巳。そう、それは公衆電話でした
さっきのはおでんじゃなくてお電話を探してたのかよ!!
とんだ大ボケをかましてしまった祐巳でしたが、慌てても後の祭り。すでに夕子の姿は影も形もありませんでした
というか夕子は、この携帯電話全盛の時代に携帯持ってないのかよ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「えっ、いないんですか?」

「じゃあ戻って来るまで待ってましょうか」

そして祥子のクラスにやってきた祐巳たちでしたが、あいにく祥子はちょうど席を外していました。
仕方ないので、祥子が戻ってくるまで時間を潰すことにした祐巳たち。
ちょうどここには、祥子のクラスの出しもの「おいしく体力測定」があるので暇潰しにはもってこいですね

「へーえ、跳んで飴を取る垂直跳びに、チョコがもらえる反復横跳びねぇ、祐巳ちゃん競争しようよ!」

「いいですよ!」

聖が祐巳に勝負を持ちかけたのは反復横跳び。意外とノリのいい祐巳は「やってやるぜ」と勝負を受けることにします
そして祐巳、聖、蓉子の3人が並んでスタートの合図が…って、蓉子さまも一緒に参加するんかよ!!
な、なんという…蓉子さまが反復横跳びなんてハマーン・カーンが反復横跳びするくらい物凄い光景ですよ(えー
そういえばこの人、一見するとクソ真面目で優等生な割に、妙にこういうお遊びが好きな一面があったなあ
いちご牛乳オレごっつぁん飲みだとか(えー

「はあ、はあ、はあ、はあ…!」

「あれ、可南子ちゃん?」

「あっ、祐巳さま!ま、混ぜてください!」

「ど、どうしたの?」

「追われているんです!」

って、いざ反復横跳びスタートというその時、いきなり教室に飛び込んできた可南子!
「人に追われている」と相当焦っているようで、追っ手をまくために3人に混ざって反復横跳びを始めます
でも追っ手の目をごまかすのに反復横跳びって、それ全然カムフラージュになってないんじゃないかな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「あっ、夕子ちゃん…?」

「あっ、おでん…?」

「お願い、知らんぷりしてください…!」

その時、可南子の言う追っ手が廊下をバタバタ通り過ぎて行きました。やはりというなんというか、追っ手の正体は夕子です
こんな形で再び会うことになって思わず驚きの声を漏らす蓉子たち。というか祐巳、「あの人はさっきの…」とか言うならともかく
おでん呼ばわりは酷くないか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「何があったの?」

「ちょっと、会いたくない人とばったり…それで逃げ出したら追いかけてきたので…」

なんで夕子から逃げているのか尋ねる祐巳でしたが、可南子の返答は「だって会いたくないんだもん」というハッキリしないものでした
いくら会いたくないとはいえ、ここまで必死に逃げるだなんて…何かよっぽどの理由でもあるんでしょうか?

じぃーーっ
って、気がつけば教室に戻ってきていた祥子がじろじろこっちを見ていました
ま、待ってください、ここには久しぶりに会う蓉子お姉さまがいるというのに、このまったく嬉しくなさそうな視線は一体…(えー
むしろ「なんでお前らがここにいんの?」とウザがっているようにさえ見えます、まさかこれが祥子の本心なのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ちょっといらっしゃい」

「えっ、どちらへ…」

「保健室よ。祐巳もいらっしゃい」

な、なんと祥子!蓉子さまを無視して可南子と祐巳を連れ出した!!
シカト!?尊敬するお姉さまがすぐ横にいるのにシカト!?いくらなんでも冷たすぎます、蓉子さまが一体なにをしたー!

「お取り込み中みたいね」

「お姉さま…すみません、せっかく来ていただいたのに…」

「気にしないで、私達も用事が出来たからまた後で会いましょう」

そ、そんな今さら「あれ、お姉さまいたの?」みたいに謝ってもらっても!(えー
謝るなら最初だろ祥子…蓉子は蓉子でさっきの夕子が気になるらしく、聖と2人で教室を出て行ってしまいます
久しぶりに会って最初に言うことが「私今あんたに構ってる暇ないから」「私もそうだから」とはなんたる姉妹だ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

そして祐巳と可南子を連れた祥子は、保健室へ向かって歩き出します。どうやら保健室で誰かが祥子たちを待っているようで…

「保健室のその方、学園祭に入れずに困っていらしたんですって、娘さんに会いに新潟から来られたそうよ」

「…!?」

「…?可南子ちゃん?ま、まさか…」

「そうよ、保健室にいるのは可南子ちゃんのお父様なの。会う気があるのなら、自分の意思で中にお入りなさい」

保健室の待ち人とはなんと可南子パパ!保健室のドアの前に来ると、祥子は中に入るかどうかを可南子に選ばせます
しかし可南子は、どんよりとした顔で下を向いたまま立ち尽くしてしまい…どうやら相当父親のことを毛嫌いしているようですね

「…」

「無理にとは言わないわ、でも…一生会えないことだってあるのよ」

「え…!?」

「その時、言っておきたいことがあったのにって後悔しても遅いの」

「父は…父はどこか悪いんですか!?」

「真っ青な顔をして保健室に来たそうよ、ベッドを貸してもらえないかって」

「お…!お父さん!!」

「お父さん死んじゃヤダー!!」と血相を変えて保健室へ飛び込む可南子!
そんな可南子の目に飛び込んできたのは、保険の先生とお茶をすすってくつろいでいる父親の姿でした。えー!?
そう、今の話は祥子が大げさに話しただけだったのです、それにしても意外と釣られやすいんですね可南子:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「しめしめ引っかかったな」と言いたげにニヤニヤしながら保健室に入ってくる祥子。
祥子の細川親子仲直り大作戦は第一段階終了といった感じでしょうか(えー
可南子が父親を大事に思っていることは今の叫びをご覧の通り、あとは2人が素直な気持ちで話し合えば…

「お父さんなんて最低!!」

「!?」

あぁ!?そ、そんな!祥子の仲直り大作戦がいきなり終わってしまった!!(えー
父親への親愛の情を口にするかと思いきや、なんと反対に「くたばれこのクソ親父」と罵倒を始めてしまった可南子。
計算が狂った祥子はポカーンと2人を見守ることしかできません

「みんなお父さんが悪いのよ!お母さんと離婚したのも、
 劇のセリフが上手く言えないのも、それに夕子先輩のことだって!
 お父さんが夕子先輩の人生をメチャクチャにしたのよ!!」

げ、劇のセリフが言えない?一瞬なんのことだかよく分かりませんでしたが、
自分が男嫌いなせいで男役のセリフが上手く言えない → そもそも男嫌いになったのは父親のせい
ってことなんでしょうな
どうやら可南子は父親について相当幻滅してしまっているようです、その原因は「夕子の人生をメチャクチャにしたこと」が関係しているようですが…
しかし夕子と可南子は同じ細川って苗字なのに、先輩と呼んでいるのは一体…ま、まさか…

「違うわ、可南子のお父さんのせいじゃないの」

「夕子先輩…!?」

とその時、タイミングよく保健室に現れた夕子!どうやら蓉子たちがここまで連れてきてくれたようです
というか蓉子はさっき祥子たちが保健室に向かったことを知らずに別れたんですが
夕子を見つけてすぐここにやってくるとはさすがです蓉子さま(えー

「ずっと可南子と話がしたかったの、でも避けられてたから…私、高校に入ってから交通事故でケガをしてね
 医者からバスケはやめた方がいいって言われたの」

「…」

「どうしたらいいか分からなくて、細川コーチのことを思い出したの…昔、体を壊して現役を引退したコーチなら
 私の気持ちを分かってくれるって…それから2人で会うようになって…
 バカな私は、可南子のお父さんを好きになった…」

「す、好きに、なった…?」

「うん。逃げないでちゃんと言えばよかった、可南子のお父さんが素敵だったから私は好きになったの。
 可南子には私のせいで苦しい思いをさせちゃった…ごめんね…」

ぎょええええええええ夕子と可南子パパは夫婦だったのかよ!!
ケガの相談をしてるうちに仲良くなっちゃったと!?仲良くなりすぎて細川夕子になっちゃったと!?
と、とんでもない話だなおい…夕子って少なくとも蓉子より年下だろ…そりゃあ可南子も「最低の父親」って切れたりしますわな

「わ…私だって分かってた!お父さんが、お母さんの”仕事を続けたい”って
 希望を叶えたってこと!お父さんが家を出て行ったのも
 お母さんの仕事のストレスのせいで、お互い話し合った結果だってこと!」

「お父さんは悪い人なんかじゃない」と心のどこかで思いながらも、今まで確信が持てなかった可南子。
可南子の両親が別れたのも、可南子ママが旦那と生きるより仕事と生きることを選んだことが原因のようです
父親の気持ちを今ハッキリと理解した可南子は、感極まってボロボロと泣き崩れてしまい…
こんな時になんですが、この可南子のセリフ物凄い説明的だな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

(可南子ちゃん、もう大丈夫だよね)

「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ…」

「あ…」

「さっき、ここでオムツを替えさせてもらってたんだ」

「じゃあ保健室に来たのは…」

「可南子の妹よ、次子(ちかこ)って言うの…抱いてみて?」

すでに子供まで産んでやがったあああああああああ!!
これはないだろおおおおおおおこれはないだろお父ちゃん!!百歩ゆずって現役女子高生と40過ぎのおっちゃんが
恋仲になってしまったとしましょう、でも高校も卒業しないうちから孕ますなんて私は許しませんよーっ!!
ゴムだけはしろよ!どんなことがあろうともゴムだけはしろよ!!(えー
なんでも夕子は年齢的に祥子とタメだそうですから、逆算すると15だか16歳の頃に一発やってしまったってことか…

いやもうなんていうか…仮にうちの親父がある日突然
「ちょっと15歳の女の子妊娠させてきちゃった。うちの母さんとは離婚してその子と再婚するわ」
なんて言い出したら
俺は本気で怒り狂って親父に殴りかかると思います(えー
いくらなんでも親父それ人の道を外れちゃってるよ…せめてゴムしてればまだ人でいられたのに:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「一件落着〜!さて、我々もどこかへ回りますか」

「そうね、まだ1時前だから」

あとは家族水いらずでゆっくり話をさせることにして、保健室を出た祐巳たち。
私としては言いたいことは山ほどあるんですが、まあ一件落着ということにしておきましょう(えー
しかし、1時という言葉を聞いてあたふた慌て出してしまう祐巳。そう、ドリルが若草物語の劇をやるのがちょうどこの時間だったのです

「1時…?い、いけない!若草物語が!」

「先にお行きなさい!!」

「はいっ!!」

 

全速前進DA!!と言わんばかりにビシッと指を指す祥子!なんだこの演出はー!
まるで逆転裁判のワンシーンのようです、事情を知らない蓉子たちの前でよくこんな恥ずかしいポーズを:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「な、なんであんなに焦っているの?」

「演劇部の舞台に、山百合会の手伝いをしてくれている一年生が出るんですの」

「あぁ〜!あの電動ドリルか!」

公式でドリル発言キター!!ついにやりやがったー!
祐巳が頭の中でこっそりドリル呼ばわりすることは知ってましたが、まさかこんなハッキリとドリル認定するとは…
これで名実ともに瞳子は完全なるドリルですね、おめでとうドリル(えー

そして、なんとかドリルの出番が来る前に劇場へすっ飛んでいった祐巳。
祐巳曰くエイミーは「生意気で意地っぱり」なキャラだそうで、まさにドリルのための役と言っても過言ではないでしょう
ドリルは文句のつけどころがない演技でエイミーを演じ切り、劇の後祐巳はドリルを誉めに楽屋を訪れるのでした

「瞳子ちゃん、良かったよ!」

「遅刻してきたくせに」

「あれ、気がついた?でも瞳子ちゃんが最初のセリフを喋る前だってばぁ」

「着替えるのでそこどいてください」

えーとエイミーの演技してるんじゃないよね?ドリル本人だよね?(えー
生意気で意地っぱり…本当そのまんまな性格してるな…本当は嬉しいくせに素直じゃない奴です
しかし、ドリルの物言いに腹を立てるかと思いきや、逆に祐巳は妙に嬉しそうな表情を…

「(にやにや)」

「…?な、なんですか?」

「瞳子ちゃんさ、それ脱いだらそのままとりかえばやの衣装着るの?」

「もちろんですけど」

「じゃあ、いっそこのまま出かけない?」

「は…はぁ!?」

なんと、「もたもたしてたら瞳子と学園祭を回れなくなる」という理由でそのままドリルを連れ出してしまう祐巳!
有無を言わさずドリルの手を掴んでドタバタと…ってまたしてもなんだこの演出はー!!
まるで祐巳とドリル愛の逃避行のようです、一緒に学園祭回るってだけでこの演出はなんなんだ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


そして大急ぎで学園祭を回った後は、いよいよ本日のメインイベント・とりかえばや物語の時間です
祥子の考えた男女の役入れ替えは、意外にもお笑い要素として大ブレイク。
なんと言っても日光月光の女装姿が破壊力抜群だったようで、蓉子や聖も腹を抱えて大笑いしていました
そりゃこの顔と野太い声で「まあ」とか「うふふ」とか言われたら、誰もが吹き出すでしょうなあ

そして劇が無事に終了した後は、キャンプファイヤーを囲んでフォークダンスが行われていました
というかアニメの学園祭って、必ず最後はこれで締められますよね。スクールデイズもとらドラもキミキスもコードギアスも…
でも実際にはこんな暗くなる前にみんな帰ると思うんですがどうなんでしょうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「祐巳、ちょっと歩かない?」

「あっ…はい」

とその時、祐巳をキャンプファイヤーから連れ出して2人きりの時間を作る祥子。
そういえば学園祭の日は、この2人がスールになった記念日でしたっけね。何か思うところがあるのかもしれません

「私たちがスールになってちょうど1年ね…」

「はい…」

「私はね祐巳、今夜特別に何かするつもりはなかったわ。どうしてだか分かる?」

「…?」

「私にとっては、何も今日だけが特別な日ではないからよ。だって明日も明後日も…
 変わりなく祐巳は私の妹…今までもそしてこれからも。
 私にとっては今日は特別でもなんでもない、昨日と変わらないただの一日よ」

「…!」

「私の言ってる意味…分かるかしら」

「あはは…目からウロコじゃなくて、涙が出ちゃいました…」

「ふふ、バカね…」

百合シーンキター!!
祥子の「これからもずっと一緒」発言に感極まって、泣きながら抱きついてしまう祐巳。
おそらく「お姉さまさえいれば他に何もいらない!」的な心境じゃないでしょうか

「祐巳…」

「…」

「あなた、妹を作りなさい」

「え…!?」

ギャガーン!!お、お姉さまさえいれば他に何もって言ってるそばからー!!
まさかの発言に激しくショックを受けてしまう祐巳。祥子は一体どういう意図があってこんな発言を…?
というか2人の修羅場を見つめるマリア様がとても気まずそうです(えー
「あぁもう見てらんない、早く帰りたいわ」というマリア様の悲鳴が聞こえてくるようだぜ…次回に続く!


■マリア様がみてる 4th season 第3話「妹(スール)オーディション」
 

(突然あんなこと言われても…大体この私が誰かのお姉さまになるなんて、今はまだ…)

「こうなったら、オーディションでもするしかないと思うのよね!プティスールの!」

「え!?妹の!?」

祥子に妹を作れと言われた翌日のこと、祐巳が薔薇の館で「一体どうしたらいいんだ」と頭を悩ませていると
横にいた由乃がいきなり「じゃあ妹オーディションをやるしかないな」などと言い出しました。
なんで私の心の中がバレバレに!?と祐巳がぎょっとして由乃の方を振り向くと…

「今薔薇の館は一年生不足…去年のこの時期は志摩子さんと私と祐巳さん、ちゃんと3人いたのに今は…」

「あぁ…」

「嫁不足の農村とおんなじ。乃梨子ちゃんはこのままでいいの?」

「そ、それは困ります」

「思えば私には出会いがなかったわ。とにかく私はオーディションで妹を選ぶから!」

って、祐巳の話かと思いきや由乃は自分のことを言ってただけでした。
確かに今の山百合会には一年生が乃梨子だけ…このままでは、いずれ薔薇さまを継ぐのが白薔薇の乃梨子だけになってしまいます
紅薔薇や黄薔薇も早く跡取りを見つけなきゃまずいと思い立って、こんなことを言い出したようで…

「それはいいわねぇ、折角なのだからあなたもその計画に混ぜてもらいなさい」

「お、お姉さま!?」

なんと祥子は由乃の無茶な思いつきに大賛成。これは意外な…妹を作れっていうのは
「時間がかかってもいいからあなただけの妹を見つけなさい」みたいな意味かと思いきや、どうも祥子的には
「なんでもいいからさっさと妹作ってこい」ってことだったみたいで…そんなんで本当にいいんですかお姉さま

「ちょ、ちょっと待ってください、私の意見は…」

「意見?”オーディションなんて必要ない、もう妹にしたい一年生がいます”ということ?
 それならさっさと連れていらっしゃい」

「い、いえ…」

「連れて来られないのなら、オーディションで祐巳も妹を募集しなさい」

なんて強引な祥子、すでに祐巳には妹を今すぐ連れてくるか、オーディションをやるか以外の選択肢をやらないつもりのようです
「もっとのんびり妹探したい」とか「そもそも妹いらない」とかいう話は全然聞いてもらえそうにありません
そんな祥子に対する祐巳の反応は…

「お、横暴ですわ!お姉さまの意地悪!」

こ、これは!?一年前の祥子の真似キター!!
なんと、懐かしのマリみて第一話で祥子が言ったセリフをそっくりそのまま言い出した祐巳!これは面白いですね
確かあの時は、蓉子「妹も作れないような人間に発言権はない」 祥子「横暴ですわお姉さま方の意地悪!」
→ 怒り狂って部屋を飛び出した祥子、ドアを開けたら初対面の祐巳と激突 →
祥子「いいもんねこいつ妹にしてやるから」
という流れでしたが…要するにこれは
「あの時自分があんなに嫌がってたことを私にも言いやがって」という祐巳の抗議でしょうか
これは祥子がどう答えるか見ものですね

「くすっ、横暴ですって?人聞きの悪い。私は可愛い妹のために、心を鬼にしてこんなことを言っているのよ?」

(そーは見えない…)

「悔しかったらこの扉を出て探していらっしゃい、案外スール候補が扉の向こうに立っているかもしれないわよ?」

物凄く楽しそうに「仕方なく私は心を鬼にしているのよ」などと言い出した祥子、
さらには
「じゃあ私みたいにドアの向こうから妹見つけてきなさい」とまで言う始末です
どうやら祥子の方が一枚上手のようで…こう言われてしまっては、もう祐巳は返す言葉がなくなってしまいます

「で…私にもわらしべ長者になれと…」

「…?なんなのそれは?」

イタチの最後っ屁的な意味で、半分観念しながらちょっとした皮肉を言ってみた祐巳。
なるほどわらしべ長者…また1年前の話になりますが、初対面の祐巳を妹と決めた時に祥子は

蓉子「どんだけ短絡的なのよ、わらしべ長者じゃないんだから」
祥子「ええどうせ私はわらしべ長者ですよ」
と自らわらしべ長者を名乗っていたのです。
でもそんなことはまるっきり忘れちゃってる祥子

「…分かりました、探してきます。探してくればいいんでしょっ!」

とうとう観念した祐巳は、
「こうなったらやってやんよ」と自暴自棄ぎみにのっしのっしと歩き出してしまいます
ですが常識的に考えて、そう都合よくドアを開けたら妹候補が立っているわけが…
って、祐巳がドアノブに手を伸ばした時ガチャリと開くドア!ま、まさか本当にそんな都合のいい展開が…

どしぃぃぃん

「わぷっ」

「あはは…祐巳ちゃん、勘弁してよぉ」

「ひえっ!?ロ、ロサ・フェティダ!?ごっ、ごめんなさい!」

祐巳も歩けば令に当たる。やっぱりそうそう簡単に妹が見つかるわけもなく、
祐巳は(´・ω・`)ショボーンとなりながら部屋の中にUターンしてしまうのでした

(ああ…結局Uターン…)

「そっ、そんなの聞いてない!オーディションなんかで妹が見つかるわけないじゃない!」

「見つかるわよ!意地でも選ぶから!」

「い、意地でも…?なんでそんなに急いでるの」

「べ、別に…」

そして今度は令も交えてオーディションのことについて話し合いますが、祥子と違って過保護な令は
「大事な大事な由乃の妹をそんな乱暴に選んじゃだめぇぇぇぇ!!」とオーディションに大反対。
しかし由乃には、どんな手を使ってでも妹を作りたい理由が何かあるようで…

「はぁ…分かった。オーディションは認める…でもそれは、再来週の剣道部の交流試合が終わってからにしよう?」

「それじゃ間に合わないのっ!」

「はぁ…?やっぱり何か理由があるのね」

「………体育祭で江利子さまとお会いした時に…約束しちゃったの」

俺の凸様キタキター!!(゚∀゚≡゚∀゚)
ようやく妹を作りたがっている理由を白状した由乃。それは、アニメ三期の体育祭で凸様と会ったことが原因でした

「ブゥトンはスールを持ってこそ一人前なのに、由乃ちゃんはなんで未だに妹を見つけられないのかしらぁ」

「むぐぐ…」

「令が甘やかしすぎてるせいかしらねぇ」

「わ、私だってその気になれば妹くらい!」

「見栄張らなくったっていいのよ」

「張ってませんっ!気になる一年生がいますから、そのうち江利子さまに紹介しますわ!」

「ふぅ〜ん、じゃあ剣道部の交流試合の日なんてどう?」

「いっ、いいですよ!」

「ふふふふ」

というわけでまんまと凸様の術中にはまってしまった由乃。単に由乃をからかうために言っていただけなのに、
きさま程度のスカタンにこの島津由乃がなめられてたまるかァーーッ!!
自分で墓穴を掘りまくって、妹を紹介するハメになってしまったのです
というか凸様、前回
「あんまり由乃ちゃんに会いに来ると可哀想」って文化祭に来なかったのは、こういう理由があったんですね
黄薔薇はいらない子って理由で出番がなかったわけじゃなかったのね、よかったよかった:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「うーん…分かった、私も腹を据える!やりましょうオーディション。
 その代わり、やるからには自分の納得が行く方法を提案する!」

「「おぉ〜〜」」

そんなやる気満々の由乃を見て気が変わったのか、
おやつのリンゴをむしゃむしゃやりながらオーディションへの決意を固めた祐巳。
具体的な方法としては、やはり最初はじっくり話し合ってお互いのことを知ることから始めたいようで
スールを欲しがっている人を集めて、お喋り会みたいなものをやろうと考えているようです

「茶話会…?」

「はい、オーディションではなく茶話会にしたいと思います」

「目的は私達の妹選びと限定せずに、広くスールを求める生徒を集めて出会いの場を提供します」

「つまり、集団見合い?」

「古いわねぇ、それを言うなら合コンではなくて?」

ご、合コン!?あの祥子の口から合コン!?まさか祥子がそんな言葉を知ってるだなんて!(えー
いやぁ驚きました。祥子の口からこんな俗っぽい言葉が出てくると、それだけで吹き出しそうになるから困る

「祐巳さん、参加者の応募用紙を作りましょ」

「うん」

「あ、あの…本当にいいんですか?」

「え?何が?」

「あ…なんでもありません」

「…?」

祥子と令も
「いいんじゃないの合コンで」と了解してくれたので、早速その準備に取りかかる祐巳たち。
しかしその時、乃梨子が神妙な顔で本当にそれをやるのか確認を…
そう、乃梨子は
「祐巳には瞳子がいるんだから妹探す必要ないんじゃないか」と考えているのです
確かに前回の
愛の逃避行からして、もう祐巳の妹はドリルで決まったようなもんだと思いますが…

「募集を始めて今日で4日目…応募者は12人。思ったより少ないね」

「ふーむ…わっ、なんだぁこのアピールコメント!?”薔薇の館の住人になりたいので
 祐巳さまでも由乃さまでも、どちらでもいいので妹にしてください”
 私達にケンカ売ってるのかぁ!?」

由乃さん分かりましたから落ち着いてください!(えー
とりあえず募集を開始してみたものの、由乃も思わず
「うっおー!くっあー!ざけんなー!」
怒り狂うようなコメントが寄せられてしまいました。それにしてもこのコメントはひどいなぁ
いかにも
私を薔薇の館の住人にするためにお前らどっちか踏み台になれって感じじゃないですか!
こんな奴絶対妹にしたくねー!

「1年菊組、内藤笙子…知ってる?」

「いえ…」

「まあ締め切りまでまだ日もあるし、これから参加者が増えるのを待ちましょう」

そんな中、やっぱりドリルが気になって茶話会に参加させようとやってきた乃梨子。
ただいきなり本題に入る前に、軽くジャブの質問をしてドリルの反応を確かめることにします

「ねえ瞳子、瞳子は祐巳さまのことどう思ってる?」

「落ち着きがなくてお顔の表情が豊かで、お人よしでおっちょこちょい。
 それから、一年生に人気があるらしいわね」

さすがはドリル。祐巳に幻想を抱いて美化してる他の1年生より、祐巳の性格をよく分かってます
すらすらと祐巳のことを話すドリルを見て、これなら聞いても大丈夫かなーとニコニコしながら乃梨子は本題に入りますが…

「瞳子は、祐巳さまの妹になりたいと思ってる?」

ギロ…!

「…それを聞いてどうするの!!」

あ…あれェー!?な、なにを急にお怒りになっておられるんですかドリルさん!?(゜д゜;)
祐巳の話をするだけなら何も問題なかったのに、その妹の話になると態度が一変してしまいました
ドリルの怒っている意味が分からず、カチーンと硬直してしまう乃梨子。するとその時、通りすがりの2人の生徒がやってきて…

「そう、それでね〜」

「あっ…(くすくす)瞳子さんも茶話会に参加するのかしら」

「(くすくす)招待されてるわよ」

「(くすくす)じゃあカムフラージュってこと?」

「(くすくす)もちろんそうに決まってるわ」

「…ふん!」

か…感じわるーー!!なんなんでしょうこいつら、わざとドリルにも聞こえるような内緒話で
イヤミを連発して通り過ぎていきました。そう、今やドリルを取り巻く一年生達は誰もがこんな態度…
ドリルが祐巳の妹のことでナーバスになっているのは、このためだったのです
なぜこんなことになっているかというと、それには2つの理由があって…

まず1つは、祐巳の妹に一番近いのは明らかにドリルだということ。
あれだけ仲がいいところを見られているんだから、そう周りに思われるのが当然でしょう
それだけならいいんですが、もう1つの理由は
ドリルが以前、祐巳と祥子の仲を引き裂いたということです
今でこそ仲のいいドリルと祐巳ですが、アニメ二期でドリルが初登場した時はひどいもんでした
自分よりずっと祥子と親しいドリルを見て、祐巳は
「私のお姉さまを取らないでよ!」と嫉妬にまみれる日々…
祥子との関係も、姉妹の仲が崩壊するまで険悪になったことがあったのです

そんな
「私たちの祐巳さまを悲しませたクソドリル」が、のうのうと祐巳の妹に収まるのが一年生達は面白くないわけで…
祐巳が一年生に大人気なのはドリルが言っていた通り。それだけドリルに対する風当たりも強くなってしまうわけです
とうとう茶話会の応募用紙にすら
「ドリルは祥子さま目当てで祐巳さまにゴマすってるだけ」と嫌がらせをする輩まで…
乃梨子はなんとかドリルの力になりたいと苦悩しますが、どうにもできないまま茶話会の締め切り日を迎えてしまい…

「あっ、ロサ・キネンシス…」

「乃梨子ちゃん、瞳子ちゃんを呼んでちょうだい」

そんな締め切り日にドリルのクラスに現れたのは、なんと祥子でした。話しに来たのはもちろん祐巳の妹の件です
祥子としてはやっぱり、選ばれるとするならドリルがいいと思ってるんでしょうかね?

「どうして茶話会に応募しないの?」

「どうしてですって?応募しないことに理由なんてあるんですか」

「あなたにはありそう。誤解のないように言っておくけれど、私は祐巳の妹が誰になろうと構わないの。
 特にあなたがいいとも思っていない」

がーんだな…(゜д゜ )出鼻をくじかれた(えー  いきなりこっちの予想外なことを言い出した祥子、
ドリルのことは全然なんとも思ってないそうです。しかし、面と向かってそんなことを言われたドリルは面白いわけありません
「じゃあお前何しに来たんだよ」と祥子に質問をぶつけますが…

「では何故私に応募するようけしかけにいらしたのですか!」

「そうは言っていないわ。応募しない理由を聞いているだけ」

「聞いてどうするんです?」

「どうもしないわ。ただ最近のあなたを見ているとイライラするの、
 納得できる理由を提示してもらってスッキリしたいだけだわ」

そ、そんな、お前のことは知ったこっちゃないけどイライラするから理由教えろよという
すさまじいことを言い出しました祥子さま。そいつは横暴すぎるってもんですよ!さすがにこれには気が強いドリルも絶句してしまいます

「瞳子ちゃんを見ていると以前の私を見ているようで辛いのよ、
 素直になることはとても勇気のいることだけれど、その分得るものも多いのよ。
 私が言いたかったのはそれだけ、時間取らせたわね」

「…ロサ・キネンシスは、きっと筋違いって承知の上で言ってくれてるんだよ」

あ、あぁ、祥子が言いたいのはそういうことだったのか…虚勢を張ってばかりで素直にならないことの辛さ、
それを知っている祥子は、ドリルをその辛さから解放してやりたくてこんなことを言ってるんですね
普通にドリルにアドバイスしようとしたところで、さっきの乃梨子のように
「お前には関係ねーだろ」と一方的に切れられて終わるだけ…
だから祥子は、わざわざあんな横暴な言い方をして無理矢理話を聞かせたんでしょう

「でも瞳子は誰かに言われたからといって行動しない…そうだよね。
 私も大きなお世話をしようと思っていたけど…やめるね」

「あ、それ…」

そう言いながら一枚の紙を取り出した乃梨子。実は乃梨子は、「いざとなったら私が無理矢理にでも参加させたる」
勝手にドリルの名前で応募用紙を書いていたのです
しかし今のやり取りで、ドリルが他人に強要されても動かないことを悟った乃梨子。
自分が応募用紙を出しても意味がないと思い、その用紙をビリビリと破り捨てるのでした

(今はまだ何も起こらない…でもいつか、ロサ・キネンシスが投げた小石が
 瞳子の心に波紋を広げ…瞳子が自ら動くきっかけになりますように)

結局祥子も乃梨子もドリルの意志を変えられませんでしたが、
「今のままでいいんだろうか」と考えさせることはできたはず…
その苦悩を経てドリルが自分の意思で行動してくれることを乃梨子は祈るのでした。次回に続く!





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