■大正野球娘。第4話「これから」
 

「ごめんなさいっ!これ以上野球を続けるのは無理…!」

「ええええ!?」

「根性ないな〜…」

「あのねえ!幽霊部員のあなたと違って、私は新聞部の活動もあるの!
 だから掛け持ちはどうしても無理なのよ…!」

前回は岩崎達にメッタクソにやられてしまった桜花会、さて今回はどう立ち直るのかなーと思ったら
なんといきなり仲間が一人抜けてしまいました。おいおいマジですか!誰かと思えば新聞部から引っこ抜いてきた記子ですか…
そういえば元々新聞部は人手が足らなくてヒーヒー言ってたし、これ以上記子を桜花会に縛りつけていたら
新聞部が滅びる事は確実でしょうから、ここは泣く泣く手放すしかないのかもしれませんな…

「また人探しね…」

「なんとしても探すしかないだろう、8人じゃ野球は出来ないからな」

「晶子さん…今日も来なかったわね」

「うん…」

「ねえ、鏡子ちゃんはどうしたのかしら」

また8人からやり直しかーと思ったらドッコイ、なんと試合の日以来ピッチャーの晶子とレフトの鏡子が
自室に引きこもったまま全く姿を現していないようです。この上さらに2人再起不能ですか!?
ううむ、晶子は一回すら抑えられずにKOされたこと、鏡子は最初にかましたエラーのことを気にしてるんでしょうか…
エラーなんてみんなしてるんだしそんな落ち込まなくても…と思いましたが、考えてみれば鏡子のエラーは0対0ツーアウトからだったんでしたね
あそこで鏡子がきちんとアウトを取っていれば、少なくとも一回裏で試合終了なんて無惨な負けはなかったわけか…それを考えると辛いな…
多分今の鏡子には、桜花会のみんなの顔が怒り狂った阿部に見えてると思います(えー

ク・ソ・レ・フ・トォォォ〜〜ッ!!
(C)ひぐちアサ・講談社/おお振り製作委員会

ザアアアアアア

「ねえ、この雨じゃ練習は無理よね」

「う、うん…」

「じゃあ姉さん、帰るわよ」

「ほ〜い…」

↓次の日

「まったくこの季節とは思えん気候だな…」

「ねえ、練習はどうするの」

「これ(グチャグチャのグラウンド)では無理だな…」

「そ。じゃあこれで解散ね、姉さん帰るわよ」

「う〜ん…」

「ほら姉さん」

人数が足りないうえに晶子達のメンタルケアまでしなきゃならんのか…と小梅達が頭を悩ませていると、さらに追い討ちをかけるように
酷い悪天候のせいでグラウンドが使えない日々が続きます。その間毎日練習をせずみんなそのまま帰ることに…
「おい早く帰らせろよ」「早く帰らせろよ」って静は全然やる気ないし
桜花会完全に空中分解じゃねえか!1度の敗戦でここまでガタガタになるとは…
室内での練習法なんていくらでもあるのに、とっとと帰っていく一同を見てアンナ先生も苦い表情です

「お嬢様、鈴川様をお連れしました」

「ご苦労様。どうぞ、空いているわよ」

「お、お邪魔しま〜す…」

「いらっしゃい、心配かけてごめんなさいね。ちょっと熱が出ただけだから大丈夫よ」

そんなある日、学校を休み続けている晶子が心配になってお見舞いをすることしにた小梅。
晶子の自宅を訪れますが、晶子の家はとんでもない大金持ちだったようですな…物凄い豪邸のうえに使用人もぞろぞろと…
こぢんまりした食堂の娘の小梅には、少々刺激が強すぎるようで無駄にビクビクしております

「よかったあ…これ、お見舞い!」

「あ…気を使わなくていいのに。でもいい匂い…」

「うちの商店街の名物なの。美味しいわよ!」

「じゃあいただこうかしら」

晶子の休んでいる原因は本当にちょっと体調を崩したからのようで、それを知った小梅はとりあえず一安心です
そしてお見舞いに持ってきた包みを取り出しますが、その中身はなんとたい焼き。早速2人でもふもふと食べ始めますが…


(C)PEACH-PIT・講談社/ エンブリオ捜索隊・テレビ東京

たい焼きの原料は卵、小麦粉、水、
小豆に砂糖…糖分と炭水化物の比率が
大きすぎる無駄の多い食べ物だ。
そして分かったんだ、
おやつなんて必要ないもの、
要らないものだって。

しゅごキャラのたい焼き回と同じ週に再びたい焼きだなんて!
小梅とあむを演じる伊藤かな恵は、一週間に2度も商店街で買ったたい焼きを「上手いから食べな」とやったのか!
なんと不思議なたい焼きの縁…かな恵がしゅごキャラ以外で主役を張るなんてそれだけでも珍しいのに、なんとも不思議なシンクロですなあ

「ふふ、ベッドで食べるなんて、なんだかはしたないわね」

「内緒にしてあげるから大丈夫っ」

「ふふふ、美味しい。さすが名物ね!」

「でも思ったより元気そうで安心したわ」

「もう、どんな想像をしていたのよ。私は大丈夫よ、心配しないで」

そして和気あいあいとたい焼きをほお張る2人。もっとどんより落ち込みムードなのかと思いきや、
この様子を見る限り晶子は大丈夫そうですな。それを確認して安心した小梅は、晶子の家の車に送ってもらい帰っていくのでした

「じゃあ松坂、よろしくね」

「はい、お嬢様」

「じゃあまた!」

「気をつけてね」

ブロロロロロロ

「ふふ、あれなら明日には学校に来られそうですね!」

「…」

「…?」

「お嬢様は…昨夜からお食事をなさっておりません。一昨日お帰りになってから、すぐに寝込んでしまわれて…」

「え…!?」

ところが帰りの車の中で、使用人のおじさんから意外な事実を知らされる小梅。
なんと晶子が明るく振る舞っていたのは全て演技で、実際はご飯も喉を通らないほど思い悩んで寝込んでいたそうです。

「こんな事は初めてですので、訳をお尋ねしたのですが…お嬢様は『大丈夫よ松坂、心配しないで』と…
 ああいうお方ですから、辛い事があってもそれを口になさいません…ですから、ああいう風におっしゃる時は…」

「…」

実際は晶子が辛さを溜め込んでいたことに気づかず、楽観的に「明日は元気に学校くるだろ、うはは」なんて考えていた
自分の愚かさを恥じる小梅。そして次の日、またも晶子は引きこもったまま学校を休んでしまいます
またお見舞いに行ってもおそらく今度も誤魔化されるだけ…こんな時どうしていいか分からない小梅は、
ずーんと落ち込みながら家の食堂の支度を手伝っていましたが…

「お嬢さん、元気がないみたいですけど…どうかなさったんですか?」

「へっ?あ、ああ、なんでもないの!」

「そうですか…?もし悩みがあるなら、友達に相談した方がいいですよ」

「え?」

「一人でモヤモヤを溜めていちゃ、(胸の)中で腐ってしまいますから」

「三郎さん…」

そんな小梅に声をかけてきたのは、小梅の食堂で料理修行をしている青年・三郎でした。
どうやらこの食堂では小梅ママが接客を、小梅パパと三郎さんが料理を、小梅が雑用を担当しているようですな



というか三郎さんマジイケメンすぎる!100年近く前の人間がこんなにカッコいいなんて!
小梅も三郎さんの助言で少し気が楽になったみたいだし、性格もよくて言うことなしじゃないですか
こんな美形かつ気立てのいい男と家族同然に暮らしているなんて…小梅マジ勝ち組すぎる!!(えー

「小梅〜、お客さんよ」

「あ、はーい!どなた…げっ!!」

「やあ小梅さーん!!」
その時小梅が母親に呼ばれてみると…ってあいつはーー!!店先にはなんとあの告白野郎・高原の姿が!
まさか自宅まで直接やってくるなんて…そこまで本気で小梅をモノにするつもりですか!さては高原め、小梅の親から先に説得して
小梅と家族ぐるみの付き合いをしようってこんたんで…(えー

「な…なぜここが!?」

「交番所さ!君の名前を出したらここだって」

「一体何の御用ですか!」

「用があるのは僕じゃなくて、こいつさ」

「あっ…!?」

「岩崎荘助と言います、突然申し訳ありません…今日は、鈴川さんにご相談があって参りました」

「そ、相談…?」

って、そんな高原の影からひょっこり顔を出したのはなんと岩崎!小梅に相談って…そりゃもちろん晶子の事なんでしょうなあ
それにしても岩崎、高原と違って礼儀正しくて好感が持てますね。なんか男女差別の事以外では岩崎ってほんと良い奴なんですけど
なんであそこまでケチョンケチョンに嫌われなくちゃならないんだろう:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「実は今日うかがったのは…晶子さんの事なんです」

「…」

「なぜ彼女は、あんな無謀なことをしたんでしょうか…」

「…無謀、ですか」

とりあえず店に客も来ていないので、空いてる席に座って話を聞くことにした小梅。
しかし岩崎の口からは、いきなり「あんな無謀ことして何がしたいの?」と小梅が眉をひそめる一言が…
ううむ、岩崎が晶子と仲直りしたくて心底困ってるのはひしひし伝わってくるんですが…もう少し言葉を選べないもんかなあ

「女のやる事ではないでしょう…そうは思いませんか?」

「”女は家庭に入るべき”ですものね」

なんてこった、とうとう小梅も皮肉で返し始めてしまいました。女は家庭に入るべき…その通りだよ最高だろ!!(えー
確かに岩崎は空気読めてないところがありますが、だからと言って平成の世に生きる少年達でさえ憧れてやまない「家庭的な妻」を、
「男女差別すんなふざけんな」と斬って捨てる小梅ときたら…これは男女差別なんかじゃねー!男のロマンですとも!
それが全く理解されないなんて嘆かわしいったらないぜ…(えー

「あ…!それ、晶子さんも言ってました。もしかして僕が原因ですか…!?」

「…」

「鈴川さん、もし僕のせいで晶子さんを怒らせてしまったのなら、ぜひ直接会って謝りたい…何とかなりませんか?」

「謝るのは良い事だと思います。でも原因が分からないのに頭を下げても、
 晶子さんは納得しないのではないでしょうか」

「…」

「あの…もし私達が正式に試合を申し込んだら、どうなさいます?」

「え…?何度やっても、結果は同じだと思いますが…こっちは全国大会を目指す男たちが、
 毎日泥にまみれて練習しているんです」

晶子との関係をどうにかしたいと悩んではいても、なかなか自分が無意識に作り上げている男女の壁に気づかない岩崎。
というか岩崎達の野球部は全国レベルのチームだったのか…そのへんの平凡な野球部だったら桜花会にも勝ち目あるかと思いましたが、
こりゃ望みが薄くなってきましたな…それに「泥にまみれて練習してる」ってことは、ここ数日の悪天候の中でも必死に練習してたんだろうしなあ
「今日天気悪いから帰ろう」なんて言ってる桜花会じゃ勝てるわけがないぜ…(えー

「それをたかが…あっ」

「…私達の経験不足をお笑いになるのであれば、それは事実ですから構いません。
 でも女だということをお笑いになるのであれば、聞き捨てなりません!!」

「…」

またも「たかが女」と無意識に女を見下すような発言をしてしまい、そこを小梅に手ひどく突っ込まれてしまう岩崎。
小梅も意外と強気な性格してますなあ、しかし岩崎の差別的な考え方は相当根が深いようで…

でもこれは岩崎が悪いと言うより、当時の常識的な物の考え方でしょうからなんとも…
多分岩崎にしてみれば、女が野球を始めるなんて事は現代にたとえると
いきなり男子トイレの中に女がズカズカ乗りこんできて
「ちょ、ちょっ!ここは女の来る場所じゃねーだろ!」と叫んだら
「お前なに男女差別してんだよふざけんなよ」とイチャモンをつけられた気分なんでは
そう考えると岩崎が可哀想すぎる…岩崎がんばれ超がんばれ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「そうだぞ岩崎!レディに対して失礼だぞ!小梅さん達だって、
 女だてらに頑張ったんじゃないかぁ!」

「は、はぁ!?」

そこに突然口を挟んだ高原でしたがこいつは話の何を聞いとったんだ−!!
「男も女も関係ないんだよ、分かったかコノヤロー」って言われた次の瞬間「そうだね女の子にしてはよく頑張ったね!」って
どんだけ的外れなこと言ってんですか!お前はもう黙っとれ!アホすぎる高原に話の腰を折られてしまった小梅でしたが…

「話の途中で悪いけど、そろそろ混んでくる時間なの。今日はこれくらいでお引き取り願えません?」

「は、はい、今日は失礼しました」

ところがその時、岩崎達は小梅ママに商売の邪魔になるからと退店を命じられてしまいます
混んでくる時間じゃしょうがない…と思いきや、見てみれば他の客といえばカレー食ってるオッサン一人だけで
思いっきり店の中はガラガラです。こ、これのどこが混んでくる時間!?
やっぱりこれは明らかに「小梅に変な虫をつけたくない」というママの妨害工作でしょうな…
「いやどう見ても店ガラガラじゃないっすか」とか、本当の事を言わずに空気読んだ岩崎はいい奴だよ(えー

「小梅さん、今日のところは僕に免じて許してくれないか?こいつには僕からよく言っておくから」

「(ニコニコ)あなた達?嫁入り前の娘の家に、いきなり訪ねて来るなんてぶしつけは
 2度となさらないでね?(ニコニコ)」

そして店から去ろうとする岩崎達に「てめえら2度と来るんじゃねー」と思いっきり釘を刺す小梅ママ。
やっぱり小梅ママは、いきなり家にやってきた岩崎達が相当気に入らなかったようですな…
もはやこの世に岩崎をよく思ってくれる人間はいないのか…(えー

「すいませんでした…!」

「じゃあ小梅さん、またねー!」

「は…はぁ!?」

「…少しはあの空気を察しろっ!」

「なにが?」

そして最後まで一発かましていった高原。お前はどこまで人の話を聞かんのだー!
「2度と来んな」と言われた次の瞬間に「じゃあまた来ます!」と言い出すとは…まったく面白い奴だよ高原は

「なんでぇあいつは、小梅さん小梅さんって馴れ馴れしい野郎だ!」

「はい、まったくです!」

「…お母さん、私ちょっと行ってくる!」

「え?小梅!」

そんな高原の印象は小梅パパ達からしても最低だったみたいです。
でも「あの野郎小梅さんなんて呼びやがって」って怒ってますけど、三郎さんが「小梅さん」って呼んでるのは許してるあたり
三郎さんと小梅は親公認の仲ってことですか!?こりゃ高原の入り込む余地はないな…(えー

「あ、あの晶子お嬢様、お客様が…あっ」

「(ずかずかずか)」

「こ、小梅さん?」

「さっき家に、岩崎さんが来たの」

「え…?」

そして「ちょっと行ってくる」と小梅が向かった先は、引きこもったままの晶子の部屋でした
今の岩崎との会話の中で、小梅は晶子を奮起させる何かを掴んだってことなんでしょうか?

「無関係な人の家を訪ねていくなんて、なんと無礼な…!」

「無関係じゃないわ。友達だもの、違う?」

「え…あ、そうよ」

「なら何故話してくれないの?モヤモヤを溜め込んで病気になったんじゃ、しょうがないじゃない」

「病気だなんて…そんな大げさなものじゃないわ、私は大丈夫よ」

「大丈夫な人がどうして学校を休むわけ?」

「あ…」

「友達だったら遠慮するなんて変よ…一人で溜め込んでいたんじゃ、しまいにここ(胸)で腐っちゃうよ」

いつになく強気にビシビシ話を進める小梅、晶子も「なんか今日の小梅さん雰囲気違う…」と少々困惑気味です。
そして小梅は、さっき三郎さんに言われたのと同じジェスチャーで同じ言葉を晶子に…
これは…晶子を立ち直らせるために三郎さんの言葉を使うなんて、小梅の三郎さんへの信頼度の高さがうかがえますね。
親だけでなく小梅本人も三郎さんを気に入ってるなんて、ますます高原の入り込む余地は:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「…この前の試合…あんな無様に…」

「悔しかった?」

「…あの人達に、全然相手にされてなかった。選手として未熟だからならまだ許せたけど、そんなのではなかったわ」

ここまで小梅に踏み込まれて、ようやく心の内を少しずつ明かし始めた晶子。
悩みの内容はやはりこの前の試合のことでしたが、腕前がどうとか以前に女という時点で相手にされてなかったと…
いや…そう言われても未熟な部分が酷すぎてそんなの全然分かんなかったよ!(えー
ド素人丸出しのエラーがあまりにも多すぎたしな…「腕前はともかく」って言われても、いやまず腕前をなんとかしろよ…
突っ込んでしまうのは俺だけでしょうか

「私のせいで…皆さんにあんな惨めな思いをさせてしまって…」

「きっとみんな惨めだなんて思ってないわ。悔しいはずよ…だって相手にされていないのは、チーム全員だもの」

「あ…」

「この悔しさを晴らす方法は、きっと一つしかないと思うの。あの人達に私達のことを、人として対等だと
 認めさせるのよ。そのためには甘い考えじゃダメなのよ、相手は全国大会を目指している年上の男子よ。
 だからこちらも相当な覚悟で臨まないといけないの、でないとこのまま馬鹿にされるだけだわ」

晶子の抱えている悩みを解決するには、今度こそ岩崎達をギャフンと言わせて男と女が対等だと認めさせるしか…
って、岩崎達って小梅達より年上だったんですか!?設定を調べてみると小梅達は14歳、岩崎達は17歳だとか…ゲーッ!!
年齢も岩崎達が上、練習量も上、そして性別の差による能力も上…これに勝つとなると本当に死ぬほどの努力をしなければ…
小梅の言う通り「今日天気悪いから帰ろう」なんてぬるい覚悟を持ってるようじゃ全く話になりません(えー

「そんなの私は嫌…!あなたはどう?」

「…私も嫌…」

「覚悟できる?」

「…うん…」

「本当に?」

「女に二言はありませんッ!!」

「わっ…それなら私はあなたにずっとついていく、明日は学校で…」

「そんな悠長な事は言っていられませんわっ!!」

って、大人しく小梅の話を聞いていたかと思いきや、突然激しく燃え上がってしまった晶子!
「スッとろいことしてねーで今すぐ仲間の根性叩き直してやる!」と猛烈にやる気を出し、
今すぐに仲間達へ集合の連絡を始めてしまいます。そして小梅も、引きこもったままの鏡子を呼びに行かされますが…

「ねえ静、静ってば〜あ」

「嫌よ、宿題くらい自分でやりなさいよ」

「いいじゃない少しくらい見せてくれたって…丸写しなんかしないからさ〜」

「ちょ、ちょっとやめてよ…もう、しょうがないわねえ」

バタン!!

「(ずかずかずかずか)これから私の教える通りにして!」

「え…?え?」

なんと鏡子を呼びに行くその前に、「てめえらイチャイチャしてんじゃねーよ」と巴を引っぺがして一緒に連れて行く小梅!
鏡子をやる気にさせるには、巴の力が必要と踏んでのことでしょうが…しかし静…考えたくないことではありますが、こいつってやっぱり…

バアアアアン!!

「おおっとっとっ!?」

「巴お姉様!?」

「きょ…”鏡子、どうして練習に出て来なかったの?”」

「…だって…あの試合、私のせいで負けてしまって…」

「…ん〜…」

(そんなことないわよ!)

「”そんなことないわよ!”」

「ちょ、ちょっとこれってどういう…むぐぐぐ!?」

そして凄い勢いで鏡子の部屋に放り込まれてしまった巴。そこで鏡子を励ますために、小梅のセリフをそのまま言わされてしまいます
というか巴をどっかーんとブチ込んだり静を力づくで黙らせたり、今日の小梅は恐ろしくパワフルよのう

「…私…巴お姉様のお役に立てそうもありません…」

「…う〜ん…」

(私にはあなたが必要なの!)

「んぐぐ!んぐっぐぐぐ!」

「”私にはあなたが必要なの!”」

「え…!?」

(もう一回!)

「んぐー!!」

「”私にはあなたが必要なの!!”」

「と…巴お姉様…!でも…私…」

小梅の口説きセリフが次々とヒットし、少しずつ心が動き始めた鏡子!しかし静の必死っぷりが笑えるなあ
それでもまだ最後の一押しが足りないようで、一瞬明るくなった鏡子の表情もすぐに元へ戻ってしまいます

「…むう…」

(抱き締めて!!)

「んぐ!?んんん!んんっんんんー!!」

「…」

「…えっ?」

「(がばっ)”私にはあなたが必要なの!!”」

(っしゃあああああ!!)

「んふぎゅんんんー!!」

ついに鏡子への最後の一押しをかました巴!熱烈ハグを受けて殺し文句を告げられた鏡子は、天にも昇る気持ちでついに陥落!
再びやる気を取り戻してよかった…とはいえこの瞬間完全にハッキリした事が。
巴のイチャイチャシーンを見せられて号泣しまくりの静は、やっぱりただのシスコンガチ百合女だったんだな…ちくしょうちくしょォォォ
実を言うと今まで80%くらいの割合で「こいつただの百合女なんじゃ…」とは思ってました、
でもそんな事実は私の繊細な心が耐えられないから必死に80%から目をそらして、残り20%にしがみついてきたんだよ!(えー
結局その希望は粉々に打ち砕かれました。ちくしょおおおおおおおお!!

「心配をおかけして…申し訳ありませんでした!」

「小笠原…お前は馬鹿か?一人でくよくよしおって、今度何かあったら必ず皆に相談しろ」

「そうよ、悔しい思いをしたのは一緒だもの。だから覚悟くらい出来ているわ」

「本当にそうかしら?みんな表に出なさい」

そして部室に全員集まって、「よーしこれからまた頑張るぞー」と決意を固めていた一同。
ところがそこにアンナ先生が現れると、いきなり「お前ら表に出ろ」と…
どうやら小梅達の覚悟が本物かどうかを試すつもりのようですが…

「いい?あなた達が戦おうとしてるのは17歳の男子よ。
 あなた達より体が大きくて力が強い…彼等に勝つには彼等以上の練習が必要よ。
 その意味が本当に分かるかしら」

「…」

「その覚悟がある者だけが、このラインを越えなさい」

全国レベルの猛練習をしている男子高校生を相手に、平凡な女子中学生の小梅達が勝つ…
それには本当に血へドを吐くようなすさまじい特訓を乗り越えなければならないでしょう
単なる仲良しこよしのぬるい覚悟では到底やっていけません、それほどの強靭な意志が全員にあるのかどうか、そのテストの結果は…

「ふふふ」

「うふふふ」

ぞろぞろぞろ ぞろぞろぞろ

え!?ちょ…な、何コレ!?すぐにおてて繋いで仲良く小梅・晶子がラインを越えたかと思いきや、
「2人が行くなら私もー」とばかりにキャッキャと笑いながら全員がラインを突破!
ウダラ何ニヤついてんがァーーッ!!(えー
お前らふざけんな!そんなお花畑みたいな軽いノリでこの先やって行けるのかよ!
そもそも小梅と晶子が手を繋いで行ってる時点でダメだよな…この時ばかりは自分自身の覚悟を示すべきだろうに…
鏡子なんかは行こうかどうか迷ってるところを、巴に手を引かれて連れて行かれる始末です。
こんなんで本当にいいんですかアンナ先生ーッ!!

うふふふ あははは

「…あら?静さん?」

「…」

「静、どうしたの?」

「どうした、早くこっちへ来い!」

「…」

ところが、全員ラインを越えたかと思いきや、まだスタート地点に留まったままのメンバーが!それはなんと静でした
もしや他の奴らと違って、しっかり自分の覚悟を問い直しているのかも…と思ったら
静は巴を鏡子に取られてヘソを曲げていたのです。ど…どうしようもねえー!!
見苦しい、見苦しすぎる!この先の激しい特訓に躊躇するならまだしも、「お姉ちゃんが私に構ってくれないからやる気なくした」って
お前なんなんだよ!そんなんで岩崎達に勝とうだなんてヘソで茶を沸かすぜ!(えー

「なんで私が野球なんかしなくちゃいけないのよ…!」

「静さん、こっちへ来て!」

「静さん、一緒に野球をやりましょう!」

「静お姉様!」

「静さーん!」

「…」

「どうしたのよ静、一緒にやろうよぉ!ねえ静、静ってば!」

「…ああもうっ!」



最後はお姉ちゃんが振り向いてくれたので渋々続けることにした静
なんだこれは…なんだこの茶番はー!!こんな取ってつけたような覚悟でオッケーだなんてそりゃねえよ!
考えてみれば静って、最初は巴の野球に賛成してたのに巴が小梅とイチャついた途端に必死な妨害工作を始めたり
それでも巴の入部が決まってしまったら、あっさり手の平返して自分も入部してきたり
雨の日には「はい練習無理だから姉さん帰ろう」と巴を独占するようにとっとと帰ったり
巴が鏡子と仲良くしただけでヘソを曲げてやる気なくしたり…
あまりにも見苦しすぎる…今回のことで静の株が恐ろしいほどに大暴落したな…
私の好感度的には三郎さん>岩崎>>>>>小梅達>>>>>静って感じですよ、
まあ来週からは三郎さんと岩崎のために見るか…(えー  次回に続く


■大正野球娘。 第5話「花や蝶やと駆ける日々」



「わあ〜!」

「それは前に家で作った運動着なの」

「へえ、呉服屋さんなのに運動着も作るんだ!」

「でもモダンすぎて全然売れなくって…蔵の中で埃を被っていたのを持ってきたの」

な、生着替え!14歳の生着替え!(えー
なんと今回は実家の呉服屋から運動着を持ってきた雪、みんなそれを大いに喜んでワイワイと袖を通していました
この着替えシーンはじっくりと観察しておく必要がありますね(えー
別にスケベ心で言ってるんじゃないよ!100年前の下着はどんな物だったのかという純粋な知的好奇心であって:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「わあ〜セーラー服みたい!いい!凄くいいよ!」

そんな運動着を小梅はいたく気に入ったようですが…このデザインは正直ちょっと…
なんだか給食のおばちゃんみたいだよ!(えー  セーラー服というより割烹着みたいですね
こんなことなら現代じゃない点を生かしてブルマ+体操服にしといた方が:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「準備は出来たようね、今日から朝香中に勝つための練習を始めます!
 みんな覚悟は出来てるわね!」

「「「「はい!!」」」」

「それではランニングスタート!」

「「「「はい!!」」」」

そんな運動着で一同が表に出てくると、早速アンナ先生の猛特訓がスタート!今日からは今までのお遊び気分ではなく、
本気の本気で打倒朝香中を目指してのメニューをこなすことになります。「よっしゃー望むところだぜ」と気を引き締めて
手始めにランニングから始める一同でしたが…

「どうしましたー?ペースが落ちてますよ!」

「はあ、ふう、はあ」

「はーい、スピードアップよ!」

「はあ、はあ、はあ、はあ…」

「頑張って前に追いついてー!」

「は〜…は〜…と…巴お姉…さ…ま…」

「しっかり腕を振ってー!」

「うぐ…うぐ…うぐぐ…」

「晶子ー!1周遅れですよ、頑張って!」

「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」

ところが走って走って走って走ってもう日が暮れ始めたのにまだ走らされる小梅達!一体何時間走らせる気だー!!
最初はみんなでペースを合わせて走っていましたが、今となっては体力差がモロに出て完全にバラバラになってしまいました
なんとかペースを落とさず走っているのが小梅、巴、環の3人。やや遅れているのが雪と静、
だいぶ遅れてヘロヘロなのが鏡子、完全について行けてないのが乃枝、そしてどうしようもないほど遅すぎるのが晶子…
晶子言い出しっぺでピッチャーなのに全然ダメだこれ!チームの要となるべきキャラがぶっちぎりで一番ダメだなんて!

 

「せ、先生…打撃練習はまだですかぁ!?」

「人数が揃うまで、当分は基礎トレーニングだけですよー!」

「え…ええ!?」

ついに巴までが音を上げ始めてしまいますが、「打撃練習?またまたご冗談を」とアンナ先生はランニング以外一切練習する気なし!
結局完全に日が落ちるまで何時間もランニングを続けた小梅達は、精も根も尽き果てて全員ぶっ倒れてしまうのでした

「は〜…は〜…し、しぬ…」

「ね、ねえ宗谷さん…野球の練習って、こんなに走らなければいけないの…?」

「…(へんじがない、ただのしかばねのようだ)」

「こ…これは早いところ9人揃えないと、本当に死人が出るぞ…」

「ああ…早く打撃練習がしたいよ〜!」

大の字になりながらヒーヒー弱音を吐く小梅達でしたが、今喋っている4人以外のメンバーは
口を開く力も残っておらず途中で干からびております(えー
これから毎日こんな練習が続くというのに、1日でこんな干物になってしまうとは…この調子で本当にやっていけるんでしょうか

「小梅〜、お風呂入ってしまいなさい」

しぃーん

「もう、小梅〜?」

「くか〜…くか〜…」

そして有り余る体力を持つ小梅ですら、あまりの疲労で家に帰りつくなり布団を引っぱり出す途中で力尽きて
そのままぐーすか眠りに落ちてしまいます。それにしても、布団に頭を突っ込んで寝てる小梅には思わず笑ってしまいますが
寝顔のアップを見てみるとなんという色っぽさ…一つの描写で笑いと萌えを両立させるとは、大した奴だ…(えー

「ごきげんよ…あ、大丈夫…?」

「…大丈夫じゃない…」

「…全身が鉛のようになった感じですわ…」

「…」

「おい鈴川、なんとかしないと野球をする前にみんな潰れてしまうぞ」

そして次の日、まだ足下をフラフラさせながら小梅が教室にやってくると、小梅より体力のない晶子達は
机に突っ伏したままピクリともせず完全に死んでいました(えー
やはりドラクエのように一晩寝たらHP全快なんてことにはならんか…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかしそんな中で唯一ピンピンしてる環タフすぎる  小梅でさえフラフラなのになんて元気なんだ!
すぐ隣で死んだまま動かない雪に代わって、クラス委員の仕事を手伝ってあげてるくらいです
環つえーな…作家志望のインドア派なのにこの底無しな体力は一体…(えー

「でも、どうしたらいいのかなぁ」

「どうもこうも、9人揃えて普通の練習をするしかないだろう」

「そうと決まれば善は急げよ!すぐに残りの1人を探しに行きましょう!そして打撃練習をするのよぉー!」

「あのねえ、ただ闇雲に探せばいいというものでもないでしょ?ここは一つ戦術的な観点で人選を考えるべきね」

「戦術的…?」

「切り込み隊長…つまりバントでも何でも塁に出て、引っかき回すことの出来る人がいいわね」

「ということは、足の速い奴を探すんだな?」

地獄のランニング特訓から一刻も早く抜け出すために、すぐにでも9人目を探し出そうとする小梅達。
しかし、乃枝はただ探すよりも「どうせなら役に立つ奴を探そう」と…い、いやちょっと…
そんな選り好みしてる場合か!?この過労死寸前の時に!(えー
このギリギリの時にそんな贅沢言う余裕があるかどうか…
乃枝はシューティングゲームで死にそうな時に「戦術的にもったいない」とボム温存して死ぬタイプだな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ねえ、足の速い人ってどこで探せばいいの?」

「え?う、うーん…」

「そうねえ、情報通に聞いてみましょうよ」

ところが「足の速い人を探そう」と決めたものの、誰がどのくらい足が速いかなんてさっぱり分からない小梅達。
そこで新聞部の記子なら何か知ってるかもしれないと、記子のいる部室へ足を運びますが…

「ふんふんふふ〜ん、ふんふふふ〜ん♪」

ガラガラッ

「はっ!?むむむ無理無理!掛け持ちなんて絶対無理!お願い勘弁してぇぇぇぇ!!」

「…そんな用件で来たのではありませんわ」

そんな小梅達の顔を見るなり「助けてママー!!」と泣き叫び始めた記子
なにもそこまで怯えなくても!桜花会での毎日は記子にとってそれほどのトラウマになってしまったのか
というか今までの練習でそうなんだから、記子が今の地獄ランニングを味わわされた日には完全に精神がいってしまいそうだな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ちょっと教えてもらいたいことがあるの」

「…な、なにを?」

「足の速い人を探しているの、どこに行けばいるかしら」

「足の速い人…?それなら、陸上部に行けばいいんじゃない?」

「「「え?ああ…!」」」

そんな記子から帰ってきた答えは「陸上部でも行ったら?」というえらく普通な内容、しかし小梅達は
「そ、その発想はなかった!!」とばかりに激しく感心しております。ダメだこいつらー!!
小梅と晶子はともかく乃枝まで一緒になって感心してる場合ですか!こいつ「桜花会一の頭脳的キャラ」な役割なのに
さっきから自分のアホの子ぶりを晒してるだけじゃないですか!(えー

「オンユアマーク!ゲットセット!」

パアアアン!!

そんなわけでやって来ました陸上部。グラウンドで練習している彼女らに小梅達が会いに行くと、
ちょうど100M走の選手たちがタイムを計っているところでした。これは足の速い人を探すにはもってこいの展開…
というか100Mでもこの時代、「よーいどん」じゃなくてゲットセットがどうとか言ったりしてたんですね
ゲットセットと聞くとあれを思い出すな、ナゲットセットが30cmも下がっていたらヴァレヴァレだお(^ω^)(えー

「どうした菊坂、後半全然伸びてないじゃないか」

「は、はい」

「このままじゃ補欠にもなれないぞ、もっと頑張れ」

「はい…」

そして小梅達が目をつけたのは、スタートダッシュだけは異常に速いのに最高速の伸びがないという少女・菊坂胡蝶でした
どうやら胡蝶は初代マリオカートで言うところのヨッシータイプな選手のようですな(えー
スタートダッシュは全キャラ最速なのに、最高速が低いから結局クッパやドンキーよりタイムが悪いという…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかしそれも100Mという長さでの話、野球なら塁と塁の間はたったの30M以下、これなら胡蝶の足は凄まじい武器になるはずです

「あなたには走る才能がある、私が保証するわ!」

「か、からかわないでください!私、足なんか速くありません!」

「いいえ速いわ、あなたは自分のことを分かってないのよ」

「…自分の事は…自分が一番よく知っていますっ!!」

しかし早速胡蝶に声をかけてみたものの、「冷やかしならよそへ行けコノヤロー!!」とまったく話を聞いてもらえない乃枝たち。
どうやら胡蝶は補欠にもなれない自分のタイムを相当気にしているようで、「やあ!君足とっても速いね(笑)」などと話しかけたのが
完全に裏目に出てしまったようです。今日のところはもう説得は無理そうですが…

「そんなところで何をしてるのー!基礎練習を始めますよぉー!」

「う、うぁぁ…」

地獄のランニングタイム再開!アンナ先生に見つかる前にメンバーを見つけたかったのに!
そんな小梅達のもくろみは脆くも崩れ去り、今日もまた死ぬまで終わらないランニングを延々とやらされるハメになってしまいます

「あぁ〜…し、しぬ…」

「ね、ねぇ…別に足の速い人を探さなくてもいいんじゃない…?私達が速くなれば、
 あとの一人は普通の人でもいいじゃない…」

「総合力で補おうっていうわけか…」

「でも…そのためには私達が短期間で速くなれる、効果的な練習が必要ね…」

今日もまた昨日と同じように、大の字にぶっ倒れながら今後のことを話し合う小梅達。
いつまでも新メンバーが見つからないとたまらない静は、「別に足が速い奴じゃなくていいじゃない」との主張を始めました
やっぱりそう思うよなあ、こんな時に「どうせなら足の速い奴探そうぜ」なんて言い出す方が間違ってるんですよ!(えー
しかし、「桜花会には足の速いメンバーが必要」という乃枝の意見にとらわれてしまっている小梅達は、
「それなら自分達の足を速くしよう」と考え始めてしまいます。うーん、そもそも足の速さにこだわる事がまず疑問なんだが…

「う〜ん…ねえ川島さん、効果的なれんしゅ…」

「…(へんじがない、ただのしかばねのようだ)」

「う、う〜ん…」

いい練習法がないかと乃枝に聞いてみる小梅ですが、すでに乃枝は完全グロッキーで口がきけるような状態じゃありませんでした。
乃枝こいつ全然役に立たないなあ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「というわけで、これを使えば足が速くなるって!」

「いくらなんでも短絡的すぎないか…?」

「そうよねえ…」

「ええ…?」

そして次の日、足を速くするために小梅が用意したのはなんと人力車。「これ引いて毎日走れば速くなれるよ!」という車夫の話を聞いて
持ってきたようですが…要は「ひたすら重いもん引いて走りまくる」という練習法に環達は渋い顔です
効果的な練習と言うには疑問が残るし、何よりこんなきつい練習をするスタミナがバテバテな桜花会にあるかどうか…

でも理にはかなっていると思うわ

そんな中一人だけ「これはいい練習法ですね」と賛成を始めた乃枝
もうこいつの言葉全部がうさんくさくて仕方ないですよ!(えー  本当は凄いアホなんじゃないのか乃枝:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
結局乃枝のこの言葉で、桜花会はこの練習を取り入れることになってしまいます。真っ先に名乗り出たのは巴と環で、
それぞれ引っ張る車には鏡子と雪が乗ることになりますが…



「ねえタマちゃん、競走しようよ競走!ただ走ってもつまらないじゃない?」

「ダメだ」

「え、どうして?」

「条件が違いすぎる、そっちの方が軽いじゃないか

「…!?あ、あのねタマちゃん、私そんなに重くないのよ?」

こ、これは!?競走を持ちかけてきた巴に対して「雪が重すぎるからやりたくない」ととんでもない事を言い出した環!
なんてことを!いつも穏やかな笑みを浮かべている雪が、この時ばかりは「わわわ私は重くないのよ重くないのよ」と動揺してるのが面白すぎます

「確かにタマちゃんの言う通りね」

「!?」

そんな雪の動揺に追い討ちをかけたのは乃枝!またお前かー!!
「確かに宗谷さんは重すぎるから仕方ないね」と実も蓋もないことを!
珍しくいじられキャラと化した雪に笑いが止まりませんが、乃枝にはそんな重さの違いをなくす名案があるようで…



「これなら大体同じくらいでしょう!」

「うむ、いいだろう!」

「わ、私…そんなに重くないのよ…?」

どちらの重さも同じにするために、環の車には小梅を、巴の車には静を追加してはい平等…って、
ちょ、ちょっと待ってください、明らかに重すぎる雪まあ普通っぽい静では雪の方が重いだろうし、
ぽっちゃり系のうえに鏡子より背が高い小梅と鏡子では小梅の方が重いだろうし…
これって環の車の方が余計重たくなったんじゃないですか!?
乃枝は一体どう計算してこれで平等だと!?乃枝の言ってることはさっきから的外れすぎて困る:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「準備はよろしくてー?はいっ!!」

ドッギュオオオオオオ!!

「ふ…2人とも凄いのね…」

って、晶子が開始の合図をした途端、人間重戦車とでもいうようなとんでもない速さですっ飛んで行く2人!
こいつら毎日あんなランニングをこなしているのにこんな体力が一体どこに!?人間じゃねえー!!
最初は面白がって乗っていた小梅達も、信じられないスピードで引かれていく車に怯えまくっております
特に静は隣の鏡子を絞め殺しそうな勢いでしがみつき、鏡子の表情からどんどん生気が抜けてヤバイ感じに!
きょ、鏡子死ぬな!死ぬなー!!

「ね、姉さん飛ばしすぎよぉ!」

「そうよタマちゃん!ムキになってはダメよ!あ…!?タ、タマちゃん前、前!!」

お互い車が横転しそうなくらいバランスを崩しながらも、めったやたらにスピードを出しまくって張り合い続ける2人!
しかしその時ふと前を見ると、目の前には屋外で発声練習をしていた合唱部が!

「「「♪あ〜、あ〜、あ〜、あ〜、あ〜♪」」」

ドッギュオオオオオオ!!

「「「きゃああああああああ!?」」」

な、なんてこと!ブレーキをかける暇などなく、合唱部めがけてファイナルベント・ドラゴンファイヤーストームをブチかます2人!(えー
幸いケガ人はなかったようですが、こんな危ないことをしでかしたせいで、発案者の小梅と指導者のアンナ先生は激しく怒られてしまいます
これは小梅達が勝手にやった練習だから、アンナ先生は悪くないんですが…これが責任者の辛いところですな
それと首を絞められすぎた鏡子は、合唱部に突撃した時すでに意識不明の重体になってたようですが大丈夫なのか!?(えー

「車夫遊びをして合唱部の練習を妨害するなど、前代未聞の出来事ですッ!!
 もしもの事があったらどうするつもりですか!!」

「(しゅーん)」

「(しゅーん)」

「アンナ先生、すみませんでした…」

「いいのよ、気にしないで!それよりあなた達が新しい練習法を作り出したことが、私には嬉しいわ!」

「せ、先生…!」

「でも、足が速くなる他の練習を考えないと…」

「それならとてもいい方法がありますよ、ランニングです!!」

せ、先生ー!!せっかく心の広いところに感心していたのに!結局今日もまたランニング地獄スタートですか!
というわけでまたしても死ぬまでランニングをさせられまくる小梅たち、今日もまた全員ぶっ倒れてのバテバテお話タイムが始まります

「こ…このままでは足が速くなる前に、みんな死んでしまうわ…」

「と、ということは、足の速い人を見つけるしかないわけね…」

「え〜?早く打撃練習したいよ〜!」

「お前は黙っていろ…!」

さっきまではランニングをさせられる理由が「9人目がいないから」でしたが、
今回からは「みんなの足を速くするため」になってしまったので、ただ普通の9人目を入れても無意味になってしまいました
このランニング地獄から解放されるためには、なんとしても足の速い9人目を連れてこなければ…
乃枝が「足の速い奴が欲しい」なんて言わなけりゃこんな事にはならなかったのに!(えー

「あいたたたた…!」

「はい、終わり」

「ありがと〜…とっても楽になったわ」

その日の晩、学校で寮暮らしをしている鏡子は、ルームメイトに湿布薬を塗ってもらって…って、そのルームメイトはなんと胡蝶!
この2人、寮の部屋も同室でクラスでも隣の席の仲良しさんだったんですね。こりゃあ胡蝶の勧誘は鏡子が鍵を握っていそうな感じが…

「ねえ鏡子、野球をやってて楽しい?」

「う〜ん…私運動が得意な方じゃないから、みんなについて行くのが大変。練習試合で失敗もしちゃったし…」

「そう…」

「でもね!そんな私に巴お姉様はこう言ってくれたの!”私にはあなたが必要なの”!」

「あ…」

「私にはあなたが必要なの…うはは〜!きゃあ〜ん!巴お姉様ああ〜ん!」

妄想にひたっとる場合かー!!一番説得できそうなポジションなのにお前ってやつはー!
しかし妄想ワールドの鏡子が漏らした「私にはあなたが必要なの」という言葉に、何やらハッとした反応を見せる胡蝶…
もしや胡蝶は、自分が必要とされている居場所というものに憧れているんでしょうか?
そういえば胡蝶は陸上部では補欠以下の存在だし、陸上での自分の居場所を見失っているのかもしれませんな…



「ねえ、少しいいかしら?」

「あ…」

「お願い、一緒に野球をして欲しいの。あなたの足は私達の武器になるわ」

「私…速くなんかありません。リレーの補欠にもなれないのに…」

そして次の日、またしても胡蝶を勧誘しようと現れた乃枝でしたが、いくら速い速いと誉められても
「補欠以下のノロマに何言ってんだ」と胡蝶はまったくその言葉を信じることができません
ところがそれでも引かない乃枝は、とにかく胡蝶に盗塁のテストをやらせて足の速さを証明しようと…

「あなたに試してもらいたいのは盗塁よ、先生の左足が上がったら走ってちょうだい。
 あそこにボールより速く着けばいいのよ」

「は、はあ…」

そのテスト内容はピッチャー役のアンナ先生、キャッチャー役の巴の送球の間に、一塁から二塁への盗塁をするというもの…
ちなみにアンナ先生も巴もいい球を投げるせいか、盗塁のお手本を見せた環が簡単に刺されてしまうほどの難易度です
並大抵の速さでは達成できそうにないこのテストですが…



しゅぱぱぱぱぱぱぱ

「まあ…!」

ところがそんな難易度もなんのその、送球が到着する頃には二塁を通り越して数メートル先まですっ飛んでいった胡蝶!
さっきの環が二塁よりはるか手前で刺されたことを考えると、胡蝶の速さはまさに飛び抜けていることが分かります

「すごい!すごいよぉ!」

「とても素晴らしかったわ!」

「ねえ、一緒に野球をやってくださらない!?」

「え…あ、あの…」

「私の言った通りでしょう?あなたは速いのよ、それも野球向きの速さなの。
 だって塁間は約15間、100M競走の4分の1ちょっとで勝負できるのよ」

「あっ…」

小梅達も胡蝶の凄さに興奮する中、ついに胡蝶も自分のスタートダッシュが野球に向いていることを実感します
なにげに乃枝は今回初めてまともなことを言ったんじゃなかろうか(えー

「あなたは絶対に野球に向いているわ!」

「お願い、仲間に入って!」

「私達にはあなたが必要なの!」

「あ…!」

そしてなんとか胡蝶を仲間に引き入れようと、必死で勧誘を始める小梅達。
そんな中、小梅の「私達にはあなたが必要」という言葉に胡蝶は大きく心を揺さぶられることに…
やはり決め手になるのはこの言葉か…そういえば鏡子の時もこれを巴に言わせたのは小梅だし、
この言葉は小梅お気に入りの殺し文句だったりするんでしょうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「1年1組、菊坂胡蝶です!野球のことは何も知りませんが、よろしくお願いします!」

「胡蝶ー!あははは!」

「9人揃ったー!!仲間になってくれてありがとう!」

「歓迎するわ胡蝶ちゃん!」

そしてとうとう野球部に入る決心を固めた胡蝶!これで9人揃って野球ができる、何よりあのランニング地獄から解放されるとあって
小梅達も心からこれを喜びんでいるようです

「あははは、アンナ先生ー!!」

「めでたく9人揃って大変嬉しく思います!それではランニング開始!!」

「「「!?」」」

「これまでの皆さんの練習を見る限りみなさんの体力不足は明らかです!
 当分の間基礎練習を続けまーす!」

何勘違いしているんだ?まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!!
小梅達を喜びの絶頂からドン底へ突き落とす悪夢の一言!アンナ先生あんた鬼や!
というわけで小梅達は終わりのないランニング地獄へ突入するわけですが…
ここらでひとつ、今までのランニングの様子を比較してみると面白いことが分かります

ランニング1回目 ランニング2回目 ランニング3回目




1回目のランニングでは小梅達>>乃枝>鏡子>>晶子、
2回目のランニングでは小梅達>>乃枝・鏡子>>>晶子、
3回目のランニングでは小梅達>鏡子>乃枝>>>>>>>晶子というように
回を重ねるごとにレベルアップしている鏡子、相変わらずの乃枝、みるみる退化している晶子
各キャラの成長ぶりが分かって面白いですな、このアニメは本当こういう細かい描写に色々と意味があって、見れば見るほど楽しめますね

他にも今回小梅が帰宅するシーンが3回ありましたが、そのうちどの場面においても店の中には
ライスカレー食いに来てるメガネのオッサンしか客がいないとかね
ちなみにこの人は前回岩崎と高原がやってきた時も、唯一この店にいたオッサンです
確かその前の話でもこの客はオッサンしかいなかったし、さらにその前の話でも…
すず川に来てる客ってこのオッサン一人だけかよ!大丈夫かこの店ー!!
さらに面白いのはこのオッサンは毎回カレーしか食ってないということです。キレンジャーじゃねえか!

というわけでえらく長い感想になってしまいましたな、ここらへんで次回に続く





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