■HEROMAN 第9話「アライブ」
「ど、どうすんですかあのタマ、本当に止められるんですか…?」
「出来るとも。私は勝算のないケンカは絶対にしない主義でね」
「じゃあどうやって…」
「君達、ジャイロスコープは知っているよね?」
「そりゃ知ってますよ…姿勢制御装置のセンサーでしょ?」
「方式は我らのそれとは異なるかもしれないが、そういう機能があのタマにはついていると思うんだよ。
所詮は機械だ、そいつをちょこっと細工するだけで間違いなくアレは止められる」
さて今回の冒頭では、あのドクターミナミがタマ捕獲作戦のために、数人の部下を引き連れていよいよ動き出しているところでした。
ミナミが思い描いているタマの捕獲方法とは、タマ自身の姿勢制御システムを狂わせてしまうということ…
そうしてしまえばタマは今まで通り転がれなくなり、止めるくらいのことは簡単にできるという理屈のようです
「で、でも、攻撃も電波もスキャンも、あのタマは受け付けなかったんですよね?一体どうやって…」
「フ…策は二重三重に練ってある」
「だったら…なんでとっととやらなかったんですか?」
「目立つためだ!!」
「は、はぁ!?」
「政府とのパイプを作るためには、色々とパフォーマンスが必要なのだよ。
ところでホワイトハウスの方の準備はどうなっている?」
「順調に進んでいます」
「そうかそうか、はっはっはっは!」
しかし「そんなシステムどうやって見つけるの?見つけてもどうやって操るの?」と疑問が尽きない部下たちでしたが、
ミナミは「うるせー馬鹿」と、やけに自信満々で秘策があると言い出します
むう…それにしてもミナミ、「だって目立ちたいから!!」と熱く語ったり、「いや〜順調でなによりだね」とにこやかに語ったり
なんか思ってたよりずいぶん人間味のある奴ですね。もっと頭おかしいマッドな科学者かと思ってましたが、意外といい奴だったりするんでしょうか
「ジョ…ジョーイイイイイイイッ!!」
「…」
「クックックッ…分かっているぞ、そいつを操っていたのはそこの小僧だということはな。
つまりその小僧さえいなければ…白い奴はただのデク人形だということだ!」
そしてこちらは、前回ラストでかつてない窮地に陥っていたジョーイ達!前回ゴゴールにバリアごと打ち抜かれてしまったジョーイは、
まるで糸の切れた人形のように倒れたままピクリとも動きませんでした。そしてジョーイのコントロールを失ったヒーローマンもまた無力に…
しかし、コントロールがなくなって動けないというよりは、ショッキングな光景を見たせいで戦意喪失したって感じですよねヒーローマン
まあ、どちらにせよまったく戦えなくなってしまったことに代わりはないですが…
「オオオオオオーッ!!」
バキバキガスウッ!ガキガキイイイン!
「あぁ…!?ま、まずい!」
「…」
ズザアアアアッ!!
「なに!?」
「ヒーローマン!僕は大丈夫!」
ってなにィーッ!?な、なんですとー!?棒立ちになったヒーローマンがガスガスと痛めつけられる中、
なんとダメージから復帰したジョーイが颯爽と登場!マジかよジョーイ!あんなパンチ食らって普通にピンピンしてるのかよ!
前回からジョーイの超人化が著しいと思いましたが、まさかダメージに対してもこんな頑丈になっているとは…
例の高速移動といい、一体ジョーイの体に何が起こっているんでしょうか
「あの一撃を受けて生きているとは…やはりただの人間ではないようだな…しかし!!」
バギイイイイン!!
「ぐうっ!!」
「私の判断に…間違いはない!!」
ドグッシャアアアアアン!!
ああー!?そ、そんな!復活したと思ったその矢先、またすぐゴゴールに倒されてしまったジョーイ!
ちょ、ちょっと…そんな戦闘不能の仲間にライフボトル使ったらまたすぐ攻撃されて死んだみたいな光景あんまりですよ!(えー
しかしそんな冗談は置いといて、今度という今度はジョーイも本当にやばいかもしれません
なにしろ、今度は一撃目の蹴りでバリアを叩き割ってから、ニ撃目の拳をジョーイに直撃させるという荒業に出たゴゴール…
前回受けたような、バリアの上からのパンチとはダメージが比べ物にならないはず…
ジョーイの体が原型を留めていることがすでに奇跡ようなものです。今度こそ疑う余地がないほどの致命傷を受けてしまったわけですが…
「お…おい…目を開けろよ…ジョーイイイイイイッ!!」
「お…終わ…り…だ…」
「クックックックッ…あとはザコの人間共を捻り潰せば…終了だ!!」
「…ン…ンン…ンンンンン…!ンオオオオ…オオオオオオッ…!」
「む…?」
「なっ…ヒ、ヒーローマンの様子が変だ…!」
「な…なんだ…?あの輝きは…!」
「ウオオオオオオオオオーーーッ!!!」
ドゲエーッ!?そんなジョーイの散り様を見せつけられてヒーローマン大爆発!
計り知れないほどの怒りを炸裂させて、見るも恐ろしい驚異的な超絶パワーを発揮!こ…こええー!!
なにしろ二度もジョーイを目の前でやられてしまったわけですからな…これはもう伝説の超サイヤ人どころの騒ぎじゃないでしょう
ボキィ!メキィッ!ドガシャメッシャアッ!!
「がっ…!?う、うぐ、が…!があああああーっ!!」
「フン…!フン…!フンッ!!フンンアアアアアアアッ!!」
「うう…!つ、つ、強い…!だが…」
「こ、こいつはもう…戦いじゃない…」
そんなヒーローマンの凄まじいパワーは完全にゴゴールを圧倒!しかしパワー以上に恐ろしいのは、その一切の容赦がない残虐ファイトでしょうか
猛ラッシュを打ち込んで倒れたゴゴールに対して、さらに強引に翼をむしり取り、力任せに顔面を踏みつけ、投げ飛ばして地面に埋め込み、
そのうえ殴る蹴るの暴行を加えるという…あまりにも凄惨で一方的な殺戮に、サイとデントン先生は凍りついたように震えることしかできません
「…う…ん…」
「フゥゥッ…!!フウウウウウウッ…!!」
「…!?あ…あれ…は…!?」
ってジョーイ君生きてたー!!マ…マジですか!?生身でゴゴールの殺人パンチを食らったのにそんな元気なの!?
一体ジョーイの体はどんだけ超人に…って、正直そんな事実がどうでもよくなるくらいジョーイ君色っぽすぎ
ジョーイムチャクチャかわえええ!!このしなっと寝そべるお色気むんむんな体勢反則すぎるだろ!どんだけフェロモン出してんですか!
「…う…や…や、めろ…やめ…て…く…」
メキメキイイイッ!!
「う…うう…!おあああああっ…!!」
しかしそんなジョーイの目に飛び込んできたのは、すでに息も絶え絶えなゴゴールをムリヤリ叩き起こしながら、
その顔面をねじ切って脊髄を引きずり出そうとしているヒーローマンの姿でした。いやああああああ!!
いくらなんでもむごすぎる!ヒーローマンのそんな残酷な真似を見ていられなかったジョーイは、一心不乱にヒーローマンへと飛びつきますが…
「ヒ…ヒーローマン!もういい!ヒーローマンッ!!」
「オオオ…オオオオオオオーーッ!!」
「だめだ…!ヒーローマン!だめだああああーーっ!!」
「フウ…!フウ…!フウウッ!!」
「そんな風に戦っちゃダメだ!君は…君は僕の…!
ヒーローなんだからあああああーーっ!!」
止めようとするジョーイの声も聞かずに殺戮を続けるヒーローマンでしたが、それでも繰り返し切実な叫びを上げ続けるジョーイ!
心に愛がなければ、スーパーヒーローじゃないのさとはよく言ったものです
まさしくその名が示す通り、ヒーローマンはジョーイにとって最高のヒーロー…それがこうして道を踏み外す姿を見るのは
何よりもジョーイには耐え難かったんじゃないでしょうか
シュウウウウウ…
「…」
「あ…!ヒ…ヒーローマン!」
おれは しょうきに
もどった!(えー
そんなジョーイの声を聞いているうちに、溜め込んでいた憎悪がしだいに溶けていき、ついに普段の姿へと戻ったヒーローマン!
もはや虫の息なゴゴールも手放してやり、ヒーローマンとジョーイはお互いの無事を喜び合います。なにはともあれこれで一件落着…って
「はーっはっはっはっ!詰めが甘かったようだな!死ね小僧ーっ!!」
えええええええええ!?なんとその時、急に物凄い勢いで起き上がりジョーイに襲いかかったゴゴール!
い、今までのは単なる死んだふり!?さっきのジョーイもそうだけど瀕死から急に元気になるお前らは一体なんなんだよ!(えー
ともかく予想外のゴゴールの奇襲に、迎撃の体勢が間に合わないジョーイ!バリアを張る暇もなくゴゴールの魔の手が…
ガシイッ!!
「…!?」
(C)鳥山明/集英社
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「くたばれ!!」(えー |
そんなゴゴールの奇襲にいち早く反応したのはヒーローマン!まるで悟飯を守るピッコロさんのように、
ゴゴールの攻撃をがっしと力強く受け止める!今日はもうニ度もゴゴールにジョーイへの攻撃を許してしまっただけに、
もはや三度目は絶対にさせないという決意の現れでしょうか
「ち…!くっそおおおおおおおっ!!」
「ヒーローマァァン!!ブラストォォォッ!!」
「オオオオオオオオオーーッ!!」
ゴッバオオオオオオン!!
そしてすかさずヒーローマン・ブラストを発動してのきれいな全力パンチ炸裂!
ジョーイとの絆を取り戻したヒーローマンの一撃に、今度こそゴゴールは完膚なきまでにノックアウト!
それにしても…ジョーイに向かって奇襲を仕掛けるって、ゴゴールは一体何がしたかったんでしょうか
この場合ってたとえゴゴールの奇襲が成功していたとしても
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「詰めが甘かったようだな!
死ね小僧ーっ!!」
「うわああああーっ!!(死亡)」
「ジョ、ジョーイーッ!!」 |
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「ウオオオオオオアアアアア!!」
「はっ!?し、しまった!小僧を殺したせいで
またこいつが暴走を…ぎゃああーっ!!」 |
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「(めきめきめき)」
「あいたたたた、も、もげる、首がもげる!
こ、小僧なんて殺すんじゃなかった…
母さん…先立つ不幸をお許しください…」 |
と、こんな展開になっていたんじゃないでしょうか(えー
ジョーイに手を出したらヒーローマンが怒り狂うってことに、まだ気がついてなかったんですかこのおっちょこちょいは!
あのまま死んだふりしてやり過ごしてればよかったものを…ゴゴールさん…あんた本物のアホや…(えー
「ガフッ…!ふ…ふふ…ハハハハッ…ま、まさかこのような辺境の星で遅れを取るとはな…
だ、だが…貴様らも…道連れだ…!」
「な、なにを…!?」
「この基地を…お前達もろとも…爆破する!!」
「なっ!?」
ボス敵を倒したら自爆展開キター!!ゴゴールさん…なんというお約束な!
ヒーローマンに倒されはしたものの、残された最後の力で基地の自爆装置を作動させてしまうゴゴール!
ゴゴールはそのままがっくりうなだれて動かなくなりますが、このままでは勝利したジョーイ達までも基地ごと消えてなくなることに…
ズゴゴゴゴゴゴ…!
「ど、どうします!?早く逃げないと…!」
「いいや…まだ私にはやるべき事がある!」
「えっ…?」
「タマだよ!恐らくここが爆破されても、あのタマは転がり続ける!
これが最後のチャンスだ、ここが破壊される前にあのタマを止めなければ…!」
ところが爆破のカウントダウンが迫る中、なんとタマのコントロールルームを見つけて止めると無茶を言い出したデントン先生!
そ、そんな、確か基地への潜入前は「タマのコントロールを破壊する」って言ってたから、
単にコントロールルームを壊せばいいと思ってたのに!まったくの逆だったんですか!?壊れる前に操作しないとダメだなんて…
ともかく基地が崩壊するまでのわずかな時間、必死にコントロールルームを探して基地内を駆けずり回るジョーイ達!
その甲斐あって、なんとかそれらしき部屋を発見しますが…肝心のコントロールパネルがスクラッグ製なので
何をどう操作すればいいのか誰にもワケが分かりません。ひとまずここは頭脳派のデントン先生に頼るしかなく、
一縷の望みをかけてパネルに触り始める先生でしたが…
ゴゴゴゴゴゴゴ…!
「分かるのか、教授!?」
「(ピピピピピッ)科学者としては最低の行為だよ…!
推測の積み重ねで、見知らぬ機械をぶっつけで動かすなんてね…!
だが…言語形態には必ず一定の法則性があるはずだ!!」
見知らぬ言語の意味を理解して、正しく機械を操作するにはあまりにも短すぎる時間…そんな絶望的な状況でデントン先生は、
自らに言い聞かせるように「法則性はきっとある、それを必ず見つけてみせる」と一心不乱にパネルを叩き続けます
科学者のプライドにかけて、タマの操作法を見つけ出そうとする先生の誇り高い意志…それはきっと先生を裏切らないはずです
ゴゴゴゴゴゴゴ…!
「(ピピピピピピッ)くっ…!」
「急げっ!早くっ!!」
「んぎぎぎぎ…くそァーーーッッ!!(ビターンビターン)
止まれっっ!!止・ま・れえええええ!!(べしべしべしべし)」
「ちょ…きょ、教授!?」
何してんだよォーーーッ!?オメーーーッ!?
か…科学者の誇り投げ捨てとるうううううう!!結局のところいくらパネルを操作してみてもさっぱり意味が分からず
「うううう分かんねぇ分かんねぇよこのド畜生がァーーッ!」と発狂して
メチャクチャにパネルをぶっ叩き始めたデントン先生!ダメだこれー!!
《作戦開始3分前です》
「よろしく頼む…!」
「大統領、全てはこのミナミにお任せを!」
ドドドドドドドド!
「レディースアンドジェントルメン!イッツショーターイム!!」
一方その頃、アメリカ国土を侵攻中だったタマは、いよいよホワイトハウスの目前にまでやってきていました
しかしそのホワイトハウスに万全の布陣を敷き、秘密兵器のメカを導入してタマ捕獲作戦を開始したミナミ!
アメリカ政府の高官や無数の報道陣が見守る中、ミナミは思いっきりハイテンションでそのメカを起動させます
デントン先生が頼りにならない今、もはやこのミナミの手腕に期待した方がいいのだろうか…
《有効射程距離まで、あと30秒》
(くくくく…私の時代が今、幕を開ける…!!)
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「(ビターンビターン)あああああああ!!
なんでもいい!止まってえええええええ!!」
ピコーン!!
「へっ?」
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「さあ…タマ捕獲作戦んんんーっ!!」
ピタッ
《…タマ、移動を停止しました》
「は…?はあああああああああ!?」
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ゲエエーッ!?デタラメ操作で解決キター!!なんのコントだよコレー!!
なんとミナミが自慢の秘密兵器をお披露目しようとしたその時、偶然にもタマの緊急停止スイッチをぶっ叩いてしまったデントン先生!
世界各地に転がっていたタマは、まるで時間でも止まったかのようにビタッと完全に静止してしまうことに!
わいわいがやがや
「いや〜めでたいめでたい!性能のよく分からん兵器に
頼る必要もなかったですなぁ、はっはっは!」
「フフフ、心配して損しましたよ」
「まったくですなぁ、ははははは!」
「ぐぐぐぐッ…!誰が…!誰が私の邪魔をぉぉぉぉッッ!!」
ともかくこの地球上からタマの恐怖は消えてなくなり、まるでパーティ会場のように談笑を始めた政府の高官たち。
その中でたった一人わなわな怒りに震えているのは、もちろんドクターミナミです。
自分のお膳立てを全てパーにされたわけなので気持ちも分かりますが…
それにしてもミナミ、「それでは皆さんご覧あれー!」とこんなポーズを取った瞬間にタマが停止したわけですから、
「これがハンドパワーです!全て私の手柄です!!」とか言い張れば
少しは立場もマシになったんじゃ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン まあ世界各地で止まってるから速攻バレるだろうけど…
ゴッバオオオオオオオン!!
「ふぅ…終わったな」
「ああ、これでセンターシティに平和が戻る!」
「よかった…ありがとう、ヒーローマン!」
「…」
そしてスクラッグの基地が大爆発とともに消え去る中、なんとか無事脱出して平和が戻ったことを喜んでいたジョーイ達。
そう、スクラッグの脅威はついに地上から去ったのです。明日からは再びのどかな日常が始まる…
全てはこの稲妻から生まれた奇跡のヒーローのおかげです。ありがとうヒーローマン!そしてさようならヒーローマン!
スタン・リー先生の次回作にご期待ください!ヒーローマン・完!!
…とはいかないのがこのアニメの意外なところですよね:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
そう、スクラッグ編は今回で終わりですが、ジョーイ達の物語はまだまだ来週からも続きます
ちょうど北斗の拳で言うなら今回はシンを倒したあたりじゃないでしょうか(えー
しかし「宇宙からの侵略」という壮大なテーマを、わずか9話で片付けるといは思い切ったアニメですねー
何しろつい最近、まったく同じテーマを終わらせるのに40話も使ったアニメが…いえなんでもありません:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
ともかく最近の漫画アニメ業界にありがちな「引き伸ばしすぎてグダグダ」っていう風潮を考えると、
このスピード展開はいい傾向なんじゃないでしょうか。というわけで次回に続く!
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