■HEROMAN 第10話「アプローチ」
 

(スクラッグとの決戦から3ヶ月の時が経った。町には平和が戻ったけど、
 まだ何もかも元通りになったわけじゃない…町のあちこちにスクラッグの爪痕は深く残り、
 沢山の人達が家を失ってしまった。でも、それでも町のみんなは、明日に向かって新たな一歩を踏み出している)

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「現在までの報告によりますと、タマにより破壊された各地の復興は順調に進んでいます」

「ふむ…スクラッグ関連の調査はどうなっているんだ?」

「申し訳ありません、現在も鋭意調査中ではありますが、スクラッグを滅ぼしたコードネーム”ゴースト”が何者かは…」

さて、前回スクラッグ編が決着したことで、今回からは新章に突入したヒーローマン。どうやら今は前回から3ヶ月が経った状態のようですね
アメリカ政府はスクラッグから受けた被害の復旧に力を注いでいるようですが、
その一方で「スクラッグを倒した謎の存在」についても調査を進めているようで…
政府からすると正体不明のジョーイ達は、ゴーストなんて名前で呼ばれてるんですね

「ですが復興にからみ、センターシティでちょっとした事件が起きているのです」

「事件…?」

「いえ、事件と言うほどの事ではないのですが、ガレキの山が朝になったら片付けられていたり…
 地面が整地されていたり…作業用の足場が完成していたり…何者かが復興作業に協力しているらしいのです。
 どれも重機を使っても数週間はかかる作業なのですが、わずか一夜にして行われていまして…」

そんな中で、今まさに復興作業の最中であるセンターシティでは、めんどい作業を寝ている間に終わらせてくれるという
謎の妖精さんが出没していました。これはもちろんジョーイとヒーローマンの仕業ですなぁ
世のため人のため、寝る間も惜しんで頑張っているとはさすがジョーイ君です。

よく「正義の味方は悪党がいなくなったら存在価値がなくなる」なんて話を耳にしますが
やっぱり本当に正しい心を持つヒーローは、悪党なんていなくても自分の力を平和に使っていくもんなんですね
なんだか人類最悪の兵器である∀ガンダムを洗濯機がわりに使ったロランのことを思い出しました(えー

「つまりあの町には、ミスター・ヒーローが潜伏しているということか?」

「そのヒーローが、いつまでも我々に対し友好的だという保証もありません。
 これをご覧ください、町の防犯カメラに映ったものをプリントしたものです」

「これは…」

「このゴーストは、合衆国の脅威と成り得ます」

「…ヒューズを呼べ、この件は彼に任せよう」

って、な、なにィ!?そんな影で善行を重ねるジョーイ君に対し、ピリピリと警戒心を強めるアメリカ政府!
防犯カメラでかすかに映った白い巨人(ヒーローマン)の映像を見るや、「ヒャーこいつは恐ろしい化物だぜ」
腕利きのエージェントを派遣することに決定してしまいます。マジかよおい

まあ事情を知らないアメリカ政府から見たら、ゴーストはアメリカ軍が太刀打ちできなかったスクラッグ基地を
跡形もなく吹っ飛ばしてこの世から消滅させた、恐ろしい”正体不明な何か”でしょうからな…
確かにこれは「敵に回ったらマジヤバイよ」と警戒して当然か…

「リナ、おはよう!」

「おはよう…ジョーイ」

「どう、最近?」

「うん…まあまあ…」

「そ、そう…」

ところがそんな一方で、リナは毎日しょぼくれた顔で元気のない日々を送っていました。なぜかと言うと
スクラッグ兵と化したウィルが、あの決戦の後すぐに「こんな体じゃもう俺は人間の社会で暮らせない」
リナに今生の別れを告げて、人里離れたどこかへ旅立ってしまったから…

考えてみたらウィルはまだ10代なのに、これからずっと人間社会からはみ出た生き方をしなきゃならないんですな…
もともとはくだらない自尊心が原因とはいえ、さすがにこの境遇には同情せずにいられないというか…

「ねえ、リナ…何かあったらなんでも言って。僕も相談に乗るからさ」

「え…?」

「話すだけでも、気分が楽になったりするもんだしさ」

「うん…ありがとう」

そんなリナの姿を見かねて、リナが少しでも楽になればと相談役を買って出るジョーイ。
実際ストレスが溜まった時というのは、何の解決にならなくても口に出して言うというのは物凄く大事なことですからね
ただ黙って一人で抱え込んでるより、誰かに愚痴った方が鬱病やノイローゼを回避できるので…いやマジで

「じゃ…じゃあさ…」

「ん?」

「わ…私と…今度、デート…しよ?」

ってキター!!キター!!我が世の春がきたああああああ!!(えー
な、なんと!早速ジョーイに頼み事を始めたリナですが、それはなんとデートの誘い!もじもじと話を切り出すリナが可愛すぎるんだが…
しかしジョーイにはボソボソ話すリナの声が聞こえてなかったようで、キョトンとしたまま聞き返してしまいます

「えっ、何?」

「わ、私と一緒に…!」

「おーい何やってんだよ二人ともー!急がないと授業始まっちまうぜー!」

「あっ、いっけない!急ごうリナ!」

「えっ、あ…!?」


(C)IF・DF/「薄桜鬼」製作委員会

「サイてめええええええ!!
 なんつータイミングで現れとんじゃい
 このマヌケ!せっかくリナたんが
 告白するところだったっつーのに
 空気読めよスカタンがあああああ!!」

「山南さん分かりましたから!」

「落ち着いてください山南さん!」(えー

ぎゃーなんてこった、もう一度リナが言い直そうとしたところでちょうど姿を現したサイ!空気読んでくれよおおおおお!
「お前ら遅刻ですよ」とサイに言われたジョーイは、リナの話を聞かずに教室へ走って行ってしまいます
やむなくリナは、その後も学校でデートの話を切り出すチャンスをうかがいますが…

(うぅぅっ…な、なんなのよもぉぉぉ!!)

しかし、休み時間になるたんびに男子トイレに駆け込んだり、デントン先生の研究室に顔を出したり、サイとだべったり、
担任の先生に呼び出されたり
と、ジョーイにはまったくデートの話を切り出すスキが見当たらないわけで…
こうなるとリナのイライラはどんどん募るばかりです。どうでもいいけどアメリカでもトイレの表示ってのは変わらないんですね(えー

(こ…こうなったら意地でも誘ってやるわ!この際お邪魔がいても仕方ない!
 とにかく約束を取り付けないと…!)

「それで昨日さあ」

「うんうん」

「ジョーイ!」

「あっ、リナ?」

「あ、あの、話があるの!すぐ終わるからちょっと時間ちょうだい」

「なんだよ、俺はおジャマかぁ?」


(C)冨樫義博/集英社

「ジャマだ」(えー

「ええ!!おジャマよ!!」

「な…なんだよそりゃ…」

そんなわけでついにリナの猛アタック炸裂!放課後の帰り道、ジョーイの横にいるサイに目もくれず正面突破作戦を開始!
しかし何もしてないのに「邪魔なんだよテメー」と言われるサイがさすがに可哀想ですね
ともかくリナは、2人きりで話せる場所へジョーイを連れて行きますが…



「さっ、行こジョーイ!」

「う、うん…でもリナ、僕急いでアルバイトに行かないと」

「大丈夫よ!私も一緒に走…」

ピリリリリピリリリリ

「あら…?パパから?(ピッ)もしもし、うん、うん…えっ!?無理よ、だって今から…えっ、で、でも…!」

「ごめん、急ぐから…!(そそくさ)」

「あっ!?ちょ、ちょっと待って!ジョーイー!!」

ところがその時、タイミング悪くリナ父から急用の電話が!「今それどころじゃないんだよクソ親父」と食い下がるリナでしたが、
ジョーイはもうバイトの時間が目前に迫っていたようで…とてもリナの電話が終わるのを待っていられないジョーイは、
足早にリナの前から立ち去ってしまうのでした。うーむまたしても失敗か…

「(ゴクゴク)ん〜!いいねえ、ここのコーヒーは一級品だ!」

「ありがとうございます、お客さんも復興支援のお仕事なんですか?」

「ん?まあそんなところだ、復興工事のためには大量の労働者が必要だからなぁ。
 ところで君…こんな噂を聞いたことはないか?夜中のうちに誰に頼まれたわけでもなく、
 勝手に復興支援をして行ってくれるヒーローがいるって」

「えっ!?い、いえ、僕は…」

ところがジョーイがいつもの喫茶店でバイトに精を出していると、なにやら新参の客がヒーローマンの噂について嗅ぎ回っていました
これはまさか…「復興支援のお仕事してるんですか?」「まあそんなとこだ」って微妙にうさん臭いやり取りといい、
この男が大統領の命を受けたエージェント・ヒューズなんでは…

「ん〜、そうか…ま、都市伝説みたいなものかもしれないけどな」

「あ、あのう、その噂のこと調べてるんですか?」

「いいや、そんな親切なことをするのはどんな奴だろうと思ってな」

「あ、あはは…(あんまりハデにやりすぎるのもまずいかな…)」

おずおずと「ガチで調査してるんですか?」と尋ねてみるジョーイでしたが、その男からはあっさりと「んなわけないじゃん」という答えが…
むう…しかしすぐに否定したからといって、特命捜査官が自分の正体をペラペラとバラすわけないですからな。ますますあやしい
何よりイケメンなところがあやしい(えー
果たして単なるポッと出の脇役キャラが、こんな無駄にナイスガイな顔をしているものだろうか…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ヒーローマァァン!!アタァァァァック!!」

「オオオオオオオ!!」

ボッゴオオオオオン!!

「よーしそこまで!言うことなしだ!この3ヶ月でずいぶん成長したんじゃないかい、ジョーイ?
 コンビネーションも格段によくなってるし、新たな技も増えたしね!」

その日のバイトが終わった夜遅く、なんと町外れの廃工場で戦闘の特訓を行っていたジョーイ!
一緒に付き合っているデントン先生のセリフからすると、どうやらこの3ヶ月の特訓の成果で
ブラストやオーグメントとは別の新必殺技も習得したようですが…

それにしてもジョーイ、早朝にバイト、昼は学校、夕方から夜にかけてバイト、深夜には町の復興と戦闘の特訓って
マジで暇なんて一秒もない生活じゃないか…どんだけ頑張ってるんだ…健気でいい子すぎるのはよく分かりますが、
そのうち過労で倒れてしまわないか心配ですな…

「あのう、先生。もうスクラッグはいないんだし、それより建築の勉強をした方が町のためにはいいんじゃ…?
 コンクリートの打ち方とか、基礎工事の鉄骨の組み方とか」

「何を言ってるんだいジョーイ!スクラッグだけがこの世界の脅威ではないだろう?
 いざという時のために、準備万端に整えておく必要があるのは当然のことだ!」

「…」

ところがジョーイはそんな戦闘訓練より、もっと町の復興に役立つ建築作業にヒーローマンの力を使いたいと考えていました
穏やかな性格のジョーイらしいですね。しかしデントン先生は「バカヤロウ世界の平和を乱す悪党どもと戦うんだよ」
その考えを一蹴してしまいます。そう、こうしている今も世界の平和を乱す悪党が!悪党が…えーと…悪党…いるかそんな奴…?


(C)島本和彦/小学館

ばかばかしい…
夢を見るのは夜だけに
してくれませんかね
デントン先生…
(深夜だけど)

デントン先生…「スクラッグ以外の敵がいっぱいいるだろ!」ってなんのことを言ってるんだか分からないよ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そりゃ小悪党なら腐るほどいるだろうけど、そんなのわざわざヒーローマンの力を使って成敗するまでもないだろうしなあ

ブオオオンブオオオオン!!

「んっんっ、んんーっ…!」

「えっ…!?リナ!?」

とか言ってたらレイプ魔キター!!な、なんじゃあああああ!?
なんと廃工場を後にしたジョーイが家に帰る途中、物凄い勢いで目の前を駆け抜けていった一台の車!
その車内にはなんと、ガラの悪い男たちに押さえつけられているリナの姿が…な、なぜこんなことに!?
リナのやつ夜中にそんな性的なカッコして歩いてるからァー!!(えー


(C)荒木飛呂彦/集英社

この夜遅くまで遊んでる
堕落した女がァーーッ!!

きっとこんな感じで連れ去られたに違いない。そうに違いない。夜8時を過ぎてフラフラしてる奴は新選組じゃ切腹だし:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「んっん…!んんんんっ…!」

「静かにしやがれ!!恨むんならパパを恨むんだなぁ?
 あんなにハデに慈善事業してりゃ、馬鹿でも金持ちだって気付いちまう!
 娘が狙われるのは当然の成り行きだろ?ヒャハハハハ!」

「そういうこった、パパから金をもらったらすぐ楽にしてやる。それまで静かにしててくれや」

「…!!」

って、そんな暴漢達の目的はなんとリナの身柄を拘束しての身代金!
どうやらリナの家が大金持ちなことを最近になって知り、こんな犯行に及んでしまったようで…
しかも「金をもらったら楽にしてやる」って、どう考えても「殺してやる」って意味で言ってるように聞こえます
なんて治安の悪い町だセンターシティ…こんな強盗殺人が身近にはびこる町だとは、デントン先生の話もあながち的外れってわけでもないのか
とりあえずジョーイの当面の目的は、かよわい婦女子を狙うレイプ魔の成敗ってことになりそうですね(えー

ドッガアアアアッ!!

「ぬうっ!?なんだぁ…テメーはァ!!」

「この道は通行止めだ…他をあたれ」って道路標識を突き刺しながら颯爽とジョーイ登場!
やべえかっけえええええええ!!こんな凶悪犯どもを前にしていながら、この凛としたたたずまいときたらどうでしょうか
ジョーイ君格好良すぎだろ…男の俺ですら妊娠するレベルですわ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「妙な格好しやがって…そこをどきやがれェ!!」

「…」

「無視か?上等だ…!」

「あの雰囲気では俺達を
 行かせてくれそうにないな!
 勝負を挑んでるよリナさん!」

「轢いちまえ!!」


C)武論尊・原哲夫/新潮社

「ああ!そうだね轢いちまおう!」

「うおらあああああーーっ!!」

バオオオオオオオオ!!

そして車の前からどこうとしないジョーイに向かって、アクセル全開で体当たりをブチかまそうとする誘拐犯ども!
しかし、どれほどエンジンを吹かしても車がジョーイに迫ることはありませんでした
なぜなら、その車の背後ではヒーローマンが自慢の怪力でみるみる車を持ち上げていたから…

「うっぎゃあああああーっ!!な…なんだテメーはぁぁぁっ!!」

バキュンバキュンバキュウウウン!!

「…」

「ヒーローマァァァン!アタァァァァック!!」

ドバッチイイイイイイイッ!!

「ひぎゃあああああーーっ!!」

突如として現れたヒーローマンに心底ビビりながら、拳銃を取り出してひたすら乱射しまくる誘拐犯ども!
しかしそんな程度の銃撃なんぞヒーローマンには豆鉄砲同然、いくら直撃したところで「おや、今なんか当たったか?」とまったく効いちゃおりません
そしてヒーローマンの電撃パワーを軽く披露してやると、強盗どもはあっさりその場で気絶してしまうのでした



「リナ…リナ!」

「う…ん…」

「もう大丈夫だよ」

「ジョー…イ…?あ…!ジョーイ…!!」

がばっ

「えっ、リ、リナ!?」

「恐かった…!でも…来てくれるって…信じてた…!」

そして本日のニヤニヤシーンきたこれ  ぬおおーー!!
あまりの恐怖で気を失っていたリナでしたが、ジョーイが助けてくれたことを知るとボロボロ泣きながら熱烈なハグを!
リナがジョーイに命を救われたのはこれで何度目か…しかしそんなピンチに陥るたびに必ずジョーイが助けに来てくれるだけに、
もはやジョーイはリナにとっての白馬の王子様というか、こいつはベタ惚れになるのも当然でしょうね

ドヒュウウウウウウン

「ありがとう、ここでいい…」

「じゃあ、僕は行くね」

「ジョーイ!今日は…あ、ありがとう…」

「うん、おやすみ、リナ!」

ドヒュウウウウウウン

その後はリナをお姫様抱っこで家まで送り届けてあげたジョーイ。それが済むと自分もばびゅーんと自宅まで帰ってしまいます
便利だなーこの能力…さっき爆走する車の前に速攻で先回りできたのも、この北斗無想流舞のおかげですよね。ナギッナギッ
しかしジョーイがこの能力に目覚めたことについてまだ説明がないんですが、
そろそろデントン先生あたりから一言くらい何か言って欲しいところだな…

「…あっ!?デ、デートに誘うの忘れてた…!あぁ…なんで言えないんだろう、こんな簡単なこと…
 ”今度の日曜日、一緒にどこかへ行かない?ジョーイ”って…」

「えっ!?」

「えっ!?」

「あ、あの、こ、これを…」

っておわー!!なんとジョーイが帰ったその直後、ブツブツとリナがデートの誘いを口にしていると、その背後には今帰ったはずのジョーイが!
すごい勢いで帰ってったのになんで!?と思いきや、ジョーイはリナが車内で落とした携帯を渡し忘れていたのです
しかしそのおかげで、ジョーイとリナはついに今度の日曜デートをすることになったという…よかったよかった

それにしてもジョーイとリナが「えっ!?」とお互いに驚くこの光景は
「当店のポイントカードはお餅でしょうか」
「えっ」
「えっ」
「なにそれこわい」
のやり取りに見えてしまうから困る:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

ファンファンファンファンファン

「…こちらスペシャルエージェント・ヒューズ。ミスタープレジデントに報告…ゴーストは実在する」

そしてラストシーン、さっきの誘拐犯たちが警察に連行されていく中、その現場を注意深く眺めていたのは…さっきのイケメンな客!
やっぱりあんたがヒューズだったんですか!それにしてもこの冷ややかな目線、誘拐犯をこらしめただけなのになんとおっかない…
こりゃあジョーイとヒーローマンの正体がバレたら何をされるか分かりませんな…次回に続く!


■HEROMAN 第11話「メナス」
 

「うふふ、うふふ、うふふふふ…デートに誘われちゃったよぉ!何か照れるよねぇ、
 ヒーローマンはどう思う?」

「…」

「あ、でもデートって男がリードしないとまずいのかなぁ、
 リナってどういうところに行けば喜ぶのかなぁ!ねえ、ヒーローマンはどう思う?」

「…」

前回めでたくリナとのデートの約束を交わしたおかげで、今回もまだその嬉しさに身もだえていたジョーイ。
ゴキゲンなあまりセンチュリースープを飲んだトリコみたいな顔をして、オモチャのヒーローマン相手に何度も話しかけていました
というかジョーイってこんなにリナのこと好きだったんですなぁ、今まではリナ→ジョーイの片思い描写がほとんどだっただけに、
実際はきちんと両思いってことで一安心…って

ドンドン!ドンドンドン!

「あっ、お客さんかな?はーいはいはい!どちら様です…」

「んぬおおおりゃああああ!!」

「わっ!?わあーーっ!?」

ドゴワッシャアアアアン!!

なっ!何をするだァーーッ!!ゆるさんッ!!
なんとその時、玄関をやかましくノックする訪問者が、ドアを開けたジョーイにいきなり強烈なバッグ攻撃を!
なんなんだこの暴力女は!ハタ迷惑な通り魔か!?なんにしろとっととお帰り願いたいところですが…

「ね…姉ちゃん!?」

「オラァ!エイリアン!正体を現しやがれェ!!」

「ぐえっ!?ぐ、ぐるじ…僕だよジョーイだよぉ!」

「な〜にフカシてんだオイ?私の弟はドングリみてーに小っせぇんだよ!!」

「よ、4年で背が伸びたんだよぉ!姉ちゃんこそ東海岸で
 バンドのツアーをしてたんじゃなかったのぉ!?」

ゲェー!?なんとこの暴力的なメスゴリラの正体は、4年もの間家をほったらかして遊び歩いていたジョーイの姉!
しかし似てるのは目の色だけで他はどこを取っても似てないですな…
特に性格の方は傍若無人でワガママで乱暴者で自己中な人でなしという感じで、ジョーイとはまるで正反対です(えー
ともかくそんなジョーイの姉・ホリーは、センターシティがスクラッグに侵略されたと聞いて、今ごろこの実家に駆けつけてきたようですが…



「わああああーっ!!そ、それ、僕が大事に取っておいた期間限定カボチャ味!」

「いいだろ別に減るモンじゃなし(バリバリムシャムシャ)」

「いや減ってるじゃない!減ってるじゃない!」

「ケチケチすんなよッ!!(ドカッ)」

「う、うわーっ!!」

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ドンドンバンバン!

「い、今入ったばかりだからぁ!」

「旅の汚れを落としてーんだよ!私が先だ!この際一緒に入るか?あ?」

「わああああ!!ね、姉ちゃん何脱いでんの!」

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「あーん?なんだこりゃ?」

「ああ!?こ、これだけは!これだけは勘弁してぇ!」

「ハッ、いい歳こいてそんなオモチャいじくり回して、みっともねー。
 なあジョーイ、お前いくつになったんだ?それになんか高そうじゃんそれ、
 売り飛ばせば金になるんじゃねーの?」

「…冗談でもやめてよね!ヒーローマンはオモチャでも売り物でもない!僕の友達だ!!」

「ぶふっ!?ぶわっはっはっはっは!友達!?そうか友達かぁ!?
 こりゃケッサクだ!あーっはっはっはっは!」


(C)武論尊・原哲夫/集英社

おい、こいつから
殺していいのか?
(えー

こ…このクソ姉心底うぜえええええ!!ジョーイが大事に取っておいたシリアルをむさぼり食い、
抗議するジョーイを突き飛ばして牛乳まみれにし、風呂で牛乳を洗い流すジョーイに
「どけよ私が先だ」と言い、
ヒーローマンを金になるから売り飛ばせと言い、それを拒否するジョーイを笑い者にする
という…

ピキピキ(#^ω^)やることなすこといちいち全てが腹立つ奴め…ジョーイの姉でありながら、どうしてここまで性根の腐った女になってしまったのか…
いやむしろ、この姉がジョーイより先に汚れた部分の塊として生まれたから、ジョーイ君にはきれいな部分しか残らなかったという
考え方もできるんじゃ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  そう考えると、むしろこの姉には感謝しなくてはならないのかもしれません(えー

「あ…あの悪魔が帰ってきたってのか!?な、なんてこった…
 しばらくジョーイの家には近づけないな…」

「うん…半日一緒にいただけでクタクタだよ…」

「ホリーかぁ…うう、思い出すぜあの暗黒の幼少時代を…
 あんだけケンカっ早くてガサツで腕っぷしが強くて空気読めない女、なかなかいないよな…」

「誰が美しくてエレガントでおしとやかだってぇ?」

「げぇっ!?ホ、ホリー!?」

ジャーンジャーン!げぇっ関羽!というわけでホリーのことはサイも「悪魔」と呼んで恐れていたようで、
小さい頃のホリーとの思い出は、ジョーイとサイにとって最悪のトラウマとなっているようです
あの乱暴者のウィルにすら物怖じしなかったサイがこうもビビるとは…いじめっ子より酷い存在の姉って一体なんなんだよ(つд`)

ドッゴオオオオオオオン!!

「…!?なんだ、爆発か…?」

「あの、何があったんですか!?」

「事故が起きたんだ!なんでも人が取り残されてるんだとか…
 例のでっかいタマで壊れちまったビルだからな…
 足場が悪くて、レスキュー隊も助けに行けないらしいんだ!」

「た…大変だ!!」

ズダダダッ!!

「ちょっ…おいジョーイ!どこ行くんだ!!ジョーイ!」

ところがジョーイ・サイ・ホリーの3人が久々に揃ったその時、近くのビルから物凄い爆発音が!
何事かと思って現場に急行してみると、何やら爆発事故が起こってビルの中に生存者が取り残されているとか…
このビルは、タマに破壊されたせいもあってすでに半壊状態…レスキュー隊もこれでは手が出せず、
やむなくジョーイはヒーローマンを変身させてビルへと飛び込んで行きますが…

「事故が起こったのはここか…!逃げ遅れた人は…」

ビカァッ!!

「えっ!?」

「やはり現れたな。ずっと君を探していたんだ、やっと会えたな…ミスター・ゴースト。
 騙しうちをしてしまった非礼は詫びよう。だがこうでもしないと会えないと思ってな…
 安心してくれ、人は遠ざけてある」

って、突如としてビルの一室から放たれた強烈なライトの光!そこで待ち受けていたのはなんと例のエージェント・ヒューズ!
そう、このビルで爆発事故は、ヒーローマンをおびき出すためにヒューズが偽装した罠だったのです
これでヒーローマンはまんまとヒューズに姿を見られてしまったわけですが…ただ、ジョーイはとっさに物陰に隠れたので
ヒューズに気づかれてはいないようですね

「君には色々と聞きたいことがある。スクラッグとの関連性、
 最近君が行っていると思われる慈善事業の数々…が、まずは君が何者なのか、
 聞かせてはくれないか?」

「…」

「…」

「…」

「…だんまりか…それとも会話はできないのかな?」

(ヒ、ヒーローマンを探していたって…それじゃこれは罠…!?
 逃げ遅れた人っていうのは嘘なの…!?)

わりと友好的にヒーローマンへ話しかけてくるヒューズでしたが、知っての通りヒーローマンは会話の機能を持たないロボット…
「なにさっきから黙ってんの?」と2人の会話が成立しない中、ジョーイは物陰で「どうしようどうしよう」とあたふた慌てていました
ヒューズと話すならジョーイが口を開くしかありませんが、果たしてジョーイの判断は…


(C)荒木飛呂彦/集英社

「逃げるんだよオオオオオオーーッ!!」(えー

(行こうヒーローマンッ!!)

ズダダダダダダ!!

「むっ、おいおい…まだ話は終わっていないぞ!!」

ジョーイの決断はヒューズ完全無視!即座にヒューズに背を向けると一目散に逃亡を開始!
むう…どうやらジョーイは、ヒーローマンの存在が世間に知れ渡るのを極端に恐れているようですね
逃げてる間も「まずいまずいまずいまずい!」と頭の中はそれ一色で、ヒューズと話し合うことはまったく考えていないようです

「待てッ!!人の挨拶くらい最後まで聞くもんだ!!」

ズダダダダダダ!!

(な、なんとか、なんとかしないと…!)

ヒーローマン…
お前ならこの状況…
どう切り抜ける!?
切り抜けるってのは
ちょいと違いますね…
ブチ壊し抜ける!!(えー

バッゴオオオオオン!!

「ち…!床を抜いてショートカットしたか!!」

ここが廃墟同然のビルということもあり、なりふり構わず床や壁をブチ抜いて逃げるジョーイ達!
その時モクモク発生した砂煙がちょうどいい目くらましになり、ジョーイ達はなんとかヒューズを振り切りビルから脱出しますが…

「ったくジョーイの奴、一体どこうろついてん…」

ズバアアアッ!!

「え…!?」

「…」

「ク…クール…」

ってぐわー!一難去ってまた一難!砂煙を突っ切ってビルから飛び出したその時、なんとホリーにその姿を目撃されてしまうヒーローマン!
しかもヒーローマンのたくましい姿を見て、ホリーはすっかり一目惚れをしてしまったようで…うわあこれは厄介なことになりそうな…


(C)IF・DF/「薄桜鬼」製作委員会

「コイツさっきヒーローマン売り飛ばせとか
 散々コケにしてたじゃん!
 今さらクールとか酷くないすか!?
 いくらジョーイ君の白濁液ぶっかけとか
 演出しても俺は許さないからね!
 ふっざけんなよ!頭ハゲろ!!」

「山南さん分かりましたから!」

「落ち着いてください山南さん!」(えー

うーん正直この姉の酷さは許容範囲を超えてるな…実はそろそろヒーローマンの評価を星4つに上げておこうと思ってたんですけど
今回この姉が出てきたせいで思いとどまってしまいました。むしろ今回の話だけなら星2つレベルの微妙臭が…ああ…
せっかくここまできちんと作品の土台作りをしてきたんですから、ポッと出の姉一人にそれをブチ壊しにされるのは勘弁してほしいところです。次回に続く!


HEROMAN 第12話「ストーカーズ」
 

「(ぼけーっ)」

「ジョーイ、おいジョーイ?」

「…えっ?あっ、す、すみません!」

「どうしたんだいジョーイ、心配事かい?」

「えっ…!い、いえ、まあ…」

「そうか…」

さて今回の冒頭の場面、仕事中にも関わらず上の空で何か考え事をしていたジョーイ。
仕事熱心なジョーイ君にしては少々珍しい光景です。しかし気になるのはやはり、今日もヒューズが客として目の前に座っているということか…
前回ジョーイはあの廃ビルで、ヒーローマンに語りかけたヒューズの声を聞いているはず…もしかしてヒューズの正体に気づきつつあるのでは…?

「…あ、あの、お客さん…もしお客さんが…!」

「なあジョーイ、もうそのお客さんっていうのはやめないか?俺の名はアクセル・ヒューズだ」

「は、はい、それで…実は明日ですね…」

「ふんふん…なに、デート!?」

ってデートの事で思い悩んでただけかー!!なんだそれー!!
ヒューズ全然関係ないじゃないか!例の廃ビルの罠のことで悩んでるかと思ったら…ジョーイ…
まあ確かに前回から「デートってああした方がいいのかなぁ、こうした方がいいのかなぁ」って悶々としてはいましたけど…

「リナぁー!ごめん、待った?」

「ううん、私も今来たところ!」

(なに言ってんだ、30分も待たされてたじゃないか!)

(しかしサイ…これはプライバシーに踏み込みすぎなんじゃないのか?)

(そんなことありませんよ教授、こいつは友情!心配してやってるんだから後ろめたい事なんかなんにもない)

(これはどう見てもただのストーカーだろう!!)

(ちょっ、大声出さないで!ジョーイの人生初デートなんだ、こういう時に俺達がサポートしてやらないで
 どうするんですか!)

そんなわけでついに迎えたデート当日、「ごめん待った?」「ううん今来たところ」とお決まりのやり取りから2人の1日が始まりますが…
しかしコソコソと茂みからそんな2人を眺めていたのは、出歯亀をしにやってきたサイとデントン先生でした
邪魔でもする気なのかと思ったら、逆にデートを上手く行かせてやろうと協力する気満々のようですが…
なんだか猛烈に悪い予感がするのう(えー

「わぁぁーー!!海なんて久しぶり!ねえジョーイ、泳ごう!」

「う、うん!」

「いやっほぉぉぉーー!!」

水着キター!!ウホァーー!!手始めにジョーイとリナが向かったのは海!
それにしても水着姿のリナが可愛すぎて困る、普段はチア服しか着てないリナですが
こうして私服や水着を着てる姿は新鮮というかなんというか、いつにも増して可愛く見える感じですなぁ

(まさか、僕とリナにこんな日が来るなんて…!)

「どうしたのジョーイ、早く!早くぅ!」

「あ、うん!」

そんなリナの姿にジョーイもすっかり悩殺されてしまったようです。「まさかこんな日が来るなんて…!」と
まるで「我が世の春が来たぁぁぁ!」と言わんばかりの喜びよう。(えー
キャッキャウフフとお互い楽しそうに水をかけ合う2人のデートは、今のところ順調そのものですが…

「ヒャッハッハッ、金持ちの嬢ちゃんかぁ!逆立ちしたってジョーイとは釣り合わないなぁ!」

「だからそれを手助けしてやろうって言ってんだよ」

「あら…?デントン先生、一体何をしているの?」

「へっ!?コ、コリンズ先生!?」

ところがこっちの出歯亀部隊の方は、バカ姉のホリージョーイの担任のコリンズ先生まで合流して、ますます人数が増えていました
何か手助けするスキはないかと様子をうかがっているようですが、ジョーイ達のデートはあまりに順調すぎて
これまでまったくサイ達はやる事がなかったようです、しかし関係ないけど↓の水浴びしてる絵、波が下半身を隠してるせいで
どう見てもジョーイ君がすっぱだかにしか見えないのが相当やばいことに:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「おっ…?見ろ!あれは昼飯に行くつもりじゃ!?」

「えっ!?」

「やっぱりレストランへ向かっている…!まずい!まずいぞこれは!
 ジョーイはこんな高級レストランへ行ったことはない!反対にリナはお金持ちのお嬢様…!
 ジョーイはその目の前で、まともな注文をできずに赤っ恥をかくことになる!」

「い、いけないわ、いけないわ…!」

「なんとかしなくては…!このままではジョーイが!!」

ところがその時、水遊びを終えたジョーイ達に新たな動きが!ひとしきり海で遊んでお腹が空いたのか、海辺にある高級レストランへと
入って行ったようで…いつもビンボー生活のジョーイにとっては、高級レストランなんて足を踏み入れたこともない未知の領域…
かつてない危機を感じたデントン先生は、この窮地を打開するべく策を練り始めますが…

「ここのお店けっこう美味しいのよ!ジョーイは何にする?」

「えーっとぉ…」

「あ、あらぁ!2人とも偶然ねぇ!ジョ、ジョギング中に立ち寄ったら、
 あなた達に出くわしてしまったわぁ!」

「えっ!?コリンズ先生!」

「こ、ここのお店はね?キャビアのサラダとクラムチャウダー、メインはロブスター、
 デザートはパンナコッタがオススメよぉ!そ、それじゃあー!(ドタドタドタ)」

「…?」「…?」

ゲェー!?そんなジョーイにさりげなくお勧めメニューを教えるべく、なんとコリンズ先生を突撃させたデントン先生!
どう見ても不自然だから!!いきなりオススメ料理を語って去って行った意味不明なコリンズ先生に、
ジョーイとリナはあっけに取られて顔を見合わせるばかりです。それにしてもオススメがキャビアのサラダって…
もう少しジョーイのサイフのことも考えてやれよ!(えー

あぁ…それにサイフと言えば、もしかするとジョーイって新しいサイフなんか買ったことなくて
「支払いは任せろー(バリバリ)」「やめて!」
マジックテープ式のサイフで赤っ恥をかくことになるんじゃあ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ね?生ガキもイケたでしょう?」

「うん、今日はリナが色々注文してくれて助かったよ!」

「今度来た時は、コリンズ先生のオススメも食べてみようね!」

ところがジョーイ達は、そんなコリンズ先生のオススメ品を完全無視して生ガキを食っていました。せ、先生ェェー!!
「何言ってんだろうあの先生…あ、店員さん生ガキくださーい」と、どうやらリナには自分なりのオススメ品があったようで、
今日のところはそれを注文して、2人とも楽しい食事を堪能したようです。なんたる順調な…マジでサイ達の出る幕ないですね

(うん…?)

「(こそこそこそ)」

(やっぱりいた…)

ところがレストランを出たその時、コソコソと様子を伺うサイ達に勘づいてしまったジョーイ。
今度はショッピングモールで買い物やお茶をし始めたジョーイ達ですが、出歯亀部隊4人の存在がどうにも落ち着かないようです
しかしさっきからレストランとか喫茶店とかお金をポンポン使ってますが、ジョーイの所持金はいつまで持つのだろうか…(えー
支払いは全部リナに任せてるんだとしたら、それはそれで心配だ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「(ぱしっ)」

「え…?」

「リナ!」

「は…はい…!」

「走るよ!(ドドドドドド)」

「えっえっ、ええええええ!?」

「なっ!?くそ、気づかれたか!」

とその時、大胆にもリナの手を握って突然駆け出したジョーイ!どうやら出歯亀部隊から逃げ出したいようですが、
急に手を握られたリナは真っ赤っ赤であります。そして2人でドタバタと逃避行を続けた結果、
ついにショッピングモールを飛び出して出歯亀部隊を完全に振り切りますが…

「あ〜見失っちまった、あいつ昔っから逃げ足だけは速かったからなぁ」

「はあふう…外まで出ちゃえば、もう大丈夫!」

「ね、ねえ、何が大丈夫なの?急に走り出したりして…」

「えっ、ああ、それは…」

《先ほどのニュースの続報をお伝えします!制御不能となった復興支援用ロボットが、
 ついに暴走し始めた模様です!ロボットはセンターシティの中心部へと向かっており…!》

「えっ…!?」

ところがショッピングモールの外へとやってきたその時、町のモニターから「制御不能になった巨大ロボットが暴れている」との緊急ニュースが!
しかもその巨大ロボはまっすぐこの町に向かってきているとか…せっかくタマから受けた被害から復興しつつあるというのに、
再び巨大ロボに破壊されてしまったら…そんなことをジョーイが黙って見ているはずがありません

「…ジョーイ、やっぱり…行くんだよね」

「え…?」

「ううん…行って!ジョーイはヒーローだもの!」

「…うん!」

やはりそんなニュースを聞いた途端、「町がやられるのを黙って見てられない」という顔つきに変わっていたジョーイ。
そのことに気づいたリナは、ジョーイの背中を押して現場に送り出してあげることにします

「私のことは気にしないでいいわ、今日は十分楽しん…」

「戻ったら!遊園地に行こう!」

「えっ…?遊園地?」

「必ず戻る!だから、待っててくれる?」

「…分かった!後で一緒に観覧車に乗ろう!」

「うん!」

「やっつけてきて…!」

「行ってくる!!」

ところが戦いへ向かう前に、「すぐに片付けてくるから遊園地で待ってて」と必ずデートを再開することを約束するジョーイ。
その約束に深くうなずいたリナは、ジョーイが帰ってくるまで遊園地で待つことにしますが…
お、おいおいこれは「俺、この戦争が終わったら彼女と結婚するんだ」的な死亡フラグじゃないですか!?(えー
全然この約束叶いそうにないですよ!まさか死ぬなんてことはないでしょうけど、遊園地で待つリナの前にジョーイが帰ってくることはないのか…?

「だ、大丈夫なんですかぁ?暴走のフリなんかしちゃって…」

「会社の評判、ガタ落ちだなぁ…」

「ひょぉぉぉうばぁぁぁぁん!?お前達ィ!MRー1を暴走させろと持ちかけてきたのは、
 軍の上にいる大統領直属機関だぞ!?」

「と、ともかくこのMRー1で、ゴーストを叩き潰せってことなんですよね…?」

「報道も来ているようだから、ゴーストを倒すことが出来れば、MRー1が最強の武器であることを全米に証明できる」

「あ、ああ…それであんなふざけた申し出を受けたんですか。軍がMRー1を正式採用すれば、
 全世界への投入は約束されたようなもの…」

ところがなんとその暴走ロボットというのは、ドクターミナミが開発した新兵器・MRー1のことでした。
しかも暴走というのは真っ赤な嘘、どうやらこの騒ぎはミナミ達が故意に引き起こしているようですが…?

そう、これもまた前回の廃ビル爆破と同じで、ヒーローマンをおびき出すためにヒューズが仕組んだ罠だったのです
そもそもこのMR−1は、あのタマ事件の時に「イッツショーウターイム!」とミナミがタマを止めようとしたロボット…
あの事件を華麗に解決していれば、今ごろは全世界で脚光を浴びているはずでしたが…

結局タマ事件がああいう終わり方をした今、「MR−1?ショベルカー代わりにでも使っとけよ」とミナミ自慢のMR−1は
辺境の町でどうでもいい扱いを受ける有様…そんなMR-1の名誉挽回を狙うためには、ヒーローマンをぶっとばして
「MR−1はすごいぞー!かっこいいぞー!」という姿を世間に見せつけるのが一番というわけですな
だからミナミは、「暴走事故を装ってゴーストをおびき出してくれ。あとは好きにしていい」というヒューズの申し出を受けたわけで…

(急がないと町に突っ込んじゃう…!)

ドドドドドドド!

(…また罠かもしれない…でも…とにかく今は、あのロボットを止めなきゃ!)

「ヒーローマァァン!エンゲージ!!」

バッシュウウウウン!!

「ヒャッハァァァァ!!来たかァゴーストぉぉぉぉ!!
 会いたかったぞ貴様になあああああ!!」

そしてついにミナミ達の前に姿を現したヒーローマン!それを目にしたミナミは「ウヒャアー!ここで会ったが百年目!」とばかりに
すかさずMR−1での猛攻撃を開始!MR−1はミナミの動きをある程度トレースして動くロボット、
そしてミナミは次々と豪快なパンチやらチョップやらを繰り出し、息つく暇もないほどの連続攻撃を仕掛けますが…

「いよぃしょあーーっ!!ぬおあああーーっ!!」

ドガアアアンバゴオオオオン!!

「だはははは!この程度か!?この程度なのんかあああ!?
 舐めてもらっては困るなァ!私のテクノロジーの結晶をぉぉぉ!」

「ヒーローマァァン!フィニィィィーーッシュ!!」

ぼぐしゃー!!

「…え…」

うわあああああヒーローマンの一発KOキター!!なんつー結末だコレー!
調子に乗ってやりたい放題やっていたミナミのMR−1に向かって、ヒーローマンの手痛い反撃が炸裂!そんなパンチ一発でMR−1即死!
い…一撃で…一撃で撃破か…?ええい…!連邦軍のモビルスーツは化け物かぁ!!(えー

まさかの一発KOを目にしてミナミは完全に茫然自失…しかしある意味よかったですねミナミさん!
このヒーローマンより遥かに強烈なパワーを持つタマとMR−1を激突させていたら、それはもうゴミのように粉砕されるMR−1の姿を
全世界に放映されるところだった:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  これが不幸中の幸いっていうやつか…(えー

「リナ!お待たせ!」

「あ…!町は大丈夫だった?」

「うん、なんとか食い止めてきた!」

「よかった…!」

「あっ…」

「…やっぱり、もう閉まっちゃったみたい」

そういうわけでさっきの死亡フラグもなんのその、無事にリナの待つ遊園地へとやってきたジョーイ。
しかしミナミと戦った場所からは遠すぎたんでしょうか、着いた頃には辺りは真っ暗、遊園地もすでに閉場時間を過ぎていたようで…
ジョーイが戻ってきてくれて少し嬉しそうなリナでしたが、やはり約束が叶わなかったことはそれ以上に寂しいようで…

「心配ない!!」

「え…?」

ところが、それでも心配いらないと胸を張ってリナに笑いかけるジョーイ。一体どういうことなんでしょう、
リナにこうまで言ってのけるジョーイの秘策とは一体なんなのか…?

バリバリバリバリバリバリ!

ってヒーローマンさんやー!!な、なんと!すでに電源の落ちていた観覧車を動かすための秘策、
それはヒーローマンを発電機がわりにして、観覧車の電源をONにするという離れ業!
そんな電流のさじ加減まで可能とはなんと便利なヒーローマン、それにしても「あの2人うまくやってるかなぁ」という顔で
ジョーイ達を見上げるヒーローマンが、なんだか妙に人間味があっていい感じですね

「わぁぁぁーっ!!すっごぉぉぉーい!!」

「ごめんね、本当はゴンドラの中に乗りたかったんだけど」

「いいの!こんな体験なかなか出来るもんじゃないし!」

「ふふふ…(ありがとう、ヒューズさん)」

そんな観覧車の上に乗ってぐるぐる回るという珍しい体験に、リナは相当な大興奮をしている様子。
それだけ気に入ってもらえて何よりですが、なぜかジョーイは唐突にヒューズへのお礼を言い出しました
な、なぜここでヒューズが?リナが満足してくれたことと何か関係があるんでしょうか…?

『デートに上手く行くコツなんてないさ、そんなこと考えずに自然体で行くんだ。
 あ、そうそう…女の子は夜景に弱い。それだけは言えるかな』

って…ここでジョーイが回想したのがヒューズからのアドバイス。どうやら冒頭でヒューズにこんなことを言われていたようですね
女の子は夜景に弱い…だからリナと一緒に観覧車に乗ることを思いついたわけですか
ともかくそんな観覧車作戦は大当たり。リナとすっかりいい雰囲気になったジョーイは、そっと手を握ろうとリナの方へ手を伸ばしますが…

ぺとっ

「…?」

「あっ!?あ、あはは…」

ところが今はヒーローマンを制御している真っ最中!そう、ジョーイの手には例のデバイスが装着されっぱなしだったのです
この状態じゃ手を握るなんて全然できないわけで…そのことをすっかり忘れていたジョーイは、
デバイスでぺとぺとリナに触ってしまって少し気まずくなってしまいます

「ふふふ」

がばっ

「わっ、わわっ!?あはは…」

ところがジョーイの心境を察したリナが、大胆にも腕を思いっきり絡ませて抱きつき攻撃を開始!むひょー
もう完全にラブラブでどっから見ても両思い、そんな風にリナと気持ちが通じ合ったジョーイは、もう一度心の中でヒューズにお礼を言うのでした

(ヒューズさんのおかげで…デート、上手く行きました!)

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「む…?こいつは…!」

「エージェント・ヒューズ、何か見つけたんですか?」

「ああ…ゴーストと一緒に少年を見つけた…!これは…ジョーイ・ジョーンズ…!」

ところがその噂のヒューズの方で大変な事態が!今回のヒーローマンとMR−1の戦いを解析していたヒューズは、
ついにヒーローマンを操っているジョーイの姿を発見してしまったのです。ジョーイがデートのことを感謝している一方で、
こんな事態が起こっていたとはなんという皮肉な…今回のことで友人のような関係になったジョーイとヒューズですが、
これは早くもその関係に終わりが来ることになるんでしょうか。次回に続く!






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