■HEROMAN 第10話「アプローチ」
(スクラッグとの決戦から3ヶ月の時が経った。町には平和が戻ったけど、
まだ何もかも元通りになったわけじゃない…町のあちこちにスクラッグの爪痕は深く残り、
沢山の人達が家を失ってしまった。でも、それでも町のみんなは、明日に向かって新たな一歩を踏み出している)
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「現在までの報告によりますと、タマにより破壊された各地の復興は順調に進んでいます」
「ふむ…スクラッグ関連の調査はどうなっているんだ?」
「申し訳ありません、現在も鋭意調査中ではありますが、スクラッグを滅ぼしたコードネーム”ゴースト”が何者かは…」
さて、前回スクラッグ編が決着したことで、今回からは新章に突入したヒーローマン。どうやら今は前回から3ヶ月が経った状態のようですね
アメリカ政府はスクラッグから受けた被害の復旧に力を注いでいるようですが、
その一方で「スクラッグを倒した謎の存在」についても調査を進めているようで…
政府からすると正体不明のジョーイ達は、ゴーストなんて名前で呼ばれてるんですね
「ですが復興にからみ、センターシティでちょっとした事件が起きているのです」
「事件…?」
「いえ、事件と言うほどの事ではないのですが、ガレキの山が朝になったら片付けられていたり…
地面が整地されていたり…作業用の足場が完成していたり…何者かが復興作業に協力しているらしいのです。
どれも重機を使っても数週間はかかる作業なのですが、わずか一夜にして行われていまして…」
そんな中で、今まさに復興作業の最中であるセンターシティでは、めんどい作業を寝ている間に終わらせてくれるという
謎の妖精さんが出没していました。これはもちろんジョーイとヒーローマンの仕業ですなぁ
世のため人のため、寝る間も惜しんで頑張っているとはさすがジョーイ君です。
よく「正義の味方は悪党がいなくなったら存在価値がなくなる」なんて話を耳にしますが
やっぱり本当に正しい心を持つヒーローは、悪党なんていなくても自分の力を平和に使っていくもんなんですね
なんだか人類最悪の兵器である∀ガンダムを洗濯機がわりに使ったロランのことを思い出しました(えー
「つまりあの町には、ミスター・ヒーローが潜伏しているということか?」
「そのヒーローが、いつまでも我々に対し友好的だという保証もありません。
これをご覧ください、町の防犯カメラに映ったものをプリントしたものです」
「これは…」
「このゴーストは、合衆国の脅威と成り得ます」
「…ヒューズを呼べ、この件は彼に任せよう」
って、な、なにィ!?そんな影で善行を重ねるジョーイ君に対し、ピリピリと警戒心を強めるアメリカ政府!
防犯カメラでかすかに映った白い巨人(ヒーローマン)の映像を見るや、「ヒャーこいつは恐ろしい化物だぜ」と
腕利きのエージェントを派遣することに決定してしまいます。マジかよおい
まあ事情を知らないアメリカ政府から見たら、ゴーストはアメリカ軍が太刀打ちできなかったスクラッグ基地を
跡形もなく吹っ飛ばしてこの世から消滅させた、恐ろしい”正体不明な何か”でしょうからな…
確かにこれは「敵に回ったらマジヤバイよ」と警戒して当然か…
「リナ、おはよう!」
「おはよう…ジョーイ」
「どう、最近?」
「うん…まあまあ…」
「そ、そう…」
ところがそんな一方で、リナは毎日しょぼくれた顔で元気のない日々を送っていました。なぜかと言うと
スクラッグ兵と化したウィルが、あの決戦の後すぐに「こんな体じゃもう俺は人間の社会で暮らせない」と
リナに今生の別れを告げて、人里離れたどこかへ旅立ってしまったから…
考えてみたらウィルはまだ10代なのに、これからずっと人間社会からはみ出た生き方をしなきゃならないんですな…
もともとはくだらない自尊心が原因とはいえ、さすがにこの境遇には同情せずにいられないというか…
「ねえ、リナ…何かあったらなんでも言って。僕も相談に乗るからさ」
「え…?」
「話すだけでも、気分が楽になったりするもんだしさ」
「うん…ありがとう」
そんなリナの姿を見かねて、リナが少しでも楽になればと相談役を買って出るジョーイ。
実際ストレスが溜まった時というのは、何の解決にならなくても口に出して言うというのは物凄く大事なことですからね
ただ黙って一人で抱え込んでるより、誰かに愚痴った方が鬱病やノイローゼを回避できるので…いやマジで
「じゃ…じゃあさ…」
「ん?」
「わ…私と…今度、デート…しよ?」
ってキター!!キター!!我が世の春がきたああああああ!!(えー
な、なんと!早速ジョーイに頼み事を始めたリナですが、それはなんとデートの誘い!もじもじと話を切り出すリナが可愛すぎるんだが…
しかしジョーイにはボソボソ話すリナの声が聞こえてなかったようで、キョトンとしたまま聞き返してしまいます
「えっ、何?」
「わ、私と一緒に…!」
「おーい何やってんだよ二人ともー!急がないと授業始まっちまうぜー!」
「あっ、いっけない!急ごうリナ!」
「えっ、あ…!?」
(C)IF・DF/「薄桜鬼」製作委員会
|
「サイてめええええええ!!
なんつータイミングで現れとんじゃい
このマヌケ!せっかくリナたんが
告白するところだったっつーのに
空気読めよスカタンがあああああ!!」
「山南さん分かりましたから!」
「落ち着いてください山南さん!」(えー |
ぎゃーなんてこった、もう一度リナが言い直そうとしたところでちょうど姿を現したサイ!空気読んでくれよおおおおお!
「お前ら遅刻ですよ」とサイに言われたジョーイは、リナの話を聞かずに教室へ走って行ってしまいます
やむなくリナは、その後も学校でデートの話を切り出すチャンスをうかがいますが…
(うぅぅっ…な、なんなのよもぉぉぉ!!)
しかし、休み時間になるたんびに男子トイレに駆け込んだり、デントン先生の研究室に顔を出したり、サイとだべったり、
担任の先生に呼び出されたりと、ジョーイにはまったくデートの話を切り出すスキが見当たらないわけで…
こうなるとリナのイライラはどんどん募るばかりです。どうでもいいけどアメリカでもトイレの表示ってのは変わらないんですね(えー
(こ…こうなったら意地でも誘ってやるわ!この際お邪魔がいても仕方ない!
とにかく約束を取り付けないと…!)
「それで昨日さあ」
「うんうん」
「ジョーイ!」
「あっ、リナ?」
「あ、あの、話があるの!すぐ終わるからちょっと時間ちょうだい」
「なんだよ、俺はおジャマかぁ?」
(C)冨樫義博/集英社
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「ジャマだ」(えー |
「ええ!!おジャマよ!!」
「な…なんだよそりゃ…」
そんなわけでついにリナの猛アタック炸裂!放課後の帰り道、ジョーイの横にいるサイに目もくれず正面突破作戦を開始!
しかし何もしてないのに「邪魔なんだよテメー」と言われるサイがさすがに可哀想ですね
ともかくリナは、2人きりで話せる場所へジョーイを連れて行きますが…
「さっ、行こジョーイ!」
「う、うん…でもリナ、僕急いでアルバイトに行かないと」
「大丈夫よ!私も一緒に走…」
ピリリリリピリリリリ
「あら…?パパから?(ピッ)もしもし、うん、うん…えっ!?無理よ、だって今から…えっ、で、でも…!」
「ごめん、急ぐから…!(そそくさ)」
「あっ!?ちょ、ちょっと待って!ジョーイー!!」
ところがその時、タイミング悪くリナ父から急用の電話が!「今それどころじゃないんだよクソ親父」と食い下がるリナでしたが、
ジョーイはもうバイトの時間が目前に迫っていたようで…とてもリナの電話が終わるのを待っていられないジョーイは、
足早にリナの前から立ち去ってしまうのでした。うーむまたしても失敗か…
「(ゴクゴク)ん〜!いいねえ、ここのコーヒーは一級品だ!」
「ありがとうございます、お客さんも復興支援のお仕事なんですか?」
「ん?まあそんなところだ、復興工事のためには大量の労働者が必要だからなぁ。
ところで君…こんな噂を聞いたことはないか?夜中のうちに誰に頼まれたわけでもなく、
勝手に復興支援をして行ってくれるヒーローがいるって」
「えっ!?い、いえ、僕は…」
ところがジョーイがいつもの喫茶店でバイトに精を出していると、なにやら新参の客がヒーローマンの噂について嗅ぎ回っていました
これはまさか…「復興支援のお仕事してるんですか?」「まあそんなとこだ」って微妙にうさん臭いやり取りといい、
この男が大統領の命を受けたエージェント・ヒューズなんでは…
「ん〜、そうか…ま、都市伝説みたいなものかもしれないけどな」
「あ、あのう、その噂のこと調べてるんですか?」
「いいや、そんな親切なことをするのはどんな奴だろうと思ってな」
「あ、あはは…(あんまりハデにやりすぎるのもまずいかな…)」
おずおずと「ガチで調査してるんですか?」と尋ねてみるジョーイでしたが、その男からはあっさりと「んなわけないじゃん」という答えが…
むう…しかしすぐに否定したからといって、特命捜査官が自分の正体をペラペラとバラすわけないですからな。ますますあやしい
何よりイケメンなところがあやしい(えー
果たして単なるポッと出の脇役キャラが、こんな無駄にナイスガイな顔をしているものだろうか…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ヒーローマァァン!!アタァァァァック!!」
「オオオオオオオ!!」
ボッゴオオオオオン!!
「よーしそこまで!言うことなしだ!この3ヶ月でずいぶん成長したんじゃないかい、ジョーイ?
コンビネーションも格段によくなってるし、新たな技も増えたしね!」
その日のバイトが終わった夜遅く、なんと町外れの廃工場で戦闘の特訓を行っていたジョーイ!
一緒に付き合っているデントン先生のセリフからすると、どうやらこの3ヶ月の特訓の成果で
ブラストやオーグメントとは別の新必殺技も習得したようですが…
それにしてもジョーイ、早朝にバイト、昼は学校、夕方から夜にかけてバイト、深夜には町の復興と戦闘の特訓って
マジで暇なんて一秒もない生活じゃないか…どんだけ頑張ってるんだ…健気でいい子すぎるのはよく分かりますが、
そのうち過労で倒れてしまわないか心配ですな…
「あのう、先生。もうスクラッグはいないんだし、それより建築の勉強をした方が町のためにはいいんじゃ…?
コンクリートの打ち方とか、基礎工事の鉄骨の組み方とか」
「何を言ってるんだいジョーイ!スクラッグだけがこの世界の脅威ではないだろう?
いざという時のために、準備万端に整えておく必要があるのは当然のことだ!」
「…」
ところがジョーイはそんな戦闘訓練より、もっと町の復興に役立つ建築作業にヒーローマンの力を使いたいと考えていました
穏やかな性格のジョーイらしいですね。しかしデントン先生は「バカヤロウ世界の平和を乱す悪党どもと戦うんだよ」と
その考えを一蹴してしまいます。そう、こうしている今も世界の平和を乱す悪党が!悪党が…えーと…悪党…いるかそんな奴…?
(C)島本和彦/小学館
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ばかばかしい…
夢を見るのは夜だけに
してくれませんかね
デントン先生…(深夜だけど) |
デントン先生…「スクラッグ以外の敵がいっぱいいるだろ!」ってなんのことを言ってるんだか分からないよ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
そりゃ小悪党なら腐るほどいるだろうけど、そんなのわざわざヒーローマンの力を使って成敗するまでもないだろうしなあ
ブオオオンブオオオオン!!
「んっんっ、んんーっ…!」
「えっ…!?リナ!?」
とか言ってたらレイプ魔キター!!な、なんじゃあああああ!?
なんと廃工場を後にしたジョーイが家に帰る途中、物凄い勢いで目の前を駆け抜けていった一台の車!
その車内にはなんと、ガラの悪い男たちに押さえつけられているリナの姿が…な、なぜこんなことに!?
リナのやつ夜中にそんな性的なカッコして歩いてるからァー!!(えー
(C)荒木飛呂彦/集英社
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この夜遅くまで遊んでる
堕落した女がァーーッ!! |
きっとこんな感じで連れ去られたに違いない。そうに違いない。夜8時を過ぎてフラフラしてる奴は新選組じゃ切腹だし:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「んっん…!んんんんっ…!」
「静かにしやがれ!!恨むんならパパを恨むんだなぁ?
あんなにハデに慈善事業してりゃ、馬鹿でも金持ちだって気付いちまう!
娘が狙われるのは当然の成り行きだろ?ヒャハハハハ!」
「そういうこった、パパから金をもらったらすぐ楽にしてやる。それまで静かにしててくれや」
「…!!」
って、そんな暴漢達の目的はなんとリナの身柄を拘束しての身代金!
どうやらリナの家が大金持ちなことを最近になって知り、こんな犯行に及んでしまったようで…
しかも「金をもらったら楽にしてやる」って、どう考えても「殺してやる」って意味で言ってるように聞こえます
なんて治安の悪い町だセンターシティ…こんな強盗殺人が身近にはびこる町だとは、デントン先生の話もあながち的外れってわけでもないのか
とりあえずジョーイの当面の目的は、かよわい婦女子を狙うレイプ魔の成敗ってことになりそうですね(えー
ドッガアアアアッ!!
「ぬうっ!?なんだぁ…テメーはァ!!」
「この道は通行止めだ…他をあたれ」って道路標識を突き刺しながら颯爽とジョーイ登場!
やべえかっけえええええええ!!こんな凶悪犯どもを前にしていながら、この凛としたたたずまいときたらどうでしょうか
ジョーイ君格好良すぎだろ…男の俺ですら妊娠するレベルですわ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「妙な格好しやがって…そこをどきやがれェ!!」
「…」
「無視か?上等だ…!」
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「あの雰囲気では俺達を
行かせてくれそうにないな!
勝負を挑んでるよリナさん!」 |
|
「轢いちまえ!!」 |
(C)武論尊・原哲夫/新潮社
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「ああ!そうだね轢いちまおう!」 |
「うおらあああああーーっ!!」
バオオオオオオオオ!!
そして車の前からどこうとしないジョーイに向かって、アクセル全開で体当たりをブチかまそうとする誘拐犯ども!
しかし、どれほどエンジンを吹かしても車がジョーイに迫ることはありませんでした
なぜなら、その車の背後ではヒーローマンが自慢の怪力でみるみる車を持ち上げていたから…
「うっぎゃあああああーっ!!な…なんだテメーはぁぁぁっ!!」
バキュンバキュンバキュウウウン!!
「…」
「ヒーローマァァァン!アタァァァァック!!」
ドバッチイイイイイイイッ!!
「ひぎゃあああああーーっ!!」
突如として現れたヒーローマンに心底ビビりながら、拳銃を取り出してひたすら乱射しまくる誘拐犯ども!
しかしそんな程度の銃撃なんぞヒーローマンには豆鉄砲同然、いくら直撃したところで「おや、今なんか当たったか?」とまったく効いちゃおりません
そしてヒーローマンの電撃パワーを軽く披露してやると、強盗どもはあっさりその場で気絶してしまうのでした
「リナ…リナ!」
「う…ん…」
「もう大丈夫だよ」
「ジョー…イ…?あ…!ジョーイ…!!」
がばっ
「えっ、リ、リナ!?」
「恐かった…!でも…来てくれるって…信じてた…!」
そして本日のニヤニヤシーンきたこれ
ぬおおーー!!
あまりの恐怖で気を失っていたリナでしたが、ジョーイが助けてくれたことを知るとボロボロ泣きながら熱烈なハグを!
リナがジョーイに命を救われたのはこれで何度目か…しかしそんなピンチに陥るたびに必ずジョーイが助けに来てくれるだけに、
もはやジョーイはリナにとっての白馬の王子様というか、こいつはベタ惚れになるのも当然でしょうね
ドヒュウウウウウウン
「ありがとう、ここでいい…」
「じゃあ、僕は行くね」
「ジョーイ!今日は…あ、ありがとう…」
「うん、おやすみ、リナ!」
ドヒュウウウウウウン
その後はリナをお姫様抱っこで家まで送り届けてあげたジョーイ。それが済むと自分もばびゅーんと自宅まで帰ってしまいます
便利だなーこの能力…さっき爆走する車の前に速攻で先回りできたのも、この北斗無想流舞のおかげですよね。ナギッナギッ
しかしジョーイがこの能力に目覚めたことについてまだ説明がないんですが、
そろそろデントン先生あたりから一言くらい何か言って欲しいところだな…
「…あっ!?デ、デートに誘うの忘れてた…!あぁ…なんで言えないんだろう、こんな簡単なこと…
”今度の日曜日、一緒にどこかへ行かない?ジョーイ”って…」
「えっ!?」
「えっ!?」
「あ、あの、こ、これを…」
っておわー!!なんとジョーイが帰ったその直後、ブツブツとリナがデートの誘いを口にしていると、その背後には今帰ったはずのジョーイが!
すごい勢いで帰ってったのになんで!?と思いきや、ジョーイはリナが車内で落とした携帯を渡し忘れていたのです
しかしそのおかげで、ジョーイとリナはついに今度の日曜デートをすることになったという…よかったよかった
それにしてもジョーイとリナが「えっ!?」とお互いに驚くこの光景は
「当店のポイントカードはお餅でしょうか」
「えっ」
「えっ」
「なにそれこわい」
のやり取りに見えてしまうから困る:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
ファンファンファンファンファン
「…こちらスペシャルエージェント・ヒューズ。ミスタープレジデントに報告…ゴーストは実在する」
そしてラストシーン、さっきの誘拐犯たちが警察に連行されていく中、その現場を注意深く眺めていたのは…さっきのイケメンな客!
やっぱりあんたがヒューズだったんですか!それにしてもこの冷ややかな目線、誘拐犯をこらしめただけなのになんとおっかない…
こりゃあジョーイとヒーローマンの正体がバレたら何をされるか分かりませんな…次回に続く!
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