■HEROMAN 第16話「デシジョン」
「ハハハハハ!ハーッハッハッハッハッ!やった…!とうとうやったぞ!
これで私のMR-1が、宇宙最強であることが証明されたァ!
私の発明に対向出来る者は!いなくなったのだァァァァ!!
ハーッハッハッハッ!ハーッハッハッハッハッハ!!」
「(もぞもぞ)」
「…は?な、なんだとぉぉぉ!?」
「ヒーローマンの力の源は電気!ヒーローマンは雷に打たれて誕生したんだ!
たとえどんなに強い攻撃だったとしても!
それが電気の力なら、ヒーローマンがやられるはずがない!!」
な、なんだってー!?ヒーローマンさん全然ダメージ受けてねええええ!!
前回ドクターミナミの電磁パルス砲を食らって、窮地に陥ったかに見えたヒーローマン。
しかしその実態は「もともと電気属性な俺様に電気攻撃とか(笑)」と、まったく効いていなかったことが発覚!
あぁ…これはつまり、御坂さんにスタンガン攻撃がまったく効かなかったのと同じ理屈だということか…(えー
「ヒーローマァァァン!マグネットォォォッ!!」
バチチチチチイッ!!
「ぬうっ!?ええい小癪なぁっ!」
「これでもう距離は取らせない!」
「ふ…ふふふ、ふふふふふ!フハハハハハ!いいだろう…!
受けて立とうではないか!貴様の得意とする格闘戦で完膚なきまで叩き潰してこそ、
MR-1の勝利もいっそう美しく!際立つというものだ!」
そしてミナミの砲撃がEMPの発射で途切れた瞬間、例のマグネットパワーを発動したヒーローマン!
自分とMR-1の間に磁力のクサリっぽいものを作り出し、お互い繋がれた状態でガチの殴り合いをする気のようです
もはや間合いの取れなくなってしまったミナミですが、なんとそんな接近戦を真っ向から受けて立つことに!
ヒーローマンとの接近戦といえばこの間は無様なワンパンKOでしたが、今回は一体どこまで戦えるのか…?
「クサリひとつで勝った気になるな…!引きずり回してくれるわァァァッ!!」
ドガドガドガドガドッガァァァァン!!
「ヒ、ヒーローマン!?」
《ドクターミナミ!いい加減にしないかッ!すみやかに戦闘をやめて投降しろ!》
「投降…?なんの話ですかな?」
《とぼけても無駄だ!お前には国家反逆罪が適用されることになる、覚悟しておけよ!》
「そうですか…それはどうもすみませんでした」
《なっ…》
「なんて事言うとでも思ってんのかよオオオオオ!!
通信はここまでだ!思う存分やらせてもらうぞぉッ!」
ぐわーしかしとんでもない気迫でヒーローマンを完全に圧倒し始めたミナミ!
スパロボで言うなら気力200状態と言いますか、テンションが突き抜けすぎてまったく手がつけられません
さらに今回は、MR-1が人間の形と同じ巨大アームを装備していることも、戦闘力アップに繋がっているようです
以前ヒーローマンに倒された時は、土木作業用のショベルアームを装備してましたからな…
ショベルアームは攻撃面積が少なくて、ヒーローマンにひらりひらりとかわされてましたが
今は避ける場所がないほど巨大な拳でブン殴っているので、ミナミは一方的にヒーローマンへ猛攻を叩き込んでしまいます
《み、みなさん!この光景をご覧いただけますでしょうか!
昨今メディアを騒がせている謎の地球外生物・ゴーストと、
軍事目的で作られたロボット・MR-1が凄まじい死闘を繰り広げているのです!》
「あれは…テレビ局!?」
「マスコミか…クク、ちょうどいい!衆人環視の中、貴様を八つ裂きにしてくれるわぁ!」
ズドドドドドド!!
《ご覧ください!MR-1はスクラッグのタマを止めるために、
軍の要請で出動したことがあります!しかし力を使う寸前にタマが自然停止…
その後はセンターシティの復興支援に回されていました!
そのロボットが今再び戦闘用にカスタマイズされ、激しく暴れまわっています!
対するゴーストは、センターシティにたびたび出没しては復興を助け、
市民の間では正義の味方だと噂されていました!しかし、あるニュースをきっかけに
噂は否定的なものへと変わったのです!そのニュースとは…》
って、そんな両者の激闘の最中、その様子を中継すべく上空にテレビ局のヘリコプターが出現!
そのヘリに乗っていたのは、タマ事件の時からおなじみの金髪リポーター・キーシャ…
もともとヒーローマンを悪者扱いするニュースが大嫌いだったキーシャは、
ここぞとばかりに全国のお茶の間へ、ヒーローマンを擁護するコメントを伝え始めました。うーむこれで汚名返上することができるのか…?
「フフフ…面白いところへ飛び出したなぁ!ここで勝負を決めてやろう!」
ドガアアアンバゴオオオン!
「…!」
「ヒャッヒャッヒャ逃げろ逃げろぉ!いつまでも足場が持つとは限らんがなぁ!」
「な、なんてことを…!」
ところがその時、目まぐるしく戦場を移しながら戦っていたヒーローマン達は、近くに建設されていたダムにやってきてしまいます
ダムの上で対峙する両者でしたが、なんとミナミはダムが壊れるのもお構いなしに猛烈な攻撃を開始!
対してヒーローマンは、ダムへの被害が気になってまともな攻撃を繰り出せないという…
こんなダム決壊を戦術に組み込むだなんて…ユダ様は本当に頭の良いお方(えー
ジョーイ君がいつもナギッナギッしてるから、ついにミナミもチートダムを使い始めてしまったんや…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「砲撃開始ィィィィッ!!」
ズドドドドドド!!
「…!」
「あぁ!?」
「ま、まずいぞジョーイ!」
ビキビキビキィッ!
《ダ…ダムが!?ダムの壁面が、MR-1の攻撃で破壊されていきます!》
さらにダム周辺で戦っているうちに、ダムの中へ転げ落ちて壁を背にする形になってしまったヒーローマン!
するとミナミは、そんなヒーローマンへ向けてめったやたらに腕のスピア弾を乱射してしまう!
スピア弾はヒーローマンとダムの壁に激しいダメージを与え、特にダムの壁はみるみるうちに破壊されてしまいます
こ、こいつ…ダムの近くにはデントン先生が捕まった町もありますから、ダムが壊れたら一体どれだけの被害が出るか…
ドドドドドドドド!!
「グ…ウ…!オオオオオオオーーッ!!」
ドバババババババ!!
「な…!こ、これは!?」
《あぁ!?ゴ、ゴーストが…ゴーストがMR-1のスピアを受け止め始めました!》
「なめおってぇっ!ダムは守れても、貴様のふところはガラ空きだ!!」
ズドドドドドドドド!!
「ムウウ…!ウウ…!オオオオオーーッ!!」
「ヒ…ヒーローマン…!ヒーローマァァァーン!!」
うわあああ!ところがその時、せめてダムだけは守ろうとフルパワーの電撃を発し始めたヒーローマン!
ダムの壁へと向かったスピア弾は電撃で撃墜されていますが、代わりに無防備なヒーローマンがひたすらスピア弾に串刺しにされてしまうことに…
それでもボロボロの体を投げうって、ダムだけは死守しようとするその姿に、キーシャは激しく心を打たれてしまいます
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《ドクターミナミは
何を考えているんでしょうか…!
ダムが破壊されれば、下流の人民に
甚大な被害が出ることは明らかです!》 |
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《にも関わらずドクターミナミの兵器は、
容赦のない攻撃を続け…
世間に悪とレッテルを貼られたゴーストは、
ダムを守ろうと必死の努力を続けています!》 |
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《これは一切編集を加えていない
ライブ映像です!
皆さんはこの映像を見て、
どう感じられるでしょうか!?》 |
|
《私にはこう見えてなりません…!
彼は人類を脅かす存在ではなく…
彼こそが…私達の…
真のヒーローなのだと!!》 |
わたしこそ
しんの ゆうしゃだ!!(えー
ダムを壊そうとするミナミ、ダムを守ろうとするヒーローマン…誰が見てもどちらが正義で、どちらが悪か丸分かりの様子が
キーシャのカメラを通して全米の国民へと中継されていきます。
工事現場のオッサン達も、町を歩く市民も、家でくつろいでいた姉ちゃんも、ホワイトハウスの大統領も…
この状況を見てしまったら、誰もが画面の向こうのヒーローマンを応援しているんじゃないでしょうか
カチカチッカチッ
「チッ、弾切れか…しかし…!」
「……………」
「ククククク…トドメだぁぁぁーーっ!!」
ところがミナミの激しい弾幕が止んだその時、すでに見るも無残な体に変わり果てていたヒーローマン!
無数のスピアの直撃を食らいズタズタになったボディ、さらに全エネルギーを放出し尽くしたせいで体がこんな灰色に…
もはや生命力もまったく感じないようなひどい状態…しかしそんなヒーローマンに、嬉々としてトドメの一撃を放とうとするミナミ!きさまって奴はー!
バチチチッ…バチチチチィッ!
「むおっ!?な…なんだ!?」
って…こ、これは!?このオラにほんのちょっとずつだけ元気を分けてくれ!ってまさかの元気玉!?(えー
なんとミナミがトドメのパンチを繰り出そうとした瞬間、突如として周囲から電気の力を吸収し始めたヒーローマン!
なぜ急にヒーローマンがこんな吸収能力を発揮し始めたのか…?って
「ジョーイ!これで発電施設はフル稼働状態になったはずだ!」
「ありがとうございます!」
「しかし、これで本当に…?」
「ヒーローマンにも、ご飯は必要なんです!」
そんなヒーローマンの電力吸収は、自然にヒーローマンがやっていることではなくジョーイとヒューズによる機転!
そう、ダムと言えばその場所に付き物なのは…水力発電所!ジョーイ達はダムの水力発電を最大にまで高めることで、
発生させた電気をヒーローマンに吸収させていたのです
「ぐっ…まずい…!これはまずいぞッ…!」
グゴゴゴゴゴゴゴ!
「オオオ…オオオオオオオ!!」
そして発電所のパワーをみるみる吸収した結果、ボディの損傷を全て修復して新品同様の体を取り戻したヒーローマン!
さらにブラストのコマンドを起動してもいないのに、電撃が体中から溢れ出るほどの超フルパワー状態!
もはや完全にミナミは詰んだと言っても過言ではないでしょう、あとは目の前の自称宇宙最強ロボをスクラップへと変えるのみ!
「ヒーローマァァン!!ブラストォォォォッ!!」
「ウオオオオオオオーーッ!!」
ドッボガアアアアアアアン!!
「う…ぎゃああーーっ!!」
今までのうっぷんを晴らす超猛烈パンチ炸裂!
ただでさえブラスト状態のようなものなのに、そこへさらにブラストのコマンドを重ねがけした最大火力の一撃!
まるで天を貫くような巨大な稲妻を発生させたその一撃は、ミナミのMR-1をこっぱみじんに吹き飛ばし、ついにこの戦いに決着をつけるのでした
しかしジョーイ君の格好がスポットライトの当たったスーパースターにしか見えなくてこれは吹くな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
《や…やりました!ゴーストの大勝利ですっっ!!》
「「「うおおおおおお!ヒャッホオオオオオ!!」」」
「やったあああああああ!!…こほん」
「ヒーロー様ぁぁぁ…!(ぽわわ〜ん)」
そんな”真のヒーロー”の大勝利に、誰もが興奮し湧き上がっていた全米の人間たち!
あの凶暴なホリーもぽわわ〜んと画面に見とれ、大統領も子供のようにハシャぎまくっていたという…
こんな風に誰もが無邪気になって憧れてしまうところが、まさに真のヒーローと呼ぶに相応しい点かもしれませんね
関係ないんですけどジョーイ達の教室で喜んでる一番左の子、これってスクラッグが初めて襲ってきた時にラジカセ持ってた子ですよね?
この子おっぱいでかいからもっと出番増やしてほし:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
だってリナの乳は小さいから…リナの乳は小さいからァァァ!(えー
(こうして僕たちの逃避行は終わった。
ヒューズさんのおかげで、僕らの濡れ衣は晴れて無罪放免。
後で知ったテレビでの生中継は、ヒーローマンを悪者から正義の味方へと押し上げていた。
マッドサイエンティスト・ドクターミナミとその一味は…)
ガッシャアアアアン!
「「「とほほ…」」」
(こうして僕らはまた、いつもの日常に戻ることができた!)
「ジョーイ、コーヒーのおかわりをもらえるかな?」
「はぁーい!」
そんなわけで政府から逃げ回る生活も終わり、やっと無罪を証明してセンターシティに戻ることができたジョーイ達。
ドクターミナミはあえなくブタ箱入り、リポーターのキーシャは、ヒーローマンの汚名返上に貢献したせいか
マスコミなのに取材をされる側になってしまったようです。
サイとデントン先生もジョーイと一緒に無事戻ってきたようですが、それにしてもデントン先生はよく許してもらえたなあ
この人逃避行の最中に軍事衛星にコンピュータウイルス送り込んで軍のネットワークをまるごと潰したりしてたんだが…
「僕らも勘違いしてたから許してあげちゃう!」ってアメリカ政府はなんて寛大なんだ…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
ともかくこれで第二章・アメリカ政府編は完結ですね。来週からの第三章は一体どういう話になるのやら…次回に続く!
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