■ジュエルペット
てぃんくる☆ 第5話「消えて縮んでドッキ☆ドキ!」
「さて、こちらが魔法物理における基本の方程式になります。覚えてくださいね」
(え…!?ぜ、全然分かんない…魔法学校の勉強も難しいなぁ…)
ある日のこと、いつものように魔法学校に通って授業を受けていたあかり。
今日は魔法物理学ということで数学的な方程式を学んでいましたが、
あかりからしたら「なによこのナメック語ふざけてるの?」と文字の意味すらまったく分からない状況でした
「ではどなたかに、この式を用いて問題を問いていただきましょう。えーっと…サラさん!」
「はい…先生」
「なんですか?分かるところまでで結構ですよ」
「ここ、間違ってます。そしてこれが応用。これが魔法連立方程式(かきかきかき)」
「え、あ…え?え?」
あ…?あ…?そんなワケの分からない問題を当てられたサラでしたが、
「なに書き間違えてんの?応用も分からないの?連立方程式はどうしたの?馬鹿なの?死ぬの?」と
勝手に自分のペースで授業を進めまくってしまい、他の生徒達はドン引きしてしまいます
その中であかりだけは、唯一サラがすごいと感心していましたが…
「うわ〜あ!サラさんって魔法物理得意なんだ!すごいなぁ!」
し〜ん
「あ、あれ…?」
「え、学校一の天才少女!?」
「サラさんが?」
「学力テストはいつも満点。特に魔法物理は、全学年の教科書ぜーんぶ頭に入ってるんだって」
「授業の後も新しい魔法を開発してるニャ」
「新しい魔法…サラさんって本当すごいね!」
「そうかしらぁ?あの子勉強ばっかりで遊びもデートもオシャレもゼロ、だから当然友達もゼロ。
何が楽しくて学校来てるのかしら?私だったら我慢できなーい!」
「えっ、友達も…?」
さらに授業後ミリアに話を聞いてみると、サラはいつもあんな調子のガリ勉女で生徒達のひんしゅくを買いまくった結果、
さっぱり友達ができていないようです。ああ…土曜朝9時半からのアニメで友達がいないなんて…友達がいないなんて…
空海さんのことはもう忘れてやれよ!!(えー
しかし学年一の超天才なサラでさえまだ4年生なのか…5年生のレオンとか一体どんだけ凄い奴なんだろう
「サラさん!私も実験のお手伝いしていい?」
「私もあかりちゃんと一緒にお手伝いするー!」
「別にいいけど…」
「よーし!大事な生徒のために、先生も魔法実験お手伝いしましょー!」
ともかく、友達がいないと聞いて可哀想に思ったあかりは、サラが授業後にやっている実験に付き合うことにします
そしてさっき授業をやっていた新任教師のサルファー先生も、成り行きで一緒にサラの実験を手伝うことに…
「ぎゃあああああ!!た、助けてぇぇぇー!!」
「ひゃー!ドキドキしてきちゃった!」
「私もー!」
「じ、人体やジュエルペットを使った実験はダメだって、あなたも知ってるでしょう!?」
(C)荒木飛呂彦/集英社
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ほほぉ〜魔法知識もない虫けら同然の
たかが若造の先公が、よくもこのサラに
そんな無礼な口がきけたものだ…
今『人体実験はダメ』と言ったな!
おもしろいッ!! |
「校長先生の許可は取ってます」
「サラは優秀だからね」
「マ、マジですかぁ!?」
ところが実験を始めるにあたって、サラが用意したのはなんとヒッポリト星人のカプセルでした。そ、そんな!
なんでも「物体を小さくする魔法の実験」だそうですが、どう見ても生物をブロンズ像に変える実験です。ウルトラ兄弟はやくきてくれー!!
結局サルファー先生が泣き叫ぶ中、「許可取ってあるからいいじゃん」と容赦なく人体実験を開始したサラ。
哀れにもあかり達はスペシウム光線のポーズでブロンズ像に…と思いきや、サラの実験はまさかの失敗。
あかり達は小さくならずに、なぜか逆立ちでしか歩けなくなってしまいます
「おもしろーい!逆立ち出来て嬉しい〜!」
「あははは!逆さウサギ〜!」
「し、失敗したのに喜んでる…」
「変な子…理解不能…」
しかし、そんな逆立ち状態を面白がってキャーキャー騒ぐあかり達。遊ぶという事を知らないサラは、あかりの気持ちが理解できません
それにしてもあかり…こんな丈の短いスカートで逆立ちなんてしたら、
120%パンツ丸見えだと思うんですが、それをこうも「嬉しい〜!嬉しい〜!!」と喜ぶなんて…
まったくあかりはとんでもない痴女だぜ…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ふむ…今度はあの二人が呪文をねぇ…参考になるデータが取れるといいけど」
「行くよルビー!」
「おまかせ!」
ひとまず逆立ち状態からは元に戻ったあかり達ですが、今度は「私らも呪文唱えたいんだけど」と
サラに代わってあかりが物を小さくする魔法を唱えてみることにします。
ところが結果はまたも失敗、物を小さくするどころかジュエルペットをみるみる巨大にしてしまったあかりは、
なんとサラの研究室を跡形もなくブッ壊してしまうことに…
「あぁ…!?ど、どうしよう…!」
「…(ぷいっ)」
「サ、サラさん…!ごめんなさい!ごめんなさいっ!」
「み、右に同じ〜!」
「…」
(ど、どうしよう…こんなつもりじゃなかったのに…私が小さくなっちゃいたいよ…!)
そして大事な研究室を台無しにされたサラは、「ちょとsYレならんしょこれは…?お前ら勝手に研究室壊された奴の気持ち
考えたことありますか?マジでかなぐり捨てンぞ?」と、あかりの顔も見たくないかのように顔をそむけてしまいます。
慌てて謝るあかりですが、何を言ってもサラは無言のまま…もはや穴があったら入りたい気分のあかりでしたが…
しゅるるるるるる
「あ、あれ!?あれれれれ!?」
「ええ!?な…なにこれ!?」
「あっ…!ち、小さくなった!?」
ところがその時、あかりが「小さくなっちゃいたい」と強く思った瞬間、本当にあかりの体が小さくなる結果に!
これは…呪文を使う人がこれくらい強く念じないと効果がなかったってことでしょうか
しかし実験が成功したことを喜ぶ暇もなく、たまたま吹き荒れた突風であかりは思いっきり吹き飛ばされてしまうことに…
ビョオオオオオ!!
「きゃああああ!!た、助けてえええーっ!!」
「…!あかり!ティンクルティンクルマジカルチャーム!
ウィンクルウィンクルジュエルフラッシュ!!」
ところがそんなあかりのピンチに、真っ先に動き出したのは意外にもサラ!
それほどあかりを大事に思っていることがまず意外ですが、今までサラは「ティンクルティンクル○○」と
簡易的な呪文しか唱えてなかったのに、あかりのためにこんな恥ずかしい呪文まで唱えるだなんて…(えー
「行け!あかりの所へ!」
しゅぱああああああ
「きゃああああ…!あ…?サ、サラさん!?」
「良かった…!無事で…」
「あ、ありがとう…でも…怒ってたでしょ…?顔も合わせてくれなかったし…」
「え?あれは…面白かったから」
「ええええええ!?」
「ふふふ…行動が全然読めなかったり、顔がコロコロ変わったり、本当面白い人」
そしてサラの魔法のおかげで無事助かったあかり…って、さっきサラがあかりと顔を合わせようとしなかったのは
自分が必死に笑いをこらえている顔を見られなくなかったからでした。な、なんという…
研究所が跡形もなくブッ壊れた怒りより、あかりの行動の方が面白かったとはサラの奴とんでもねえタマだな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
ともかくこうしてサラとあかりは仲良くなり、サラも「友達がいない」という不名誉な称号は返上することに成功したようです。
次回に続く
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