■聖痕のクェイサー 第8話「双面のアトミス(前編)」
 

「今日から世界史の授業を担当する鳳紳一郎です。
 君達が卒業するまでの間、一緒に有意義な時間を過ごしたいと思います」

「う、嘘ぉ!?」

なんと今回、いきなりまふゆ達の学校へ教師として赴任してきた鳳さん!唐突になんですか!?
突然の展開に視聴者としてもびっくりですが、それ以上にまふゆは目を見開いてすっとんきょうな声を上げております
そしてあれよあれよと何十人もの女性徒に囲まれ、キャーキャーもみくちゃにされまくりな鳳さん。
うーむ前回だけでも格好いい人だとは思ってましたが、まさかこれほどにモテまくりな人だとは…

「主のお導きかもしれないね、また君と会えるなんて」

「あは…ほ、本当に、奇遇ですよね…(もじもじ)」

まふゆ自身も女生徒達と同等以上にもうデレデレ、鳳さんを前にすると真っ赤になって急にもじもじし始めてしまいます
鳳さんは、まふゆが一番大好きな学園長と同じ雰囲気を持つ大人の男性ですからね…
だから学園長の姿を重ねてこうなってしまうみたいですね

「あ、そ、そうだ、鳳先生!」

「うん?」

「大胆だねぇまふゆちゃん、鳳先生呼んで歓迎会開くなんて!」

そんな鳳さんと少しでも接点を作りたいまふゆは、その日の晩に鳳さんを家に招いてささやかな歓迎会を開きます
そしていつも以上に力を入れた料理を用意すると、それはもうウキウキ気分で鳳さんとリジーに食事を…ってあれ?リジーいたの?(えー
い、いや考えてみれば、鳳さんとは師弟なんだからリジーも一緒にいて当たり前なんですが。冒頭からずっと鳳さん一人しか映ってなかったし、
まふゆ達も「鳳さんとまた会えるなんて!」「そうだ鳳さんの歓迎会やろう!」「鳳先生呼ぶなんて大胆だねぇ!」
鳳さんの話題ばっかりで一切リジーの名前を出してなかったので、
マジで「あれ?リジーいたの?」という気持ちになってしまいます:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「うっほほー!!ビーフシチューだぁ!!」

「なにィ!?ビーフシチューだと!?どういうことだ、今夜はボルシチのはずだろう!!」

「はぁ〜?お前ボルシチなんか好きなのか?さすがは北方の蛮族だなぁ!」

「き、貴様ぁーッ!!」

「煮込み料理の王様は、なんと言っても、し・ちゅ・う♪」

こ、こいつ!存在感のない空気キャラの分際でなんと大それたことを!(えー
恐れ多くもサーシャさんを蛮族呼ばわりだと!?ここはサーシャさんに言いたい放題反撃にしてもらいたいところ…って
サーシャさんはひたすら「ぐぬぬ」とうめいているだけで、リジーに全然反論することができません。一体どうしたんですか!
いかにボルシチがビーフシチューより優れているかを数時間に渡って解説とか、それぐらいはやって欲しかったのに…(えー

「んぐもぐ…まあ食べられないこともありませんわ、
 うちのシェフに雇ってあげてもよろしくってよ」

「み、美由梨!?いつの間に!?」

「んっふっふ、片腹痛いですわ。私の学園に赴任してきた教師の歓迎会に、
 私が出席するのは当然ではなくって!」

って、ふと気がつけばさも当然のように机に座ってシチューをむさぼり食っていた美由梨!こ、この晩飯ドロボーが!
なんだかんだと理由をつけて「私はこの歓迎会に出席しなければならないのですわ」と主張する美由梨ですが、
ただ単にまふゆに構ってもらいたくてやってきただけだと思います(えー

「で、でも、これはプライベートな歓迎会だから…」

「そう!問題はそこなのですわ!本来教師とは、あまねく生徒に対して
 中立普遍であらねばならぬ存在!それが個人的にいち生徒の家庭に招かれ
 饗応を受けるというのはいかがなものかしら!」

「そんな大げさな…」

「甘い!甘すぎますわ!暮らしの乱れは規律の乱れ!私は同じ学び舎に集う者として、
 級友が非行の道に走らないよう導く義務があるのです!」

「あ、あうう…」

「だからこそ、委員長の御手洗さんにも一緒に来てもらったんですわ!」

「(もぐもぐ)」

お、お便所ふーちゃんも一緒に来てたんかい!
美由梨あんた、この間はよってたかってお便所ふーちゃんをいじめてたくせに!今日はわざわざ声をかけてあげるとはどういう風の吹き回しですか!
さては美由梨、日頃ロクな食事をしていないであろう可哀想な委員長を見かねて、ジョジョ5部で言うところの
「こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですが構いませんねッ!!」の精神で
ここまで連れてきてやったんじゃ…(えー

ぐわっしゃびしゃーん

「…」
そんな美由梨のトークがヒートアップするうちに、顔面に汚物をブチ撒けられていたサーシャさん。
な、なんということを!サーシャさんの顔面にこんな茶色いドロドロした何かをぶっかけるだなんて!カレー食ってる時にうんこの話すんなよ!(えー
これにはサーシャさんの激しい怒りが大爆発を…って、意外にもサーシャさんはここまでされたのに、
何も言わず大人しく自分の顔を拭いております。一体どうしちまったんだサーシャさんは…さっきのリジーの時といい、らしくないですよ!
かつての「サーシャ君」と呼ばれただけで「誰がお前にその名を許した!!」とブチ切れていたサーシャさんはどこへ行ってしまったんだ!
こんな牙を抜かれたサーシャさんの姿なんて見たくはなかった!(えー

ガチャッ

「うん…?」

「わぁ〜!それラブレターだよぉ!」

「ほわ〜、可愛い便箋…」

そんな歓迎会が終わった次の日のこと、いつものように学校へ登校したサーシャさんでしたが、
なんと自分の下駄箱にラブレターが入っているのを発見します。一体どこの物好きがこんなことを…(えー
サーシャさんに惚れているキャラと言えば委員長くらいしか思いつきませんが、
まさか委員長が勇気を出してこんな真似をしたとでも…?

「お前か?こんなものを入れて俺を呼び出したのは」

「…」

ところがラブレターに書いてあった場所に出向いてみると、そこには委員長でもなんでもない見知らぬ女が突っ立っていました。
誰だか分かりませんが、それにしても制服がまふゆ達と違うところを見ると
わざわざ別の学校からサーシャさんの下駄箱へ手紙を入れにやってきたんでしょうか。ずいぶんヘンテコなことをする人だな…

「事と次第によっては…」

がばっ!

「うおっ!?き、貴様…!」

「ううう…ううううう!」

「な…!?」

「お願いです!兄を…私の兄を倒してください!!」

な、なにィ!?次の瞬間突然激しく号泣しながらサーシャさんを思いっきり押し倒して「兄を倒して!兄を倒して!」などと言い出した告白少女!
ま、まあなんというか…あんまり関わり合いになりたくないタイプだな…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
触らぬ神に祟りなし、この情緒不安定な朽葉葵さんとやらには、早い所お帰りを…って、ん…?なんて名前だって?葵だと?
葵の言うことだったら何でも聞いてあげるしかねぇ!!(えー  だって葵は俺の神だから!

「お前…酸素使いね」

「来たか…赤銅の人形使い」

そんな葵が倒して欲しいという兄は、なんとアデプト12使徒の一人・酸素使いの朽葉悠という男でした
そして悠はすでにカーチャといざこざを起こしていたようで、今まさに二人のバトルが始まろうとしていました
カーチャの実力は知っての通り、サーシャさんを鼻歌交じりで圧倒するほどのレベルですが…

ボロボロボロボロ

「…!?酸化した!?」

「クククッ…」

「あぐっ!?うぐぐうっ!?」

「この女の酸素を奪った…気をつけな、近づき過ぎるとこうなるぜ?」

「ちいっ!」

バッシイイイッ!!

「甘いな…圧縮酸素の壁を作っておいた、厄介だよなぁ見えないってのは!」

バゴオオオオン!!

「きゃああああーっ!!」

「燃えろ!」

ボボボボボボ!!

「う…うぐっ…!?」

「爆発的な酸化の事をなんて言うか知ってるか?燃焼だよ!」

なんとカーチャまったく相手にならず!ゲェーッ!?
悠の操る酸素の前には、自慢の銅も一瞬のうちに酸化して粉々にされ、
さらに呼吸を操り、風を操り、炎まで操る悠にカーチャまったく手も足も出ず!酸素使いってメチャクチャ強いな…

ドシュドシュドシュ!

「ん…?」

「くっ…!」

「てめえ…逃げんじゃねえッ!!」

結局カーチャは悠に一矢報いることすらできず、屈辱の敗走を強いられてしまいます
ただの中ボスかと思いきやとんでもない実力者ですね悠、こんなの相手にサーシャさんはどうすりゃいいんだ
サーシャさんはカーチャと似たような金属使いだし、カーチャのような遠距離攻撃もできないのでますます勝ち目がないと思われます(えー

「…」

カァ〜カァ〜

「…」

カァ〜カァ〜カァ〜

「…おそい…」

そんな朽葉兄妹を中心に物語が動き始めた中で、完全に置いてけぼりにされて誰からも忘れられていたリジー。
やはりこいつは空気キャラで決定なのだろうか 
このままではリジーがクェイサー界の三沢と呼ばれる存在に…次回に続く!


■聖痕のクェイサー 第9話「双面のアトミス(後編)」
 

(お願いします、私の兄を倒してください!)

「ぬうううううん!!」

どがっしゃがっしゃーん

「ま、まふゆちゃ…」

「なに!!」

「お、おなべ…焦げてるよぉ…」

さて前回、唐突にサーシャさんに抱きついては押し倒し、兄を倒してくれと懇願し始めた少女・葵。
そんな抱きつきシーンを目撃してしまったまふゆは、激しく機嫌を損ねて料理という名の破壊活動を行っていました
どうやらまふゆはあの一部始終を見てはいたものの、葵がサーシャさんに何を言ったのかは聞き取れなかったようで
「あの薄汚い泥棒猫がァーッ!!」と怒りを爆発させてしまったみたいですね

「むう〜…」

わしゃわしゃわしゃ

「やっぱり気になる?サーシャ君のこと」

「なっ!!あのねぇ、今この瞬間私の頭にあるのは目の前のナベ!このおなべの事だけよ!」

「空っぽつながりだな」

「そう!どっちも中身はスッカラカンのパー、って誰がじゃ!?」

「ボルシチを焦がすとは…唯一の取り柄すら失ったな…」



そして黒コゲにしてしまったナベをゴシゴシ洗っていると、その場にふらりとサーシャさんが登場。
ボルシチ製造機まふゆが故障してしまったことを嘆かわしく思っているようです(えー
もはやサーシャさんにとってまふゆの存在価値は残されていないのだろうか…

「ぐっ…あんたでもカーチャでもいいわ、クェイサーの力で新しいおなべ作ってよ!」

「あっ、それならカーチャちゃんがいいなぁ、銅のおなべって高いからぁ」

「お前ら…クェイサーを一体なんだと…」

ところが今すぐにお前の力でナベ作れよ!ナベ!とたくましいことを言い出したまふゆ。
確かにサーシャさん達の能力って、戦闘以外だとそれぐらいしか使い道が…って
今思ったんですけど、カーチャは銅を生み出せるってことは10円玉なら自在に作れるってことなんですかね?
すげーぜカーチャ!これでもうお駄賃に困ることはないね!(えー

「入ってこい」

「えっ?あ…」

「朽葉葵と申します…」

そしてなんと、サーシャさんは素直に葵の依頼を受けてしまったらしく、まふゆ達の家に葵を呼びつけていました。こ、これは意外な…
いつも他人の話をまるで聞こうとしないサーシャさんが、一体どういう心境で葵の依頼を受けようと!?
というかサーシャさん、今まさに葵が手土産に持ってきたシュークリームをむしゃむしゃ食いまくってますが、
まさか食い物に目がくらんだというわけじゃ…(えー

「(むしゃむしゃ)」

「あ、もうサーシャったら口に…」

「ん?」

「サーシャさん、クリームがお口に(ぺろり)」

「んおおおおおお!?」

「はっ!?す、すいません、つい癖で!小さい頃兄が口に食べ物をつけていると、
 私がこうやってたもので…」

ところがサーシャさんがシュークリームにむしゃぶりついていると、口の周りのクリームを葵に舐めとられてしまうことに!
それを見て嫉妬の炎に狂ったまふゆの反応がやばいです、お前どんだけサーシャさん好きやねん
しかし関係ないですが、シュークリームといえばこの間の夢パティのことを思い出してしまいますな
みなさんシュークリームのシューは何語でどんな意味かっていうのを当然覚えてますよね!当然ね!!(えー

「た、助けて…!おねがい助けて!」

「…!?は、華、カーチャ!?」

とその時、いきなりまふゆ達の家に転がり込んできたのは、前回悠にズタボロにされてしまったカーチャ!
どうやら想像以上にカーチャの傷はひどかったようで、カーチャの下僕の華はとにかく誰かに助けを求めようとここへやってきたようです
そんなカーチャにまふゆ達はすぐ女医さんを呼び出し、その甲斐あってどうにかカーチャの容態は安定したようですが…

「いいザマだな…相手はアトミスか?」

「知っていたの…?」

「ああ…先ほどな。窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素…人間の活動圏にほぼ無尽蔵にある元素の使い手は、
 階梯(クェイサーのランク)によらず、クェイサーの中でも最強の部類に入る…
 それゆえ、奴らにはアトミス…大気を使う者の称号が与えられる」

「私たち金属使いの天敵ね…」

そんなカーチャと一緒に、改めて「大気使いってヤバイよね」とアトミスの能力の凄まじさを語るサーシャさん。
ふうむ、気体を操ること自体が凄いというより、その操れる気体がその辺の空気に無尽蔵に含まれてるってことがヤバイみたいですね
まあ単に気体を操れるから凄いってことになると超伝導ヘリウム三兄弟も最強の部類に入ることになってしまうので
やっぱり身近な元素かどうかってことが問題なんだなあ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

それとさっきは「カーチャは10円玉を無尽蔵に生み出せる」みたいな事を書いてしまいましたが、
今の話からするとそいつは無理で、カーチャの能力は「今自分の近くに銅があれば操れる」ってことだけで
「ゼロから銅を作り出す」ってことはできないみたいですね
だったら10円玉は作れてもちょっぴりしかできないってことじゃないか…カーチャには失望したわ…(えー

「あの、お兄さんを倒すって…どうしてそんなことを…」

「私と双子の兄の悠は…アデプトの教団組織で育てられました…アデプトは、クェイサーの素質があると
 判断した子供を世界中から掻き集め、訓練によってその力を引き出そうとしているんです」

「えっ…」

「でも…何年にも及ぶ厳しい訓練に耐え、クェイサーになることが出来るのはほんの一握りの子供達だけ…
 ほとんどは訓練中に命を落とすか、異常をきたしてしまいます…
 悠も…クェイサーの力を得るのと引き換えに、まったく違う人間になってしまったんです…」

そしてサーシャさんがカーチャと話しているその時、まふゆ達は別の部屋で葵からこれまでのいきさつを聞いていました
それによると、悠はもともと普通の優しい性格だったようですが、アデプトでの非人道的で過酷な訓練を受けているうちに、
今までとはまったく違う人格に変貌してしまったという…

「そんな…」

「まったく酷い話ですねえ…アトスとは大違いです

(#0M0)でたらめを言うなーー!!(えー
ユーリあんたって人は!どさくさに何をテキトーなこと言ってアトスの株を上げようとしてんですか!
相変わらずうさん臭さ全開ですこの男、ここまで「アトスは正義ですよ!どう見ても正義ですよ!」と言ってるところを見ると、
むしろアデプトよりアトスの方がラスボスなんじゃないかとさえ思えてくるな…

「あの…ところでまふゆさんとサーシャさんは、どういった関係なんでしょうか?」

「えっ!?か、関係なんかないわよぉ、あんな奴!」

「ヘェ…そうなんだ」

「…?あ、葵さん…?」

「もうとっくにヤッちまったのかと思ってたんだけどなァ!!」

って、そこまで話したところで急に態度が変貌してしまった葵!口調がガラリと変わり顔までもなんと悠そのものの姿に!
そう、実はカーチャをズタボロしたあの悠も、この葵が変貌した姿だったのです
悠はすでに、葵が話していた通りアデプトの訓練所で命を落としてしまった存在…
しかし悠の死を受け入れることが出来なかった葵は、精神的に激しいショックを受けた結果、悠の人格を自分の中にコピーしてしまったのです

…ってこの設定まんまイナズマの吹雪じゃねーか!!アツヤだよアツヤ!
葵の言う「兄を倒してくれ」っていうのは、自分のこの悠の人格を消してくれってことなんでしょうけど

これはもう豪炎寺さんに
腹シュートで治療してもらうしか…
(えー
(C)LEVEL-5/FCイナズマイレブン・テレビ東京

ドバアアアン!!

「貴様…朽葉悠だな!」

「中身はな。ほれほれ、見たいか?ついてないぜぇ?なんならパンツも脱いでやろうか?」

「ふざけるなァ!!」

そんな悠の出現に気づき、即座にバトルへ突入するサーシャさん!ナメきった悠の言動にブチ切れまくって攻撃を仕掛けますが、
まふゆ達を守りながらの戦いではあまりに形勢不利というもの…思うように戦えないサーシャさんは、
落ちてきたガレキからまふゆをかばって、激しいダメージを受け気絶してしまいます

ガラガラ…

「…う…ん…こ、ここは…」

「…」

「あ…!?サ、サーシャ!?しっかりして!サーシャ!」

悠の攻撃で床が何段にも壊れ、気がつけば地下道へと落ちてきていたまふゆ達…
そして倒れているサーシャさんに駆け寄るまふゆでしたが、いくら声をかけても意識が戻る様子はありません
自分をかばったせいでサーシャさんがこうなってしまい、それを助けるためにまふゆはなんと自分のソーマをサーシャさんに与えようと…
というかクェイサーはソーマ飲んだらダメージも割と回復するっぽいですね、カーチャも華のソーマ吸って動けるようになったみたいだし…

(私には…まだ分かんない…あんたが私の何なのか…でも…)

「…」

(たったひとつだけ、確かな事がある…あんたがいなくなったら…きっと…私は、寂しい…)

自分がサーシャさんをどう思っているのか、まだ上手く言葉に出来ずモヤモヤとした感情を抱えていたまふゆ。
しかしサーシャさんを失いたくないという一心で、ついに自分のソーマをサーシャさんに…って
なんであんたサーシャさんを全裸にひん剥いてんですか!?(えー
こ、この場面でどうしてサーシャさんを脱がす必要が!?というかスタッフもサーシャさんの乳首まで描かんでええっつうの!
まったくせめて女の乳首と同じように、サーシャさんの乳首にも激しいフラッシュをかけて規制をだな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「う…ん…?」

「あっ…い、いつまでのん気にのびてんのよ!このツンドラ坊主!」

「まふゆ…?」

「っとにもう…戦う時は周りに気を配りなさいよ!
 おかげでこんな所に落ちちゃったじゃない!」

「力が…戻っている…?」

「わ、わ、私は何もしてないわよ!あんたが勝手に気絶して…!」

そんなまふゆのソーマのおかげで意識を取り戻したサーシャさん、まふゆのツンデレな反応が凄いですが
結局あの後また服着せたんかい!「サーシャがあぶない!服を脱がそう!」「おっぱい飲まそう!」「よし服を着せよう!」って
なんのために服脱がしたんだよ!意味が分からないよまふゆ!

とかなんとか言ってるうちに、またしてもサーシャさんの前に現れた悠。
サーシャさんも今度はまふゆを安全なところに隠して、自分も悠との戦いに備えて武器に工夫を施しておいたようですが…?

「よォ…鉄使い…嬉しいぜ?俺に倒されるために待っててくれるとはなぁ」

「聞こえているか、葵…そこにいるのか?俺は今から…お前との約束を果たす!」

「シカトこいてんじゃねえぞ!鉄使い!!」

「おおおおおおおっ!!」

ガキガキイイイイン!!

「…?黒い剣…黒錆か!?ガキが…ねえ知恵絞りやがってェッ!」



そんなサーシャさんが武器に施した工夫とはなんと黒錆!一般的な酸化で鉄をボロボロと腐食させるのが赤錆、
逆にそんな腐食を防ぐために、鉄製品にあらかじめコーティングしておくものが黒錆…
例えば中華鍋が黒いのも、あれは表面に黒錆がコーティングしてあるからです。(ゴシゴシ擦りすぎると黒錆がはがれて鉄がむき出しになる)
そのおかげで悠にもなんとか攻撃が届くようになりますが、やはり衝撃にはあまり強くないようで…
戦っているうちにその黒錆はどんどんとはがされてしまいます

「ちいいっ…!」

「ハッ…しょせん錆は錆ってことよ!この世界は全て俺のフィールドだ!
 てめえにゃ勝ち目はねえんだよ!!」

ジュオオオオオオ!!

「…なに!?」

ところがなんと、黒錆がはがれた後にもまだ策を残していたサーシャさん!
むき出しになった鉄をすかさず酸化させようとした悠ですが、なぜかまったくその効果は現れません
そんなサーシャさんの2段構えの作戦とは…



「地下のメッキ層から剣を錬成する時に、少量のクロムを混入させた…
 クロムと混じった鉄が酸素と反応すると、強靭な不動態皮膜を形成する…!
 ステンレスだ!!」

うおお、こ、これは!日ごろから金属材料を業務で扱う私には実に馴染み深いフレーズですよ!ステンレスは錆に強い!
そもそもステンレスはstain(汚れ)+less(より少ない)=stainless(錆びにくい)という造語で名づけられた錆に強い金属の代表格であります
鉄をベースに添加元素としてクロムを加えた
ものがこのステンレスで、その錆に強いメカニズムというのは
クロムが酸素と結合することで金属表面に
不動態皮膜を形成し、その皮膜がバリアのように表面を覆うことで鉄の酸化を防いでくれるという…

ドバッシャアアアアッ!!

「がは…っ!!」

おいちょっと!まだ説明は途中ですよ!もうやられちまったのかよ悠!(えー
せめて最も世間でポピュラーに親しまれているオーステナイト系ステンレスの説明をするまで持ちこたえてくれても:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「…葵は俺に、お前を倒して欲しいと頼んだ…その意味がお前に分かるか…!
 それが自分の命を奪うことになると分かっていても、
 兄の罪を償うと言った葵の言葉は…!俺の心を震わせた…!」

「…あり…がとう…サー…シャ…」

ドサ…

そして最期の瞬間、腹を深々と刺し貫かれながら、元の人格に戻って散って行った葵…
悪魔のような殺人者と化した兄の人格を止めるには、こうするしかないと葵は最初から覚悟を決めていたのです
サーシャさんが葵の頼みをすんなり引き受けたのも、そんな葵の覚悟に心を打たれたからだったんですな…
しかし人の話を聞かないサーシャさんがよくそこまで葵の事情をじっくり聞いてあげたな
思わざるを得ない:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  次回に続く!

 






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