・ガンダム無知な女子大生なのですが、バナージ役の声優さんが好きでUCの舞台挨拶に行くため
UCをep1から予習しようと思って、アニメと並行して大志さんのレビュー拝見してました。
ガンダムまったくわからないところからのスタートだったので、まるでストーリー訳わからなかったんですけど
大志さんのレビュー(私にとっては解説)のおかげですごく分かりやすく予習できてます。
ep5と6のレビューもお願いします!!
by ちろ
おお、どうもどうも。ガンダムユニコーンは話の内容が難しいから理解するのが大変ですよね
政治的かけひきが話の主軸に絡んできてるから、俺もどういう話なのかよく分からんまま
キャラクターとかMSに注目した感想しか書けないんですけど、それでも理解の助けになってるならよかったです
で、長いこと止まってたユニコーンのレビューなんですが、ようやく時間が取れたので今日から再開することにしました
すでに最近7話で完結したみたいなので、早いとこ追いつきたいですね
アニメ感想:機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)
第5話「黒いユニコーン」
さて前回、大型モビルアーマー・シャンブロとの戦いを終えたばかりのバナージの前に、
突如として空から現れた黒いユニコーンガンダム。「バンシィ」とも呼ばれるその機体に乗っていたのは、
強化人間としての再調整を受け、パープーな感じになってしまったマリーダでした
以前は強化人間の割に落ち着いた性格で、バナージとも心を通わせたマリーダですが
今や精神をいじくり回されてしまったせいでただの危ない人になってしまったようです
一方、バナージは前回ラストでロニの死を見せつけられてしまったせいで、
精神的に打ちのめされてすっかり放心状態です。こんな状態でマリーダに襲われてしまったら、
バナージはひとたまりもなく一方的にボコボコに…
と、思いきや丁重にバナージをお連れしてどっかの戦艦にやってきたマリーダ。
理性のない戦闘マシーンかと思ったら、バナージを無傷で捕獲するとか意外だな
そして「どっかの戦艦」というのが何かというと、聞いてびっくりラー・カイラムです
そう、逆襲のシャアに登場したアムロ達の戦艦で、ブライトが今も艦長を務めているという…
そして今回、落ち込みモードのバナージとブライトが、いよいよ邂逅を遂げることになります
「ちょっと話がしたい、いいかな?」
「…」
「ブライト・ノアだ。このラー・カイラムの艦長を務めている」
「…」
「機体ともどもだんまりというわけか…技術スタッフも頭を抱えているよ」
気さくに声をかけるブライトですが、バナージの方は気持ちがすさんでいるせいで
「誰かと話す気分じゃないんだよクソが」と完全にブライトをシカトしております
あと「機体もだんまり」と言っているのは、ユニコーンガンダムに搭載されているラプラスプログラムのことですね
あれはパイロットのバナージにしか情報を示してくれないので、他の技術者やらが解析してもデータが得られないということです
「…あれは誰にも見せちゃダメなんです。あれを誰かに知られたら
またその場所が戦場になって多くの人が死ぬ…」
「そうか…そのことは、そのまま黙っていればいい」
「え…?」
そしてブライトに対し、「ラプラスプログラムの情報は誰にも話す気ねーから」と語るバナージ。
「お前もその情報を聞きたくて寄ってきたんだろ」という思いで口にしたんでしょうが、
ブライトから出てきた言葉は「その情報はずっと黙っていなさい」という意外なものでした
それを聞いて、バナージもブライトと少しは話してみる気になったようで…
「諦めるなよ、君の目には力がある。困難を糧にできる強い目だ
諦めずにいれば、必ずチャンスをものにできる」
「…そんな力、俺にはありませんよ。全部偶然なんです…
ユニコーンに乗ったのも、ここでこうしているのも…」
「本当にそうかな?君の目の前にガンダムがあったことは偶然かもしれない、
これまでガンダムに乗ってきた者達も、みんなそうだった…だが、ガンダムに乗るかどうかは
自分で決めたことのはずだ。君にガンダムに乗る決意をさせたものはなんだ?」
「…あ…助けたい人が…いるんです。オードリー・バーン…
みんながミネバ・ザビって呼んでいる女の子です」
そう、ブライトが話したいのはラプラスの箱に関する話題などではなく、
少年の身でガンダムに乗ることの苦悩についての話だったのです
これまでにアムロ、カミーユ、ジュドーという、ガンダムに乗り込み苦悩しながら戦った少年たちを見てきただけに、
バナージにも声をかけずにはいられなかったんでしょう
「宇宙に上がって、救援に来るネェル・アーガマと合流するんだ。
それ以外に彼女を救う方法はない。やれるか?」
「…やります!」
「かつてガンダムに乗った者達と同じく、君もガンダムに選ばれたのだと思いたい。
絶望を退ける勇気を持て!君がガンダムのパイロット、ニュータイプであるなら」
「ブライト艦長…」
「あとは君次第だ、状況に潰されるな!」
そしてバナージに「オードリーを救いたい」という初心を取り戻させ、
そのために必要な手段と、進むべき道を示すブライト。対話だけでこうまでバナージにやる気を取り戻させるとは、
ブライトも変わったなぁと感慨深い気持ちになりますね
これまでのガンダムパイロット達が思い悩んでいた時、ブライトの対応がどうだったかを実際に思い出してみると
まず初代ガンダム、アムロが落ち込んでいた時。ブライトはアムロの部屋にズカズカと乗り込んできて
「きさま何故自分の役目を果たそうとしないんだ、立てよおいッ!!」って
ブン殴って無理やり戦わせようとしてましたよね
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反発したアムロが「ブライトさんはなんで戦ってるんですか」と聞きますが、
ブライトは「今は哲学など語っている暇はない」と、アムロの話に付き合う気がまったくありませんでした
そう、この時は相手の言い分を聞かずに、自分の言い分をひたすら通そうとしていたのが
ブライトの対応でしたね。まあブライトも19歳で余裕のない新人でしたから、そういう時期なのも当たり前ですけども
そして8年後、Zガンダムの時代。27歳となりカミーユと関わることになったブライトですが、
実はカミーユとブライトが対話するシーンというのは驚くほど少ないですよね
カミーユの面倒を見ていたのはもっぱらシャアで、エマ中尉やレコアがそれに次ぐといった感じでした
しばらくシャアが留守にする場面もありましたが、その時にブライトが言っていたのが
「私にはとてもカミーユの父親役はできそうもない」
「カミーユの父親役は私ではつとまらない」と
2度も「あいつの面倒見るの無理」と言っていました
お手上げというか匙を投げていたというか、自分から積極的に関わっていなかった感じですね
ズカズカと部屋に乗り込んでブン殴っていたアムロの時とは違って、
自分の都合を通そうとする部分はなくなっているんですが、
その一方で相手の都合を聞いてあげたり、気配りするだけの余裕はないというのが、この頃のブライトだと思います
それから1年後、ZZガンダムの時代。ブライトは28歳となり、ジュドーと関わるようになりますが
苦悩するジュドーに対するブライトの言葉といえば、一番印象的なのがZZの最終話
激しい戦争がすべて終わってからノコノコと現れ、甘い汁だけを吸おうとする汚い大人たちに激怒するジュドー。
仲間たちに止められ、やり場のない怒りに苦悩するジュドーですが、その時ブライトが言ったのが
「ジュドー!俺を殴れ!気が済まないのなら俺を殴れ!」というものでした
そう、ここではジュドーの苦悩をなんとかしてあげたいという気持ちが、ハッキリと出ていますよね
でも気の利いたセリフが出てこないので、思いっきり体を張って怒りだけでも受け止めるというのが
この頃のブライトだったように思います
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そして今回のユニコーン時代。ZZからは8年後であり、ブライトは36歳です
こうなるとブライトも立派に父親役をつとめられるようになっており、
バナージの苦悩を理解し、やる気を取り戻せる言葉をかけて立ち直らせるということができるようになっていますよね
まとめると、苦悩している相手に対して
ブライト(19):ガタガタ言ってんじゃねぇとブン殴る。「殴ってなぜ悪いか?」
ブライト(27):あまり積極的に関わらない。「私に彼の父親はつとまりません」
ブライト(28):あえて殴られてストレスを受け止めてやる。「気が済まないなら俺を殴れ!」
ブライト(36):励ましの言葉をかけて立ち直らせる。「あとは君次第だ、状況に潰されるな!」
と、こうなっているんですよ。なんだかブライトの人間性も、紆余曲折を経てすごく成長してきてるような気がしますね
19の時は、自分の都合を通して、相手の苦悩を聞こうとしなかった
27の時は、自分の都合を通すのをやめた。でも相手の苦悩は相変わらず聞かなかった
28の時は、相手の苦悩をどうにかしてあげたいと思うようになった。しかしそのための言葉が出てこなかった
36の時は、相手の苦悩を親身に聞くようになり、それを解決できる言葉をかけられるようになった
要はこういうわけですからね、たまたま話の都合でこういう描写が続いたのかもしれませんけども
「笑うなよ、あの子の直感に賭けてみるさ」
ともかく、そんな風にバナージを送り出したブライトですが、自室で一人になった時にこんなセリフを。
今は亡きアムロの写真に向かって「笑うなよぉ」って、お、おい
なんかちょっと危ないホモっぽいぞブライト!(えー
アムロの写真に向かってその独り言はちょっと…どんだけアムロ好きやねんっていうのと
写真に向かって話しかけちゃうアブナイ人って感じで、ちょっと見てて感心できないな…
それと今回、ブライトがバナージに協力して色々と手回しをするシーンで、
過去の作品の懐かしいキャラ達が登場してましたね。この画像のカイ・シデンとベルトーチカがそうでした
それにしてもベルトーチカは老けないなー、Zガンダムの時代から10年くらい経ってるのにこの美貌ですよ
ガンダム00では5年経ったら美貌が劣化しちゃった人とかもいるんで、あの人のことを考えると…(えー
「そういうことかよ…させるかぁぁぁぁ!!」
がしかし、バナージのミネバ奪還作戦が進んでいく中で
「おめーにミネバは渡さねーよバーカ!!」と一足早く先行してしまったリディ!
この男、以前からミネバに惚れているのでバナージをライバル視しているんですが
ミネバからはまったく相手にされておらず、ただのうざいストーカーと言っても過言ではありません
(バナージ…)
「ミネバァァァ!君を迎えに来た!」
「…」
「何してんの!早くデルタプラスに乗って!」
「(スッ)」
ああ、バナージより先にミネバのもとへやって来たリディですが、
「お前じゃないから」とまったく相手にされず!
「ちょっ、待てよ!」と手を伸ばすリディですが、それも華麗にかわされるというピエロっぷりです
「私を連れ出して…それからどうするつもりなのです?」
「ここを出てから考えりゃいい!」
「…あなたは、一体なにを守りたいのですか?私という人間ですか?
ラプラスの箱の秘密ですか?それとも家の名誉…」
「家のことなんてどうだっていいッ!!ミネバ!俺と一緒に来てくれ!」
「…リディ、私とあなたの行く道は違う。私はザビ家の女です」
「一人で世界と戦うつもりか!?そうまでして何の意味が!?」
「一人ではありません。さようなら、あなたのことは忘れない(バッ)」
ヒュウウウウウウ
「ミ…ミネバァァァーーッ!!」
ああ、なんだか終始「お前なんなの?」とあきれたようにリディと話すミネバ。
リディにまったく心を許す様子がありませんが、決定的になったのは
「私はザビ家の女です」と言うミネバと「家なんてどうだっていい」と言うリディの価値観の違いでしょうか
「もうこいつに何言っても無駄だわ」と悟ったのか、ついにリディを拒絶し身を投げてしまったミネバ!
2人がいたのは上空を飛ぶ輸送機の中なので、リディからしたら
「お前について行くぐらいなら死んだ方がマシ」と身投げされたに等しい行為です
そんなわけでショックのあまりこんな顔↓になってしまうリディ。ストーカー行為なんかするからこんな悲劇が…
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ヒュウウウウウウ
(受け止めなさい…バナージ…!)
「(ピキィィィン)…はっ!?オードリー!!」
ギュオオオオオオ!!
「やれるな…!?ユニコーン!!」
「あぁ…!」
しかしミネバは死ぬつもりで身を投げたのではなく、「きっとバナージが助けてくれる」と信じたがゆえの行動でした
まっさかさまに落下しながらバナージの名を呼ぶミネバ、そしてバナージもその思いに応え、
目にも止まらぬ速さでミネバのもとへと駆けつけるのでした
そしてユニコーンの手に包まれた時のミネバの穏やかな笑みときたら
さっきのリディに対する険しい顔とはえらい違いやで!なんというかバナージって、ミネバからしたら
お姫様を必ず助けに来てくれる白馬の王子様なんじゃないかなぁ、ユニコーンなだけにさ
「バナージ…!」
「君の声、ハッキリ聞こえたよ…!嬉しかった、自分がなんでここにいるのか
分かった気がした。君が呼んでくれたから…」
「私だって…」
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ああまったく
ケツがかゆくなる!!(えー |
ついにミネバとの再会を果たしたバナージ、コクピットの中で2人きりになりますが
完全に2人の世界というかラルさんがケツをかきたくなる展開というか
こうなるとさっきのリディは本当に「消えな、およびじゃないぜ」ってまったくおよびじゃなかったんだな…
「この感覚が本物なら…マリーダさんにも俺の声が届いているはずなんだ、
必ず連れ戻すよ…!待っていてくれ!」
「はい…!頼みます、バナージ・リンクス!」
ともかくミネバ救出作戦を無事に成功させたバナージですが、洗脳されているマリーダのことも救い出すために
ミネバを置いてバンシィのところへと向かっていきます、ミネバにとってもマリーダはお姉さん的存在というか、特別な人ですからね
「ガンダムは敵…!倒すべき敵!!」
「マリーダさん!正気に戻ってくれ!」
「チッ…!忌まわしいガンダムどもが!!」
って、マリーダに襲われながらなんとか説得しようとするバナージですが
それを横から見ていたのはフラれたばかりのストーカー男・リディ!
ミネバがバナージのところへ行ったのを見ていたのか、なんと事もあろうに
バナージの方にビームライフルの照準をピタリと合わせております 最低だこいつ!
マリーダもろとも殺すのかと思ったら、バナージだけをやる気かお前!フラれた腹いせにそこまでするのか!
ドドドドドドド!!
「へっ!?」
「お前もガンダムかああああああ!!」
ゴワッシャアアアアアン!!
「ぎゃああああああああ!!」
ってなんじゃこりゃーー!!ギャグかこれーー!!
なんとバナージ相手に揉み合っていたかと思ったら、突然ドタバタリディの方へ走ってきたマリーダ!
「ちょっ、俺はバナージを狙って…ぎゃあああああ!」とワケもわからず機体をメチャクチャに破壊されまくるリディ
哀れにもリディのデルタプラスは、完全にブッ壊されてスクラップになってしまうのでした。突然すぎて笑ったわー
「もうやめてくれマリーダさん!」
「ぐぅぅぅ…いちいち頭に響く声を出す…!」
「頭が痛いのは、本当のあなたが抵抗している証拠だよ!」
「うぐぐぐ…!」
「マリーダなら聞けえーっ!!俺だ、ジンネマンだ!」
「な…なんだ…!?ジンネ…マン…?マ…マス…ター…?」
「財団の奴らが再調整しやがったんだな…!?
マリーダ!戻って来い!お前が戻ればみんな元通りだ!」
「あ…ああ…」
とその時、説得を続けるバナージに加勢するかのように、もう1人マリーダに声をかけ始めた男が!
誰かと思えばジンネマンです。ネオジオンの軍人ですが、バナージやミネバからも信頼されており
何よりもマリーダからは「マスター」と呼ばれ、まるで実の父親のように慕われていた男…
マリーダを説得するなら、これ以上の人選はないというぐらいの男ですね
《俺の娘だ…名前はマリー、生きていればお前と同じ年頃だな…》
「う…ああ…あ…!」
「降りて来いマリーダ!一緒に宇宙へ帰るんだ!
俺を1人にするなァァァーーッ!!」
そんな説得のさなか、かつてジンネマンに見せられた娘のマリーの写真を思い出すマリーダ。
マリーダって名前はこの娘から取ったものだったんですね、そんなマリーとジンネマンの奥さんは
戦争の犠牲になりこの世を去った存在…そう、その2人を亡くしてしまったジンネマンにとって、
マリーダとは唯一、新たな家族と呼べるかけがえのない存在だったのです
「俺を1人にするな」という切実な叫びは、もうこれ以上家族を失いたくないという思いから来ているんでしょうね
「はあっ…!はあっ…!はあっ…!」
「く、くそっ…こ、このガンダムめがぁぁ…!」
「…私が…ガンダム…!?」
「ガンダム…ガンダム…ガンダムゥゥ…!」
「私が…敵…!?私が…ガンダム…!?」
|
俺が…
ガンダムだ!!(えー |
こ、ここにきてまたお前が出てくんのかよリディ!
さっきマリーダにボコボコにされたのをすっかり逆恨みして、ガンダムガンダムと呪いの言葉を吐き続けるリディ!
その結果、「俺がガンダムだ」と錯覚してしまったマリーダは、意識を保てなくなりその場に倒れてしまうのでした
まあ、暴走してたマリーダを大人しくさせたという意味では、これってある意味リディのお手柄と言えるかもしれませんね
ちなみにそんなリディはどうなったかというと、さっきボコられた時にどっかに頭ぶつけたせいか
意識が朦朧としてこんな顔↓になりながらブッ倒れるのでした。本当にギャグ担当だなこいつは!
「くっ…!エンジンにトラブル発生!出力が上がりません!」
「踏ん張れんのか!?」
「これでめいっぱいです…!」
「手はずどおり迎えが来ているが…さすがに虫がよすぎたのか…!?」
その後、リディは放置してマリーダを無事に連れ帰り、バナージ達と一緒に宇宙へ脱出を試みたジンネマンですが…
しかし地球の重力を振り切る前に、艦がパワーダウンして大気圏を突破できなくなってしまいます
どうにかして状況を打破しようと奮闘する一同、そして迎えの艦からケーブルが射出され、
バナージがそのケーブルを掴み、お互いの艦を接続しようとしますが…
「接続できたか!?」
「そ、それが…!」
「ぐぐっ…!ぐぐぐぐぐ…!」
「なっ…!ダメだ、機体が裂けちまう!」
「バナージィィィッ!!」
しかし十分な高度が稼げなかったことで、ケーブルの長さがわずかに足りず
ユニコーンガンダムがケーブルの足りない分を補うというとんでもない状況に!
何しろジンネマン達の艦はこれ以上の上昇はできない状況、ユニコーンの腕一本で
艦1隻をまるごと引き上げようとしているようなものです。そんな芸当ができるはずもなく、
ギシギシと嫌な音を立ててユニコーンの負担は限界に…
「う…うう…う…!」
スッ…
「え…?」
どうにか持ちこたえようと必死に操縦桿を握るバナージ、するとその時
バナージに力を貸すようにして現れた2つの手!バナージのバイザーに映りこんだ顔で確認できますが、
1人は第3話で散った連邦軍のダグザ中佐、そしてもう1人も第3話で散ったネオジオンのギルボアさんでした
両者ともにバナージと共に時間を過ごし、心を交わした男たち。そんな2人が今、軍の対立を乗り超えて
バナージに協力してくれているのです
パアアアアアアア
「なっ…なんだ!?この光は!」
その瞬間、ユニコーンガンダムのサイコフレームが反応し、緑に輝く人の心の光に包まれていくバナージ達。
アムロのνガンダムが、アクシズを押し返した時に見せたあの奇跡的な現象です。
そんな人の心が起こした奇跡によって、ジンネマン達の艦は無事に大気圏を突破したという…
ふむ…この描写は明らかに、連邦とジオンの橋渡しになる存在=バナージとして描かれてますよね
ダグザ中佐とギルボアさんが現れたこともそうですが、バナージが引っ張り上げているのはジンネマン達のネオジオンの艦
そしてケーブルを射出してくれた艦は、ブライトが手配してくれた連邦のネェル・アーガマです
そんな両者の間に立って人の心の光を放ったのがバナージであり
連邦とジオンが分かり合える可能性を示したように感じますね
今回の話はそんな感じで終わりです、全7話中5話まで見終わったわけですが
ここまで見てみて思うのは、バナージとは徹底して戦いを止めようとするキャラで、
バンバン戦ってガンガン敵を落とすようなことは全然ないんだなということでしょうか
「戦場で人が死ぬ」ということがたまらなく嫌で、いくら戦闘経験を重ねてもそこだけは受け入れられずに変わらないという。
いつだったかマリーダの言っていたバナージの根っこというやつがこれなんでしょうか
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この手の根っこを持つキャラと言えば、やはりカミーユを思い出してしまいますね
カミーユもとにかく戦場で人が死ぬことに抵抗を示すキャラで、ずっとそれを受け入れられずに悩み苦しんでいました
他のガンダムパイロット達は割とそこまで悩まないんですけどね
たとえばアムロは、終盤になるにつれて敵のコクピットを狙ってパイロットだけを撃ち抜くという技術を身につけて
人間だけを殺す機械かよ!!ってくらい、躊躇なくパイロットを撃ちまくって
兵士としてどんどん戦場に順応していっている感じでした
それとジュドーは、もともとバイタリティに溢れた性格で、「カミーユ達が思い悩んでしまうようなことも乗り越えられる」という
コンセプトで生まれたキャラなので、戦場で多くの死を目の当たりにしてもガチで悩んでしまうことはなかったですね
「死を目にしてもそこまで悩まない」というのはウッソも同じかな。凄惨な死を見てきた数はウッソが最多な気もしますが
それを後に引きずったり悩んだりっていうのは、あまりなかった気がします
SEEDのキラは、最初の方だと「殺したくないのに!」ってかなり悩んでたんですけどね。ただキラは話が進むにつれて
自分も機体もちょー強くなったので殺さずに余裕勝ちできるようになりますたという
「戦場で人が死ぬ」という前提がなくなったので万事オッケーな感じになり、それからは妙に悟ったキャラになってしまいましたが…
他のガンダムパイロットも、人の死について深刻に考えるタイプはまずいなかったかと。
やはりこのタイプはバナージとカミーユぐらいなのかなという気がします
そんな似ている2人ではありますが、決定的に違う部分がありますよね
「人の死を受け入れられない」という特徴がありながら兵士として戦い続けたのがカミーユ
兵士になろうとせず、ひたすら戦いを止めているのがバナージという
これによって両者の精神状態はまったく違う方に進んでいるように思います
カミーユは話が進むにつれて、自分がその手にかけてきた人間のことを考えて苦悩を深めていくんですよね
たとえば第23話では、自分の枕元に簡易的な仏壇みたいなものを作って
カミーユ「自分が殺してしまったパイロットのことを考えるようになっています」
エマ「お祈りしてるの?」
カミーユ「無宗教ですけどね…いつ終わるんですか、この戦争は…」
と、殺してしまったパイロットのことを考えて、供養したり祈ってみたりだとか
そして第48話、今回のバナージ&マリーダのように、カミーユは強化人間のロザミアを説得するんですが
結局ロザミアに説得は届かず殺すしかなかったという、あまりにも重たい十字架を背負ってしまい
「ニュータイプも強化人間も、結局なにも出来ないんだ。出来ることと言ったら、人殺しだけみたいだな」
と、どうせ俺は人殺しだよ、それしか出来ないんだよなんて開き直ろうとしたりもしていました
でもそんな風に考えようとしてもどうしても割り切れない、人が死ぬのが耐えられないのが
変えようのないカミーユの根っこの部分なわけです
「人が死んだんだぞ…!人がいっぱい死んだんだぞ…!
遊びでやってんじゃないんだよォォッ!!
命は力なんだ…!命はこの宇宙を支えているものなんだ…!
それが…それがこうも失われていくのは…
それは…それは酷いことなんだよ!!」
第49話でのカミーユのセリフ、戦場で人が死んでいくことに対して「こんな酷いことは絶対あっちゃいけないんだ」という
気持ちが大爆発した瞬間です。バナージもこれと同じ気持ちを持っていますよね
「人が死ぬのは冗談じゃないって思うから、やれることをやってるんでしょう!」とか
カミーユもバナージも根っこは同じ、戦争に対する気持ちとしては同じなわけですが
「何が楽しくて戦いをやるんだよ!貴様のような奴はクズだ!
生きていちゃいけない奴なんだ!!」
と、根っこは同じなのにその次に出てくる言葉がこれというのが、カミーユとバナージの最大の違いですよね
人の命を奪う奴は許せない、そんな奴は生かしておけないと、自らの手で相手を殺めてしまうカミーユ。
その結果、自分もまた多くの命を奪っているという、ジレンマを抱えてますます苦悩するわけです
バナージはそれとはまったく逆で、とことんまで人の命を奪わない、とにかく戦いを止めようとするというスタンスを貫いてますよね
この違いが、2人の方向性を大きく分けていくんだろうなぁという気がします
2人の状況の違いについてもう1つ。カミーユがどんどんと苦悩を深めていって、最終的に精神が崩壊してしまったのは
苦悩を分かってくれたり解消してくれる良き大人が周囲に誰もいなかったということもありますね
バナージはそういう大人にすごく恵まれてると思います。ジンネマン、ダグザ中佐、ギルボアさん、ブライトといった人たちが
バナージが腐ってしまいそうな時に声をかけて見守ってくれるという。
今回も、思い悩むバナージを立ち直らせてくれたのはブライトでしたね
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カミーユはとにかくそういうのがなかったですね…たとえばさっき書いたカミーユが思いつめているシーン、
「いつ終わるんですか、この戦争は…」という言葉に対して、エマの反応は
「クワトロ大尉に聞いて」
の一言だけだったり、「出来ることと言ったら、人殺しだけみたいだな…」の言葉に対して、シャアの反応は
「あまり気にするな」
の一言だけだったり、とにかくこんなんばっかなんですよね
素っ気ない一言が返ってくるだけで、親身になって話をじっくり聞いてくれる人が誰もいない。
ブライトもこの時は「カミーユの父親役はできない」と距離を取っていたし
とにかくカミーユは1人で思いつめるしかなかったという状況だったように思います
まあ、シャアもエマもブライトも、自分のことで精一杯というか、他人の面倒を見る余裕がなかったというか…
誰が悪いわけでもなく、ひたすら不運だったというか。ただ、カミーユの周囲にも成熟したよき大人たちがいれば、
最後に精神崩壊することもなかったのかなぁ…なんて思ってしまいますね
あ、そういえばすっかり忘れてましたが、今回登場したMSのアンクシャについて語らないといけませんね
このアンクシャという機体は、Zガンダムの時代に登場したアッシマーの後継機であります
アッシマーといえば、Zの序盤におけるボス敵と言っていいほど戦闘力の高い機体でした
まずはこの可変機能で空をビュンビュン飛び回るので、とにかくビームライフルが当たらない。
直撃させるのがまず大変だったわけですが、仮に当たったとしても
恐ろしく頑丈なんですよねこのアッシマーは
具体的に言うと、カミーユのビームライフルを直撃されても落ちない、シャアのビームライフルを直撃されても落ちない、
さらに散弾バズーカを直撃されても落ちない、アムロの輸送機特攻を直撃されても落ちないという
まぁとにかく何を食らっても落ちないという、驚異的な耐久力を持った機体でした
たとえば一番有名なのが、シャアの散弾バズーカを食らった場面。顔面のモノアイを破壊されながらも
「散弾ではなぁ!!」とまったく怯まずに攻撃を仕掛け、シャアの散弾バズーカを破壊して
さらに肉弾戦で圧倒するという…この時シャアとカミーユ2人と同時に戦ってますが、それでも互角以上にやりあえるという
相当な強さを持った機体でした
そんなわけでZにおける強敵として登場したアッシマー、
その後継機となるアンクシャもさぞ強かろうと期待に胸が膨らみますが、さっそくその出撃シーンを見てみると
「よっしゃ出撃だー!」と出て行った次の瞬間、ドーンと敵の対空砲火を食らって即死。
お…おいいいいい!!アンクシャあああああああ!!なんでいきなりやられとんねんお前!
まだロクに戦ってもいないうちから即死とか!
「椅子を尻で磨くだけの男で終わるものかよ!」と言いつつ死んだ伝説の人と
同じくらいの瞬殺ぶりじゃねーか!(えー
ま、まあしかし、どうやら今回のアンクシャは4機か5機くらい登場するみたいですからね
まだまだ残りのアンクシャが活躍する可能性が…
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・2機目のアンクシャ
「ちょっと通りますよー^^」と敵艦の周りをウロウロしていたら
ケツから対空砲火に貫かれて撃墜 |
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・3機目のアンクシャ
何を思ったか、無抵抗かつ丸腰のバナージに向かって攻撃。
あっさりと返り討ちにされ、「こんな危ないもの持ってちゃダメでしょ!めっ!」と
ビームサーベルを取り上げられ、足蹴にされて落ちていき撃墜 |
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・4機目のアンクシャ
ユニコーンとバンシィが揉み合ってるところへ
「イエーイ!」と調子こいて乱入。その結果
2機のバリアに吹き飛ばされて色んなところにぶつかり撃墜 |
ア…アンクシャあああああああああ!!
弱すぎるだろうがああああああああ!!出てきては死に出てきては死に、お前ほんとにアッシマーの後継機か!?
並の攻撃ではビクともしなかったアッシマーの重装甲が見る影もなく…
こんなちょっと触ったら死んでしまうスペランカー機体になってしまうなんて…(えー
アンクシャ「やりました!やったんですよ必死に!その結果がこれなんですよ!
MSで殺し合いをして!今はこうしてスペランカー扱いされている!
これ以上何をどうしろって言うんです!?
何と戦えって言うんですか!?」
アンクシャ…頑張れとでも言って欲しいのか?死ぬまで痩せ我慢してみせろ。男の一生は、死ぬまで戦いだ…(えー
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