■遊戯王5D’s 第118話「新たなるライバル」
たったったったっ
「はぁ、ふぅ、はぁ、今日は遊星たちのDホイールのプラクティスの日だった…間に合うかなぁ…!」
バオオオオオオン!!
「どわぁーっ!!どいてどいてどいてぇーっ!!」
「えっ!?う、うわあーーっ!!」
ドッグシャアアアアアン!!
「あ、あいててて…危ないじゃないかぁ!?」
「ご、ごめん、急にDホイールの制御がきかなくなっちゃって…」
WRGPの決勝トーナメント開催が目前に迫っていたある日、龍亞は最終調整に入っていた遊星たちの練習場へ向かおうと
町をたったか走っていました。するとその時、突然暴走しまくったDホイールで龍亞へと突っ込んできた男が!
危うくひき殺されるところだった龍亞ですが、Dホイールの調整をしていたという話を聞いて、その男たちに少し興味を持ったようで…
「えっ?Dホイールって…」
「オレ達、WRGPに出るために田舎から出てきたんだ」
「腕だめしっていうか、自分達の力がどこまで通用するか確かめたくってね」
「えっ!?てことは君達も決勝トーナメントに!?
オレは龍亞!チームファイブディーズにいるんだ!って言ってもピットに入ってるだけだけど…」
「ファ、ファイブディーズ!?すごいよ龍亞!それって不動遊星のチームじゃない!
オレ遊星の大ファンなんだ!あの絶対諦めないところとかさぁ!」
「つまりライバルってことかぁ、オレ達はチーム太陽!
オレがリーダーの太郎で、こっちは甚兵衛と吉蔵!よろしくな!」
チ、チーム太陽!?なんとこいつらは、前回明らかになった決勝のトーナメント一覧に名を連ねていたチーム!
てっきり単なる初心者Dホイーラーかと思ったら、決勝にまで勝ち進むほどの実力者とは驚きですな
しかし山下太郎、谷川甚兵衛、林吉蔵というネーミングといい、イモっぽいジャージがコスチュームなことといい
相当な田舎からやって来たおのぼりさんのようです。さらにDホイールも、手作り感溢れる工作チックなマシンのようで…
しかしそんな3人のDホイールには、この決勝トーナメントまでの激しい戦いで相当なガタが来ていました。
さっき龍亞の目の前で暴走しまくっていたように、今はまともに走ることさえ難しい状態…
もはや自分達の腕では修理も限界に来ているようで、太郎たちはかなり頭を抱えているようです
「ヒャアー!!これかぁ手製のDホイールって!!」
「えっ、る、龍亞!?」
「あはは…余計なこととは思ったんだけど、まだもし直ってなかったらと思って…」
「ありがとう龍亞、実は困ってたとこなんだ…もう何をどうやったらいいんだか…」
「へぇ〜!!こんな風になってるのかぁ〜!!」
そんなわけで、修理に行き詰まっている太郎たちを見かねて、スーパーメカニックのブルーノ&遊星を連れてきた龍亞。
立場上は敵同士の間柄ではありますが、このままでは出場もままならない太郎たちは、ありがたく龍亞の好意を受けることにします
ブルーノはというと、敵とか味方とか関係なしに手作りDホイールを見て大興奮状態。
「ヒャアー!!手作りだあー!!」と大喜びでDホイールをいじり始めました。ブルーノって登場遅かった割にキャラ立ってるよなあ
「おお、なるほど…この空き缶でモーメントエネルギーを繋いでるのかぁ!」
「ああ、レギュレーターがない時は、コイツが一番効率がいいからな」
「うん?なんだこれ?」
「ハンガー?」
「なんでこんな所に入ってるんだろう?」
「あぁ…あ、あはは、それは…」
「ふふ、よくやるんだよ…Y字フックがない時に。しなりがあって、フィットしやすいんだ」
「あぁ〜、なるほどね!」
「オレも昔はこうやって、集めてきた部品を使ってDホイールを作っていたからなあ」
「えっ、ゆ、遊星が!?」
「ああ、まだサテライトにいた頃だ。車の廃材からおもちゃの基板まで、何でも使ったなあ…ふふ」
そんなわけでハッスルしながら手作りDホイールを観察するブルーノでしたが、それと同じくらい遊星も楽しそうに手を動かしていました
空き缶やハンガーのようなジャンク品もパーツに利用している太郎たちを見て、「そうそう、やるんだよこれ」と深く共感しているようです
それとやっぱり機械いじりが好きなんだろうなあ。こういう関係ってなんかいいですね、
これほどにこやかな遊星の姿っていうのは相当レアなんじゃないでしょうか
「あ、あ、あの!えっと、その…!サ、サインもらえますか!!」
「えっ!?」
「おかんとおとんとじっちゃんとばっちゃんと、隣の田吾作の分も!」
ところがその時、何をテンパっているのか急に遊星にサインをねだり始めた吉蔵!
吉蔵はさっきから遊星の大ファンだって言ってましたし、とうとう我慢し切れなくなって言い出したって感じですな…
しかし吉蔵が取り出したのはなんと自分のデッキ、手ごろなサイン色紙がなくてつい取り出してしまったようですが、
そこに並んでいるのは低レベルな通常モンスターばかり…もしかしてこんなデッキでいつも戦っているのか…?
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なぁにこれぇ
全部戦闘タイプのモンスター
じゃない。ダメだよこれじゃ。
デュエルモンスターズじゃ、
魔法カードとモンスターカードの
コンビネーションが重要なんだ。
モンスターだけじゃ
相手の魔法カードに
軽くいなされちゃうよ(えー |
「わっ、ノーマルモンスターばっかり」
「バ、バカ!人にデッキ見せる奴があるかよ!?ったくお前って奴は…!」
「だ、だってノート忘れちゃって、他にサインもらうものなかったから…」
「だからってなぁ!これからデュエルするかもしれない相手なんだぞ!?」
「ご、ごめん…以後気をつけます…」
「…」
そんな吉蔵を「バカヤローなに自分のデッキバラしてんだ」とすぐさま叱りつける甚兵衛。しかしこの慌てぶりからすると
やはりこの低レベルモンスターだらけなデッキが、いつも試合で使っている吉蔵のデッキのようで…
しかしこんな貧弱すぎるデッキで、予選を勝ち抜いて来たとは一体どうやって…?と遊星は神妙な顔になってしまいます
《それでは登場していただこう!WRGP優勝最有力候補!チーム・ラグナロクゥゥゥゥ!!
チームラグナロクは、神の力が宿るカードを使う世界最強のデュエリスト!
これまでにも数々の伝説を残している、プロのライディングデュエルチームだぁぁぁ!》
「あれがチームラグナロクか…」
「すごい貫禄ね…本当に神の国から来たみたい」
「フン、何が神の力だ、こけおどしに決まっている!」
《それでは早速エキシビジョンデュエル!
対戦相手は、怒れる神の腕を持つ男・ドラガンが指名する!!》
一方その頃クロウ・アキ・ジャックの3人は、決勝トーナメントの前夜祭で行われているエキシビジョンデュエルを見物しに来ていました
そんなエキシビジョンデュエルを行うデュエリストは、なんとあのチーム・ラグナロク…
どうもこの3人、作中でも「神のカードを持つ世界最強のデュエリスト」と名が轟くほどの超大物だったようで
「チームラグナロク様、どうぞお好きな相手をお選びください!」とこんなエキシビジョンを任されたようです
ともかくこれはクロウ達にとって、チームラグナロクの手の内を見るには絶好の機会なわけですが…
「オレの相手は、お前…ジャック・アトラスだ!!」
「…」
《な、なんとぉー!!ドラガンが指名したのは元キングのジャック・アトラス!
これは面白い戦いになりそうだぁーっ!!》
「いいだろう…!相手になってやる!オレを選んだことを後悔させてやろう!」
ゲェー!?そんなドラガンが会場から選び出したデュエリストは、なんと我らのキング、ジャック・アトラス!
こ、こいつは…奇しくも王vs神の戦いという構図!タイムリーにも今日の拍手コメントで話した
「王と神ではどっちが強いか」という話題そのままの対決であります
まあ、ここでジャックが勝つ図というのはまったく思いつかないわけですが…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「オレのターン!オレは極星獣タングリスニを召喚!(攻撃力1200)
カードを一枚伏せてターンエンド!」
そんなわけで始まった2人のデュエル、先攻のドラガンは壁モンスター1体に伏せカード1枚で1ターン目を終わり、
特に動きを見せていない普通の立ち上がりです。それに対して後攻のジャックは…
「攻撃力1200…?そんなカードでこのジャック・アトラスを倒すことは出来ん!
オレのターン!バイス・ドラゴンを召喚!(攻撃力1000)
このカードは、相手フィールドにのみモンスターが存在する時、手札から特殊召喚できる!
さらにダーク・リゾネーターを召喚!(攻撃力1300)
レベル5のバイスドラゴンに、レベル3のダークリゾネーターをチューニング!
王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!
シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」
いつものレモン召喚コンボキター!!(えー ※レモン:レッドデーモンズの略
バイスドラゴンを特殊召喚 →
ダークリゾネーターを通常召喚 →
レッドデーモンズをシンクロ召喚というこの流れ、
ジャックのデュエルでは毎回これをやっているというか、ジャックのデュエルの90%はこれというか、
いい加減バイスリゾネレモン以外のコンボ覚えなさいよとかそんな感じなんですが:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
ともかくいきなりエースモンスターを召喚して圧倒的優位に立ったジャック、そのままドラガンの壁モンスターを粉砕して流れを握ります
「レッドデーモンズドラゴンで、極星獣タングリスニを攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」
ドッバアアアアアン!!(ドラガンLP4000→2200)
「フ…これが元キングの一撃か…これほど軽いとは!!」
「なに!?」
|
「この程度か?貴様のフィールは」
「オレのフィールが…!効いてない!?」(えー |
ところがこの一発で半分近くライフを削られたというのに、ドラガンはまだまだ顔色を変えずに余裕綽々!
キングのフィールも神には通用しないということでしょうか、漫画版のジャックとはまるで逆の状況だな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「極星獣タングリスニは破壊された時、極星獣トークンを2体特殊召喚する!」
「ち…カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
「オレのターン!極星獣グルファクシを召喚!(攻撃力1600)
レベル3の極星獣トークン2体に、レベル4の極星獣グルファクシをチューニング!
星界の扉が開く時、古の戦神がその魔槌を振り上げん!
大地を揺るがし、轟く雷鳴と共に現れよ!
シンクロ召喚!降臨せよ!極神皇トール!!」
2ターン目でいきなり神キター!!ぬおおー!さすがは神のカード…めっさ強そうでいらっしゃる!
これまでの予選では一切神のカードを使ってこなかったというチームラグナロクですが、
ジャック相手にはそれを迷わず召喚するあたり、一応ジャックも強敵として認められてるんでしょうか
なんにしろトールの基本攻撃力は3500、レッドデーモンズを上回る驚異的なパワー…このまま激突すればジャックの不利は明らかですが…?
グゴゴゴゴゴゴ…!!
「う、うわっ!?なんだ!?」
「な、なにが起こっているのです!?」
キイイイイインキイイイイインキイイイイン
「ま…まさか、赤き竜の力と神の力が共鳴して!?」
とその時、お互いに睨み合いながら猛烈な力の波動を発し始めたトールとレッドデーモンズ!
三極神と赤き竜、お互い神秘の力に加護されているモンスター同士、その力が共鳴を起こしているようで…
ただ対峙しているだけだというのに、会場全体がビリビリ震えを起こすとは…この2体が激突したら一体どうなってしまうのか…
「極神皇トールでレッドデーモンズドラゴンを攻撃!サンダー・パイル!!」
「レッドデーモンズドラゴンッ!!」
ゴッバアアアアアアア!!
「ぐうっ…!共鳴し合っていやがる…!」
ズゴゴゴゴゴゴゴ!
「うわっ!?に、逃げろぉ!崩れるぞぉっ!」
「ちゅ、中止です!すぐにデュエルは中止しなさいぃぃぃッ!!」
そしてついにその攻撃を繰り出した極神皇トール!しかしレッドデーモンズがそれを受け止めた瞬間、より一層激しさを増した力の共鳴!
もはや会場そのものを吹き飛ばしかねないほどの猛烈なパワーが巻き起こり、慌ててイェーガーがデュエルを中断して
この勝負は引き分けで終わってしまいます
「フ…命拾いしたな」
「ち…!」
「なんてぇモンスターなんだ…!」
しかしまるで自分の勝ちだと言いたげに会場を後にしたドラガン。攻撃力では負けていたのでジャックは何も言い返すことができません
それにしても、ただ激突しただけで試合会場が吹き飛ぶほどのパワーを発揮するとは…
チームラグナロクとチーム5D’sが試合をする時は、一体どんな会場で戦ったらいいんだろうな…次回に続く!
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