■遊戯王ZEXAL(ゼアル) 第11話「遊馬とシャーク 傷だらけのタッグデュエル」

 

「おいシャーク、お前もたまには一緒にやらねーか」

「…」

「ち…アニキ!あのシャークの野郎はなんとかならないんですかい?いい気になりやがって…!」

「クク…分かってねーなギンジ、オレ達が本気であいつを仲間にしたと思ってんのか?」

「へ…?」

「あいつはデュエルの世界じゃちったあ名の知れた奴だ…
 飼い慣らして裏デュエル界のスターにでもすれば、黙ってても金が入ってくる」

「ああ、たっぷり稼いでもらうか…クックックックックッ…」

さて前回、「オレにもう関わるな!」と遊馬のことを完膚なきまでに叩きのめし、不良グループへと戻っていったシャークさんでしたが…
ところがその不良グループの中でも、シャークさんは付き合いが悪く「なんであんな奴仲間にしたんだよ」
陰口を叩かれている状態でした。しかも不良たちのリーダーは、シャークさんのことを便利な金ヅルとしか考えておらず
ボロ雑巾のように使えるだけ使ったらさっさと捨てる気満々のようで…こんなところが本当にシャークさんの居場所なのか…?

「あれ?遊馬が図書館なんて珍しいじゃない、何か調べもの?」

「ん、ああ、ちょっとな」

カチッカチカチッ

「え…これって、シャークのこと…?
 ”汚れた優勝候補、神代凌牙。対戦相手のデッキを盗み見たことで全国大会決勝戦を失格…”」

「シャークの…過去…」

一方の遊馬は、シャークさんがなぜグレ始めることになったのか原因を調べるために、学校の図書館を訪れていました。
そこのデータベースに記録されていたのが、全国大会の決勝で不正行為により失格となったシャークさんの過去…
それも単なる失格というだけではなく、その後も完全にデュエル界から追放されるという非常に重い罰を下されてしまったようで…

「シャークが相手のデッキを盗み見ただなんて…」

「あんなの嘘に決まってらあ」

「でも、図書館で…」

「オレには分かるんだ、あのシャークとオレのデュエル…
 あれはそんな事する奴のデュエルじゃねえ!!」

しかし、シャークさんが本当にそんな汚い手を使ったとはどうしても思えない遊馬。
ふむ確かに…グレた後のシャークさんは、色々と荒っぽいことや悪い事をやらかしてはきたものの
デュエルのルールだけは絶対に破らなかった人ですからね
これまで何度も見てきたシャークさんのデュエル…その中で、シャークさんが不正を行ったことなど一度もありません
荒れている今でさえそれほどデュエルに嘘をつかないシャークさんが、そんな不正行為に手を出すわけがないと…

「オレ、行かなきゃ…!」

「ま、待って遊馬!もうやめようよ、シャークに関わるの…どうしてそこまでシャークのために…」

「オレは…シャークのために行くんじゃない、オレ自身のために行くんだ…
 オレは自分に嘘をついた…シャークを助けるためだとか言って、本当は勝ちたかった…!
 ただシャークに勝ちたかったからナンバーズを使ったんだ!
 オレは…オレは嫌なんだよ…!このまま終わっちまうの!!」

そしていてもたってもいられなくなり、再びシャークさんのところへ向かおうとする遊馬…
ああ…前回の「シャークとのデュエルでナンバーズは使わない!」 → 「やっぱ使っちゃお」というのは、
遊馬にやはり悔いを残す結果になってしまったみたいですね

それが純粋にシャークさんを救いたいという気持ちから生まれた行動なら、後悔なんてする必要はなかったのかもしれません
しかし遊馬の本心には、それとは別にくすぶっているものがありました。
ただ単に負けるのが嫌だった、負けるのが嫌で嫌でズルをしてでも勝ちたいと思ってしまった
そんな自分が恥ずかしくてたまらないんでしょう、どうにかしてそのけじめをつけるために、再びシャークさんに会いに行くと…

まあ、「シャークのためじゃない」とは言いつつも、遊馬は明らかにシャークさんを助けたいという気持ちも持ってるとは思いますけどね
要するに「べ、別にシャークのためじゃないんだからね」とかそういう意味に近いと思う:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ここから先へは行かせない!通りたいならデュエルでオレを倒してからだ!」

「あん…?誰だテメェは!」

「なっ…遊馬…!?」

「シャーク!オレは諦めねえぞ…今度こそこいつらと手を切るって言わせてみせる!」

「言ったはずだ…俺には二度と関わるなと!」

「放っておけるわけないだろ!こいつらはお前を利用してるだけなんだぞ!?」

「…はは、そんなことは分かっているさ…!けど…俺にはもうここしか居場所がないんだ!」

そして夜の町中でシャークさん達を発見し、不良リーダー達に向かってデュエルを挑む遊馬!
どうやらこの不良リーダー陸王海王は、ナンバーズを所持している相当やり手のデュエリストみたいですな…
さらに、そんな陸王と海王に利用されていると分かっていながら、不良グループから抜けようとはしなかったシャークさん…
もう表のデュエリスト界を追放された身である以上、たとえこいつらに仲間以下の金ヅル扱いをされるとしても、
他にはどこへも行くところがないということでしょうか…

「お前の居場所はこんなとこじゃねえッ!!」

「なっ…押し付けがましいんだよ!なんでそこまで…」

「仲間だからに決まってんだろ!」

「く…っ…!」

しかしそんなシャークさんに向けて、ハッキリと力強く「オレがお前の仲間だ」と言ってのける遊馬!
どこにも居場所がなく、汚れた連中に仲間以下の扱いをされるしかなかったシャークさんにとって、
この言葉はどれほど心強く聞こえているでしょうか

「さあ来い陸王、海王!お前らが勝ったらオレのナンバーズはくれてやる!」

「ナンバーズを…賭けるだと!?」

「ほーお…!そうかい、ナンバーズが賭かってるってんなら話は別だ…
 オレ達の2枚でもこれだけの力があるんだ、あれも手に入れりゃオレたちゃ無敵だぜ!」

「クックックッ…2対1なんてもんじゃねえ、3対1で戦ってやるぜ!なあ凌牙」

「…(すたすた)」

「なに…?」

「悪いな…オレはこいつにつくぜ」

「なんだと…!テメェ裏切るってのか!!」

「シャ、シャーク…!」

「勘違いすんじゃねえ…こいつらのお守りに飽きただけだ」

シャークさんのツンデレキター!!うひょおお!ついにシャークさんが不良兄弟と決別し遊馬の仲間に!
「勘違いしないでよね!」とお決まりのセリフも飛び出して、「ライバルだけどいつも味方してくれるキャラ」の空気がばーんと出てきましたね
というかさっきの遊馬の「別にシャークのためじゃないんだから!」といい、まったくお似合いな奴らだぜ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「面白え…オレ達にタッグデュエルを挑もうってのか?バカな奴らだ」

「タッグデュエルじゃ無敵のオレ達に勝負を挑むとはな…先攻はもらった!
 オレのターン、ドロー!裏守備表示でモンスターをセット!(守備力???)」

「いよっしゃあ!オレのターン、ドロー!ズババナイトを召喚!(攻撃力1600)」

「オレのターン、ドロー!リーゼントブリザードを召喚!(攻撃力1400)」

「オレのターン、ドロー!ビッグ・ジョーズを召喚!(攻撃力1800)
 さらにシャーク・サッカーを特殊召喚!(攻撃力200)
 シャーク・サッカーは、魚族モンスターが召喚された時、手札から特殊召喚できる…!
 レベル3のビッグジョーズとシャークサッカーをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!!
 現れろ!潜航母艦エアロ・シャーク!!(攻撃力1900)」

「す、すっげえ…!1ターン目でエクシーズ召喚!?やっぱりすげえぜシャークは!」

そんなわけで始まった2対2のタッグデュエルですが、しょっぱなからいきなり格の違いを見せつけるシャークさん!
他のメンバー3人がとりあえず壁用にザコモンスターを1体召喚しただけなのに対して、
1人だけ怒涛の連続召喚で早くも主力のエアロシャークを召喚!やはりこの中でもシャークさんの実力は頭ひとつ抜けてるな…

「エアロ・シャークのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、
 自分の手札1枚につき400ポイントのダメージを相手に与える!
 オレの手札は4枚…!よって1600ポイントのダメージだ!」

ズドドッゴオオオオン!

「ぐおおおおっ…!(LP4000→2400)」

「よぉし!決まったぜ!」

「クックックックッ…そう来ると思ったぜ…」

「クハハァーッ!トラップ発動”ブリザードエッグ・LV5”!
 効果ダメージが発生した時、そのダメージを受けたプレイヤーは
 手札からレベル5のモンスターを1体特殊召喚する!ただし、手札にレベル5の
 モンスターがなかった場合、そのプレイヤーは500ポイントのダメージを受ける!」

 《なんだと…?それではレベル5のモンスターがいなければ、
 陸王がさらにダメージを受ける危険な賭けに…》

「レベル5、レベル5っと…クックックッ…
 オレはレベル5のボンタンラバーザウルスを特殊召喚!(攻撃力2100)
 続けて行くぜ!トラップ発動”フレイムエッグ・LV5”!
 自分が効果ダメージを受けた時、仲間のプレイヤーは
 手札からレベル5のモンスターを1体特殊召喚する!ただし、手札にレベル5の
 モンスターがなかった場合、そのプレイヤーは500ポイントのダメージを受ける!」

「な…!?ま、またさっきと同じだ!」

「ハッハッハッ!オレはレベル5のメンチアイズ・バーグドンを
 守備表示で特殊召喚!(守備力2100)」

《バカな…!彼もまた、レベル5のモンスターを持っていたのか…!?》

ところがシャークさんが先制攻撃を叩き込んだその時、待ってましたとばかりに罠カードを連続発動する不良兄弟!
しかしその効果は、味方の手札にレベル5モンスターがなければ、無駄にダメージを食らって終わりというリスクが伴うものばかり…
それなのに、2人はまるでお互いの手札が透けて見えているかのように、ゆうゆうとレベル5のモンスターを呼び出してしまいます

「クハハハハ!見たかぁオレ達兄弟の完璧なコンビネーションを!」

「オレ達兄弟にタッグデュエルでかなう奴なんていねえんだよ!」

《なんだ…?彼らのこの絶対的な自信は…このデュエル、何かおかしい…》

(あいつら…まさか…!)

まるで最初からこうなると分かっていたかのような不良兄弟の態度、それを見てシャークさんとアストラルの表情が険しくなります
そう、考えられることはイカサマ…あいつらはお互いの手札が丸見えになるような、何らかの仕掛けを用意しているとしか…
むう…そうかなるほど、「ズルをして勝とうとした」という自分の行いに苦悩する遊馬とシャークさんに対して、
こいつらはズルをすることを屁とも思わずバリバリに使ってくるという対比がなされているわけですな
こういう汚い奴らを堂々と実力で倒すことこそが、シャークさんが更生する一番の薬になるのかもしれません

「もうこっちのもんだ…!オレ達の本当の怖さを教えてやるぜ!
 レベル5のパンチ・フレイムザウルスとボンタンラバーザウルスをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!!
 現れろナンバーズ61!ヴォルカザウルス!!(攻撃力2500)」

「うう!?こ、これが…あいつのナンバーズか!?」

そしてレベル5モンスターを素材にして、ついに切り札のナンバーズを喚び出してきた陸王!その名もヴォルカザウルス…って


バキシム!バキシムじゃないか!!
うわーこの鋭くとんがった顔の形といい、頭についた一本のツノといい完全にバキシムだこれー!!

「ヴォルカザウルスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで
 相手モンスター1体を破壊し!その攻撃力分相手にダメージを与える!
 オレはエアロ・シャークを破壊する!」

ドッバアアアアアン!!

「ぐおああーっ!!(LP3000→1100)」

「次はお前の番だ…!ズババナイトを破壊する!!」

ドッバアアアアアン!!

「がああああーーっ!!(LP4000→2400)な…なんてパワーだ…!?」

「ハッハッハッ!思い知ったかオレ達の力を…!お前のナンバーズはもらったぜ!」

ってこのバキシムめっちゃつええええ!「相手モンスターを破壊する」というだけでも便利な効果なのに、
それに加えて破壊したモンスターの攻撃力分ダメージを与えるというおまけつき!
さらに言うなら、オーバーレイユニットを使った効果というのは1ターンに1度しか使えないのが基本だというのに
このバキシムはそんな制限もなく連続発動が可能!

おかげでエアロシャークを破壊(1900のダメージ)、ズババナイトを破壊(1600のダメージ)、
さらにこの後まだ自分の攻撃を残しているので(攻撃力2500)
合計ダメージ6000を稼ぎ出すという恐るべきモンスター!しかもナンバーズだから普通のモンスターでは倒せないしな…
なんだこれ!強すぎだろバキシム!こんな最強バキシムを倒すには…倒すには…

ウルトラマンがぁ!
ほしい!!
(えー

やはりここは怪獣退治の専門家であるネオスに来てもらうしかあるまい…相手がバキシム使ってきたんじゃそれしかねーよ!
十代さんはやくきてくれー!!というわけで次回に続く!


■遊戯王ZEXAL(ゼアル) 第12話「希望の合体!アーマード・エクシーズ発動!」

 

「ハッハッハッハッ!見たか…!これがオレたちのナンバーズ、ヴォルカザウルスの力だ!」

「くそっ…!勝負はこれからだ!
 レベル4のガガガマジシャンとゴブリンドバーグをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!
 現れろナンバーズ39!希望皇ホープ!」

「ケッケッケッ…出てきたなナンバーズ、そいつを待っていたぜぇ!
 永続トラップ”アバランチ”発動!このカードが発動された時、
 召喚されたモンスターエクシーズは攻撃不可能となる!」

ビキビキビキビキ

「な!?ホ、ホープが…凍りついちまった!」

「さらに、モンスターエクシーズが効果を使えば
 そのプレイヤーは500ポイントのダメージを受ける!」

「そんな…それじゃあホープの効果が使えねえ…!」

さて前回、シャークさんと共に闘いつつも相手のナンバーズ・バキシムに蹂躙され、いきなりデュエルの主導権を握られてしまった遊馬たち…
今回は巻き返しをはかろうと早速ホープを召喚しますが、それすらも相手には読まれており
永続トラップを食らったホープは攻撃を封じられ、モンスター効果を使えばダメージを受けるという何もできない状態になってしまいます



「ナンバーズさえ封じりゃこっちのもんだな…まずは貴様からだ、凌牙ァァッ!!
 ヴォルカザウルスで凌牙へダイレクトアタック!」

「トラップ発動”ゼウスブレス”!モンスター1体の攻撃を無効にする!」

「ち…!そんなカードを伏せてやがったか…」

「ハハハッ!一気に決めてやるぜ!メンチアイスバーグドンで凌牙へダイレクトアタック!」

「くっ…!」

「希望皇ホープの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、
 モンスター1体の攻撃を無効にする!」

「な…バカな!アバランチの効果を忘れたのか!?500ポイントのダメージを食らうぞ!」

「オレ達は仲間だって言っただろう!!」

「…!」

ドッバアアアアアン!!

「ぐああああーっ!!(LP2400→1900)」

「ハハハハッ!美しい友情ごっこか!だったらもう1発お見舞いしてやるよォ!
 リーゼントブリザードンで凌牙へダイレクトアタック!」

「く…希望皇ホープの効果発動!モンスター1体の攻撃を無効にする!」

ドッバアアアアアン!!

「う…がああああーーっ!!(LP1900→1400)」

「あ…あいつ…」

そんな中、残りライフ1100のシャークさんへ向けて執拗な攻撃を繰り返す不良兄弟!
シャークさん1人では防ぎ切れるものではありませんが、なんと遊馬が自らを盾にして必死にシャークさんを守り続ける!
「仲間のピンチに黙ってられるか」とダメージを引き受ける遊馬の姿は、シャークさんの目にはどのように映っているのでしょうか

「ぐっ…まだまだ…!勝負はこれからだ!!」

「ハッ!まだ分かってねえみたいだな、オレ達の強さが…!
 トラップ発動”ヴォルカッシャー”!このカードの効果で、
 オレは海王の場にいるリーゼント・ブリザードンを守備表示に変更する!」

「えっ…な、なんだ?どうして仲間のモンスターをわざわざ守備表示に…」

「やったぜ兄ちゃん…!おかげで手札から、マジックカード”待機の氷洞”を発動できるぜ!
 このカードは、自分の守備モンスターのレベルを1つ上げる!
 よってリーゼント・ブリザードンのレベルは4から5にアップする!」

「あいつら…まさか…!」

「オレはレベル5のメンチアイスバーグドンと、リーゼントブリザードンをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!
 現れろナンバーズ19!フリーザードン!!(守備力2500)」

しかし遊馬たちが体勢を立て直す暇もなく、バキシムに続く2体目のナンバーズ・フリーザードンを召喚してしまった海王!
ますます遊馬たちは追い詰められて行くばかり…それにしても、気になるのは互いのカードを見透かしたような不良兄弟のプレイングです
ここでもまた海王が守備表示モンスターがいる時だけ使えるマジックを持っていると分かっているかのように、
わざわざ海王のモンスターを守備表示に変えた陸王…これを見たシャークさんは、ついにこの違和感の正体に気づいてしまったようです



「あいつら…!やはりイカサマか!!」

「ああ〜ん?なんのことだぁ?」

「とぼけんなァッ!!セコい真似しやがって…!」

「イ、イカサマって…」

「あいつらは、初めから互いのデッキに
 なんのカードがどの順番で入っているか覚えていたのさ!
 デュエルディスクのオートシャッフル機能にも細工してたんだろうよ…!」

「そ、そうか!それで何度も互いの手札に都合のいいカードが…!」

そう、不良兄弟のやたらと怪しいプレイングの正体はやはりイカサマ!
本来デュエルディスクには、デュエルの前にカードをシャッフルする機能が備わっていますが、
こいつらはそれに細工することで、自分達の決めた通りの順番でカードを引いていたという…
その順番を覚えているから、お互いの手札に今どんなカードがあるかを見透かしていたわけですな

「まともなデュエリストなら…こんなイカサマは絶対にしねえッ!!」

「ハハッ、何がイカサマだ?因縁つけてんじゃねーよ!
 イカサマをやったのはテメェだろ?全国大会でやったイカサマをよ!」

「う…ぐっ!」

「何が優勝候補だ、決勝の控え室で相手のデッキを盗み見た野郎がよ!!」

そんなデュエルを汚すような不良兄弟のやり口に対し、激しい怒りをあらわにするシャークさん!
しかしそこで陸王の口から出てきたのが、例の「全国大会でデッキを盗み見た」というシャークさんの過去にまつわる話でした
その詳細がいよいよ明かされるようですが、一体その時シャークさんに何があったのか…

ドワアアアアアアア!!

「凌牙!」「凌牙!」「凌牙!」「凌牙ーっ!」

《デュエルモンスターズ全国大会も、いよいよ決勝戦を迎えました!
 優勝候補の神代凌牙選手は、ここまで順調に駒を進めています!
 決勝戦では一体どんなデュエルが繰り広げられるのでしょうか!?》

(…勝つんだ…オレは…勝たなきゃならねえんだ…!)

そんなシャークさんの回想シーンがこちら、全国大会を勝ち抜いて控え室で決勝戦の開始を待っていたシャークさんですが…
当時のシャークさん人気は驚異的なものがあり、会場に詰めかけた観客たちのほとんどがシャークさんのファン、
大会の運営サイドも「優勝候補の最注目選手」とシャークさんを大きく取り上げており、
そんな大きすぎる周囲の期待こそが、シャークさんを「絶対に勝たなければいけない」という義務感で苦しめていたようで…

バサバサッ!

「うん…?」

「(すたすたすた)」

(あ、あれは…!あいつの…デッキ…!?)

とその時、カードの物音がしたかと思えば、そこには対戦相手がうっかり落としていった決勝用のデッキが!
たまたまシャークさんにも見えるようにひっくり返っていた何枚かのカード…
勝利の義務感にかられていたシャークさんは、そのカードを食い入るように眺めてしまい
その姿を監視カメラに撮られたことで失格になってしまったのだという…

な…な…なんじゃこのドアホな決勝相手はー!!
ふざけんなお前!盗み見たっていうか、こいつがうっかりデッキを落とすようなバカだっただけじゃねーか!
そのせいでシャークさんの人生がメチャクチャに!はあ…まったく信じられませんな、
このバカにふさわしいセリフといえばアレでしょうか、ゼアル第7話でデッキをうっかり落とした遊馬に呆れていたアストラルのセリフ

デュエリストの命を…!
ありえん…!!

「あれが原因で、お前はデュエルの表舞台から永久追放されたんだよなぁ?ハハハハハ!」

「…オレは…負けるのが…恐かった…」

「ぶはははは!優勝候補が負けるのが恐かっただとよぉ!ブザマだな〜?ええおい!」

「…」

「まったく情けねえ野郎だぜ!ハハハハハ!ハーッハッハッハッハッ!」

「笑うなァァァァッ!!」

「「「!?」」」

「何がおかしいんだ…!負けるのが恐くて、何がおかしいんだ!!
 オレだって恐かった…!シャークとデュエルした時、負けるって思った瞬間
 恐くなっちまって…だからナンバーズを使っちまった…!
 シャークを助けるためだとか言いながら!負けるのが恐かった!オレは嘘をついていた!
 でもだからこそ思うんだ…もう絶対にデュエルだけには嘘をつきたくないって…!
 シャークだってきっと同じだ!
 だからシャークのデュエルは!本物なんだァッ!!

「…遊馬…」

「相手がどんな汚い手を使おうが!
 オレ達は正々堂々戦って勝つ!!
 それが…今のオレ達のデュエルなんだ!」

うおおおお!!こいつは燃える展開!シャークさんのことをあざ笑う不良兄弟に対し、すさまじい気迫をもって吼える遊馬!
以前遊馬は「あんな凄いデュエルをするシャークが不正なんてするわけない」と言いましたが、
そうではなく真実は逆、遊馬もシャークさんも1度自分の弱さに負けてズルをしてしまったからこそ、
その味の苦さ、後ろ暗さ、自分に嫌気が差すあの感覚を知ったからこそ

もう2度とそんな真似はしたくない、決してデュエルに嘘をつかない決意を固めることになったのだと…

以前は負けるのが恐くて弱い男だった、しかしその自分の弱さを痛感し、
嘘を捨てることで本物となった。
それが今のシャークさんであり遊馬だったのです
だからこそ、どんなに汚い相手でも正々堂々とブッ倒す…遊馬の熱い気迫にこっちも目頭が熱くなりそうです

「ハッハッハッ!エラそうなことを!」

「テメェらの場には氷漬けのナンバーズが1体だけ…それで何ができる!」

「く…!」

「遊馬…」

「え?」

「このデュエル…勝つぜ!!」

「シャーク…!ああ!!」

「オレのターン、ドロー!!」

そして遊馬の気迫に触発され、シャークさんの瞳にもついに燃えたぎる炎が宿る!
これまで「俺には居場所がない」と常に迷い続けてきたシャークさん、迷うと言えば全国大会決勝の時もそうでした
迷って迷って…先の見えない道でもがき続けてそんな中で道を示してくれた遊馬、本当の仲間。
今のシャークさんに心の弱さなど微塵もありません、これならば存分にその実力を見せつけてくれるでしょう

「手札からマジックカード”エクシーズ・ギフト”を発動!
 フィールド場にモンスターエクシーズが2体以上いる時、カードを2枚ドローする!
 さらにマジックカード”浮上”を発動!自分の墓地から水属性モンスター1体を
 守備表示で特殊召喚!現れろビッグ・ジョーズ!!(守備力300)
 そしてハリマンボウを召喚し…レベル3のビッグ・ジョーズとハリマンボウをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!!
 現れろ!ブラック・レイ・ランサー!!(攻撃力2100)」

「ああ…!こ、これは!」

で、出たぁ!!シャークさんのマジックコンボだ!!(えー
フィールドがガラ空きの状態から華麗にマジックを連発し、一気に主力のブラック・レイ・ランサーを喚び出したシャークさん!
「お前らの場にモンスターなんていないし〜」と余裕をぶっこいていた不良兄弟にドカスカと攻撃を叩き込み
いよいよ逆転に向けてデュエルが動き出した感じです

「チィ…!トラップ発動!”ヴォルカ・アビス”!相手の手札を確認し
 その中にモンスターカードがあった場合、そのカードをデッキに戻す!
 オレはお前の手札を確認する!(遊馬を指差す)」

「げっ…オ、オレの手札を!?」

《次のターン、君のモンスターを召喚させないつもりだな》

ぼわんぼわん

(遊馬の手札…ゴゴゴゴーレムと死者蘇生か…)

「死者蘇生だぁ?ハッ、あいつに使いこなせるカードじゃねえな…
 さあ、ゴゴゴゴーレムをデッキに戻しな!」

「くっそぉ…!」

ところが、それでもまだ主導権を渡すまいとトラップカードを発動してきた陸王!そのトラップの効果というのがなんと

手札をお見せなさい!遊馬!
く…プレイヤーの手札をさらし者にする
忌々しい魔法カード!
手札に揃ったいいカードを
デッキに捨てさせられるのだ…おのれ…!

おのれぇぇぇぇぇぇぇ!!

いや、今使ったのは魔法カードじゃなくて罠カードなんですけどね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
ともかく、遊馬の手札を晒し者にしてゴゴゴゴーレムをデッキに戻してしまった陸王…
しかしこの時遊馬の手札をシャークさんも見ることになったので、手札に残った死者蘇生がこの後のキーになりそうですね…



「トラップ発動”ヘイト・クレバス”!相手モンスター1体を破壊し、
 その攻撃力分のダメージを相手に与える!オレはヴォルカザウルスを破壊!」

「ぬうっ…!」

「ちいいっ!トラップ発動”強制変移”!
 ヘイト・クレバスの対象を、ヴォルカザウルスからフリーザードンに変更する!」

ドッバアアアアン!!

「がああああーっ!!(LP2000→0)」

「か、海王ぉぉぉーーっ!!」

「あいつ…身代わりになりやがった!?」

「テメエらよくも弟を…!ここからタダで帰れると思うな!!
 ヴォルカザウルスの効果発動!
 相手モンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!」

「トラップ発動”ダメージ・ダイエット”!
 このターン、オレ達が受ける効果ダメージは半分になる!」

「小賢しいいーーっ!!ヴォルカザウルスの効果でブラックレイランサーを破壊!」

ドッバアアアアン!!

「ぬぐううっ…!(LP1100→50)」

「ヴォルカザウルスの効果で希望皇ホープを破壊!」

ドッバアアアアン!!

「うがあああーっ!!(LP1400→150)」

その後なんとか海王をシャークさんが倒したものの、怒り狂った陸王がまたもやバキシムの凶悪な効果を連発!
ブラックレイランサーとホープは瞬く間に片付けられ、その際のダメージでシャークさんと遊馬のライフも残りわずかに…
やっぱりバキシムの効果は強力すぎるぜ…遊馬がダメージダイエットを使ってなかったら2人とも消し飛んでましたね
そういえばバキシムはこの後さらに攻撃が可能なんでしたか、インチキ効果もいい加減にしやがれ!!(えー

「覚悟するんだなぁ!ヴォルカザウルスで凌牙へダイレクトアタック!」

「トラップ発動”ラスト・エントラスト”!このカードはバトルを強制終了させ、
 相手プレイヤーに自分の手札から1枚カードを渡す!遊馬!(しゅっ)」

「(ぱしっ)へっ?あ、相手プレイヤーってオレでもいいの!?」

「ああ…!」

「フン、無駄なあがきを…!」

「諦めるな…まだ勝機はある!」

「シャーク…?」

がしかし、バキシムのトドメの一撃を防御トラップで防ぐシャークさん!なんとか首の皮一枚残った感じでしょうか
しかもこの防御トラップ、ただ攻撃を防ぐだけでなく他のプレイヤーにカードを1枚渡すという世にも珍しい効果が…
それによりシャークさんから1枚のカードを託される遊馬。シャークさんによれば、このカードが逆転の可能性を作ってくれるようですが…?

「オレのターン、ドロー!オレ達の…勝機は…!」

(お前なら…気づくはずだ…!)

(シャークがくれたカード…アーマード・エクシーズ…それに…死者蘇生…)

「あっ…!?そうか!そういうことだったのか!」

遊馬の手札にあるのは、もともと持っていた死者蘇生、シャークさんがくれたアーマード・エクシーズ、そして今引いた油断大敵…
シャークさんは遊馬の死者蘇生を目にして勝てると思ったわけですから、それとアーマード・エクシーズを絡めたコンボを
使わなければならないはず…シャークさんのマジックコンボ…果たして遊馬に理解することができるか…?(えー

「手札からマジックカード!”死者蘇生”を発動!」

「遊馬、ホープを特殊召喚するのか!?」

「いいや…!シャークの墓地から!
 ブラック・レイ・ランサーを特殊召喚する!(攻撃力2100)」

「え…ええっ!?」

「ハーッハッハッ!どうしてホープよりも攻撃力の低いブラック・レイ・ランサーを!?
 やはりド素人だな!」

「それはどうかな」

「なに!?」

ここで必殺の呪文キター!!おそらくはゼアル初登場となる最強呪文それはどうかな発動!
そして周囲の予想を裏切り、死者蘇生で遊馬が蘇らせたのはシャークさんのブラックレイランサー!
確かに死者蘇生は他のプレイヤーの墓地からもモンスターを蘇生できるので、これは普通にできる行動ですが…
なぜわざわざ、ホープよりも弱いはずのブラックレイランサーを遊馬は選んだのか…?

「手札からマジックカード!”アーマード・エクシーズ”を発動!
 このカードは、自分の墓地にいるモンスターエクシーズ1体を
 フィールドにいるモンスターに装備する!
 希望皇ホープを…!ブラック・レイ・ランサーに装備!!」

そしてここで切り札アーマード・エクシーズを発動する遊馬!
その効果は自分の墓地のモンスターエクシーズと場のモンスターが合体するというもの…
そう、「自分の」墓地にいるモンスター…だからホープを墓地に残しておく必要があったわけです
そして合体、ホープとブラックレイランサーが合体!この2体が合体するということはつまり…



「メインステップ!希望皇ホープをブラックレイランサーにブレイヴ!」

「な、なにぃ!?」

「アタックステップ!駆けろブレイヴスピリット!!」

ドッバアアアアアアン!!

「うぎゃああああああーーっ!!(LP1900→0)」

エナジー発射ああああああああ!!(えー
そんなわけで合体したホープ&ブラックレイランサーのブレイヴアタックが炸裂!
「ライフで受ける!」とダイレクトアタックを受けた陸王はついに遊馬たちに敗北するのでした
それにしても決め手がまさかブレイヴとはね…まあバトスピもこの間希望皇ホープ使ってたからおあいこだろうな…(えー

「やったぁ勝ったーーっ!」

「やったぜ遊馬ぁーーっ!!」

ぱしゅううううう

《む…?こ、この記憶は…!?》

ドガアアアン!ボッガアアアアン!!

「「「うわああああ!ぐあああああーーっ!!」」」

あ、そういえばナンバーズに勝ったから、またアストラルの記憶が戻るんでしたか…って、こ、これは!?
その時アストラルが取り戻した記憶、それは予想だにしなかった異様な光景!
アストラル界で次々と大爆発が巻き起こり、人々が悲痛な叫びを上げ続けるというのがそれですが…
なんだか分かりませんが、アストラル界は今相当ヤバイ状況のようですな…やはりアストラルはその危機を救うためにやってきたのか…?

「(すたすた)」

「あっ…シャーク!アーマード・エクシーズ、こいつを返すぜ!」

「やるよそのカードは。ヘボデュエリストが、少しは成長したようだな」

「へ、ヘボだってぇ!?」

「ふふ…じゃあな」

そしてデュエルが終わった後は、言葉少なにその場を去っていったシャークさん。
しかしその表情は、今までにない清々しい笑みを浮かべていました。これは近いうちに仲間として再登場してくれそうですな
それにしてもアーマードエクシーズは遊馬の手元に残るのか…
つまり今後もブレイヴを戦術に組み込めるってこったな…決めろブレイヴアタック!次回に続く!


■遊戯王ZEXAL(ゼアル) 第13話「魂を狩る者!ナンバーズ・ハンター現る!」

 

ピピピ〜ピ〜♪ピピピ〜ピ〜♪ピピピピピピ〜♪

「く、口笛…?なんだぁお前は!」

「人の心に淀む影を照らすまばゆき光…人はオレをナンバーズハンターと呼ぶ」

「ナ、ナンバーズハンターだ…?」

「貴様の持つナンバーズ、回収させてもらう…!
 さあ…狩らせてもらおう!貴様の魂ごと!!」

そろそろゼアルの感想も再開しないとなぁ、ということで久々に書いてみたいと思います。
そんなわけで第13話ですが、今回はナンバーズハンターを名乗る謎の男・天城カイトが登場するという
物語が重要なポイントとなる話でしたね。

要するにアストラルと同じく、ナンバーズの収集を目的としているこのカイトですが…
アストラルと大きく違う点は、デュエルで負かした相手の魂ごとナンバーズを奪い取ってしまうという点でしょうか
おかげで負けてしまった相手はしおしおのパー、生気のかけらもない抜け殻と化すという恐ろしいことになっているわけですが…

「ファンタスティック!この短期間でこれほどナンバーズを集めるとは!
 カイト、私の目に狂いはなかったよ!」

「…」

「む、どうしたねカイト?ははあ…どうやら君は奪った魂の心配をしているんだね?
 仕方がないのだよぉ!今の我々の科学力では、ナンバーズを魂ごと
 奪い取るしかないのだから!それにナンバーズを持つ者たちは邪気に取り憑かれ、
 欲望を増幅させた悪党だからねぇ、気にすることはない!」

「本当に…ナンバーズを100枚集めれば、ハルトは…弟は元に戻るんですよね?」

「もちろんだとも!ナンバーズを手に入れることでしか、ハルトの治療法は手に入らない…
 引き続きナンバーズを探してくれたまえ!」

「はい…ハルト、どうだ具合は…?」

「兄さん…どうしてみんな笑っているの?ボクに必要なのは笑い声じゃないんだ、
 悲鳴なんだよ。ボクが落ち着くには…もっともっと悲鳴が必要なんだ…!
 聞かせて!聞かせてよぉ!もっと悲鳴をぉ!!」

「…ハルト…お前は悪い夢を見ているだけだ、悪い夢なんだ…だが安心しろ、
 オレが必ずその夢から覚ましてやる…!」

って…「ヒャッハー今日も魂バンバン狩りまくるぜぇー!」と暴れるだけのクソ外道かと思いきや、
意外にも人間らしい一面を持ち合わせていたカイト。実は魂を奪うという行為には心を痛めており、
精神を病んでいる弟を救うためにやむなくナンバーズを集めているのだという…

ふーむ、こういう弟に対する兄弟愛の描写は旧作の海馬社長を思い出しますね。
考えてみればカイトって名前も海馬社長から取ったのかな?海馬瀬人 → カイバセト → カイトって感じに。
ゼアルは旧作からのオマージュが多い作品だし、どうやらカイトは社長を意識してデザインされたキャラと考えて間違いないようですねえ

ピピピ〜ピ〜♪ピピピ〜ピ〜♪ピピピピピピ〜♪

「えっ、こ、この口笛…誰だお前?」

「貴様…ナンバーズを持っているな?狩らせてもらうぞ、そのナンバーズ!」

《っ…!?遊馬!この男は危険だ!逃げろ!!》

「えっ、に、逃げろったって…」

ビシュルルル!!

「うわっ!?な、なんだこりゃ!?」

「このデュエルアンカーにより、今から始まるデュエルのケリがつくまで…
 オレとお前は離れることができない!貴様がデュエルから逃げ出すことは不可能だ!」

「な、なにぃ?誰だか知らねーが…売られたケンカは買ってやるぜ!」

がしかし、そうは言ってもやっぱり弟のためなら容赦なくナンバーズ集めを続行してしまうカイト。
そんな次のターゲットにされたのはなんと遊馬!アストラルは強敵オーラをプンプン撒き散らすカイトを見て
「逃げるんだよォォォーッ!!」と遊馬に命じますが…しかしカイトはすかさず運命の赤い糸を射出して
遊馬に自分とのデュエルを強制してしまいます

まったくこんなアンカーで無理矢理デュエルをやらせるなんて、とんでもない野郎だぜ…
まあ前作に登場したチーム満足の皆さんもまったく同じことやってたけどな…(えー
しかもあいつら、こんな風にデュエルを強制させたうえに負かした相手のデッキを爆破という
頭おかしいことやってたからな…カイトはデッキ爆破しないだけまだ優しい方なのだろうか…:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

《遊馬…この男は君一人で勝てる相手ではない…!
 おそらく君が…いいや、私が今まで戦った誰よりも強い…!》

「えっ、あ、あいつそんなに強いのか…?」

「さあ…狩らせてもらうぞ!貴様の魂ごと!!
 オレのターン!手札からマジックカード”フォトン・ベール”を発動!
 手札にある光属性モンスター3体をデッキに戻し、再びデッキから
 光属性モンスター3体を選んで手札に加える!(デイブレーカー3体を手札に)
 さらに速攻魔法”フォトン・リード”発動!手札に加えた光属性モンスター1体を
 特殊召喚する!現れろデイブレーカー!(攻撃力1700)
 デイブレーカーの効果発動!このカードの特殊召喚に成功した時、
 手札の同名カード1体を特殊召喚できる!2体目のデイブレーカーを召喚!(攻撃力1700)
 さらに、新たに現れたデイブレーカーの効果発動!
 3体目のデイブレーカーを特殊召喚!(攻撃力1700)」

「い、一気に3体のモンスターだと!?」

《まずい…!場に現れたモンスター達はすべてレベル4…!》



「このレベル4三体のモンスターをオーバーレイ!
 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!!
 現れろナンバーズ10!白輝士イルミネーター!(攻撃力2400)」

「バ、バカな…1ターンでナンバーズを召喚しやがった!」

「まだだ…!白騎士イルミネーターの効果発動!手札1枚を墓地に送ることで、
 デッキからカードを1枚ドローする!いま墓地に送ったライト・サーペントの効果発動!
 こいつは手札から墓地に送られた時、フィールドに特殊召喚される!(攻撃力1200)
 さらにオレはプラズマボールを通常召喚!(攻撃力900)」

「ま、また…!?こいつ何体モンスターを召喚するつもりだよ!」

《く…これは…!》

「レベル3のライト・サーペントとプラズマボールをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!エクシーズ召喚!!
 現れろナンバーズ20!蟻岩土ブリリアント!(攻撃力1800)」

「ウ…ウソ…だろ…」

《2体目の…ナンバーズ…!》

カイトマジやりたい放題  ちょ、ちょっと待てこらあああああ!!
カイトのターンが終わらないじゃねーか!1ターン目からどんだけ飛ばしまくりだよこいつは!
無数の効果を発動しまくって怒涛の連続召喚を決めまくり、しょっぱなから2体ものナンバーズを揃えてしまったカイト…
あまりの展開に遊馬たちは呆然とするしかありません、「今までの誰よりも強い」というアストラルのセリフも分かる気がします
果たして遊馬はこのをトンデモ野郎を相手に勝つことができるのか…?次回に続く!


■遊戯王ZEXAL(ゼアル) 第14話「銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトンドラゴン)降臨!」
 

バゴオオンドゴオオオオン!!

「ぐっ…!ナンバーズモンスターが2体…!それもたった1ターンの間に召喚するなんて!」

《ナンバーズハンター…この男、一体何者だ…!?
 ナンバーズを持っていながら、まるでナンバーズに乗り移られている気配がない…!》

さて前回、恐怖のナンバーズハンター・天城カイトの襲撃を受け、デュエルへとなだれ込んでしまった遊馬でしたが…
すさまじい速攻で攻め立てるカイト相手に防戦一方、守備モンスターを出してもすぐに破壊され、
このままではジリ貧でやられてしまうのでは…という危機的状況に陥っていました

「さてと…そろそろ本気を出させてもらおうか」

「な、なに!?こいつ…まだ本気を出してないっていうのかよ!?」

「オレは白輝士イルミネーターと蟻岩土ブリリアントをリリースし、
 新たなモンスターを特殊召喚する!」

バシュバシュウウウウ!

「な…せ、せっかく呼んだナンバーズをもうリリースするなんて…!?」

「光の化身!いま降臨!現れろ!!
 ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンッ!!(攻撃力3000)」

ギャオオオオオオオン!!

「な…なんだ…こりゃ…!」

出よったああああああああ!!うわあああなんということ!
このままでもジワジワ遊馬を追い詰めることは可能だったカイトでしたが、それより一気に勝負をつけるべく最強モンスターをここで投入!
その名も銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!
これは…明らかにあの青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)を意識してデザインされたカードですな
攻撃力もブルーアイズと同じ3000ですし、やはりカイトはゼアルにおける海馬社長の立ち位置なキャラなんでしょうか

(攻撃力3000…!くそ…この攻撃をしのげるモンスターは、
 オレのデッキにはホープしかいねえ…!それが呼べなきゃマジにやばいぜ…!)

「オレのターン、ドロー!ガガガマジシャンを召喚!(攻撃力1500)
 ここからが勝負だ…!マジックカード”モンスタースロット”を発動!
 デッキからカードを1枚ドローし、そのカードがガガガマジシャンと
 同レベルのモンスターなら特殊召喚する!来てくれよ…レベル4…!(しゅぴっ)
 よし…!レベル4のガンバラナイトを特殊召喚!(攻撃力0)
 レベル4のガガガマジシャンとガンバラナイトをオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…!
 エクシーズ召喚!現れろナンバーズ39!
 希望皇ホープ!!(攻撃力2500)」

「(ニヤ…)現れたか…ナンバーズ!!」

おお…ギャラクシーアイズの登場でますます窮地に立たされてしまった遊馬でしたが、「うわーんもうホープに頼るっきゃねー!」
運ゲーでモンスターを呼び出すカード・モンスタースロットを発動!こいつが運良くいい具合に作用したおかげで
なんとかホープの召喚に成功します。いよいよお互いのエース対決、これで遊馬もやっとまともに戦えそうですね

「ここは一気に行くぜ!マジックカード”破天荒な風”を発動!
 このターンの間、オレのフィールド上のモンスターの攻撃力を
 1000ポイントアップする!(攻撃力2500→3500)
 これでヤツの攻撃力を上回ったぜ!とっとと墓地へ行きやがれ!」

「ほう…ギャラクシーアイズに戦いを挑むか?
 ギャラクシーアイズの力を舐めるな!!ギャラクシーアイズの効果発動!
 このモンスターがバトルする時、相手モンスターをゲームから除外できる!」

バシュウウウウウウ!!

「な…!?ホ、ホープーッ!!」

ウゲェー!?な、なんだそりゃ!そうかと思えばホープさんいきなり昇天!
これはまずい…攻撃力を強化してギャラクシーアイズに襲いかかったホープでしたが
「なら除外してやんよ」とあっさりギャラクシーアイズの効果の餌食に!
ギャラクシーアイズめ…ただ攻撃力が高いだけじゃなくて、こんな除外効果まで持ってるなんて面倒くさい奴です

「さらにギャラクシーアイズの効果発動!
 このターン、ギャラクシーアイズの効果で除外された相手モンスターは
 バトル終了時にフィールドへ舞い戻る!

しゅぱあああああ

「えっ?ホ、ホープ!やられたわけじゃなかったのか!」

えええ!?かと思ったら「はい戻っていいよー」といきなり復活させられるホープ。
なんなんだ一体!さっきのギャラクシーアイズの効果って、相手を除外した後すぐにまた元に戻してあげる効果だったのかよ!
なんて親切設計なんだギャラクシーアイズ…(えー  わざわざ相手を消してすぐ戻してあげるなんて…
一見何がしたいんだかよう分からん効果ですが、除外効果でホープのバトルが中断させられてしまったので、
さっきみたいに都合の悪いバトルは回避できる能力ってことでしょうかね

「フ…ギャラクシーアイズの本当の力はここからだ…!
 除外した相手がモンスターエクシーズだった時、
 ギャラクシーアイズはそのオーバーレイユニットをすべて吸収する!」

《なに…!?》

ギュギュウウウウウン!!

「そしてギャラクシーアイズは、吸収したオーバーレイユニット1つにつき
 攻撃力を500ポイントアップする!貴様から吸収したオーバーレイユニットは2つ…!
 これでギャラクシーアイズの攻撃力は1000ポイントアップ!(攻撃力4000)」

「こ…攻撃力4000って…オレのライフ全部だぜ…!?」

「さあギャラクシーアイズ!ヤツに攻撃しろ!破滅のフォトンストリーム!!」

ドッバゴオオオオオン!!

「があああああーーっ!!(LP4000→2500)」

ああしかし、この上さらに続きがあったギャラクシーアイズの効果!
それは相手モンスターエクシーズのオーバーレイユニットを吸収しパワーアップするというもの…
むう…モンスターエクシーズはオーバーレイユニットがないと効果を使えませんから、
吸収されると取り柄のない通常モンスターに成り果ててしまうわけですね。まさにナンバーズキラーと言うべきか

(く、くそっ…!こいつとんでもなくつええ…!どうしたら…どうしたら…!)

《遊馬、ミラーメールだ!》

「えっ?」

《君の手札にあるトラップ”聖なる鎧ミラーメール”を伏せろ!
 ミラーメールは、自分のモンスターの攻撃力を
 相手モンスターと同じ攻撃力に引き上げることができる!》

(そ、そうか…!ナンバーズはナンバーズでしか倒せない、
 攻撃力が同じになったら奴のギャラクシーアイズだけが消滅して、
 ホープは生き残る!これが逆転の一手か!)

ギャラクシーアイズの圧倒的なパワーに戦慄する遊馬ですが、その時アストラルから逆転のアドバイスが…
それは、ホープとギャラクシーアイズの攻撃力を同じにするカード・聖なる鎧ミラーメール…
攻撃力が同じ2体が戦えば本来どっちも破壊されますが、ホープはナンバーズ以外のモンスターと戦っても破壊されることはありません
ギャラクシーアイズはナンバーズではないので、この場合ギャラクシーアイズだけが一方的にやられる形になるわけですな

「ようし!オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」

「フン…オレのターン、ドロー!フォトン・ケルベロスを召喚!(攻撃力1300)
 このモンスターが召喚されたターン…トラップカードは発動することが出来ない!

ガッキイイイン!!

《なに!?》

「そ、そんな…!(これじゃミラーメールが発動できない…!)」

「どうした?オレが貴様の伏せカードも警戒せず、
 迂闊に攻撃するとでも思ったのか?」

「う、ぐ…!」

《バカな…!この男のデュエルは、私の上を行くというのか!?》

かと思ったらダメでしたァーー!!あ、あぁ…意気揚々とミラーメールを伏せた遊馬でしたが、
「そんなもん使用不能にしてやるよ」とあっさりそれを封じ込めてしまったカイト!完全に手の内を読まれとる…
「ミラーメールなら勝てるぜイエーイ!」と思っていたアストラルも、カイトにはそんな戦術がまるで通用せず愕然としております



「さあ…お前の魂ごと狩らせてもらう!
 行けギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン!!」

ギャオオオオオオオス!!

「う、あ、ああ…!アストラルゥゥーーッ!!」

《お、終わりだ…これで…》

そしていよいよ遊馬に迫るギャラクシーアイズ最後の一撃!
敗北すれば遊馬は魂を失いアストラルも消滅する…その恐怖に遊馬はガクガク震えて助けを求めますが、
もはや頼みのアストラルさえ完全に手詰まり、このままカイトに屈するしか…

「破滅のフォトン…!うっ!?」

《うがっ…!あうあ…!あああああ…!に、にい…さ…!》

「なっ!?ハ…ハルト!?」

って、あ、あれ?カイトがトドメの一撃を見舞おうとしたその時、発作のようなもので激しく苦しんでいる弟の声が!
これは…カイトの弟・ハルトは明らかにイカれているやばそうな奴でしたが…
やはりその精神は相当に不安定なようで、こんな風に発作を起こしてぶっ倒れることも日常茶飯事なようです

「ちいっ…!このデュエルは預ける!オレの名はカイト、胸に刻んでおけ!」

バオオオオオ!!

「え…?あ…」

そして次の瞬間「こんなデュエルよりハルトの方が大事だぜクソッタレー!!」と、
あっさりデュエルを放棄しエンジン全開で去っていったカイト!あまりの唐突ぶりにわけが分からない遊馬でしたが、
とりあえずこれで命拾いしたことは確かなようで…

「…手も足も…出なかった…」

ザアアアアアアアア

「…なにが…かっとビングだ…なにが…デュエルチャンピオンだ…
 こんなんで…デュエルチャンピオンになんてなれるかよォォッ…!!」

《…》

しかし…遊馬としてはこれ以上ないほどの敗北感を味わわされたデュエルでした
最初から最後まで一方的にやられ続け、決着の瞬間にはガクガク震えてアストラルに助けを乞う有り様…
今までに味わったことのない心が折れるというこの感触。あまりに無力、あまりに無残…
デュエリストとしての自信を完全に失ってしまった遊馬は、顔をくしゃくしゃにして雨に打たれ続けるのでした。次回に続く!

 






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