■ジョジョの奇妙な冒険 第1話「侵略者ディオ」



そんなわけで始まりました秋の新番組ジョジョの奇妙な冒険。
ジャンプ黄金期の頃から連載していた超名作で、少年漫画オタなら知らない人はいないというレベルですが
漫画に関してあまりディープじゃない人や女性の場合は、「あんまり読んだことない」って人もけっこう多いんじゃないでしょうか
断片的にしか知らなくて詳しい内容は分からないとかね。ともかくジョジョは漫画の中でも名作中の名作なんで、
私もできる限りレビューしていきたいと思います

「やめて!返して!返してよォ!」

「ゲヘヘへ!おいエリナ、この人形買ってもらったのか?
 お前の親父ヤブ医者のくせに儲けてっからなァ!」

「よーし、人形の服を脱がせてやるぜ!アソコが本物と同じかどうか見てやる!フヒヒ!」

そんなわけで冒頭のシーンですがいきなりとんでもない場面で始まります
2人のいじめっ子が女の子から人形を取り上げて、「よーし裸にしてアソコをじっくり観察してやるぜー!」
鼻息を荒げているという…き、きさまらー!!エロガキなのも大概にせんかー!!
このジョジョ第1話が世に出たのは1986年のことですが、それだけ昔の、しかも第1話の一番最初から
こんな変態を出してくるとはレベル高すぎます荒木先生(えー

「う…ううっ…ひっく…」

「「ワハハハ!泣いた!泣いた!泣き虫エリナーッ!!」」

「やめろォ!!人形を返してやるんだ!」

ドッガアアアーン!!

「うおっ!?な、なんだお前…!エリナの知り合いか!?」

「あっ!こ、こいつ…あのジョースター家の一人息子だぜ!」

「なにぃ!?俺は金持ちが嫌いだ!理由はねーがとにかく嫌いだッ!
 この野郎お高くとまるんじゃあねーぜッ!!」

ガスドガボガアッ!

「ぐっ!うがあっ!」

「ハハハハ!助けに入って逆にやられてやがる!」

「けっ、金持ちは自分の敷地内だけで遊びやがれ!行こーぜ!」

「う、ううっ…」

「あ、あの…」

「い…いいからほっといて!向こうへ行けよ!
 ぼくは君に感謝されたくって、あいつらに向かっていったんじゃあないぞッ!
 ぼくは本当の紳士を目指しているからだ!
 紳士には勇気を持って戦わなくてはならない時があるからだぞッ!」

とその時、いじめられていた少女・エリナを助けに入ったのが主人公のジョナサン・ジョースターです
ジョナサンは貴族の生まれで将来立派な紳士になろうと思っており、今はまだ未熟な紳士ごっこといった感じですが
自分より強いクソガキどもに迷いなく向かっていくあたり、なかなか根性の座ったやつです

「あいつつ…」

パカラッパカラッパカラッ

「…?」

そんなジョナサンがエリナと別れて家に帰ってくると、ちょうどそこへ誰かの馬車が家にやってきていました
ちなみにこの作品の舞台設定は1880年のイギリス。まだ車よりも馬車が主流の時代のようですな

バァーン!!

(…?誰だろう…?)

「あっ、君はディオ?ディオ・ブランドーだね!」

「そう言う君はジョナサン・ジョースター」

「みんなジョジョって呼んでるよ、これからよろしく!」



そして馬車から出てきたのはやたら人相の悪い少年ディオ・ブランドーであります
このディオ、ジョナサンの家に養子となりにやってきた少年で、今日がジョナサンとは初対面のようですな
それにしてもこんな風にバァーンと原作に似た書き文字を使用するんだなぁ、これはカイジで言うざわ…ざわ…と似たようなもんかな?

「ワン!ワンワン!」

「うん…?」

「あっ、ダニー!紹介するよ、ダニーってんだ!」

「ワンワン!」

「ぼくの愛犬でね、決して人は噛まないから心配いらな…」

ボギャアアアアアッ!!

「なっ!何をするだァーーーッ!!ゆるさんッ!!」

いきなりいったーー!!何をするだァーーーッ!!
なんと人懐っこいダニーに向かって、いきなり容赦ないヒザ蹴りをブチ込むディオ!なんなんだ一体!
ちなみにジョナサンの「何をするだァー!!」は超有名な誤植です。「何をするんだァー!!」が正しい書き方ではありますが
こっちの方が色々と面白いせいで「直さないほうがいい」とファンからも愛されているフレーズですな

(フン、こいつがジョースター家の跡継ぎか…
 家も金も人もすべて持ったぼっちゃんヅラだな。
 こいつを精神的にとことん追いつめ、ゆくゆくは…!)

「どうしたんだね一体?なにごとかね」

「はっ。急に犬が飛びかかってきたもので、とっさに…」

「えっ…!?」

「ふむ…諸君、このディオ・ブランドー君は私の命の恩人のご子息なのだ、
 これからはジョジョと同等に扱ってくれるようにたのむよ。
 それにジョジョとも同い年だ、仲良くしてやってくれたまえ。ジョジョ、ダニーのことはもういいね?」

「は、はい…ぼくも知らない犬が急に走ってきたらビックリすると思うし…気にしてません」

(本当は一言謝ってほしいな…でも、これから一緒に暮らすんだし早く友達にならなくちゃ)

腹の底では思いっきり黒いものを抱えているディオですが、ジョナサンの父親・ジョースター卿が出てくると
「急にボールが来たので…」柳沢のようにしおらしくなって猫をかぶり始める始末。
そんなディオの態度にモヤモヤを抱えてしまうジョナサンでしたが、今後のためにもここはグッとこらえるのでした

『ゴホッゴホッ…ディオ、おいディオこっちへ来い!ゴホッ!聞こえねえのか!』

『ハァ…なんだい父さん、薬かい?』

『バカヤロォ!んな効きもしねぇ薬いらねーんだよォ!酒だ、酒買ってこい!』

ぐびぐびぐび

『ウィ〜…ゴホッゴホッ、ディオ…おれはもう長くねえ…
 おれが死んだらジョースター家に行け…!こいつはおれに恩があるんだ、ヒヒッ…
 お前は頭がいい…誰にも負けねえ一番の金持ちになれ…!』

『…』

(醜くてずる賢くて…母に苦労をかけて死なせ、最低の父親だったぜ!
 一番の金持ちになれだと?ああなってやるとも、
 利用できるものはなんでも利用してやる!くずめッ!!)

ちなみにジョースター卿が「命の恩人」と呼んでいるディオの父親がこれ。
酒びたりで働きもせずディオと母親に苦労ばっかりかけていたどこから見ても最低の男ですが、
それもそのはず、命の恩人というのはデタラメで、たまたま馬車の事故で倒れていたジョースター卿を
「げっへっへ貴族が倒れてるとはラッキーだぜ」と身ぐるみはごうとして「き、君が助けてくれたのか…」と勘違いされただけだったのです

そんなドクズの父親に育てられ、今までひたすら最底辺のみじめな暮らしを味わってきたディオは、
「どんな手を使ってでも成り上がる」という野心がどんどん大きくなっていたのです
そういうわけでジョジョと馴れ合う気などまったくなく、踏み台にして蹴落とすことしか考えていないという…

「来たまえディオ君、きみの部屋へ案内しよう」

「はい」

「(サッ)」

「…」

ギリギリギリ!

「うあっ!?あ…う…!」

「何してんだ?気安くぼくのカバンに触るんじゃあないぜッ!!」

「えっ…!?」

「この小汚い手で触るな!と言ったんだ…マヌケがッ!!」

ギリギリギリ!

「は…!運んで…あげようと…!」

「けっこう!!」

ドズウッ!!

「あうぐっ!!」

「いいかジョジョ…君の家に厄介になるからといって、ぼくに威張ったりするなよな」

「そ、そんな…ぼくは仲良くしようと…!」

「ぼくは1番が好きだ…ナンバー1だ!誰だろうとぼくの前で威張らせはしないッ!!」

「2人とも何をしておるのだ?早く来なさい」

「はいっ!」

「う…うくっ…」

ああそして、ジョナサンが荷物を運んであげようとしただけで腕をひねるわヒジを入れるわやりたい放題のディオ!
ジョナサンがいくら親切心を見せたところで、まったく耳を貸す様子がありません
もはや完全にジョナサンをいたぶって追いつめることしか考えていないディオ…ジョナサンにとっての悪夢のはじまりです

《ディオの登場により、楽しかったジョジョの生活はとてもつらいものとなっていった》

バシイイイッ!!

「あぎゃ…っ!」

「また間違えたぞジョジョッ!ディオを見ろ!20問中20問正解だ!」

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「(カチャカチャ)」

「(カチャカチャ)」

「(バクバクモグモグズビズバー)」

「…」

「(バシャー)あっ」

「ジョジョ!お前はそれでも紳士か!作法がなっとらんぞ作法がッ!
 もうジョジョの食器を下げたまえ!今晩は食事抜きだ!」

「ええっ!?」

「ディオが来てからお前を甘やかしていたのを悟った!親として恥ずかしいッ!
 ディオの作法は完璧だぞ!?」

「う…ううっ…!」

(フン…マヌケが…)

ディオが家にやってきてからしばらく、勉強や食事などを一緒にやることになったジョナサンでしたが…
何もかも優秀なディオに対して、ジョナサンは勉強もマナーもてんでダメダメ、これには父親のジョースター卿もあきれ返って
事あるごとにジョナサンを怒鳴り散らすようになってしまいました

そんなわけでディオがまずジョナサンから奪ったものは父親。
まあ正直、ディオが奪ったというよりジョナサン自身がダメなせいの気もしますが(えー
とはいえ、後からやってきた養子に自分の父親がとられてしまうというのは辛いものがあるでしょう。どれくらい辛いかというと

最強のプリキュアですら
こうなっちゃうくらいにはね…
(えー
まったくサバーク博士はなぜああもダークプリキュアばかり(以下略)

それにしても、ディオのやつ今まで最底辺の極貧生活を送ってたのに、勉強の知識だとかマナーとか
よくここまで身につけたもんですね。あのクズな父親が学校に行かせるとも思えないし、もしかして全部独学?
だとしたら凄すぎるな…ディオは性格はアレだけど、能力だけ見ればものすごく優秀なやつなんだよなー

「さあ続いて紹介するは!ジョナサン・ジョースター!
 彼は最近力をつけてきましたあーっ!」

ワアアアアア!

「やれやれー!」

「待ってたぞジョジョー!」

しかし勉強がダメな一方で、スポーツに関しては最近メキメキと頭角を現していたジョナサン。
特にこのボクシングではかなりの実力をつけ、友達の中ではちょっとした人気者になっていたようです
1話冒頭ではイジメっ子に「なんだこいつよえー」とかボコられいたジョナサンですが、あの後になって力をつけてきたのかな?

「そして対戦相手ですが…まだ名前しか知らない、この町に来たばかりの友人です!」

「え…?ま、まさか…」

バァーン!!

「ディオ・ブランドー君!!」

 

うぎゃあ来やがったー!!ここでもやっぱりディオの魔の手が!
なんてことでしょう、自分の拠り所であるボクシングでもディオと戦うハメになったジョナサン!
これで負ければみんなの前で晒し者、ジョナサンのディオへの劣等感が激しく刺激されることは確実です、ディオの奴めそれが狙いか

「いいかい?顔面に一発でも食らえばその場で負けだ」

って…このルールだと、顔面に一発食らえばそこで試合終了なんですね
それならボコボコになるまでやられることはないかな?たとえ負けてもジョナサンの面目はまだ保ってられるかも…

カァァァーン!!

「いけいけジョジョーッ!」

「よそ者なんかやっちまえーッ!」

「う、うおおおおーっ!」

ブン!ブン!ブオオオン!

「フフ…」

「あ…当たらない!?」

「な、なんだよあの動きは!」

「見たこともない動きだ!」

そして試合が始まりますが、開始早々華麗なディフェンスでジョナサンの攻撃をすべてかわしてしまうディオ!
これは…ジョナサン達の動きはせいぜい殴りっこというレベルですが、ディオはまるで次元が違います
現代のボクサーとほとんど遜色ないようなフットワークとスウェー…1880年のジョジョ達からしたらまさしく見たこともない技術でしょう

(ジョジョ…こいつ思ったより鋭いパンチだ…だがねッ!!)

ドボオッ!

「おぐ…っ!」



(見せてやるぞ…!ゴロツキどもがやる、貧民街ブース・ボクシングの技巧をな!)

ベッキイイイッ!

「がっ…!」

「は、入ったぁーーっ!ジョジョの負けだぁーーっ!!」

(まだまだ安心するなよ…ジョジョ!!)

ああそして、ボディブローでジョナサンの動きを止めてから痛烈な顔面への一撃!
なんとも理想的すぎる試合運びで勝利を決めてしまいましたディオ、しかし「これで終わりじゃねえんだよ」
なにやらよからぬことを考えているようで…ただ普通に勝つだけでは満足できないというのか!?ジョナサン逃げてー!

(このまま!親指をッ!こいつの!目の中に…突っ込んで!!)

ズボォ!!

「うぐ!?」

(殴りぬけるッ!!)

ブッギャア!!

ウギャアキン肉マーン!!こいつはひでえー!
わざわざジョジョの目を痛めつけるために、エグい目潰しのサミングを繰り出したディオ!
おおう…自分が不利の状態ならまだしも、勝ち確定の場面で繰り出すとは追い打ち以外のなにものでもありません
ヘタすれば失明という危険なパンチを食らって派手に吹っ飛ぶジョナサン、こうして無惨な敗北を喫してしまったわけですが…

ワアアアアアアア!!

「うおおーーっ!ディオ!すごい奴だッ!!」

「さっきのはどうやったんだ!?」

「フフ、新しいボクシングの防御テクニックを使っただけさ。
 特別、ここにいる者だけに教えてやってもいい」

「ほ、本当かい!?」

「でもジョジョには絶対教えるなよ?あいつはすぐ秘密を漏らすヤツだからな」

「えっ、そうなのか!」

「う…うう…な、なぜだ…わざとだ…なぜこんなことを…!」

(フフフ…孤独は人間をカラッポにするからな…
 ジョジョを無気力なフヌケにしてやる!そして次第にヤツから全てのものを取り上げ…
 その全てをおれの物にしてやるッ!!)

いともたやすく行われるえげつない行為!(えー
さっきの華麗なテクニックですっかりディオはみんなの人気者、もはやここにいる全員がディオの子分になったも同然です
その途端にすかさずジョナサンをハブる方向へ話を持っていくディオ。げ、外道〜!
こうしてディオはまんまとジョナサンから友達も奪い去ってしまったという…これはさすがにジョナサンもダメージでかすぎるな…

「あっみんな!どこに行くんだい?一緒に遊ぼうぜ!」

「あ?おい…変なのがなんか言ってるぜ」

「無視無視、あいつと遊ぶとなんでも他人にバラされるぜ」

「チクリ魔ジョジョめ…!おい行こうぜ!」

「な…なんだって!?おい、誰がチクリだって!?」

「チクリ魔ジョジョォ!バッキャロー!!」

「くっ…ディオ…ディオだな!?ぼくの不利なデタラメを吹き込んだんだ!
 くそぉっ…ディオめ…!みじめだ…どんどん侵略される気分だ…!
 ディオッ…!ディオッ…!ディオ!ディオ!ディオォォッ!!」

そんなボクシングの試合からしばらくすると、ジョナサンはすっかり友達からのはみ出し者にされていました
一緒に遊ぼうと声をかけてもゴミを見るような目を向けられるだけ、ジョナサンの孤独はどんどん深まるばかり…
ジョナサンにとってディオはまさしく侵略者、こうも自分の幸福を次々と侵略していくなんて…


(C)安部真弘/秋田書店

笑いが止まらない
じゃなイカ…
(えー

まあ人間は侵略されてナンボだからね、仕方ないね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

(はぁ…彼が家に来てから…ぼくの生活はメチャメチャ…!孤独だッ…!)

パキッ

「…?」

「あっ…(たたたっ)」

「今の女の子は…?あっ、そうか!ブドウありがとう!明日もここにいるから君もおいでよ!
 へへっ…黙ってたったの一言も言わないなんて…女の子って可愛いな!」

ところが、そんな孤独の淵にいるジョナサンにもまだ一縷の望みが!
それは1話冒頭で悪ガキどもから助けた少女・エリナ…まだほとんど話したこともない2人ですが、
今もこうしてジョナサンへのお礼にとブドウを持ってきてくれたようです。エリナの存在はジョナサンにとって唯一の救いでしょうね

《恋!そのすてきな好奇心がジョジョを行動させたッ!!
 2人はたちまち友だちになり、ジョジョは彼女に夢中になった!》

(エリナ…!エリナ・ペンドルトン…なんて可愛らしいんだろう…!)

ガリガリガリ

「ジョジョ、なにを彫ってるの?」

「へへっ…」

「…まあッ!ジョジョったらいけないひとッ!!

それからというもの、ジョナサンはずっとエリナと一緒の時間を過ごすようになり、2人はどんどん親密になっていきます
すっかりエリナが大好きになったジョナサンは、近くにあった木に相合い傘を彫って「いけないひと!」と怒られたりも…
ああしかし、相合い傘彫っただけでこんなに真っ赤になってプンプンするなんて、エリナの純情っぷりは相当なもんですね
現代のリアル女子中学生じゃ考えられねーぜ…俺もこの時代に生きたかった…(えー
それにしても、それだけ純真なエリナの前でピーーの話ししてたあのバカども本当にどうしようもねーな(えー

「じゃあねー!バイバーイ!(ダダダッ)」

「ふふっ…」

「やあ。君、エリナって言うのかい?」

「えっ…!?」

「ジョジョとずいぶん仲がよさそうだねぇ…おかしいと思ったんだ。
 あいつが最近浮かれてると思ったら、こういうわけだったのか…」

「ヒヒッ…」

「ヒッヒッヒ…」

って変態小僧どもキター!!うわああああ!!
なんとジョナサンと遊び終わったその帰り道、エリナが一人になった瞬間を狙って待ち伏せていたディオと悪ガキ2人組!
こいつら今度は一体どんないやらしい真似をするつもりで…(えー

ガシイッ!

「ううっ…!?」

ズキュウウウウウウン!!

「…!?!?」

「「や…やったあーーッ!!」」

そして有名な場面キター!!逃げようとしたエリナを無理矢理とり押さえ、その場で唇を奪ってしまったディオ!
そんなキスの効果音がこのズキュウウウウウンであります、このぶっとんだセンスこそがまさに荒木ワールド…
あまりに印象的すぎる場面なので、キスと言えばズキュウウウウウンと他の漫画でも大量にパロられまくったシーンですよね



「んんっ…!んーっ!んんーーっ!!」

「(グイグイグイ)」

「さすがディオ!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!
 そこにシビれる!あこがれるゥ!!」

さらに畳みかけるようにこのセリフ!そこにシビれる憧れる!
名もないクソガキのセリフなのに味がありすぎるせいで、ジョジョネタとしては最もあちこちで見かけるセリフ…
「単なる脇役のセリフなのに超有名」という意味では、初代ガンダムの「足など飾りです!偉い人には分からんのです!」
並んで双璧かもしれないなぁ

「…ぷあっ!はあっ…!はあっ…!」

「クク…君、もうジョジョとキスはしたのかい?まだだよなァ?」

「…!」

「初めての相手はジョジョではないッ!このディオだァーーッ!!」

バアアアーーン!!

そしてエリナを徹底的に追い込むディオ!まさに外道!
あんな熱烈なキスされただけでもショックなのに、「ジョジョとの経験はどうなんだい?ん〜?」
余計に”ディオに汚された”という事実を刺激する一言を!これはエリナが純情であればあるほどショックだろうな…
ビッチだったら問題ないんだけどな…(えー
なにしろ相合い傘書いただけであんなになってしまう子ですから、こんな真似をされてしまっては…

(手段は問題ではないッ!キスをしたという結果があればいい!
 これでジョジョとの仲も終わりになる…!ジョジョには決して友人も恋人も与えんッ!)

 

「ああっ!?み、見ろ!こ…こいつ一体!?」

「…?」

バチャバチャ バチャバチャ

「ドロ水で口を洗っているぞッ!!あ、頭おかしいんじゃねーか!?
 近くに川もあるのによ…!」

「(キッ!)」

「こ…この女ァァーーッ!!」

ああしかし、その時わざと汚いドロ水で自分の口を洗うエリナ!
「お前の口なんかよりドロ水のほうがまだ綺麗だぜ」という無言の意思表示!
さらに、こんなことで屈しないという毅然とした目でディオを睨んでおります。エリナ…思ったよりずっと芯の強い子のようですね

「わざとドロで洗って自分の意志を示すかァッ!!」

ブワシイッ!!

「あうっ!」

「…くっ…!」

(くそっ…!このディオともあろう者が、たかが女ごときに…!)

「…もういい!行こう…!」

そんなエリナの態度に思いきりブチ切れて、とうとう猛烈なビンタで殴り倒してしまったディオ!
しかし、こんな怒りに任せた暴力に走ってしまった時点でこれはもうディオの負け…
実際、殴り倒したディオの方がギリリと苦い顔をしていました。こうしてお互いが痛み分けのような形となり、
ディオ達はエリナの前から去って行きましたが…

「おおーい!エリナーッ!」

「あっ…うぅっ…!(ダダッ)」

「えっ、エリナ!?待って!」

(な、何か変だぞ…?一体なにがあったんだ…?)

「ヒヒッ…見ろよ、ジョジョの情けねえ姿を!」

「おい言ってやれよ?彼女がなぜあんな態度を取るのかをよォ」

「やだよ、オレジョジョが悲しむ姿を見たくねーもん!ウヒャヒャッ…!」

「…おまえら…!エリナに…エリナに何をしたァーーッ!!」

ところが後日、ジョナサンと顔を合わせた途端に、涙をボロボロこぼしながら逃げ出してしまうエリナ!
ディオの前ではああしたものの、やはり内心そうとう傷ついていたようです。ある意味ジョナサンに会うのが今一番キツイのかもしれません
そして呆然とするジョナサンをニヤニヤと眺めるクソガキども…そんなクソ連中からとうとうジョナサンも事の真相を知ってしまい…

ダダダダダダダダ!バンッ!!

「ディオオオオオオオオオーーーーッ!!」

「人の名を!ずいぶん気安く呼んでくれるじゃあないか…!」

「決してゆるさないッ!!ぼくに対する嫌がらせではない…!
 ぼくの事などどうでもいいッ!!」

「ほほう…さては聞いたな?あの愛しのエリナのことを!
 そして鉄拳による報復に出ることを考えたわけか!」

てめーは俺を怒らせた!!ディオの卑劣な真似を知ったジョナサンは、まさしく怒りの炎を全身から吹き上げながら
ディオへ向かって猛然と突撃していく!自分が何をされようと構わない、しかしエリナに対するあの仕打ちだけは絶対に許せない、
まさしく今のジョナサンは怒りの化身、エリナの心をズタズタにしたディオの外道さを、断じて許すわけにはいかない!

「彼女に対する侮辱がゆるせないッ!!」

「見苦しいぞ…!嫉妬に狂った姿はッ!!」

メギャアッ!!

「が…ッ!!」

「またボクシングのようにされたいのか?マヌケが!!」

ああしかしディオ強し!!ここまで怒りに燃えるジョナサンの一撃すらも、軽くいなして強烈なカウンターのヒジ一閃!
なんてやつだディオ…ジョナサンは全力で殴りにいっただけにカウンターのダメージは相当でしょう、
ほとんどKOされてもおかしくない状態、足にきてしまったジョナサンはフラフラと倒れそうになってしまいます
それにしてもディオのやつヒジぐりぐりしすぎだろ(えー

「がっ…は…」

(か…かなわない………でも…ここで負けたら、一生ディオの影でオドオドと生活しなければならない…!
 何よりも…!エリナの名誉を取り戻すため、戦わなくてはならないッ!!)

「ぐ…うううううッ!!」

「フン…来いッ!!」

(徹底的に叩きのめしてやる…!それも正々堂々とな!そうすることによって、
 自分はもうこのディオには勝てないとジョジョ自身の体で覚えるからだ!
 ケンカでも…人生でもなッ!!)

ああしかし、KO寸前のダメージを負ってなお、傷つけられたエリナのためにも歯を食いしばり奮い立つジョナサン!
それに対してディオも全力をもって迎え撃つ!言うなればこれは2人の人間関係の縮図、
ディオはジョナサンを屈服させるために、ジョナサンはディオという壁を乗り越えるために、双方とも絶対に負けるわけにはいかない!

「うおおおおおーーっ!!」

ゴッシャアッ!!

「ぐうッ!?」

(いいぞ…いい感触だ!)

「くあああああああーーッ!!」

「…!?こ、こいつ、蹴りを入れられていながら…!」

ドッガアアアアーーン!!

「う…ぐぅぇぇっ…!!」

そして猛然と飛びかかるジョナサンに対し、またもカウンターのヒザを浴びせたディオ!
ディオ自身十分な手応えを感じた一撃でしたが、ジョナサンの意地はそれすらも凌駕しそのまま突撃を!
そこで全身からぶつかっていくような渾身のヘッドバット!さすがのディオも盛大に鼻血を吹き出してグラリときてしまいます
そしてディオがふらついた今この瞬間だけは、あの華麗な防御テクニックも無意味!ディオを倒しに行くならここしかない!

「ディオオオオオオオーーーーッ!!」

ドガバキドガアッ!!

(こ…んな…!)

「君がッ!!」

ドガドガドガアッ!!

(こんなっ…!)

「泣くまで!!」

ズガドガバキイッ!!

(こんな…カスみたいなヤツに…!)

「殴るのをやめないッ!!」

ブアッギャア!!

(この…ディオがぁぁぁッ…!!)

いったいったテリーがいったー!!
やれやれやっちまえー!これまでの借りを全て返すかのようなパンチパンチの雨あられ!
こうしてカスとあなどっていたジョナサンに、完膚なきまでの敗北を喫するディオ!
それにしても「君が泣くまで殴るのをやめない!」っていうのは、これほど怒りに燃えていても優しさを忘れないジョナサンの一面を
現していていいですね、殺すとか死ねとかじゃなくて、相手が泣くまでっていうところが殺伐としてなくていいと思います

「はあっ…!はあっ…!」

「う…うぐっ…よ…よくも…」

「はっ…」

「よくも…このぼくに向かって…!」

「な…涙…?」

「このきたならしい阿呆がァーーーッ!!」

ってディオマジ泣きキター!!マジかよこの人!ほんとに泣いちゃったよ!
ジョナサンにあれほど叩きのめされたのがよっぽどショックだったのか、とうとう涙をこぼしながらナイフを取り出したディオ!
こ、こいつはやばい…切れると何するか分からん奴ですな、もはやなりふり構わずジョナサンを亡き者にするつもりなのか…

「二人とも!いったい何事だッ!!」

「…!?(サッ)」

「と…父さん!」

「男子たるものケンカのひとつもするだろう…しかしジョジョ!
 今のは抵抗もできなくなったディオを一方的に殴っているように見えた!
 紳士のすることではない!」

「えっ!?ち、ちが…!」

「言い訳無用!2人とも部屋に入っとれッ!あとで2人とも罰を与える!」

ってそこにまさかの親父登場!突然の乱入によりディオも冷静さを取り戻したのか、ナイフを隠してケンカはこれで中断になります
そして2人のケンカのうちジョナサンが最後に殴りまくった部分しか見てなかった親父。
どうしてそうタイミングが悪いんだ!ジョナサンがやられるところは見てなくて、ディオをかばうような発言をするなんて!

いいかげん泣くで!?
キュアムーンライトさんなら
そろそろ泣くで!?
(えー

まあ「2人とも罰を与える」って言ってますから、ジョナサンだけが悪いってことになってないのが唯一の救いかな…

「うんしょ…!よいしょ…っと…!」

ドサドサドサ

「ふぅ〜…。うん?なんじゃあの箱…?まあいいか、メイドの誰かが捨てたんじゃろ」

そんな2人のケンカから数日後、ジョースター家の執事がゴミの始末をしていると、
焼却炉の中に見慣れない木箱が入っているのを発見します。なんでこんな木箱が?と不思議そうな様子の執事でしたが、
「まあゴミなら別にいいか」とあまり深く考えず、焼却炉に火をつけて燃やすことに…

メラメラメラメラガンッ…!ガンッ…!

「ん…?」

ガンッ…!ガンッ…!ガンッ…!

「な、なんじゃ…?このぶつかるような音は…」

ガンッ!ガンッ!ガンガンガンッ…!ガンッ…!

「な…!中に誰かいるのだ!大変だッ…!生きたまま焼かれているのだ!!」

うわああああああ!!なんというおぞましい光景!
炉の中が炎に包まれてしばらくすると、誰かが炉の中で焼かれながらひたすらもがいている身も凍るような音が!
まさかあの木箱の中に生きた誰かが入っていようとは思いもしなかった執事、激しい焦燥とともに大急ぎで焼却炉を開けてみると…

「…あまりにもひどい亡骸だったので、お前には見せずに埋葬したよ…」

「…」

「警察が言うには…おそらく番犬が邪魔な盗っ人の仕業だろうということだ…」

「…」

《ジョジョは自分の部屋へ行き、2時間眠った…そして、目を覚ましてからしばらくして…
 ダニーが死んだことを思い出し…泣いた…》

ダ…ダニーーーッ!!そう、あの木箱の中に入れられていたのは、ジョナサンの愛犬・ダニー!
気づいた執事が助けようとした時にはもう手遅れ…すでに無惨なほど焼き尽くされていたダニーは、
ジョナサンに看取られることもなくこの世を去ってしまったという…

(馬鹿犬を始末し屈辱は晴らしたが、あんな爆発力がジョジョにあるとは…
 見くびっていた…!奴は叩けば叩くほど成長するタイプだ!
 自分の欠点は怒りっぽいところだ、反省しなくては…
 もっと自分の心を冷静にコントロールするよう成長しなくては…!)



そしてダニーに対してあんな真似をしたのは当然ながらこの男でした
げ…外道がーー!!やり口が汚すぎるぜ!ジョナサン自身に仕返しをするんでなく愛犬を殺してしまうなんて!
それにしても、これで今回ジョナサンがディオに奪われたものは父親・友達・恋人・愛犬ですか…
すげえなまったくこの作品は…第1話からしてここまで主人公を追い詰めるとかガチすぎる
他のアニメの主人公だったら、もう次回は廃人になって無気力引きこもりニート状態になってるのが
普通だろうな…(えー

それにしてもこの第1話、ジョナサンがディオに向かって飛びかかっていくシーンが非常に良かったと思います。
見てるこっちも胸が熱くなりました、やっぱりね…主人公ってやつはいざという時に戦うことのできる奴というのが
非常に大きなポイントですよね、最近のアニメでは「戦うのなんてやめようよぉ!」って
やたら戦いを止めたがる主人公が多いというか、もしくは仲間の萌え少女とかがやたら強くて主人公に戦う出番がないだとか
そういうのが多い気がするんでね…

なんていうんだろう、古臭いかもしれないけど、こんな風に
勇敢で、正義感があって、様々な苦難に負けない主人公ってやっぱ最高だよなあ
こういう主人公って最近ほんと少ないですよね、よく見るのは「俺は正義なんかじゃない」ってなんかよくわからんけど正義を嫌う主人公とか
そもそも主人公が苦難に襲われない、大した成長もしないまま周囲にやたら持ち上げられてハーレムとか作るような
作品が多い気がします。その手の作品は苦難に見舞われるのって、主人公じゃなくてその周りにいる萌え少女とかなんですよね
それで主人公が萌え少女の抱えている問題に巻き込まれて、ちょっと手を貸してやって、問題が解決したら萌え少女に惚れられて…
その繰り返しでハーレムができていくようなパターンが多いかな。

もうそれ系のアニメはほんと見飽きたんで…ラノベアニメとか大抵がそれだしな…
その手のアニメは本当に主人公に都合のいい展開が続くんですよ、でもこのジョジョ1話はまったくその逆ですよね
徹底的にジョナサンが追い詰められて追い込まれて、でも負けずにそれを乗り越えるって話だから
ジョナサンは凄い奴だなって思うし好きになれるんですよね、ラノベでそういう主人公は今のところ見たことないな…

あとやっぱりこういう肉弾戦をやるタイプの主人公は、
精悍な顔立ちで、ある程度筋肉がついてるっていうのがすごい大事だと思います
今回のディオと戦うジョナサンを見ててそれをすごく感じましたね、男前でガッシリした体型なのがいいなあって…
最近のアニメ主人公ってみんな筋肉ないからね…

拍手コメントでソードアートオンラインが個人的に無理って言ったのも実はそのせいで、
筋肉がなくてヒョロッとしてていかにも一般人な感じの主人公が
やたら戦闘強くて色んな強敵をバッタバッタとなぎ倒すっていう絵ヅラが、どうにも受け入れられないんですよね
これは禁書の感想の時にも似たようなこと書いたと思います、ヒョロヒョロ体型で普通の学生やってる上条さんが
戦闘のプロみたいな連中を相手に拳ひとつで倒していくっていうのが、どーにも違和感あって…

やっぱりさ…孫悟空とかケンシロウとかキン肉マンとか、あれぐらいの筋肉は必要でしょうバトル系主人公なら!
でないと見た目が映えないよ!強さにも説得力を感じないんですよ!そのケンシロウですら
ラオウと並んじゃうと細く見えて「なんか弱そう…」って思えるぐらいなのに
まったく筋肉のない体の主人公が肉弾戦をやりまくるなんて無謀すぎる。やっぱ筋肉って大事だなと思います

ジョナサンはこの後どんどん体を鍛えてたくましい体型になっていくんで、そういう意味でも期待したいですね。次回に続く!
 


■ジョジョの奇妙な冒険 第2話「未来からの手紙」
 

ジョジョも2話目になってからOPが流れるようになりましたね
まーなんと言っても目を引くのは冒頭の徐倫、ジョルノ、仗助、承太郎、ジョセフ、そしてジョナサンの歴代ジョジョ登場シーンですよね
やれやれだわ無駄無駄サザエさんオラオラお前の次のセリフは何をするだァーッ!!(えー
というかジョニィや定助なんかはいちおう歴代ジョジョとは違う扱いなんかな?まああいつらはタイトルがジョジョの奇妙な冒険じゃないしね

あとはやっぱり歌詞がもうジョジョ愛に満ちていてすごいですよね

【空、こぼれ落ちた2つの星が、光と闇の水面吸い込まれてゆく】
星といえばジョースター家のシンボル、そんなジョースター家の2人の息子ジョナサンとディオが光と闇に分かれていく

【引き合うように重なる”波紋”】
波紋キター!!初期ジョジョといえばやはり波紋!初見の人も4話ぐらいまでいけば意味が分かるでしょう
波紋はジョジョを語る上で超重要なキーワードなので、もうこれを聞くだけでニヤッとしてしまいますね

【誇りの道を行く者に”太陽の導き”を、野望の果てを目指す者に”生贄”を】
誇りの道を行くのはもちろんジョナサン、そして野望の果てを目指すのはディオ、
太陽の導きと生贄は、それぞれが手にする特別な力のことを意味してますよね、これも4話あたりでちゃんと意味が分かると思います

【震えるほど心、燃え尽きるほど熱く、その手から放て鼓動】
震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!刻むぞ血液のビート!!
ジョナサンが必殺技を放つ時のあの決めゼリフ!聞く人が聞けばピーンとくるところが嬉しい

【その血のさだめ!ジョォォォォォォォジョォォッ!!】
そして最後はこれでもかというほど全力のジョジョシャウト!何もかも100%ジョジョへの作品愛をひたすらぶつけて作った曲って感じで
これはもうファン冥利に尽きますね、これほどまでに作品のためだけに作った曲っていうのも相当珍しいですねー
最近ではなんかその辺のアーティスト捕まえてきて、あんまり本編と関係ない曲流すアニメが多いですけど
ジョジョに関しては本当に制作サイドの作品愛が凄まじいので、OPでもそれをヒシヒシと感じることができましたね

ただ↓このジョナサンはもう完全にケンシロウだと思う(えー
なんか今からシンでも倒しに行きそうな雰囲気してないか…?北斗神拳の前には死あるのみ!

「とったァーーッ!!ボールを捕ったのは我がヒュー・ハドソン校の雄ーっ!
 ジョナサン・ジョースターだァーーッ!!」

「うおおおおおお!!」

ドドドドドド!!

「普段は静かなる男!身長195cmジョナサン・ジョースター、雄叫びを上げて
 ゴールへ突進するゥ!卒業を前にしたこの試合、優勝で飾れるかァーーッ!」

ガッキイイイ!

「ああーっと捕まったァーッ!が…倒れない!また2人!捕まった!3人!」

ドッギャーーン!!

「すっごぉ〜〜〜いッ!!3人にタックルされたまま、ひきずりながらも
 突進をやめないッ!なんというパワー、なんという根性、まるで重機関車ですッ!!」

そんなわけで第2話の本編冒頭シーンはこれ、前回のラストから7年の歳月が経ち、
あの少し幼かったジョナサンも今となっては195cmムキムキマッチョの巨漢になっていました
この日は大学のラグビー部で試合をやっていたようで、ジョナサンは数人がかりでも止まらない圧倒的パワーをバリバリに発揮していたという…



「ふんっ!!」

パッシィ!!

「ああっ!パスが通ったァーーッ!飛び出したのは…ディオ!
 やはり我が校のディオ・ブランドーですッ!」

シュバアアアアッ!

「ぬけたァーッ!単独走ですッ!華麗だ!
 相変わらず華麗な走りっぷり!トライーッ!!」

さらにジョナサンと絶妙なコンビネーションを見せていたのは、なんと意外にもあのディオ!
ボクシングでも華麗なテクニックを見せていたディオでしたが、このラグビーにおいても飛び抜けたセンスを発揮!
パワー押しのジョナサンとは正反対に、流れるように相手をするりするりと抜いていき決定的なトライを決めてしまいました

「やったァーーッ!!最後の試合を優勝で飾りましたァーーッ!」

ワアアアアア!!

「やったなジョジョ!」

「ディオ!見事だったよ君の走りは!」

「ありがとう!だがジョジョ、君あってのトライさ!」

「ディオ・ブランドーは法律でナンバーワンの成績で卒業する予定、
 かたやジョナサン・ジョースターは考古学の分野で見事な論文を発表しています!
 この試合もこの2人あっての優勝!まさに我が校の誇りです!」

「ジョジョ、この勝利をさっそくおとうさんに報告しなくっちゃあな!」

「うん!」

ザッザッザッ

(…ディオが正式な養子になり、ぼくの父をおとうさんと呼ぶようになって、どれくらい経っただろう…?
 今…ディオとあんな会話をしていたけど、正直ぼくは彼に対して友情を感じていない…
 なぜ?彼はあんなに凄くていい奴なのに…)

今となっては気持ち悪いくらいに仲良くしていたディオとジョナサン、そして2人ともすばらしい成績で文武両道を達成しており、
周囲から見たらまさに理想の親友コンビでしたが…しかし当のジョナサンは、「あーディオの奴と話すとなんかシラけるな」
どうもディオに対して本気の友情を感じていませんでした。ディオには何か裏があるのかもしれない…
ジョナサンの心の中にはどうしてもそういう気持ちが残っているようで…



「ディオ!学園の新聞に君たちの友情について書くけど、話してくれないか?」

「友情だって?テレるな…」

「頼むよ!ぼくらも聞きたいな」

「うーん、じゃあ…」

(フン!友情だと?きれいごとを並べてニコニコするなよな…クズどもが!!
 もうすぐ卒業…もはやジョースター卿の援助はいらん!
 7年ジョジョと表向き仲良くしたのは、この期を待ったから!
 計画はジョースター家の財産を乗っ取ることさ!
 法的に財産を自由にできる年齢になった!!)

そしてやっぱり真っ黒だったよこの男!
ああやっぱり!先ほどまで見せていた温和な態度はすべてうそっぱち!
腹の底ではこの7年ずっとジョースター家の財産乗っ取りのことしか考えていなかったディオ、
そして大学の卒業を期に、いよいよその計画を実行に移すつもりのようで…

「ゴホッ!ゴホッゴホッ…ゴホッ!」

「おとうさん、ご気分はいかがですか…?」

「うむ、だいぶいいよ…ただ、咳が止まらないな…ゴホッゴホッ!」

(とうさん…風邪をこじらせただけなのに、こんなに悪くなって…)

しかしジョナサン達が立派に成長した一方で、父親のジョースター卿はずいぶん体を弱らせてしまっていました
すでに寝たきりの生活で咳が止まらず、風邪をひいただけで相当な衰弱を見せてしまうほど…
これにはジョナサンもかなり心配そうです、ディオはどうだか分かりませんがね(えー

「今日、医者に入院をすすめられたよ…」

「入院?それはしないほうがいいですね」

「えっ…」

「病院は施設が悪いくせに、儲けることばかり考えて入院をすすめているんです」

「うむ…私も断ったよ、家の方が安心していられる。胸の痛みもなくなったし、
 指の腫れもひいたみたいだ…ゴホッ…!よくなっている…ゴホッゴホッ!」

しかし、それほど弱っているのに入院は断ってしまったというジョースター卿。
うーん、1話の悪ガキ達もエリナの父をヤブ医者よばわりしてましたが、この時代あんまり医者は信用されてなかったんですかね?
それと「よくなっている」とは言いつつも、どう見てもそうは見えないジョースター卿…本当に大丈夫なんでしょうか

「ところで…ディオ、ジョジョ、優勝おめでとう!私も鼻が高いよ、素晴らしい息子たちだ!
 ディオ、君は特にがんばった、卒業したらなりたいものになるといい…!
 援助は惜しまない、君は私の家族なんだからね」

「貧しい出身のこのぼくに、チャンスを与えてくれてありがとうございます。ますます励みたいと思います」



そしてこの顔である だ、だめだこいつー!腹黒いことしか考えてねえよ!
口ではこれだけ殊勝なことを言いつつも、頭の中では「あー早くこのクソ親父死なねえかな」とかそんなことしか考えていないディオ!
これだけジョースター卿が優しくしてくれてるというのに…ディオの辞書に情けという言葉は存在しないのか

ポタッ…ガッシャアアン!!

(ぼくだけが知る秘密…!この仮面を作った者は、一体何を目的として制作したのだろう?
 そして何よりも、亡き母が買ったという思慕の情がある…
 いつかこの仮面の秘密を解いて発表し、センセーションを巻き起こせればいいな)

そんな中でジョナサンは、母親が亡くなる寸前に買ったというアステカ文明の仮面・石仮面について研究していました
この仮面には血を垂らすと鋭い骨針が勢いよく飛び出てくるという仕掛けがあり、ジョナサンはそれに興味を持っていたのです
そういえばジョナサンは大学でも考古学を学んでいるんでしたね、これも過去の文明の遺産だから興味があるんでしょう
それにしても母ちゃんはなんでこんな気持ち悪い仮面なんぞ買ってきたのか…(えー

ドサドサドサッ

「わっ!し、しまった…ん?」



って、そんな石仮面についての調べものをしていたその時、うっかり本棚の本を崩してしまったジョナサン!
すると、そんな本の中から偶然にも古ぼけた一通の手紙が…
何の気なしにそれを手に取ったジョナサンですが、内容を目にした途端にドッギャーンとものすごい衝撃を受けてしまいます
果たしてその手紙に書かれていた内容とは…

「いつも助かりますディオ様…歳ですなあ、階段を登るのがけっこう苦になりまして…」

「ああ…(スッ)」

そんな一方でディオは、ジョースター卿の部屋に病気のための薬を持っていこうとしているところでした
しかし、誰も見ていないところでこっそりと別の怪しげな薬に入れ替えてしまうディオ!何をするだァーーーッ!!
こ、こいつ…まさかジョースター卿の容態が日に日に悪くなって行っているのは…

「ディオ…!今…その薬どうした…!」

「………どうした、とは?」

「君はいつも、とうさんに薬を運んでいるのかい…?」

「ああ。それが?」

「…7年前、君のお父さんが出した手紙を偶然見つけたよ…読もう!
 ”私は今、病にあります。多分死ぬでしょう…分かるのです。病名は分かりませんが、
  胸が痛み、指が腫れ、咳が止まりません…”」

「…」

「ぼくの父さんと同じ症状だ…!一体これはどういう事だッ!ディオーーッ!!」

「さあな…なんのことだ?
 わからないなJOJO…」(えー
(C)荒木飛呂彦/集英社

しかし、そんなディオの恐ろしい企みにとうとう感づいてしまったジョナサン!
そう、さっき発見した手紙とはディオの父親が死ぬ間際にジョースター卿へ書いたもの…
ディオの父親は正体不明の病気にかかり、胸の痛み、指の腫れ、ひどい咳を訴えながら死んでいったようです
それは何から何まで今のジョースター卿と同じ状況…都合よく2人とも正体不明の同じ病気にかかるなんてまず考えられません、
つまり2人が体を悪くした本当の理由は…

「…君は一体、なにが言いたい?」

「その薬!調べさせてもらおうッ!」

バアッシイ!

「ジョジョ…!その薬を調べるということは、我々の友情を疑うこと…
 友情を失うぞッ!!」

「…!」

(くっ…ディオの目に威圧され、目を伏せてしまった…
 あくまで疑惑にすぎず、確信がまるでないからだ…!)

「ジョジョォ…その薬を盆の上に戻せよ…!そうしたら君のバカげた考えのことは忘れよう…!」

って、「お前それ毒薬だろ!」とディオから奪い取ろうとしたジョナサンですが、
それを物凄い形相で止めようとするディオ!
もはや怪しさ満点ではありますが、なにがなんでも薬を渡す気はないようです
その凄まじい気迫には思わずジョナサンもたじろいでしまうほど…ヘタにつつけば何をされるか分かったもんじゃありません

「くっ…ディオ!紳士として、君の実の父・ブランドー氏の名誉にかけて誓ってくれ!
 自分の潔白をッ!」

「なに…?」

「自分の父親に誓えるなら、ぼくはこの薬を盆の上に戻し、二度とこの話はしない!」

(もしぼくの推理どおりなら…彼の誇りに対する性格から、誓いはできないはずだ…!)

「ディオ!さあ誓ってくれッ!」

「…誓いか…」

ドクン!!

「ぐ…!ぐぐっ…!ハア…ハアッ…!」

「…」

「あいつの…名誉に誓うだと…!?勘違いするな…!
 あんなクズにィッ!名誉などあるものかァーーッ!!」

って思いっきりブチ切れキター!!いきなりなんだー!父親の名誉に誓えばそれで潔白と言われたディオですが、
どうしても我慢できずに思いっきり憎悪をブチ撒ける結果に!建前ですらも言えんのかい!
ただ、それほどあのクズ親父に対しては凄まじい憎しみを抱えてるようですね、なんだか思い出すだけでも
ハアハアと呼吸が荒くなったりするほどの衝動を抱えているようです

それにしてもこの場面はディオ役の子安武人の演技がすごい。∀ガンダムのギンガナムとかをやってから
子安武人はこういうワルっぽい叫びのシーンがすごく板に付くようになりましたよね
ディオは単なる「冷静で美形なキャラ」ではなくて、こういう荒ぶる衝動をたまにブチ撒けるキャラなので
両方の演技ができる子安武人はすごいハマリ役だと思いますねえ

バキイイイッ!!

「ぐ…!ディオ…君への疑惑が確信に変わったぞ…!
 君の動揺と憎悪は普通じゃない、君と父親との間に何があったのかは知らんが…
 君は父親を殺害している!」

「ぬぐ…!」

グググググ…!

「ぼくは父を…!ジョースター家を守るッ!!」

ああそして、思いきりキレたディオはいてもたってもいられなくなってジョナサンを殴りますが
そんなディオのパンチを受けながらも、父さんを守るという気迫で一歩も引かないジョナサン!
さらには、あのボクシングの時の目潰しアタックを繰り出そうとしたディオに対し、
物凄いパワーで腕を捻り上げてそれを防いでおります。おお…ジョナサンの成長を感じるシーンです、ここまで強くなっていたのか!



「ディオ!君の7年間の考えが分かった!
 ぼくらには最初から友情など存在しなかった!そして父にはもう近づけんッ!!
 この薬を分析して、必ず刑務所へと放り込んでやるぞッ!!」

「ち…!」

(くそッ…!あと一歩というところだったのに…!
 あんなクズのせいで、計画を潰してたまるものか…!)

《死んだ女の服なんぞ売っ払えッ!酒だぁ!酒買ってこいィーーッ!!》

(母は苦労をして死んだ…!あいつの血がこの体に流れていると考えるだけで…
 気が狂いそうになるッ…!!もう引くことは…できない…!)

そしてついに偽りの友情を投げ捨て、決定的に対立することとなった2人!
しかしディオはジョナサンよりむしろ、あの父親のせいで計画が潰れるのが我慢ならないようです
もう考えるだけで発狂しそうになるほど、本当に憎くてたまらない父親だったみたいですね

あとこの父親の回想シーン、原作では薬を渡そうとしたディオをブン殴って
「酒こそ薬さ!こいつをたたき売って酒買ってこいィーッ!今すぐだァー!」って言ってたのが
ちょっとセリフ改変されてて寂しかったです(えー  酒こそ薬さ!ってフレーズが妙に陽気でアホっぽくて好きだったんだよね

(大学の研究室でも薬の分析は不可能だった…
 そうすると東洋の薬である可能性が強い…!)

(ジョジョをなんとか始末せねば…それも完全犯罪でなければならん…!
 この石仮面の骨針が、ジョジョの脳みそに食い込めば間違いなく即死ッ!
 しかも研究中の事故死となり、殺人容疑はおれにはかかってこない!
 ジョジョ…お前の研究でお前自身が死ぬんだ!)

その後はディオの魔の手から父親を救うため、そして邪魔なジョナサンを始末するためにそれぞれ動き出した2人。
ジョナサンは毒薬の証拠と解毒剤を探し回り、ディオは石仮面を使ってのジョナサン暗殺計画を考えていたという…
ちなみにディオが石仮面を凶器に選んだのは、ナイフや銃を使ったのでは証拠が残ってしまうからですね

石仮面が作動する仕組みはジョナサン以外に誰も知らないので、(ディオはジョナサンの研究ノートを盗み見て知った)
これでジョナサンが死ねば、ジョナサンが自分で石仮面を作動させて死んだって言い訳が使えるわけです
ただこれをどうやってジョナサンにかぶせて殺すんだろうね…(えー

「だ、だんな…ここから先は食屍鬼街(オウガーストリート)といって、
 ロンドンでも一番やばい街なんでさぁ…!」

「わかっているよ、君は引き上げてくれて構わない(すたすた)」

---------------------------

「なに?ジョジョが1人でオウガーストリートに入ったと?」

「はい、お止めしたんですが…」

(フン、仮面で始末する手間がはぶけたな…すでに殺されたか、のたれ死んだか…!)

そんな中、ジョナサンは薬の出どころを求めてオウガーストリートというメチャメチャ治安の悪い町へと足を踏み入れていました
実際ディオはここで薬を調達したようですが…しかし、世の中の汚さを知り尽くしているディオだから無事に済んだものの
おぼっちゃん育ちのジョナサンは果たして無事に帰ってこられるのか…

ドドドドドド

「ん…!?」

ドドドドドドド!!

「おい刺青!あの身なりのいいあんちゃんの肌を斬り刻んで、身ぐるみはいじまいなッ!」

「おう!うっきゃああーーッ!!」

YOUはSHOCK!愛で空が落ちてくる!(えー
なんとジョナサンが町へ足を踏み入れた途端、いきなり「ヒャッハー!獲物だぁー!!」
北斗の拳みたいな奴らが登場して襲いかかってくるという展開に!OPのジョナサンといいなんだこの北斗っぽさは!



「なるほど、名前にふさわしい街だ…!」

ガッシイイッ!

「こ、こいつ馬鹿かあーッ!?ナイフを素手で止めやがった!」

「…」

「ヒヒッ、だがよォ…おいらがこのナイフをちょいと引っ張ったら、指4本はそげ落ちるぜ!」

「試してみろ…引っ張った瞬間、ぼくの丸太のような足蹴りが君の股間を潰すッ!」

「な…」

「ぼくには指4本など失ってもいい理由がある…!
 父を守るため、家を守るため!君らとは戦う動機の格が違うんだ!」

いきなりのナイフ攻撃を仕掛けてきた刺青野郎ですが、刃を素手で握り締めて顔色ひとつ変えないジョナサン!
仮に指が切り落とされようとも動じないその精神力に、ただのゴロツキでは硬直して気圧されるばかり…
そんなわけで「お前はもう死んでいる(ピプー)」「ひでぶ!」「あべし!」
瞬く間に2人が片付けられてしまいました(えー

「お前…指4本失うぐらい平気と言ったな、ああ〜ん?
 ハッタリぬかすなよ金持ちのアマちゃんッ!!ためしてやるッ!!」

ギャイイイイン!メキメキメキィッ!

「ぐううっ!!」

「ハッハーッ!刃が骨まで達した音!まともにくらったな!」

しかし2人まではあっさりと片付けたジョナサンでしたが、残る1人はこの街を仕切るボス格の男・スピードワゴン!
なぜか帽子を刃物に改造した変態ではありますが、見た目はアホでも帽子カッターの殺傷力はかなりのもの…
スピードワゴンがブン投げた帽子カッターは、ジョナサンの腕をズタズタに切り裂いて骨まで刻んでしまいます
ぎゃーこれはかなりの重傷を…って!

ズドドドドドド!

「えっ…」

ブオッギャア!

「ゲブウッ!!」

ってゲェー!?なんと次の瞬間、「関係ねえなそんな事は」とばかりに傷のことなど意にも介さず
一気に間合いを詰めて猛烈な蹴りを放ったジョナサン!「えー!?なんで怯まないんですかー!?」
完全に意表を突かれたスピードワゴンは、ジョナサンの蹴りをモロに食らって一発KOされてしまいます

(な…なんてやつだ…ハッタリじゃあねえ…!こいつには指どころか両足だって
 失ってもいい覚悟がある…!そして恐怖や痛みに耐える精神力がある…!
 やめりゃよかった!こんなタフガイにケンカふっかけるのはよォ…!)

ドサアッ!

「ん…?」

「ヒヒヒ…ヒヒ…」「ヒヒヒ…」

ところが一難去ってまた一難!スピードワゴンを撃破したジョナサンではありますが、気が付けば周囲には
無数の武装した街の荒くれ者たちが!さすがに手負いの身でこれ全員を相手にするのはジョナサンといえども…

「や…やめろ…その紳士に手を出すことは、このスピードワゴンがゆるさねえッ!!」

「…?」

「ひとつ聞きてえ…!あんた、なぜ思い切り蹴りを入れなかった…?
 あんたのその足ならよォ…おれの顔をメチャメチャにできたはずなのによォ…!」

「…僕は父のためにここに来た。だから蹴る瞬間、君にも父や母や兄弟が
 いるはずだと思った…君の父親が悲しむことはしたくない!」

(こ、こいつ…マジか…限りなく甘っちょろい奴だぜ…!し、しかし…
 確かに俺の仲間も大したケガじゃない…!こいつは正真正銘、精神的にも紳士だ…!)

「気に入ったぜ…!あんたの名前を聞かせてくれ…」

スピードワゴンが仲間にくわわった!(えー
なんとその時、ジョナサンの精神性に心打たれたスピードワゴンが手を貸してくれることに!
本当なら有り余るパワーでスピードワゴン達をもっとギタギタにできていたジョナサン、
しかし彼らのことを思って最低限の力だけで今まで戦っていたのです、自分はあれだけ深手を負っていたというのに…
ケンシロウなら一切の容赦なく全員ブチ殺してたところですが(えー
そういった生粋のバトル野郎とは違うジョナサンならではの甘さ、スピードワゴンはそこを気に入って仲間になったようですね

ゴクッゴクッゴクッ

(くそっ…!ジョジョのやつ、きっちりのたれ死んだんだろうな…!
 まさか薬の証拠を…くっ…!酒!飲まずにはいられないッ!!
 あのクズのような父親と…!同じことをしているッ!!くそッ!!)

そんな一方でディオは、ジョナサンの存在にどんどん不安を感じるようになり、その不安をかき消すように酒をガブ飲みしていました
さっきは「くっくっくジョナサンのやつ死んだな」と余裕の笑みを浮かべていましたが、「でもひょっとすると生きてるかも…」
思い始めた途端に色々と落ち着かなくなってこうなってしまったようです(えー
しかし酒に溺れるこの姿は、ディオ自身が忌み嫌っていたあの父親と瓜二つ…その事実が余計にディオを苛立たせてしまっているようです

ドカッ!

「うおっ!どこ見て歩いてんだ、このトンチキがァーーッ!!」

「…」

「おい相棒!俺の服にあのガキの小便のシミがついてねーか見てくれ!」

「ギャハハハハ!おい聞いてんのか?ケツの青いガキがよォ!!」

「(ギリッ…)」

ゴッシャア!!

「ハ…ハヒ〜ドベベェ!」

「こ…この野郎!よくも俺の親友(ダチコー)を!」

「ほぉ…衛生観念もない虫けら同然のクズのじじいが、
 よくもこのディオにそんな口がきけたものだ…!おもしろいッ!」

とその時、道ばたでふらついた拍子にガラの悪い2人組とぶつかってしまったディオ!
ただでさえ苛ついているところに汚い言葉を浴びせられ、ブチ切れたディオは速攻で1人を叩きのめしてしまいます
あとここのセリフもちょっとだけ変わってますね、原作だと「衛生観念もない虫けら同然のたかがじじいの浮浪者が!」って
とことん120%見下しまくりのセリフでしたが、ほんのちょっとだけマイルドに。浮浪者ってのは放送的によろしくない単語なんだろうか

「いい機会だ…ジョジョの前にまずここで試してやるッ!」

「なにをゴチャゴチャ言ってるんでぇーーッ!」

グワシイイッ!!

「人体実験だッ!!」

ああそして、ジョジョを殺すための石仮面でチンピラじいさんを始末してしまうディオ!
石仮面を強引に相手にかぶせ、骨針を作動させて頭をドスドス貫いてしまったという…
ちなみに骨針の作動には血が必要ですが、それはもう一人のじいさんをナイフで殺して用意しました。げ、外道ー!!

ビッカアアアアッ!!

「おうあ!?こ…この光は一体!?」

「………」

「幻覚か…?やはり死んだか…ペッ!面白くもない…ただの拷問殺人道具よ!」



「…!?なんだ一体!?し…死んでいないッ!!」

「ウシャアアアアアッ!!」

グッボオオオオン!!

「うげえええッ!!な…なんだ…このパワーは…!
 かすっただけなのに、鎖骨を砕かれている!?」

がしかし、骨針が脳に食い込んだその瞬間、謎のまばゆい光を放った石仮面!
普通なら即死なはずのじいさんは、ゆらりと不気味に復活しディオを襲撃してしまう!
しかも驚愕すべきはそのパワー…人間を遥かに凌駕する力を得てしまったじいさんは、パンチ一発で壁を粉々に破壊し
かすったパンチでディオを吹き飛ばし鎖骨を粉砕してしまったという…

それにしても「うげー!」って言いながらギューンと水平に飛んでいくディオの場面があまりにもシュール過ぎて吹いた(えー

「なんか知らねえがよォ…乾いて乾いてしょうがねえんだよ…!」

ズキュンズキュンズキュン

「ぐ…ぐあ…ああああああああ!!」

(ち…血が…吸い取られている…!?)

絶望的なパワーの差にディオは逃げることさえもかなわず、首に指を突っ込まれて血を吸い取られてしまう!ひええー
しかもどうしたことか、ディオの血を吸い取るごとにみるみる若返っていくじいさんの姿!
そう、石仮面とは人間を超えた怪物・吸血鬼を生み出してしまう悪魔の道具…吸血鬼となった者は人知を超えた圧倒的なパワーを持ち、
人の血を吸い取ることで不死の能力をも得てしまうという…



(あ…あぐぐ…!石仮面の秘密が分かってきた…し、しかし…!)

ズキュンズキュンズキュンズキュン

「があああああーーッ!!」

「ヒッヒッヒッヒッ…」

「ちぐしょうーーーッ!!あの太陽が最期に見るものなんていやだーーーッ!!」

「う…ぐ…!?」

パアアアアアア

「ぎ…ぎゃああああああ!!」

ゾオバアアアアッ!!

「な…!?ハアッ…!ハアッ…!た、太陽の…光…?」

ところがその時、夜が明けて辺りに降り注いだ太陽の光!それをまともに浴びたじいさんは、みるみるうちに体が消滅してしまう!
そう、吸血鬼の弱点といえば太陽…これこそが吸血鬼を絶命させる一番の方法だったのです
偶然にもそのおかげで九死に一生を得たディオ…しかし、石仮面と吸血鬼の秘密を知ってしまったディオの次なる行動とは…次回に続く!






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