■ジョジョの奇妙な冒険 第3話「ディオとの青春」

カツーンカツーン

「…?どうした執事!なぜ邸内の明かりを消しているッ!」

ボウッ…

「はっ…?」

「ディオ…解毒剤は手に入れたよ。さっきとうさんに飲ませた…」

「…」

「ディオ、ぼくは気が重い…兄弟同然に育った君を、これから警察に突き出さなければならないなんて…
 
残念だよ。わかってもらえないかも知れないが、これは本心だよ」

さて前回、酒を飲みながら町を歩いていて、石仮面の思わぬ秘密を知ってしまったディオ…
しかしあの後ジョースター邸に帰ってくると、すでに毒薬の証拠と解毒剤を手にしたジョナサンが
ディオの罪を裁こうと待ち受けているところでした

「…その気持ち、君らしい優しさだ…」

「…」

「ジョジョ…勝手だけど頼みがある。最後の頼みなんだ…
 ぼくに時間をくれないか!?警察に自首する時間を!」

「えっ…!?」

(い…意外!てっきり追い詰められた野獣のごとく、反撃に出ると警戒していたが…!)

(ジョジョォォォォッ…!!無事にあの貧民街から戻るとは…!
 もう殺るしかない!油断させて一気にナイフでブッ殺してやるッ!!)

その後「分かりました自首してきます…」とか言い出したディオですが内心はこれであります
前回は完全犯罪だなんだと色々考えていたディオですが、こうなってはもうなりふり構っていられず
「なんでもいいからもうナイフでブッ殺す!!」と、とにかくジョナサンを殺す気のようで…

「ぼくは悔いているんだ今までの人生を!貧しい環境に生まれ育ったんで、
 くだらん野心を持ってしまったんだ!バカなことをしでかしたよ…!
 育ててもらった恩人に毒を盛って、財産を奪おうなんて!」

「…」

「その証に、自首するために戻ってきたんだよ!
 逃亡しようと思えば、外国でもどこへでも行けたはずなのに!」

「た…確かに…」

「罪のつぐないがしたいんだ…!」

「…ディオ…」

ああそして、ディオの徹底した泣きおとし作戦にまんまと引っかかってしまうジョナサン!
これほどまでに号泣されてしまっては、心優しい性格のジョナサンにはディオを突き放すことなどできないでしょう
それにしてもウソ泣きでここまで泣くとは大した奴だよディオさんよぉ(えー

「ジョースターさん気をつけろ。信じるなよそいつの言葉を!」

「ヌムッ!?」

「誰だ?って顔してるんで自己紹介させてもらうがよ…
 おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン!
 ロンドンの貧民街から、ジョースターさんが心配なんでくっついて来た!
 ジョースターさん…甘ちゃんのあんたが好きだからひとつ教えてやるぜ。
 おれぁ生まれてからずっと暗黒街で生き、いろんな悪党を見て来た…
 だから悪い人間と良い人間の区別は「におい」で分かる!」

「…」

「こいつはくせえッーー!!
 ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーー!!
 こんなワルには出会ったことがねえほどなァーーッ!!
 環境で悪人になっただと?ちがうねッ!!
 
こいつは生まれついてのワルだッ!!」

ところが、そこに現れたのは貧民街で仲間になったスピードワゴン!薄汚いディオの本心もその嗅覚で見抜かれることに!
それにしても「ジョースターさん、甘ちゃんのあんたが好きだから」ってなにげに凄いこと言ってますねスピードワゴン
こいつ今の世の中だったらジョナサンに恋する萌え少女とかになってたんじゃなかろうか(えー

「こいつの顔に見覚えがあるだろッ!!(グイッ)」

「…!」

「この東洋人が、君に毒薬を売った証言は取ってある」

「…く…!」

「ディオ…話は聞いたよ、残念でならない…君には息子と同じぐらいの愛情と期待をこめたつもりだったが…」

さらにそこでスピードワゴンが連れてきたのは、ディオに毒薬を売り渡した小悪党のヒゲ男!
続いて部屋の奥に潜んでいたジョースター卿や警官隊もずらずらと現れ、
もはやディオが何を言おうとも、この場で御用となることは確定してしまいます



「…ふふ…さすがにもうおしまいか…ジョジョ、せめて君の手で手錠をかけてほしい、7年間のつきあいで…」

「…わかった」

「ジョースターさん、気をつけなせえ!」

「ジョジョ…人間ってのは能力に限界があるなあ…おれが短い人生で学んだことは、
 人間は策を弄すれば弄するほど、予期せぬ事態で策が崩れ去るってことだ…
 人間を超えるものにならねばな…」

「…なんのことだ?なにを言っている?」

バアッ!!

「おれは人間をやめるぞッ!!ジョジョーーッ!!」

石仮面キター!!ついにその時、追い詰められたディオは隠し持っていた石仮面を自らに装備!
人として破滅するくらいなら吸血鬼として生きる方を選ぶ!
しかし吸血鬼に変わるには、この石仮面を他人の血で作動させなければならないわけですが…?

「い…石仮面!?なぜ君が!?」

「おれは人間を超越するッ!ジョジョお前の血でだァーーッ!」

ギラアッ!

「あ…あぶないッ!!」

「奴を射殺しろーーッ!!」

ドスウッ!

「あ…!あ…!」

「ぐ…ふ…っ!」

「とうさああああああああんッ!!」

ってうわあああ!ジョナサンに向かってディオがナイフを突き出したその時、咄嗟にその前に割って入ったジョースター卿!
ナイフはジョースター卿の急所を深々とえぐり、ついにその血によって石仮面が起動してしまったという…

ファァゴオオオオオオ!!
「ふふふふふ…ふふふふふ!ふふわはははは!
 うわっはははははーーッ!!」

「う…うてェーーーッ!!」

ドバババババババ!!

そして石仮面が妖しい光を放つ中、警官隊の一斉射撃を全身に食らわされるディオ!
体中に銃弾を浴びて窓の外まで吹き飛んで行きましたが、果たして本当にこれで今のディオが息絶えるかどうか…

「あ…ああ…!とうさん…ぼくの身代わりに…!」

「う…ジョ…ジョ…これを…死んだかあさんの…指輪だ…」

「ああ…ジョースター卿…!だからあの時言ったのに…!わしの責任だ…
 わしがあの時、ディオ・ブランドーの父親を流島の刑にしていれば!」

「ディオ・ブランドーの父親…?」

「わしが警察の仕事について間もない頃、あの指輪を質に流そうとして
 逮捕された男がいた…それがディオ・ブランドーの父、ダリオ・ブランドーだ…!」

そんな一方で、ディオに致命傷を負わされてしまったジョースター卿は…
ジョナサンに抱きかかえられながら、事切れてしまう前に形見の指輪を渡していました
それを見た警部のオッサンが妙に取り乱した一言を…どうもこの人は、ジョースター卿と古い知り合いだったみたいですね

《これは確かに私の指輪だ…!婚約の時に妻とそろいで作った…》

《ブランドーというコソ泥が、質に流そうとしている寸前でした》

《…ブランドー…?》

《ゲッ!?や、やべえ!》

「ブランドーはジョースター卿の命の恩人ということだった…!だがとんでもないッ!
 ブランドーは馬車の事故を幸いに、金品をあさっていたこずるい悪党だったのだ!」

《…君、彼はこう言わなかったかね?この指輪はわたしからもらったと…》

《ええ言いましたとも!とんでもないウソをね!》

《いや…ウソではない、この指輪は彼に贈ったものだ》

《えッ!?》

《な…なんですってーーッ!!》

《彼は無実だ…釈放してやってくれたまえ》

《なぜ!?なぜそんなでたらめをッ!!》

《わたしも貧困の中に生まれていたら、同じことをしたかもしれない…
 これを売って、家族になにか買ってやってください…そしてもう悪の人ではなく、善の人になるのです》

「ジョースター卿は…すべてを知ったうえでディオを養子にしたのだッ!!」

そして警部の口から語られる、ジョースター卿とダリオの過去。もともとダリオは、ジョースター夫妻が不幸な馬車の事故に遭った際、
「しめしめ金目の物はないかな」と指輪を盗んでいったコソドロですが…ジョースター卿はそんな真実をすべて知っていながら、
「ダリオは自分の命の恩人であり、そのお礼に指輪を贈った」と、妻と作った大事なペアリングを渡してしまったという…
それにしても「善の人になるのです」と言いつつ指輪を渡すジョースター卿はまるでイエスキリストか何かだな…
聖人すぎてとてもじゃないけど真似できそうにないぜ…

「あの優しさがこんな…!間違いだったんだ、死んでしまったおしまいじゃ…!」

「…ちがうッ!!」

「…ふふっ…悪くないぞ…ジョジョ…息子の腕の中で…死んでいくと…いう…のは…」

「…とうさん…!」

「あの父親の精神は…!息子のジョナサン・ジョースターが立派に受け継いでいる!
 それは彼の強い意志となり、誇りとなり、未来となるだろうぜッ!!」

(普通おれは、自分が困るとすぐ泣きぬかす甘ちゃんは大嫌いだがよォ…!
 この親子はちがう!自分たちのしたことを後悔しない、最高の大甘ちゃんだぜ…!)

結果的に、ジョースター卿からの恩を仇で返すように、ダリオは改心もせずディオをこの家に送り込んできたわけですが…
しかしジョースター卿は、それでも後悔する様子を微塵も見せず、最後の瞬間まで満足気にこの世を去っていきました
それは、息子のジョナサンがこうも立派に成長し、その頼もしい腕で包むように最後を看取ってくれたから…
自分がいなくてももうジョナサンは大丈夫…気高い意志を息子に託し、ジョースター卿はとうとう息を引き取るのでした

「はっ…!?し、死体が…?ディオ・ブランドーの死体がない!?」

「えっ!?」

「警察(サツ)のだんな!窓から離れろーーッ!!」

ドッゴオオオオオ!!

「ゴボ…」

「UREEYYYYYY…!!」

「な…なんだこいつはッ!生き返っているッ!?」

しかしその時、しんみりとしたムードを引き裂くように突如として復活を遂げたディオ!
とうとう完全な吸血鬼に変質してしまったようで、さっきの銃撃もまるで致命傷になっていないようです
そして、手始めに警部の頭をパンチ一発で粉々にして惨殺!やはり吸血鬼のパワーは人間とは次元が違いすぎる…



「こ…こっちに向かってくるぞ!?」

「なにしてるッ!はやく狙撃しろーーーッ!!」

ドオオオオン!!

「…」

「し…死なねえ…!?頭を撃たれたのに…!お、俺には分からねえ…
 何が起こっているのか…さっぱり分からねえッ!!」

「な…なんてことだ…ディオは一体…何者になってしまったんだ…!?」

「ジョジョォ…おれはこんなに素晴らしい力を手に入れたぞ…!
 石仮面からッ!!お前の父親の血からッ!!」

さらには、脳天を銃弾で貫かれようとも平然と活動し続けるディオ!
もはや吸血鬼には人間の常識そのものが通用しないのか…急所というものが存在しない本物の化け物を前に、
ジョナサンもスピードワゴンも成す術なく震え上がってしまいます

「UUURRRYYY!!」

「あぎゃああああああ!!」

ズギュンズギュンズギュンズギュン

(あ…頭の中が混乱してる…ナイフ…父の死…血…ディオ…石仮面…研究ノート…
 未知の能力…未知の力…ディオはもう…人間じゃあないのか…!?)

「KUAAA…!!」

「う…うう…!」

「…」

「はっ…とうさん…!」

そして瞬く間に警官隊を惨殺し、ズギュンズギュンと干からびるまで血を抜き取っていくディオ!
その恐るべき光景に、ひたすら混乱して震えていたジョナサンでしたが…ジョースター卿の亡骸を目にしたその時、
ハッとして戦う覚悟を呼び起こすことになります。父親を安心して天国に送るためにも…こんなところで絶対に死ぬわけにはいきません

「…ディオ…!君をこの世にいさせちゃあいけない…!
 ぼくの責任だ、かたをつける!!」

「ジョ、ジョースターさんやめろォッ!殺されるだけだッ!」

(脳ッ!!石仮面の骨針は、脳から人間の隠された未知の能力を
 引き出したに違いない!とすると、ディオを倒す可能性は…!)


「ヴォオオ…ガヴォオオオオ!!」

「な!?」

「血ィ…あったけー血ィイイ!ヴェロヴェロォなあめたァアアイ!!」

しかしジョナサンが戦う覚悟を決めたその時、先ほど殺された警官隊がゾンビとして復活!
そう、吸血鬼には死体にゾンビエキスを送り込んで傀儡にする能力があり、
殺した相手もこうやって手下にできるのです。吸血鬼ほどではないとはいえ、不死に近い性質を持つゾンビでしたが…

「うおおおおおおっ!!」

ゴッバアアアアアン!!

「お…おお…!」

「…怪物とはいえ…つらい…とうさん…もっと強い気持ちを与えてください…!」

「KUWAAAA…!」

「強い意志を持つ…!ディオはすでに人間ではないのだから…!
 魔物なのだからッ!!」

しかしそんなゾンビの脳天を、巨大な槍の一撃でまるごと吹っ飛ばすジョナサン!
いかに不死とは言っても、脳を完全にコナゴナにされてしまえば復活できないという道理!
ただ、そのためには人の頭を吹き飛ばすという凄惨な行為が必要なわけで…自分の行いに心を痛めるジョナサンでしたが、
人の道を外れたディオを倒すために、断固たる決意をと共に渾身の一撃を撃ちに行く!

「これ以上!ディオに殺戮を許すわけにはいかんッ!!」

グボアッシイッ!!

「な…!て、手に串刺して止めやがった…!?」

「貧弱!貧弱ゥ!!」

メギャアアアアッ!!

「く…う…がああああああっ!!」

ですが、そんなジョナサンの一撃さえもたやすく防いでしまうディオ!
さらには、受け止めた鋼鉄の槍をアメ細工のようにヘシ折ってしまう強靭なパワー!
これほどブッとい鋼鉄をこうも簡単に…吸血鬼と化したディオの戦闘力は、さっきのゾンビなんかとは比べ物にならないほど高いようです

「ジョーーーージョオオオオオオ…!もう少し…もう少しこの素晴らしい力を
 楽しませてもらうぞォ…!自分でもどこまで出来るか、まだ分からないからなァ…!」

シイイイーン

「む?隠れたか…(クンクン)言ったろうジョジョオ…!策を弄すれば弄するほど
 人間には限界があるのだよ!無駄な悪あがきはよせよなァ…
 カーテンの影で怖がってないで出てこいよォ!!」

って、その時「ジョーーーーーーーーーーージョオオオオ!」と調子こいて長ーーくジョナサンを呼んでるスキに
「あれどこ行った?」とうっかりその姿を見失っていたディオ!なんなんだこの慢心野郎!
ですが吸血鬼は嗅覚もまた人間離れしているようで、すぐにジョナサンがカーテンの裏に隠れていることを見破ってしまいます

ギュボオオオオオオ!!

「むっ!?UUOOOOOOOO!!」

「策ではないッ!!勇気だ!!」

ってジョナサンの反撃キター!!ディオがカーテンに手をかけたその時、「かかったなアホが!!」
ランプの炎を利用してディオを丸焼きにするジョナサン!それにしてもスピードワゴンがヒロインすぎて吹く
何このジョナサンに抱きかかえられた絵ヅラ!完全にヒロインのポジションじゃねーか!やはり世が世ならスピードワゴンは
確実に萌えキャラとして生まれていたに違いない…(えー

「フアアアアアアアアッ!!」

「な…!?や…焼けながら組織が再生している…!不死身の理由はこれかっ…!」

「…この火では倒せない…!逃げろスピードワゴン!君はもともと無関係の人間だ!」

「な…なにを考えてんだ!?ジョースターさんダメだァッ!!」

しかし、それほどの業火に身を焼かれてもさほどのダメージを受けていないディオ!
恐るべきはその再生能力、いくら体が焼かれてもそれ以上の早さで再生し、深手を与えることができないのです
ディオを倒すにはまだ別の何かが必要…それを悟ったジョナサンは、スピードワゴンを逃がして1人でディオと戦う決意を固めます

(とうさん…悼みます…この炎と共に天国へ行ってください…そして、
 どうかこれからやり遂げることが出来るように…炎に力をお与えください…!)

「無駄無駄無駄無駄ァ!この程度の高さから飛び降りても
 なんともないのだよ!逆に火と高さに追い詰められたのは貴様だ!」

「ぼくの青春はディオとの青春…!
 これからその青春に!決着をつけてやるッ!!」

そして館に残ったジョナサンは、何を思ったかどんどんと戦場を上へ上へと移動していきます
調子に乗ったディオは「どれだけ高い場所に行っても関係ないのだよ!」と余裕綽々でついて行きますが…
とうとう屋根へと行き着いたその時、ここで決着を付けるというジョナサン決死の一撃が炸裂する!

「うおおおおおおーーっ!!」

ドッグアアアアアアン!!

「ジョ…ジョースターさんはこう考えている…!もっと強い火力ならと…!
 あの魔物の回復力が追いつかないほどの火力なら、ディオを倒せると…!
 そのために、屋敷に火が広がるまで待って屋根に登ったんだ…!」

「き…きさま!こんなことをよくもッ!!」

そう、これこそがジョナサンの秘策、家全体が燃え上がるほど火の勢いが強まるのを待って、
最後には自分もろとも火の中心へディオを抱えて飛び込んでいくという…
そんなジョナサンの決死の体当たりにより、2人は屋根裏を突き破って屋敷の中へと落下していきますが…



「フン!」

バキイッ!

「ぐっ!」

「Good Bye JoJooooo!!」

「うわあああああああ!!」

「ほんの一瞬だがお前の覚悟には驚いたぞ?父親の死体と共に死ねて
 嬉し涙を流しな!マヌケ!おれは人間を超えた…!不死身!不老不死!
 おれはこの世を支配できるッ!ジョジョ!きさまがくれた能力だ!!」

がしかし、そんな落下の途中で痛烈な膝蹴りを食らわし、力任せにジョナサンを振り払ってしまったディオ!
ディオはそのまま壁に腕を突き刺して落下を免れ、ジョナサンだけが真っ逆さまに落ちていくことに…
それにしても子安の「グッバイジョジョー!!」の言い方に吹いた  相当ノリノリで演技してるよなぁ

「ぐぬううううッ!!」

ドガアッ!!

「うおおおおおおーーっ!!」

シュバァッ!!

「なに!?こ…こいつ…!」

「ディオ!もどってきたぞォッ!!」

バガアッ!
「今度は離さんッ!!君の命運いま尽きたァッ!!」

ところがその時、槍の破片を壁に突き刺し、そこからジャンプしてベルトでディオの足を捕らえたジョナサン!
そしてディオを壁から引きずり下ろし、再び自分と一緒に火の中へと向かっていく!なんという爆発力…
でもこんな時になんですが、「今度は離さん!」と見つめ合う2人の姿になんとなくやおい臭が…(えー
さっきのスピードワゴンとカーテンに隠れた場面といい、今回の話はやおいを意識するシーンがちょっと多いかも:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「おおおおおッ!!このナイフは!
 君がとうさんに突き立てたナイフだァーーッ!!」

ドズウウッ!!

「ぐおうっ…!URYYYYY!!」

メギバキイッ!!

「ぐ…おおおおおおっ!!」

「こ…こいつ…!?両腕の骨をメチャメチャに砕いたのに!体に火がついたのに!
 力をほんの少しも緩めんッ!!」

さらに、落下までのわずかな間に繰り広げられる2人の激しい攻防!
父さんを殺したあのナイフで攻撃するジョナサン、なんとか脱出しようとジョナサンの両腕を力任せにヘシ折るディオ!
しかし、両腕を砕かれようともジョナサンの猛烈な気迫はディオを圧倒する!これにはさすがのディオもこのまま落下するしかありません

「フン!いいだろう…!ともに猛火の中へ飛び込んでやろうッ!だがな、死ぬのは
 お前ひとりだ!いくら火力が強くても、脱出できるくらいの能力はあるはずさ!」

「ぐうううッ…!とうさァアアアアんッ!!
 最後の力をォオオオオッ!!」

《叫び!無心の叫び!その叫びが父の魂に通じたのか、
 それとも生まれ育った屋敷の構造を無意識のうちに利用していたのか…!》

バアアアアンッ!!

《蹴った!壁を蹴った先には!》

「な…なにッ!!」

ドッズウウウウウッ!!

《ジョースター家の守護神・慈愛の女神像!!》

「ギャヤヤアアアア!!
 よ…よくもきさまこんなァアアアアアーーッ!!」

そしてとうとう地面と激突するその寸前、壁を思い切り蹴って落下の方向を変えたジョナサン!
すると2人が落ちていった先には、鋭い突起物を抱える慈愛の女神像が!
最後の最後、ディオはその女神像に体を刺し貫かれて身動きが取れなくなってしまいます
ジョースター家の守護神が、侵略者であるディオの動きを封じるとはなんという偶然でしょうか



「わ…忘れていた…!子供の頃からあった、あなどってはいけない奴の爆発力を…!」

ボオアアアアアアアアッ!!

「ジョオジョオオオォオオ!!こんな…こんなはずでは…!おれのォ…人生…!」

ドガッシャアアアアアン!!

「ああっ…!ジョ…ジョースターさんッ!!」

「…う…とう…さん…」

「い…生きてる…!生きてるぞ…!この人は…
 勝ったんだアアアアーーーッ!!」

そしてラストシーン、動けないディオの体を業火が焼き尽くし、とうとう完全に倒されることになったディオ!
一方ジョナサンはというと、最後に壁を蹴ったこととディオの体がクッションになったせいか、
幸運にも窓を突き破ってスピードワゴンに助けられていました

それにしても、最後にディオの動きを封じた女神像といい、家をまるごと燃やして生まれた炎といい…
ジョナサン1人の力でなく、まるでジョースター家すべての力を結集して戦ったような
ジョナサンの全てを賭けて戦うような激しい一戦でしたね。次回に続く!


■ジョジョの奇妙な冒険 第4話「波紋疾走」

 

(ジョースターさんは戦いに勝った…!しかし、何もかも失った…
 3日前この病院にかつぎ込んだが…今、あの人はまったくの孤独!
 ほんのチョッピリでも与えてやりてえ…生きる希望をよォ!
 心だ、あの人には今、心が必要なんだッ!)

さて前回、屋敷を全焼させながらディオとの死闘に打ち勝ったジョナサンでしたが…
何ヶ所もの複雑骨折と体中の火傷で病院にかつぎ込まれ、いまだに意識を取り戻してはいませんでした
そんなジョナサンが心配で仕方ないスピードワゴンは、「少しでもあの人の支えになりたい」
夜中にコッソリ病院に忍びこもうと…それにしても本当にやることがヒロインだなスピードワゴン

コツ…コツ…コツ…

(む?真夜中だというのに、ジョースターさんの病室から明かりが…?)

ギイイ…

(こ…これはッ!!)

「…」

(あ…あの女ァーーッ!!)

って、ジョナサンの病室に到着してみれば、そこにはなんとジョナサンをかいがいしく看病し続ける美女の姿が!
「ムキー!なによあの女ー!」とライバルの登場に激しく切れるスピードワゴン(えー
まさかジョナサンを取り合ってヒロイン争奪戦が勃発してしまうとは…スピードワゴンに勝機はあるのか…?:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

(こんな遅くまで付きっきりの看護を…!?あ、あの手…!
 ふやけて血がにじんでいる!何百回、何千回と冷水で火傷を冷やしているんだ!)

「う…ん…」

「はっ…!?」

(おおおっ…!意識を!)

「…君が…ずっと看病を…?」

「よかった…峠は越しました、もう大丈夫…」

「はっ…!君は…君がここにいるなんて…!」

「…?」

「面影がある…い、いや…まさか…そんなはずはない、すごく似ているけど…」

「クスッ…似てるって…誰に?エリナ・ペンドルトンに?」

「ああ…!エリナ…!」

「お久しぶりです、ジョジョ…ジョナサン・ジョースター…本当に…しばらくです…」

が、意識を取り戻したジョナサンは、その美女の姿を見て驚愕してしまいます
そう、この美女の正体は、第1話でジョナサンと親しくなったあのエリナ…ディオにキスされてから気まずくなってしまったエリナは、
あれからジョナサンに顔向けすることができず、その後すぐに親の都合で海外に引っ越してしまったのです

そして最近になってイギリスに帰国し、偶然にもこの病院でジョナサンと再会したという…そういえばエリナの親は医者なんでしたね
しかしそんな奇跡的な再会の一方で、「うおおー!ジョースターさんの意識がー!」
ドアの向こうでハイテンションになってるスピードワゴンが笑える

(フ…どうやらおれじゃあ、役者不足だったようだぜ。出なおすとすっか!
 スピードワゴンはクールに去るぜ)

ああそして、ついにヒロインの座をエリナに譲って静かに去っていくスピードワゴン!
こうもいさぎよく負けを認めるだなんて、なかなかできるもんじゃないぜ…
スピードワゴン…お前も立派なヒロインの一人だ…(えー

「…あっ…?(グラッ)」

「…!」

ガシイッ!

「あ…つ、つい気がゆるんで…意識を…
 まあ!?な、なんてこと…骨折している腕で私を…!?」

「いつだって…ささえるさ」

ほ、惚れてまうやろーー!!なんとその時、3日間徹夜で看病していたせいで、目がくらんで倒れそうになったエリナ…
そんなエリナにジョナサンは、骨折すらも関係ないとばかりに迷いなく腕を差し出します。惚れてまうやろーーーー
第1話ではまだまだ未熟で、エリナを助けようとして不良2人にボコられ頼りない姿を晒してしまったジョナサンですが、
7年経った今では、こうも力強くて頼れるところを見せられるようになったという…これはエリナにしてみればたまらんだろうなー

(あの日の惨事を知るのは、ぼくとスピードワゴンの2人だけ…警察は事故と納得してくれたが…
 気になるのは石仮面…!瓦礫を掘っても出てこないッ!
 粉微塵になったと信じたいが…)

「ジョジョ(にこっ)」

「あ…エリナ!」

(そう思おう、そして早く忘れよう…)

それからしばらくして、どうにか外を出歩けるくらいに体調が回復したジョナサン。
石仮面のことが気がかりで、廃墟となったジョースター邸を調べていましたが…どれだけ探しても石仮面は見つかりませんでした
言い知れぬ不安を感じるジョナサンでしたが、そんな不安は心の奥にしまい込み、これからはエリナと穏やかに暮らそうと…



「…」

「ん…」

(誰だ…?さっきからずっといる…)

「ジョジョ、どうかしたの?」

「あ、いや…なんでもな…」

バァーン!

「ううっ!?」

って、そんな矢先にジョナサンの前に現れた謎の男!ジョナサンを尾行するかのように、遥か後方をウロウロしているかと思ったら、
いつの間にかすぐ目の前でサンドイッチを食っているという不可解な行動を!
まるで瞬間移動でもしたかのような謎の男…それを前にして、さすがのジョナサンも動揺が隠せません

「ジョナサン・ジョースター君…そしてそのレディは、ミス・エリナ・ペンドルトン」

ドーン!!

「な…何者!?」

座ったままの姿勢!膝だけであんな跳躍をッ!!
ジョナサンのこのセリフがカットされてしまったのはちょっと残念だな…(えー
ともかくあぐらをかいた状態でロケットのように大ジャンプするという、なんとも不可思議なことを簡単にやってのける謎の男!
そしてそのままジョナサンに向かって襲いかかり…

「よく生き残れたものだ…!あの石仮面の力からッ!」

「な…!?」

「パウッ!!」

ドズウッ!!

「う…げえッ!!」

「ジョジョ!?」

「か…はっ…!」

「そうそう、肺の中の空気を1cc残らずしぼり出せ」

「ケ…ケガ人になんてことを!?」

「しばらく呼吸はできん…が、心配はいらん」

そしてジョナサンを奇襲した謎の男は、小指を立てた謎ボディブローをジョナサンに深々とブチ込む!何をするだァーーーッ!!
そのボディブローで思い切り腹筋を貫かれ、息をすべて吐き出し悶え苦しむジョナサン!
しかし、その男にはそれこそが狙いのようで…

ミキメシビキミシッ!

「ううッ!?な、なんだ!?ぼくの体が…う、腕が!」

「わたしはツェペリ男爵だ。勇気だけでは石仮面には勝てんよォーー」

「複雑骨折した腕がッ!ほ…ほとんど痛みがない…こんな重い石も持てる!」

「信じられないわ…!?」

「い、一体なにをした!?君は何者だ!?」

「質問はひとつずつにしてくれんかね?ジョジョ(パッパッ)ハ…ハ…ハブショ!!」

ところがなんと、そのボディブローを受けてすぐに骨折が完全回復してしまったジョナサン!
そう、このツェペリという男は敵ではなく味方!ジョナサンに新たな力を授けるためにやってきた人間だったのです
それに、サンドイッチにコショウ振ってたらうっかりクシャミを連発するなど、憎めないところもあるみたいですね

「わたしがしたのではない、君の『呼吸』が痛みを消したのだよ」

「なぜぼくにこんな事を!?どうしてぼくの名を!?」

「質問はひとつずつだってばさあジョジョ…答えを見せてあげるよ、ついておいで。
 それを見てわたしを知ったら…君の運命はまた変わる」

「…!?」

そして正確に言うなら、傷を治したのはボディブローそのものではなく、その後のジョナサンの呼吸なのだと語るツェペリさん。
何が何やらさっぱり分からないジョナサンでしたが、百聞は一見にしかずとツェペリさんは答えを目で見せることに…
そして、それを見てしまったらもう「石仮面のことは忘れよう」という安息の日々から、また大きく運命が変わってしまうという…

「わたしは君の横隔膜を指で突き、そして『特別』な呼吸法にしたのだ…
 呼吸が起こすエネルギーを見せてあげよう」

ジャバジャバ

「な…何をする気だろう?」
「スゥー…ハァー…スゥー…ハァー…コオオオオオオオオオ!!」

ゾザザザザザザァ!!

「…!?あれは一体!?なんだ!?あの波紋は!」

「いいかジョジョ!呼吸には血液が関わっている!血液は酸素を肺から運ぶからだ!
 そして血液中の酸素は体細胞に関わっている!体細胞イコール肉体!
 つまり、水に波紋を起こすように呼吸によって肉体に波紋を起こし…
 エネルギーを作り出すッ!!」

なにを言っているかわからないがこの野郎ッ!!(えー
そして川にやってきたツェペリさんですが、「コオオオオ!」と独特な音のする呼吸を始めた途端に
その体から溢れ出る無数の『波紋』!この特別な呼吸法こそツェペリさんの持つ不可思議な力の真髄であり、
それによって生み出されるエネルギーが様々な奇跡を可能にするのです



というかツェペリさんの生み出す波紋が美しすぎる…
波紋の呼吸ってこんな綺麗なものだったのか…これは原作の時から波紋大好きだった俺としてはすごい嬉しい演出だなあ

「今から見せるのは…!君の痛みを消したエネルギーと同じもの!
 るオオオオオ!!」

「きゃああああーーっ!!」

「カ…カエルを!?やめろーーーッ!!」

なっ!何をするだァーーーッ!!その時、呼吸によって練り上げた波紋エネルギーを
その辺のカエルに向かってブチ込むツェペリさん!思いっきり振り下ろしたその拳によって、哀れにもカエルはペチャンコに…!

メメタァ!!

「フ…」

ドグチアッ!!

「あ…ああ!?」

「はァーーーーッ」

「カ、カエルはなんともない!」

「これが『仙道』だ!波紋エネルギーこそ仙道パワー…
 私の波紋エネルギーはカエルの肉体を波紋となって伝わり、岩を砕いたのだ!」

「せ…仙道…」

仙道波紋オーバードライブ!!ところが殴られたカエルはなんともなく、その下にある岩だけが
バラバラに砕かれる結果に!波紋エネルギーはこのように、物を通して伝導させることが可能であり
そして最大に練り上げた波紋エネルギーを炸裂させる必殺技こそ波紋疾走(オーバードライブ)というのです

「ジョジョ!わたしは知っている!あの石仮面は壊れていない…!
 石仮面の男・ディオが持っている!」

「な…なんだって!?今…ディオと言ったのか!?」

「そうだ…!そしてわたしは何十年もあの石仮面を探している!
 石仮面を破壊するためにッ!石仮面をかぶった者を倒すためにッ!
 君はすでに石仮面と戦う運命にある…!『仙道』を学ばねばならん!
 さもないと死ぬッ!君もこの全人類もッ!!」

って、その時ついに自分の目的を明かしたツェペリさんですが
「ジョジョが波紋を習得しないと人類は滅亡する!!」
なんだかキバヤシのようなことを言い出しました(えー
人類滅亡って…いくらなんでもそこまで大ゲサな話なんでしょうか?

「うむむむ〜〜〜んんんんんん、予想どおりジョセフの血はなじむ…
 しだいしだいに力が蘇ってきた…!食物連鎖というものがあったな…
 草はブタに食われ、ブタは人間に食われる…人間を食料としてこそ真の帝王ッ!!
 まずは扱いやすい邪悪な人間だけをしもべとし…一気に世界を手中に収めてやる!
 すべての人間の頂点に立ってやるッ!!」

ところがしかし、前回の戦いから奇跡的に生き残っていたあのディオは
次々に人間を殺害して吸血を繰り返し、「このまま一気に人類を侵略してやるでゲソ」
マジに世界征服の野望を企てていました。お…お前そんなイカちゃんのようなことを!(えー
ツェペリさんの言っていたことは大げさでもなんでもなかったというわけか…

「この夜遅くまで遊んでる堕落した女がァーーッ!!」

「きゃあああああああ!!」

ブッギャアアアーーッ!!

「たいていの人間は心に善のタガがある…素晴らしい悪への恐れがあるのだ…」

「む…!?」
「だが…ごくまれに善なるタガのない人間がいる…悪のエリート!
 気に入ったぞ闇のジャック…!このディオに服従するのだ!」

ズギャン!

「…!」

「素晴らしい力を与えてやる…今以上の快楽を手にできるぞ…!」

そしてディオは「扱いやすい邪悪な人間をしもべとする」との言葉通り、夜な夜な町を出歩いては
殺人鬼のような邪悪な人間を次々と手下にしていました。ここでも悪のエリートと呼ばれ仲間になった闇のジャックという男とは…

圧倒的な力をもって
血をすする!闘気したたる
極上のデュエルこそ
キングの真髄!
瞠目せよォッ!!
キングのデュエルを!!

というわけでなんと闇のジャック・アトラス見参!(えー
すいません本当はあの有名な切り裂きジャックなんですけどね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
それにしてもジャックを勧誘するディオの様子がシスの暗黒卿すぎて笑える
この黒装束と稲妻はどう見ても暗黒面のフォースだろ…

 

(ぼくは、ツェペリという底知れぬ人物に波紋エネルギーというものを習い、ともにディオと戦う決意をした…)

「波紋エネルギーは自分の血液の流れから生み出すもの、対して石仮面は
 他人の血液からエネルギーを吸い取る…形は表と裏、同じエネルギーだったのだッ!」

「そ…そうか!波紋を消すには、もうひとつの波紋を!」

「そうだ、もうひとつの大きな波紋エネルギーをぶつければ奴らは砕け散る!
 波紋法の作るエネルギーの波は!太陽の光の波と同じ形なのだッ!」

ツェペリさんと出会ってからというもの、1週間という短い間ながらジェダイの修行みたいな感じの訓練で
波紋の呼吸による戦い方を教え込まれていたジョナサン。まあディオがシスの暗黒卿だから
ジョナサンがジェダイの修行するのは理にかなっているよな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

そしてツェペリさんの言葉から、波紋エネルギーには太陽の光と似た性質があり、
吸血鬼に叩き込めばたちまち奴らを倒すことが可能
ということも明かされます。
ディオを倒すのにこれほどうってつけの能力もないというわけですな

「おおーいッ!ジョースターさんッ!」

「えっ…風の騎士たちの町(ウインドナイツ・ロット)!?」

「ええ、ディオらしい奴をその町で見たって情報を確認しました!
 そこじゃあ最近、行方不明者が増えてるようです!」

「時間がない…ジョジョ、波紋呼吸法の仕上げは実戦でやるぞ!」

「はい!戦いの覚悟はできています!」

そんなある日、スピードワゴンの情報網にディオのことが引っかかり、
一同はすぐさまウインドナイツ・ロットという町へ向かうことに。ジョナサンの修行はまだ完璧ではありませんが、
ディオが町の人間をどんどん殺して自分の血肉にしている以上、のんびりしてもいられないようです

なあーに
波紋法のルールは知っている…
呼吸の仕方は
やりながらおぼえるぜ!
(えー

パカラッパカラッ パカラッパカラッ

(エリナになんの挨拶もなしに出てきてしまったな…でも、必ず帰る!)

ガタッ、ガタガタガタッ!

「うん…?どうしたんだ?」

「御者、なぜ馬車を止めた?おい御者ァ〜〜!」

「気をつけろスピードワゴン!ここは太陽が届いていない!」

ギャーン!!

「うっ!?う…うわあああああああっ!!」

って、一同が馬車でウインドナイツ・ロットを目指していたその時、暗いトンネルの奥深くで急にストップしてしまった馬車!
「おい御者ァ〜〜〜」とすかさずクレームをつけようとするスピードワゴンですが
なんと御者も数頭の馬も全員がメスでメッタ切りにされ惨殺された後!しかも切断した馬の頭を御者の頭にかぶせるという
意味不明なことをやらかしております。馬や人の体を切り刻んで遊んでいるのか…この犯人は相当に頭がイカれているようですね



「ディオか…!?でも、どこにいる!?」

「2人とも…馬車から離れていなさい」

ガボッ…ガボッ…ガボッ…!

「な…なんだ!?こいつはァーッ!!」

「フヒ…フヒヒ…!」

「馬の体に潜り込んでいるッ!!こ、こいつは…こいつはやばいッ!
 残虐性!異常性においてディオ以上だァーーッ!!」

そんな中、この異常な殺人をやらかした犯人がついにジョナサン達の前に出現!
やはりというかあの切り裂きジャックですが、殺した馬の内臓をガボガボかきわけて
馬の死体の中に全身突っ込んで遊んでいるというとんでもないキチガイ野郎であります
あまりにも常軌を逸したその行動に、闇の住人であるスピードワゴンですらもガタガタ震え出してしまい…

「最高の恐怖を与えて…青ざめたツラにしてから
 お前らの鮮血の温かさをあぁぁ味わってやる!!」

ズブズブウッ!!

「な…!」

「絶望ォーーーに身をよじれィ虫けらどもォオオーーーッ!!」

「う…うう…!」

「ディオは…すでにこのような仲間を増やしている…!?」

「フーーーッ(コポコポ)2人ともさがっていなさい。わたしが戦う!」

「ウガアアアアア!!」

「ゾンビだな…人間を食って永遠の生命と力を与えられ、
 しかしディオの思いのままに操られる。言わば肉人形」

そして今度は、喋りながら自分の顔面に向かってナイフを突き刺す切り裂きジャック!うげえええ!
もはやこいつは何かを切り刻んでいないと落ち着かない変態野郎なのか、その恐怖で硬直してしまうジョナサンとスピードワゴンですが…
そんな2人に代わって、戦いを買って出たのはツェペリさん。こんな状況でもワインを1杯やるほどの余裕があるようです
それにしても肉人形って響きがなんかエロイ。(えー
肉奴隷とか性奴隷とかそんな感じのを連想するっつーか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン



「ぬおおおおおおおお!!」

モゴモゴモゴオッ!

「ぜ…全身からメスがッ!」

「あ、あれか…!一瞬のうちに御者を串刺しにしたのは!」

「(クイッ…)」←静かにワインを飲むツェペリさん

「ぬおあああああ!!」

ブァボッ!!

「波紋カッター!パパウパウパウ!!」

フヒィーーンスパスパスパァ!!

「…!」

「波紋カッターの方があんさんのメスよりよう切れるわい」

そして全身から弾丸のようにメスを発射してきたジャックですが、落ち着き払ってその上を行くツェペリさん!
波紋カッター…口に含んだワインに波紋エネルギーをまとわせて、切れ味鋭い武器へと変えた液体のカッターであります
というか「パパウパウパウ!」を口で言わなきゃいけない塩屋翼は大変だったね…(えー
これをかっこよく言うのはさすがに誰でも無理だと思う:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ジョジョ…ノミっているよなあ、ちっぽけな虫けらのノミじゃよ」

「…?」

「あの虫は、われわれ巨大な人間にところかまわず戦いを挑んでくるなあ…
 これを勇気と呼べるだろうかね?」

ズオオオオオ!

「ノミどものは勇気とは呼べんなあ!では勇気とは一体何か!
 勇気とは恐さを知ること!『恐怖』を我が物とすることじゃあッ!」

ガッシイイイイイン!

「呼吸をみだすのは『恐怖』!だが恐怖を支配した時!
 呼吸は規則正しくみだれないッ!!波紋法の呼吸は勇気の産物!」

そしてジャックとの戦いの中、いかに勇気が波紋使いにとって不可欠なものかを説くツェペリさん!
恐怖に負けて平常心を失ってしまえば、たちまち呼吸は乱れ波紋の力も失われてしまいます
何より大切なのは、恐怖を受け止めそれに打ち勝つ勇気を持つということ。
ツェペリさんもまた、今まさにナイフが眼前に迫っているのに、その恐怖を我が物として戦っている最中なのです



コオオオオオオオ!!

「人間讃歌は勇気の讃歌ッ!人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!
 いくら強くてもこいつらゾンビは勇気を知らんッ!
 ノミと同類よォーーッ!!仙道波蹴(ウェーブキック)ーッ!!」

ボギャアアアアア!!

「グオオオオオオオ!!」

「す…すげえ…!ワインをこぼしてもいねえ!」

そして強烈な波紋を込めたキックを叩きこみ、ジャックを悶絶させるツェペリさん!そんな戦いの中でグラスのワインを
一切こぼしていないという余裕ぶり…それに、ツェペリさんの言う勇気というのは、単に波紋の戦闘に限らず
人間の生き方そのものとして尊いものだと言いたいようですね

恐さを知り、それでもなお立ち向かう勇気を持って、恐怖を克服するということ。
それは人間にしかできない素晴らしいことだと言いたいようです、そしてゾンビのように恐怖もクソもない肉人形と化すことは
人としての尊厳を投げ捨てた愚かな行為だと…ふむ、なんというかこんな風に
「勇気とは素晴らしいものだ」ってハッキリ言い切ってくれるところがいいですよね
愛とか正義とか勇気とか、最近ではすぐ(笑)とか嘲笑されて、まともに語ろうとするアニメ作品なんてまるで見当たりませんが
人として勇気を大切にすべきっていうのをストレートに言ってくれていて、こういうのは昔の作品のいいとこだなって思いますねえ

「よくもッ!てめえら必ずブッ殺す!かならず細切れにして食らってやるぜーッ!」

『ブッ殺す』ってセリフは…

終わってから言うもんだぜ。

オレ達ギャングの世界ではな…(えー

「ジョジョ…あとはお前が仕上げしろ(スッ)」

「え…?」

「そのワインをグラスから一滴もこぼさずに、奴を倒してこい」

「ええっ!?」

「北国ノルウェーにこんなことわざがある…『北風が勇者バイキングをつくった』…
 そのワインを一滴たりともこぼしてみろ。その時はたとえ奴を倒したとしても、
 わしはお前をもう見捨てる!」

「…!」

「お、おい!おっさんよォーッ!正気かテメーッ!?」

そして「チクショー覚えてろー!」と捨てゼリフを吐きながら逃げていったジャックでしたが、
その追撃をジョナサン一人に任せるツェペリさん!さらにジョナサンにワイングラスを持たせ、一滴もこぼさずに戦えというハンデつき!
そ…そんなイニシャルDのとうふ屋ドリフトのようなことを!(えー
かなりの試練を与えられてしまったジョナサンですが、「これもブレーキングドリフトを極めるためだ…」
一人でジャックの逃げ込んだ地下通路を進んでいくことに…

(まるで迷路だ…奴が一体どこからくるか…)

(臭うぜ…!血の臭い!あったけー血の臭いだ!
 こい…!頸動脈に噛みついて、ビーンと噛んだまま血管を引っぱってやるッ!)

そんなわけで通路を進むジョナサンですが、壁越しにジョナサンが来るのを待ち伏せて
バカでかいとっておきの刃物を構えていた切り裂きジャック!明かりもないこの状況では、
ジャックの奇襲に反応できずに殺されるのも十分ありうる状況…果たしてジョナサンの命運は…

「北極海の厳しい北風は、気骨あるしたたかなバイキングを生んだ…
 すなわち厳しい条件は、知恵しだいでチャンスにもなりうるということだ…!
 あのワインはバイキングをつくるかな…?でなければ所詮ディオには勝てん…!」

ゾゾゾゾゾゾゾ…!

「ん…?こ、これは…波紋!そうか…!このワインは波紋探知機だッ!
 グラスを伝わり…!腕を伝わり!体を伝わり!地面を伝わり!
 奴の生命の振動を感じる!」



とその時、ジャックに近づくごとにグルグルとうごめき始めたワインの波紋!
ふむ…これってジョナサンの波紋エネルギーで動いてるのかと思いましたが、
たぶん切り裂きジャックのゾンビの力に反応して動いてるんですよね?
ツェペリさんが修行の時に「石仮面の力も表と裏、波紋と同じエネルギーなのだ」って言ってたし、
ジャックのゾンビの力でワインに波紋が生まれ、それをジョナサンが探知して、ジャックの位置を割り出してる
んだと思います

コオオオオオオオオ!!

「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒーート!!
 そこだァーーッ!吸血ゾンビィッ!!」

「壁を伝われ!波紋!!
 仙道波紋!疾走(オーバードライブ)ッ!!」

ドッゴオオオオオオッ!!

「おぎゃあああああーーっ!!」

「ワインの意味を理解したようだなジョジョ…!
 よぉーし!『北風はバイキングをつくった』ぞォッ!」

そしてジョナサン渾身の波紋疾走がついに炸裂!壁ごしのジャックを強烈な波紋エネルギーが貫き、
みるみるうちに塵と化して消えていくジャック!この結果にはツェペリさんも大満足のようです
それにしてもツェペリさんの仙道波蹴や、ジョナサンの波紋疾走のシーンで
波紋エネルギーのほとばしる描写がすごいカッコいいですね
まさに太陽と同じエネルギーって感じで、金色に光り輝く粒子がブワァーッと嵐のように巻き起こるのがめちゃめちゃ美しいです



ツェペリさんの呼吸で水面に生み出される波紋とかもそうですけど、とにかく波紋に関する演出が
予想よりずっと美しいのが見ててめっちゃ嬉しいです。前にも書いたことありますが、
私はスタンドより波紋のほうが好きでジョジョのファンをやってるんで
この波紋のカッコ良さを全力で伝えてくれてるスタッフには大感謝ですねえ。次回に続く!






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