最近スカイプをやり始めたんですよね、これでネットの知り合いといろいろ話し込んだりしているうちに
気がついたら13時間経過とか凄いことをやってました。メシと寝る時間以外ずっと喋ってるっていう…ハハハ
そんな中で「To Heartって名作だったよね」という流れになってよしちょっと全話見直すかとかいうことをやったりねー
To Heartって13年前のギャルゲーアニメなんですけど、当時から本当に丁寧な作りでとても評価が高かったんですよね
13年も経った今見てみたらどうかな?と思って見直してみたんですが、いやもう本当に
名作の良さは変わらないなぁとひたすら感服させられました
ギャルゲーアニメの中でもこれは最高峰だな…むしろそんな枠で考える必要がない、どんなアニメと比べても見劣りしない丁寧さには
マジで脱帽するばかりです
To Heartの何がいいかってね、青春時代の1ページをじっくりと描写することに重きを置いていて
ギャルゲーアニメにありがちなお色気、安易なデレシーンみたいなものが皆無なんですよ。
その健全さと丁寧さは相当なもんで、そこに関してはとことん徹底した作りになっています。
「青春の1ベージってどんなだよ」と言われると、たとえば第1話なんかは「学校に行って席替えして帰る話」
第8話は「1日じゅうテスト勉強する話」とかそんな感じです
「たったそれだけで1話終わるのかよ!」と、あらすじだけ聞けばそう思うでしょうが
確かにそれだけで終わり…だがそれがいいと思える作りになっている点が素晴らしい
普通のアニメなら「視聴者の目を引かなきゃ、盛り上げどころを用意しなきゃ」と思って何かしらの事件を起こそうとしますが、
このアニメにはそれがないんです。安易な話の盛り上げをやろうとしない、その代わりにひたすら丁寧で心地いい時間が流れていくっていうね…
特に第8話のテスト勉強会は、「ヒロインの家に友達みんな呼んでテスト勉強しようとしたら、みんな用事で来れなくなってしまって
主人公とヒロインが2人きりになって勉強する。しかもヒロインの親は今日帰ってこない」という内容で、普通なら
2人きりなことを意識しまくって赤面ラブコメ展開間違いなしな流れなんですが
それをあえてやらないのがこのアニメなんです
2人きりだろうがなんだろうが安易なラブコメがなくちゃんと勉強して1話が終わる。とことん媚びずにいいものを作ろうっていうね…
それが一番よく分かるのがこの第8話だったわけですが、それでは実際2人きりになった浩之ちゃん&あかりが何をやってたかというと
「えっと…フィリップ2世1180年〜1223年、アルビジョア十字軍派遣…(カリカリ)」
「…」
「ルイ9世1226年〜1270年、第6・第7十字軍編成…(カリカリ)
「(ぼけー)」
「…浩之ちゃん、なにボーッとしてるの」
「なー。マルコポーロってどこの出身だっけ」
「えっ?ええと…ヴェネチアだよ」
「そっか…どうもいまいち頭に入んないんだよなー、外国人の名前とか年代やらってのは」
「あ、じゃあちょっとテストするね。アッパース朝は何年に誰が滅ぼしたか」
「1234年に恐怖のだいおーが滅ぼした」
「じゃあ…バトゥがドイツ・ポーランド軍を破ったのは何年か」
「むかーしむかし」
「…フビライ・ハンがハンの位についた会議の名前は?」
「井戸端会議」
「もー、なんで真面目にやらないの!」
と、ひたすら地道にテスト勉強に明け暮れるというね…
いや浩之ちゃんはぜんぜん地道じゃないんですけどね…(えー
ともかく、「浩之ちゃんと2人きりだなんて…ドキドキ」という色気づいた流れにはならず、
テスト勉強しながら話が脱線したりバカみたいな冗談言ったり、ほのぼのとした2人の雰囲気を優先してるんですよね
「ん…なあ、お前あんな写真まだ持ってんのか?」
「あ、そういう写真もっと見たい?(ぱらぱら)これが遠足の時でしょ、こっちが修学旅行の時で…」
「うわー、ずいぶんいっぱいあるな。わーお前ちっちぇーなー!それにしても俺って可愛くねえ〜」
「この頃って浩之ちゃんと背の高さ同じくらいだよね、これが海に行った時ので、そっちが遊園地に行った時の」
「お前よく覚えてんな…そういやこの頃のお前っておさげ髪だったんだっけ、なんで切っちゃったんだ?」
「もうなに言ってんの…浩之ちゃんがおさげに飽きたって言うから変えたのに」
「あれ、そんなことあったっけ」
「は〜…」
もうちょっと見ていくと、昔の写真を引っ張りだして思い出話に花を咲かせる2人。
かなり勉強から話が脱線してます、脱線してますがあくまでも息抜きでちゃんとすぐ勉強に戻るのが
このアニメの特徴的なところ。普通だったら盛り上がりすぎてワーキャー言ってるうちに
やっべーもうこんな時間かよー勉強できなかったわーマジ勉強できなかったわーとかいう
流れになって勉強放置して終わるところですが…その程度では勉強をやめないのがこだわりを感じるところですよね
「(カリカリ)」
「…ん…(ピタッ)」
「(カリカリカリ)」
「う〜ん…」
「なあ…お前ここんとこで詰まってんじゃないのか?ちょっと見せてみろ」
「あ、うん」
「ああこれはな、こっちの方程式を使ってやればいいんだよ」
「ん〜…やってみる。(カリカリ)…あれ?」
「なんだ、分かんねえのか?こうやって解けばいいんだよ」
「う〜ん…」
「簡単だろ…教科書にも同じことが書いてあるはずだぜ」
「うう〜ん…」
「他はバッチリなのにどうして数学だけ苦手なんだよ!」
「どうしてだろ…」
そんなわけで今度は数学の勉強をしますが、やっと浩之ちゃんの見せ場がやってまいりました(えー
浩之ちゃんはやればできる子なんです。さっきの描写ではやる気なくて怠け者ですっとぼけたことしか言わないバカみたいでしたが
そういう怠けた面だけじゃないのが浩之ちゃんのいいところ。数学みたいに覚えるより頭の回転が重要な科目は得意なんでしょうね
それとは逆に、地道に覚える教科は得意なのに頭の回転が必要な教科はダメなのがあかり…性格的にも対照的なタイプなんですな
「あっ、もうこんな時間?浩之ちゃん、夕ご飯食べてくよね」
「おっ、いいのか?」
「うん、材料も用意してあるし、浩之ちゃん1人で食べること多いだろうなと思ったから」
「作りたてのメシなんて久しぶりだなぁ!なんか手伝うことあるか?」
「ううん、一人で大丈夫。ちょっと待っててね」
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「おわー、すっげえじゃんか!さすがは料理クラブ、美味そうだな!」
「さあさあ、温かいうちに食べて」
「おう、いただきまーす!」
そして夜も更けて辺りが暗くなってきた頃、いったん勉強を切り上げてご飯タイムに入る2人。
浩之ちゃんは普段一人暮らしで粗末な食生活を送ってるので、こういう風に手料理を食わせてもらえる機会は貴重なのです
料理を作って、主食を食って、デザートを食って、さらに食べ終わったあとは「ほいよー」「ありがとー」と
食後の皿洗いまでやり通すのがこのアニメ
日常の描写をとことんまで追求しとる…そしてご飯タイムが終わった後はどうするかというと
「ねえ浩之ちゃん、この後もう一度おさらいするでしょ?」
「おお、でもお前本当に数学大丈夫かぁ?」
「うーん…どうかな‥」
「しょうがねーな…分からなくなったらまた教えてやるよ」
「ふふ、ありがと」
「(カリカリ)」
「(カリカリ)」
と、最後までまた勉強やり通して終わるっつーこの展開、これこそがTo
Heart!
ある意味で予想不可能すぎる…ヒロインの家で2人っきりになりながら、ここまでひたすら勉強に打ち込むするアニメなんて
他にあるわけがないよ!
それだけ日常の描写を大事にしているというのがこのアニメの最大の特徴なんですよね
さっきも言いましたが、他のアニメなら視聴者の目を引くために必ず何か話を動かそうとする…
しかしそうじゃない、このアニメはあえてそれをせず、他愛のない穏やかな時間を最初から最後までしっかりとやりきるんです
こういう空気がTo Heartの醍醐味なんですよね。心地いい日常の場面がずっと続いていくっていうのがね…
せっかくだからもうちょっと語りたいと思います。このアニメで他に特徴的な部分っていうと、実は真の主人公は
浩之ちゃんよりもあかりの方だと思うんですよ。なぜなら毎回スタッフロールで一番上に名前が出てくるのがあかりだし、
EDテーマを歌っているのもあかり、それに琴音回や委員長回では、浩之ちゃんを差し置いてあかりがヒロインと関わってましたからね
実は女の子の方が主役的な立ち位置という珍しい構成…これギャルゲーアニメですよ
それに、あかりは物語の始まる前からずっと浩之ちゃんのことが好きということもあって、
ラブコメ漫画によくある主役の片思いが成就するかって点が気になるところなんですが…
でもね、そういうラブコメ漫画とこのアニメはやっぱり違うなって思うんです。
確かに片思いが成就するかどうかも大事ではある…でもそれ以上に
この穏やかな時間がずっと続いていくことの方がもっと大事だなと思わせる作りなんですよ
なんせ、この2人ときたら最終回になってもキスとか告白みたいなことをまったくやらないですからね
どんな風に終わるかというと、風邪をひいたあかりを浩之ちゃんが迎えにやってきて終わり。最後までこうなんですよね
でも、ヘタに最後だけキスとかされるよりは、この作風を終わりまで貫いてくれてよかったと俺は思います
要するにね…むやみやたらと恋人になりゃいいってもんじゃないんですよ、この2人の関係はね
普通だったら「幼なじみのままじゃやだ、早く恋人になりたい」と思うところですが、あかりの場合は
今まで幼なじみとして過ごしてきた時間を大事にしたうえで、これからも浩之ちゃんとずっと一緒にいたいって思ってますからね…
あかりにとって浩之ちゃんとの思い出がいかに大事かっていうのは、さっきのアルバムの描写が象徴的だと思います
なんていうかね…急ぎ足でどうこうするんじゃなくて、今はじっくり種をまいてそれが育つのを待ってるというかね
そうなんですよ、恋を育てる。大事に大事に恋を育てる。
俺が恋愛モノで一番重要だなと思うのはそこです。
それを実感できるかどうか、そこなんですよ他のアニメを見てて物足りないと思う部分は
たとえば、恋愛描写をたいして積み重ねてないのに10年後の舞台になったらいつの間にか結婚してましたとか
ひたすら「好きー好きー好きー!」としつこくアピールしてるんだけど、なんでそんなに好きになったのかさっぱりわからんとか
そういう取ってつけたような感じの、「このキャラはこいつが好きだから」「この2人は結婚させることにしたから」という
設定だけしか感じない恋愛がね…ずいぶんと多くて嘆かわしいよね…
ちなみに、あかりが浩之ちゃんを好きになったのにもちゃんと理由があります。
まず全ての始まりは、小学生のあかりが雨の中で荷物をぶちまけて泣いていたら、
浩之ちゃんだけが足を止めて助けてくれたというね…そういう経験が最初にあるんですけれども
その後、今のように高校生になって、浩之ちゃんはやる気なくて怠け者ですっとぼけたことしか言わないバカになっちゃったわけです
昔の浩之ちゃんを知る友達は「近ごろのヒロってばどうしようもないわね〜昔はあんなじゃなかったのに」と呆れまくってるわけですが
あかりだけが「ううん、浩之ちゃん昔と全然変わってないよ」と言うんですよ。
なぜか。確かに浩之ちゃんは自分の事となると面倒くさがってばかりいるんですが
他人が困っているとすぐに動いて自然に助けてあげられる人間だからです
たとえば、道ばたで重い荷物を持ってうんうんうなっている人がいたとしたら、
あかりが(どうしよう…手伝ってあげようかな…)とか迷い始めたりなんかして、
そんな中浩之ちゃんはなんの躊躇もなくスッと荷物を持ってあげて、「これをあっちに運べばいいのか?」って言うような人間なのです
そういう浩之ちゃんの姿を見るたびにね、隣であかりがニコッと笑って「浩之ちゃん、やっぱり昔と変わってない」みたいな顔をするんですよ
怠け者に見えるけど昔あかりを助けてくれた優しさはずっと残ってるっていう
そういう浩之ちゃんがあかりは愛おしくて仕方ないんだと思います
もうね、好きな気持ちひとつとってもここまで丁寧に描写を重ねてるっていう
ここまでやるのがTo Heartなんですよ。いや素晴らしい、まったく素晴らしい
あかりと浩之ちゃんの今までとこれからを、ひたすら丁寧に丁寧に積み重ねてね…こんなアニメ他にないよね
長いことあかり達について語ってしまいましたが、実は俺が一番好きなTo
Heartキャラは浩之ちゃんの親友の雅史だったりします。
正直言って女性キャラを合わせても一番好きなのは雅史な気がするなー
いやだって雅史って超いい奴でイケメンで勉強できてサッカー部のエースで可愛い彼女がいて声が保志総一朗ですよ?
雅史になりたいって思わない奴いるの?(えー
まあでも、雅史はもともと努力家で地道な努力を重ねて今の地位を築いた奴なので、
いきなりポンとああなりたいんじゃなくて、自分もきちんとした段階を踏んで同じようになりたいという気持ちがありましたね。
そもそも俺がリアルタイムでTo Heartを見てたのは中学3年生の頃だったので、
高校に入ったら雅史になるぞー!と相当はりきってたのを覚えてます:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
あとまったく関係ないんだけど弓道着姿のレミィいいよね…
外人さんが和風な格好してるっていうこのギャップがね…
というか俺的に金髪美少女はやはりツインテールよりもポニーテールに限るんだよ!(えー
最近は猫も杓子も金髪といえばツインテツインテ!そうじゃない金髪はそうじゃないんだポニーの方が可愛いんだよ!
最後に一言。ことあるごとに委員長に絡んでくるクラスメイトの嫌な奴、岡田なんですけども
こいつの声優が今見返してみると木村亜希子だということに気がついてびびる
木村亜希子の代表作といえば、ロックマンエグゼとか最近ではイナズマイレブンGOのフェイとかなんですけど
かなり可愛らしい声の持ち主なんで、委員長にうだうだイチャモンつけてくるのもなんだか可愛く見えちゃって困る
木村亜希子といえばショタ役ってイメージあるけど、俺の中では初代バトスピのお京とか、バシンママとか、ライブオンの翔ママとか
女性役やらせるとかなり可愛いって印象なので、ショタよりも女の子やって欲しいなって気はしますね
関係ないけどTo Heartで一番作画がいいなと思った瞬間は、
岡田が机の上のエプロンをしゅるっと取ったシーンだと思います(えー
こんなどうでもよさげなシーンをきっちりとした作画で仕上げるとは…ほんと日常的な描写に力入れすぎやでぇ…
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