半沢直樹、最終回も面白かったです。やー最後まで堪能しました
最終回でを見て再確認したのは、やっぱこのドラマは半沢が悪党キャラの弱みを握って揺さぶりまくるシーンが
一番面白いなってことですかね。今回で言うと、半沢が悪党キャラの岸川部長の家に向かった時の
「岸川部長、この報告書を認めると取締役会で証言してください。銀行員としての自分を取り戻すんです」
「あ〜ん?金融庁から指摘された問題次長のくせに偉そうなこと言うな!
悪いがもうじき来客があるんでな、さっさと帰れ!」
「…そうですか…分かりました、では最後に祝辞を述べさせていただきます…
このたびは娘さんのご結婚、おめでとうございます」
「えっ」
「でもあなたも父親として複雑なんじゃありませんか?
なにせ結婚相手は金融庁、奥様もずいぶん心配していらっしゃるようです。
もしかするとあなたが、彼の権力欲しさに政略結婚させようとしているんじゃないかと…」
「なっ…いや違う!結婚は向こうから言ってきたんだ!
それに黒崎さんはああ見えても…!」
「やはり結婚相手は黒崎だったんですね」
「…え…ま、まさか私をハメたのか…?」
「いいんですか岸川部長?そういうことなら今回の黒崎の行動は大問題。
当行に個人的な関係があることを隠し、金融庁検査官として赴任してきたんだ。
上に知れたらタダじゃ済まない」
「そ、それは誤解で…」
「ええ誤解していました。私はずっと大和田常務が黒崎と繋がっていると思っていた。
でも直接の窓口はあなただったんですねえ…娘婿の黒崎と内通し、
当行に不利益をもたらそうとしたこの罪は重いですよ?岸川部長」
「あう…あう…」
「娘さんはさぞ残念がるでしょうねえ〜…
せっかく金融庁のエリートと結婚できるはずが、目前で水の泡だ」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「いえ待てませんこの件はマスコミにも流させてもらいます」
「!!(ぱくぱく)」
「そうなったら一番の被害者は娘さんですねえ〜…」
「た、た、頼む半沢くん!どうか…!どうかこのことだけは口外しないでもらいたい!
娘の幸せだけは…!壊さないでやってくれっ…!頼む…!」
「そこまで娘さんを思う気持ちがあるのなら…
何が正しいか判断できるはずだ。銀行員として何をすべきか…
ようく考えてください、岸川部長」
「…」
と、岸川部長の弱みを握ってひたすら揺さぶりまくるシーン。
特に「マスコミに流させてもらいます」と言われた瞬間の岸川部長のぱくぱく顔で爆笑です
これまでにも第2話の板橋(半沢の書類を燃やそうとした奴)、第5話の浅野支店長、第6話の古里(近藤さんをいじめてた奴)と
悪党の弱みを握るたびに半沢は「これが世間にバレたら大変なことになりますよね〜
それじゃしっかりバラしておきますんで」と徹底的に悪党を揺さぶるのが
見てて面白いですねえ、もうほとんどヤクザみたいでどっちが被害者なんだか分かりゃしないという半沢のやり口が
ダーク系主人公の魅力満載で、見てて思わず笑ってしまいます
それとこういう場面を見ててつくづく思うのは、やっぱり悪いことはできないよなあってことなんですよね
悪どい手を使ってルールを破って、他人を出し抜きながら甘い汁を吸ったとしても
いつかはこうして必ずそれを追求されて、自分の悪事の責任を取らなきゃならなくなるという
悪事に手を染めてしまったら、必ずいつかそれが回り回って自分の身に降りかかってくるっていうね
半沢のセリフで「やられたらやり返す、倍返しだ!」っていうのが世間で一人歩きしちゃってる気がするけど
この番組を見ていて本当に思うのはちょっと違ってて、
「悪事に手を染めていたら、いつかそれが倍になって返ってくる」ってことなんですよね
「自分がやり返す」、ではなく「自分が悪事に手を出したらやり返される」ということなわけです
実際、このドラマの中では悪事に加担していた連中は最初オイシイ思いをしても、最後は必ず痛い目に遭うようになってて、
真面目に頑張っていた人達は最初苦しい思いをしても、最後は必ず救いがあるようになってるんですよね
このドラマのいいところはそこだと思います、
やっぱり悪いことはしちゃいかん、明日も真面目に生きようという
原動力になるっていうかね。半沢が悪党を徹底的に叩き潰すほどそう思うので、
こういう勧善懲悪モノっていうのは、道徳的な意味でも大事だなと思いますね
ただ、真面目に頑張っていたキャラの中で、唯一人救われなかったのは半沢の父親ですよね。
精一杯頑張っていたのに大和田に無情にも切り捨てられ、無念の中で自殺してしまったという。
だからこそ半沢はあそこまで大和田への復讐にこだわったんだと思います
真面目に生きていたのに、何一つとして救われず死んでしまった父親。その無念を晴らすために
父親の土下座を屁とも思わなかった大和田に、同じ土下座をさせて罪の重さを徹底的に味わわせるという。
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あと最終回で好きな場面といえば、やっぱり取締役会でのクライマックスのシーンですね
「岸川部長もこの報告書の当事者だったな…君の意見も聞かせてもらおう、
この報告書について何か言いたいことはあるかね」
「あ…は、はい、私は…この報告書の内容については…」
「遠慮はいらないよ岸川部長?思ってることを正〜直にィ…言いなさい(ギロッ)」
「…え…は、はい…この報告書の内容は…なにひとつ…身に覚えが」
「岸川さん?どうなんですかァ?(ギロッ)」
「う…うう…私は…私は…」
「あー頭取、岸川部長は体調がすぐれないようで」
「いま岸川さんが話してるんだ黙って聞けェ!!」
「なんだその口のきき方ァ!私は常務だぞ!
じょーむ!じょーむだ!!」
「すみません大和田常務ッ!!私はこの…報告書に書かれている事実を…」
「おい黙れ岸川ァーーーーッ!!」
「認めますッ!!」
「!!」
「私は5年前…!田宮電機に3000万の融資を実行いたしました!
しかしそれは!大和田常務の奥様の会社を救うための転貸資金であり!
大和田常務が田宮社長にお願いして、話がまとまっていたことです!」
「岸川ァーーッ!なに誤解してるんだお前!
知らんよ?私はそんなこと何も知らんよ?知らんぞお前!
知らんぞオルァァァァァ!!」
「伊勢島ホテルの件についてはいかがですか?」
「それも…!伊勢島ホテルからの内部告発によって、私も大和田常務も!
120億の損失が出ることを知っていました…!ですがその事実を隠蔽し!
200億の融資が実行されるように仕向けました!」
「それはお前が勝手にやったことだろォォォォ!」
「いえええええええええ!!全ッ部大和田常務の
指示に従って!私が実行いたしましたッ!!」
「き…岸川あああああ!」
「うっさァァァァァァァァァァァァァァいッ!!
俺だってこんな風になりたくなかったわ!
こんな風にぃぃぃぃぃぃ!!」
もうどんなコントよりも見てて面白かったです
笑いすぎて腹が痛くなるくらい、もうプロレス会議と言っていいくらいのハチャメチャな取締役会
このドラマの凄いところは、どの回でも一番重要な場面が一番笑えるようにできてるんですよね
シリアスなのかギャグなのかなんと言っていいのか分からないけど、とにかくメチャメチャ面白いというこのセンス。
とにかく凄いという他ないと思います
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特にこの場面は大和田常務を演じる香川照之の演技が凄かったなー
もうセリフの言い方が絶妙すぎて、何を言っても面白くて笑い転げてしまいました
特に「知らんよ?私は何も知らんよ?」あたりのしらばっくれ方とかね、相当な演技力がないとあれはできないと思う
それとラストシーン、世間ではかなり賛否両論になってますよね。大和田常務の悪事を暴き、大手柄を上げたはずの半沢が
どういうわけか出向を言い渡されてブチ切れるという衝撃のラスト。
これについては色々言われてますけど、まあ俺としてはこのラストもアリかなって感じですね
なんでかって、やっぱり今回半沢のしたことがあまりにもやり過ぎだったというか、
もう大和田常務の敗北が確定した状態で、まだまだ責め手を緩めようとせず
「半沢、もうその辺でいいだろう」「いいえ許しません」「半沢、そこまでだ」「いいえ許しません」と
半沢の味方である部長と頭取が2度も制止したのにそれを振り切り、
取締役会の最中に常務に土下座をさせたというのはね…
(C)鳥山明/集英社
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「あんなやつはもっと
苦しめてやらなきゃ…」って
言ってる悟飯のシーンを
思い出しました(えー
ここまでやっちゃったら半沢にも何かの処分が下って当たり前だろうなと…
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要するに半沢はダークサイドに落ちすぎたんですよね
仲間ですらドン引きしてる状況でまだまだ悪党を酷い目に遭わせようとするという。あれはさすがにやりすぎだった
まあ、半沢の目的としては大和田常務に最大限の屈辱を味わわせながら土下座させることなので
あの取締役会でやらなきゃ意味がなかったのかなー…という気もしますけどね
大和田が土下座をするのに一番屈辱的なシチュエーションは何か、と言われたら取締役会の最中にやらせることだと思うし
それにこだわった結果、半沢もあれだけブレーキが効かなくなったのかなーという気がしますね
まあそんなわけで、ラストシーンで半沢に何らかの処分が下るのは当然だなと思っていたのと、
これほど世間で爆発的な人気が出たからには、続編が作られて当たり前だなという気持ちがあったので、
あの最後の場面は「続編に続くってことなんだな」と、割とすんなり受け入れられました
原作小説もここで終わりじゃなくて、色々と次のシリーズがあるみたいですからね
要はここで終わりって気持ちがあんまりしなくて、続くのが当然っていう風に思っていたので
心の準備ができていたんだと思います。俺は物語の最後はハッピーエンドじゃないと嫌なタイプですが
ここが物語の終着点とは全然思っていなかったので、サラッと受け流せたんだと思います
あと最後の半沢の悪党ヅラで爆笑してしまったので
最後に笑えるシーンで終わったというのも大きかったんじゃないかな、
「いやー面白かった」という気持ちで放送が終わったんで、気持ちよく「やっぱ半沢は面白い」って認めることができました
ただ、このドラマをこれだけ面白く作ることができたのは、
当初売れることはまったく考えてなくて、いいものを作ろうとだけ思った結果だそうですね
そのおかげでこれだけ下地の整ったものができたんだろうなと思うと、続編についてはどうなるかなという不安もありますね…
それっていうのはイカちゃんという前例があるんで…(えー
イカちゃんも一期では「売れることは考えてない、いいものを作ろう」という意気込みでやったと水島監督が語っていましたが、
二期ではどうかというと「イカ娘は売れる」って色気が前面に出ちゃった気がするんですよね…
その結果、一期にあったあの絶妙なバランスが崩れてしまったような気がします。
半沢に関してはイカ娘より比べ物にならんほど売れることが確実なわけですから、
二期ではそれこそ色んなものがゴリ押しされてくるんじゃないですかね…
一期のように自由にやらせてもらえるのか正直不安です、
とりあえず剛力出しとけとかとりあえずジャニーズ出しとけとかそういうのは勘弁な…(えー
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