■食戟のソーマ 第22話「卒業生達」

「食戟?はっ…懐かしい響きだ」



「在校生以外の食戟…前例はないわけじゃない。
 だが食戟には双方の合意が必要だろ?悪いが勝負を受ける気はないんでね」

さて前回、恵ちゃんを救うため外道四宮に食戟を挑んだソーマでしたが…
なんと四宮、「そんなの受けるわけないじゃん」とあっさり断ってしまいました。
ま、待てやこらあああー!!てめえこら!てっきりカッカしてすぐ勝負を受けるかと思ったのに…
まったく四宮め…こんな時だけ冷静になるとかほんと最低ですね!(えー

「まあそう急くな」

「!」



「なかなか面白いことになってるようだな、四宮」

ってそこに堂島さんキター!!おおお!食戟を断ろうとする四宮に待ったをかけてくれました
これは事情を察して、ソーマ達に肩入れしてくれるつもりなんでしょうか?だとしたら頼もしい援軍ですよ
堂島さんなら四宮よりも立場は上だし、横暴しまくりな四宮も少しは大人しくなるんじゃないでしょうか

「堂島さん、この課題は俺に一任されてるはずだぜ?」

「もちろんだ四宮、お前が定めた試験内容と判定基準に不満はないさ。
 だが少なくとも彼女は、状況に対処しようとしたんだろう?
 そのガッツには一考の余地があるとは思わないか」

そして穏やかにさとすような物言いで、四宮に対して説得を試みる堂島さん。おお…
「お前の試験内容に不満はない」と四宮の顔を立てつつ、恵ちゃんの料理についても「一考の余地があると思わんか」
アピールしてくれております。四宮と恵ちゃん、両方の顔を潰さない流れに持って行ってますね。大人やで堂島さん…
こう言われては四宮のバカタレも、「堂島さんがそう言うなら」と引き下がってくれると…

「思わないね。ちっとも思わない」

なっ、ちょっ、て、てめえ何いってんだこらああああ!!
堂島さんが大人しくしてりゃつけあがりやがってええええ!!(えー
ふざけんな四宮!堂島さんがこうまで言ってくれてまだ「は?俺は自分の意見変える気ねーから」と言い張るとは!
この意地っ張りのヘソ曲がりのスットコドッコイが!いい加減空気読めや!



「(ビッ)私は余地あると思いまーす!」

「む、なんとこれで同票だ。のっぴきならんな…」

(こいつら…!)

がしかし、「私は退学に反対しまーす」と乾さんが発言したことで、四宮と1対1の同点に。
「なんてこったこれで同票だわー、まいったわー」とか言い出す堂島さんが
意外とおちゃめやな…
(えー
そんなわけで、堂島さん主催による食戟がこの日の夕方行われることになりますが…

「やー…なんとか首の皮一枚つながったな。ま、しっかり頑張ろうぜ田所」

「創真くんのばかぁっ!
 なしてあんな無茶な勝負挑んだのさ!?」
 創真くんは合格してたんだからっ…!私なんか放っとけばよかったべさっ…!
 
なんで勝負なんて…ううっ…」

って、堂島さん達と別れたその時、ソーマが無茶な勝負を挑んだことで恵ちゃんはカンカンになっていました。
でもその怒鳴り声がだんだん弱々しくなって、最後には泣いてしまうところがめちゃ可愛いですね
果たしてソーマはこの恵ちゃんになんと答えるのか…

「田所…ほら立ちなよ、課題の開始時間に遅れちまうぜ」

「…創真くんにいつも助けてもらってるのに…こんなことに巻き込んじゃって…
 私…なんて謝ったらいいか…」

「…別に俺が勝手にやったことだし、謝ることねーけど」

優しい言葉をかけるソーマですが、やはり恵ちゃんは「ソーマの退学を賭ける」という事実の重さに耐えかねているようです
そのことを考えると、涙がどうにも止まらないみたいですなあ

「それになんで勝負を挑んだかって、決まってんじゃん」

「えっ…?」



「田所はこんなとこで、落ちていい奴じゃないからだ」

ほ…惚れてまうやろーーー!!
ソ、ソーマお前…惚れてまうやろー!!!なんてこった!今度はギャグでなくビシッと決めるとは!
一度は「方言出るよなー(笑)」と笑って流したソーマですが、恵ちゃんが泣き止まないのでいよいよ本音を語ることになりました
こんなこと言われちゃったら恵ちゃん、もう嫁になるしかないんじゃないか!?(えー
幸平恵を名乗るしかないんじゃないか!?恵ちゃんのヒロイン力は凄まじいものがありますねぇ、
薄幸のヒロインというのもそうですが、恵ちゃんといるとソーマがグッと主人公らしい熱い奴になるのがいいと思います

「只今より、2対1の野試合を執り行う!
 今日の課題で余った野菜類…これを使った料理をお題とする!」

(初日の課題…あの時みたいに全力でサポートする…!)



(私のせいで創真くんが退学になるなんて…絶対に嫌だ!)

そして堂島さんからルール説明が行われ、いよいよ開戦間近となりますが…
今回のお題は、四宮の課題で使った野菜の残り物を使っての調理なんですね
ってことは…特にカリフラワーなんかは傷んでるものしか残ってないと思いますが
(課題のとき恵ちゃんが取りに行った際には、すでに全部傷んでるものしかなかったわけだし)
この傷んだ野菜が勝負の分かれ目になったりするんですかね?

考えられそうなのは、四宮は傷んだ野菜を無視して他のもので調理を進めるけど、
ソーマ達は傷んだ野菜を有効利用して何かすごい料理を作るとか…まあ、完全にただの推測でしかないんですけど

「さらにもうひとつ条件をつける…
 田所恵、君がメインで調理するんだ」

「えっ」

「それでは食戟!開戦だ!!」
 

ドッギャーーーン!!
ゲエエーーッ!?しかし「頑張ってソーマ君のサポートする!」と決意していた恵ちゃんにまったく予想外の展開が!
なんと今回の食戟のメイン調理人は恵ちゃんであり、ソーマの方がサポートに据えられたという…
これにはソーマもさすがに動揺しておりますが、恵ちゃんときたらソーマの比ではありません
四宮相手に恵ちゃんが勝つ手段なんてものが存在するのか…?ますます先が読めなくなってまいりました

しかしこの「恵ちゃんが四宮と戦う」展開…俺としては
「この展開うまいな…」とすっかり感心してしまいました

なぜかと言いますと、前回ラストでソーマが食戟を挑んだその時、
「恵ちゃんの問題なのに、ソーマが戦って生き残らせるってそれでいいの?」
っていう意見を
ネットで結構チラホラ見かけたんですよね。俺としては「ソーマがカッコいいんだから別にいいじゃん」と思ってたわけですが、
俺と違ってそういう考えを持つ人も、結構いるんだなーと感じていたわけで…

でも今回の展開なら、そういう考えの人も納得できたんじゃないでしょうか
つまり俺のようなソーマかっこいい派の読者は前回ラストで満足できたし、
それとは違って恵ちゃんが戦うべき派の読者も今回のラストで満足できたという…

両方の需要を満たすことができて非常にうまいなと感心してしまう展開というか
少なくとも俺はこんな流れは思いつかなかったな…実はこの漫画の原作担当の人って凄い人なんじゃないのか!?(えー
この原作担当の附田先生というのは、以前ジャンプで少年疾駆という漫画を連載していたことがあって
その時は15週打ち切りであっという間に突き抜けただけに、正直ソーマもやばいんじゃないかと心配なところがありましたが…
ここ数週の展開を見るに、実は凄くデキる人なんじゃと思うようになってきました。
合宿に入ってからの展開は、俺としては十分しっかりしてて面白いと思ってるしなあ

あと思ったのは、今回の堂島さんについてですね。
最初「まあそう急くな四宮」と現れた時は、てっきり完全にソーマ側に肩入れした味方キャラになるのかなと思ってましたが、
実際読んでいくとそうじゃないというか、堂島さんは四宮たち卒業生と、ソーマたち在校生の間を取り持つ
中立的なキャラになってますよね。今回の堂島さんの役割としては、単に恵ちゃんに味方して退学をなくすんじゃなくて
恵ちゃんが自分の力で生き残れるか、それを試す場を作るためにやってきたんだなと思いました。

今回の冒頭で堂島さんがやってきたのは、あのままだと四宮は「食戟なんか誰がやるかバーカ」
ソーマの挑戦を受けることなく、問答無用で恵ちゃんのクビを切り、ヘタすればソーマのクビまでも切っていたわけで。
それではあまりに恵ちゃんとソーマに不公平ということで、堂島さんが姿を現して交渉を開始したわけですよね

「私は余地あると思いまーす!」「なんとこれで同票だ、のっぴきならんな」のシーンにしても、
ただ単に恵ちゃんを助けたいだけなら「俺も余地あると思いまーす!」とでも言えばよかったわけで。
そうすれば2対1で四宮の意見は黙殺、恵ちゃんの退学は消えていたわけですが、それじゃ今度は恵ちゃんに肩入れしすぎるから
堂島さんはあえて何も言わず、食戟で「君らの価値を見せてもらう」と、恵ちゃんが戦ってなんとかする方向に持っていったわけですよね

食戟の審査員にしても、ただ恵ちゃんに勝たせたいなら乾さんにそのまま審査員をやらせればよかった。
でもそれじゃ四宮に不公平になってしまうし、恵ちゃんが自分の実力じゃなくひいきで勝ったことになってしまうから、
わざわざ恵ちゃん達のことをよく知らない審査員たちを連れてきたわけで。

そして「田所恵、君がメインで調理するんだ」という最後のセリフ。これはもちろん、ソーマの力で恵ちゃんが生き残るのではなく
遠月の生徒ならば、自らの力で生存競争に勝たなければならないという
遠月の精神にのっとったものですよね。だから堂島さんは恵ちゃんに肩入れするためではなく、
恵ちゃんが自分の力で生き残れるかどうか、それを見定める公平な場を作りにやってきたんだなあと思いました

この堂島さんの立ち位置についてはね…俺としてはすごく良かったんじゃないかなと思ってます
なぜなら堂島さんは、卒業生の中でも最強の実力を持ち、最高の権力を持った人だから、
この人が完全に味方になってしまうと、あまりにも便利になりすぎるよなあと思っていたからです



実際、今回堂島さんが冒頭で姿を現した時「あー堂島さん味方になるんだな」と思ったわけですが…でも頼もしさを感じると同時に
なんかどこかでスッキリしない気持ちがあったんですよね。やっぱりそれは最強キャラが仲間になったと思って
緊張の糸が切れたというか、FFタクティクスで言うと剣聖オルランドゥが仲間になった的な(えー

だから結果的に中立だったということで、完全な味方じゃないとわかって良かったなと思ってます。
それに中立ってことは、完全な敵じゃないという意味でも良かったですね。堂島さんが四宮のように敵キャラになってしまったら、
これはもうあまりにも高いハードルになってしまってクリアしようがないと思うんで…

堂島さんが敵になったらどうあがいてもソーマ達が勝てるわけないし、勝ったら勝ったで「最強キャラのくせにこんなよえーのかよ」って
堂島さんの格を落としてしまうし、それに四宮に続いての敵キャラ化なんてことになっていたら
「なんだよ卒業生イヤな奴ばっかだな」って、もう卒業生自体に反感を持ってしまっていただろうしなあ
だから堂島さんの立場は、味方でも敵でもなく中立がベストだったんだろうなとつくづく思います

それにしても…俺はこの話を読んでから色々考えてこう思ったけど、原作者の人が
これをゼロから考えて今回の形を作り上げたっていうのは相当すごいことなんじゃないかな…
いやホントに、俺はゼロからじゃとても考えつかないね…完全に予想を超えてて脱帽ものでした。
原作者の人ここまで全部考えてやってるんなら本当に凄いですよ、キャラの動かし方をメチャメチャ熟知してるというか…

まあ少年疾駆のことがあるからそこまで信頼していいのか分からないけど…(えー
なんにしても最近は話もよくできてて、こっちとしても考察しがいがあるのは確かだと思います。次回に続く!


・今週のソーマのレビューが早くて嬉しいです!^^ いやあ、ソーマがマジカッコイイっすね。
 もうこの漫画にエロはいらなんじゃなイカ?(小声
 あとどうでもいいですけど、四宮とヒナコさんって結構いいコンビな気がしてきました…。
 ヒナコさんいいキャラしてますね、ガチ百合っぽいけど…

やっとソーマの更新がジャンプの発売に追いつきましたね、長かった…
代わりに他のレビューが止まりまくっちゃってますが、気長に頑張ります



あと四宮は1人だけだと腹立つ奴だけど、他の卒業生達と一緒にいると微笑ましいよね
四宮の横柄な部分をみんなしてイジりまくってくれるから、ちょうどいいギャグ風味になって
四宮自身になんか愛嬌を感じるという



■食戟のソーマ 第23話「存在の証明」



「私がメインで調理を…?」

「そう、レシピも君が一人で決めるんだ。幸平はサブとしてサポートに回れ」

「なっ…堂島先輩!食戟挑んだのは俺っすよ!なのになんで…!」

「もともと成立しない食戟を俺が取り持ったんだ、俺の出す条件も呑んでもらう」

「…」

「幸平…君の料理で勝ち、田所が生き延びたとしよう。それが何になる?
 金魚の糞である事は変わらん。早晩別の課題で落とされるだけだろう。
 これからも幸平に…誰かに助けてもらうのか?
 遠月では、己の価値は自分の腕で証明しなければならない」

さて前回、堂島さんから恵ちゃんメインでの調理を命じられ、思わず硬直してしまったソーマ達ですが…
今回の冒頭でもはいそうですかと受け入れられず、堂島さんに食ってかかっていました
しかし「自分の生存権は自分で勝ち取るべき、それこそが遠月」と言って揺るがない堂島さん。

ここまでは俺の推測通りでしたが、しかし恵ちゃんを金魚の糞とまで言うとは…手厳しいのう…
恵ちゃんは四宮の課題に1人で取り組んだんだから、そこを考慮してくれてもいいじゃないですか!
そのガッツには一考の余地があるとは思わないか?一考の余地があるとは?(えー

「あ…あ…(ガタガタ)」

「フン…同情するぜ幸平」

「…何がすか」

「絶望的な気分だろ?あのノロマの腕に、自分のクビがかかってるんだからな」

そして恵ちゃんが硬直して動けない中、先にゆうゆうと調理を始めてしまった四宮。
こんな時でも恵ちゃんに対する皮肉を忘れないとは、まったく嫌な野郎です



「聞きました!?今の憎たらしい言い方!」

「そんなだから女性と長続きしないんですよ四宮さんは」

「四宮ってホント性格悪いと思う」

「外野は黙ってろ!!」

ああしかし、この四宮の言動に審査員一同ドン引き!自分で審査員の心象悪くするとはアホです四宮
それにしても女性と長続きしないのか四宮…まあ確かに、四宮のことだから彼女が柑橘系の香水とかをシュッとかけた瞬間
「そいつは料理の香りを霞ませるんだよなぁ…
 テメェ俺の店を潰す気か?」と例のごとくブチ切れそうだよね…(えー

それに四宮は世界的な料理人だから、「四宮さんのために朝食を作ったの!」とか平凡な料理作ろうもんなら
「こんなクソまずい料理食わせんじゃねえよ…
 俺の舌がおかしくなったらどうしてくれんだ?あ?
 テメェ俺の店を潰す気か?」とか言い出しそうだよね…(えー

「…」

 

(…四宮小次郎シェフ…遠月卒業後単身フランスへ渡って、美食の激戦区パリで店を開いてる料理人…
 そんな人と…私の料理でたたかう…?
 お…落ち着かなきゃ…落ち着かなきゃダメなのに…震えが止まらない…!)

ああしかし、乾さんのお気楽な声援とは裏腹に、途方もなく怯えてしまい精神的に潰れそうになっていた恵ちゃん!
乾さんの声などまったく耳に届かず、恵ちゃんが感じていたのはひたすら重く苦しい重圧だけ…
まるで平常心を保っていない恵ちゃんを見て、思わずソーマが声をかけますが…

「っ…田所!!」

「言っておくが彼女のレシピに手を加えるのは無しだ」



「お前はあくまで副料理長だからな」

「…」

「お前は田所に、生き残る価値があると思ったんだろう?
 その彼女の料理が信じられないというなら…今すぐ勝負から降りろ」

ところがその時、動こうとするソーマにすかさず釘を刺してきた堂島さん!
きつい言葉を並べてソーマの動きを封じ、さらに「迷いがあるなら今すぐ勝負から降りろ」とトドメの一言を!
容赦ないな堂島さん…堂島さんはソーマに対しても揺さぶりをかけるつもりでしょうか、
恵ちゃんに続いてソーマまで平常心を失ってしまったら、いよいよこの勝負は本当に勝ち目のない戦いに…

「…降りるワケないでしょ…俺は料理人っすよ?」

 

「厨房から逃げ出してたまるかよ!!」

が、それでも揺るがないソーマ!か、かっこいいタル〜〜〜
堂島さんの言葉に惑わされることなく、「副料理長として最後までやってやる」と戦う決意を固めます
ちょっとここ数週のソーママジでかっこよすぎじゃないですか!?
四宮編が始まってから、毎回必ずビシッと決めるシーンがあって株の上がりっぷりがやばいです

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!はぁ…!」



(…だめ…やっぱり私はだめなんだ…ここまで生き残れたのも全部創真くんのおかげなんだ…)

「田所…!田所!」

(私なんか…私なんか…)

「田所、合掌してみろ!合掌!」

(…?)

しかし一方で恵ちゃんはというと、あまりのプレッシャーで呼吸困難のようになってしまうほどヤバイ状況になっていました
目の前もどんどん真っ暗になっていき、ソーマの声もわずかにしか聞こえておりません
しかし、そんな恵ちゃんに向かって必死に「合掌してみろ!」と何度も繰り返すソーマ。
その甲斐あって、おずおずと恵ちゃんも両手を合わせますが…

 

パァンッ!!

「ひんッ!?」

じーーん

「…??い、いたい…」

「昔、実家で習った緊張をほぐす裏技だ。
 一人じゃできねーのが難点だけどな(ニッ)」

そんな恵ちゃんの両手を思いっきりスパーーンとぶったたくソーマ!
その威力のおかげで、ちょっとは恵ちゃんも正気に戻ったようです
あれですね、めぐみはこんらんしている!という味方を殴って正気に戻すドラクエ3の裏技ですね(えー
ファミコン世代の俺からすると、裏技って言葉はときめかずにはいられんぜ…



ひりひり

(あ…震えが…止まった…?)

「まーとりあえずは落ち着いてさ。そんで何作るかじっくり考えろよ
 相手が何を作るかとか、そういう事はいったん忘れろ」

「で、でも…私なんかの料理じゃ…!」

「寮で食ったお前のおにぎり、ほんとうに美味かった。
 余計なことは考えんな、お前らしい料理を作りゃいい!」

(…私らしい…料理…?)

そしてまだ不安が拭い切れない恵ちゃんに対し、ひとつひとつ熱心に励ましの言葉をかけていくソーマ。
なんというかもうソーマいい奴すぎるだろ…めちゃくちゃ面倒見いいじゃないですか、
ネガティブ思考に陥りがちな恵ちゃんを根気強く励まして、実力を出せるように導いてやるとは…

「創真くん!あのね………〜〜〜……って料理を作ろうと思うんだけど」

「面白い!」

「ほんと!?あ、で、でもね…このレシピだと下処理に手間がかかる食材が多くて、
 うまく仕上げられるかどうか…」

「俺を誰だと思ってんだ?食事処ゆきひらの二番手張ってた男だぜ?
 ま、親父と俺の2人だけだったけどな!」

「ふふ…あははっ」

そしてまた四宮が余計な皮肉を言ってきますが、今度は余裕の笑みさえ浮かべてそれをスルーするソーマ
さらに恵ちゃんもついに料理のアイデアを決めたようで、「手間がかかる」という唯一の不安もソーマが冗談で吹き飛ばし
和やかムードでキャッキャウフフを始めてしまいます。勝負の最中に恵ちゃんがこんな微笑みを見せるとは、
なんかもうマジで恵ちゃんが正ヒロインの座におさまりつつあるな

「俺の経験全部つぎ込んでお前を支える!本日限り…」

 

「食事処たどころ、開店だ!!」

「お…おー…!」

そしてなんじゃこれ、食事処たどころってソーマまさかの婿入り宣言!?
ソーマが珍しく赤面してるし、これからは田所創真を名乗るつもりでしょうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そしていよいよ復活した恵ちゃん&ソーマを見つめる堂島さんの優しげな笑みときたら…
やはり今回ソーマ達にきつく当たっていたのは、この壁を乗り越えてくれることを期待していたんでしょうか?次回に続く!


・ソーマが「食事処たどころ」で赤面したのはダジャレになってるのを自覚したからじゃないですかねー、多分
 しょくじ どころ  た どころ 「お柿揚げ」のときはどんな表情してましたっけか・・・ by コトハ

あ、なるほど、食事処たどころってあれはダジャレになってたのか…気づかなかった
ほんとにダジャレの好きな漫画だな!肉魅編の終盤あたりからどんどんダジャレが増えてる気がするねぇ
こりゃ今後のネーミングなんかでも、隙あらばダジャレの名前をつけてくることが多くなりそうだ


■食戟のソーマ 第24話「東から来た魔術師」




「食事処たどころ、開店だ!!」

「…」

「四宮先輩っ!!(たたたた)」

「なんだよヒナコ」

「食事処の”どころ”と田所の”どころ”が一緒で、
 とっても語呂がいいですね!!」
 

「縛り直して遠くに置いてこい」

ずるずる

「なんでえええええ!?」

いきなりダジャレのアピールキター!!しょっぱなからこれかー!!
今回の冒頭ですが、見ての通り「食事処たどころってとっても語呂のいいダジャレですね!!」
乾さんが猛烈なダジャレアピールする場面で始まりました、い、乾さん…これはあれでしょうか
俺のように前回ダジャレに気づかなかった読者がいると見越しての
「みんなちゃんと気づいてくれよな!この会心のダジャレにな!」という
作者からのメッセージなのだろうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

(四宮シェフに勝とうなんて気負っても緊張が増すだけ…!
 自分の料理だけに集中するんだ!今は私が…料理長なんだから!)

「はっ!?創真くんに伝えるの忘れてた!
 肩肉の切り出しを真っ先にやってもらわなきゃ、調理の手順が!」

そしていよいよ調理に入った恵ちゃん&ソーマですが、自分の集中力をついに発揮し始めたものの
まだまだ他人を使うまでは上手く出来ていない恵ちゃん。
うっかりソーマに調理の手順を伝え忘れ、おたおたと慌ててしまいますが…

「切り出しあがりっ、筋も全部取っといた」

「…!?」

「次、鶏レバーと背脂の処理どっちからやる?」

「えっ、えっと、レバーの方からお願い!」

「あいよ!」

「…」

「創真くん!蒸し焼きする型の準備は…」

「出来てる!あとはパテを仕込むだけだ!
 ちなみに野菜のソテーはあと12秒待ってくれ!」

「あ、ありがと!」

(すごい…!私が欲しいタイミングで、下処理の済んだ食材が次々と手元に来る!
 サポートが1人ついただけなのに、私一人で調理するより
 何倍も速く動けてるような…!)

しかし、恵ちゃんの調理手順はすべて伝わっているかのように、先んじた的確なフォローによって
完璧に恵ちゃんのサポートをこなしていくソーマ!もともとソーマは実家で親父のサポートに明け暮れる毎日だった
わけですからなぁ、恵ちゃんがやりやすいのも当然というか、むしろソーマはこっちの方が本職なのかもしれません

相手が欲しいものを欲しいタイミングで出す…
社会人になるとこういう動きが出来るようになるよね
先輩にくっついて仕事をする時とか、「あ、先輩ここでスパナ使うな」「ここはドライバーだな」「ラジオペンチだな」とか
先輩に何も言われなくても、作業工程に必要なものを理解して、先輩が使う時にスッと用意してあげるとかね

学生の時は基本的に、勉強でもなんでも自分が頑張ればそれで済むことが多いから、
こんな風に他人についてサポートするって感覚が育ちにくいんだよなー
そういう意味では、プロの現場で揉まれたソーマならではの動きとも言えますね

「まずは四宮の料理からの審査だ…給仕を」

(遠月学園卒業生の料理…一体どんなすごい品が出てくるんだろう…)

「(スッ)」

「えっ…?これって…」



オオオオオオ

「シュー・ファルシ…?」


(C)SUNRISE/BANDAI,DENTSU,TV TOKYO

シュー・ファルシっていうのはね、
フランスオーベルニュ地方の郷土料理で、
キャベツの葉で肉や野菜を細かく刻んだ
詰め物を包み蒸して作る品で、
洋食で言うところの
ロールキャベツに近い
料理なのよ!

あおいちゃん解説ありがとうございます
というわけで四宮が出してきたのは、フランス料理版ロールキャベツとも言うべき一品シュー・ファルシ!
「シュー」がフランス語でキャベツを意味するっていうのは夢色パティシエールで語ってましたね
シュークリームのシューってのもここから来てるんだよなー


(C)松本夏実 / 集英社・夢色パティシエール製作委員会 2009

 

「これは…少し意外なメニューですね」

「フランスの家庭でもよく作られる定番料理だな」

「なんか拍子抜けって感じですねぇ、いつも気取った料理ばかり作る四宮先輩にしてh(ゴッ)」



しかし、これには卒業生たちも少々肩すかしをくったような感じ。シュー・ファルシは言ってしまえば平凡な料理であり、
「どんなすごい料理が出てくるのかと思ったら」というガッカリ感は否めません
乾さんが四宮の岩山両斬波で黙らされる中、いよいよ実食タイムが始まることに…

「では…」

ほわぁぁぁ

「おお…香味野菜の匂いが食欲をそそる…」

「(もぐもぐ)」

 

「…!!」

ビクンッ!!

って水原さんのエロ反応キター!!
おおっ!これまで変な座り方や独特の雰囲気でデスノートのLのようだった水原さんが、
「私はMです」と言わんばかりに感じまくりの反応を!(えー
やっぱりこういうコマ描かせるとtosh先生は最強やのー

「美味い!!」

「こ、この詰め物ッ…!一般的なシュー・ファルシで使われる豚ロースや
 タマネギじゃない!地鶏胸肉だ!!」

「切り開いた胸肉の中に、牛脂で香ばしく炒めたモリーユ茸とアスパラガス、
 そしてフォアグラ!さらに胸肉とバター・卵・生クリームを
 滑らかなムース状にしたものを入れ、蒸し上げている…!」

そしてここからは解説タイム、予想外に美味い四宮のシュー・ファルシについて褒めちぎる一同でしたが…
むう、しかし今回のお題は「四宮の課題で使った野菜の残り物」で作るってことでしたが
地鶏胸肉とかモリーユ茸とかフォアグラとか割と好き放題な材料使ってるんやな…(えー
もうほとんど野菜の残り物とか関係ないじゃねーか!



というかムースのことを解説してる時の水原さんの顔でなんか吹いた
さっきのビクンビクンとかもぐもぐしてる時の顔だとかなんかキャラ定まってないよこの人!(えー
水原さんは綾波のような無口無表情キャラだけど、この漫画では料理食べた時に
どうしても大きなリアクションと長い解説を要求されるから、必然的に無口無表情キャラを崩さずにいられないんやな…悲劇やな…

「そして何より恐るべきはこのキャベツだ…
 ”下茹で”、”蒸し上げ”、それぞれの工程でこの料理に最適なポイントへ
 ピタリと合わせ加熱されている!そうして生み出された繊細な甘みが、
 味全体の品位を高めている…魔法にかけられたように!」

そして堂島さんが魔法とまで語るほどに、神業クラスのキャベツ調理スキルを持っていた四宮。
キャベツ自体はそう特別なもんじゃないけど、四宮の腕によって絶品のレベルにまで引き上げられているようで…



「ん〜〜〜っ…!!」

(くやしい…!くやしいけど美味です!)

そんな四宮の料理には、恵ちゃん派の乾さんですらも脱帽であります
というかその横で冷静顔で料理食ってる水原さんのキャラは一体…(えー
わかんねえよ…水原さんのキャラわかんねえよ!

「ごく一般的な郷土料理を、研ぎ澄まされた完成で紡ぎ直し…」

「高級レストランでも出せるレベルまで押し上げている…」

「舌に体に…味の魔力がみなぎるようだ…!」

「「「これは…魔法!そう…」」」

YES!!

マジカル☆キャベツ

あんじゃこりゃあーー!!
ぐわーーー!!四宮の魔法に虜にされた審査員一同が魔法少女に大変身!
マジカルキャベツの文字とか完全にプリキュアやなこれ!

 

でも堂島さんや乾さんのポーズは明らかにセーラームーンを意識してるよね
手の形がモロにそうだし、堂島さんのポーズはリンク先動画の0:54のシーンかな?悟桐田さんは完全にタキシード仮面やな
あとこの杖はやっぱりカードキャプターさくらだろうか…色々混ざってんなー

「しかし意外だったな四宮…俺はてっきりお前の店、SHINO’Sの
 看板料理(スペシャリテ)が食えると思っていたが?」

「ハハッ、冗談きついですね堂島さん、相手はまだ学生ですよ?
 俺がそんな無慈悲な真似するとでも?」

(やりそうだ…)

(二度と料理ができないほど叩き潰しそうだ…)

ですが、四宮にはこれとは別に得意とする看板料理があったようで、それを出して来なかったことを
いぶかしげに思っていた堂島さん。というか関守さんや悟桐田さんは、今まで四宮についてコメントしてませんでしたが
やっぱり内心ではやな奴と思ってたんですね(えー

(…美食の激戦区・パリの一等地に店を構え、戦い続ける新進気鋭のシェフ…
 その俺が学生なんかに負けることなどありえないという…)



(至極真っ当な、驕り)

そしてやっぱりとことんまで根性曲がっていた四宮
今回看板料理を出してこなかったのは、「なんで俺様がザコ相手に全力出さなきゃいけないわけ?」
恵ちゃん達をナメて見下していたからという…四宮…堂島さんから見てもこれとは汚れすぎやろ
まあでも四宮が調理に取りかかったその時、恵ちゃんはこんな状態だったからなー
まともに調理できるかどうかも怪しかったから、それを看板料理で倒そうって気が起きないのも分からんではないが…

(付け入る隙があるとするなら…)

「どうぞ、召し上がってください!」

そんな驕りのある四宮の料理には、やはり付け入る隙があると感じていた堂島さん。
そして出てきた恵ちゃんの料理…これがその弱点を突いてくるということでしょうか
一体何を作ったんでしょうねえ、恵ちゃんのイメージから行くと肉じゃがって気がするけど…どうだろう
ともかくおふくろの味っぽい何かが出てくることは間違いないでしょうね、次回に続く!






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