ドラマ版アオイホノオがめちゃくちゃ面白くてびびる
1話を見てガチで驚愕しました、まさかここまでのものを作ってきたとは、
このアオイホノオ、原作漫画の方も1話からずっと読んでいるわけですが、
「アホイホノオ実写ドラマ化!」の話を初めて聞いた時には、はっきり言ってまったく期待していなかったんですよ

そんなの成功するわけがないと100%確信して、もはや見下している気分ですらあったというか、劇中のホノオのセリフで言うなら
やっちまったなバカめら!!
くわっははははは!
アオイホノオの
実写ドラマ化なんてなあ…

うかつに素人が
手を出せるもんじゃねえんだよ!
ちょっとテレ東の放送枠が
空いてたからといって…
驕りやがったな!!

と、こんな感じで糞ドラマ確信モードになっていたという…
なぜなら、アオイホノオと言えば作品のウリとして、実在の漫画家や作品について熱く語るシーンがあるわけですが
これがテレビで放送するとなったら忠実に再現するのなんて無理じゃねーかなと思っていたわけです

そういった例で言うと真っ先に思い浮かぶのはバクマンですね
あれも元々は、ジャンプで連載する漫画家の考え方や実在の作品について語る点がキモだったわけですが
アニメ化の際にジャンプの名前は少年ジャックに変えられてしまい
他にも色々と実在の名前が使えなくて、ところどころ妙な名前のアレンジをするハメになってしまったという…

やっぱりああいうのはね、実在の名前出して熱く語るところが面白いんですよ
それを変えて架空のものにしてしまったら、それだけでもう興味がガタ落ちして見る気をなくしてしまうんですよ

そしてこのドラマも残念ながらそうなるだろうなと思ってました
いくら原作でホノオがあだち充について熱く語ろうが、ドラマではすだち充とかになってんじゃねーかなとか
原作で庵野秀明がホノオの前に立ちふさがろうが、ドラマでは庵野としあきとかになってんじゃねーかなとか
そう考えるだけで陳腐なドラマになるのが目に見えるようというか、改悪の嵐でダメダメな作品になること確実と思っていたわけです

さあ観てやろう!
お前らのやっちまった
糞ドラマってのを!!
(えー

もはやドラマが始まる前はこんな心境でしかない状態
どれだけ糞な内容になっているか1話だけ見て終わりという、ただそれだけを考えてチェックした第1話でしたが…

「(古谷徹ボイスで)百合ちゃん!ごめん、おれ何も知らなくて…
 そんでもって、おれ…殴っちゃったりして…」



「(鶴ひろみボイスで)…わたしだからでしょ?」

「え?」

「わたしだから殴ったんでしょ?他の女の子だったら殴ったりしないよね」

(ああ…そうとも、他の女の子だったらどうでもいいことなんだ…)

「ね」

「うん」

「よし!だったらあやまるな!」

「うん!あやまらない!」



「クリスマスプレゼントにしようと思ってたけど…
 情けない寒がり屋さんだから、ちょっと早めにあげる!」

「これ…百合ちゃんが?」

「そうよ、うまいでしょ。中学の時、編み物で表彰されたことがあるんだから」

「うん、いいお嫁さんになるよ」

「だれの?」

「えっ…」

「何故だ…この”ナイン”を連載しているあだち充、
 面白い漫画を描いているはずなのに、今ひとつ人気が出んな!
 何かが足りんのだ…女の子はこんなに可愛いのに!
 女の子が可愛いだけではダメなんだ…野球漫画なんだから、
 もっと熱く燃え上がる試合がないと!汗と涙のバトルがないとダメなんだ!
 かわいそうなあだち充…俺にとってはこんなに面白いのに…
 しかしあだち充!俺だけは認めてやる!
 俺だけは認めてやるぞ!!」

しかし俺の予想をカンペキに上回るこの展開!
うおおおおなんと!「実在の漫画を出せるわけない」と思っていた俺の予想など遥かに超えていき
冒頭からナインのページをいくつも映しあだち充の名前を連呼するという驚愕の流れが!

何がすごいってこの場面、原作でもあったシーンなんですが
その時にあだち充の絵が実際に映ったのはたったの2コマだけだったんですよ



そう、ホノオが「女の子が可愛いだけではダメなんだ!野球漫画なんだから!」と言っている2コマだけ!
つまりナイン本編のセリフは使用されてなかったんです、原作ですらそうだったわけですが
なんとドラマではここを大幅追加して
ナイン本編のセリフをいくつも使い重点的に描写する
という
まさかまさかの展開!しかもただナインの絵を見せるだけではなく声までつけるという妥協のなさ。

選ばれた声優は古谷徹と鶴ひろみ、そして後からウィキペディアで調べて知ったんですが
古谷徹はナインがアニメ化された際に実際に主人公の声を担当していたそうです
す、すげえ…主人公の声まで忠実に再現!そこまでこだわってこのドラマを作っているなんて!

マジで冒頭からド肝を抜かれました
まるで俺のような「どうせドラマじゃ漫画のことまともに語らないんでしょ」と思っている奴に
いかに本気でこのドラマを作っているかを分からせるために
ドラマスタッフのそんな意図を感じるような、冒頭からして原作を超える力の入れようでナインを深く見せてくるという
驚くべき場面となっていましたね



「おいホノオ、お前にええこと教えたるわ」

「なんだ?」

「仮面ライダー旧1号の仮面はなぁ、緑とちゃうねん。ホンマは青やねんで?」

「な…なに!?そうか…!主題歌では”緑の仮面”と歌っているが…
 確かにテレビ画面では青だ…!」

「ククク…誰にも言うなや?」

そして仮面ライダーの細かいネタもカットせずにしっかり放送。
初代仮面ライダーの歌詞をネタにするこの場面、果たして現代っ子たちが理解できるのかまったく分かりませんが
それでも臆することなくちゃんと描写してきました。というか俺自身もライダーの歌詞は記憶があやふやなところがあって
緑の仮面がどうとかって言われてもよう分からんのですよ。その歌詞の部分を思い出そうとすると、まず
「♪あーかーいー、あかーいー、赤い仮面のブイス…いや違うV3の歌だこれ」って初代の歌がパッと思い浮かばなくて
「えーと初代の前奏は確か…チャーン!デゲデゲデーン、テケテケテーテケテケテーテケテケテー(前奏がないと分からない)
 ♪せまる〜、ショッカー、地獄の軍団〜、フンフンフフーン黒い影〜、フンフン平和を守るため〜(うろ覚え)
 ♪ゴー、ゴー、レッツゴー、緑の仮面〜♪あ、緑の仮面ってこの部分か」と、
こういう思考を経てやっとホノオの言ってることが分かるというレベルです
なのでたぶん一般人の人達はピンとこないだろうとは思いますが

一般人は気づかないかもしれないが…
おそろしい仕掛けが
ムダなく施されている!!
(えー

さらにこのドラマでなんと言っても素晴らしいのは
原作の漫画に出てきたパラパラ漫画や当時の動画を再現していることです

そう、原作ではホノオが当時撮影された色々な動画について熱く語るシーンも多いんですが
しかし悲しいかな、漫画ではどうやっても静止画でしか描けないので
読んでるこっちとしてはどういう動画なのかいまいちよう分からんというのがよくあったんですよ



たとえばこのシーン、「斬新な演出で水の中を車が走り回る物凄い動画」をホノオが見ているんですが、
漫画で見ている俺からすると、車がどう動いてどう凄いのかよく分からないというわけです
ドラマではこういうシーンで実際の動画を用意してくるから凄いんですよ

アオイホノオは作者が若い頃の実体験を元にしているので、こういった動画には必ず実際のものがあるわけですが
それをドラマスタッフがきっちり探してきて俺らにも見せてくれるわけです。
そのおかげで「ああ、ホノオが言ってた動画ってこういうことだったんだ!」と、ドラマを見てはじめて
ホノオの言ってることが理解できたシーンも多いという…



それと動画と言えば有名なのが庵野秀明のウルトラマン動画。
劇中でホノオが大ショックを受けたこの動画ですが、これもおそらく庵野秀明が実際に作った動画を引っ張ってきて
その音声にドラマの役者で再現した映像をかぶせたのが、今回ドラマで流れた動画になっていると思います

なので庵野秀明が本物のウルトラマンから使用したウルトラマンの「ヘアアッ!」という声とか
スペシウム光線の音とか格闘戦の音とか、そういうウルトラマンの効果音をドラマでもちゃんと流してるのが嬉しかったですねえ
こういった点でもきちんと再現してくれるあたり、このドラマの本気ぶりは凄いと思います

さらにはツイッターで、本編の中にも登場している
岡田斗司夫が当時の詳しい事情を解説してくれているという至れり尽くせりぶり

このやったもん勝ち理論を唱えているデブキャラが岡田斗司夫です
実際に漫画に登場した人が、当時の裏話をリアルタイムで語ってくれるとかすごい貴重なことだよなぁ
ツイッターという便利なツールがあるからこそ可能になったことですね

そんな風に、予想を大きく上回るとてつもないドラマとなっているアオイホノオですが
唯一不満な点があるとすれば、きっちゃんが可愛くないということでしょうか
きっちゃんというのはホノオの友人で、まるでマスコットキャラのような見た目で原作での癒しだったんですが

↓ドラマのきっちゃん&ホノオ

↓原作のきっちゃん&ホノオ

あの天使のようだったきっちゃんがなぜこんな姿に!(えー

おいいいい!いやマジできっちゃんっていつもニコニコ可愛らしくて、「実はきっちゃんって女なんじゃね?」と思ってしまうような容姿で
ていうかもう男でも女でもいいから「きっちゃんは可愛いなぁ!」とハグしたくなるようなキャラなのに
それがなんでこんなキモキャラになんねん!(えー

さすがにミスキャストやろ!思わずハグしたくなるような可愛いキャラだったのが
ハグどころかお近づきになることすら遠慮したいキモ系の人になるなんて!(えー
いや、役者がブサイクだと言いたいんじゃなくて、このパッツンパッツンの髪型とナヨっとした演技がきついんだよなー
たぶん普通にしていればキモさはだいぶ薄らぐと思うんだけど…ただ、やはり作中が80年代初頭という設定なので、
このパッツンパッツンの髪型とかはそれを意識してるのかもなー

こうなると、もうひとり俺のお気に入りキャラであるこの子のキャストはマジしっかりして欲しいんですよ!

 
 

そう、ホノオがコピー機目当てに通ってる空手道場のかわいこちゃんを!
この子可愛いんだよなー、アオイホノオのヒロインキャラはトン子さんとか津田洋美とかワンダーマスミとか色々いますが
俺はこの子が一番好きだな、それに実際の空手美少女といえば有名な役者がいるじゃないですか!
そう、ハイスコアガールだかハイキックガールだかそんな感じの作品に出てた人が!(えー



調べてみたら武田梨奈って人でしたか、この人マジで空手の達人で全国大会とかでも活躍するほどめっちゃ強いそうですね
腹筋する時もただの腹筋じゃ物足りないから、あえて弟に腹パンさせながら腹筋やってるという話を聞いたことがあります
プロボクサーとかでもやってることですよね、トレーナーに腹パンさせながら腹筋っていうのは。まあとにかく
空手で美少女で役者と言えばもう武田梨奈しかいないんですよ!(えー  呼んでこようぜこの人を!

そんなわけでドラマ版アオイホノオ第1話、きっちゃんが可愛くないということ以外は不満もなく
むしろ期待を上回ることをバンバンやってくれて、実に楽しい内容となっていました
ドラマスタッフに向けては作中のこのセリフを送りたいと思います

ドラマスタッフ…さすがだ…!
アオイホノオの武器を
よく知ってやがる!
来週が…
待ちどおしいぜ!
 次回に続く!

(C)島本和彦/小学館













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