グランドジャンプ感想:プレイボール2
第1話「第3の投手の巻」
みなさんご存知でしょうか、グランドジャンプの最新号からプレイボール2が始まったことを
プレイボールといえば今から40年くらい前に、ちばあきおがジャンプで連載していた漫画なんですが
なんとその続きがグランドジャンプで始まったということなんですよ
40年も前ってなると、まだ俺が生まれてない時代だったわけですが
ただうちの親父が当時から単行本を集めていたので、うちの実家にそれがズラリと並んでるんですよね
で、俺は小さい頃からそれをずっと読みながら育ったので、「野球漫画といえばプレイボールやろ」というくらいはファンになって
今回のプレイボール2が始まるのも楽しみにしていたというわけです
ただ、作者のちばあきおは30年くらい前に亡くなっているので、
プレイボール2は代役としてコージィ城倉が描いているみたいですね
コージィ城倉といえば、「おれはキャプテン」とか「砂漠の野球部」とかの野球漫画も描いてますから
その手腕を評価されてお呼びがかかったとかの流れでしょうかね?
ともかくそんなプレイボール2を読んでみた結果、作者が別人とは思えないほどしっかりした内容になっていたので
ファンとしては嬉しくなって「こりゃぜひとも感想書きたいな!」と今回こうして書き始めた次第であります
ただまあ、プレイボールのことをまったく知らない人もいるだろうし、本編に入る前に主要人物の紹介でもしておきましょうかね
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谷口(3年生) |
プレイボールの主人公で、墨谷高校野球部のキャプテンを務める。エースピッチャーで4番バッターでもあり、まさにチームの中心人物。
物語の一番最初では、てんで実力がなく気弱で優柔不断なダメ選手だったが、ひたむきな努力を繰り返すことで
メキメキと実力を伸ばし、今では強豪校とも渡り合えるほどの選手となった。
ピッチャーとしての武器はコントロールで、ストライクゾーンの端ギリギリをかすめるような厳しいコースに投げ分けることができる。
事前に相手バッターのことを詳しく調べて、コントロールを武器に苦手なコースを攻めていくのが基本戦術。
バッターとしても、小柄な体に似合わず強烈なパワーがあり、打率と長打力を兼ね備えている頼れる打者となっている。
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倉橋(3年生) |
墨谷のキャッチャーで谷口の相棒をつとめるキャラ。谷口と対等に話し合いながら、共にチームを引っ張る場面が多い。
それだけの実力も備えており、特に打撃力は谷口にもひけを取らないほどの力を持っている。
打順では3番バッターを任されており、3番倉橋、4番谷口の存在が相手チームを脅かすことも多い。
ただし、ズケズケと言いたいことをハッキリ言いすぎる性格であり、そのせいでよく人を怒らせてしまうことがある。
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丸井(2年生) |
墨谷のセカンドを守っている谷口の後輩。この世の誰よりも谷口のことを尊敬している。
谷口とは中学時代からの付き合いであり、谷口を追いかけて同じ高校に入ろうとしたが
無念にも受験に落ちてしまったという苦い過去を持つ。しかし、他の高校に1年通ってから
編入試験を受けてまで谷口の高校に入ってきたというぐらい、とにかく谷口のことが大好き。
性格はかなりのお調子者で、先輩に対しては礼儀正しいが後輩に対しては態度がでかい。
選手としてもムラッ気があり、活躍したり失敗したりと危なっかしいところがある。
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島田(2年生) |
墨谷の外野を守っている谷口の後輩。丸井と同様に中学・高校と谷口に鍛えられたことで、かなりの実力を身に着けている。
ただし人物としての特徴は丸井とは逆で、安定して活躍することが多く、性格にクセのない素直な後輩といった感じで、
受験にも失敗せずに墨谷高校に入学している。
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松川(2年生) |
墨谷の2番手ピッチャーを務める後輩。入学した当初は、高いポテンシャルを持っていて活躍を大いに期待されていたが
話が進むごとになんだかパッとしない奴になっていき、前作終盤ではすっかり谷口の劣化版のような存在になってしまった。
ピッチャーとしては勢いのある速球を武器にしているが、あまり通用せずに打ち込まれることが多い。
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イガラシ(1年生) |
墨谷に新しく入ってきたばかりの後輩。中学時代から谷口と付き合いがあり、2歳下とは思えないほどに
とてつもない野球の実力を持っている。ピッチャー、セカンド、サードなど多彩なポジションを器用にこなすことができ、
バッターとしても驚異的なパワーと打率を誇っている。ただし性格的に生意気なところがあり、
上級生とトラブルを起こすことがよくある。
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井口(1年生) |
墨谷に新しく入ってきたばかりの後輩。中学時代は敵として谷口やイガラシを大いに苦しめた。
ポジションはピッチャーで凄まじい威力の豪速球を投げることができ、
さらに変化球のキレもズバ抜けていて「直角に曲がる」と騒がれるほど。
ただし性格に難がありジャイアンのような奴なため、入学して早々トラブルばかり起こしている問題児。
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田所(OB) |
以前墨谷高校に通っていたOB。今は卒業して実家の電気屋で働いている。
卒業した今も試合のたびに応援しに来たり、中学生の有望なプレイヤーに声をかけて墨谷への入学をすすめたりしている。
とまあ人物紹介はこんなところですね。これぐらいのメンバーを認識してさえいれば、2から読み始めても問題ないと思います
それではいよいよ本編の方に入っていくとしましょうか
カリカリ
カリカリ
「タカオったら、今日はやけに熱心に勉強してるねぇ」
(うーん…ピッチャーはどうする…?オレと松川だけで回せるのか?
オレたち2人だけで、東東京予選を勝ち抜けるのか…?)
これが冒頭のシーンですが、谷口が机に向かってカリカリとノートを書いている場面で始まっていますね
母ちゃんはそれを見て勉強してるもんだと思い込んでいますが、
実際は野球部のメンバーをどう使っていくかで、うんうんと頭を悩ませているところでした
「松川とオレだけでピッチャーは大丈夫なのか?」というのが谷口の不安のようですが、確かに言われてみれば
松川はハッキリ言って強豪校に通用するとは思えないピッチャーなので
そういう相手には現状だと谷口が1人で投げるしかないような状態ですからね
実際、1年前の大会でも松川と谷口の2人でピッチャーを回しながら戦ったわけですが
勝ち進むたびに松川は通用しなくなっていき、最終的に谷口ひとりだけで連投してボロボロになってましたからね
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←1人だけで投げて疲れきっていく谷口 |
(やはりイガラシを使うべきか…中学で全国制覇に導いたヤツを使いたいのはやまやまだが…
今の墨谷の守備力・攻撃力の甘さを埋めるには、やはりイガラシは野手として育てたい)
そんな中、イガラシを投手として育てようかと悩む谷口ですが、イガラシの力は野手の穴を埋めるために使いたいと
考え直していますね。確かに今の時期は、野手を守っていた上級生が4人も卒業してチームから抜けてしまった直後なので
その穴を埋めるために優秀な野手が欲しいというのは、確かに分かる話ですよね
それとこういうイガラシの使い方については、前作でも同じことを谷口は言っていたんですよ
そう、丸井にイガラシの起用法を聞かれて、「投手としてより野手として使いたい」って答えてたっていうね
だからさっきのセリフは多分、前作にもこういうシーンがあったよねって意味で
谷口に言わせてるんだと思います。前作をちゃんと読んでる人は「そうそう、谷口こんなこと言ってたわ」って
懐かしい気持ちになったんじゃないでしょうか
「ちわッス田所電気でーす!新品の洗濯機お届けに参りましたー!」
「おっ、来た来た!」
ってそんな中、洗濯機を届けるために田所が谷口の家にやってきました
どうやら新しく洗濯機を買い替えたようですね。ははあなるほど…こういった洗濯機のエピソードも前作から存在してましたよね
というのも、前作でたまたま谷口の家に来ていた田所が、「洗濯機の調子が悪いから見て欲しい」と頼まれて
実際に見てみた結果、完全にぶっ壊れてて修理もできない状態になってたから、
これを期に買い替えたらどうかってことを話してたんで…その話もちゃんと今回拾ってきたってことなんだなあ
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←前作でぶっ壊れていた洗濯機 |
「どうでぇ、新入部員の感じは?おれがスカウトした井口は使いモンになりそうか?」
「井口ですか…井口は中学の時、墨谷二中を苦しめたライバルでしたが…
でも今はまだ荒いし、硬球に慣れてませんね」
「そうか…でもまだ夏の大会まで3ヶ月ある。奴を鍛えてみちゃどうでえ?」
「ええ…」
そんな洗濯機を無事設置した田所は、谷口のところにやってきて井口について話し始めました
井口はもともと田所に声をかけられて墨谷に入ってきたので、田所としてはちゃんと役に立ってるか気になってるようですね
ただ、谷口としては井口のことをさほど評価してないようで、「鍛えてみたらどうだ?」と聞かれても
完全には納得してなくて生返事を返すだけって感じですね…
《弱気なサインに首を振り♪得意の魔球を投げ込むだけよ♪》
「おっ、ピンクレディーだ。UFOも良かったけど、この新曲もまたいいんだよなあ」
《私ピンクのサウスポー♪私ピンクのサウスポー♪》
「…サウスポー…」
「ん?」
「田所さん、やはりサウスポーは必要ですよね…サウスポーは1人いた方がいいですよね」
とその時、たまたま父ちゃんが見ていたテレビから、ピンクレディーの「サウスポー」が聞こえてきたわけですが…
その曲を聞くうちに、「墨谷にもサウスポーが必要なんじゃないか」という気持ちになってきた谷口。
どういうことかっていうと、井口がサウスポーだからその重要性に気付いたって感じですね
さっきは井口を育てることにあまり乗り気じゃなかったけど、ピンクレディーのこの曲で気持ちが変わってきたみたいです
それにしても、ピンクレディーを出すところがまた、前作を知ってる身からすると「なるほどなあ」って感じですよね
というのも、中学生の近藤たちがバスの中でピンクレディーのUFOを熱唱するシーンがありましたからね
さっき父ちゃんが「UFOも良かったけど」って言ってたのも、過去作のこういう部分と繋げてるんだろうなあ
「うーん、オレは反対だな。井口までピッチャーの頭数に入れるのは…」
「でも一試合の中で”左”をはさめば、相手の目先を変えられるぞ」
「気持ちは分かるが、今の井口じゃ荒すぎて使うのが恐い」
って、ともかく井口を使う気になった谷口ですが、後日それを倉橋に相談してみたところ
倉橋からはキッパリと反対を食らってしまいます。「荒すぎて使うのが恐い」って、さっきの谷口とまったく同じこと言ってますね
お前ら似たもの同士だな…それだけ今の井口は荒削りで、使い物になるまで時間がかかるってことなのか
「しかし予選を勝ち抜くためには、”3枚目”のピッチャーが必要だ」
「それならイガラシを鍛えるべきだと思うが」
「じゃあ井口を”4枚目”にするのはどうだ?」
「ダメだな、練習試合の数は限られてる。谷口・松川・イガラシの3人でどんどん回していくべきだと思うがな」
むう、どうにか倉橋を説得しようとする谷口でしたが、「井口なんかよりイガラシ使えばいいじゃん」と
あっさり倉橋に話を蹴られてしまいます。それに倉橋としては投手は3人が理想のようで、
それを4人にしたら無駄に多くなって1人1人の経験が浅くなると思ってるようです。うーんなかなか話がまとまりませんね
いっそのこと松川を外して谷口・イガラシ・井口の3人にしたらいいんじゃなかろうか(えー
正直言って松川がこの先活躍できるとは思えんからな…松川はとにかく前作での体たらくがダメすぎたんですよ
こんな感じで、打席に立てば空振りするわ守備をすればズッコケるわ、
あげくの果てには「球から目が離れてる」と言われてイガラシに交代させられるという有り様でしたからね…
そんな風に、すでにイガラシより弱いようなキャラだったので、いずれ井口にも抜かれるだろうし
谷口・イガラシ・井口の3人でやっていけばいいんじゃないかと思っちゃいますね
「おい井口、ちょっとブルペンへ来い」
「え?はい」
「おーいイガラシも来い!」
「あ、はい」
「2人のどっちかを第3のピッチャーとして回していくことにした。これからちょっとテストをする」
って、その後谷口たちが考えた案としては、井口かイガラシのどちらかをピッチャーとして使うことにして、
その判断はテストで決めるってことのようです。ふーむ、ピッチャーになるのは片方だけなのか
それにしてもこの場面、最後のコマで谷口と倉橋が赤面してるのがなんかホモっぽいんだが!(えー
この場面だけ切り取ってみるとプレイボールのホモ同人誌に見えないですか!?(えー
なんやねんこの赤面シーンは!一体どういうテストをするつもりなんじゃい!そんなに恥ずかしいテストなんだろうか…
まあコージィ城倉の漫画って、さほど意味はないけど赤面するシーンが結構あるから、この場面もそうなのかもしれませんが…
てなわけで、第1話についてはここで終わりです。読んでいて思ったのは、
ところどころで前作のエピソードが出てくるのが、前作ファンとしてはやっぱり嬉しかったですね
「プレイボール2」の名に恥じないくらい前作の話をちゃんと引き継いでいて、
作者が変わったとは思えないくらいしっかりした内容になってると思います
あとコージィ城倉が絵柄をちばあきおに合わせようと頑張ってるのが伝わってきて、それも嬉しかったですね
特に回想シーンの松川やイガラシの絵柄はちばあきおにそっくりで、うまく模写してくれてるなあと思ったもんです
そんなわけで今後の話にも期待したいですねー、ちなみに次回の話では
イチローとキャプテンを絡めた特集をやるみたいですよ
ふむ、イチローが「小さい頃からキャプテンが好きだった」っていうのは結構有名な話ですから、
そういう縁で特集の話が決まったんだろうか?確かイチローは特にイガラシが好きなんだったかな…
ともかくそういう特集もやっていくみたいなので、漫画以外の部分も楽しみがありそうです。次回に続く
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