ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第27話



さてらーめん再遊記第27話の感想ですが、今回はいよいよ芹沢サンと宇崎さんの対決が始まる内容となっていますが
その前に自分たちの対決をプロレスラーにたとえるとどうなるかということを話していた芹沢サン達。
そこで名前が出てきたのはラッシャー木村、ジプシージョー、マイティ井上、キューバンアサシン、プラックロッキードとのことですが
なに言ってんだか1人も名前がわかんねぇ!(えー

これっていつの時代の話をしてるんだろうと思ったら、どうやら1970年代あたりのプロレスラーのことみたいですね
ウマ娘でいうとマルゼンスキーぐらいの時期か…(えー
俺もまだ生まれてないからその当時の話題はよくわからんな…そう考えると芹沢サン達って俺よりかなり年上なんだな

さてともかく、そんな風にプロレスの話題で盛り上がりながらも、いよいよ2人の対決が始まることになりますが
今回の対決は自販機ラーメンでの対決ということで、作れるラーメンがどうしても限られるわけですが
それを見越して2人ともとある工夫をしてきたようです。その工夫とは何かというと

まずベースとなるラーメンを作り、後から自由自在に味を変化させるというもののようです
芹沢サンが作ったのはあっさり醤油ラーメンであり、それを追いスープによって味噌、豚骨、辛口、エビの4種に変化できるようにして
宇崎さんが作ったのは豚旨まぜそばであり、それをトッピングによってアメリカン、和風、スナック、激辛の4種に変化できるようにしてあるという…

奇しくも2人ともよく似た発想での勝負となりましたが、事前に2人で打ち合わせたとかではないようで
それがこうも似た形になるってことは2人の実力がそれだけ拮抗してるってことなんでしょうかね
正直、宇崎さんは引退したロートルってイメージが強かったですが、まだまだこれだけやれるくらい実力は高いってことか

とりあえず2人のラーメンの中で、俺が一番食べてみたいのは何かっていうと
芹沢サンのあっさり醤油ラーメンかなあ
前にも言ったことがあるけど、俺はやっぱりこういう王道を行く安心感のあるメニューが一番好きだな

それに「あっさり醤油ラーメン」って、最近のラーメン屋とかではあんまりやってなくて
意外とレアなメニューになってきてないですか!?
いやマジで、最近のラーメン屋っていうといわゆる家系ラーメンに染まってることが多くて
こってりした豚骨がベースになってるようなラーメンを出してる店が大半を占めてると思うんですよね

まあそう思うのって、俺が神奈川に住んでるせいなのかもしれないけど。
ともかく俺の住んでる周辺は横浜家系ラーメンの店がメチャメチャ多くて、
もうラーメン屋の8割以上が家系なんじゃないかってくらい、そればっかになっちゃってるんですよ

そんな中、俺としてはあっさりした味のラーメンの方が好きだから、
濃厚な豚骨の味がウリの家系ばっかになるのは正直勘弁してほしいっていうかね
別に家系を毛嫌いしてるわけじゃないんだけど、いくらなんでも店が多すぎるんで…もっと別なラーメン屋にも行きてえんだよ!

「すいません、ちょっと補充させてください!」

「すぐに終わりますので!」

「あら〜カリスマさん達じゃないの!職人対決とか言って2人仲良くお仕事ですか?」

「いや〜このイベント人使いが荒くて」

「カリスマなんだからもっと尊重してほしいですよ、ハハハ」



って、そんなラーメン対決が繰り広げられる中、芹沢サンと宇崎さんはなんとも和やかな様子で
オバチャン達に囲まれて冗談を飛ばしながら作業をしていました。
対決とは言ってもバチバチした雰囲気じゃなくて、明るいイベントみたいな空気になってますね。

そしてそんな2人の様子を見ながら、実に嬉しそうに穏やかな笑みを浮かべていた平田さん。
平田さんが知っている昔の2人は、やたら過激なことばっかり言ってたから、
それがこんな風に和やかな空気でラーメンを作るようになって、こういうのもいいなって思ってるんじゃないでしょうか

というか平田さんはもうどう見ても良い人で確定ですよね
そんな平田さんのことを「実はこいつ悪人だろ」とか言ってた奴がいるってマジ!?(えー
おいおい誰だよそいつはよぉ!見る目がないにもほどがあるだろ!
いやほんと見る目がなくてすいませんでしたとしか…(えー
いきなり人のことを悪人扱いなんてするもんじゃねえな…平田さんにはすまないことをしちゃったわ

・らーめん再遊記、自販機でのラーメン提供対決、途中平田さんが多様なラーメンが出ていることに驚いていたので、まさかどっちもガチャ方式でラーメン提供!?
 と思ったら、他の自販機も使って自由に味変できる仕組みのほうとは…まぁそうだよなと納得しつつある意味流行の方式を取らなかったのに妙ながっかり感がありました。
 わりと地味な対決で終わらすのかなと思ったら、事前にポスターも刷りまくって周知したようで、カンナちゃんはプロモーターとしての才能があるようですね。
 おっさん二人のプロレス談義には流ついていけなかったようですが、ちゃんと大学行ってイベント系のそういう道に進んでたら大成したのでは、という程度にやり手ですね。
 この漫画には珍しく、「ショートカットなのに性格がクソ女じゃない子」なので、宇崎さんとは逆に今回のラーメン対決を通して
 新しい道に進む方向も示唆した終わり方になったらいいなと思います。 by とーます

それと今回もとーますさんからコメントがきてましたが、とーますさんは2人の作ったラーメンを最初見た時に
まさかガチャ方式のラーメンなのかと思ったみたいですね
ガチャ方式のラーメンって発想が面白いですねそれ、まさかのスマホゲーから着想を得たってことですか
ただガチャ方式のラーメン店って実際にあったら嫌すぎじゃないですか!?(えー

いやマジで、スマホゲーのガチャを回すことについて、「課金をするのは食事と同じだ」っていう有名な言葉がありますが
俺がそれ聞いて思ったのが、食事する時にガチャ回して自分でメニュー選べなかったら嫌すぎる
ってことだったんですよね。いやマジで、高い金を払ってるのに自分の望むものが出てこないって、こんな理不尽おかしいよ…
スマホゲーは結構好きだけど、ガチャって文化だけはほんとおかしいと思うわ…金払ったら普通にもらえるようにしろや!次回に続く!
 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第28話



さてらーめん再遊記第28話の感想ですが、今回の話は
芹沢サンと宇崎さんの自販機ラーメン対決が始まった結果、予想していた以上の客が押し寄せてしまい
芹沢サンも宇崎さんもヒーヒー言いながら具材の準備をするっていう内容になってますね
2人並んで必死に作業するこの姿を見ると、対戦相手というよりは戦友って感じでなんか微笑ましいもんがあるな

「話が違うじゃないですか宇崎さん、私が行った国際プロレスの試合よりずっと人が来てますよ」

「これはつまり、国際の残党で結成したパイオニア戦志の旗揚げ戦かもな。
 スターレスラーはいなかったのに意外と後楽園ホールが満員になったという」

「ありましたねぇパイオニア戦志!私も行きましたよ!」

「おお!お前もあの会場にいたのか!」

「珍妙な大会でしたね〜!観客参加の腕相撲大会なんかやったりして」

「だからわけのわかんない話で盛り上がるのやめてくださいよ!」

ってそんな作業の最中、ふとした拍子にプロレスの話題になって今日もまた盛り上がってしまう2人!
カンナちゃんも言ってますがプロレスの話題とかマジわかんねーから!せめて競馬にしてくれ競馬に!(えー
これって競馬でいうといつの話なんだろうと思って調べてみたら、さっき言われてた旗揚げ戦っていうのが1989年のことらしいから
競馬界では武豊がデビュー3年目で、スーパークリーク・オグリキャップ・イナリワンあたりが有名だった時代みたいですね
武豊ってこの時期からもうすでに現役だったのか…それとスーパークリークたち3頭は平成三強って呼ばれ方で有名ですよね
なるほど平成三強、つまり1989年は平成元年ってことか。そう考えると
仮面ライダーBLACK RXとかが放送してた時期なんやな(えー
なんか話題が競馬やら仮面ライダーやら二転三転してすまない…でも平成元年って聞くと俺にとっては仮面ライダーBLACK RXの年なんや!

「仕事はまたまだ終わらんな、過労死しちまうぜ」

「まったくですね、もうクタクタですよ」

「もっとも気分的には悪くないがな。今のところ売り上げはほぼ互角…
 正直、今の俺がお前とここまで戦えるとは思わなかったよ」

「まさに腐っても鯛ですね」

「もっと言い方ないのか…?」

「カンナさんの自販機ラーメンを見るに、師匠格である宇崎さんの腕が落ちていないことは想定内でした。
 それより意外だったのは、まぜそばをあそこまでジャンクな路線に振ってきたことです」

「昔は高級創作麺料理のラーメンを目指すとか言ってたくせにってか?」

ってそんな中、今度は芹沢サン達の作ったラーメンや売り上げの話になりますが、
芹沢サン的には宇崎さんがジャンク的な仕上がりのまぜそばを作ってきたことを意外に思っていたようですね
ちなみに宇崎さんの作ったまぜそばには、どんなものが混ぜられていたか確認してみると

ケチャップだったりマヨネーズだったりポテチだったり激辛ペーストだったり
確かに身近でジャンクなものによって作られたまぜそばって感じがしますね
宇崎さんといえば、以前は高級料理としてのラーメンを目指していた人なだけに、
これだけ庶民的なものを作るようになったっていうのは確かに意外な気がしますが…

「俺はラーメンから足を洗う人間だからな。
 もうラーメンで立身出世しようとか自己実現しようとか微塵も思っていない。
 ラーメンを作る機会があったら、ただそこにいる客が喜ぶものを作るだけだ」

「しかし、色々と試作しているうちに体に染み付いた職人エゴみたいなものが
 顔を出したりしなかったんですか?」

「まったくなかったな…自分でも驚くほどなかった。
 もう俺のラーメンの中に、俺はいないんだよ」



ってああ、自らの作ったラーメンについて語っているうちになんとも寂しいことを言い出した宇崎さん!
もう俺のラーメンの中に俺はいない…つまり、いくら美味しいラーメンを作ってもそこには自分の情熱はもう残っていないということなのか…
それを聞いた芹沢サンもすごい反応してますね、どうやら予想以上に宇崎さんはラーメンへの未練を持っていなかったようで…
俺としても正直、この話を読むまでは宇崎さんの中にまだラーメンへの情熱が眠っていて、今回の対決でそれが復活するって流れになるのかと思ってましたが
まさか本当に綺麗さっぱりラーメンへの情熱を失っていたとは…
これは予想外だったな…この対決が終わった後は一体どういう結末になるんだろうか

・ラーメン再遊記、俺のラーメンの中に俺はいない、というセリフが印象的でしたね。以前発見伝のほうでサラリーマンの藤本クンに対して芹沢さんが、
 オマエには本当に作りたいラーメンがない、と言っていたのを思い出します。どちらも「自分がないラーメン」ではあるのですが、
 とにかくラーメン屋をやっていきたいという藤本クンがラーメンの方向性を定めていなかったのとは本質がまったく逆のお話だなと。
 宇崎さんはどんな方向性でもやれるけれども、もうラーメン屋をやるつもりはないわけで、そういう対比エピソードを持ってきたことに
 ラー発シリーズの完結編としてなるほどと思わせるエピソードでした。いや、これで終わるかどうかは知らないですけれども(笑
 でも再遊記終わる前に一回くらい藤本クンが再登場しないかな、と期待してます。 by とーます

そんな中でとーますさんからの拍手コメントが届いており、今回の宇崎さんのセリフを聞いて
ラーメン発見伝で「本当に作りたいラーメンがない」と言われた藤本クンを思い出す
っていう話が興味深いですね。確かに宇崎さんと藤本クンは対比すると面白いキャラだなと思います



こうして画像を貼ってみると、さっきの場面とちょっと演出も似てますよね
再遊記では「俺のラーメンの中に俺はいないんだよ」「!!」
発見伝では「お前には作りたいラーメンがないんだよ」「!!」
っていう風に、話していることとリアクションに共通点を感じるので、もしかして本当に対比してるんじゃ?って気持ちになりますね

そんなわけで宇崎さんと藤本クンの2人を見比べてみると、両者ともに
芹沢サンと対決できるだけの腕を持ちながら、作りたいラーメンがないという共通点があるキャラとなってますよね
それだけ似ている2人なわけですが、しかし「作りたいラーメンがない」という部分を掘り下げていくと大きな違いがあり
藤本クンはプロの道に進んだことのない新米だったために、作りたいラーメンを見つけられずにいたのに対して
宇崎さんはプロの道に進んだことで大きな挫折を経験し、作りたいラーメンを失ってしまったという
そんな違いがありますよね。作りたいラーメンを「まだ見つけていない」のが藤本クンで、「すでに失ってしまった」のが宇崎さんっていう感じがします
それに対して芹沢サンは一体なんと声をかけるのか…今回はまだ何も言えずにいたようですが、次回ではどうするのか気になりますね。次回に続く!
  


・ラーメン再遊記、「俺のラーメンの中に俺はいないんだよ」の発言に対する芹沢さんのリアクションですが、
 芹沢さんは「自分を捨ててみようと思ってな」「自分の作品ではなく、万人の形式を作る」と以前に発言していたので、
 今の宇崎さんが自分が目指しているモノに近いと感じたのではと思いました。 by 隼人

・太志さん、こんにちは。ラーメン再遊記ですが、芹沢さんの「!!」の場面、自分は違う受け取りかたでした。
 宇崎さんはラーメン作りに対して情熱を失った訳ではなくて、「ラーメンに自分らしさ出す」というエゴに捕らわれなくなった、縛りから解放された、と受けとりました。
 ただただそこにいる客が喜ぶものを作る、という心境。そして実際、おそらくそういう心境でなければ出来なかったラーメン、そして実際きちんと客に喜んで貰えるラーメンができた。
 そして芹沢さんは宇崎さんの言葉を聞いて、「万人のためのラーメン」のヒントを得たと感じて、「!!」となったのでは、受け取りました。 by ほしねこ

・初めてメッセージを送らせていただきます。今週のらーめん再遊記の宇崎さんですが、私は情熱を失ったというより職人のこだわりを捨てて
 安くて美味しいラーメンで純粋にお客さんに喜んでほしいというある意味無我の境地に至ったのではないかと。
 第12、13話で芹沢さんが自分を捨てて万人の形式を産み出したいと語っていましたが、これこそが芹沢の求めていたものではないかと思います。 by 新参者

どうもです、らーめん再遊記に関するコメントが3つきてますが、内容的には共通してて
宇崎さんの言う「俺のラーメンの中にもう俺はいない」という言葉は
芹沢サンの目指している「自分を捨てて万人の形式を生み出す」という思想と同じなんじゃないかってことを言ってますね

ふーむ、言われてみれば確かに、自分のこだわりを捨てて新たな境地へと至るみたいなこともあるのかもしれませんね
明鏡止水とか無我の境地みたいなイメージで、芹沢サンが一皮むけるヒントになるってことでしょうか?



ただ、個人的な俺の目線でいうと、このシーンって正直ものすごく寂しい場面に見えるんだよね
俺としてはやっぱり、「宇崎さんはもう職人に復帰する気はなく、これを最後にラーメン界から去っていく」っていう
別れの意味合いが大きく感じられて、なんとも寂しい気持ちになるっていうか…

あれですよ、有名なキルミーベイベーのネタコピペで
キルミーベイベーは死んだんだ、いくら呼んでも帰っては来ないんだ
もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ
ってフレーズがあるじゃないですか
ちょうどそんな感じの気持ちっていうかね…(えー
宇崎さんはラーメン職人として帰っては来ないんだ、もうあの時間は終わってしまったんだっていう
そんな喪失感が俺の中に渦巻いてしまって、どうにも寂しく感じてしまうんですよ

俺がそれだけ喪失感を感じるのって、たぶん今までずっと個人サイトを運営してきたからってことも関係してると思います
というのも、俺が今まで何年も自分の個人サイトを運営してる間に、かつて世の中にあふれていた他の個人サイトは
もうみんな去っていってしまったわけですよ
個人サイトって今ではもう絶滅状態になってて、さっきのキルミーベイベー風に言うなら
個人サイトは死んだんだ、いくら呼んでも帰っては来ないんだ
もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ
って状態になってるわけじゃないですか(えー

それが俺には寂しくてしょうがないっていうかね
消えていったサイトの中には、俺が仲間とかライバルだと思ってたサイトもいっぱいあったんですけど
そういうのがもうみんな消えてなくなってしまって、張り合いのある競争相手が去っていく寂しさを俺はずっと感じてきたわけなんですよ

なので宇崎さんのシーンにしても、また1人ライバルだと思ってた相手が消えていくっていう風に
自分自身の寂しさと重ねて見てしまったっていうかね
去っていく相手を見送る寂しさ、ぽつんと残される側の孤独感ってものを
俺は個人サイトを通してヒシヒシと感じてるから、自分の感想にもそういう気持ちが出てきてしまったって感じですね

ただまあ、重要なのは俺がどう思ったかじゃなくて芹沢サンがどう思ったかってことだから
芹沢サン的には宇崎さんの言葉を「万人の形式」へのヒントとして受け取ったかもしれませんね
そこに関しては、次回の話で芹沢サンがどんなふうに語るのか楽しみにしようと思います
 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第29話

 

さてらーめん再遊記第29話の感想ですが、この回では自販機ラーメン対決の1日目が終わった後、
2日目へと移る内容となってますね。そんな1日目から2日目の間、宇崎さんはというと
「もうちょっと手を加えたらさらに美味いラーメンが作れそうだ」ということに気づき、
ラーメンにさらなる改良を加える気になったようです

ほほう…俺はこういう気持ちってよく分かりますよ、なぜならつい最近
ウマ娘のタウラス杯でまったく同じことを思いましたからね
あれも数日がかりで行われた大会なわけですが、実際に1日目のレースが終わったところで
「もうちょっと手を加えたらさらに強いチームが作れそうだ」ということに気づいて
大会の最中にも改良を加え続けて、最終的に優勝できるだけのチームを作り上げたってことがありましたからね

やっぱりこういうのって、実際に大会で戦ってみて初めて気づくこともあるし、
そういう気づいたことを常に試し続ける気持ちって大事だと思うんだよな
それが決め手になって大会を勝ち抜くことだってあると思うしな…

「宇崎さんが軍備増強するとなったら、こちらものん気に寝てるわけにはいきませんね。
 実は私もまだスープに改良の余地があると思ってたんですよ」

そんな中、芹沢サンも宇崎さんに触発されたように「なら俺のラーメンだって改良してやんよ」
こちらも居残ってラーメンの改良に励むことに!ほほう…こういうの見てて思うんですが
やっぱりライバルの存在って重要ですよね
宇崎さんがラーメンをもっと美味くしようとしているからこそ、芹沢サンも「俺だって負けてらんねえ」とやる気に火がついたと言うか
もし宇崎さんがいなかったら、芹沢サンは今こうしてスープの改良に手をつけようとは思わなかったんじゃないでしょうか
俺にはそういうのよく分かりますよ、なにしろライバルだった個人サイトがもうみんな消えちまったからな…(えー
ライバルが消えた後になって思うのは、張り合いのある相手がいなくなってやる気を出すきっかけを失ったというか
「あいつに負けたくない」って気持ちが大きな原動力だっただけに、今は自分の中からやる気を絞り出すのがすごく大変になった気がしますね

《さあ2日間にわたって開催されてきたカリスマ職人対決も、ついに決着の時がやってまいりました!
 お客様がたからの投票の結果を発表します!612票対596票で…勝者、芹沢達也っ!!》



そんな2人のラーメン対決もとうとう決着の時を迎え、投票によって勝者となったのは芹沢サン!
しかし票数を見てみると本当にギリギリの対決となりましたね
ほぼ引き分けと言っていいぐらいの僅差となり、宇崎さんも大健闘したというか…
なにげに僅差といえば今週の日本ダービーもすごかったよなー(えー
シャフリヤールとエフフォーリアがめちゃめちゃ僅差でゴールインしてさ…まるで2頭重なるような決着だったからマジで興奮しちゃったよ



「最後に一矢報いたかったが…そう上手くはいかないな」

「いやいや…20年もブランクのある宇崎さんにわずか16票差じゃ、勝った気しませんよ」

「宇崎ちゃんもよくやったぞーっ!!」

「まぜそばサイコーッ!!」

「僕もまぜそば好きーっ!!」

「すっごく美味しかったですーっ!!」

ってそんな中、敗北した宇崎さんに対しても、大勢の観客から惜しみない賛辞の声が!
さすがに互角の票数だっただけあって、宇崎さんのラーメンのファンになったという観客も大勢いたようです
これだけの賛辞に包まれたとなれば、もはやこの対決に敗者などいなかったってところじゃないでしょうか
そんなわけで、芹沢サンと宇崎さんの対決は大歓声の中で幕を閉じたわけですが…

「宇崎さん、どうしました?」

「考えてみれば…俺たち以上に頑張ってくれたのはこいつらだったな」



「まあ、2台とも二日間フル稼働してたわけですからね…」

そして自販機ラーメン対決が終わった後、帰り支度を始めた一同でしたが
そんな中で宇崎さんは、対決の間ずっとフル稼働してくれていた自販機について
「俺たち以上によくがんばってくれていた」と感慨深い気持ちになっていました

「このタイプの自販機を作ってるメーカーはもう存在しない。
 すでに生産終了し、今ではメンテナンスサービスも修理部品もないんだ。
 つまりこいつら麺類自販機は、遠からずこの世から消えてしまう運命にある…」

それだけ頑張ってくれた自販機ですが、相当に古い機種ということで
もうメーカーによる生産もメンテも行うことができず、いずれ役目を終えて消えていく運命にあるという…
ふむ…要するに宇崎さんは、この自販機と自分とを重ねているってことでしょうかね
お互いに「ラーメンを作る」という役目を終え、老いぼれとして消えていく仲だと…

「なるほど…確かにその通りなんでしょうが…
 こいつは誰かさんと違って、最後の1台がなくなるその日まで
 1杯25秒のラーメンを作り続けるでしょうね」



おっとぉーーー!?
しかしここで芹沢サンから思わぬ一言が!年老いて消えていくのは同じであっても、
「こいつはあんたと違ってラーメンを作ることを途中でやめたりしない」
と宇崎さんの引退を痛烈に批判することに!こ、これは…やっぱり芹沢サン的には宇崎さんに辞めてほしくないんやな!?
これからもラーメンを作り続けろって言いたいんやな!?まあ今回これだけ大勢の観客の心を動かすほどのラーメンを作って
芹沢サンと互角の勝負を演じたわけですしね…それで引退するだなんて、芹沢サンとしては黙っちゃいられないってことでしょう

・芹沢サンが伝家の宝刀、煽り激励したとこでヒキの今週のラーメン再遊記でしたが、宇崎さんが再起するかはやや微妙なラインでしょうか。
 宇崎さんも別にラーメンに代わる何かに熱中しているわけでもなく、最終日のラーメンに改良を加えるなど再起フラグは立てていますね。
 気になるのは、芹沢サンがカンナちゃんのおばあちゃんに死亡フラグ云々言っていたコマを挟んだように、作劇上「分かりやすすぎるフラグ」という気が凄くするので、
 平田さんのところでたまにラーメン作るようになるくらいの復帰具合はあるかもしれませんが、完全再起はしない気はします。
 そもそも大学での臨時講師をしに来ている、半引退状態の芹沢さんが今回のような煽りをしたのはやや不自然な感じもしますしね。
 前2作なら安易に立ち直る方向で描いていたでしょうけど、ここは宇崎さんを無理に立ち直らせる方向より、
 惜しまれてもなお「ラーメンはもうやらない」と決意を固めた男の哀愁という方向でドラマを見せて欲しいかな、と感じました。 by とーます

そして宇崎さんが復帰するかどうかについて、とーますさんからコメントが来てますが
とーますさん的には宇崎さんの完全復帰はないと思ってるようですね
ただ俺としてはやっぱり宇崎さんには復帰して欲しいなあ

これまでも個人サイトを絡めて語ってきたわけですけど、やっぱライバルが消えるのって本当に寂しいんですよ
ウマ娘でいうところの誰も競争相手がいない中で1人でレースするようなもんというか
そんな状態で走ってもまるで張り合いがないっていうかね、宇崎さんは芹沢サンにとって互角に戦えるライバルだし
それがこんなところで引退するなんて黙っちゃいられないってことじゃないでしょうか

それと芹沢サンが半引退状態ってことですが、それについて俺が思ってるのは
芹沢サンは社長は引退したけどラーメン職人は引退してないと思うんですよ
もっと言うと、ラーメン職人として自由に生きるために社長という枷を取り払ったっていうかね



それについては、米倉との対決の時に「俺は好きなラーメンを好きに作りたいだけのラーメン馬鹿だ」と語っていて
立場にとらわれず好きにラーメンを作る道を行くために、芹沢サンは社長を辞めて自由にラーメン道を追求する生き方を選んだんだと思うんですよ
そういう意味じゃ、芹沢サンはどこまでもラーメンと共に生きていくというキャラで、
宇崎さんがラーメンと共に生きるのをやめようとしているのとは正反対だと思うんですよね

だから芹沢サンは今回、宇崎さんに対して「お前ラーメン作りを途中でやめんのかよ」みたいに強い口調で言ったんだと思います
俺が思うに、芹沢サンが言いたいことって「俺たちゃ死ぬまでラーメン職人なんじゃねーのかよ!!」ってことなんじゃないのかな
というか俺としても、これと同じことを消えていった個人サイトの管理人たちに言いたいしね…すでにみんな消えていっちまったけどよぉ…
俺たちゃ死ぬまで個人サイト管理人なんじゃねーのかよ!!途中で消えるなんてことは俺が許さねー!次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第30話

さてそれではらーめん再遊記第30話の感想ですが、前回ラストで宇崎さんに対して
いきなり挑発的な言葉を浴びせ始めた芹沢サンでしたが、今回はその真意が明かされる内容となってますね
芹沢サンいわく、宇崎さんの心境はラーメン対決を繰り広げた2日間でどんどん変化していったとのことで
対決の前は「ラーメン屋としてもうやり残したことはない」という心境だったのが、
対決の中でラーメンを作り続けるうちに「もっとうまいラーメンを作りたい」という気持ちが溢れ出すようになり、
今ではもうずいぶんその気持ちが大きくなってるはずだと…それが芹沢さんの言う「前のめりに変化した気持ち」ってことのようです

確かに言われてみれば、宇崎さんは対決の最中に「醤油ダレに手を加えればもっとうまいラーメンが作れそうだ」と言い出して
わざわざ徹夜作業でラーメンの改善を行ったぐらいですからね
そんな風に徹夜してまでラーメンを工夫したいと思うだなんて、よっぽどの熱意がないとやらないだろうと思います
俺も今の歳になると徹夜なんか全然やらないですしね。最近で唯一やったのはウマ娘を初日プレイしてハマッた時ぐらいのもんですよ(えー

「…ああ、お前との対決のおかげで20年ぶりにラーメン屋の血が騒ぎだした…!
 もう一度という思いが俺の中に湧き上がってきている!
 しかし…同時にそれ以上の不安と恐怖が襲ってくる…
 以前の失敗を繰り返したらと思うと、このまま引退でいいんじゃないかと…」

そんな芹沢サンの指摘はズバリその通りだったようで、確かに宇崎さんの中でラーメンへの熱意が蘇ってきているようです
しかし、それと同時に以前の店を失ってしまったトラウマにも襲われているようで、それを考えると不安が消えないと…
まあ確かに、宇崎さんって人生を踏み外すレベルでの失敗をしてますからね
それをやり直すためには、強い気持ちで自分を支えないとできないんじゃないでしょうか

「あの…私が軽々しいことを言っちゃいけない気もするんですけど…」

「…いいよ、言ってくれよカンナちゃん」

「えっと…芹沢さんはラーメンの世界ではすごい人じゃないですか、
 そんな芹沢さんと互角に戦ったんだから、宇崎さんだってすごい実力の持ち主だと思うんですよ。
 つまり…宇崎さんにはやりたいことがあって、それをやるための実力があって、あとは気持ち次第…
 だったらやりましょうよ!やらなきゃもったいないです!」

ってそんな中、宇崎さんの背中を押すように励ましの言葉をかけるカンナちゃん!
まず「芹沢さんと互角に戦ったのがすごい」と言ってますが、これって確かにメチャメチャ凄いことなんですよね
なにしろ芹沢サンって、日本一のラーメン屋と呼ばれることもあるぐらい実績のある人で
これまでのシリーズでも主人公だった藤本クンに勝ちまくったり、今のシリーズでも米倉や加納さんみたいな才能ある若手に勝ちまくったり
とにかくラーメン対決にはめっぽう強くて、ほとんどの相手には負けないぐらいの強キャラですからね

その芹沢サンと互角の勝負を繰り広げたっていうのはやっぱり凄いなと。
それともうひとつ、「やりたいことがやれるなら、やらなきゃもったいないです!」とカンナちゃんが言っていることについて、
これはカンナちゃん自身が、家庭の事情によってやりたいことができなかったっていう人生を送ってるからこそ言っているみたいですね

カンナちゃんは体の悪いお祖母ちゃんの世話をするために、行きたかった大学へ行かずに今の田舎で暮らしているわけで
その気持ちとしては、「お祖母ちゃんのことは大事だけど、大学に行けるものなら行きたかった」ってあきらめきれないところがあると思うんですよ
そんな中、宇崎さんは自分の気持ちひとつでやりたいことがやれるわけなんだから
だったらやらなきゃもったいないって力強く言ってるんでしょうね

「またカンナちゃんに俺の甘さを思い知らされてしまったな…
 確かにグジグジ言ってらんないな!やるよ!!俺はもう一度ラーメン屋をやる!!」



そんなカンナちゃんの説得により、ついにもう一度ラーメン屋として再起することを決意する宇崎さん!
おお、よかったよかった…俺としてもこのままやめるのはもったいないと思いますしね
カンナちゃんは「やりたいことをやらないのはもったいない」と言ってましたが、
俺は「せっかく続けてきたことをやめるのはもったいない」って気持ちなんですよ

俺は普段からこういう気持ちがけっこう強くて、たとえば今まで個人サイトを10年以上続けてきたこともそうだし
ゲームやっててもモンストみたいに古参のソシャゲを今でも続けてるし
ウマ娘やってても「そろそろ飽きた」とか言う人がいる中で今でもガチで続けてるしね

なんでそんなに続けるのかと言ったらやめるのがもったいないからなんですよ
せっかく今まで続けてきたことをやめるのってもったいなくない?
思い入れがあるものをやめたり捨てたりするのってむしろつらくて無理なんだよな…
終活って言葉を聞くと妙に寂しくなるのも多分それが理由だわ

さてともかく、今後ラーメン屋として復帰することを誓った宇崎さんですが
しかし今は店も土地も持っていない身なので、まずはそれをどうするか…と悩むことになってしまいます
そんな中、いきなり宇崎さんが働いているホームセンターの社長から呼び出されることになり…

「この際、我が社はラーメン店経営に乗り出そうと思う!!」



な、なんだってー!?いきなり何を言い出すんだこのオッサン!?
ただのホームセンターの社長なのになんでラーメン店経営やりたいとか言ってんの!?
ま、まあよくよく考えてみたら、例のラーメン自販機を所有してるのってこの社長なわけだしな…
あの物好きな自販機を今でも大事に使ってることからして、実はかなりのラーメン好きなんでしょうか

「店主は宇崎さん!運営マネージャーは大橋くん!(大橋くん=カンナちゃん)
 そしてラーメン界のカリスマである芹沢さんと、
 地元の人気店主・平田さんには特別アドバイザーをお願いしたいっ!!」

さらにマネージャーやらアドバイザーやら、店主以外の役職も全部すでに決めていた社長!
ちょ、ちょっと待ってくださいよ!こっちは今はじめてその話を聞かされるっていうのに
「あれもこれもすでに決めてある!」とかいきなりそんなこと言われても!
そんな社長の勢い任せな話を聞かされた芹沢サンたちの反応は…



め、めっちゃ反応うっすーー!!
なにこれ反応うっすーー!!芹沢サンのいっさい心動いてないような無表情っぷりとかやばいだろこれ!
「なに1人で盛り上がってんだこのオッサン」って感じで手伝う気ゼロじゃないですか!?
平田さんにしても、社長の勝手な言い分にはぶっちゃけ引き気味ですね…大丈夫かよこんなんで

「飲食店は立地が何より重要ですが、その辺は考えてあるんですか?」

「今まさにそこへ向かっとるんですよ!山の中に格安で借りれる土地を見つけましてな!」

ってそんな中、「店を置く場所は考えてあるんだろうな」といちおう聞いてみる芹沢サン。
それに関しても社長はすでに自分でさっさと決めていたようで、その場所へ一同を連れて行くことになります
ちなみにその場所は山の中にある格安の土地ってことですが…お、おい待てよ、山の中にある土地ってまさか…



「な、なんとまさか…創麺庵 宇崎の跡地とは…」

やっぱり宇崎さんが前やってた店の跡地だこれー!!
おいいいいい!!よりによってそんな場所を選びやがったんかい!!
20年前にここでラーメン屋やって大失敗した呪われた場所じゃねーかよ!!(えー
そんな呪いの地でもう一度再スタートを切るというのか!?

「…20年前の悪夢が蘇るな…」

「さてさてどうしますかね宇崎さん?」

「ふん…やってやるよ。この場所でリベンジできるチャンスが舞い込んでくるとはまさに天の配剤だ!」

そんな中で宇崎さん本人の反応はといえば、この呪いの地でリベンジできるのはむしろありがたいくらいさと闘志に燃えていました
これは宇崎さんかっけえな…宇崎さんって若い時は頭のネジが飛んてるアンポンタンってイメージあったけど
歳を取ってからは熱い炎を秘めた実力者って感じでいい味出してるよな

・まさかの創麺庵宇崎跡地での再出発、予想よりも宇崎さんは前向きだったようでめでたし…となるのか、
 かつて失敗した立地での再度のラーメン屋ということで何か新たな問題が発生するのか、
 思ってたよりらーめん再遊記の連載、好評もあってか長く続きそうな気配ですね。 by とーます

ともかく次回、この土地での宇崎さんの本格復帰が描かれるわけですが
宇崎さんの復帰に関してはどんな描写になるんでしょうかね?
とーますさんは「また新たな問題が発生するのか?」って予想を立てているようですが
俺としてはすんなり行く流れで宇崎さん編は終了かなって気がします
どっちになるかは分かりませんが、とにかく以前失敗したこの土地で
今度は宇崎さんがどんな対策を立てるのかってところが一番の見どころですね。次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第31話



さてらーめん再遊記第31話の感想ですが、今回の冒頭はいきなり「2ヶ月後」となっていて
芹沢サンが有栖サンを連れて駅の改札にいるシーンとなってますね
いきなりなんのシーンや!?と思いましたが、2ヶ月後っていうのは前回宇崎さんが再起することを決意してから2ヶ月後ってことで
あれから宇崎さんはどうしているのかっていう様子を、芹沢サンと有栖サンで見に行こうとしてるってことですかね

それにしても有栖サン出てくるのってなんか久々やな!
有栖サンって旧シリーズの発見伝や才遊記では、毎度のように出てきてラーメン対決の審査員をやってた印象ですが
今シリーズではそういう出番がけっこう減った気がしますね。まあ大学教授として多忙の身だから、あんまりヒマじゃないのかもしれないけど

「お〜っ!プレハブ小屋のラーメン店とは面白いですねぇ!」

ともかく2人して宇崎さんの店へとやってきたわけですが、店自体は簡素なプレハブ小屋のラーメン店ながら、
すでに営業を開始しており、けっこうな数の客が店の前に並んでいました
ふむ、こないだのラーメン対決で宇崎さんはここの近所で名を上げたから、
そんな宇崎さんのラーメンが食えるとあって客も寄ってきてるんでしょうか?



さらに、そんな宇崎さんの店の看板を見て穏やかな笑みを浮かべる芹沢サン。
この看板ってあれですね、以前の宇崎さんの店で使っていたものが奇跡的に今も残っていたやつですが、
新しい店でもこうして使うことにしたみたいで…それにしても芹沢サンのこの微笑みときたら!
芹沢サンがこんなにも優しげな表情を浮かべるなんて相当珍しいですよ
前回で社長のオッサンの話聞いてた時のクソ無表情ヅラとは大違いだぜ!(えー

芹沢サンにとって、宇崎さんが再び店を始めたってことがそれだけ嬉しいんだろうなあ
やはり引退して業界を去っていくよりも、再びやる気を出して奮起してくれたほうがずっと張り合いがあるんじゃないでしょうか
俺が思うに、芹沢サンにとっての宇崎さんっていうのは、ウマ娘でいうところの友達以上仲間でライバルってやつなんじゃないのかなあ
プロレス談義で盛り上がれる友人であり、ラーメン屋を経営する仲間であり、腕を競い合うライバルでもあるって感じで…



ともかく宇崎さんの店に入ってみた2人ですが、まず目に入ってきたのは当店名物・豚汁ラーメンの文字であり
さらにぐつぐつと煮られる豚汁のいい香りが…ふむ、さっきの看板にも書かれてましたけど
この店は豚汁ラーメンを売りにしてるんですね

そりゃまた意外。豚汁ってうどんと組み合わされることはよくあるけど
ラーメンと組み合わされることって珍しいですよね。少なくとも俺は聞いたことなかったから
ラーメンと豚汁っていう身近なものを組み合わせる発想がなくて、「そういうのもあるのか」って驚いたなあ

ちなみに俺は豚汁めちゃめちゃ大好きです
毎日豚汁食ってても全然飽きないくらい好きで、店に豚汁のメニューがあったらとりあえず頼みたくなりますね
豚汁ってなんであんなに美味いんだろうな

「お待ちどおさまでした〜っ!豚汁ラーメンで〜す!」



そして実際に出てきた豚汁ラーメンがこれ、かなりボリュームすげえなこれ!
ラーメンの上に豚汁の具がたっぷりと乗っていて、650円でこれだけ食えるなら十分満腹になりそうだ
しかもメニューを見ると100円で具増しもできるというんだから驚きですよ、意外とかなりの山盛り系ラーメン作ったなあ宇崎さん

ズルズル

「ふむ…この豚汁ラーメン、豚骨スープで豚バラ肉、ゴボウ、レンコン、里芋、大根、ニンジン、
 玉ねぎ、こんにゃくといった食材を煮込み、味噌をといて豚汁を作り、中太麺を入れたもの…
 言ってしまえば、豚骨味噌ラーメンと豚汁という大して珍しくもない料理2つの合体系でしかない」

「…」

「ところが…どういうわけか味わった印象は決してありきたりなものではない。
 豚骨ラーメンとして見ると、こんなに根菜類の野趣あふれる風味のスープは初めてです。
 また豚汁として見たら、こんなに豚骨の旨味たっぷりのものはまず無いでしょう。
 一方の属性がもう一方の個性となる形でお互いを補完し合い…
 すこぶる親しみやすいと同時に、未だかつてない斬新な味わいにも仕上がっている。
 付け加えると、豚骨スープで豚汁を作れば誰でもこれが出来るというわけでもない、
 宇崎さんの腕があってこその絶妙な旨味のバランス取りがされていると思います」

そんな豚汁ラーメンを食べてみた芹沢サンの反応がこれでした、最初は辛口っぽいコメントから入ってますが
最終的に「未だかつてない斬新な味わい」っていうくらいに絶賛してますね
俺としても意外だったのは、これって単なる味噌の味の豚汁じゃなくて豚骨スープを混ぜたものだったんですね
芹沢サンのコメント的にも、その豚骨スープを混ぜた味のバランスが絶妙とのことで
一番のポイントはそこっていう気がします。俺も実際に食べてみたいなー



さらには有栖サンも大仏顔で豚汁ラーメンを絶賛する結果に!
出たよ大仏顔!これが出たってことは文句なしに一流のラーメンだと認められたようなもんですからね
やっぱり宇崎さんって凄い人だったんだな…芹沢サンや有栖サンがこうも手放しで絶賛するなんてよっぽどの強キャラですよ

「素晴らしいラーメンだと思いますよ宇崎さん!一体どうやって思いついたんですか!?」

「いやあ、実はわりと単純な理由でな。俺が職を転々としてた頃、
 このあたりの山道を通って工事現場に向かうことがしばしばあったんだが…
 食い物屋に寄る時間はあっても、このあたりには店が全くないんだからどうしようもない。
 かろうじて自販機茶屋では外食気分が味わえたが、ラーメンにしてもうどんにしても炭水化物に偏っている…
 で、まあそんな俺みたいな連中に少しでも栄養のあるものを食ってもらいたくてな…
 だったら野菜たっぷりの豚汁とラーメンを組み合わせてみるか、というだけの話なんだ」

そんな豚汁ラーメンの着想について、「食事が炭水化物に偏って困っている人に、栄養のあるものを食べてもらいたい」という考えがきっかけだと語る宇崎さん。
ふむなるほど…俺的にはこの発想ってめちゃめちゃありがたいと思います
というのも、この山の中に限らずラーメン屋に通ってると野菜とか食べる機会がとにかく少なくなっちゃうんですよね

基本的にはラーメンの中に野菜ってあまり入ってないし、
それにラーメン屋ってサラダをメニューに全然置いてないじゃないですか
俺的にそれがマジで痛いんだよな…せめてサラダを注文できるなら、ラーメンと一緒にサラダも頼んで野菜を補給できるんだけど
一般的なラーメン屋ってまったくと言っていいほどサラダを置いてないから、とにかく野菜を食べる機会が少なくなっちゃうんですよね

実は俺が豚汁を好んで食べてるのもそれが理由です
ラーメンばかり食べてると栄養が偏っちゃうけど、豚汁には豊富な野菜が入ってるから
手軽に野菜をいっぱい食べたいって時に豚汁を食べに行くっていう。
そういう生活をしてる俺からしたら、宇崎さんの豚汁ラーメンはマジで価値ある料理だと思いますね



そんなわけで宇崎さんの豚汁ラーメンを堪能した後は、翌日の新幹線で帰ることになった芹沢サン&有栖サンでしたが…
その帰り道の途中、ふとした拍子に「もう俺のラーメンの中に俺はいない」っていう宇崎さんの言葉についての話になってますね
ほほう、まさかこのタイミングでこの言葉を拾ってくるとは。これについては、少し前に俺と拍手コメントの人たちで見解が割れてましたよね
俺はこれって「宇崎さんが自分のこだわりを失ってしまった悲しい言葉」だと思ってましたが、
拍手コメントの人たちは「自分のためではなく万人のためのラーメンを作るという無我の境地に至った言葉」だと思っていたという…
それについて、果たして芹沢サン達の見解はどうなのか…

「要するに無我の境地でラーメンを作ってるってことですか!?凄いですね〜〜っ!!
 あの豚汁ラーメンもお客のことだけを考えて作ったみたいですし、
 作り手の自己顕示欲みたいなものは感じられないスッキリした味わいでした」

「以前、俺は自分を捨てて万人の形式を目指すと言ったが、そんなことを何も考えていない宇崎さんが…
 まさか俺の目指すものに近いラーメンを作ってしまうとはな」

ゲゲェーッ!?完全に「無我の境地で万人の形式を作る」って方の話だこれー!!
もう本当にそのままの言葉で語っとる!もはや言い訳のしようがないほど「無我の境地に至った宇崎さんすごい」っていう話だこれー!!
ち、ちくしょう、この俺の見解が完全に的外れで終わるとは…この天才の俺ともあろう者が!!(えー
俺もまだまだ修行が足りなかったということか…くっそーしかしお前ら俺に一度勝ったくらいでいい気になるなよ!
次はこうは行かねーからな!くそったれー!!次回に続く!



ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第32話



さてらーめん再遊記32話の感想ですが、前回で宇崎さん編が終了したので今回から新章突入ということになりますね
そんな新章のスタートはというと、芹沢サンがなんか知らないオッサンと顔を合わせている場面で始まっております
このオッサン、出版社の取締役ということでずいぶん偉い人みたいですが、どうやら何年か前まではラーメン雑誌の編集長をやっていたらしく、
その関係で芹沢サンとは何度も会ったことがあり、どうやら2人は旧知の仲ってことみたいですね

「今日は芹沢くんにちょっとお願いしたいことがあって…実は、あるラーメン屋を助けてあげてほしいんだ。
 大江戸せあぶら軒っていうんだけど…」

「!!」

「聞いたことあるかな?」

「…ええ、よく知ってますよ」

そんな専務のオッサンの話というのは、どうも知り合いのラーメン屋が経営で行き詰まってるらしく、そのことを芹沢サンに相談しにきたみたいですね
ふむ、この手の行き詰まったラーメン屋の手助けといえば、それを仕事にしていた芹沢サンからすればお手の物なわけですが
しかし「大江戸せあぶら軒」って名前を聞いた途端に芹沢サンがすごい過敏な反応してますね
「…ええ、よく知ってますよ」
って言い方といい、なんだか過去に因縁でもありそうな感じがしますが…

「大江戸せあぶら軒は、90年代なかばに背脂チャッチャ系ラーメンを看板メニューにしてオープン…
 当時の流行スタイルだっただけに大行列を生み出し、一時は関東一円に支店を出すほどの人気店でした」

「そうそう、だが背脂チャッチャ系ブームの終焉とともに人気も急降下…
 次々に支店もなくなり、今はかろうじて本店だけが生き残っている状態なんだ。
 それで最近、店長の板倉くんからテコ入れの相談をされてね…」

ふむ、そんな大江戸せあぶら軒についての説明を聞いてみると、
どうやら昔は大繁盛してたのが今ではすっかり落ちぶれてしまったってパターンの店みたいですね
以前は支店を出しまくっていたのに、今となってはそれが潰れまくって本店だけになってしまったと…

なんていうかあれですね、こういう話を聞いてると俺としては
同人ショップのとらのあなをなんか思い出すんだよな…(えー
いやマジで、最近のとらのあなとかマジでこんな感じじゃないですか?以前はあちこちに支店出しまくってたのが、今はもう凄い勢いで潰れまくってて
あまりにも潰れる勢いが早すぎるからもはやどの店が生き残ってるのかも分からないレベルなんだが…なんでこうなった…

「それで私に?」

「ああ、私の知り合いで芹沢くん以上に頼りになる人はいないからね」

「お断りします」

「えっ」

「坪内さんからの頼みとはいえ、それだけはお受けできません。
 今思い出しても、板倉にはハラワタが煮えくり返る思いをさせられましたからね…」

ともかく、そんな大江戸せあぶら軒への手助けを頼まれた芹沢サンでしたが、
「あのクソ野郎の手助けなんか絶対やりたくない」とばかりに断る芹沢サン!
ううむ、さっきから因縁がありそうな態度をしてましたが、ハラワタが煮えくり返るというほどまで険悪な関係だったとは…
いったい芹沢サンと板倉という店主の間になにがあったのかというと



そんな2人の因縁は、かつて同じテレビ番組に出演していた時から始まったようです
番組の内容的に、生放送で他愛のないラーメン談義を行うような討論番組だったようですが、
その生放送が終わりに差し掛かった頃、「最後に一言いいですか!」と急に口を開いたのが板倉だったようで…

「最近ニューウェイブ系とかいう妙なラーメン屋が流行ってますよね?
 気取った内外装にBGMはジャズが流れ、
 凝った創作ラーメンとか出してチャラチャラした客にもてはやされている…
 味は大したことないのに、見てくれだけで客を騙すニューウェイブ系はほとんど詐欺ですよ!
 その代表格がらあめん清流房!芹沢ぁ!!お前の店のことだ!!」

「な…!?」

「鮎の煮干しだの創作麺料理だのと大層なことを言ってるが、そのラーメンはゲロマズ!」

「ちょ…ちょっと待ってください!板倉さんあなた、ウチのラーメンを食べたことあるんですか?」

「食わなくても分かる!なぜなら清流房はたったの1店舗しかないが、我が大江戸せあぶら軒は全10店!
 10倍繁盛してるんだから10倍美味い!!」

なんと番組の終わり際を狙って、言いたい放題芹沢サンの店をメチャクチャにこきおろす板倉!
どうやら板倉は芹沢サンの店がずいぶん気に入らなかったようで、この機会にボコボコにしてやろうとこんな手を考えてきたようです
当時の大江戸せあぶら軒はまだ10店も店があったせいか、ずいぶんと偉そうな態度で芹沢サンのことを見下していたみたいですね…

「あのですねぇ…!客数イコール美味いと言うんでしたら、全国チェーンのファストフードなど…」

「討論が盛り上がってきたところなのに申し訳ない!終わりの時間になってしまいましたぁ!」

「ええ!?ちょっと待ってください!」

「とにかく芹沢ぁ!!ラーメンとしての王道を歩め!いいな!!」

「その通り!なにがジャズじゃあ演歌をかけい!!」

「ラーメン屋は汚い方が味があるんじゃ!ラーメンは大衆料理なんじゃあ!!」

(ぐっ…!この老害どもがああああ!!)

ああ、そして芹沢サンが反論しようにも番組は終わりの時間となってしまい、芹沢サンには言い返す機会が与えられず
さらには番組に出ていた昔ながらのラーメン職人たちも一斉に板倉の味方となってしまうことに!
ああこれはあれか、芹沢サンがよく言っているニューウェイブ系を認めようとしなかったクソッタレの老害どもってやつか

こういう昔ながらのラーメンを好む爺さん達は、新しいラーメンを作ろうとする芹沢サンとずいぶん対立していたというから
芹沢サン叩きの流れができたのを見て次々に乗ってきてしまったんでしょうね。たぶん爺さんたちは板倉とグルなんじゃなくて
ただ単に芹沢サンが気に入らなかっただけだと思いますが…なんにしろ芹沢サンは、テレビの生放送で板倉や爺さん達から袋叩きにされて
とんでもない屈辱を味わってしまったわけで。そのことが今でも許せないから板倉なんぞの手助けはしたくないってことか…

「そ、そんなことがあったとは…」

「まったくひどい目に遭いましたよ」

「だがまあ…どちらが正しかったのかは歴史が証明してくれた、勝者は君だ。
 もう大昔のことだし、水に流してもらうわけには…」

「無能は許せますが、卑劣は許せませんね」

「う〜ん、そうかぁ…」

「恐れ入ります、お連れ様がいらっしゃいました」

「い、板倉くんだ!まさか2人がそんな関係とは知らなかったから、少し後から来るように言ってあったんだった…!」

って、芹沢サンが「板倉のヤローだけは絶対に許せない」という怒りをあらわにする中、なんとその板倉本人がこの場に現れてしまうことに!
坪内専務としてはまさかそんな険悪な関係だとは思ってなかったようで、事前に板倉へここに来るよう伝えていたという…
そんなわけで、久々にお互いを忌み嫌う2人が顔を合わせてしまったわけですが…

「せ、芹沢…」

「…」

そんな2人の再会はなんとも静かなもので、挨拶もなく気まずい空気が流れてる感じですね
それにしても板倉のやつなんかずいぶんイメージ変わったなオイ!(えー
若い頃は威勢のいい兄ちゃんって感じでしたが、今となってはヒゲ姿にメガネもかけてダンディな雰囲気になったというか…

「坪内さん!いいアドバイザーに心当たりがあるというのは…」

「あ、ああ…それなんだが…」

「いま断ったところだ。俺は金輪際お前のような汚い人間を許すつもりはないからな」

「なにぃ…!?」

「昔の討論番組の件を聞いたよ…板倉くんには悪いが、芹沢くんがそう思うのも無理はないと…」

「討論番組の件?その後の話は聞きましたか?」

「え?それはいったい…?」

「芹沢ぁ!!あのイベントの話はしてねぇのか!!」

「あのイベント?なんのことだ」

「テメェ…!自分だけ良い子になる気か!?汚ねぇのはどっちだ!!」

って性格は相変わらずだこれー!!
うわあああ、若い頃とそっくりに「芹沢ぁ!!」と怒鳴り散らして大ゲンカを始める板倉!中身は全然変わってねえー!!
しかし板倉の言ってる「あのイベントの話」っていうのは一体なんなんでしょうか?芹沢サン自身も心当たりがないようですが、
板倉にとって許しがたい何かがそのイベントであったような口ぶりですね…

もしかして板倉って、ただ単に汚い性格の奴なんじゃなくて
芹沢サンとのすれ違いで揉めてしまってるってことなんでしょうか?
実はまっすぐな性格なんだけど、ボタンを掛け違うかのように芹沢サンとケンカばかりになってしまうみたいな。

俺としてはいくつか気になる点があって、たとえば板倉は例の生放送で芹沢さんをケチョンケチョンに言った後に
「とにかく芹沢!!ラーメンとしての王道を歩め!いいな!!」って言ってるんですよね
この最後の一言だけは芹沢サンへのアドバイスのようにも聞こえるというか
それまでの暴言はひどいもんだったけど、もしかしたら板倉は芹沢サンを潰すためじゃなくて
芹沢サンへの助言をするためにあの騒ぎを起こしたのかなと少し思いました

あとは板倉と芹沢サンって、お互いに目指していたラーメンの方向性がまるで正反対だと思うんですよね
というのも、芹沢サンが目指していたラーメンっていうのは、淡口ラーメンといってとても繊細な味わいが特徴的なラーメン
そのラーメンに脂でも入れようもんなら、繊細な風味がすべて消し飛んでしまうってことが以前から何度も言われてるわけですよ

その一方で、板倉のラーメンっていうのは「せあぶら軒」って名前の通り大量の背脂を入れてるんですよね
芹沢サンのラーメンとは逆に、コッテリと脂を入れたとても豪快な味わいが特徴的なラーメンを目指してるというか
そういう意味でも2人は正反対で、「俺のほうが正しい」って話をしようとすると揉め事になってしまうのかなと…

ともかく板倉は、久々に芹沢サンと真っ向から対立するキャラって感じでなかなか興味深いですね
再遊記で登場したキャラって、今までみんな芹沢サンとはそれなりに仲がいいことが多かったから
これだけ真っ向から芹沢サンと大ゲンカするようなやつって相当珍しいですよね。
なので、今までとは一味違うやつが出てきたなって感じでなんだか新鮮ですよ。果たして板倉と芹沢サンの関係はどうなっていくのか…次回に続く!



ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第33話



さてそれではらーめん再遊記33話の感想ですが、前回の話では
かつて過去にさんざんいがみ合った芹沢サンと板倉が飲み屋で顔を合わせることになってしまい
一触即発の雰囲気になってしまったんでしたっけね。そんな2人のことで気になるのは、
やはり板倉が前回言っていた「あのイベントの話はしてねぇのか」っていう、謎のイベントについての話ですが…

「まったく、わけの分からないことを言いやがって…一体なにを勘違いしてるんだ」

「お前…まさか本当に覚えてないのか?新世紀ラーメンフェスタのことを」

「新世紀ラーメンフェスタだぁ?…………あっ!」

「ようやく思い出したか」

「…」

って、「そんなイベントのことなんて知るかボケ」とさんざん毒づいていた芹沢サンですが
板倉が具体的なイベント名を出したら、「あっそんなのもあったね」とあっさり思い出すことに!
単に忘れてただけかよ芹沢サン!!そ、そんなー!俺はてっきり本当に知らないもんかと思ってたのに!
そして、そのイベントのことを詳細に思い出すほどに「や、やっべー」と冷や汗が止まらなくなっていく芹沢サン!
一体なにをやらかしたんだよ芹沢サン!その気になるイベントについて詳しい話を聞いてみると…



「ご存知の通り、俺の店・大江戸せあぶら軒は背脂チャッチャ系ブームが過ぎ去るとともに客入りが悪化し…
 20店近くあった支店も次々に潰れ、恥ずかしながらあの討論番組の3年後にはもう本店を残すのみとなっていました。
 どうにか巻き返せないかと焦っていた俺のもとに、新世紀ラーメンフェスタへの出店依頼の話が舞い込んできたんです」

そして話を聞いてみると、まずひとつ意外だったのは板倉の店はかなり早い段階で潰れまくったんですね
数多くあった支店が潰れまくって、今はもう本店だけになったって話は前回の時点で聞きましたが、
芹沢サンと最初に揉めた時の3年後にはもうそうなっていたとは驚きでした。時間軸を整理すると、

20年以上前に芹沢サンがラーメン屋としてデビューし、その2年後にテレビ番組で板倉と揉め、その3年後に板倉の店が潰れまくったそうだから
つまり板倉の店が潰れまくったのは今から15年以上前ってことになりますよね
そう考えると意外と長いこと持ちこたえてたんだなお前…(えー
本店だけになった落ち目の状態から、まさか15年以上も粘ってたとは思わなかったわ

「新世紀ラーメンフェスタは、2日間にわたって行われる大がかりなラーメンイベント…
 大江戸せあぶら軒をもう一度アピールする絶好のチャンスと思って、張り切って参加したんですが…
 うちの店にはまるで客が寄り付いてきませんでした…」

『へえ、背脂チャッチャ系なんてまだあるんだ』

『昔はよく食ったけど、今はもう流行んないよな』

『こんな時代遅れの店より、もっと新しくてイキのいい店に参加してほしいでござる』

ともかく、落ち目の店を復活させるために張り切ってイベントに参加した板倉でしたが…
しかしその当時、すでに背脂チャッチャ系ラーメンは時代遅れのダサいラーメンと思われていたようで客が全然寄ってこなかったという…
ふむ、背脂チャッチャ系ラーメンって一体どれくらいの時期に流行ったんだろうと思って調べてみたら、
どうやら1980年代〜1990年代あたりが流行りのブームだったみたいですね

そんな中、この新世紀ラーメンフェスタは2000年を過ぎた時期に開催されてるはずだから
確かに背脂チャッチャ系ラーメンはブームを過ぎた古いラーメンと認識されてたってことか…新世紀といえば2000年だし、この考えで合ってると思います
実際、板倉の店が潰れまくったのも、ブームが終わって客が来なくなったことが原因ですしね。
それにこのイベント、「新世紀ラーメンフェスタ」って名前からして、
客としても新たな世紀に似合うような、新しいラーメンを期待してそうだし
そこで古いラーメンを出してしまったら、客の興味がまったく引けないというのも確かにその通りか…

そんな一方で芹沢サンはというと、板倉とは正反対にこのイベントで大成功していたようで
板倉の店とは比べ物にならんほど大行列が店の前に並んでいたという…
完全に格の違いを見せつけられる形となり、さすがの板倉もフラフラと自信喪失してしまったようですが…

『(ニヤニヤ)板倉さ〜ん、お久しぶりですねぇ。そちらの客入りはどうでしたぁ?』

『…ぼちぼちだよ…』

『ほほお〜〜?3年前に板倉さんはこんなことおっしゃってましたよねぇ。
 大江戸せあぶら軒は、らあめん清流房の10倍繁盛していて10倍うまいと。
 ウチは今日3162杯売れたんですが、10倍おいしい大江戸せあぶら軒さんなら…
 31620杯くらい売れたんじゃないですかぁ?』



う、うわあああああああ!!芹沢サン容赦ねええええええええええ!!
ここぞとばかりに以前やられたことの仕返しをしようと、「もちろんウチの10倍ぐらいは売れたんだよな?なぁ?」
思っくそニヤニヤしながら板倉を言葉責めすることに!なんて嬉しそうな表情だこれ!
板倉の実際の売上は、芹沢サンの10倍どころかおそらく10分の1も売れてないだろうから、死ぬほどみじめな気持ちだろうな…

『も…もういいだろ…行けよ…』

『じゃあ最後に1つだけ、このイベントに板倉さんを推薦したのは私なんですから、明日はせいぜいがんばってくださいよ』

『な…!』

そんな芹沢サンの執拗な言葉責めによって、もうヘロヘロになってしまう板倉でしたが
ここで芹沢サンがそもそも板倉を呼んだのは自分だと明かすことに!
なるほど板倉に恥をかかせるためにこのイベントを選んだということか、
新世代のラーメンイベントとなれば、板倉の古いラーメンは通用しないってことを見越しての作戦だろうか?
まあ新しいラーメン作れてない板倉が悪いんだけど(えー
それさえ作れていれば、今回のイベントもチャンスになっただけに、板倉としては何も言い返せないような状態ですね…

「芹沢はウチの店に客が来ないと見越し、あえて推薦して恥をかかせたのかと、最初は俺もそう思いました。
 しかし…そんなのはこいつの仕返しの予告編に過ぎなかったんです」



って、そんな風に恥をかかせるための作戦だったのかと板倉も考えたようですが、
しかしそんな生ぬるいもんじゃなかったと語る板倉。まだ何かあんのかよ!
そしてそれを横で聞いている芹沢サンも、「やっべーわ、ちょっとばかしやりすぎたわ」
過去の自分の暴走ぶりになんも言えなくなっているようで…

「次の日にウチのブースに行ってみると様子が変で…スタッフが誰も来ていなかったんです」

『な、なんだって!?どういうことだ!?』

『だからウチは大忙しで人手が足りないものでしてねぇ。
 昨日お暇そうにしていた大江戸せあぶら軒のみなさんに手伝ってもらうことにしたんです。
 日給20万払うと言ったら喜んでOKしてくれましたよ』

『そ、そんなことをしたらウチが営業できなくなるじゃないか!』

『知ったことではありませんねぇ。文句があるならウチ以上の日給を払って引き戻したらいいんですよ』

『ぐっ…!』

ゲェー!?次に芹沢サンが板倉に仕掛けた罠とはカネを使った引き抜き!!
なんと1日20万円ものバイト料を払うとの大金をちらつかせ、板倉の店のスタッフを全員引き抜いてしまったという…
それに対して板倉が文句を言っても、「知らねーよ悔しかったら20万以上のカネで雇ってみろよ」と返されてしまい
まるで取り付く島がありません。どっちが悪役なんだよこれ!(えー
ダーティーすぎるぜ芹沢サン!どんな手を使ってでも板倉のことを追い込む気だこれー!

『板倉、3年前の落とし前をつけてもらうぞ』

『なに…?』

『俺の店に向かって土下座して詫びろ。地べたに額をこすりつけてな。そうしたらスタッフは戻してやるよ』

って、さらに板倉のプライドをコナゴナにするために土下座しろと語る芹沢サン!
芹沢サンそんな…まるで半沢直樹じゃないですか!?(えー
以前やられた仕返しに、とことんまでやり返して最後は土下座で締めるっていう。
確かに自分で言ってて気づいたけど、芹沢サンは要するに板倉への倍返しがしたいってことなんだろうなぁ



「クッ…ククッ…ヒャ〜〜ッハッハッハッハッハッハッ!!」

う、うわああああああああああ!!この芹沢サンの大笑いっぷりときたら!
完全に悪党ヅラで板倉の土下座をあざ笑っとるー!芹沢サンの腹黒いところがあまりにも丸出しや!
つーかこれだけのことやっといてすっかり忘れてたのかよ芹沢サン!!(えー
さすがにそりゃないやろがー!板倉からしたら一生もんの屈辱やで!

「以上です、50年以上生きてきてあの時ほど悔しい思いをしたことはありません」

「お互いにつまらないことで傷つけあって、まだ若かったってことですねぇ」

「ふざけんな!しかもあんな真似してきれいさっぱり忘れてるのはなんなんだ!」

そんなわけで事件の全貌が明らかになったわけですが、なんか今回は板倉のツッコミにわりと共感してしまうな(えー
ちょうど俺の感想で書きたいことと、板倉のツッコミがいい感じに重なるというか…
まあ、もとはといえば板倉が芹沢サンにケンカを売ったのがそもそもの原因なんだけどね

ともかく、過去のいきさつをこれだけ話してもお互いの溝はまったく埋まる様子がなく、
今でも顔を合わせるだけでギスギスした雰囲気になってしまう2人。
これでは協力のしようがないということで、今日のところは飲み屋を出て解散することに…

「いや〜俺も歳だな、人を土下座させておいて完全に忘れているとは。
 だがあの時は気持ちよかったからな〜、気持ちよすぎて記憶が飛んだのかもしれん。
 映画やドラマではよく、復讐なんて虚しいだけなんてセリフが出てくるが、あんなのは良い子ぶったタワゴトだ。
 完膚なきまでの復讐ほど気分爽快でストレス解消になるものはない」

そんなわけで板倉と別れて1人になった芹沢サンですが、「いや〜あの時は気持ちよかったな〜」って
全然反省してねええー!!復讐は気分爽快とかやべぇこと言ってるよこの人!
ただ、さっきもちょっと半沢直樹の話をしましたが、確かに半沢直樹のドラマが面白いのって
半沢の復讐劇が見てて痛快だからっていうのはありますよね

最初に半沢が悪党から執拗な嫌がらせを受けて、相当な屈辱を味わわされてから
「やられたらやり返す。倍返しだ!!」と復讐のために動き出して
完膚なきまでに悪党どもを叩き潰すっていう、その流れが痛快だったからあのドラマって面白かったと思うんですよ
そういう意味では、芹沢サンの言っている「完膚なきまでの復讐はマジ気分爽快」っていうのは、意外と一理あるのかもしれんな…

・芹沢サン、気持ち良すぎて忘れてたって面白すぎない?相手の方はしてやられて恨んでる感じでしたけど
 全国区で嫌がらせされたって考えると対応としてはぬるいくらいですし、今のところ普通に嫌な奴ですね… by オーヅキ

・想定の5倍くらいひどい復讐をしていた芹沢サン。板倉に金銭的な被害が出ない程度に収めたのは計算なのか有情なのか…。
 でもこれが芹沢サンだよなぁって久々に感じた回でした。この復讐話、やや話の発展性に欠ける流れな気はするのですが、
 ラストページで見つけた豚骨ラーメン店にできた行列を次回以降どうつなげていくのか注目ですね。 by とーます

そんな芹沢サンの復讐っぷりにはこんなコメントが来てますね、「想定の5倍くらいひどい復讐」ってフレーズは聞いてて思わず笑いました
ただ、とーますさんも言ってますがこれぞ芹沢サンって感じがしますよね。ダーティーで腹黒いところがあって
えげつないことでもニタニタ笑いながらやってのけるっていう、全盛期の芹沢サンはそういうところがあったので、
今回は久々にそういう芹沢さんのヤバさが存分に堪能できて面白かったです。
それとオーヅキさんは、板倉が芹沢サンを恨んでることが気になるみたいですが、
それはまあ大和田常務が半沢を恨んでるようなもんなので、やっぱり土下座の恨みは根深いんじゃないかなあ(えー



って、そんな風に芹沢サンがまったく反省する様子もなく帰り道を歩いていると、その途中で「あ、あの店は…?」
意外な反応をすることに。このラーメン屋に何か気になることがあるんでしょうか?
店をよくよく見てみると、「東京豚骨 ドリーム」って文字が見えるから、どうも豚骨ラーメンの店のようですが…

ふーむ、芹沢サンと豚骨ラーメン屋の因縁というと、以前芹沢サンの店が潰れそうで苦しんでた時に、その近くで大繁盛していた豚骨ラーメン屋を思い出しますが…
まさかその時のことを思い出して、「店が潰れそうで板倉が苦しむ中、その近くで店が大繁盛してあざ笑う芹沢サン」っていう関係に重ね合わせるとか…?
ただ、あの時の豚骨ラーメン屋って「こってり亭」って名前だったから今回の店とは全然関係ないか…(えー  それでは次回に続く!



・大志さんこんばんは。いつもレビュー楽しく拝見させて頂いています。大志さんのおかげでラーメン再遊記にはまっております。
 その中で気になる事があるのですが、芹沢さんて一体年齢は現在いくつくらいなのでしょうか?
 初登場時で42歳と書いてましたが、近い年齢であろう宇崎さんの見た目や私の様な年寄りをバイトに雇って頂いて…。等の発言を見ていると、
 とても40代はおろか、50代前半でもちょっと違和感を感じるので…。表記がなくてわからない場合はスルーして頂ければと思います。変な質問をしてすみません。 by ラーメン師範

ラーメン師範さんこんにちは、らーめん再遊記における芹沢サンの年齢が気になるみたいですが、
再遊記での芹沢サンは具体的に年齢が明かされてないんですよね。
発見伝だと42歳と言われてましたが、再遊記だと何歳なのかわからないっていう。
なので推測するしかないわけですが、推測に使えそうな材料はいくつかあるので、今回はそれを拾い集めていこうかなと思います



まず参考になりそうなのがこれ、芹沢サンが店を始めたのは1996年という風にラーメン発見伝で語られており
これは発見伝での設定ではあるものの、再遊記でも活きてるものだと思います。
というのも、最新話において語られてた内容で
芹沢サンが店を始めてから2年後にテレビ番組で板倉と揉めることになり、
さらにその番組から3年後に新世紀ラーメンフェスタで再会したと言われてたわけですよね

 
 

つまり、新世紀ラーメンフェスタは芹沢サンが店を始めてから5年後の時期ということになるわけで
新世紀といえば2001年ってことを考えると、ちょうど1996年の開店からドンピシャで5年後ってことになるわけですよ
なので、再遊記においても芹沢サンの開店は1996年で間違いないと思うわけで
あとは開店した時の年齢さえ分かれば、現在の年齢が割り出せるんじゃないかなと。

まあその年齢も詳しいことは語られてないんですけどね…(えー
とりあえず、推測できそうな情報を持ってくると、芹沢サンは店を始める前に
大学を出て、企業に就職し、結婚もしていたと言われてるわけで



それだけの生活をしていたとなったら、大学卒業から何年か経ってアラサーぐらいの時期にラーメン屋を始めたと思っていいんじゃないでしょうか
仮にそうだとしたら、1996年の時点でアラサーってことになるから、そこから現在まで年を取ったとなると
だいたい五十数歳ってことになるんじゃないかなと思います

ちなみに、この仮説を裏付けるような情報を他にも持ってくると
芹沢サンのライバルキャラとして最新話で現れた板倉っているじゃないですか。
あいつは自分のことを50年以上生きてきたっていう風に明言してるんですよね



となると板倉の方は五十数歳で確定であり、その板倉と完全に対等に話している芹沢サンも
同じくらいの年齢になるんじゃないかなあと思うわけで。

あと他に参考になりそうな部分としては、芹沢サンが宇崎さんとプロレス談義で盛り上がってた時に
名前を出してたレスラー達っていうのが1970年代の選手たちだったんですよね



で、芹沢サンはそういうレスラーたちを子供の頃に見てたって言ってるから
芹沢サンが生まれた時期は、70年代から少し前の60年代あたりになるんじゃないでしょうか
仮にそうだとしたら、60年代に生まれた人が今何歳なのかって言ったら
だいたい50歳〜60歳ってことになるわけで
そうなると五十数歳っていう仮説にかなり近いことになりますよね

あとは他に、自販機ラーメン編で芹沢サンが言っていたのが
「俺が学生の頃によく食ってた」「いま食べるのは30何年かぶり」ってことだったんですよ

で、学生時代の芹沢サンが何歳なのかっていうと、仮に大学生の頃だとしたら二十歳前後になるわけで
そこから30何年か経った現在は五十数歳ってことになりますよね
てなわけで、俺の推測だと再遊記の芹沢サンは五十数歳っていうのが答えになります
まあ推測なので当たってるかは分かりませんが、けっこういいセン行ってるんじゃないでしょうか?


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第34話



さてそれではラーメン再遊記34話の感想ですが、前回のラストで芹沢サンは
町を歩いていたらたまたま見覚えのある豚骨ラーメン屋に出くわしたんでしたっけね
それがこの「東京豚骨・ドリーム軒」という店であり、その特徴としては
すでに40年以上も続いているほどの老舗であり、板倉の店よりもさらに昔からやってる豚骨ラーメン屋ってことみたいです

それほどまでに古い店なわけですが、しかし今でもしっかり繁盛しているようで
板倉の店のように一時的なブームだけで繁盛して今ではすっかり客がこなくなってしまったっていう欠点は抱えていないようですね
ラーメン自体は、「背脂のたっぷり入っているコテコテの豚骨ラーメン」って意味で、板倉と方向性は似ているようですが…

ワイワイガヤガヤ

(この繁盛ぶり…板倉の店は背脂チャッチャ系ブームの終焉と共に急降下したわけだが、
 そういう背脂系ばかりではないということか?違いはなんだ…?)

そんなドリーム軒の様子を見て、なぜ板倉の店と違ってちゃんと繁盛しているのかということが気になった芹沢サン。
それを分析してみたいと思ったのか、店に入って実際にそのラーメンを味わってみることにします。



ちなみにこの店のラーメンは、板倉の店のように背脂をチャッチャと振りかけるんじゃなくて、普通に入れるみたいですね
作中で説明があったので触れておくと、出来上がったラーメンに対して背脂をチャッチャと振りかけるのが
いわゆる背脂チャッチャ
ってことみたいです。なるほど俺はそういうの知らなくて「チャッチャってなんやねん」と今まで思ってましたが
ザルみたいなのを使って振りかける時にチャッチャと音が鳴るから、背脂チャッチャ系って名前がついたってことなんだなあ

「さて、肝心のラーメンはいかがなものか…」

ズルズル

「こ、この味…!!前に食ったことがあるぞ!!」

 

って、そんなドリーム軒のラーメンを食べてみた結果、覚えのある味に激しく反応する芹沢サン!
これだけ動揺するってずいぶん珍しいな!芹沢サンがラーメン食いながらこんな顔するなんて見たことないっすよ!
それほどまでに芹沢サンにとって懐かしい味だったようですが、それがなぜなのかというと
30年以上前にもこの店に立ち寄ったことがあり、その時に食ったラーメンの記憶が一気に蘇ってきたからのようです

ふむ、30年以上前となると…こないだの自販機ラーメンと同じくらい昔に味わったってことでしょうかね
芹沢サンそういうのよく覚えてるなー、俺にも何か昔のラーメンの思い出ってあったかなあと考えてみたら
30年以上前のラーメンとなるとどさん子ラーメンくらいですかね…(えー

当時住んでた家の近所にあったんですよどさん子ラーメンが…たださすがに味までは覚えてないなー
20年ちょい前ぐらいに知ったのがスガキヤラーメンで、こっちは今でも味は覚えてるしカップ麺も出てるから馴染み深いですね
どっちにしろチェーン店なんだけどね…(えー  子供の頃の外食ってなるとやっぱりチェーン店主体になっちゃうよなー

「ふう、ノスタルジーという調味料入りとはいえなかなか美味かった…
 昔も今も大雑把で粗暴な味ながら、下手な創作ラーメンなんかよりも遥かに清々しい」

さてともかく、30年ぶりの懐かしさに浸りながら、背脂たっぷりの豚骨ラーメンを一気にたいらげた芹沢サン。
「粗暴な味ながら清々しい」とかなりの満足感があったようで、これにより背脂ラーメンをすっかり気に入ってしまった芹沢サンは
次の日から背脂ラーメン店めぐりの毎日を送ることになります

 

こんな感じで背脂、背脂、背脂、背脂とひたすら背脂ラーメンを食い続ける芹沢サン!
さすがに食いすぎだろ!!(えー  これだけ脂のすんごいラーメンをどんだけ食う気やねん!
歳を取るほどこういう脂っこいものはキツくなるとよく聞きますが、芹沢サンはまったくそういう様子がないですね…
こういう時に俺が思い浮かべるのはあれですよ、ヤングジャンプでやってるスナックバス江のタツ兄(えー



タツ兄はまさに「俺も歳でたくさん食えなくなってなあ…」とか「脂っこいのが苦手になってなあ…」みたいなことを
しみじみと語るキャラだから、芹沢サンとはまったく正反対ですね
なにしろ今回の芹沢サンは、脂っこいのをたくさん食うというタツ兄が苦手なことをダブルでやってますからね
普通のオッサンからしたら、かなり仰天するようなことをやってるぜ芹沢サンは…

ズルズル

(うむ、やはり今も繁盛してる背脂系ラーメン屋には相通ずるものがある…
 それにしても、ドリーム軒のラーメンをわざわざ再確認する必要はなかったのに、
 単にまた食いたくて今日も来てしまった。思い出の味というやつはやはり強いものだな…)

そんな中、背脂系ラーメンを食い続けるうちに、繁盛している店に共通しているものがだんだんと見えてきた芹沢サン。
一体それがなんなのか気になるところですが、それはそれとして
単に背脂ラーメンが食いたくて今日もドリーム軒に来てしまったようです。完全にハマッてるじゃねーか!!

ツルッ

「う、うお!?」

「あぶないっ!!」

ズダーン!!

ってその時、ドリーム軒でラーメンを食べ終えた芹沢サンですが、不覚にも階段で足を滑らせてしまうことに!
どうやらラーメンの脂によって床がツルツルになっていたようで…あやうく階段から転げ落ちそうになる芹沢サンでしたが
そのとき身を挺して助けてくれた若者のおかげで、なんとか事なきを得ることに…



その助けてくれた若者については、さすがに芹沢サンも恩を感じているようで
一緒にタクシーに乗って家まで送り届けていくことになります。
どうやら芹沢サンの代わりに若者のほうが少しケガをしてしまったようで、そのことも芹沢サン的には申し訳なく思っているようですね

「君には本当に助けられたよ、ありがとう」

「そんな、このぐらいのことでラーメン界のカリスマである芹沢さんに送ってもらえるなんて、こちらこそ恐縮です!」

「ん?俺のことを知ってるのか?」

「実は僕、けっこうなラーメンフリークで、大学生をやりつつ
 ユーチューブで食べ歩きチャンネルをやったりもしてるんです!ですから芹沢さんのことは当然…」

って、話を聞いてみれば、どうやらこの若者はかなりのラーメンマニアだったようで
芹沢サンのことも当然のように知っており、今回の出会いはむしろ嬉しく思っていたようです
その話を聞いて、芹沢サンはどんな風に反応したのかというと…



ゲー!?表面上はニコニコしながらめっちゃひどいこと考えとるやんけ!!
芹沢サンの中でラーメンオタク=めんどくさい奴みたいな式ができあがっとる!恩人に対してそりゃないっすよ芹沢サン!

「そういえば君の名前を聞いてなかったな」

「あっ、グルタって言います!」

「は…?」

「グルタミン酸にちなんでグルタ!僕のユーチューブでのニックネームなんです!
 ラーメン関係ではそれで通してまして!」

「ほ…ほほう…(アダ名で自己紹介とは…今どきだな…)」

って、そんな若者の名前を聞いてみたところ、いきなりハンドルネームで名乗り出すという
珍妙な答えが返ってくることに!こ、これは…芹沢サンの言うとおりなんかちょっと変なやつなのかもしれんな…(えー
悪いやつじゃないんだろうけど、リアルでいきなりハンドルネームで名乗り出すのはちょっとズレてるなっていうか…

「芹沢さんもグルタって呼んでください!」

「う、うーん…それはちょっと落ち着かないな…本名の方も教えてくれないか?」

「板倉和文と申します!」

(…あの嫌な野郎と同じ苗字とは…)

そんなハンドルネームでやり取りするのはなんか嫌だった芹沢サンは、本名の方も聞いてみることに。
その質問に快く答えてるところを見ると、相手も素直なやつではあるんだよな…
ただ、芹沢サン的には板倉という苗字が「アイツと同じじゃねーか…」と気になったようで…
って…ちょっと待ってください、板倉って確か息子がいるとか前に言ってたよな!?



これですよ、以前に芹沢サンと揉めた時に、生まれたばかりの可愛い息子がいると言っていて
この時期が2001年ごろのはずだから、現在この息子は20歳前後になっているってことですよ!
さっき「大学生やってます」って言ってたこととドンピシャや!
つまり芹沢サンは、偶然にも板倉の息子と出会ってしまったってことか!?

「ふむ、和文くんは実家暮らしなのか。じゃあ怪我をさせたお詫びをご両親にも言っておかないとな」

「ええーっ!?それはいいですよぉ!!親に会うのは勘弁してくださいよぉ〜!!」

「…なんでそう嫌がる?」

「えっと…僕の実家はラーメン屋なんですが…
 ぜんぜん流行ってない三流店なんで、芹沢さんみたいな方をお連れするのが恥ずかしくて…」

「なんていう店なんだ?」

「大江戸せあぶら軒って言います…」

や、やっぱりー!!大江戸せあぶら軒って言ったらモロに板倉の店の名前じゃねーか!!
それにしても板倉のやつ、息子からは全然尊敬されてねーんだな…落ちぶれた三流店主で紹介するのが恥ずかしいレベルとは…
板倉にとっては可愛い可愛い息子なのになんという哀れな…(えー

・背脂系らーめんをこんだけ連続で食いに行けるのは芹沢サン若すぎる…。
 板倉さんの息子と思いがけず知り合ってしまいましたが、背脂系らーめんの良さや売りを芹沢サン自身が語った上で、
 流行ってない三流店と息子に言われてしまった板倉さんの店の何が問題なのかはなんとなく察しがつきそうですね。
 宇崎さんもそうでしたが、芹沢達也を意識してしまった人間はやはり影響を受けてしまうのではないかな、と思います。
 獣くさくて尖っていて、油で通路がツルツル滑るのが背脂系の店と言われていましたが、
 逆に板倉さんはそのあたりオシャレで清潔で、味もクセをなくしたラーメンを出す店作りに「しちゃった」のではないかな、と安易に予想。
 まぁラヲタの息子すら別の店に背脂らーめん食いに来てますからね…。現在の板倉さんの店が旨いラーメンは出していないだろうとは思いますが、
 背脂ラーメンの強みを捨てて、下手な創作ラーメンに寄ってしまったと考えるのが自然かな、と。 by とーます

それと今回とーますさんからこういったコメントがきてますね。「板倉は芹沢サンの影響で、店やラーメンを小綺麗にしてしまったんじゃないか?」っていう。
そのせいで背脂ラーメンの強みを失ってしまい、古い客や息子からそっぽを向かれてしまったと…
ふうむ、息子としても古くて汚いドリーム軒を気に入ってることからして、一理ありそうな意見ですが、ただ俺が気になったのはそれって
「ラーメン屋は汚いほうが味があるんじゃあ!」と言っていた
老害ジジイの言い分が正しかったってことじゃないですか!?
(えー

いやマジで、芹沢サンにイチャモンをつけてるだけに見えたこの老害ジジイが、実は正しいことを言っていたのか!?
ヘタな小綺麗さを目指すよりも、汚くても勢いがある方がいいという点で、
このジジイは背脂ラーメンの本質をついていたというのか!?(えー
マジかよジジイ…ただの老害かと思ってたら、まさかの注目人物になってきたな…
果たしてこのジジイの言い分は背脂ラーメンの真実なのか、それとも単に的外れなこと言ってるクソジジイなのか…(えー
次の話でジジイの立場が果たしてどうなるのかが気になってしょうがないぜ…それでは次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第35話

さてそれでは、らーめん再遊記35話の感想ですが、まず冒頭の場面では
「こいつ板倉の息子だったのかよ…」ということに芹沢サンが気づいて
「また板倉のクズに会うなんて冗談じゃねー」とトンズラすることを考え始めたシーンとなってますね

完全に芹沢サンの中で板倉=クズで関わりたくない奴ってことになっとる!なにもそこまで悪く思わんでも!
まあともかく、大嫌いな板倉と再び顔を合わせるなんてまっぴらごめんな芹沢サンは、
「ご両親とお会いするのはやめておこうか」と、そそくさ身を引こうとしますが…

「…いえ、芹沢さん!やっぱり会ってください!」

「えっ…ええ!?」

「すいません急に反対のこと言い出して…でもうちの店、流行ってないだけじゃなくて結構あぶないんです…
 うちのラーメンを食べてご意見を聞かせてもらえませんか!?」

「い、いやあそれはちょっと…」

ってここで、今まで消極的だった板倉の息子が、急にグイグイと「親に会ってください!」と言い出すことに!
どうやら板倉の店の経営は想像以上にうまくいっていないらしく、このまま放っておけば店が潰れるかもしれないほど危ないので
もうなりふり構わずに芹沢サンのアドバイスを聞きたいと…そう言われると困るのは芹沢サンで、どうにか断ろうとしますが…

「セミリタイア状態の俺なんかじゃ、どうせたいしたアドバイスもできないよ」

「ご謙遜を!つい最近だって、Q県のカリスマ職人対決で大活躍されてたじゃないですか!」

「な、なんであんな田舎のイベントのことを!?」

「ラーメンフリークならみんな知ってますよ!!」



って、自分はもうリタイアしたようなもんだからと言い訳する芹沢サンですが、
そこでまさかの宇崎さんとの対決を持ち出されてしまい、「まだまだ現役じゃないですか!!」と問い詰められてしまうことに!
宇崎さんと芹沢サンの対決って田舎の山奥で行われたのに、しっかり情報チェックしてるのはさすがラーメンオタクって感じでしょうか
それと俺的にすごく気になったのがQ県ってどこっすか!?(えー

いやマジで、どこかモチーフにした県とかあるのかなと思って、頭文字がQになりそうな県を探してみたんですが
そんな県どこにもなくない!?
都道府県をざっと見た感じ、頭文字がKとかだったら該当するのがいくつかありそうでしたが
Qから始まるってなるとさっぱりわからなくて…
そもそも日本語で頭文字Qなんてことあるんか…?(えー
もしかしてQ県ってのは実在しない場所なんか…?うーんそのへんどうなんだろう

さてともかく、結局のところ逃げられなかった芹沢サンは、板倉の店へ連れて行かれることになってしまいます
しかし、そのとき店にいたのは板倉の奥さんだけで、板倉本人は用事で出かけているようですね
これは芹沢サン的に不幸中の幸いといったところでしょうか、どうにか板倉とは顔を合わせずに済みそうで…

「いきなりの来訪で申し訳ありません、芹沢と申します」

「はあ。芹沢さんですか」

(俺のことは板倉から何も聞いてないようだな…)

「お母さん!芹沢さんはあの有名な、らあめん清流房グループの社長だった人なんだよ!
 芹沢さんにラーメン作ってよ!絶対店のテコ入れの参考になると思うんだ!」

そんな板倉ママですが、どうやら夫と芹沢サンとの因縁についてはまったく知らないようで、
芹沢って名前を聞いても「あんた誰?」ってピンときてないような顔をしてますね。
ただ、店の仕事についてはママもかなり手伝っているようで、板倉のラーメンを再現することもできるようです
てなわけで、さっそく板倉ママの作ったラーメンを食べてみる芹沢サンでしたが…

「(ズルズル)…なるほど…これでは厳しいでしょうね」

「えっ…」

ってああ、なんと一口食べてもういきなりダメ出しから始める芹沢サン!
そんな、板倉のラーメンっていうのはそんなにダメなんですか!?
とりあえず板倉のラーメンについての情報をいくつか集めていくと



まず店で出しているラーメンは背脂ラーメン、背脂チャーシューメンの2つだけであり、
味に関しては背脂一本って感じにすごく絞ってるんですね
その点では、他の味に浮気せずにストイックなラーメン作りをしてる印象ですが、
それで売れてればカッコよかったんですけどね…(えー
背脂にこだわってるけど売れずに苦しんでるって感じがメニューからも伝わってきますね…

そんな板倉の背脂ラーメンなんですが、他の繁盛してる背脂ラーメンと比べると何が違うんだろうと思って
それぞれ画像を用意してみたんですよ。どこが違うのかをまじまじと見比べてみたところ…

↓板倉の背脂ラーメン

↓繁盛店の背脂ラーメン

わ…わかんねえええーー!!
何が違うんだこれ!?俺にはさっぱりわかんねー!ネギもチャーシューもモヤシも背脂も同じに見えるぜ!
違いがあるとすればタマゴが乗ってるかどうかってことぐらいか…(えー
でもタマゴがそんな大きな違いにはならないだろうし、見た目ではわからない味の違いがあるってことなんだろうか

「今までこの店のラーメンの味は、どう変化してきましたか?」

「基本的には変わっていないです、こういう背脂ラーメンのままですね」

「なるほど…」

「90年代からずっと変わらず同じ味なんてダメですよねぇ!
 ラーメンは進化していくジャンルなんだから、こんな古臭いスタイルのままなんて論外だよ!」

「いや、それは違うな」

「えっ?」

「3年前まではこのラーメンで利益を上げてきたわけだろう、
 大儲けはしていないだろうが決して間違っていたわけではない。
 商売っていうのは、どれくらいの儲けであろうが、それで成り立っている限りはみんな正解なんだ」

そんな中、板倉のラーメンの味は昔から変わっていないという話になりますが、
そのことを「変化のないダメなラーメン」と語る息子に対し、「決して間違いではない、むしろ儲けが出ていたなら正解のラーメン」と語る芹沢サン…
ほほー、芹沢サンのこういった考え方は、芹沢サンがラーメン屋をはじめて間もない頃に儲けが出なくて借金まみれになった経験があるから
「儲けが出てるラーメンは十分すげえんだよ、ガキが偉そうな口きくな」ってことを言いたいんじゃないでしょうか



って、そんな風に「板倉のラーメンは間違ってない」と言うことになった芹沢サンですが
「しまった、あんな無能な卑怯者は息子から軽蔑されてるほうが相応しいのに」
なんてことを考えることに!めっちゃひどいやんけ芹沢サン!!
しかも板倉の息子にしても「小賢しいすねかじりのラオタ」とか言ってるし!もはや毒舌の全方位攻撃や!(えー
最近こういう芹沢サンの毒舌っぷりが絶好調っすね、物言いが容赦なさすぎて笑ってしまうぜ

「まあしかしながら…3年前までならともかく、状況が変わった今もこのラーメンのままではいけません」

がしかし、板倉のラーメンも3年前まではよかったけど今もこのままではダメだということを語る芹沢サン。
芹沢サンの言う3年前というのはなんのことかというと、どうやらその時期に
板倉の店の周辺に新しい飲食店が次々と開店したらしく、それをきっかけに客を他の店にとられてしまったということのようです

なるほど、話を整理すると板倉の店っていうのは、これまでに2度の大きな転落を経験してるってことなんですね
まず1度目の転落は、20年以上前に起きた背脂ブームの終焉であり、それまで繁盛していた板倉の店は
ブームの終焉によって大きな打撃を受け、たくさんあった支店もすべて潰れてしまったと…
しかし支店は失ったものの、本店だけはなんとか生き残ることができ、これまで長きに渡って店を維持することはできていたわけです

そんな状況が一変してしまったのが2度目の転落であり、3年前に起きた新しい飲食店の大量出店がそれのようです
それまでは細々と続いていた板倉の店も、これでいよいよトドメを刺されることになり、何か逆転の方法はないかと悩み始めたようですね
それで最近になって知り合いに相談するようになったってことか…背脂ブームが終わってからやけに長いこと大人しくしてたなと思いましたが、
3年前までは板倉の店にもいちおうそれなりの客は入っており、もしかしたらそれが板倉の身の丈にあった繁盛具合だったのかもしれないですね
ただ、今はそれすらも失ってしまったわけだから、どうにか立て直しの改善策を用意しないとまずいってことか

「では芹沢さん、改善策を教えていただけますか!?」

「それは…」

「うお〜い!!帰ってきたぞぉ〜っ!!」



ってそこに板倉キターー!!
うわああああ、これまで板倉不在の中で穏便に会話していた芹沢サンですが、
いよいよ相性最悪の板倉が帰宅してしまうことに!芹沢サンもさすがに冷静さを失って仰天してますね
この前の飲み屋でもさんざんケンカしましたが、ここでもそうなってしまうのだろうか…次回に続く!






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