ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第81話



さてらーめん再遊記81話の感想ですが、今回の話は前回ラストで登場した
原田という男と芹沢サンが改めて対峙するシーンから始まってますね
「おいおい何年ぶりだよ」と話しかけてくる原田に対し、芹沢サンが冷や汗を流しながら反応してるのを見ると
どうやら単なる知り合いなんてもんじゃなく、何かしらの因縁がある相手って感じがしますね…

「そうか分かったぞ。あのラーメンはお前の仕業だな?」

「ああ…俺がプロデュースした店だ」

「やっぱりか。安物の乾麺を使ってご大層な創作ラーメンに見せかけて。ああいう羊頭狗肉は昔から得意だもんなぁ」

「…」

そして前回食べたスーパーで買ってきた安い麺をそれっぽく見せかけたラーメンについて、
あれを作ったのはお前だろうと芹沢サンに指摘する原田。実際その通りなので何も言えないんですが
それにしても「お前は見せかけのラーメンを作るのが昔から得意だもんなぁ」と皮肉たっぷりに言ってますね…
すごい敵意向けてくるな…やっぱり2人は険悪な関係なのか。芹沢サンのラーメンを見せかけの紛い物とまでコケにするとはな…
まあ今回のラーメンは本当にそうなんですけどね(えー

「そんなことより、お前は今なにをしてるんだ」

「別に何も?ブラブラしてるだけだよ」

そんな原田に対し、今なにをしているのか尋ねる芹沢サンですが…
しかし原田は「別に何も?」という雑な答えだけを残して、そのまま芹沢サンの前から去っていってしまうのでした
なんとも掴みどころのない奴ですな…今のところフラッとやってきて痛烈な皮肉を言う不気味な奴って感じですが…

「原田さん…原田正次さんは、その昔「麺窟王」というラーメン屋を経営していたんだ」

と、ここで有栖サンから原田についての説明が。どうやらやはり腕に覚えのあるラーメン屋だったようで、
以前は自分の店を持ってラーメン作りに精を出していたようで…

「麺窟王…?初めて聞く名前です」

「グルタくんが生まれる前の話だからね。しかも2年足らずで潰れちゃったし…
 麺窟王は1996年、芹沢さんのらあめん清流房とほぼ同時期にオープン…
 らあめん清流房は当初こそ苦戦したものの、濃口らあめんのヒットによって繁盛店となり躍進を遂げた…
 対照的に、原田さんの麺窟王は繁盛と言えるお客は入ったことがなく、経営はどんどん悪化して1998年には閉店…」

って、有栖サンの説明を聞いてみると、原田は芹沢サンと同期のラーメン屋だったものの、
原田の店はぶっちゃけ繁盛したことがなく、わずか2年で店を潰してしまったっていうことのようで
なんか全然たいしたことないやつに聞こえるんですが…(えー
そんな奴がなんであんなに偉そうに声をかけてきたんだ…?

「えーっと…そんな人から好き勝手に言われて、芹沢さんが言い返しもしなかったっていうのは…?」

「それだけ麺窟王の2年間は凄かったんだよ」

「は?だって…」

「本物を生み出そうとしたニューウェイブ系の時代…
 誰よりも激しくあがき、あっという間に燃え尽きてしまった知られざる天才…それが原田正次なんだ」



がしかし、ラーメン職人としての原田は「たいしたことないやつ」なんかではなく
むしろ誰よりも激しく燃えていた天才だと語る有栖サン。そんなに凄い奴だったのか…
しかし、その激しさゆえにあっという間に燃え尽きてしまったという過去を持っているようで
一瞬の閃光のように消えてしまった悲しき天才っていうキャラクターのようですね

今回の話で、原田について語られた内容は以上なわけですが…
この話を見て、俺が原田について予想を立てたことはですね
おそらく原田というのは、「本物」に誰よりも固執している男なんじゃないでしょうか

たとえば芹沢サンが今回作ったラーメン、あれは安っぽい乾麺をそれっぽく見せかけただけの代物なので
ぶっちゃけ「偽物」のラーメンだと思うんですよ
だから原田が食べてみて言ったことが「ひっでえラーメンだな、これを作ったやつはとんだ詐欺師だぜ」だったんだろうし

それに、芹沢サンの店がヒットしたきっかけの「濃口ラーメン」というのが今回の有栖サンから語られてましたが
これも「偽物」のラーメンだったと思うんですよ
というのも、芹沢サンは本来、自分にとって本物のラーメンという理想を追い求めた「淡口ラーメン」を店で出していたものの
この淡口ラーメンがまったくヒットせず、店が潰れる寸前にまで追い込まれてしまったので
なりふり構っていられずに妥協して作ったのが濃口ラーメンだったんですよね



芹沢サン自身、濃口ラーメンなんてものは素材の風味が完全に消し飛んでしまったクソみたいなラーメンと思っていたのが
しかしそれが客には大ウケしたことで、やむなく濃口ラーメンを作って店を繁盛させていったわけで、それってつまり
「本物」の淡口ラーメンで失敗し、「偽物」の濃口ラーメンに逃げたっていう風にも取れるから
「お前は昔から見せかけのラーメンを作るのが得意だったなぁ」という原田のセリフはこのことを言ってるんじゃないでしょうか
濃口ラーメンとかいう見せかけの偽物を作って店を繁盛させたっていう。芹沢サンのことをそう思っているから
ああまで痛烈な皮肉を言ったんじゃないかと思います

極めつけは、有栖サンが最後に言っている
「本物を目指した時代、誰よりも激しくあがいて燃え尽きたのが原田だった」
っていう一言ですかね

このことからして、おそらく原田は誰よりも本物のラーメンを作ることに固執した男であり、
しかしそのラーメンの凄さは客に理解してもらえず、とうとう繁盛しないまま消えていったってことなんじゃないかなと。
芹沢サンもまさしく淡口ラーメンだけ作っていた頃は同じ状況だったわけですからね。つまり原田っていうのは、
芹沢サンが淡口ラーメンだけにこだわり続けて、濃口ラーメンを作ることなく店を潰してしまった姿
と言えるんじゃないでしょうか。理想を追求することにものすごいストイックな奴だったんじゃないかなと。
その理想に関しては、芹沢サンと目指すものが同じ仲間だったと思うわけですが…

しかし、店が潰れそうになったことで、理想から逃げて「偽物のラーメン」に手を出してしまったのが芹沢サンで、
店が潰れようと「本物のラーメン」の理想にこだわり続け、そのまま店を潰してしまったのが原田っていう風に
途中で道を違えてしまったっていうのがこの2人なんじゃないでしょうか
かなり俺の妄想が入ってる考察ですが、果たして当たっているのかどうか…次回に続く!
 

ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第82話



さてらーめん再遊記82話の感想ですが、今回の話は若い頃の原田について語られる回となってましたね
「若い頃の原田さんは本物の天才だった」と有栖サンが前回言っていたので、具体的にどんな様子だったのかを見せていくってことでしょう
とりあえず、パッと見た感じだとちょいワル系イケメンって感じの雰囲気ですね
今の原田は無精ヒゲとか生やしてたり、くたびれたオッサン感ありましたが、
過去の原田はヒゲもきれいに剃ってて、カッコ良さげな雰囲気だから女子ウケ良さそうだな(えー

ともかくこの頃の原田は、決まった店で働き続けていたのではなく、
あちこちの店を転々としていたようですが…

「料理は食うのも作るのも好きなんだが、飲食店のくだらねえ風習がどうもな…
 味は盗んで覚えろ、10年は皿洗いだけ、先輩には絶対服従…
 あげくに、サービス残業は当たり前とかな!ふざけるんじゃねえよ!
 ムカついてやり返してたら行く先々でクビになっちまった。
 とはいえ、いつまでもブラブラしてるわけにはいかねえ。近いうちにラーメン屋をやろうと思ってるんだ」

「それはやっぱり、ラーメンが好きで…?」

「わりとな。それに…ラーメンにはなんの決まりもしきたりもねえ。
 どんだけ好き勝手に作っても、うまけりゃ勝ちだからな」

とまあ、こんな理由でブラブラしていた理由を語る原田でしたが…
なんか同意したくなる考え方してんなこいつ!(えー
たとえば職場の先輩が、仕事をロクに教えもせず「盗んで覚えろ」とか言ってくることにムカついたり
10年も雑用をやらせようとしてきたり、絶対服従だとか言ってきたり、そういう嫌な先輩に歯向かったり
それにサービス残業は絶対にやりたくないとかそういう考え方は、やっぱ社会人として共感しちゃうよな…


あとはラーメン作りにしても、「どれだけ好きに作っても美味けりゃ勝ちだ」っていう
その考え方が本質を突いてる気がするっていうかな…これっていろんな分野に言えることだと思うんですよね
たとえば漫画とかゲームなら「どれだけ好きに作っても面白けりゃ勝ちだ」っていう風に
くだらない考えに縛られずに面白いものへ向かって突き進もうとする気持ちというか、
ワクワクするような楽しいものを作り出せるクリエイターの雰囲気を持ってる奴って感じがしますね



そんなある日、宣言通りにラーメン屋を開業し、芹沢サンと出会うことになった原田でしたが…
初対面の相性はお互い全然よくなかったみたいですね。
チンピラみたいな喋り方をする原田と、「テメーなんなんだその口の利き方は」とそれが気に入らない芹沢サンとで
お互いにムカムカした雰囲気になってしまったようですが…

「ま、まあまあ、ひとまずラーメンを食べさせていただいて、お話はそれから…!」

「おら、出来たぞ!食いやがれ!」

そんな2人の間に有栖サンが入ってなんとかなだめながら、原田の作ったラーメンを食べることに。
なんとそのラーメンには、具が入っておらず麺とスープだけというやたらシンプルなラーメンとなっていましたが…



「具がないな…」

「素ラーメン…?」

ズルズル

「な…なんだ!?スープと言うよりもポタージュ…いや、ペーストとさえ言えるネットリ感だ!」

「鶏の旨みたっぷり…!というより鶏そのものを味わっているような…!?」

「なんともプルプルモチモチとした太麺だな!?」

「茶色みがかっていてそばのようですが、弾力ある触感はうどんのようでもあります!」

そんな原田のラーメンですが、シンプルではあるものの芹沢サンたちは麺にもスープにもひたすら仰天することになってしまいます
ポタージュよりもさらにネットリとしていて旨味たっぷりのスープ、
そばのようでもありうどんのようでもあり、プルプルモチモチとしていて弾力たっぷりの麺、
「なんだこれは!?」という驚きに満ちていて、それでいて抜群に美味いという、原田のラーメンにはそんな特徴があったみたいですね

(驚くべき美味しさと斬新さのラーメンだった…)

「具はなく、タレもかん水も使わず、コシを抑える…か」

「通常のラーメンではありえない試みばかりですね…」

(僕もショックだったけど、芹沢さんはそれ以上だったと思う)

そんな原田のラーメンを味わってみて、驚きのあまり激しいショックを受けていたという芹沢サン。
やはり、ラーメンの作り手という同じ立場から見て、原田の存在があまりにも眩しく見えてしまったということなんじゃないでしょうか
自分には思いつかなかった試みを次々と実行し、そして抜群に美味いラーメンを作り出すという原田の手腕に
コイツにはかなわないという感覚をヒシヒシ感じてしまったってことなんでしょうか

「うう〜、飲みすぎたぁ。どうなってるんだ原田ぁ…なんなんだよお前はぁ…」



ああ、そして今でも原田の存在が頭に焼き付いていた芹沢サン!
この芹沢サンは過去の回想ではなく今の描写なわけですが、たまたま酒を飲みすぎてしまったところ
あまりにすごい原田のことが理解できず、「なんなんだよお前はぁ…」と思っていた気持ちが漏れ出てしまった
という…

なるほど…芹沢サンにとって原田という存在は、
自分なんかよりずっと先を行っていて、理解が及ばないほどに凄い奴っていう
それほどまでに大きな衝撃を残した男だったんですね

そして今でも芹沢サンはそのことが忘れられないと…
なるほど、原田が芹沢サンに与えた影響というのは、計り知れないほどに大きかったんやな
今にして思えば、藤本クンとの対決を通して芹沢サンが言っていたことって、
原田と出会って自分が思い知ったことを語っていたんじゃないでしょうか



「オマエがやってることはいつも既成のラーメンの構造に乗っかって、細部をチマチマ改良してるだけだ。
 新しい何かとは、構造を疑い破壊することなくしては生まれないのだ」

っていうこのセリフ、まさしく芹沢サンが原田から味わった気持ちそのものなんじゃないでしょうか
原田と出会うまでの芹沢サンは、既成のラーメンをチマチマ改良することしかできておらず、
構造からして今までとはまったく違うような、新しいラーメンを作り出すことはできていなかったっていう…

それを原田に思い知らされたことで、自分も原田に少しでも追いつこうと努力し、
そして藤本クンと出会って、今度は自分が藤本クンに思い知らせる側になったっていう、そんな流れなんじゃないかな
いやこの原田編はかなり面白いですね

芹沢サンに非常に大きな影響を与えた人物なので、これまでの芹沢サンの描写を振り返りながら見るのも面白いし
原田もキャラが立ってて興味深いヤツなので、いいキャラが出てきたなって読むのが楽しみになりましたね
ぶっちゃけ最近やってたインスタントラーメン編は、途中からかなり迷走してたと思うので、
この原田編で持ち直してほしいところですね。次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第83話



さてらーめん再遊記83話の感想ですが、今回の話は原田が芹沢サンの淡口らあめんを食べているシーンで始まってますね
前回は、芹沢サンが原田の作った斬新なラーメンを食べて仰天していたわけですが、
今回は逆に原田が芹沢サンのラーメンを食べて、果たしてどんな反応をするのか…

「スゲエじゃねえか芹沢!メチャクチャうめえよこのラーメン!」

「そ、そうか」

「鮎の煮干しとはな…これほど深みとキレのあるスープは初めてだ…
 特注麺とも絶妙に調和していて、具もうまいし全てに隙がない」

そんな原田の反応ですが、めちゃくちゃ素直に芹沢サンのラーメンを褒め称えてますね
初対面の時はいがみ合っていたので、文句のひとつでも言われるかと思いましたが、
そんな文句なんて一切言う気にならないほど、原田は淡口らあめんを気に入ってくれたようです

この場面のめっちゃ力強く淡口らあめんを褒めてくれる原田と、それに対して微笑む芹沢サンのシーンは
お互い理解者になった感があって、かなり良いシーンだなと思いましたね

「もっとも…あまりに斬新すぎる。客を置いてけぼりにして理想だけが先走ってる…
 閑古鳥が鳴いてるらしいが当然だ」

「う…」

「つまりは、俺と同じバカヤローだな」

「フ…ハハハハハハハ!」

そんな中、斬新すぎるあまり客には理解されないだろうと淡口らあめんの欠点も指摘する原田。
しかし、客に理解されないラーメンを作っているのは自分も同じであり、「俺たちは同じバカヤローだな」と意気投合することに…
なんていうかあれですね、バカヤローという言葉を聞くと、今作が始まった時に芹沢サンが言っていた
「好きなラーメンを好きに作りたいだけの、イカれたラーメン馬鹿だっ!!」ってセリフを思い出しますね



この「イカれたラーメンバカ」という言葉こそ、芹沢サンが自分の本質だと言っていたわけですが
それと同じバカがもう1人いたっていうのがこの原田編のようですね
ともかく原田と芹沢サンは、お互いのラーメンを心から認め合い、一気に親友のような間柄となったわけですが…

「いやあ今日はいい気分だ、俺と同じバカがまだいるとは思わなかったぜ」

「フフ」

「しかし、どちらも現状の客入りではさすがにまずいですよね。2人ともどうしようと思っているんですか?」

「理想のラーメンを作りたくてこの店を始めたんだ、客入りがよかろうが悪かろうがやることは決まってる。
 淡口らあめんをさらに磨き抜く。それだけだ」

「いいんじゃねえか。芹沢はつまり理想のラーメンの追求だろ、なら俺はラーメンの可能性を追求する」

そんな中、お互いに認め合ったはいいものの「客が来ないのはまずいだろ」と有栖サンから突っ込まれてしまう2人。
それに対して芹沢サンは「淡口らあめんをさらに磨き抜く」と答えており、原田の方は「ラーメンの可能性を追求する」と答えてますね
原田の言ってるラーメンの可能性とはなんのことかというと、要するに
今までにはなかったような斬新なラーメンを次々に生み出すってことのようです
なるほど芹沢サンは1つの理想のラーメンをとことん磨くという方法を選び、
原田の方は大量の新しいラーメンの可能性をとことん生み出すという方法を選んだってわけか

「原田さんのラーメンはどれもこれも斬新かつハイレベル、そしてすこぶる美味しかったんだ。
 何が凄いって、原田さんが作るものは単に奇抜で珍しいだけじゃなかった…
 そこには常にラーメンとは何かという問いかけがあり、もっと自由でいいはずだというメッセージがあった。
 逆に芹沢さんは苦しんでいた…淡口らあめんのクオリティは上がり続けていたけれど、
 分かってくれる人はごくわずか。客入りはまったく好転しない…」

そしてしばらくの間、次から次へと斬新なラーメンを生み出し続け、まさにラーメン界の風雲児とも言うべき
新たな旋風を巻き起こし始めた原田。その一方で芹沢サンは、淡口らあめんだけでやっていくことに限界を感じ始めており、
このままでは店が潰れるという危機感に苦しむ日々を送っていたと…

「そんな状況が、ある時を境に大きく変わる。芹沢さんが濃口らあめんを編み出し、大人気を博したからだ…」

ああそしてついに来た!!濃口らあめん!!
必ず来るだろうと思っていた時がついに!この濃口らあめん、客に対してはウケがよく大繁盛となったものの
しかしその反面、今まで目指していた淡口らあめんの理想を完全に投げ捨てた代物であり、
理想もクソもない客ウケだけを狙ったラーメンという、芹沢サンにとっては苦肉の策で作ったラーメンなわけですが…

「あの濃口らあめんが、あんなに意気投合していた2人を分かつ原因となってしまった…」



ああ、そんな濃口らあめんを食べた時の原田の様子がこれだったようです。
淡口らあめんを食べた時の笑顔はまったく真逆の、怒りすら感じる表情を浮かべて
「結局バカは俺1人かよ…」と、心から失望するように去っていったという…

いやあ…やはり濃口らあめんが原因で2人の仲はこじれてしまったようですね。
濃口らあめんというのは、2人が目指したラーメンの理想からはかけ離れたものであり、
本物のラーメンから逃げて偽物のラーメンを作り始めたってことが、原田の逆鱗に触れてしまったと…
これに関しては、俺も何話か前に予想してたわけですが

みごと大当たりやったな!
「理想から逃げてしまったのが芹沢サン、理想にこだわり続けたのが原田、そして2人は道を違えてしまった」っていうこの予想大当たりや!
ほっほっほ、俺的にもかなりこの原田編は読んでて相性いい感じなので、ここからどうなるか楽しみですね。次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第84話



さてらーめん再遊記84話の感想ですが、今回の話は濃口らあめんを生み出したことで芹沢サンと原田の間に亀裂が入ってしまったという
前回のおさらいから始まってますね。それまではラーメン作りの同志として意気投合していた2人ですが、
亀裂が入ってからはピタリと交流が止まってしまい、顔を合わせる機会も激減してしまったようです

「その時から芹沢さんは、淡口らあめんを磨くために濃口らあめんで稼ぐという、
 理想のために現実的であろうとするスタンスに変わっていった。
 一方で原田さんは、相変わらず赤字続きだったけど自分のやり方を決して曲げなかった。
 そのままでは閉店に追い込まれることは分かっていたのに、信念に殉じる道を選んだんだ」

そして濃口らあめんを作るようになってからの芹沢サンは、理想と現実を併せ持つようなスタンスに変わっていったようですが、
その一方で原田の方は、ひたすらに理想だけを追い求めるスタンスのまま変わらなかったようですね
そのままでは原田の店が潰れてしまうという状況でも、なりふり構わずに理想だけを追求するという無茶なことをしていたと…

「麺窟王の2年間は本当に密度が濃くて…
 数多のラーメン屋の創作を何十年分か一気にやり切ったほどと感じさせるものだった。
 とりわけ麺窟王が閉店する時に食べたラーメンは忘れられない。あの時、僕は天才とは何かを実感した…
 あの最後の日に原田さんが出してきたのは、言わばラーメンの極北…本当にあれは驚くべきものだった…」

そんな原田ですが、理想の追求のために無数のラーメンを作り続けた結果、
とうとう最後にとんでもないラーメンを生み出したみたいですね



イメージ映像で光り輝いて見えるくらい極限に研ぎ澄まされたラーメンだったようで、
有栖サンの記憶に決して忘れられないほどの凄まじい衝撃を残したと…
そのラーメンが出来たのはちょうど原田の店が閉店する日だったとのことですが、
もしかして原田は、このラーメンを完成させたことで自分のすべてを出し切ったのかもしれませんね

これまで原田が追い求めてきたものがとうとう形になったのがこのラーメンであり、
自分の理想のすべてを詰め込んで完成したものだから、
もう何も思い残すことはないって心境になって店を畳んだとか…

現在の原田は、すっかり情熱を失った燃えカスのような性格になってますが、
そうなってしまったのも、すべての情熱を注ぎ込んだ理想のラーメンを完成させてしまったから
目指していた理想の果てに到達してしまい、これ以上はもう目指すものがなくなったっていう意味で
完全に燃え尽きてしまったのかもしれませんね

 
 

そして次のシーンでは、久々に出てきた小宮山さんに和文が呼び出される場面となっており
いったい何の用かと出向いてみれば、なんとそこには原田の姿が!なんで原田がここに!?と思ったら
どうやら小宮山さんは以前から原田の大ファンだったらしく、原田が店をやっていた頃にはひたすらに通い詰めていたという…

「原田さんこそニューウェイブ系の頂点を極めたスーパーカリスマ!
 でね、板倉くん!なんとそのカリスマ・原田正次が沈黙を破り、
 伝説の名店・麺窟王を復活させるっていうんだ!」

「ええ!?ホントですか!?」

「僕みたいな古株のニューウェイブ系信者からしたら、これはもう感涙モノだよ!!」

ってなんと、これまで働かずにブラブラしていた原田ですが、「そろそろ店を復活させようと思う」と小宮山さんに相談していたことが発覚!
マジか原田、とうとうやる気が戻ってきたのか!?燃え尽きた状態で長い年月を過ごしてきたわけですが、
それだけ時間が経ったことにより、また新しいラーメンを作りたいというやる気が生まれてきたとか?そんな原田の表情を見てみると…

まるっきりやる気ありそうにねえーー!!
お、おいなんだこの表情!「これから店を復活させてがんばるぜ!」とか思っている男の表情にはまったく見えねえぞこれ!
相変わらず燃え尽きたままで、何もやる気がないように見えるというか…小宮山さんの方は盛り上がってるけど、原田の方はまるっきり全然だな

ふーむ、これに関して俺の予想を言うと…原田がラーメン屋を再開したいと言い出したのは
単に金に困ってるから、金を稼ぐための手段としてテキトーにやりたいとかそんな理由なんじゃなかろうか
以前は理想に燃えて金のことなんか度外視でひたすらラーメン作りに全力を尽くしたわけですが、
今は長年のヒモ生活で金に困ってしまい、もう作りたいラーメンもないし金稼ぎの手段としてテキトーに店を再開したいって思っているとか…

なので今の原田は、ラーメン屋を再開しても以前のような理想を追求したラーメンを作るんじゃなく
ただ金を稼ぐためだけの妥協したラーメンを作るんじゃないのかな…
それこそ芹沢サンが生み出した濃口らあめんのような…俺の予想としてはそんなところですが、果たして原田の本心は今どうなっているんでしょうか

「光栄なことに原田さんから手伝ってほしいと言われてね!
 もちろん引き受けたんだけど、10年ほどラーメンから離れていた僕としては、また板倉くんの力を借りたい。
 ぜひこの復活プロジェクトに参加してほしいんだ!」

「ぼ、僕がですか!?」

「別に難しく考えなくていい。今どきの若いラーメン好きが思ってることを言ってくれれば、それだけで俺は助かるんだ」

「そうですか…」

そして店を復活させるにあたって、小宮山さんや和文にも協力してほしいと呼びかけていた原田。
特に和文に対しては、「今どきのラーメン好きが何を思っているか教えてほしい」と言っていますが…
お、おいこれってあれだろ、要するに今どきの若いもんにウケるラーメンでも作って金稼いだろってことで
やっぱ自分の理想とかは失ったままだろこれ!

なにしろ理想に燃えていた頃の原田は、客にウケるかどうかなんて関係なく自分の作りたいラーメンを追求していたので
若いもんが何を食べたがってるとか一切関係なく、自分の内から湧き出る情熱を原動力をしていましたからね…
でも今はそんな情熱もなく、客にウケるラーメンだけ作って金を稼げればいいと思っているから、
小宮山さんや和文に協力を頼んだんじゃないでしょうか

そして原田からの誘いに対して、協力することを約束した和文ですが、
それを聞いて初めてニヤリと笑う原田。ああ、やっぱりこれって
こいつらを利用して金を稼いでやるぜとかそういうこと考えてる顔だろこれ!
さすがにラーメン作りの情報源として利用するだけなんじゃないかとは思いますが、果たして原田はこの後どういう行動に出るのか…次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第85話



さてらーめん再遊記85話の感想ですが、今回の話はお腹を空かせてしまった和文の場面で始まってますね
派手に腹の音が鳴るくらい空腹になってしまい、原田や小宮山さんにもそのことがバレバレになったわけですが…

「調理室があるんなら、何か作ってみてもいいか?」

「え?」

「しばらく厨房に立ってないんでウォーミングアップがてらな。迷惑じゃなければだが」

って、そんな和文のためにメシでも作ってやろうと、自ら厨房を使わせてくれと言い出した原田。
え、なにアンタめっちゃいい人やん(えー
まさか自分から作ってあげようなんて親切なこと言い出すとは…ウォーミングアップって理由もあるみたいですけど
てっきり面倒臭がって作りたがらないような性格かと思っていただけに、自分から積極的に作ろうとしてるのにはちょっと驚いたな

「豚肉があるな…生姜焼きにでもするか」

そして調理室へやってきたところ、豚肉があったので生姜焼きを作ると言い始めた原田。
これはなんというか、ラーメンじゃなくて普通の料理作るんすね
原田と言えばラーメン屋なだけに、てっきり何かしらのラーメンを作るのかと思ってましたが…
これはもしかしてあれなのか、ラーメン屋としてすでに燃え尽きてしまった原田は
もはやラーメンを作ろうという気力は残っていないとかそういう…



「生姜焼きラーメンだ」

ってゲェー!?生姜焼きラーメン!?
生姜焼き作るってそういうことだったの!?まさかのラーメンとの合わせ技にするってこと!?
マジかよラーメン作る気なくしたどころか、なんでもラーメンにして作る気まんまんやんこの男…
そういえば以前に店をやっていた時も、原田は一風変わったラーメンを次々に作っていたというし、
生姜焼きでもなんでもラーメンにしてしまうチャレンジ精神の持ち主だってことか

「まあお遊びみたいなもんだ。麺に生姜焼きを絡めて一緒に食べてみてくれ」

「(ズルズル)お、美味しい〜〜!!こんなのはじめて!!」

「豚の肉々しさ、野菜のシャキシャキ感、麺のモチモチ感が、甘辛な生姜のもとで見事に一体化している!」

「生姜焼きとラーメン、馴染み深い味が合わさって未だかつてない美味しさを生み出してますね!?」

そんな生姜焼きラーメンですが、食べてみたところすさまじい美味しさのようで、その場にいる誰もが絶賛してますね
原田からしたら「お遊びみたいなもん」という軽い気持ちで作ったラーメンのようですが、にも関わらずこれほど絶賛されるほど美味いとは…

「もしかして…生姜焼きの味付けに使っているのはラーメン用の醤油ダレ?」

「よくわかったな、一体感の秘訣はそこだ。ちなみに豚骨スープは軽く塩で味付けしただけ。
 麺と生姜焼きを絡めてすくい上げた時に、濃厚な醤油ダレの味と合わさってちょうどいい塩梅になるよう調整した」

「その調整が絶妙ですね…ちょっと誤ればクドすぎたり、逆に味気なくなりそうなところを
 ギリギリのところでバランスを取っている」

それほどに美味いという生姜焼きラーメンですが、単純に生姜焼きを乗せただけという雑な代物ではなくて
スープや具が合わさってちょうどいい塩梅になるよう味の調整がされているってことのようです
なるほど、この話を聞いて俺が思い出したのは宇崎さんの豚汁ラーメンですね

 

これも「豚汁とラーメンを合わせる」という発想から生まれたものでしたが、ただ単に雑に合わせたものではなくて
豚骨スープをベースとして宇崎さんが絶妙に味のバランスを整えたことで完成したラーメンだったから
そういう意味では今回の原田が作った生姜焼きラーメンと似てますね

宇崎さんも相当に腕が立つラーメン職人でしたが、それに近いようなラーメンをウォーミングアップでサッと作ってしまった原田は
やはりこの作品の中でも最高クラスの凄腕って感じがしますね…



そんな原田ですが、生姜焼きラーメンをひたすらに褒められて
「いやー照れるな」とばかりにちょっと笑ってましたね
なんていうかあれやな、感情を失ったかのように無表情になっていた原田も
チヤホヤされると嬉しいんやな!?(えー

いやーでもね、わかりますよその気持ちは。
周りに褒められまくってチヤホヤされるっていうのはめちゃくちゃ嬉しいもんなんですよ
やっぱり「褒められる」っていうことの喜びはたまらないものがあるっていうか
チヤホヤされてる時って、そういう褒められる喜びが大量に湧き続けてるような状態だから
そりゃあ嬉しくてたまらないってもんですよ。俺もチヤホヤされてえよ!!(えー  次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第86話



さてらーめん再遊記86話の感想ですが、今回の話は原田の新しい店の方向性をどうするかと話し合う回になってましたね
さすがに以前の店のように好き放題やっていては上手く行かないだろうということで、
原田が好きにやれる創作ラーメンは期間限定とし、基本的には万人受けする定番メニューを作っていくべきだと…

ふむ、まあ俺が客の立場だったとしても、まずはやっぱり安心できる王道メニューが食べたいですからね
わけのわからんアレンジラーメンよりも、まずは地に足のついた王道なラーメンをですね…

「しかし…万人受けする定番ラーメンなんてこの俺に作れるかな…」

がしかし、そういう万人受けするラーメンを作るとなると、途端に自信なさげな反応をしてしまう原田。
うーむ、そういえば原田はこれまで客に受けることをひたすら無視して自分の好きなラーメンを作るというスタイルでやってきただけに、
万人受けするラーメンなんて作ろうとしたこともない男なんですな…となると、原田がどれだけプライドを捨てられるかが鍵になりそうですが…

「そこで大きなヒントになるのが、らあめん清流房の濃口らあめんだと思うんですよ!」

「(ピク…)」

「あれは芹沢さんの理想のラーメンではなかったにも関わらず売上を支え、
 それによって淡口らあめんを磨き、様々な期間限定ラーメンを作ることができました!」

って、そんな定番ラーメンのお手本として、「芹沢さんの濃口らあめんみたいなの作りましょうよ!」と言い出した小宮山さん!
それ原田にとっては特大の地雷やろ!
濃口らあめんって、原田と芹沢サンと決別するきっかけになった忌まわしきラーメンだというのに!



あれ食った時の原田の表情こんなんでしたからね…
ひたすらに芹沢サンへの失望と怒りを感じたラーメンであり、いくら世間には受けたとはいえ、
これほど原田が忌み嫌っているラーメンを参考にしろというのは…

「あれを参考にして原田さんも…」

「小宮山ぁ!!」

「え…?」

「芹沢は芹沢!!俺は俺だ!!」

ってうわああああ原田ブチ切れたー!!
あかんかったんや!やっぱり濃口らあめんのことだけは軽々しく原田に言っちゃいけなかったんや!
これまで原田と小宮山さんはいい感じにやってきましたが、いきなり雰囲気最悪になってしまいましたね…

それと今の原田を見ていて思うのは、俺が予想してたよりもずっと真剣にラーメン作りに取り組むつもりなんだなってことですね
てっきり俺としては、金でも稼ぐために今度の店はテキトーにやるつもりなのかと思ってましたが
原田の中には今でも譲れない一線があって、その一線を超えてしまうと激しく怒り出してしまうくらい
ラーメン作りに対する強いこだわりと情熱が今でも滾っているんですね…
なんていうかすごい真面目な奴だよな原田…たとえ万人受けするラーメンでもそれが妥協の産物だったら絶対に許せないってことだろうしな

そんな原田が万人受けするラーメンを作ろうと思ったら、一体どんなものが出来上がるのか見ものですが
これって芹沢サンが以前から言ってた「万人の形式」に踏み込む話になるんでしょうかね



万人の形式に関しては、この作品を通して芹沢サンが追求していきたいテーマとして掲げているわけですが
でもこれまでの話だと、「これが万人の形式だ!」みたいに具体的な成果が出た様子はほとんどなかったわけですよね
しかし今回の原田に関しては、「万人受けするラーメンをこれから作る」という風に強い意識を持っており
それでいて原田はラーメン作りに一切妥協しない男であり、作中で最高レベルのラーメン作りの腕を持っているわけですから
一体どんなラーメンを作るのかメチャクチャ興味ありますね…

「自分の作品ではなく万人の形式を作る」っていう芹沢サンのテーマにしても、
原田が今まで作ってきたのは自分の作品、しかしこれから作るのは万人の形式っていう風に
まさしく芹沢サンのテーマそのものの境遇にいるのが原田だと思うので
この原田編はらーめん再遊記においてすごい重要な話になるかもしれませんね…次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第87話



さてそれではらーめん再遊記87話の感想ですが、今回の話は芹沢サンが「麺屋しんかいざん」というラーメン屋を訪れるという内容になってましたね
どうやら芹沢サンにとっては以前からなじみのある店らしく、なんならこの店の始まった時期が芹沢サンの店と同じって縁があるみたいです
つまり芹沢サンからしたら同期のラーメン屋ってことか。なるほど同期…同期のメンバーね…
やめろ今同期のメンバーの話は俺に効く!(えー

(看板メニューは鯛だしを使った醤油ラーメンだったな…上品かつ端正な味わいでなかなかの出来だった…)

「醤油ラーメンお待ちどおさま!」

(…なんだ?名前こそ同じだが、見た目が全然違うぞ…
 味も別物だ…鯛だしというウリのあった昔に比べて、どこかで食ったような味…)

って、そんな麺屋しんかいざんのラーメンですが、昔に比べてすっかり変わってしまっていると語る芹沢サン。
昔は鯛だしという個性を生かしたラーメンを作っていたのが、今となっては個性を捨ててどこかで食ったようなラーメンを作っているという…
それだけ聞くと、こだわりを捨てて落ちぶれてしまったラーメン屋のように聞こえますが…



しかしこの店、落ちぶれるどころかむしろ大繁盛しており
今のラーメンを求めてやってくる客で店内は溢れかえっていたという…
マジか…以前よりも平凡なラーメンを作ることで逆にそれが客にウケたってことか

結局のところ一般人たちが求めているのは、定番のよくある味わいのラーメンであって、変に個性的なラーメンじゃないってことなのか…?
まあ俺自身もまさにそういうタイプなんだけど…(えー
今までも感想書きながら俺は定番のメニューを食べて安心したいって何度も語ってきたしなあ。
世間的な需要もやっぱり定番の味の方が高くて、個性的な味っていうのはあんまり求められてないってことか

そんな中で原田は個性的な味を極めようとしていた男だから
こういった「定番の味で店を繁盛させる」って道とは真逆を行っているわけですよね。
原田自身、前回の話で「万人受けする定番のラーメンなんて俺に作れるんだろうか」って、個性を捨てた定番メニューの自信はなさそうだったし
やっぱり原田は今後もとことん個性を貫く方向に進むんじゃないかな
それこそが原田の持ち味だろうし、そんな個性を貫いた果てに誰もがうなるような新定番のラーメンを作り上げるって展開になるんじゃないかなと…

「すまん小宮山…ついカッとなってしまって…」

「僕の方こそ、独創性を重視している原田さんに向かって、芹沢さんを参考にしろなどと失礼なことを…」

「芹沢とは昔いろいろあってな…お前らにも悪かった。勘弁してくれ」

一方そのころ原田はというと、前回小宮山さんにブチ切れてしまったことについて「カッとなってすまなかった」と謝罪していました
ふむ、こうして自分の非を認めて謝るっていうのは好感が持てますね
原田ってチンピラに見えていいヤツ感がにじみ出てるよな

最初は原田のことうさんくさいヤツだと俺も思ってて、「金のために小宮山さんたちを利用する気なんじゃないか」とか予想してたけど
実際はそんなこざかしいことよりもラーメンへの純粋な情熱で動いてるようなヤツだから、
回を重ねるごとに原田の評価は俺の中で上がっていってますね

「ところで原田さん、今日からいくつかのラーメン屋をリサーチするわけですけど、僕としては…
 東京ガストロノメンと麺屋なでしこ!この2店は絶対に押さえておくべきだと思います!」



そんな中、売れているラーメン屋の研究のために、東京ガストロノメンと麺屋なでしこへ行こうと提案する和文!
米倉の店とゆとりちゃんの店じゃないですか!確かに2人とも作中でトップクラスの成功者なだけに
参考になる部分はありそうですよね。特にゆとりちゃんは365日の日替わりで創作ラーメンを出すとかいう化け物みたいなことやってるから
創作意欲の高い原田にはいい刺激になるんじゃないかなと…

「ああ、どっちも行ったことあるよ」

「えっ、そうなんですか?」

「前にちょっと機会があってな…」

ってもう行ったことあるんかい!!
てっきりこれから行って、ゆとりちゃんの技術をラーニングする展開かと思ったらなんやねん!
それともあれなんだろうか、すでに行ったことがあるっていう原田の口ぶりからして
「あのレベルのラーメンなら俺はいつでも作れるぜ」っていうぐらい
もうすでにこの2人の領域を超えているのか原田よ!?原田ってこの漫画の最強ポジションかもしれないから
すでにゆとりちゃんすらも超えているかもって底知れなさがあるよな…次回に続く!



ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第88話



さてらーめん再遊記88話の感想ですが、前回ラストで話題に出てきた東京ガストロノメンと麺屋なでしこについて
行ってみた感想はどうだったかと原田に尋ねる内容となってますね。しかし原田の反応はなんとも興味なさげと言いますか
特に最後のコマの表情とか「つまらない店だったな。もう行かなくていい」とでも言いたげじゃないですか!

え、ちょっと!?そんなにアカンかったん!?原田にとってこの2つの店ってそんなに退屈だったの!?
東京ガストロノメンはともかく、麺屋なでしこは原田と相性いいと思ってたんだが…
なにしろゆとりちゃんが毎日新作ラーメン作ってる店なんで、原田の理想に一番近い店なんじゃないかとすら思ってたんだけども
原田的にはまったくそそられないような店だったのか…?まさかゆとりちゃん、毎日新作ラーメンを作り続けた結果
そろそろネタ切れ起こしてきたとか…?(えー

「すいません色々と連れ回しちゃって」

「いや、百花繚乱状態で面白かったよ。貝出汁ラーメン、鴨白湯ラーメン、スパイシー鶏濁麺、
 羊骨味噌つけめん、豚清湯ラーメン、山椒めん、昆布水まぜそば…
 とはいえ、俺が昔作ったり考えたことがあるものがほとんどだったな」

「ホ、ホントですか!?」

「ああ、だから発見というほどのものはなかったが…逆に自信が湧いてきたよ。俺はまだまだ通用しそうだ」

そして数日にわたり、和文オススメのラーメン屋を次から次へと回ることになった原田でしたが…
なんと原田的には「どれも作ったことあるラーメンだな」って感じで、
「最近のラーメンってスゲー!」みたいな新しい発見は得られなかったようですね

マジかよ原田のやつ、どんだけ色んなラーメン自分で作りまくったんだよ…
こうなると麺屋なでしこに興味を示さなかったのも、ゆとりちゃんの作る新作ラーメンすら「俺が前に作ってたのと変わらんな」ってレベルだったってことなんだろうか
うーむ…これまで原田が自分と違う絶品のラーメンだって認めたのって芹沢サンの淡口らあめんだけですよね
そう考えると芹沢サンって唯一無二の原田のライバルってことになるんかな…他の奴らはみんな「俺の作れるラーメン」しか作ってないっていう。

「原田さん、あちこち食べ歩いて自信が湧いてきたそうじゃないですか」

「まあな。あんなんでいいなら、お前が言ってた期間限定ラーメンや不定期の創作ラーメンはなんとかなると思う。
 ただ…万人受けする定番ラーメンを作るってのは気乗りがしなくなってきたな」

「え、どうしてですか?」

「話によると…まず家系と二郎系が大人気、次にハイスペック醤油ラーメンやネオレトロ系が広がってきてるんだろ?
 つまりはコッテリ&ボリューム系と、昔風の中華そばが主流になってるってことで、これじゃあ90年代と大して変わらねえ。
 状況が変わってんなら、俺なりの万人受けにトライしてみてもいいかと思ったんだがな…」

ってそんな中、世間の状況を知ったことで万人受けのラーメンについてはやる気なくなってきたと言い出した原田!
そ、そんな!あんたの作り出す万人受けラーメンがどんなのか楽しみにしていたのに!
一体どうして…と思ったら、原田いわく今の世間で万人受けしているラーメンというのは
家系や二郎系のようなコッテリ&ボリューム系、そしてハイスペック醤油やネオレトロといった昔風の中華そばとのことで
「そんなのは何も新しくないからつまらん」と思っていたという…

うーん…言われてみれば確かに、家系や二郎系ってずっと前からあるラーメンだし
ハイスペック醤油とかネオレトロっていうのは、昔なじみのラーメンを今風にアレンジしたものだから
以前からあるラーメンの延長線上でつまらんってことなんでしょうかね

原田が作りたいラーメンって、あっと驚くような斬新なラーメンだろうから、
以前から馴染みのあるラーメンをそのまま出してたり、多少アレンジした程度のものなんかに興味ないってことか
これはまさにあれですね、以前の芹沢サンが藤本クンに言っていた
「既存のラーメンをチマチマと改良したところで何も新しくない」
っていうのと同じ感情を持ってるんだと思います

こうなるとやっぱ芹沢サンしかおらんて!
原田を満足させてくれる相手は芹沢サンしかおらんわ!
「もっと新しく独創的なラーメンを作れるっていうんですか!?」「勿論だ」
とドヤ顔していた芹沢サンが原田とぶつかり合うぐらいしか、原田が満足するような方法はないんや!

「なるほど…でしたら無理にとは言いませんょ。
 それに、ある物件の話がうまくまとまれば、万人受けとか考えなくても大丈夫かもしれませんし」

ってアレー!?なんか話が意外な方向に!?
俺が芹沢サン芹沢サンとわめいていた間に、「別のいい方法もありますよ」と新たなアイデアを出してきた小宮山さん!
それによると「ある物件の話がまとまれば万人受けとか考えなくても大丈夫」ってことですが…
え、なにそれ、そんな魔法のような物件の話があるっていうんですか!?



原田や和文は、いきなり物件とか言われてもとピンときていないようですが、
小宮山さんとしては相当な自信があるようで、ニヤァ…と無言で笑みを浮かべてますね
これは小宮山さんの言うように、物件で解決する流れなんだろうか…俺としては原田の作る万人受けラーメンに期待してただけに
「え!?物件で解決すんの!?」って意外な気持ちになる展開だな…次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第89話

さてらーめん再遊記89話の感想ですが、前回ラストで小宮山さんが秘策として語っていた物件が今回お披露目となりましたね
この物件を使えば繁盛間違いなしとのことでしたが…いやちょっと待ってくださいよ!
ただのさえないビルにしか見えないんだが!?
原田の反応にしても、「こんなボロビルで店を…?」って言ってるし、マジでさえないボロビルって感じの物件ですが…

「最近、ここの4階の店舗が空いたそうでして」

「4階!?おいおい小宮山!4階なんて客が来るわけねぇだろ!?」

「エレベーターもないみたいじゃないですか…」

ってさらに、そんなボロビルの4階で店を出そうと言い出した小宮山さん!
ちょっと待ってくださいよ!ビル4階でエレベーターなしの物件っていうと
以前ゆとりちゃん達が大苦戦したことのあるクソ物件じゃないですか!

 

その時の様子がこれですよ、前シリーズのらーめん才遊記3巻のエピソードで
エレベーターなしのビル4階で店を出しているラーメン屋を繁盛させようとしたものの
「わざわざ4階まで登ってラーメンを食べに来てくれる客なんてめったにいない」という問題を克服できず途方に暮れてしまい
最終的に「ラーメン屋じゃ無理だから居酒屋にしようぜ!」って居酒屋に改造することで解決した
っていう話だったんですよね



つまりこの時、ゆとりちゃん達は「4階の居酒屋」なら繁盛させることはできたものの
「4階のラーメン屋」を繁盛させることは出来なかったんですよね
居酒屋の力でどうにかしたもののラーメン屋では無理だったっていう、そんなゆとりちゃん達ですら克服できなかったクソ物件を
「この物件なら繁盛確定ですよ!」って持ってきただとォ!?
どういうことやねん小宮山さんよ!繁盛なんてものとはほど遠いクソ物件としか思えねーぜ!

「確かに普通なら有り得ませんが…
 実はこのビル、食い道楽なオーナーさんの方針で、個性的かつ美味しい飲食店ばかりを集めてるんですよ。
 このビルでの繁盛を足がかりにして名店に成長したお店も多く、食通の界隈では隠れた聖地として知られているんです。
 つまりここのお店なら、4階とか関係なく料理さえよければ集客が保証されるってことです!」

がしかし、今回のビルには普通のビルとは違う特徴があると語る小宮山さん。なんと食通にとっての聖地として知られているほど
一味違う名店が集められたビルであり、4階だろうとなんだろうとグルメ好きの客がぞろぞろ来てくれるという…
うーむ、そんな特殊なビルだったとは。要するに普通の客は4階のラーメン屋になんて来ないけど
物好きな客だったら来てくれるということで、このビルはそういう物好きなグルメの客が大勢集まる聖地だってことですね

それと、前回小宮山さんは「この物件なら万人向けなんてことを気にしなくていい」とも言ってましたが
その理由っていうのもやはり、主な客層が物好きなグルメ達だからってことですかね
万人向けっていうのは一般人の食べやすいものだろうし、ここでは主な客層が物好きなグルメ達だから
万人向けとか気にせずレベルの高い味を追求すれば評価されるってことだろうか



そんなビル4階の物件について、オーナーのおじさんに案内してもらいながら見て回ることになった一同。
オーナーのおじさん曰く、この4階では前までトルコライスの店をやっていて
あまりの繁盛ぶりに客が入りきれなくなって移転していったんだという…
マジか、つまりここの4階で大繁盛してたって実績がもうすでにあるわけだ
そうとは知らず「繁盛とはほど遠いクソ物件」とか言って申し訳ありませんでした(えー

「空き店舗が出たら小宮山くん達に相談することにしてるんだけど…原田くんのことを聞いて、二つ返事でOKしたよ」

「えっ」

「一発OKなんて初めてのことですよ、普段は候補をいくつか挙げてから絞り込むんですけど…」

「それは、なんでまた…?」

「実は僕ね、1度だけ麺窟王で食べたことがあるんだ。
 その時は鹿の骨を使った鹿白湯ラーメンが出てきてね、あんなの初めてで驚いたしすごく美味しかったよ。
 ところが、しばらくしてまた行ってみたらお店はなくなっていた…」

「面目ないです、どうにも客が入らなかったもので…」

「もっと早く再訪してウチに誘うべきだったと後悔したよ。
 麺窟王みたいな店を応援したくてこのビルをやってきたのにって…」

そんなビルのオーナーですが、かつて原田のラーメンに魅了された過去があったようで、
原田の店が潰れたと聞いた時はたいそう悔やんだんだとか…
だから今回、繁盛すると評判の聖地を原田に喜んで提供してくれたというわけか



そんな話を聞いて赤面照れ顔になってしまう原田。照れ屋かよ原田!
原田のやつ、人間味のある部分がどんどん出てくるなおい!
もはや初登場時の荒みきった暴君みたいな雰囲気すっかりなくなったな!



「だから原田さんが復活するというのは本当に嬉しい。あなたさえよければ、今度こそここで麺窟王をやってほしいな」

「(じわ…)あ、ありがとうございます!ぜひやらせていただきます!」



って、オーナーからの温かい話を聞くうちに、感激のあまり目に涙を浮かべて深々と頭を下げる原田!
えっ、ちょっ、原田お前、人間味があるって言ってもそこまで行っちゃうと
なんか逆にわざとらしく感じるんだが!?(えー

あの原田がここまで感激する…?あの荒みきった暴君のようだった原田が…?
って、俺としてはなんか逆に引っかかるシーンに思えてきましたね。これで本当に感涙してるんだとしたら
俺が無駄に勘ぐってる冷たい奴ってことになってしまうわけだが…(えー

「恩に着るぜ小宮山、これ以上ない物件にオーナーじゃねえか!さすが飲食店再生師!」

「いやいや、麺窟王が凄かったからこそですよ。
 さて物件も決まったことだし、肝心のラーメンについても相談したいんですけど…
 これは昔、僕が麺窟王で食べたラーメンの数々を書き記しておいたノートです」

「これは貴重な記録ですね〜」

「わざわざこんなの書いてたのか?どうかしてるぜ」

「そんなぁ」

「まぁ助かるけどな…俺は忘れてるラーメンも結構あるし、ただ昔の遺産で勝負するようなことはしたくねえな。
 これは似たようなことをしないための戒めにさせてもらうよ」

って、店で出すラーメンについて相談しようと、過去に原田が作ったラーメンをまとめたノートを手渡した小宮山さんですが、
しかし原田は「わざわざ書くほどか?」とさっぱり興味を持ってないようで、せいぜいこんなラーメンとは同じものを作らないようにするという
ネタ被りを避けるような確認程度にしか使う気はないという…なんか大丈夫か原田のやつ?
このところ「俺はこんなラーメン作りたくねえな」とかそんなことばっかり言ってる気がするんだが?
ちゃんと作りたくなるようなラーメンはあるのか…?どうも不安になってきたぜ…

「昔も今も、俺のやりたいことは変わらねえ。
 ラーメンの可能性の追求だ」



そんな中、ビシッとした表情で自分のやりたいことを語る原田でしたが…
なんか言ってることふわふわしてるんだよな…(えー
具体的にどういうラーメンが作りたいって話が出てこないから、実際どうする気なんだろう…って不安がつきまとうというか
あと和文がなんかアホっぽい反応してるのも気になりますね、まんまと乗せられちゃった奴みたいな、これはもう失敗するフラグなんじゃないですか!?
なんとも奇妙な不安がつきまとう状況になってきましたが、本当に大丈夫なんだろうか…



そんな一方で、芹沢サンと有栖サンのところに1人の女性が訪れていました。
この女の人はあれですね、今まで無職の原田と同棲して養ってあげてきた人ですね
それが麺窟王のことで相談したいことがあると、なぜか芹沢サン達のところへやってきたようですが…

「芹沢さん、有栖さん、どうか原田を助けてやってもらえませんか!」

「は…?」

って、なんだか妙に切羽詰まった様子で「原田を助けてほしい」と言い出した女の人。
やっぱり今の原田は順調に店が成功するような状況じゃないってことなのか…?
突然こんなことを言われた芹沢サン達は、なんで助けが要るのかわからずキョトンとした反応をしてますが…

「僕はラーメン評論家で現場の人間ではありませんし…
 それに原田さんには小宮山くんがついてるじゃないですか」

「小宮山さんでは多分ダメです」

ゲー!?こ、小宮山さーん!?
なんと女の人からアイツじゃ話にならんとダメ出しを食らってしまう小宮山さん!な、なんでや!小宮山さんの何がアカンのや!
小宮山さんは今回、繁盛間違いなしの物件を見つけてきてくれる働きをしてましたが、そんな働きをしてること自体が的外れだということなのか?
原田にはもっと別の形で関わるべきだったのか…?ともかく芹沢サン達は、女の人から詳しい事情を聞いてみることにしますが…

「…驚きました…まさか、あの原田さんが…
 小宮山くん達でどうにかうまくやってほしいですが、もし彼女の不安が的中してうまく行かなかった場合はどうしましょう?
 僕らに何かしてあげられることは…」

(原田に俺がしてやれること…介錯してやることぐらいか…)



ええええ!?介錯!?
なんと事情を聞いた芹沢サンは、深刻な面持ちでもう介錯してやるぐらいしかできないと言い出すことに!
そんなに手遅れなんか今の原田は!?何がそんなにアカンのや!?

俺としては、これまで原田を見てきて思ってたことは
こいつ作中最強ポジションで万人の形式を作り変えるほどのメチャすごいラーメン作るんやろなーとかだったから
完全に予想外れててすっかり困ってるんだが…(えー

うーむ…どうやら考えを改めなきゃいかんか…原田の何がそんなにダメで、どう介錯が必要なのかっていうと
とりあえず俺がひねり出した仮説は2つですね。まず1つ目は原田悪人説。
これまで原田は「意外と人情味のあるヤツ」という描写がされてきましたが、実はそれは演技で小宮山さんたちを騙しているというパターンですね
今回ウルウル泣いてたシーンで「ほんとに泣いてんのか?」と思ってしまったので、そういう可能性あるのかなと…
そんな悪の道に落ちた原田に芹沢サンが引導を渡すってパターンがこれです

ただ、原田悪人説の場合、「小宮山くん達だけでうまくやってほしい」って言ってる有栖サンの反応について
そんなこと言ってる場合なんか?って感じるというか、
起きると分かってる悪事を見過ごして「小宮山たちでなんとかしろよ」って、さすがにそれはないんじゃないかって思うんですよね…
自分で言うのもなんですか原田悪人説はぶっちゃけ可能性低そうだなと…(えー

なのでそれとは別に、2つ目の説についても語っておきます。
それっていうのが原田はもう作りたいラーメンが何も見つからない説。
今回見てて引っかかったのが、原田が今まで自分の作ったラーメンにすらまったく興味を持っていなくて
「あれも作りたくない、これも作りたくない」ってことばっかり言ってることなんですよね

じゃあどんなラーメンを作りたいんだっていうと、可能性を追求したいっていうふわふわした発想しか出てこなくて
もう原田にとって作りたいラーメンなんてないんじゃないかって思い始めたんですよね



「要するに、オマエには本当に作りたいラーメンがないんだよ!」
と以前芹沢サンは藤本クンに言い放ったシーンがありましたが
これと同じセリフを原田にも言うことになるっていうのが、原田を介錯するっていうことなのかなと。
思い返してみれば、店を潰してからの原田って自分のラーメンにも他人のラーメンにもひたすらダメ出ししかしてないんですよね

芹沢サンが屋台で出してたラーメンについては
「ひっでえもんだったな、あのラーメン!あれ考えたやつはとんだ詐欺師だぜ!」

自分で作った生姜焼きラーメンについては
「これぐらいのラーメンはしょせんウォーミングアップのお遊びだ」

多種多様なラーメン屋をあちこち食べ歩いた時には
「俺が昔作ったことがあるようなラーメンがほとんどだったな。あんなんでいいならなんとかなると思う」

最近売れている家系・二郎系ラーメン、ハイスペック醤油・ネオレトロ系ラーメンについては
「どっちのラーメンにも興味がねえし、そういうラーメンが幅を利かすのも嫌だ」

自分がこれまで作ったラーメンをまとめたノートについては
「わざわざこんなもの書いたのか?昔の遺産で勝負するようなことはしたくねえな」

っていう風に、もう全部のラーメンがダメだとか嫌だとか言ってる状態なので
マジでもう原田にとって作りたいラーメンなんてないんじゃないかと思うんですよ
ちなみに、まだ若かった頃の原田は、他人のラーメンを食べてメチャメチャ感激するシーンがあったんですよね



それがこのシーンです。芹沢サンのラーメンを食べて「スゲェじゃねえか!メチャクチャうめえよ!」って感激しながら食べていたっていう。
しかし今の原田は、こんな風にラーメンを食べて感激する気持ちをすっかりなくしてしまって
どんなラーメンを食べてもまるで興味が湧いてこないって状況になってしまったんじゃないかなと。



俺が特に気になったのは、この画像のゆとりちゃんの店と米倉の店に対してなんの興味も示さなかったっていう場面でして
なにしろゆとりちゃんや米倉っていうのは、芹沢サンに匹敵するほどハイレベルなラーメン屋のはずで、
特にゆとりちゃんは、なんなら芹沢サンを超えてるぐらいの域にいるはずなんですが
それに対しても興味を示さないってなると、もはやこの世のどんなラーメンにも興味がないって状況に陥ってしまったんじゃないかなと。

それほどまでに原田があらゆるラーメンへの興味をなくしてしまった理由としては、
原田の理想があまりにも高くなりすぎてしまったからだと思うんですよね
理想の高さがどこまでも高くなりすぎて、もはやこの世に存在するものすべてに満足できなくなってしまったっていう。

理想が高すぎるっていうと、たとえば婚活やってるおばさんが
若くてイケメンで背が高くて頭も良くてスポーツ万能でお金持ちで家事が得意で
友達が多くてでも私にだけ優しくしてくれる結婚相手が欲しいです
とか言い出したら、「理想高すぎるだろ…そんなやつ現実にいねえよ…」って思うじゃないですか
要するに原田はそんな状況になってしまったんじゃないかと思うんですよ

高すぎる理想を持つがあまり、もはや現実に存在するはずもないラーメンを夢見るようになってしまったっていう。
芹沢サンが言ってる「原田を介錯する」っていうのは、現実を無視して理想だけを持ってても仕方ないってことを
原田に実感させるってことを言ってるんじゃないのかな
なんか思ったより力説してしまいましたね、これで外れてたら俺の赤っ恥ですが、果たしてどうなるか…次回に続く!


・ラーメン再遊記の感想検索でここを見つけたので初コメント
 89話なんですけど……実は同じようなことを考えていました……
 原田さん、なんか『「創作ラーメン」の枠』に嵌ってるんじゃないかなって……何となくチラホラそんな節があるんですよね
 自分でラーメン界の世論を変えようとする気概に欠けているというか……
 「状況が変わってたら自分なりの万人受けにチャレンジしてみるのも〜」ってつまり自分じゃ状況変えられない、変えるつもりが無い事の裏返しに見えますし……
 あと気になるのは原田さんの中の芹沢さんのイメージは「濃口ラーメン」で止まってるから
 「淡口・極」も「濃口・解」も知らない、食べてないんじゃないかなって所ですかね
 再会のシチュエーションもある意味最悪だったし…… by コロ介

コロ介さんこんにちは、どうやら検索で初めてやってきてのコメントでしょうかね、ありがとうございます
らーめん再遊記の感想に共感してもらえたみたいで、原田と芹沢サンのメンタルの違いについて書かれてますね
言われて思ったんですが、原田と芹沢サンってラーメンに対する姿勢がまったく違うんですよね



たとえば芹沢サンは自分のことを
「俺は好きなラーメンを好きに作りたいだけのラーメン馬鹿だ!」と言っていたわけですが
それに対して原田っていうのは、
「俺にとってラーメンはもう好きとか嫌いとかじゃない…業みたいなもんだ…」と語っていて



ラーメンのことをもう素直に好きと言えないような状態になってしまったと思うんですよね
これが2人の大きな違いというか、芹沢サンって割といろんなラーメンを美味い美味いって食ったりすることがあって
たとえば安物のチェーン店でタンメン食った時や、安物の袋麺でチャルメラ食った時も美味いって言ってたわけですが



原田はこんな風に「このラーメン美味いわ」ってことを全然言えなくなってしまったように思うんですよね
どのラーメンを食べてみても「こんなラーメンは気に入らねえな」みたいに、すっかり満足できなくなってしまって
純粋にラーメンを好きだった時の気持ちを取り戻せなくなってしまったという…



昔の原田なら「メチャクチャうめえよこのラーメン!」と素直に言えていたのに
今ではそれが言えなくなるほどに変わってしまったから
「もう原田は介錯してやるしかない」と芹沢サンに言われるようになってしまったっていうことなのかなと…
まあ、これだけ熱心に語っておきながら外れてる可能性もあるんですけどね(えー
それが展開予想の恐いところだよな…原田のことはかなり頑張って予想したから、せめてカスッてるぐらいには当たっててくれると嬉しいんだけど…

ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第90話



さてらーめん再遊記90話の感想ですが、今回の話は原田達のところに芹沢サンがやってくる回となってますね
原田へ引導を渡すという考えがあるためか、ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべながらやってきた芹沢サン。
それに対して原田はめっちゃ嫌そうな顔してますね
まあ過去にケンカ別れした身だし、芹沢サンの顔を見るのも嫌だっていうくらい毛嫌いしてるってわけか

「なんの用だ」

「そう怖い顔すんなって。今度、月刊街食通信という雑誌で90年代ラーメンの特集をやるそうでな。
 俺や有栖くんも関わることになったんだが…原田、その誌面上で俺と創作ラーメン勝負をしろ」

「なにぃ…?」

「20数年もの間、お互いにモヤモヤした思いを抱え続けてきたわけだが、
 つまるところラーメン屋の優劣はどっちが美味いか不味いかだ。白黒はっきりさせようじゃないか」

そんな芹沢サンですが、ラーメン雑誌の企画を利用して俺たちでラーメン勝負しようぜと原田に持ちかけてますね
ふむ、原田に引導を渡すためにはまず対決の場を用意する必要があるから、そのために雑誌の企画を使おうってわけか
この話に原田が乗ってくれれば、芹沢サンとしてはしめしめといった感じですが…

「なんなんだその子供じみた理屈は?何を企んでるのか知らんが俺は忙しいんだ」

「時間がないなら、新生・麺窟王のラーメンをそのまま出してくれればいい。とうぜん自信作なんだろ?」

「断る」

「いい宣伝にもなるぞ、なにせニューウェイブ系の頂点に君臨するカリスマと、
 25年ぶりに復活する天才による因縁の対決だからな」

「バカバカしい。そんな茶番に付き合えるか」

って、まったく芹沢サンの誘いを受ける気がない原田!
ここまで相手にする気がないとは!?芹沢サンとしては完全に思惑が外れた形ですな
それにしても、「店で出すラーメンをそのまま作るだけでいいんだぞ」と言っても
それでも嫌だとまったく作る気がないとは…前々から気になってることなんですけど、原田ってほんと
この店でどんなラーメンを出すのかまったく見えてこないですよね
そこが原田のことで一番妙な部分なんだよな…もう店を出す寸前まで来てるというのに、肝心のラーメンがまるで見えてこないっていう。

「小宮山はどう思う?」

「えっ?まあ確かに…飲食業界に強い影響力のある月刊街食通信を舞台に、
 原田さんが芹沢さんに勝ったりしたら、新生・麺窟王の大きな強みになりますが」

「だろ?もし負けても両者を立ててる記事になるだろうし、メリットは少なくないはずだ」

そんな中、原田に言ってもラチがあかないので小宮山さんへと話を振る芹沢サン。
すると小宮山さんは、「確かにメリットのある勝負ですよね」と、損得からあっさりと芹沢サンの話に賛同してますね
これ絶対「小宮山ならこう言うだろう」って見越して話振ったよな芹沢サン…小宮山さんって扱いやすいやつなんやな…(えー

「なんでそうも食い下がる?まさか勝負にかこつけて、俺を裏切った罪滅ぼしでもしたいのか?」

「罪滅ぼしだと?そりゃ、あべこべだ…俺はお前を罰してやりたいんだよ」

「なに…?」

「確かに昔、俺は理想を曲げて妥協し、お前は理想を貫いた。だが結局それからどうなった?
 
俺は濃口らあめんで稼いだ金で、淡口らあめんという理想を磨き、数多の創作ラーメンをも生み出した。
 店は繁盛し天才ラーメン屋と称えられ、尊敬と羨望を一身に集めた。まさに勝ち組だ。
 対してお前はどうだ?麺窟王が閉店してからの25年間、女に食わせてもらいながら遊んでただけだろう。
 毎晩タダ酒を飲んでは、麺窟王時代の自慢話でもしてたのか?結構なご身分だな」

って、まだ勝負に乗り気じゃない原田に対してめちゃめちゃに煽り始めた芹沢サン!
「25年も無職でタダ酒飲んでただけの分際で何を偉そうにしてるわけ?」
と、原田の痛いところをグサグサと突いていくことに!こ、これは…どうにかして原田に火をつけようと、わざと憎まれ口を叩きまくってるようですな…

「賢明な現実主義が勝利し、愚かな理想主義は敗北した。
 結局これが俺とお前の間にあったことの全てだ。
 なのにお前は俺を汚い商売人のようにみなし、
 自分はピュアなアーティストのつもりでいるようだが…片腹痛い。
 お前はただの負け組!ただのクズだ!」

「…芹沢ぁぁっ!!この野郎っ!!ブッ殺してやる!!」



って、そんな芹沢サンからの挑発にキレまくる原田!完全に頭に血が登ってしまった結果、
「芹沢ブッ殺す」という気持ちにかられて、芹沢サンを叩きのめすために勝負を受けることに!
勝負を受けさせることにはどうにか成功しましたが、その代わり原田との関係はますます険悪になってしまいましたな…

「原田さんとそんなことに…」

「ああ…」

「おそらく、つらい役回りになりますね…」

「仕方ないだろう…これは俺がやるしかない」

ともかく原田と勝負する流れを作った芹沢サンですが、わざわざ憎まれ役になり、さらに原田に引導を渡すという役目を担うのは
さぞつらいだろうと有栖サンから言われることに。しかし芹沢サンは、「つらくても俺がやるしかない」と覚悟を決めているようですね
芹沢サンがここまでして原田に引導を渡そうとしているのはなんなのか…

とりあえず俺の仮説としては、「原田悪人説」「原田にはもう作りたいラーメンが見つからない説」がありましたが
俺としてはまだどっちの可能性も捨てきれないなぁと思ってるんですよね
まず原田悪人説の方は、芹沢サンがあれだけ原田に引導を渡そうとしてることが根拠になりうるというか
「原田はもう悪人だから終わらせてやるしかない」っていう覚悟の行動のようにも見えるし

その一方で、原田にはもう作りたいラーメンが見つからない説についても、今回気になるシーンがあったんですよね
それが「新生・麺窟王のラーメンをそのまま出すだけでいい」「断る」って原田が勝負を断ってた場面で、
新しい店で出すラーメンをただ出すだけでいいと言っているのに、それすら断るっていうのは
原田はまだ店で出すラーメンが決まってないんじゃないかって思ったんですよね

今までも原田は新作ラーメンについて、具体的にどんなものを作るのかまったく見えてこない状態が続いてましたが
今回もまた勝負を断り続けて、新作ラーメンを作る素振りをまったく見せなかったので
原田には作りたいラーメンが見つかってないんじゃないかなと…

ただ、その部分は原田悪人説の根拠にもなるというか、
もしも原田が新作ラーメンなんて作ろうとも思ってない悪人だったとしたら、
やっぱり新作ラーメンの話題をはぐらかして勝負を避けようとするだろうなと思ったので、
本当に原田が何を思ってるのかはまだ俺にもわからない状態ですね

いやこの原田編めっちゃ面白いわ
いったい原田が本当は何を思っているのかってことが、いい感じに謎に包まれてて
その部分をあれこれ考えながら読むのが楽しいっていうかね。正直らーめん再遊記の中でも一番好きなエピソードかもしれん
あれだけ迷走してたカップラーメン編の直後にこれが出てくるってすごいよな(えー
一番ダメだと思ったエピソードの直後に一番いいエピソードが出てきたって感じだわ

「ところでニューウェイブ系サバイバーの件だが、あれからどうなった?」

そんな原田の話から話題が変わって、有栖サンにニューウェイブ系サバイバーとやらの話を降る芹沢サン。
どうやら、かつてニューウェイブ系ラーメン屋として繁盛した店が、今どう生き残っているのかということを調査する話のようですね
芹沢サンも有栖サンも、最近はそれをテーマにして調査を進めているようで…

「ふむ…味に関係なく、駅近などの好立地の店は高確率で生き残ってるな。
 逆に立地が悪いと、かつて繁盛していた個性的でうまい店でも閉店しているケースが多い…」

「遠方からマニアがやってくるタイプのお店がそうですね。
 大抵のマニアは新店嗜好が強く、何回か行った悪立地の店には徐々に来なくなるものですから…
 芹沢さんが行った麺屋しんかいざんもそうでしたが、
 独創的だったラーメンをオーソドックスな醤油ラーメンに変えるなどして、
 周辺住民が普段使いする店に転換することで生き残ったと」

そんな2人の調査の結果、まず第一に言えることは
立地の悪い店はどこも潰れてるということで
駅から遠かったり立地が悪いと、物好きなマニアがやってくることはあっても、やがてそれは続かなくなってしまうようです

そんな状況になってしまった場合、マニア受けする個性的なラーメンよりも
周囲の住民に受けるようなオーソドックスなラーメンを作らないと生き残れないと…ちょ、ちょっと待ってくださいそれって
モロに原田達の店にぶっ刺さる話じゃないですか!?

なにしろ原田達がやろうとしてる店って、駅からクソ遠くて立地悪いわ、マニア受けしかしない個性的なラーメン作ろうとしてるわって
モロに店が潰れる条件をいくつも満たしてるような状態やで!?
やっぱ小宮山さんが持ってきたのはクソ物件だったんか!?(えー



そして今回ラストシーン、「今の時代って型にはまることの方が大事なんじゃね」という一言をつぶやく芹沢サン。
そんな一言を言いながら何か気づいたようで、もしかしてこの発想が原田とのラーメン勝負につながるってことでしょうか
やたら個性的なラーメンを作ろうとする原田に対し、芹沢サンはあえて型にはまったラーメンで勝負するみたいな…
一体どういう結果になるんだろう。早ければ次回あたりもうラーメン勝負が始まるんでしょうかね?次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第91話

さてらーめん再遊記91話の感想ですが、今回の話は店の開店準備が進む中で、肝心のラーメンはどうなのかと小宮山さんが尋ねる展開となってますね
いよいよ突っ込まれることになってきたな!「具体的にラーメンどうすんの」ということを!
それについて「ぼちぼち考えてる」と、今回もまたはっきりしない物言いをする原田ですが、
もうそんなこと言ってられる時期じゃないと小宮山さんに突っ込まれてしまいます

「原田さん…!もうオープンまであと2週間!その前に芹沢さんとの勝負もあるんですよ!?」

「俺を誰だと思ってる?アイデアの100や200、とっくに思いついてるよ」

って、「早くラーメン作れよ」という小宮山さんに対し、
「もうアイデアの100や200とっくに浮かんでるけど?」と余裕ヅラで返す原田!
何をお前できもしない強がり言ってんねん!(えー
本当はそんなアイデアなんかちっとも浮かんどらんのやろが!何を作ったらいいのかわからず苦しんでるっていう状態なんじゃねーのか!?



このニヤつきながら言ってる原田の態度、完全にただの強がりで虚勢を張ってるか
もしくはラーメンなんか最初から作る気ないかのどっちかだな…
例によって、「原田は作りたいラーメンが見つからない説」と「原田悪人説」のどっちかに見える場面ですね
この仮説もどっちか片方に絞るのがなかなか難しいよなー

「小宮山…麺窟王が閉店する最後の日、食ったラーメンを覚えてるか?」

「もちろんですよ!あれほどまでに独創的なラーメンは後にも先にも食べたことがありません!」

「俺はな…あれを超えるラーメンを作りたいんだ。すまんがもう少し時間をくれ」

そんな中、以前の店が閉店する最後の日に作ったラーメンについて触れる原田。
あのラーメンはもはや究極の出来ばえだったと色んな人が言っていますが、
しかし原田はそんな究極のラーメンすらも超えたいと思っているようですね

ただ…それを超えるアイデアなんてものはこの世に存在しないと俺は思うんですよね
それこそが「原田は作りたいラーメンが見つからない説」のキモとなる部分なので
この部分にこだわっている原田の様子からして、やはり作りたいラーメンが見つからない説の方が有力って感じかな



って、ここで場面変わって近所に新しくできたラーメン屋を訪れていた芹沢サン。
「拉麺みずとり」という店のようで、どうやら見た目にこだわったラーメンを出しているようですが…

「これじゃあダメ!ちゃんと麺が揃ってないよ!」

「あっ、すいません」

(おいおい…いつまで麺を揃えてるんだ?そんなことをしていたら麺の表面は荒れるし、スープも濁ってぬるくなる…
 なっ、今度は具の盛りつけ指導をしてやがる!もう麺があがって3分は経ってるぞ!?)

そんな拉麺みずとりですが、見た目にこだわるあまり「それじゃあ味が落ちるだろうが!」っていうくらい
仕上げにモタついてしまう欠点があるみたいですね。芹沢サンとしては「仕上げなんかいいからさっさと持ってこいよ」と
だいぶイライラしてしまっているようで…

(案の定ぬるい…チンタラしてるからだウスノロどもが!麺全体もくっつき気味…
 麺同士が密着するような盛り付けの場合、グズグズしてるとこうやってくっついてしまう!わかれよそのくらい!
 うう…もう麺は伸びてブヨブヨ、濁ったぬるいスープと相まって、えもいわれぬマズさだ…)

そして実際に味わってみたところ、スープはぬるくて麺は伸びてると
すっかりマズい仕上がりとなっていたみずとりのラーメン。
見た目だけにこだわってて味はダメダメという、そんなラーメンになってしまってるようですが…

「フフ…勝負に出すラーメンが決まったぞ」

って、そんなみずとりのラーメンを食べたことで、勝負に出すラーメンは決まったとほくそ笑む芹沢サン!
一体どういうこと!?なんでこれでラーメンが決まるんですか!?
見た目だけにこだわって、スープはぬるくて麺も伸びてるというラーメンから一体何を掴んだっていうんだ…?
正直これに関してはまったくわからんな…



それから数日後、いよいよ原田との勝負当日となり、会場となる原田の店へとやってきた芹沢サン。
芹沢サンとしては準備万端のようで、仕込んできたスープやらを部下の男たちに持たせてますね
審査員のメンバーたちもすでに揃っており、あとは原田を待つだけとなりますが…

「…あのバカ遅いな。約束の時間はとうに過ぎてるのに」

「お疲れさまです、原田はどこに?」

「まだ来られてないですよ」

「え…?あの人ゆうべ、店に泊まり込んで勝負の時間ギリギリまで試作するって出て行ったんですけど…」

「…それは変ですね、さっきの私の荷物を運び込むまで、厨房に調理器具は一切なく冷蔵庫もカラ…
 試作していた形跡などまったくありませんでしたが…」

って、お、おい!?原田のやつ勝負バックレて逃げ出したんか!?
約束の時間になっても現れず、この店で試作すると嘘をついて行方をくらましていたとは!?
マジかよここにきて原田悪人説が有力になるのか!?(えー

原田悪人説、さすがに可能性低いだろと思ってそろそろ否定される流れかなと思ってましたが
まさか逆にその説が濃厚になってくるとは…嘘だろ原田…



もしくはこの不穏なムードは、わざと悪人説へと思わせるようなミスリードで、
原田は今も新しいラーメンが思いつかずに苦しんでいるとか?そっちの可能性も捨てきれないんだよな…
いやーマジで悪人説と作りたいラーメン見つからない説の両方捨てらんねえ!
まさかこれほど話が進んでも両方の説が残り続けるとは。原田の真意がなんなのかっていうのは、この原田編の一番の謎だな…
いよいよ次あたりでそれが明らかとなるんでしょうか。次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第92話



さてらーめん再遊記92話の感想ですが、今回の冒頭は原田と親しい柴崎さんが原田について語ってる場面から始まってますね
それによると、なんと原田は店を復活させようとしては挫折することを25年間もひたすら繰り返していると…
マジかよ復活しようとしたのは今回が初めてじゃなかったのか!?何度も何度も同じように失敗してるっていうのは予想してなかったな

「ここ10年ほどは私もその顛末に立ち会ってきましたが…
 今回原田がその気になったのは、東京ガストロノメンと麺屋なでしこという
 二軒のラーメン屋に行ったのがきっかけなんです」

『びっくりしたぜ!二軒とも実験的で尖った創作ラーメンを出してんのに大繁盛してるんだ!
 あんな連中が現れてくるとは、ようやく時代が俺に追いついてきたんじゃねえか?』

「と、今こそ麺窟王の復活の時だと張り切りだして…」

さらに今の原田がやる気になった理由は、米倉の店とゆとりちゃんの店に行ってメチャメチャ感動したからだと…
マジかよ原田のやつ、あの2つの店のことそんなに好きだったの!?
何話か前にその2つの店について語った時は、まったく興味なさそうなツラをしてましたが
これ必死に興味ないフリしてただけってこと!?(えー



「あの2軒をそこまで評価してたんですか…」

「僕、原田さんから行ったことあるとは聞いてましたけど、あまり話したがらなくてさほど評価してないのかと…」

「ひねくれ者の見栄っぱりですからね。他のラーメン屋さんに触発されたなんてきっと言いたくなかったんですよ」

そして原田が必死に興味ないフリをしていた理由については、「ひねくれ者の見えっぱりだから」と説明する柴崎さん。
マジかよ原田、あんな無気力そうな顔をして一生懸命見栄を張ってたんやな…(えー
そういえば原田のやつ、新作ラーメンの進み具合は大丈夫かと聞かれた時も
「アイデアの100や200はとっくに思いついてる」とか強がり言ってましたっけ
あれとかまさに見栄っぱりな部分そのものだったんや!



「で、原田は小宮山さんに協力をお願いしたわけですけど…実はこれっていつものパターンなんです…」

「え?」

「再起を決意してどなたかに協力を仰ぐと、みなさん天才の復活だと大盛りあがり…
 でも土壇場になると、あの人はいつもある理由から投げ出してしまうんです」

「ある理由…?」

「原田はずっと麺窟王が閉店した日の最後のラーメンを超えようとしてきましたが…
 いつもそれは果たせず、今回もまたダメだったんでしょうね…」

そして原田が失敗するいつものパターンとは、協力者に頼んでワイワイ盛り上がりながら復活を目指すものの
かつて店を畳んだ日に作った「最後のラーメン」だけはどうしても超えられず、いつもそこで挫折してしまうと…
なるほど、ここだけは俺の予想合ってましたね
原田の中に最後のラーメンを超えられるようなアイデアはないんだろうっていう。とりあえずそれが合ってたのは安心だわ

「あの、ちなみにその最後のラーメンとは一体どんなものだったんですか?」

そしてここで、原田の作った最後のラーメンが一体どんなものだったのかと触れられていくことに。
俺もそれずっと知りたかったけど、あえて語らないのかなと思ってたから、今回いよいよ明かすことになったのは驚いたな
 
 

まず見た目についてはこんなような…ってなんやこれ!?
スープも麺も見えないような変な姿しとる!?パリパリの謎の物体にネギが乗ってるのか…?
うーむ、形からして普通のラーメンとはまったく違うものを作ったってことか。独創性にこだわる原田が究極を目指すとこうなるんやな

『こ、これは…?どんぶりが皮で覆われて…』

『それは皮じゃない。麺だ』

そしてパリパリの謎の物体についてですが、どうやらこれが麺だということで
これを少しずつ破りながら食べていくようです



そして麺の下にはスープと具が隠れており、それで麺に味付けしながら食べるってことみたいですが…

『う…美味い!!確かにこの味わいは中華麺そのもの!!
 モチモチした食感はすいとんやひっつみなども彷彿とさせるが…
 この独創性は、すいとん風ラーメンのような形容ではとても足りない!!
 すこぶる荒々しく野趣あふれる食体験は、未だかつてない美味領域へといざなう!!
 これは凄いですよ!ラーメンの可能性を突き詰めた、いわばラーメンの極北です!!』

そんな最後のラーメンを食べたことで、ひたすらにベタ誉めしていた有栖サン!
有栖サンといえば、絶品のラーメンを食べると大仏顔になるのが特徴ですが、この時は大仏顔になってないんですね
これって何か意味があるんだろうか、大仏顔になることを忘れるほどに美味かったとか?



「それほどのラーメンを生み出してしまったために、原田さんにとっては重い枷となってしまったわけか…」

「原田は…逃げたと言っても柴崎さんのところには帰ってきますよね」

「は、はい、今までを思えば、たぶん2〜3日もすれば帰ってくるかと…」

「改めてあいつに会わせてください。私のやることは変わらないので」

そして現在の原田の行方ですが、どこに行ったかは分からないけど2〜3日もしたら帰ってくるだろうとのことで
わりとすぐに帰ってくるんだなあいつ!?(えー
てっきり行方をくらまして、もう二度と戻ってこないぐらいの大ごとになるかと思ったら!
2〜3日したらもう帰るってプチ家出じゃねーか!!(えー
原田のやついちいちやることがネタっぽくて面白いな

「そういえば芹沢さん、原田さんの最後のラーメンは芹沢さんも食べてるものだと思ってましたけど、
 あの時にはもう2人は決裂してたんですよね」

「食ってるよ」

「えっ?」

「俺が麺窟王の最後の客だ」

そして原田が最後のラーメンを出した時のことについて、その時には原田と決裂した険悪な関係だったものの
最後の客として食べに行ったことを語る芹沢サン。
最後のラーメンに最後の客ってなんかグッとくるフレーズだな
どうやらその時のやりとりにも何かドラマがありそうですが、原田と芹沢サンの関係はどういう結末を迎えるんだろうか?次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第93話



さてらーめん再遊記93話の感想ですが、今回の話は行方をくらました原田が近所の店で麻雀をやっていたとバレる内容となってましたね
ラーメンのことで悩んでるのかと思ったら麻雀やって遊んでたのかよ!何をしとんじゃいお前ってやつは!
そんないい加減な原田に小宮山さん達はカンカンに怒ってますが、そうやって怒られると「悪かったよ…」と反省した様子になる原田。

なんていうか、こうやって反省した感を出されると、もしかしたらまともな奴に戻れるんじゃないかって
ちょっと期待感を持っちゃうのが余計タチ悪いですよね(えー
いっそのこと、反省せずに開き直るようなクズだったら「あいつはもうダメだな」ってきっぱり見捨てられるものを
原田って完全なクズじゃなくてちょっと反省したりするから、ほっとけない奴って感じで見捨てられないというか…
こういうところがヒモとして生きる秘訣なんだろうな…(えー

「すまん。こんなことに巻き込んでしまって…お前たちには本当に申し訳ないことをした」

そしてさらに反省の言葉を口にして小宮山さんたちに詫びる原田。
原田め…こうやってまた「ほっとけない奴」みたいな雰囲気をビンビンに出しやがって!
いっそのことクズだったらさっさと見捨てられるものを!(えー
なんていうか、芹沢サンが「原田には俺が引導を渡すしかない」って言ってたのも、なんだかわかる気がするな…

そんな原田ですが、「原田が見つかったら俺の店に連れてきてくれ」と芹沢サンに言われていたために
みんなに連れられてしぶしぶ芹沢サンの店へとやってくることに。
フラフラしていた原田もいよいよ芹沢サンから引導を渡されることになるんだろうか

「まずは、この前の勝負で俺が出すはずだったラーメンを食ってもらおう」



そんな中、原田との対決のために用意したラーメンを自信満々な顔で出してきた芹沢サン!
もはや出した段階で「俺の勝ちだ」ってぐらいのすんごい得意顔してますね…
それほどまでに自信たっぷりなラーメンとは一体なんなんだろうか

「大きなドンブリのギリギリまで脂っこい醤油スープで満ち、麺も具もたっぷりでボリューミー…
 今まで芹沢さんが作ってきたような、上品で洗練されたラーメンとは一線を画すルックスですね」

「味の方は…」



そして肝心の味についてですが、各キャラの様子を見てみるとなんとも不可解な反応をしてますね
「ん!?」とか「あれ!?」とか妙な味わいに驚いているような反応がほとんどで、
「スープも麺も美味しい〜!」と素直に喜んでいるのは柴崎さんだけという…
なんだろう、柴崎さんだけが喜んでるところを見ると、ラーメンに詳しくない人にとっては美味しいけど
ラーメンに詳しい人間にとっては「なんだこのラーメンは」って言いたくなる品ってことだろうか。たとえば芹沢サンの濃口らあめんのような…

あと柴崎さんを見てて思ったのが、このラーメンがどんな味わいなのかはともかく
「美味しいーっ!」って素直に言ってくれる女子キャラいるのいいよね



これに関しては以前に、前シリーズの佐倉サンを引き合いに出したことがあって
ラーメンのことには詳しくなくても、こうやって素直に「美味しーっ!」って言ってくれる女子がいると
なんだか読んでて気持ちが明るくなるよなって思うんですよね

「…食ってられるかこんなもん!!」

そんな中、芹沢サンのラーメンに激怒して「食ってられるか!」とまで言い出した原田!
原田てめえって奴は!お前も少しは「美味しーっ!」って素直な反応ぐらいしろや!(えー
味がわかるのかなんだか知らんが勝負から逃げた負け犬が偉そうな口叩いてんじゃねーぜ!
お前みたいなトンズラ野郎はこのラーメンを美味しく食べてればいいんだよ!

・芹沢が作ったラーメンは「原田の最後のラーメンとほぼ同じもの、ただし麺がふつうの麺」だったんじゃないでしょうか
 だから原田の感想は「食ってられるかこんなもん…!」
 芹沢がやる介錯とはやはり「お前はラーメンじゃ無くてもいいだろ?」というものでは by M

そんな芹沢サンの作ったラーメンについて、「原田の最後のラーメンと麺以外は同じものだったんじゃないか」というコメントが来てますね
ふーむ…俺はどちらかと言うと、原田のラーメンより「芹沢サンの濃口らあめんに近いんじゃないか」と予想しましたが、どうなんでしょうね
その辺りのことは次回で明かされると思いますが、果たしてどんな意味を持つラーメンなのか…次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第94話



さてらーめん再遊記94話の感想ですが、前回芹沢サンの出したラーメンについて
「食ってられるかこんなもん!」と原田が激怒した理由が明かされる回となってましたね
そんな怒りの理由とは「スープにたっぷりと化学調味料なんか入れやがって!」ということだったという…

か…化学調味料!ここで出てくることになるのか!
料理漫画において化学調味料と言ったら、やけに忌み嫌われていて執拗に叩かれてきたことで有名ですよね
化学調味料なんて使った料理人はもはや罪人のようなものみたいにボコボコに言われまくるっていう…

俺としてはそういう風に化学調味料が叩かれてる姿っていうのは
Vチューバーが過激なアンチに叩かれてる時と同じ気分になるっていうかな…(えー
「なんでそこまで執拗に叩く必要があるわけ?」っていうぐらい叩かれすぎだと思うんだよな
そんな叩く側に原田も参加していたというのは残念ですよ。お前もVチューバーアンチだったのか原田よ(えー

「あんなもんならいくらでも作れるぜ!化調入りラーメンで勝負とは俺をナメてんのか芹沢ぁっ!!
 昔、化調をどっさりブチ込んだラーメンを「舌バカどもが大好きなやつ」とあざ笑ってたのはお前じゃね―か!」

「フフ、君子豹変というやつだ」

「なにぃ!?」

そして怒りが収まらない様子で芹沢サンに詰め寄る原田ですが、芹沢サンは動揺する様子もなく涼しい顔をしてますね
それにしても原田のやつ、「こんなラーメンで勝負とは俺をナメてんのか!」ってブチ切れてますが
お前そもそも勝負のラーメンすら作らずに逃げ出したくせに偉そうなこと言うなや!(えー
せめてラーメン作ってから言えや!原田のやつ自分が「逃げて捕まった負け犬」だってことをわかってるんだろうか

「昭和の時代、大半のラーメンは麺もスープもお粗末なもので、
 味の決め手は化学調味料というまさにB級グルメだった。
 それが90年代に入り、食材や調理法にこだわることで化調に頼らなくなり、ラーメンは大きく進化した。
 しかし今や、無化調にこだわる意味がどれほどあるだろうか?」

「あん?」

「化調は体に有害だという誤解や偏見は未だにはびこっているが、安全性での問題はない。
 あと、昔からよく「化調を使うとみんな同じ味になってしまう」と言われるが、これも単なる言いがかりだ。
 そういう連中は、化調入りなら醤油ラーメンでも味噌ラーメンでも同じ味に感じるのか?ありえないだろう。
 旨味の塊である化調はむしろ積極的に活用すべきだ」


そしてこれまでのラーメンの歴史を振り返りながら、化調に対する考えを語る芹沢サン。
どうやら化調がそもそも叩かれる理由になったのは、昭和の時代に
ロクな工夫もなく化調だけに頼ったラーメンがはびこっていたからっていうのが大きいみたいですね

しかし長い時間をかけてラーメンもずいぶんと進化し、さまざまな工夫がされるようになったことで
「化調に頼らないラーメン」が作れるようになり、さらに言えば
「化調を効果的に活用したラーメン」も作れるようになったと芹沢サンは考えているようです
そういう化調を効果的に活用したラーメンと言えば、以前のシリーズで
ゆとりちゃんのママが作ってたことがありましたね



そう、ゆとりちゃんとママとのラーメン対決の時に、ママが出してきたものが化調を効果的に使ったラーメンであり
この時すでに「化調を使うことは悪いことではない」ってことを作中で語っていたんですよね
芹沢サンもまた、その考えは同調していて
「自分も場合によっては使う可能性がある」という風に語っていたわけです



そういう「化調を使う可能性がある」と以前に言っていたのを
実際に使ったのが今回のラーメンだったっていう風に
以前からの読者は「ついにあの伏線回収が…!」って感じるラーメンでしたよね

「原田、かつて俺たちはどうして独創的だったり無化調だったりにこだわった?
 とびきり美味いラーメンを作りたかったからじゃないのか?」

「…」

「それらは手段でしかないのに、お前の中では目的化されて身動きがとれなくなった。
 お前はもっと独創的なものではなく、もっと美味いものを目指すべきだった。
 そして美味ければ、それが化調たっぷりのラーメンだろうが構わないはずだ」

「あ、あんなラーメンでいいというのか!?」

そして芹沢サンいわく、目指すべきものは美味いラーメンなのであって、
独創的だの化調が入っているかどうかだの、そんなことは関係ないと語ることに。
なんだかちょっと分かる気がするなぁ。さっきVチューバーのたとえを出しましたが
俺はネットの動画というのは面白いものを目指すべきなのであって
それがVチューバーだろうが生身の配信者だろうが構わない
と思うんですよ

Vチューバーがどれだけ出てこようが面白いならそれでいいと思っていて
Vチューバーへの偏見で「出てきただけでぶっ叩く」とか、そんなことはバカげてると思うんですね
ラーメンにしても、化調を使っていようが美味いならそれでいいってことで
化調への偏見で「使われただけでぶっ叩く」とか、そんなことをはバカげてるということなんでしょう

「あれだけ自由なラーメン作りをしていたのに、独創性に呪縛されて自由を失ってしまったとは皮肉だな。
 俺は今や、化学調味料を喜んで使えるほどに自由だ」

「う…」

「ラーメンへの情熱さえ失っていなければまだ救いはあるのではないかと思ったが、
 何も作れず逃げ出したことでよくわかったよ。
 お前はエセ夢追い人の中高年フリーターどもと一緒だ。
 歳も歳だし必死になって夢に取り組むべきだろうに、のんべんだらりと暮らしている。
 とっくに落伍し夢を諦めているのに、単なる中高年フリーターの自分を受け入れられず、
 いくつになっても夢を追い続ける永遠の少年を気取って、せこいプライドを守っている」

「や、やめろ…」

「挫折の繰り返しでラーメンへの情熱などすっかり冷め、
 最後のラーメンを超えようと悪戦苦闘する天才を演じ続けてきたんじゃないのか」

「やめろって言ってるだろう!」

「数年おきに繰り広げられる復活劇は、信者たちに忘れられないためのパフォーマンスってとこか」

ああ、そして原田に対して「お前はダメ人間なんだよ」という事実をグイグイとつきつける芹沢サン!
え、えぐい…芹沢サンの言っていた「引導を渡す」っていうのはこういうことだったのか
自分がダメ人間という事実から目をそらしてきた原田に対し、「現実見ろよ」と現実をとことん突きつけるっていう
そのためのラーメン勝負だったんだな…



な、泣いちゃったー!!原田のやつ泣いちゃったよ!
芹沢サンの言いようがあまりにも効きすぎてしまったのか、「俺は何もできないクズなんだ…」とボロボロ涙を流すことに!
まさかこんなことになろうとは…俺としては正直ちょっと胸が痛むところあるな
なんでかって言ったら、原田の雰囲気ってゲーセン育ちの格ゲーマーに似てるんだよな(えー

そういう格ゲーマー達もちゃんと就職しないでゲーセンで遊んできた奴ばかりだから、
もしもプロゲーマーって制度がなければ今ごろ中高年フリーターになってたんだろうなって奴が多いし
ぶっちゃけダメ人間なんだけど、でもゲームをやらせたら俺たちなんかより遥かに上手いっていう特徴があって
ダメ人間な終わってる性格っていうのも、配信者としては面白かったりで、長所として使えることもあるっていうかな…

そう考えたら原田お前配信者向いてるんちゃうか?(えー
ダメ人間だけどラーメン作りは常人なんかよりはるかに上手いし、終わってる性格も面白く見せたら配信で受ける可能性あるで?
いっそのことラーメン系Vチューバーとしてデビューしたら?(えー
考えてみたら和文も配信者として成功してるわけなんだし、まずは和文とコラボして同接稼ぎをしてだな…
いやすいません、最近配信に毒されてるんで、油断するとこういう妄想が出てきちゃいますね…次回に続く!



ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第95話



さてらーめん再遊記95話の感想ですが、冒頭の場面は原田が泣きじゃくりながら芹沢サンの店を去る場面から始まってますね
なんてこった、前回芹沢サンからこっぴどくダメ人間っぷりを指摘されたのがあまりにも効いてしまったんや!
まさかこんなに子供のように泣きながら去っていくなんて、こうやって本心をさらけ出してわんわん泣いても原田はやはり
「フーースッとしたぜ」って復活するエシディシのようにはいかんかったか…(えー



「もう原田さんの才能は枯渇しているんじゃないかとは思ってましたけど…
 ラーメンの情熱をも失い、あそこまで無残なことになっていたとは…」

そんな原田の姿を見て、「才能が枯渇して情熱をも失い無残なことになった人」と語る有栖サン。
そ、そんな…あんたとんでもなく容赦ないこと言うんやな!?(えー
そこまで言うかオイ!?才能も情熱もなんにもなくなった奴ってそんな…いくらなんでもそこまで言わんでも…

「ラーメンに限らず、あらゆるジャンルでよくあることだけど…大きな才能の持ち主が若くして凄い仕事をやり遂げる。
 しかしどんな天才にも旬というものがあり、ピークの季節が過ぎ去ると…
 もっと凄いものを作ろうとしても作れず、スタンスを変えずにいると悩むばかりで何も作れなくなる…
 そして時間だけがむなしく過ぎ、残っていた才能もどんどん失われていく…
 なぜなら才能とは生モノだからね。努力して身につけた技術はそうそう腐らないけど…
 才能は思慮深く扱ってやらないと歳月とともに腐り、朽ち果ててしまう。
 原田さんはこういう天才の典型的な落とし穴にはまっているように思えたんだ」

そして「才能とは生モノである」ということを語り、注意深く扱わないとみるみる腐ってしまうと語る有栖サン。
才能とは生モノ…うーん…正直その感覚はよくわからんな…(えー
才能って、漫画の中とかではよく使われる言葉だけど、現実で才能を感じるような出来事ってほとんどないというか
才能うんぬんよりその人が今までどんな経験をしてきたのかってことの方がずっと大きく感じるから
人の才能の扱い方について語られても、そもそも人の才能とかあんまり感じないからわかんねぇ…って気持ちになっちゃうな

「まだ原田に情熱が残っていたなら、店作りを助けたりもしたかもしれないが…
 才能も情熱も完全に枯渇しているとわかったからには、
 ラーメンの道をきっぱり諦めさせ、麺窟王の呪縛から解放してやるのがヤツのためだ」

そして芹沢サンとしても、原田に対する評価は「才能も情熱も完全に枯渇した男」とのことで
あんたら本当に容赦ないこと言いまくりやな!?もう少しこうなんというか、手心というか…(えー
確かに原田はダメ人間だなとは思うけど、才能も情熱も完全に枯渇したっていうのは言いすぎというか

俺としては原田って、情熱の火がまだくすぶってる状態だと思うんだよな…
何かのきっかけで火がつくんじゃないかとか、まだ原田にもできることはあるんじゃないかとか
そういう風に考えてしまうんですが…



そんな中、原田のことを「あいつはもうダメだ」と言っている芹沢サン達の話を聞きながら、
「でも…」と何か言いたげに今までの原田の姿を思い浮かべていた和文。
か、和文お前やはり…原田のことを見捨てられないってことやな!?やっぱそうだよな!?
原田ってやっぱり完全に見捨てるにはちょっともったいない奴って感じあるよな!?この回想シーンはそういうことだよな!?
原田のことを見捨てずになんとかするルートがあればいいんだが…

そして次の日、小宮山さんの職場の女性陣たちも今回の話を聞くことになりますが
川瀬さんは原田のことを「単なる負け組のヒモ男」ってコテンパンに言ってますね
しかし綾野さんは「そんなにダメダメですか?」って、原田にもまだ見どころがあるように語っているという…

なんていうか原田って人によってぜんぜん評価違うよな…
どうしようもないゴミクズ野郎だと言う人もいれば、そこまで見捨てるほどダメじゃないんじゃないかって言う人もいて
人によって評価が分かれるタイプの男っていうか…ちなみに俺は「そこまで見捨てるほどダメじゃないんじゃないか」って側ですね
やっぱ格ゲーマー連中のダメ男っぷりを愛してきた俺はそう思ってしまうんや…(えー

「あの…ちょっとご相談があるんですが!」



そんな中、何かを思い立ったように女性陣へと声をかけ、行動を開始した和文。
するとなんと、芹沢サンのところに原田の店が復活したとのニュースが舞い込んでくることになります
とっくに原田は店の復活を諦めたはずが、なぜいきなりこんなニュースが飛び込んでくるのか…
何が起きているのかを確かめるべく、芹沢サンは有栖サン達も引き連れて店に向かってみることに…

そして店の様子を見てみると、なんと働いていたのは和文と小宮山さんの職場の女性陣でした
マジかよあんたら職場の仕事と掛け持ちでラーメン屋始めるとかなんて無茶を!
まあ小宮山さんの方の仕事は休んでるってことだから、ラーメン屋の方に専念してるってことか
小宮山さんはドンマイとしか言いようがないな(えー

「お待たせしました!こちら生姜焼きラーメンです!」



そして和文たちが店で出していたラーメンとは、なんと原田が披露した生姜焼きラーメン!
なるほどこの原田の生姜焼きラーメン、和文たちはうまいうまいと絶賛して食べてましたから、
このラーメンの存在が原田の才能はまだ完全に枯れていないって証明になるわけか
やっぱりまだ見どころのある奴だったんやな原田…この生姜焼きラーメンを足がかりに復活のきっかけを掴んでほしいぜ。次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第94話



さてらーめん再遊記94話の感想ですが、まず扉絵を見てみると颯爽と厨房に立つ原田の姿が描かれてますね
ちょっと待ってこの原田めっちゃカッコよくね!?なんかデキる男感が半端ないんだが!?
前回の話で言われていた才能も情熱も枯渇してもうなにも残ってないダメ男なんていうのは、やっぱりミスリードだったのか!?

気になる本編を見ていくと、前回ラストで和文たちが生姜焼きラーメンを再現して店で出していると知った原田は、
すぐさまその味をチェックし、「お前ら作り方が甘いんだよ」とばかりに
自らが厨房に立って手本を示すことになります

「や、やっぱりダメでした?原田さんのラーメンを思い出しながら僕が味作りをしたんですが…」

「スープ・麺・具は及第点だが仕上げがなってない」

「と言いますと…?」

「その前に、なんでこんなことになってんのか教えてくれよ」

「すいません勝手な真似をして…すべては僕が言い出したことなんですが、
 この前芹沢さんは、原田さんのことを情熱を失い天才を演じるだけになっているとおっしゃってましたよね。
 でも麺窟王の復活に向けてやる気満々だった原田さんを思うと、すべてが演技だったなんて僕には思えなくて…
 心の奥ではまだラーメンへの情熱がくすぶってるんじゃないか、
 それが原田さんの言ってた業ってことなんじゃないかって思ったんです」

そして手本のための作業を進めながら、和文から事情を聞き出すことにした原田。
それによると、やはり前回の「才能も情熱も枯渇したダメ男」という話に和文は納得できておらず
原田の中にはまだラーメンへの情熱がくすぶってるんじゃないかと思って、それに火を付けるためにこの店を再開したという…

来ましたよ!情熱がまだくすぶっているというこのワードが!これってまさに
俺が前回の感想で書いたやつや!!

そうだよな!?やっぱりそういうことなんだよな!?
この解釈で合ってたんや!!今回の話を読んでマジでホッとしたわ…
なにしろ前回、芹沢サンも有栖サンも「原田はもう完全に才能も情熱も枯渇しててどうしようもない」って言うもんだから
この2人に反論するようなこと書くの恐かったんやで!?(えー

というのも、芹沢サンと有栖サンってこの漫画で物事をわかってる二大巨頭だから
この2人が「原田はもうだめだ」って言ったら、その通りなんじゃないかって思ってしまうし
唯一それに疑問を感じてそうだったのが和文だったわけですが、
芹沢サンと有栖サンに歯向かって和文の方につくって相当勇気いるで!?

なにしろ和文って、芹沢サンと有栖サンに比べたらまだ甘ちゃんの若造って感じがするし
和文の方について本当に大丈夫かっていう不安があったわけですが
なんとか和文に全賭けして万馬券当てられたわ…(えー

「…よし出来た、麺とスープの準備をしてくれ」

「あ、はい!」

「最初に入れるスープは今までの8割程度でいい」

「えっ、少なくしちゃうんですか?」

「醤油ダレで味付けした生姜焼きはかなり濃い目にしてあってな。そいつを乗せた後に、残り2割のスープを回しかける。
 これでスープに洗われて生姜焼きの味わいがほどよくなるし、流れ落ちたスープで全体の量や塩味も整う」

「でもそれじゃ基本プラマイゼロですよね、スープを後がけする意味って?」

「生姜焼きを炒める時にラードを使ってるだろう。
 豚肉や野菜の旨みが移ったラードがスープに混じることでコクが増し、
 ほどよいコッテリ感と味の一体感が強まる。この一工夫が肝要だ」

そしてさっき言っていた「仕上げがなってない」という点について説明する原田。
まず生姜焼きはかなり濃い目の味に作っておき、それをスープで洗い流すことで
生姜焼きの味がほどよくなるように調整すると…

さらに、濃かった生姜焼きの味がスープに移ることによって、生姜焼きとスープの一体感が増すってことのようですね
なるほど、バラバラだった生姜焼きとスープを一体化させる作業ってことか
原田にとっては、この仕上げをしてはじめて生姜焼きとラーメンが融合するってことだったんやな
そして完成した生姜焼きラーメンについて、芹沢サンも味わってみることになりますが…



その時芹沢サンに電流走る!!(えー
「!?」っていうこの反応、思ったよりクソまずいとかじゃなくて
思ったよりずっとうまいってことなんじゃなかろうか
才能も情熱も枯渇したダメ男だと思っていたのが、こんなにもうまいラーメンを出してくるのかっていう
そんな驚きの「!?」なんだろうと思います。このラーメンの味わいについて、芹沢サンの口から詳しい解説を聞きたいですね。次回に続く!

 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第97話



さてらーめん再遊記97話の感想ですが、扉絵を見てみると
前回の扉絵に引き続き、凛々しい表情の原田が描かれていますね
おいおい原田のやつ、前回と今回で急激にカッコよくなりすぎだろ!少し前までは
情熱も才能も完全に枯れ果てた単なる負け組のヒモ男とか言われてたのに!(えー
この扉絵からは、そんな情けない雰囲気はまったく感じられませんな…むしろ一流のラーメン屋としての顔つきに見えますが、果たして…

「原田さん!生姜焼きラーメン最高でしたよ!
 グルタくんが食材レベルをアップさせたこともあって、この前よりさらに美味しくなっていて…!」

「僕が町中華で食べたことのある生姜焼きラーメンは、ラーメンに生姜焼きを乗せただけの単なるアイデア料理でしたが…
 原田さんの手にかかると、両者が絶妙に融合し、かつてない魅力的な麺料理として成立していると思います」

「フフ…あんなお遊びラーメンをそこまで持ち上げてくれるとは嬉しいね」

そして本編ですが、前回原田の生姜焼きラーメンを食べたことで小宮山さんと有栖サンがそのベタ褒めしている場面から始まってますね
「この前よりもさらに美味しくて最高だった」「かつてない魅力的な麺料理」と、2人とも絶賛してくれていますが、
しかし原田からしたら「あんなお遊びラーメンをそこまで持ち上げてくれるとはね」と、いまいち喜ぶ気にはなれないようです

うーむ、原田にとってはあくまでもお遊び気分で作ったものだから、認められても困るってことか…
ただ俺としては、その言葉を聞いて思ったんですけど、原田に今まで足りなかったものって
そういうお遊び気分なんじゃないのかなってことなんですよね

というのも、今まで原田ってラーメンのことを重く考えすぎていたというか、そのせいで身動きが取れなくなっていったように思うんですよ
そういう原田の重たい考えを象徴している言葉っていうのが
「俺にとってのラーメンは業みたいなもんだ…」って一言だと思うわけで
 

「ラーメンは業だ…」なんてそれもう明らかに重く考えすぎだろ!
業っていうと嫌でも背負わなければいけないものってイメージだし、
自分の意志で自由にできるものとはまるで真逆の言葉に聞こえるんですよね

実際、芹沢サンからも「今のお前はすっかり自由を失ってしまったな」って指摘されていたし
ラーメンのことを重たく考えすぎるあまり、どんどん縛られて自由を失っていったことが原田の失敗だと思うんですよ
そう考えると、原田はもっと気楽に遊ぶくらいの気持ちでラーメン作りに挑むのがちょうどよかったんじゃないかと思うんですよね
「遊び」という言葉については、ちょうど俺が最近紹介した良い言葉があって



「仕事じゃねえんだ、もっと自由に遊んでみたらいいさ。せっかくの遊びじゃねェか」
という格ゲー勢のオゴウさんが語った言葉で、「仕事じゃねえんだ」ってまあ原田にとっては仕事なんですけども(えー
とはいえ自由な遊び心を持つことがいかに大事かってことを語っており、そういった心を持たなければ
可能性に気づけず終わってしまうって言ってるんですよね。まさに今の原田にピッタリな言葉だと思います

「芹沢さんは生姜焼きラーメンをどう思われたんですか?」

「率直に言って…今まで原田が作ったラーメンの中で、一番美味かったと思う」

そして芹沢サンもキター!!この生姜焼きラーメンが、原田の作った中で一番美味いまでと語ることに!
なにげに凄いこと言ってますよ!今まで原田が作った中で一番美味いって、それってつまり
あの最後のラーメンをも超えてるってことだよな!?
なにしろ芹沢サンは最後のラーメンも食べたことがあるって数話前に語っていたので、
芹沢サンが「今までで一番うまい」と評価するってことは、最後のラーメンよりも上を行っているってことかと…

「な、なに言ってんだお前…あんなラーメンのどこがそんなに…」

「今の俺が目指しているのは、醤油・塩・豚骨などをしのぐ万人の形式だ。
 だが目指したはいいものの、今のところ何が出来たというわけでもない。
 ところがシャクなことに…俺の知り合いの宇崎さんという人は、20年以上のブランクがあったにも関わらず
 豚汁ラーメンという強力な形式を生み出し、いまや店は大繁盛していると聞く。で、今度はお前だ。
 生姜焼きラーメンにも強力な形式ゆえの魅力があり、宇崎さんの豚汁ラーメンとも構造がよく似ている。
 大抵の人間が好きな豚汁や生姜焼きと、人気料理のラーメンを合体させたら、
 うまく融合させればさせるほど商品性は高まっていく」

そして芹沢サンがこんなにも高く評価している理由として、「万人の形式」の話を持ち出すことに!
なるほど、今の芹沢サンがそれを目指しつつもまだ成果を出せていない中で、
そういった万人の形式になりうるラーメンだと強く感じたのが
宇崎さんの豚汁ラーメンと、原田の生姜焼きラーメンだったんですね

というかですよ、この2人のラーメンに共通点があるってことは
何話か前に俺も語ってるんですよね

それがこれです。初めて原田が生姜焼きラーメンを披露した時に、
「宇崎さんが作った豚汁ラーメンとよく似ている」って話をしたわけですが
芹沢サンもそれと同じことを感じたということか。フ、やはりな…(えー

「かつての麺窟王、最後のラーメンは…確かに原田の最高傑作だったと思う。
 だがあれは、ディープではあってもポップではなかった」

「うん?」

「ディープは少数のマニアや信者に溺愛され、ポップは一般大衆を熱狂させる。
 ディープの袋小路で身動きできなくなったお前が、偶然にも生姜焼きラーメンでポップへの足がかりを得た」

そして最後のラーメンと生姜焼きラーメンの違いについても説明する芹沢サン。
それによると、最後のラーメンはディープであり、生姜焼きラーメンはポップであると…
一部のマニアが溺愛するのがディープ、多くの一般大衆に愛されるのがポップってことのようですね
確かに言われてみれば、原田が作った最後のラーメンってディープすぎる作品でしたね



なにしろ見た目からしてこうだし、パッと見た感じラーメンなのかなんなのか分からないっていう
あまりにもマニアックな進化を遂げてしまったという印象だったので
一般大衆の「ラーメン食べてえな」って気持ちには応えられないものだったと思うんですよね
しかし生姜焼きラーメンなら、一般大衆の望むラーメンになれる可能性がとても高いってことを芹沢サンは言ってるわけか

「お前らには色々と世話になったな、ありがとよ」

「どうだ?初めての大繁盛、大行列は」

「正直まだピンときてないが…今の状況が嫌だと言ったら嘘になる。
 毎日毎日ルーティンワークで同じものを作ってるラーメン屋を、つまんねえ連中だと軽蔑してきたが…
 今の俺は…毎日毎日同じ生姜焼きラーメンを作って、客がうまそうに食ってるのを見るのが嬉しくて仕方ねえ」

それからしばらくして、芹沢さんの話を受け入れて生姜焼きラーメンの店を始めた原田は、見事に成功して店に行列ができるようになっていました
そして作っているラーメンがなんであれ、客がうまそうに食べる姿が嬉しくて仕方ないと…
なんだかこの原田の心境の変化っていうのも、宇崎さんに通じるものを感じますね
というのもですよ、宇崎さんが語った言葉ですごく印象に残ってるのが、
「もう俺のラーメンの中に俺はいない」っていう一言でして



この言葉が意味するものって、自分の執着や自己顕示欲のようなものは捨て去って、客が喜んでくれるラーメンを作るっていう
純粋な気持ちでラーメンを作るってことだったから、原田が最後に行き着いたのもこれとすごく近いと思うんですよね
原田で言うなら、ラーメンは俺の業なんだって執着を捨て去って、客がうまそうに食べるラーメンを作るってところでしょうか

「これまでさんざん天才だなんだと持ち上げられ気取ってきたが…俺もただの凡人で俗物だったようだ」

「いいんじゃないか、別に。しょせん俺たちはカリスマでもなければアーティストでもない。ただのラーメン屋だ」

そして最後に、天才だとかカリスマだとかそんな言葉にこだわる必要はないと語る芹沢サン。
なるほど、そういえば芹沢サンもそういった言葉に縛られてた時期がありましたね
それがいつかっていうと、らーめん再遊記が始まって間もない頃で



この時の芹沢サンはまさしくカリスマとか天才って言葉に呪縛されて身動きが取れなくなっていたって言ってましたね
そういう呪縛から解放されるきっかけになったのが、「俺はただのラーメン馬鹿だ」って発想だったので、
今回のラストで「俺たちはただのラーメン屋だ」って言葉で締めたのも、
かつての呪縛から開放されて自由になった芹沢サンならではの言葉って感じでいいですね

総じて今回の話は「自由」がテーマだったように思います
考えが凝り固まって自由を失ってしまった原田が、いかにして自由を取り戻すかっていうまでのストーリーになっていたというかね



・原田さん編、きれいに着地したなぁという感想もあるんですけどそれ以上に芹沢さん、有栖さんと並ぶグルタくんの背中を見て本格的なレギュラーキャラになったんだなぁと思いました
 てっきり麺窟王で働いて話から離脱するかと思ってました by あやつ

・らー再、今回は久々に宇崎さんの話も出ていましたが、ラーメンから離れていたはずの二人が図らずも芹沢サンの求める答えの解法を出していたという点がちょっと面白かったですね。
 原田さんに関する話自体はあっさり大団円になりましたが、新章ではまたこの部分に焦点を当てていくんでしょうか。 by とーます

・今回のラーメン再遊記の生姜焼きラーメンで思ったのは自分が思う傑作と他人が思う傑作は違うということですなぁ
 コナンドイル自身が書いた傑作と思ったものがそこまで売れなくて大衆向けでポップなシャーロック・ホームズが受けたように・・・
 やっぱり興味を持たせる「フック」が強いことは客商売においてはものすごく大事・・・

そして今回の結末についてもコメントが複数来てますが、「きれいに着地した」「宇崎さんの話も出てきて面白かった」「フックが強いことって客商売で大事」という風に
どれも話の内容については好意的なコメントって感じがしますね
俺としても原田が「万人の形式」に辿り着く結末を迎えたのが満足でした
というのもですよ、俺の感想では原田が出てきて間もない頃からそのことを期待してたんですよね

「原田が今まで作ってきたのは自分の作品、しかしこれから作るのは万人の形式」という形で
原田が万人の形式を目指していくストーリーを期待してたわけで
まあ結果的に原田は、万人の形式を目指して進んできたというより意識せずにたどり着いたって形になりましたが
なんにしても原田がちゃんと強キャラで終わったのがよかったです。

俺としては、万人の形式に辿り着けるほどの高い実力を持った男だと思いながら読んでいたので、
途中で原田が情熱も才能も完全に枯れ果てた単なる負け組のヒモ男とか言われ出した時が
一番読んでて気が気じゃなかったっていうかな…(えー

ただ、原田がそんなダメ男で終わらずに、やっぱり万人の形式に辿り着ける男だったってことを示してくれたのが
「最後にはちゃんと原田は期待に応えてくれた」って感じですごい満足なラストでしたね。
原田のキャラクター性も好きだったし、今までの話の中でもトップレベルに楽しめたエピソードだったなー
次回からはまた新しいエピソードが始まるみたいですが、どんな話になるんでしょうかね。次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第98話



さてらーめん再遊記98話の感想ですが、今回から新章突入ということで
冒頭から初めて見るキャラクターが登場してますね
杉井さんという名前のキャラのようですが、出てきた途端に芹沢サンが
「おおっ杉井さん!」と喜んで出迎えており、芹沢サンとはだいぶ親密な仲のようで…

「麺屋・炎志の杉井社長と芹沢さんがあんなに仲が良かったとは意外でしたね」

「ん、そうか?」

「正直、麺屋・炎志グループはコスパ重視で味は平凡という、らあめん清流房グループとは対極の存在なので…」

「杉井には恩があるんだよ」

そんな杉井さんですが、どうやら炎志というラーメン屋を経営している社長のようで、店の方向性としては芹沢サンと正反対のようですね
炎志のラーメンの味はぶっちゃけ平凡で、あまりコストをかけずに安い値段で提供しているという…
そんな風に目指すものは反対ではあるものの、杉井さんに対して芹沢サンは恩があるとのことで…



と、ここから「恩」について説明する回想シーンが始まることに。
今から何年も前、芹沢サンが麺用の粉を発注していた業者がミスをしてしまい
芹沢サンの店で使う粉が足りなくなってしまったことで、
「おいおいどうしてくれるんだよ」と芹沢サンが業者に不満を漏らしていたという…

『あのー、今のお話聞いちゃったんですけど…』

『ん?』

『その粉って、ウチでも使ってるやつですよね?その分をらあめん清流房さんに回してくださいよ!』

『ええっ!?そ、そうしてもらったら助かりますけど…炎志さんの方は…』

『そこそこ似た麺さえ作れれば大丈夫です、ウチは腹いっぱい食えれば細かいこと気にしないお客さんばかりですから!』

って、なんとその時、たまたま話を聞いていた杉井さんが
「どうぞウチの分の粉を使ってください!」と、同じ粉を自ら差し出して芹沢サンを助けてくれたという…
というのも、炎志で作っているラーメンは、芹沢サンのラーメンほど味にこだわりがないので
いつもの粉が使えずに麺の味が落ちたとしても、多少のことなら融通が効くだろうと考えたようですね

ともかく、この杉井さんの申し出に芹沢サンはたいそう助けられる結果となり、
後日あらためて杉井さんにお礼を言いに行ったという…

『杉井さん、この度は本当に助かりました』

『いえいえ、らあめん清流房ファンの私としては、お役に立てて嬉しい限りですよ!』

『えっ、ファン?』

『実は私、炎志の開店当初はニューウェイブ系の創作ラーメンをやろうとしてたんです。
 でも不器用で大雑把な性格なもんで、詰めの甘いお粗末なラーメンしか作れなくて…
 生きていくためにニューウェイブ路線はきっぱり諦めて、安くて味そこそこのラーメンに切り替えたんですね。
 そうしたら割とうまくいって…私のような二流は質より量で勝負するしかないんです、
 でも芹沢さんは質も量も超一流じゃないですか。ずっと尊敬してますし、応援したいと思ってるんですよ!』

そんな杉井さんですが、単に見ず知らずの相手として芹沢サンを助けたわけではなかったようで、
「超一流のラーメンを作っている凄い人」という風に、芹沢サンのことを尊敬していたようですね
というのも、杉井さんはハイクオリティな路線のラーメン作りに失敗してしまい、やむなくコスパ重視で平凡なラーメンにシフトしたという経緯があるらしく
自分の行けなかった道を芹沢サンには進んでもらいたいっていうような気持ちで、芹沢サンを応援したいと思ってくれているようですね

「杉井はその言葉通り、ずっと俺のことを応援してくれていてな。
 俺が初めてテレビの情報番組に出れたのも杉井の紹介だったし、ラーメン関係のイベントにもよく誘われた。
 人手不足で困った時には、炎志から人をまわしてもらったこともある。
 あいつは…本当にいい奴なんだよ」



って、そんな杉井さんに対して、心から感謝しているような雰囲気で「本当にいい奴だ」と語る芹沢サン!
まさか芹沢サンがこんなにも心を許している相手がいたとは!
これまで芹沢サンの古くからの知り合いって、何かしら揉めてるような相手ばっかりだったから
そういった揉め事もなく素直に付き合える友人のような相手っていうのは、相当珍しい気がしますね

ともかく芹沢サンにとって杉井さんはかけがえのない友人であり、
「近いうちにまた飲みに行こう」と約束して、その日は別れたわけですが…

プルルルル プルルルル

「もしもし?……えっ……」



う…うわああああああ!!
なんと芹沢サンと別れて間もなく、杉井さんは不慮の事故によってこの世を去ってしまい
芹沢サンは「杉井さんが亡くなった」という連絡を聞かされて大きなショックを受けることに!

ほんの少し前まであんなに元気だったのに、突然亡くなってしまうなんて…
本当に良い奴と思っていた友人を失ってしまい、
「また飲みに行こう」って約束も永遠に果たされなくなってしまったとなると…芹沢サンも相当ショックだろうな…

いやあ…今回のエピソードを見ていると、俺としては格ゲー界のなないのことを思い出してしまうな…
格ゲー界のなないって、格ゲーのプレイヤーの中でもすげえ良いやつで、実況とか解説とか色々と貢献してくれていて
ホロライブのことも大好きで、戌神ころねのコーチとして熱心にスト6を教えたりして、多分はじめてホロライブのメンバーと格ゲーを繋いだ人だったんですよ

そのなないですが、今から1年前にEVOっていう海外の大きな大会に飛んで、
現地から生配信して、元気よくEVOの様子を日本の俺たちに伝えてくれていたんですが
EVOが終わって日本に帰国した途端に急に心不全で亡くなってしまったっていうね…

あれは本当にショックだったなあ…なにしろ亡くなる直前までなないの元気な姿を生配信で見ていたわけだから
それが突然亡くなってしまったなんて、急になんでそんな…って気持ちの整理が全然できずにとにかくショックでな…
多分、今回の芹沢サンもそれと同じ気持ちなんじゃなかろうか。杉井さんの死を聞かされて相当落ち込んでるだろうと思うわけですが
これだけ重苦しい状況から、この章はどんな話が展開されていくのか…次回に続く!
 

ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第99話

さてらーめん再遊記99話の感想ですが、今回の話は亡くなった杉井さんの葬儀に芹沢サンが参列するという内容になってましたね
杉井さんのことは大事に思っていただけに、さすがの芹沢サンも相当つらそうな表情です
そんなつらさを少しでも忘れたいのか、グビグビと酒を飲み続ける芹沢サン。
飲みすぎだと有栖サンからも止められてますが、こうでもしなきゃ耐えられんとばかりに飲み続けてしまいます

「芹沢さん、ちょっといいかい?杉井さんの奥様から芹沢さんに頼みがあるって言われてね」

「頼み?」

「あ、あの…本当に図々しいことを承知の上で申しますが、芹沢さん!
 これから麺屋炎志グループはどうしたらいいか、ご指導をいただけませんか!?」

とその時、芹沢サンに頼み事があるとやってきたのは杉井さんの奥さん!
大黒柱である杉井さんを失ってしまった今、炎志グループはこれからどうしたらいいのかを教えてほしいと…
いやそんなこと急に言われてもな…(えー
芹沢サンは今まで炎志グループのことなんて考えてもなかっただろうし、しかも杉井さんを失ったショックで酒をグビグビ飲んでる時にそう言われても…

「そう言われましても、私は御社の内情などは何も知りませんし…」

「それでもお願いしたいんです、しばらく前の話になりますが、主人はこんなことを言っていたんです」

芹沢サンとしてもやはり、「いやそんなこと言われても」と断ろうとしますが、
しかし奥さんから、まだ元気だった頃の杉井さんが語っていたことを聞かされることに。
それによると、杉井さんは「芹沢さんは本当に凄い人だ」と今まで繰り返し語っており、
「もし自分に何かあっても、芹沢さんに相談すればきっと力になってくれる」と奥さんに言い残していたという…

「杉井さんがそんなことを…」

「主人は本当に芹沢さんを尊敬していました…
 天国にいる主人に聞いたら絶対に芹沢さんに後を託したいって言うと思うんです!
 どうか助けていただけませんか!?」

「し…士は己を知る者の為に死すと言います。
 漢が漢にそこまで惚れられて黙っているわけにはいきません!!」



って、そんな話を聞かされて大量の涙を流しながら「協力させていただきます!!」と宣言する芹沢サン!
いやこの芹沢サンの様子からして相当酔っ払ってるだろこれ!!(えー
酒がまわってすっかり冷静じゃなくなってるよ!こんな酔っぱらい状態で話を受けちまっていいんかい!

「あ〜…昨日は飲みすぎたな…」

そしてやっぱり、1日経って冷静になってみれば、酔っ払った勢いであんなことを言ってしまった
自覚するハメになった芹沢サン。今の芹沢サンとしてはまったく乗り気じゃないようですが
しかし酒の勢いとはいえ、ああ宣言してしまった以上、後戻りできずに炎志のことをイヤイヤ手伝うことに…

「わざわざ御足労いただきありがとうございます芹沢さん、うちの息子たちです」

そんな芹沢サンが炎志の会社に向かってみると、奥さんから3人の息子を紹介されることに。
ふむ、3人ともスーツを着たサラリーマン風の男であり、炎志の会社に勤めているような雰囲気がありますが…

「長男の麺太郎です」  「次男の汁二郎です」  「三男の具三郎です」

ってどんだけテキトーな名前のつけ方してんねん!!(えー
麺太郎に汁二郎に具三郎!?ラーメン屋の息子なんてこんなもんでええやろみたいなクソテキトーな名前じゃねえか!
杉井さん良い人そうに見えたのに息子のことはこんな雑な扱いしてたのかよ!(えー

それにしても麺と汁と具の三兄弟とは…この組み合わせってあれだろ
美味しんぼで有名なラーメン三銃士だろ!!



麺の専門家、汁(スープ)の専門家、具の専門家って組み合わせだから間違いねえよ!
まさかここでラーメン三銃士のパロネタをぶち込んでくるとは…
前回の展開は親しい人が亡くなるっていうしんみりした重い雰囲気だったけど
急にギャグ感出てきたなオイ!!

まさかあの導入からギャグ編に突入していく内容だったのか!?予想外すぎるだろ…
それにしても美味しんぼといえば、そもそも芹沢サンが初登場したラーメン発見伝は
漫画そのものが美味しんぼのパロディに近かったから
長い時を経て再び美味しんぼのパロディに戻ってきたっていう風に、ある意味この漫画の原点回帰ってことになるんでしょうかね
それがいい刺激になって面白い出来になるのを期待したいところです。それでは次回に続く!

 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第100話



さてらーめん再遊記第100話の感想ですが、今回は100回記念ということで巻頭カラーでの掲載となってますね
100回ってずいぶん長く続いたなぁと思いましたが、「いまだ旅の途上」って書くぐらい
まだまだ今後も続けていくモチベーションは高いみたいですね。俺としても好きな漫画なので、できるだけ続いてほしいところです

そして本編の内容についてなんですが、前回登場した麺太郎、汁二郎、具三郎について詳しく語られる回となってましたね
どうやらこの三兄弟はそれぞれ性格に特徴があるようで
長男の麺太郎は真面目で保守的な性格、
次男の汁二郎は自信満々で挑戦的な性格、
三男の具三郎は穏やかで控えめな性格をしているようです

「これが我が社の経営状況なのですが…なんとか利益は出ているものの、
 いつ赤字転落してもおかしくない低空飛行状態です。生前の父がよく言っておりましたのは…」

「早急に対策を打たないとマズい状況になるだろうということです!」

「(ムッ)」

「私には父のやろうとした見当がついていますので、それを述べさせていただきます!」

「おい汁!勝手に父さんの代弁者ヅラをするなよ!」

「フン、一番お父さんのイズムを受け継いでいるのは俺なんだから構わないだろ」

「寝言を言うな!何も分かってないくせに!」

「なにぃ!?」

「ちょ、ちょっと、麺にいも汁にいも落ち着いて…」

「「具は黙ってろ!」」

って、会社の状況について話そうとしていたはずが、みるみるうちに兄弟ゲンカが始まってしまいます
どうやら麺太郎と汁二郎はメチャメチャ仲が悪いみたいですな…麺太郎が喋ってるところに汁二郎が出しゃばってきたり、
「父さんのことを分かってるのは俺だ」「黙れよ何も分かってないくせに」と言い合いを始めたり、そうとう険悪な仲のようです
しかもこの2人で亡くなった父親の後継者争いもしていて、何から何まで争い続けているという…
もうこうなると具三郎が後継者でいいんじゃね?(えー
麺太郎も汁二郎も血の気が多すぎるぜ…ここは具三郎を後継者にして穏便な雰囲気作りをだな…



そんな中、3兄弟のことはいったん置いといて、店の状況を確認しにやってきた芹沢サン。
炎志のラーメンはしばらく食べていなかったようで、どんな味だったかその確認も兼ねているようですが…

(人の入りはまあまあというところか…ここのラーメンを食うのは何年ぶりだろうな)

「炎志ラーメンおまちどうさまでした!」

(相変わらず可もなし不可もなしのラーメンだな…
 唯一の特徴と言ったら揚げニンニクぐらいで、それもどうということもない。
 ハッキリ言ってこれより美味いラーメンは今も昔も山ほどある。
 にも関わらず、麺屋炎志グループは20年以上も生き残ってきた…その最大の原因は…)

そして炎志のラーメンを実際に食べてみたところ、「可もなし不可もなしで別にたいして美味くない」という印象を受けていた芹沢サン。
まあ炎志のラーメンはそんな感じだと以前から言われてましたからね…ただ、それだけ味が微妙な割に
20年以上も生き残ってきたっていうぐらい、客に愛されているのが炎志という店のようですね

この日にしても「まあまあ客が入ってる」とのことだし、けっこう根強い人気があるみたいだから
炎志のラーメンをどう変えていくかっていう判断は難しいところだと思うんだよな…
下手に手を入れてガラリと変えてしまったら、20年以上も通ってくれている客たちを裏切ることになりそうな…

「芹沢さん、昨日は妙なことになってすいませんでした」

「麺太郎くん?キミら兄弟はもっぱら経営面に携わっているのかと思っていたが、現場に顔を出したりもするんだな」

「時間が許す限り各支店で働くようにしています。
 現場をしっかり把握してないと経営を考えることはできないというのが父の教えですから」

「ふむ」

「もっとも汁二郎はほとんど店に顔を出したりはしませんけどね!」

ってそんな中、社長候補の身でありながら、他の従業員と同じように店で働いていた麺太郎。
現場のことを把握すべきという父親の教えによってそうしているようですが、確かにそれは感心ですね
というのも、現場の従業員からすると社長とか経営層の人間ってどこで何やってるか知らない人たちなんだよね

働いてる場所も違うから顔を合わせる機会なんてないし、「経営層の人?いや知らねぇっす」みたいに
誰が何やってるのかも知らないぐらいに関わりが薄いっていうかな…
それだけに、積極的に現場に顔を出して関わりを持とうとする麺太郎の行動っていうのは感心だなと思いますね
一方で、汁二郎はそんなことに興味がないようで、汁二郎が社長になったら現場から「誰こいつ」って言われそうだな…(えー

「しかも汁二郎はとんでもないことを言い出しまして」

「とんでもないこと?」

「全メニューを完全リニューアルするというんですよ!」

「ほお…」

さらに汁二郎は、炎志のメニューすべてをリニューアルするという大それたことを考えているようです
おいおい汁二郎よぉ!ついさっき俺がヘタにメニューを変えたら今までの客を裏切ることになるって言ったばかりじゃねーかよ!
汁二郎はアカンな!あいつ社長にしたらダメだわ!(えー

となると麺太郎が社長かって思いますが、ただ麺太郎は単体で見るといいやつそうなんだけど
汁二郎のことをやたら目のカタキにしてるのがな…あんだけ血の気が多くて言い争いが絶えないってなると、トラブルが多そうでどうも不安というか…
そうなると俺的にはやっぱり、具三郎を社長にするっていうのが優先度高い気がするんだよな

具三郎は穏やかで少なくとも余計なトラブルを生むことはないから、俺だったら一番具三郎に期待したくなるな
そのへん芹沢サンはどう判断するのか気になるところですね…次回に続く!

 

ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第101話



さてらーめん再遊記101話の感想ですが、前回ラストで語られた
汁二郎の「全メニューをリニューアルする」という案について麺太郎が大反対するという場面で始まってますね
麺太郎が大反対している理由としては、全メニューをリニューアルなんてしたら今まで来ていた常連さんまでみんな来なくなるからという…
やっぱ麺太郎なんだよなぁ(えー

やっぱ汁二郎よりも麺太郎ですよ!俺はこの麺太郎の考え方に全面的に同意というか
前回の俺の感想でも「メニューをガラリと変えてしまったら、20年以上も通ってくれた客たちを裏切ることになる」と書いたくらいなので
この考えは今回の麺太郎と完全に一致してますよね。やっぱ麺太郎だよ麺太郎!汁二郎はおとなしく従いな!

「じゃあ麺太郎くんはどう立て直したらいいと思う?」

「僕はまず、コスト的な無駄を洗い出し削ぎ落とします。それにあたって一番に取り組むべきはDX化かと。
 お客様が席でセルフオーダーできるタッチパネル式タブレットの導入は必須と考えます」

そんな中、麺太郎の改善案を聞くことになりますが、まずやるべきなのはDX化だと言ってますね
DX化ってなんや…?と思いましたが、タッチパネル式タブレットの導入と言ってることからデジタル的な改革をするってことでしょうか
タブレットの導入か…あれって店側の理屈は知らんけど、客側の目線で言わせてもらうと
なんか使いづれーんだよなー(えー

というのも、店によってはタブレットの充電切れトラブルがあったり
食べたいメニューが画面のどこにあるんだかよくわからなかったり、いまいち不便に感じるっていうかな…
俺としてはデジタル化っていうと、タブレットより感心したのが
ファミレスで料理持ってくる猫ロボなんだよな



いやマジで、この猫ロボ結構すごくないっすか?初めて見た時は「店にこんなロボが!?」ってビックリしたし
ちゃんと配膳してることにも感心したし、猫ロボだから見た目も可愛らしいし
これは画期的だなぁってすごい感心したんだよなあ。やっぱ猫ロボだよ猫ロボ!(えー

「そのように経営のスリム化も進めつつ、売上を上向かせる新メニューも投入する予定です」

「新メニューとは?」

「塩ラーメンです!生前の父にこんなことを言われました…」

『ラーメン屋は醤油、味噌、塩の3つが揃ってこそ完成されたと言える。しかしウチには塩ラーメンがない。
 いいか麺太郎、ここだけの話だが…3兄弟の中でラーメン職人として一番腕が立つのがお前だ!
 だから塩は任せた!必ず炎志の塩ラーメンを生み出してくれ!』

(…?杉井はそれほど醤油、味噌、塩を揃えることにこだわりを…?)



ってそんな中、デジタル化以外の改革案として塩ラーメンの追加が必要だと語る麺太郎ですが、
どうやら杉井さんが亡くなる前に「ラーメン屋とは、醤油・味噌・塩が揃ってこそ完成するものなんだ」と熱弁していたようですね
しかし芹沢サンは「えっそんなの揃える必要ある…?」と全然ピンと来ていないようで…
まあそうやな…醤油と味噌と塩が三種の神器みたいに言われてもな…(えー
別にそんなの揃えなくても成功してる店はいくらでもあるし、なぜそれを揃える必要があるのか…

他にも杉井さんの言い残していたことというと、「ラーメンとは麺・汁・具が調和しているもの」っていうのがありましたが
醤油・味噌・塩を揃えるっていうのも、やはり三種の調和ということで麺太郎、汁二郎、具三郎が手を取り合うことを望んでの遺言だったのか…?

「お、汁二郎くんじゃないか」

「あの、麺兄ぃとはどんな話を?」

「麺太郎くんは君の言う全メニューのリニューアルには反対で、まったく別の対策を考えていると…」

「タブレットの導入と塩ラーメンですね?」

「ああ、聞いているのか?」

「あんな愚策を喋ってただけとは安心しました。その程度じゃ焼け石に水でしょう!
 もっと大胆な対策を取らないと、ジリ貧傾向を止めることなどできませんよ!」

って、麺太郎と別れた芹沢サンは汁二郎と話すことになりますが、
汁二郎は麺太郎の考えを「あんな愚策」と完全に見下しているようで、まるっきり協力する気はないみたいですね
おいおい汁二郎よ、まずどんな策を考えるにしても調和を大事にしろや調和を!
三兄弟で手を取り合って調和するっていう、何よりも父親が望んでいたことはそれなんじゃないのかよ!

「生前の父にこんなことを言われました」

(またか…)

『ラーメンは一貫して変化し進化してきた大衆料理だ。それだけに炎志のメニューも同じところに留まっていてはならない。
 いいか汁二郎、ここだけの話だが…3兄弟の中でイノベーターとして一番優秀なのがお前だ!
 だからメニューは任せた!必ず麺屋炎志の全メニューを刷新してくれ!』

ってゲェー!?なんとまだ生きていた頃に必ず全メニューを刷新してくれなどと汁二郎に言い残していた父親!
マジかよ諸悪の根源はお前だったのかよ!!(えー
なんで全メニューのリニューアルなんてやろうとしてるんだろうと思ったら、汁二郎のアイデアじゃなくてお前の遺言かよ!!



一体なんなんだこの親父は…3兄弟に調和して欲しいのかと思ったら、こんな過激な爆弾をぶち込んでいたとは…
それを聞いた芹沢サンも「なんだそれは…」って意図がまったくわからないようだし、
正直言って杉井さんのせいで三兄弟が引っかき回されてるように見えてきたんだが…(えー
何か隠された意図があっての発言なのか…?それとも考えなんかなくて杉井さんはただのクソ親父だったのか…?

「具三郎くん、きみは後継者争いにまったく興味がないそうだが?」

「それはもう全然…あの麺兄ぃと汁兄ぃを差し置いて、僕なんかが社長なんてありえませんから」

「経験者として言わせてもらうと、社長になったら儲かるぞ」

「いやぁ…でもそのぶん、責任も大きいじゃないですか。今でもいい給料もらってますし、あんまり欲かくとバチが当たりますよ」

そして今度は、一番下の弟である具三郎にも話を聞いてみる芹沢サン。
お前は親父から変な遺言聞いてないんか?(えー
具三郎からは兄2人のような変な遺言の話は出て来ず、後継者争いにも興味がないと語ってますね

具三郎としては、今の給料に十分満足しているし、これ以上出世したとしても
責任が大きくなるばかりで、自分はそんな地位には興味がないと…
この気持ちめっちゃ分かるわ

俺も具三郎とまったく同じ気持ちだな…今の地位と給料に十分満足してるから、もうこれ以上出世したくないんよ
なんなら出世コースから外れて閑職にまわされるのが理想なぐらいだよな(えー
昔はそういうのっていかにも「左遷されたかわいそうな人」とか「出世から外れた負け組」みたいなイメージだったけど、
別に出世とか興味ないし、それなりの給料もらってのんびり自由に暮らせる立場の方がはるかに理想的って言うかな

多分これって仕事を生きがいと思ってるかどうかで違うんだろうなー
仕事を生きがいと思ってるなら、出世にめちゃめちゃこだわるのかもしれないけど
俺は仕事を生きがいなんてまったく思ってないし、仕事を進めるモチベーションは「早く帰ってゲームやりてー」って気持ちですからね(えー
モタモタしてたらゲームやる時間なくなるから一生懸命進めるっていう。ただそれだけです
今は昔に比べて娯楽もずいぶん増えたから、仕事なんかさっさと終わらせて娯楽で遊びたいって人も多いだろうし、出世に興味ない人も増えたんじゃないかな



そして今回ラストシーンはなぜか高級焼肉屋で有栖サンと和文をおもてなしする芹沢サンの場面となってますね
なんで急にこんなおもてなしを!?今回の話にこの2人関係あるんか!?
それとも、次回以降で何か手伝わせるために2人に恩を売ろうと思ったとか…?
芹沢サンの妙にほがらかな笑顔といい、絶対裏があるよな…次回に続く!
 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第102話



さてらーめん再遊記102話の感想ですが、今回の話は具三郎と芹沢サンがバイトの採用面接について語るという内容になってますね
炎志で雇う店員についての話のようで、どうやら具三郎が面接官となって雇う相手を選んでいるようで…

「人選びって難しいですね。この人はいいなと思って採用しても、3日で辞めちゃったりして…」

「そういうちゃんとしてそうで、実はダメな奴を見分ける方法があるぞ」

「えっ、どうやってですか?」

「入口のカメラ映像を見れば、それで一目瞭然に気がつく」

ふむ、そんな中、雇ってもすぐに辞めてしまうような相手に具三郎が困っているとのことで、芹沢サンがアドバイスをすることに。
芹沢サンによると、カメラの映像を見るだけでダメな奴かどうかがすぐに分かるとのことですが、そんなすぐに分かるものなんだろうか?

「こいつはダメだな」

「どうしてですか?」

「判断基準は歩きスマホだ。これをやる人間は使えない。
 前を見ずに往来を歩くという小学生レベルのことも分かってない輩は、知的レベルが低いうえに危機意識が欠落していて、
 店内でも平気で不潔・不衛生なふるまいを繰り返し、食中毒などを引き起こす可能性がある」

「は、はあ…」

「また奴らは、自分が前を見てなくても向こうから来る人間が避けてくれるだろうという、
 他人に対する自堕落な甘えを持っているので、自分がしないで済むことは決してやらずに徹底的に避ける」

「うーん…」

「さらにあいつらは、立ちスマホでも人に迷惑をかけている。
 電車のドアが開いた時、行列の一番前に立ったまま動かずスマホに熱中してるバカがよくいるが、後ろに並んでる者はいい迷惑だ。
 ああいう無神経な輩は、仕事中もスマホにかまけて客を不愉快にさせるに決まっている」

「それは困りますねぇ」

「そもそもなんで常にスマホを見てるのかというと、愚かな仲間たちと愚かなやりとりをするためだ。
 そんな愚かなコミュニケーションが何よりも優先なので、突然の欠勤や遅刻も多いだろうな」

「ああ…」

「そしてスマホ中毒者たちはSNSによる自己承認欲求がきわめて強い。
 最悪の場合は、経営者が何よりも恐れるバイトテロだ!」

って、歩きスマホをしてる奴を見かけた途端、「こいつはダメだ」という理由を延々と並べ続ける芹沢サン!
ちょっと落ち着いてくださいよ!ほとんど妄想の域じゃないですか!
歩きスマホを見ただけでここまで発狂するとか、芹沢サン歩きスマホガチアンチ過激派すぎるだろ…(えー

ただ、そんな過激な芹沢サンの物言いにも、ちょっと参考になるなと思う部分がありました
それがどういうことかというと、従業員を雇う側の心理としては
問題行動を起こすような奴に来てほしくないって気持ちが第一なんですよ

「経営者が何よりも恐れるのはバイトテロだ」って一言が何よりもそれを表してるし、
欠勤や遅刻の多いやつ、仕事中にトラブルを起こすやつを雇いたくないってことを言ってますよね
具三郎にしても、そういう人を雇うと困ると相談を持ちかけてきたわけだし、
雇う側が求めている人材っていうのは、こういう問題を起こさずにちゃんと働いてくれるような
安心できる人材ってことなんですよ

これに関して、世間でこのことに気づいてる人ってなにげに少ないと思うんですよね
きっと優秀な人材が欲しいだろうっていう気持ちで、
私はこんなに優秀です、あんなに優秀ですって自分を大きく見せようとするアピールをやりがちだと思うんですが

実は面接で一番大事なことは、そういう自分を大きく見せようとすることではなくて
むしろ当たり前のことをちゃんとできますと安心させることだと思うんですよね
たとえばの話、「私は遅刻せず毎日学校に通っています。授業中も居眠りなどはせず、まじめにノートを取っています」
とかそんなんでいいんですよ。

この程度の主張で本当にいいのかと思うかもしれませんが、
実際俺はこういう主張でいくつも内定取りました
芹沢サンたちの話にしても、「遅刻や欠勤をするような奴、勤務中に問題を起こすような奴に来られると困る」と言ってるわけですが
「自分ならそういったことはありません」ってことを学校生活での実績から説明できるので、
こういう主張をすることって実はメチャメチャ効果的なんですよね

あと俺の印象でいうと、教えてもメモを取らずにすぐ忘れるやつ、ろくに周りに挨拶しないやつなんかも職場に来てほしくない新人の代表例なので
「授業中にちゃんとノートを取って覚える努力をしてます」、「普段から周りに挨拶するよう心がけてます」とか主張することも効果的だと思いますね
いやほんとにね、雇う側が求めてる人材って実はこういうもんで、就活の時にこういった話をすることで驚くほど内定取れたりするんですよ
ちなみに一番やっちゃいけないのは、ホイホイと調子のいい嘘をつくことだと思います

よく「面接なんてのは嘘つき大会だ」とか言われたりしますが、ハッキリ言ってそれは雇う側のことを考えてなくて
「俺が相手をうまく騙せればいいんだ」っていうふうに、自分のことしか頭になくて他人を騙す方向に行ってしまうっていう歪んだ発想だと思います
というか俺が思うに、社会人の世界で一番やっちゃいけないのがホイホイと嘘をつくことだと思うんですよね
なんでかっていうと、嘘っていうのはつけばつくほどどんどん信用をなくしていくからですよ

「俺はうまく嘘をついてる」なんて思ってるのは自分だけで、周りから見れば「あいつまた嘘ついてやがる。言ってること何も信用できねえよ」って
どんどん信用を失っていって、そんな奴と仕事のことで相談なんかできないってなっていくんですよね。
そんな風に嘘つき野郎の詐欺師みたいな白い目で見られて、まともに相手にされなくなるのが関の山なので、
面接の時に「嘘をついたもん勝ちなんだ。他人を騙せばいいんだ」なんていう思考を持つべきじゃないと俺は思いますね



さて本編に話を戻しますと、芹沢サンは麺太郎と汁二郎の後継者争いについて
ラーメン勝負で決着をつけようと提案をすることに。
なんと…ここでラーメン勝負とは俺も予想してなかったですね

そういえば前回、有栖サンや和文を高級焼肉店に連れて行ってもてなしてましたが、
あれはどうやらラーメン勝負の審査員をやってもらいたいからって意味でやっていたようです
ふむ、ラーメン勝負をするとなると、麺太郎と汁二郎の腕前が気になるところですが

麺太郎の方は店で地道に修業するってことをやってて、さらに塩ラーメンの開発を独自に進めているってことでしたね
汁二郎の方は、店での修業はあまりしておらず、全メニューを新しくするという夢のような目標を立てているって印象なので
まともにぶつかったら麺太郎の勝ちなんじゃないかなと思うわけですが…

ただ、炎志の特徴として、店のラーメンがそんなに美味しくないっていうのがあったので
そんな店での修業経験は意味あるのかって気になるところですが…(えー
ともかく後継者問題は完全にこの2人の激突となって、具三郎はもう関係してこないんでしょうか?
俺としては具三郎の動向が一番気になるところなんですが…次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第103話
 

さてらーめん再遊記103話の感想ですが、前回芹沢サンが提案した兄弟同士のラーメン勝負について
わざわざ公の場で勝負を見せるのは大きなメリットがあると語られる回になってますね
他のメンバーはあまり気乗りしていないようですが、芹沢サンの説明で気持ちが変わるのかどうか…

「現在の麺屋炎志グループはいくつかの問題を抱えていますが、そのひとつに知名度の低さが挙げられます。
 昔、杉井さんが出店攻勢をかけていた頃は、メディアで紹介される機会も多くそれなりに知られていましたが…
 それが落ち着いてからは露出も減り、業績低迷で閉店する店舗も出はじめたことで徐々に忘れられた存在に…
 加えてラーメン好きの層からは「魅力に欠ける地味な中堅ラーメンチェーン」という、いささかネガティブなイメージが定着しています」

「そ、そんなにイメージが悪いでしょうか?店に立って見ている限りは、お客様に満足していただいてるかと…」

「麺兄ぃの言う客っていうのは、古参のオッサンやジイサン達のことだろ?
 芹沢さんが言っているのは対外的な見え方の話で、あいつらは関係ないじゃないか」

そんな中、炎志グループが抱えている欠点について話し始めた芹沢サン。どうやら今の炎志グループは知名度が落ちてきているうえに、
なんか地味なラーメン屋というイマイチなイメージを世間にもたれてしまっているという…
ふむ、ふだん店に立っている麺太郎は、目に入るのが好意的な常連客ばかりなので気づかなかったようですが、
逆に汁二郎は客観的な目線を持っていて、外から見たイメージをすんなり受け入れているようですね
なんていうか汁二郎も捨てたもんじゃなかったんやな…正直、単に性格悪くて自信過剰なだけの奴かと思ってたわ…

「汁!大切な常連さん達のことをあいつらだと!?」

「ふん!あいつらと言って何が悪い!」

がしかし、常連客に対するリスペクトのなさで麺太郎と言い合いになってしまう汁二郎。
やっぱ汁二郎はだめだな(えー
汁二郎のやつ麺太郎にだけ反抗的なのかと思ったら、常連客に対しても舐めた態度してるのか…
なんというか汁二郎って「オレ以外の人間はどいつもこいつもバカだ」みたいに思ってるんじゃなかろうか



以前に小宮山さんも「世の中バカだらけだ」と言ってたことがありましたが、こういう発言を聞くのって
すごい思い上がりを感じるっていうか
「世の中バカばっかりだな、俺はあんなバカどもなんかとは違うぜ」みたいに
自分を特別だと思って他人を見下してるような傲慢さがすごいし
謙虚さがないためにそれが原因で大きな失敗をしそうな危うさを感じるんですよね
自分はバカじゃないと思い込むあまりに、足元をすくわれそうっていうか…
そう考えるとやっぱり汁二郎は危なっかしくて任せるのが不安すぎるって気持ちになっちゃうな
となると麺太郎に任せるしかないのか…俺としては具三郎にも立候補してほしいんだがなぁ

「そこでラーメン勝負なんです。後継社長を決める骨肉の争いともなれば刺激的ですし、
 下手なCMより知名度を高めて地味なイメージを覆す効果が期待できます。
 もっとも当人たちにしてみれば、人前で敗者の屈辱を味わうリスクを背負い、
 それでも炎志グループのために戦うことができるかどうか…」

「自分はやりますよ!内輪揉めを表沙汰にすることはどうかと思いましたが、我が社のためとあらば!」

「私も勿論やります。ネット上でラーメン兄弟喧嘩となればバズる可能性が高いし、
 麺兄ぃなんかに負けるわけないですからね」

「なにぃ!?」

「まあまあ…麺兄ぃも汁兄ぃも、いがみ合うのは勝負の日までとっておくってことで」

「具三郎くん、人ごとのように言ってるが君にも参加してもらうぞ」

「ええっ!?」

ってここで具三郎参戦キター!!
なんと具三郎を指名して無理やりにでもラーメン対決に参加させることにした芹沢サン!
やっぱ具三郎だよな!麺太郎は真面目すぎるし汁二郎は傲慢すぎるし、一番ちゃんとやれそうなのは具三郎って感じするわ

がしかし、参戦したくもないラーメン対決に引きずり込まれてしまって、死ぬほどイヤそうな顔をしていた具三郎。
お前そんなに嫌だったんか…まあでも我慢してくれや、お前の兄貴2人はチャランポランな気がして任せられないんや!(えー
そんな中、バチバチと火花を散らす麺太郎と汁二郎、そして落ち込む具三郎を見て
気持ち悪い笑みを浮かべていた芹沢サン。(えー
何がそんなに楽しいんですかあんたは!ドロドロの兄弟対決を見るのが面白いって言いたいんですか!

「ほお、正式に決まりましたか」

「ああ、あとは君と和文以外の審査員を決めたら準備完了だ」

そんな中、ラーメン対決の話が決まったと有栖サンに連絡していた芹沢サン。
審査員としては、ひとまず有栖サンと和文には話がつけてあるようで、
他にも何人か誘うつもりのようですが…

「とりあえず米倉、小宮山、熊川編集長、松宮会長には声をかけるつもりだ。あと永友さん、新世代の連中、石井社長あたりも…」

「そ、そんなに!?」

なんと次から次へと審査員をぞろぞろと連れてくるつもりだと語る芹沢サン。これだけ大勢の審査員っていうのも珍しいな!?
せいぜい数人ぐらいかと思ったら、10人は超えるぐらい大所帯になりそうな…
というか永友さん連れてくるってことに一番ビックリしたわ!



永友さんといえば、昔は凄い人だったけど今では見る影もなくなってしまったという衰えが印象的だった悲しきキャラでしたが
まさかここで審査員として声がかかることになるとは…永友さんの衰えはなんとも物悲しかったから
ここで昔の片鱗を少しでも見せてくれることを祈るぜ

「杉井の忘れ形見である三兄弟の勝負なんだ、充実した体制で悔いのない戦いにしてやりたい」

「はあ…ずいぶん熱心に関わってるんですね。この前は安請け合いしたことを後悔してたのに」

「実際に会ってみたら、三人の息子たちは揃って優秀ないい子たちでな。
 俺も鬼じゃない、長男と次男の確執も含めて、天国の杉井が安らかに眠れるようなんとかしてやりたかったんだ」

(…なんか解せないんだよなあ…)

って、そんなラーメン対決のことについて、芹沢サンとやけに温度差があることを感じていた有栖サン。
有栖サンとしては「何をそんなに張り切ってるんですか?」と言いたげですが、
芹沢サンは「三人の息子たちはみんな優秀な良い子たちで、天国の杉井のためにも力を貸したい」と…
一体なんなんですかその綺麗ごとは!(えー
ダーティーな芹沢サンとは思えないようなセリフですよ!さっき三兄弟を見ながら汚い笑みを浮かべてたし、良い子とか言いながら腹黒いことを考えてるんだろうか

それとも、「天国の杉井」っていう気持ちは本物で、杉井さんを思うあまり普段より綺麗ごとを口走っているとか?
ただその場合、ぜんぜん乗り気じゃない有栖サンの態度が気になるんですよね
「杉井さんのためにそこまでする必要ありますかね?」って感じで、杉井さんのために頑張る気持ちが湧いてこないみたいだし
もしかして有栖サンから見たら杉井さんってろくでもない奴なんじゃないか?
2話ぐらい前にも杉井さんが疑わしく見える回がありましたが、まさか本当に杉井さんろくでもない説が現実となってしまうのか?



そんな有栖サンが微妙な顔をしていると、大学の生徒である工藤くんというキャラが登場することに。
ここにきて新キャラ登場?と思ったら、なんとこの工藤くんは3年も炎志でバイトしているということが明らかに!
マジかよつまり炎志でろくでもないことをやっていた杉井さんの悪行を知っている人物!?(えー
この工藤くんが証人になって杉井さんの闇が暴かれることになるのか!?果たして本来の杉井さんはどういう人なのか…次回に続く!


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第104話

さてらーめん再遊記104話の感想ですが、今回の話はいよいよ麺太郎・汁二郎・具三郎のラーメン対決が始まるという内容となってますね
そんな対決を見守る芹沢サンは「天国の杉井さんが喜ぶラーメンを作ってほしい」と語っていますが
いつまでそんな生ぬるいこと言ってんですか!(えー
この似合わない笑顔といい絶対本心じゃないだろ!このうさん臭い芹沢サンの態度は一体なんなんだ

「では長男・麺太郎さんのラーメンから審査員の皆さんに食べていただきます!」

「麺屋炎志に醤油と味噌はあっても塩はなく、三つの味を揃えるのが父の悲願でした!
 これがその思いを受け継ぎ編み出した炎志・塩ラーメンです!」

「ふむ、これはなかなか…」



「杉井さんも天国で喜んでますよ」

そんな中、さっそく審査員に出されたのは麺太郎の塩ラーメン!自信作と言っていただけに、審査員からはかなりの好評ですね
というか永友さんやけに知的なコメントしてんな!?(えー
俺的に審査員で最も注目なのが永友さんだったわけですが、まるで物わかりのいい達人のように
「私の塩ラーメンとは対照的だがこの味わいも一興だね」と言い出すなんて
永友さんボケから回復したんですか!?(えー
永友さんといえば「もうろくしてしまった哀れな老人」みたいなイメージだったから、この知的コメントをしている姿には正直ビックリしてしまったぜ

「続いては次男・汁二郎さんのラーメンです!」

「生前の父は自分に言いました!炎志は同じ場所に留まっていてはダメだ、全メニューを刷新してくれと!
 それ以来、メニュー開発を進めてきた私の最高の自信作がこれです!鯛のアラだし白湯ラーメン!」

「うーん、これもなかなか…」

「杉井さんも天国で感心してますよ」

ふむ、続いて出てきた汁二郎のラーメンですが、小宮山さん達から「けっこう珍しいしチェーン店で食べられるのは嬉しい」と好評なようですね
それにしてもさっきから叫んでるアホはなんなんだ!(えー
まともなコメントしてねえじゃねーか!芹沢サンも「杉井さんが天国で喜んでる」って壊れたラジカセのように繰り返してるし
なんかカオスな雰囲気になってきたなおい!

「最後は三男・具三郎さんのラーメンです!」

「正直、僕なんかじゃ優秀な兄たちに勝てるとは思っていませんが…
 自分なりに炎志で人気が出そうなラーメンを作ってみました。
 肉野菜たっぷり辛味噌タンメンです!」

「ほほう、またまたなかなか…」

「杉井さんも草葉の影で喜んでいますよ」

そして最後に具三郎のラーメンですが、これはなんというか
なんかよく知らねえ奴らが審査してんなオイ!?(えー
いやかろうじて石井社長はまだわかる、確かこの人、小宮山さん編の時にラーメン作りを依頼した人だわ
その一方ですなば食堂の店主って誰だよお前!?(えー
ぜんぜん見覚えないんだが!?こんな奴いつ出てきた…?と思って見返してみたら



なんと米倉編での対決の時に観客席でチラッと顔見せしたキャラでした
いやわかんねえって!(えー  これ覚えてる奴この世に何人いるんだよ!
ちなみにですが、さっきから叫んでるアホもすなば食堂店主と一緒にこの時出てきたキャラのようです



この時はまだ知能が残ってたんだな…(えー
今となっては狂ったように叫びまくる男となってしまったわけですが、以前は普通の言葉を喋るだけの知能あったんや…

(なんなんだ…?さっきから芹沢さんも有栖さんも、無内容で適当なことしか言ってない)

ともかく3人のラーメンが出揃ったわけですが、和文は芹沢サンと有栖サンが適当なことしか言ってないということを不審がっていました
確かに芹沢サンは「天国の杉井さんも喜んでる」としか言ってないし、有栖サンも「これはなかなか」としか言ってないですね
つまりそれって、まともに審査する意味のない茶番ということなのか?わざわざこんなに人を集めて無意味な茶番を…?

「いよいよ決着の時がやってまいりました!
 ラーメン対決に勝利し、炎志グループの社長の座を射止めたのは…三男の具三郎さーーん!!
 具三郎さん827点、汁二郎さん819点、麺太郎さん815点というデッドヒートの戦いでした!」

って、ついに結果発表となりますが、なんと獲得した点数は3人ともほとんど横並び!
俺としては具三郎がぶっちぎりで勝つかと思ってましたが、実際にはほとんど差はなかったんですね
こうなると、具三郎が勝ったとはいえ、3兄弟で平等な関係を目指した方がいい気がしますが…

「具三郎さん!社長就任おめでとうございます!」

「あ、その…僕…社長となったからにはやりたいことがあるんです」

「具三郎のやつ、社長になる気はないとか言ってたくせに、もういい気に社長ヅラかよ」

「実は俺たちの寝首をかこうと狙ってたんだな、ど汚ねえゴミカスだぜ」

って、具三郎が挨拶をしようとしたその時、みにくい嫉妬にまみれた暴言を吐いていた麺太郎&汁二郎!
前言撤回や!こいつらに平等なんてものは必要ねーぜ!(えー
弟の晴れ舞台になんてことを言うんだこのバカ2人は!特に汁二郎が終わってるぜ!
以前から口の悪い奴だなと思ってましたが、まさか「ど汚ねえゴミカス」とまで言い出すとは…やっぱ汁二郎だけは絶対に社長の器じゃなかったな!

「社長権限を三等分し、麺太郎兄さん、汁二郎兄さん、そして僕の共同経営体制にすることを提案します!」

えーーー!?なんとその時、社長の権限を3人で分けて、平等にやっていこうと提案する具三郎!
なに言ってんだ具三郎!こいつらに平等なんてものは必要ねーぜ!!(えー
俺はすっかりさっきのシーンで2人の兄を見限っちまったよ!特に汁二郎のことはな!



とその時、生前の杉井さんが3人に語っていた「麺・汁・具の調和」の話を持ち出す具三郎!
これってアレじゃねーか!俺が以前の感想で語っていた三種の調和理論や!

モロに今回と同じ場面を持ち出して語っていたので、この予想が大当たりだったということか
しかし予想が当たって嬉しいというよりは
しょせんこの3兄弟は俺の想像の域を出ることはなかったようだぜって感じかな(えー
もっと意外な展開が待ってるかと思ったら、なんだか普通の結末になってしまったという印象かな…

そんな三兄弟が泣きながら和解する一方で、「ククッ、こうまでうまく事が運ぶとは」とほくそ笑んでいた芹沢サン!
そして観客席を見てみると、そこにはなんと元気な杉井さんの姿が!
あんた生きとったんか!?どういうことだよオイ!
まさかすべては三兄弟を結束させるための芝居!?芹沢サンもグルだったということなのか!?



と思ったら「す、杉井!?(ガビーン)」ってあんたも知らなかったのかよ!
どうなってんだこれは!芹沢サンも杉井さんの芝居に騙されてしまった1人なのか!?
それともさっきから芹沢サンが「天国の杉井」「天国の杉井」って何度も言うもんだから
本当に天国からちょっくらやって来てしまったのか!?(えー
一体どういうことなんだろう…3兄弟の方はオチとしては微妙だっただけに、ここからの杉井さんのネタに期待だぜ。次回に続く!

 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第105話



さてらーめん再遊記105話の感想ですが、前回ラストで死んだはずの杉井さんが観客席に現れたことについて
今回芹沢サンがもう一度その場所を眺めてみると、すでに杉井さんの姿は忽然と消えてしまっていました
なんだったんだ一体…やっぱり芹沢サンが天国天国しつこく言うもんだから、本当に天国からちょっとだけやってきたんだろうか…
結局そのことは謎のまま、三兄弟のラーメン対決イベントは幕引きとなり、芹沢サンは打ち上げの飲み会へと向かうことに…

「2人とも今日はお疲れさん、助かったよ」

「いえいえとんでもない」

「…」

「どうした和文くん、さえない顔して」

「その…僕はあのイベント、釈然としなかったんですよ。
 あの三兄弟のラーメンって、味もオリジナリティーも正直大したことなかったじゃないですか。
 なのに名だたる審査員の皆さんは軒並み高評価…
 それに芹沢さんと有栖さんは、当たり障りがなく中身のないコメントばかりでしたよね」

そんな飲み会の席にて、三兄弟のラーメンイベントで漂っていた茶番のような雰囲気が釈然としないと語る和文
確かに芹沢サンや有栖サンは「天国の杉井も喜んでる」「これはなかなか」という適当なコメントばかり繰り返していたし、
まともに審査する気があるのかってことは俺も疑問でしたが…

それと三兄弟の作ったラーメンは、審査員たちがうまいうまいと言いながら食べていたものの、
実際のところ全然たいしたことのないラーメンだったようですね
それ今回初めて知ったな…なぜそんなものを審査員たちはあんなに絶賛しながら食べていたのか…?



「連中のラーメンは事前に味見したが、まさに和文くんの言う通りだった。あの三兄弟が優秀だなんてとんでもない。
 まず麺太郎は相当なボンクラだ。塩ラーメンひとつを増やしたところでどうにもならんし、
 タブレット注文の導入だって年配客の多い店では逆効果になる恐れもあるのに、何も分かっていない。
 汁二郎は自分をやり手を勘違いしているアホウだ。
 全メニューをリニューアルだなんて黒字の店でやることか?これでは大量の客離れを招きかねない。
 具三郎は腰抜けのヘタレなボンボンで、フニャフニャしてるだけの軟体動物だ。
 つまりは揃いも揃ってなんの取り柄もなく、社長にはふさわしくない連中なんだよ」

って、なんと三兄弟のことについて、麺太郎はボンクラ、汁二郎はアホウ、具三郎はヘタレと3人全員をボロカスに言い出した芹沢サン!
ちょ、ちょっと待ってくれよ!麺太郎と汁二郎はともかく具三郎までそんな風に言われるのかよ!
麺太郎と汁二郎はともかくよ!(えー
うーむ…これまでの俺の感想を振り返ってみると、麺太郎と汁二郎に関する評価だけは結構当たってたんですよね

まずは麺太郎の話で出ているタブレットの導入について。
俺はその話を聞いた時に「俺の目線で言わせてもらうと、タブレットが使いづらくて微妙に感じる」と書きましたが
芹沢サンも今回「年配客にとってはタブレットは逆効果になる恐れがある」と語っていますね
使いづらくて逆効果になるという意味では同じわけですが、ただし年配客…俺は年配客なのか…(えー

それと芹沢サンは「塩ラーメンひとつ増やしたところでどうにもならん」と、塩ラーメンを作るアイデアについても否定してますが
ただ塩ラーメンを作るアイデアって麺太郎が言い出したんじゃなくて
杉井さんが「塩ラーメン作れ」って言い出したせいなんだよね(えー

こんな風に「必ずや炎志・塩ラーメンを生み出してくれ!!」なんて余計なことを言ったのが杉井さんで、
しかも大した腕のない麺太郎に対して「ラーメン職人として腕が立つのはお前だ!」とか必要以上におだててしまったり
杉井さんも相当罪深いことやってるんじゃないですかね(えー

次に汁二郎のことについて、「全メニューをリニューアルなんてしたら大量の客離れを招きかねない」と芹沢サンが言ってますが
これに関しては俺も似たようなことを言っていたんですよね

「下手にメニューをガラリと変えてしまったら、20年以上も通ってくれている客たちを裏切ることになる」っていうのがそうで、
やはり全メニューをリニューアルなんていうのは、多くの常連客を抱えている炎志でやるようなことじゃないって考えで合っていたようです
ただ全メニューを変えるアイデアって、これまた汁二郎が言い出したんじゃなくて
杉井さんが「全メニュー変えろ」って言い出したせいなんだよね(えー

こんな風に「必ずや炎志の全メニューを刷新してくれ!!」なんて余計なこと言ったのがやっぱり杉井さんで、
それに加えて「汁二郎は自分をやり手だと勘違いしているアホ」って芹沢サンから呆れられてる件についても
「イノベーターとして優秀なのがお前だ!」って杉井さんが汁二郎に言ったもんだから、
それで自分を優秀だと勘違いしちゃったんじゃないかと思うんだよな…
なんか麺太郎や汁二郎があわれに思えてきたわ…(えー

父親の杉井さんが「必ず塩ラーメンを作ってくれ!」「必ず全メニューを変えてくれ!」なんて言ったせいで、
その言葉に従おうとして「あんな意味ないことやってるなんてバカだわ」と芹沢サンに呆れられてしまうだなんて
これマジで諸悪の根源は杉井さんなんじゃないっすか!?

そして最後に具三郎についてなんですが、具三郎のことは…
俺はずっと「具三郎の言うこと分かるわぁ〜」って共感してたんだよね…(えー

しかしそんな具三郎が今回「腰抜けのヘタレなボンボンで、フニャフニャしてるだけの軟体動物」などと言われてしまっているという…
その言葉まるごと全部俺に刺さってくるじゃねえかよ!(えー
ふざけんなこらー!具三郎の何がそんなにダメだって言うんだよ!言いたい放題ケチョンケチョンに言いやがって
具三郎を悪く言うならまずこの俺を倒してからにしな!(えー

「実は僕もあの三兄弟の評判を聞きましてねえ」

って、ここで有栖サンも三兄弟の悪い評判を聞いてきたと言い出し、ここでそれを公表することに。
マジで?有栖サンもかよ…どんだけ具三郎を悪く言いたいんだよ…(えー
もうええて…三兄弟がダメな奴らっていうのはもう分かったから、正直そんな話聞きたくねえ〜



「麺・汁・具はホント三バカトリオもいいところですよ!!
 麺太郎は職人気取りでやたら厨房に入りたがるけど、不器用なんで何を作ってもマズイんです!
 汁二郎はパンナコッタつけ麺とか昆虫家系とか珍妙なラーメンの試作ばかり命じてきて、
 上手くいかないとこっちのせいにするし最悪ですよ!
 具三郎は店に来てもまったく働かず女子バイトをナンパざんまいで、
 どっかの支店では妊娠騒ぎがあったとかなかったとか…」

そんな俺の気持ちをよそに、三兄弟がどんだけダメなのかを語る有栖サンの知り合い。
いやきちぃマジで…読むのきちぃ〜…
今回一番読んでてつらいなと思ったのがこの「麺・汁・具はホント三バカトリオもいいところですよ!!」の場面ですね

俺はなんていうかバカとか無能とかって言葉が大嫌いなんだよね
その言葉を他人に向けて攻撃したり見下したりするっていうのが嫌で嫌でしょうがないんですよ
たとえばワートリの感想とか書いてた時も、麓郎が「バカでも努力できるお膳立て」とか「救いようがねえ無能」とか言い出した時に
「そんな言葉使うんじゃねえ」ってめっちゃキレたことあったじゃないですか

こういう言葉がなんでそんなに嫌いなのかっていうと、普段ネットやってる時に
こういう言葉が飛び交ってる光景が嫌というほど目に入ってくるからですよ
最近のネットは何かあるとすぐに「あいつはバカだ、無能だ」っていう罵倒が始まって、
相手を見下してマウント取った方が勝ちみたいな嫌な文化がすっかり根付いてしまっていて
そのことが俺には嘆かわしくてしょうがないんですよね。

なぜそんなにも他人を見下したいんだ、なぜそんなにも攻撃したいんだっていう
理解できない人の悪意を見ているようで、ひたすらに嫌な気持ちになってしまうから
そういうキツイ罵倒を見るのはつらいわけなんですよ

そんな中で今回は、三兄弟がとことんきつく罵倒されまくる回だったから、読んでてだいぶげんなりしちゃったというかな…
というかちょっと前にもそんな回ありましたよね、何かっていうと
歩きスマホしてる人がめちゃめちゃ罵倒されまくる回ですよ

この回でも「小学生レベルのことも分かってない輩は知的レベルが低い」とか「スマホに熱中してるバカ」とか
さんざんな罵倒が飛び交ってましたが、正直この回も読むのつらかったんよな…
歩きスマホしてる人が悪いっていうのはわかったから、なぜそこまで攻撃する必要があるんだろうって思いながら読んでたし
どうにかこの回は我慢してやり過ごしたわけですが、今回またしても罵倒だらけの回がきてしまって
おいまたかよ…もうええて…って相当げんなりしてしまったっていうのが正直な気持ちですね

まあともかく、俺が信じていた具三郎も
バイトの女の子に手を出して妊娠させてヤリ捨てしているというとんでもない一面があるとのことで、
もはや三人ともどうしようもない連中だと明かされてしまった三兄弟。
どうやら芹沢サンは、その三兄弟から手を切ることだけをひたすら考えていたようで…

「なるほど…でも審査員の皆さんが謎に高評価だったのはなんだったんですか?
 みなさん三兄弟のラーメンに80点以上の高得点をつけていたようですが…」

「おそらく、あんな茶番イベントで誰かの恨みを買うのも損だし、持ち上げておくのが無難と考えたんだろう」

「ちなみに僕は3人全員に82点をつけたよ。同点なら誰からも恨まれない」

「ええ〜!?僕なんかバカ正直に麺太郎40点、汁二郎45点、具三郎50点ってつけちゃいましたよ!」

「若いなあ、もっと大人の知恵を働かせないと。ハハハ」

ってそんな中、審査員たちが妙に三兄弟のラーメンを持ち上げていた理由についても明かされますが、
「どうせ茶番のイベントだし真面目に評価しても損だから、適当な高得点をつけて持ち上げておいた」という…
いやちょっと待ってくれよ審査員としてその行動はどうなん!?あまりにも審査員の責務を軽んじてないですか!?

審査するにあたって本当の点数を言わずに、審査員の都合で勝手に点数を改ざんするなんてことがまかり通ったら
もうその審査員の点数とかまったく信じられないじゃないですか!?
そんな風に「この審査員のつけた点数は信用できないな」なんていう疑いを持たれてしまったら、
もう今後その審査員の点数すべて信じられなくなりますよ!

「あいつは自分の都合で勝手に点数を改ざんするから」っていう風に信用が地に落ちてしまったら、もはや社会人として終わりだろ!
いやマジでこういう改ざんだとか捏造だとかの不正は絶対やったらアカンやろ社会人は…
なんでそれを「大人の知恵だよ」とか言って自慢げに語ってるんだよ…
ちゃんと本当の点数をつけた和文の方がはるかに審査員としての責務をまっとうしてるだろ…
こういう数字の改ざんとか捏造は不祥事の温床になるから、社会人として許されることじゃないと思うわ…

「あの〜、ご歓談中に恐れ入りますが…」

「ん…?ヒイイイ!?す、杉井!?」

「芹沢さんよく見てください、杉井さんじゃないですよ!」



って、そんな話の最中に急に話しかけてきた男が1人。
誰かと思ったら杉井さんにうりふたつの男であり、どうやら芹沢サンが見間違えたのもこの人だったようです
そんな男は新谷研作という名前のようで、自分のことを杉井さんの息子だと語っているという…

え、てことは三兄弟の他にもまだ息子がいたってこと?ただ新谷って名字なのを見ると、杉井さんの家族じゃないのか?
まさか隠し子!?杉井さんが過去にヤリ捨てした女性の子ってことですか!?(えー
マジかよ今回具三郎がバイト女子を妊娠させてヤリ捨てした悪行が語られてたけど
親父も結局同じヤリ捨て男だったってことか…(えー  次回に続く!

 




どうもこんにちは、「らーめん再遊記の三兄弟への罵倒シーンに同意する」ってマシュマロですが、
文脈からいって、三兄弟への罵倒シーンを見るのがつらかったっていう俺の感想に同意するってことですかね?
まあほんとあのシーンは、三兄弟をあそこまで打ちのめす必要があったのかってぐらいオーバーキル感ありましたからね…

それと「電動キックボードのシーンも気になった」ってことですが、そうなんですよね…正直俺も同じことを感じてました
電動キックボードのシーンが何かっていうと、このところらーめん再遊記でしょっちゅうあるシーンなんですが
電動キックボードで暴走するモブキャラが出てきて必ず事故るってことを繰り返してるわけですよ



何度も何度もこういうシーンを繰り返していて、歩きスマホの回でもやっていたわけですが、これを見て感じることといったら
「電動キックボードなんてやってる奴はバカ」って作者は言いたいんだろうなってことなんですよね
「歩きスマホなんてやってる奴はバカ」
ってさんざん言った直後にこれを見せられて、さらにその次は
「麺太郎・汁二郎・具三郎の三兄弟は全員バカ」って回をやったもんだから
あいつもこいつもバカだバカだってそればっかじゃんっていう風に、もう相当げんなりきちゃったんですよね

そんなに人を見下してどうするんだよっていう風に、このあたりの回は読んでてすごく疲れてしまったし
しかも三兄弟をバカ呼ばわりしている芹沢サンや有栖サンのやったことは
「あんなバカ達と関わってもしょうがない」って偽の点数と嘘の評価をでっちあげて騙すってことだったから
そんな汚いことやって騙すのか!?って正直ギョッとしたっていうかな…



このへんで審査員が言ってることとか全部嘘だったし、もう何を信じたらいいのか分からなくなったよ…
ぶっちゃけ登場人物全員クズやんと思いましたね(えー
バカで性格もゴミで使い物にならないと言われてる三兄弟たち、それを見下しながら嘘の情報をでっちあげて騙す審査員たち、
みんなクズすぎて人間ってこんなものなのかと正直相当ブルーな気持ちになりました



「人間は最低だぞダイ」ってバーン様の言う通りじゃないか…(えー
クズしかいない場面とか見せられると、こういう気持ちになるからマジでやめてほしいわ…
それこそダイの大冒険で言ったら、人間はしょせん最低なクズだと言われる中で
「たしかにひどい人間もいるけど、一生懸命に正しいことをしようと努力している人もいる」ってフォローを作中で入れているわけですよ

こういう描写があると「人間もまだ捨てたもんじゃないのかもな」って気持ちになるけど
今回のらーめん再遊記はそれがなくてただただみんなクズだったんですよね(えー
唯一の希望があるとすれば、嘘をつかずにちゃんと審査した和文だったわけですが
そんな和文も有栖サン達から悪知恵を授けられて「素直に点数つけたのはバカだった」とか言い出しちゃったもんだから



「正しいことをしようと一生懸命に努力している奴だれもいねえ…」って思いましたね(えー
それが本当にショックな回だったな…見ていて希望を持てるようなキャラがいなくて
人間なんてクズばっかりだな…ってただただ幻滅する気持ちになってしまったっていうのがね。こういう回はもうほんとに勘弁してほしいぜ…
 


ビッグコミックスペリオール感想:らーめん再遊記 第106話



さてらーめん再遊記106話の感想ですが、前回現れた杉井さんの息子だという男・新谷研作について
今回和文がそれを見るなり「もしやイート・エブリシングの社長の…」と言い出しておりますね
どうやらグルメ業界でかなりの有名人なようで、和文の話によるとエスニック系の麺料理店を大繁盛させているっていう
ずいぶんと優秀な社長ってことみたいです

「私は、杉井大作が不倫相手の愛人に産ませた隠し子なんです。芹沢さんは父がそういう人間だと知っていましたか?」

「いや…女性関係については何も知らない。
 俺の知る杉井さんは、気さくで明朗快活で、家族思いで社員思いの優秀な経営者といったところだな」

「表向きの顔はそうですね、でも裏では女グセの悪い人間だったんですよ。店では女子店員にかたっぱしから手をつけ、
 仕事の後は合コンざんまい、そしてお持ち帰りの日々…3P4Pに発展することさえあったとか」

そんな新谷研作の口から杉井さんのとんでもない一面が語られることに。
なんと女好きなあまり女子店員に手を出しまくってヤリ捨てを繰り返し、3Pや4Pの乱交までやりまくっていたという杉井さん!
ちょ、ちょっと待ておい!前回の感想で俺が冗談半分に言っていた
「親父も具三郎と同じヤリ捨て男だったんやな」って話が現実になっちまってるじゃねーか!

マジかよこれが現実になるとは…感想のオチとして思いついたことを言ってみただけなんだが…(えー
というか俺の予想だと、杉井さんは「具三郎と同じヤリ捨て男」だったわけですが、実際はトチ狂った乱交までやりまくるような
具三郎よりもさらに輪をかけてイカれてるヤリ捨て男だったんやな…そこは予想外だったわ…

「向こうの家の人達はこうしたことをまったく知りませんけどね。母も私もずっと日陰の中に置かれてきたんです。
 
でも認知はしてくれましたし、生活に不自由しないだけの援助もしてくれました。
 私も可愛がられていたので、不幸だと思ったことはありません」

ふむ、見境なく女とヤリまくった頭チンポ野郎の杉井さんでしたが、子供を産ませたことに関してはいちおう責任を取っていたようで
お金の援助をしたり、たまに家にやってきては子供を可愛がったりと、できる範囲で父として関わっていたようですね

『いやぁ〜パパは研作と遊んでる時が一番楽しいなぁ!』

『ほんとに!?』

『研作、お父さんの言うことをあまり真に受けちゃダメよ。
 あの人は心にもないお世辞を言って相手をたらし込む軽薄な嘘つきなんだから。私も昔すっかり騙されちゃったわ』

『そ、そんな…あんなに優しいお父さんが』

『本当に優しくて責任感があるなら、自分の子供に麺太郎とか汁二郎とかふざけた名前つけないでしょ!?
 あなただってあやうく丼男になるところだったのよ!』

『ど、丼男…』

って、見た目上いいパパを装ってはいても、「結局は軽薄な嘘つきのクソ野郎だから」と語る研作ママ!
ママは杉井さんに孕まされたことをだいぶ根に持ってるんだなあ。そして杉井さんが軽薄なクソ野郎だというのは
麺太郎だの汁二郎だの、子供にふざけた名前をつけまくってるのが何よりの証拠だという…
た、確かに言われてみれば…(えー

麺太郎たち3兄弟については、なんでこんなバカみたいな名前なんだって読者からもメチャメチャ言われてましたからね
杉井さんがそんな名前をつけた理由については、子供に対する愛情なさすぎて
ハナクソをほじりながら考えたような名前だったからってことか(えー

『研作お前、俺に似てきたなぁ〜!大作の作の字をやっただけはある!』

『父さんは丼男って名付けようとしてたんじゃないの。
 一度聞いてみたかったんだけどさ、父さんって僕や母さん、向こうの家族のことをどう思ってるの?』

そんな杉井さんの事情を知って大人になった頃、「父さんは家族のこと一体どう思ってるわけ?」と尋ねてみた新谷研作。
杉井さんのゲスな部分はもうバレバレみたいだし、ここで取り繕っても意味はなさそうですが…

『そうだな…お前ももう大人だし、腹を割って話すと…
 どっちの家族もうっとうしいだけのどうでもいい存在だ。
 特に麺汁具は俺に似てないしデキも悪いから勘当したいくらいだよ』

『ちょっと父さん…!』

『いいか研作!父さんはな!いっぱい金を儲けてうまいもん食って、
 1人でも多くの若い女とセックスしたいだけなんだ!!それだけなんだぁっ!!』



ほ、本音語りすぎーーーーー!!
あまりにも本音を語りすぎーーー!!杉井さんあんたって人は、こんな白髪の爺さんになっても
頭チンポ野郎なのは何も変わってないんかい!(えー

ある意味すげーなもう、この漫画って歳を取ることで昔から変わってしまったみたいなキャラが結構出てきてるし
以前の情熱を失ってしまったとか、かつての自分にはもう戻れないみたいな物悲しさを感じさせることが多いわけですが
杉井さんの頭チンポな性欲はずっと相変わらずだったのか(えー
元気すぎるだろこのエロジジイが!「衰えない熱を持ってる」って点だけはすげーキャラだったな杉井さん

「前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入らせていただきます。これをご覧になっていただけますか?」

「…遺言?」

「はい。炎志の全株式を私に譲ると記された父の遺言書です」

って、そんな杉井さんからの遺言が残されていると語る新谷研作!
その遺言によれば、炎志の後継者として選ばれたのは麺太郎たちではなく、新谷研作だったという…
ちょ、お前それもう麺太郎たちが大々的にイベントで決めちゃったやつーー!!



こんな風に大観衆が見守る中で、麺太郎たちが炎志の後継者を決めたわけですが
これ今からひっくり返すんか!?さすがに無理やろ!?
このイベントを見ていた世間の声にしても、麺太郎たち3兄弟にしても
「あっ実は炎志の後継者になるの俺なんすよー」って新谷研作がポンと出てきて、
そのことに納得してくれるとは到底思えないが…そもそも麺太郎たちは新谷研作の存在を知らずに育ったらしいから、
そんな隠し子がいたってことからして納得させるのが大変そうだよな

あと俺が思うのって、炎志の後継者に指名されたからといって、新谷研作としては
炎志を継いでもメリットなくね?って思うんですよね
というのもですよ、炎志ってじわじわと先細りを続けながら衰退に向かってるラーメン屋で、
そんな苦しい状況を抜け出すために立て直しの策を考えなきゃいけないって状態だから
いま後継者になったりしたら、その立て直しを全部自分がやらなきゃいけないっていう
とんでもなく面倒な責務を背負わされてしまうわけで。要するに貧乏クジ引きに行くようなもんだと思うんですよね

新谷研作は現状やってるエスニック麺料理の店がずいぶん繁盛してるみたいだし、何も生活に困ってない状況で
わざわざ衰退してる炎志を継いで苦しみを背負いに行くなんて物好きなことをするのか…?
それをやるとしたら、よっぽど杉井さんの息子としてプライドがあって
「杉井大作の真の息子はこの俺だ!」って証明のために
炎志の後継者として立派にやり遂げるってことぐらいかと思いますが…
でもあの頭チンポ野郎の息子としてそんなプライド持てるのか…?(えー
俺としては、遺言状のことなんか無視して炎志はスルーして終わる方へ向かう気がしますが…次回に続く!

 






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