映画感想:ガンダムSEED FREEDOM



みなさんこんにちは、今日は映画で公開中のガンダムSEED FREEDOMについての感想を書こうと思います
この映画、もともとは2006年に「SEEDの映画これから作ります!」と発表されたのが
制作がひたすらに難航してしまい、2024年になってようやく完成したっていう超難産の映画だったんですよね

18年という年月を待っている間、さすがに待たされすぎてガンダム好きの間でも素直に完成を信じている人は少なくなっていったというか
「もうお蔵入りじゃね?完成とか無理っしょ」って完成せずに消える映画になるんじゃないかと言われていたわけですが
しかしそんな中ついに完成したっていうのが驚きでしたね。俺としてもてっきりお蔵入りになるもんだと思ってたから
まさか完成するとは…!?ってことが気になって、一体どんな映画になったのか見に行ってみたってわけですね

そんなSEEDの映画の感想を一言で言うなら…
メチャクチャ面白い映画でビビりました
いやもう俺の予想を遥かに超えてましたね。これまで18年も作るのに手こずって「どうせ未完成だろ」なんて思ってた映画が
こんなに面白い内容で完成するもんなのかっていうぐらい驚かされました

「今回のSEEDの映画めちゃくちゃ面白かったぞ!みんな見ろ!」っていうのが素直な気持ちなわけですが、
こんな風に褒めちゃうと、「お前がSEEDの信者だからそう思うだけなんじゃねーの?」とか思われそうですが
実を言うとですね…俺はSEEDシリーズに関しては信者どころか
むしろ叩いてる側の人間だったんですよね

ガチアンチというほどではないですが、「SEEDってなんかいけすかねー作品だったよな」ってあんまり良く思ってないぐらいの立ち位置でした
何がそんなにいけ好かなかったかというと、おもに主人公のキラの描写で、
キラって物語が進むごとにどんどん悟りを開いたような最強キャラになっていってしまって
キラが何を考えてるのかわからなくなっていき、強くなりすぎて「どうせキラが勝つんだろ?」っていうしらけた気持ちが生まれてしまった
っていうのが、俺がSEEDを気に入らないと思っていた理由でしたね

ただ、そんな風に俺にとっていけ好かないヤツだったキラっていうのが
今回の映画を見たことで好感が持てるようになったんですよ



今回の映画のキラは、今までのような悟りを開いた最強キャラって扱いではなくて
ひたすら苦悩にまみれたり、敵の執拗な罠でボロボロになったり、ドン底から這い上がっていくキャラ
となっているんですよね
必死に頑張ってもうまく行かず、恋人のラクスともすれ違いの日々が続き、自分より上位の存在でラクスを寝取るようなライバルまでも現れてしまって
ちくしょうちくしょうと泥にまみれながら、必死にもがくように戦うっていうそんなポジションになっていて
そんなキラの姿に共感しちゃったんですよね

必死にやってるのに上手く行かないとか、自分なんかよりもっと凄い奴がいるって思い知らされるのは、現実でもよくあるから共感しやすいし
そんな苦悩にまみれて戦うキラを見ると、頑張れって応援したい気持ちになるわけですよ。
それにもともとキラっていうのは苦悩を抱えながら戦うキャラだったと思うんですよね

SEED前半のキラはまさにそういう性格で、抱えきれないほどの悩みを背負って涙に濡れながら戦っていくってキャラだったから
久々に「以前のキラが戻ってきた」って気持ちになったんですよね
よくわからない悟り野郎の最強無敵なキラじゃなく、悩み苦しんで涙を流しながら必死に戦うキラが戻ってきたっていう。
そんな風に、キラの姿を見てものすごく感情移入しやすくなったっていうのがまず今回の映画のポイントだと思います

そういう「感情移入しやすくなった」ってことは、キラだけじゃなくてラクスにも言えると思うんですよ
ラクスもまた、以前のシリーズではキラ同様に悟り系のキャラへと突き進んでいって
最終的になに考えてるのかよく分からないヤツになってしまったと思うわけですが
今回のラクスはキラのために頑張って手作りの料理をしたり、キラとのすれ違いに心を痛めて落ち込んだり
他の男から寝取られそうになってもキラへの一途な気持ちで必死に耐えようとしたりと
キラに対する切ない気持ちを爆発させるっていうヒロインになっていて、それが今までよりずっと良い印象になりましたね



ラクスってキラのことこんなに好きだったんだ
ってことをすごく実感できる内容になっていて、
これまでの「よくわからない女」ってぼやけた印象から、「キラを一途に想っているヒロイン」っていう印象がきれいに固まって
キラ同様にラクスの好感度も大きく上がったわけなんですよ

そしてさらに、好感度が上がったキャラというのは他にもまだいます。
それが誰かというとシンなんですよね



シンって今までの描写でいうと、アスランの部下だった時に
やたら反抗的でアスランに噛みつきまくる狂犬ってイメージが強かったんですが
今回のシンに関しては、キラの部下になったことで
「俺がキラさんを守るんだ!」って張り切る番犬って感じの立ち位置に変わったんですね

犬っぽいイメージは変わらないものの、ひたすら狂暴で噛みつこうとするイメージだったのが
ご主人様に懐いて「俺も役に立つよ!」って頑張ろうとするイメージに変わったので
とにかくかわいい後輩って印象になりましたね

犬っぽいけどかわいい後輩だなこいつ…っていう、そんな立ち位置になったのが映画のシンだと思います
あとシンといえば、TVシリーズでは最終決戦で負けて終わるという、やられ役で終わってしまったイメージがあったわけですが
今回の映画では、そんな情けないイメージを完全に吹き飛ばすようなものすごいシーンがあるので
あの場面に関してはマジ必見ですね。シンというキャラを見る目がまるっきり変わると思います



そして次にアスランについて。アスランはなんて言うんでしょうね…
これまでのTVシリーズでもネタキャラ扱いされたり、たまにとんでもなく強い場面があったりしましたが
今回の映画ではさらにそれがパワーアップしたって感じでしょうかね

いやマジで、今回のアスランは乗ってくる機体からしてマジでやばすぎて
「お前なんつーもんに乗ってきてんの!?」って目が飛び出るようなことやってるし
あとは最終決戦においてボス敵を倒すための切り札が頭おかしすぎて
「なんなんだアスラン!?アンタは一体なんなんだぁ!?」って突っ込みながら笑いたくなるような活躍をしてましたね

そういう風に、思わず吹き出してしまうようなネタ要素を持ちながら
とんでもなく強いっていう強キャラでもあるのがアスランのすごいところというかね
今回もキラとかシンとかメチャ強い仲間がいるにも関わらず
敵から「やはり最強はアスラン・ザラか…」とか言われたりするっていうポジションにいるので
もうほんと面白すぎるキャラですねアスランは。いろんな意味で「アスラン最強」と思えるハチャメチャな奴ですよ

ともかくそんな風に、キラにしてもラクスにしてもシンにしてもアスランにしても
TVシリーズの時よりずっと好きになったっていうのが今回の映画の凄いところだと思います
見終わってみたらなんかもうみんな好きになっちゃったっていうぐらい良くできた内容というかね
ぶっちゃけ今までのSEEDシリーズといえば、俺的にこの4人のことはしらけた目で見てて
メイリンが可愛いことだけが救いだわーとか思ってたわけですよ

俺がTV版のSEEDシリーズを最後まで見たのって、メイリンが可愛かったからっていうのが一番の理由で、主要キャラに関しては
キラとラクス:悟ってる感が気に入らねー
シン:生意気なクソガキすぎてむかつく
アスラン:まぁメイリンのカップリング相手としては居てもいいんじゃね?

とかそんな印象でしたね(えー
それぐらい主要キャラに対して、気に入らねーだのむかつくだのって感情を持ってたのが、
今回の映画できれいに洗い流されたから、凄い映画を作ってきたなと思いましたね

あとは映画で初めて登場した新キャラ達も良かったと思います。
映画での新キャラは、その多くが敵として登場するわけですが、単なるやられ役かと思ったら想像以上に強い奴らで
特徴的なのがコーディネイターの能力にニュータイプの能力を上乗せしたような連中なんですよね

ニュータイプの能力っていうと、他人の意思を感じ取れるっていうのが代表的で、
戦闘中に相手の動きが手に取るように読めたりと、圧倒的なアドバンテージを持って戦えるわけで
そういう敵を相手に今回キラ達はさんざん苦しめられるわけですよ

これまで最強のスーパーコーディネイターだとか言われていたキラですら、今回の敵からしたら
しょせんはニュータイプ能力を持たない下等な失敗作みたいに見下されてしまって
これまでに出会ったことのない強大な敵を相手に、キラ達はどう立ち向かうのかっていう苦境に立たされるわけですよ



さらに言うと、敵のニュータイプ能力に対抗するためにキラ、シン、アスランの取った戦法っていうのが
3人ともまったく違うっていうのが面白いんですよね
3人それぞれに個性的な別々の方法で戦うっていう、キャラによってこんなに戦い方が違うんだっていうバトル描写がひたすら楽しかったです

特にシンとアスランのはっちゃけ感が最高に面白くてね…
今までのSEEDには見られなかったようなウルトラはっちゃけ戦法で戦うもんだから
なんつーとんでもないものを見せるんだって吹き出しそうになりながら見てましたよ

そんな風に今回の映画はバトルシーンもめちゃくちゃ面白いっていうのが大きな長所だったと思います
これまでのSEEDにおけるバトルシーンと言ったら、使い回しの映像を多用しまくったバンクシーンばかりっていうのが特徴的で
代わり映えしない映像ばかりを何度も使ってたのがとにかく退屈だったんですよね。
誰が戦っても同じ動きばっかりじゃんっていうような、まるで個性のない戦闘ってところが大きな不満だったわけで
でも今回は、めちゃくちゃ個性的で見ててワクワクする戦闘に仕上げてきたことで、そういう不満も解消してきたってわけですよ



キャラクターにせよ戦闘シーンにせよ、今までのSEEDで不満に思っていたことがバッチリ解消されていて
「とことん面白いものを作ろう」っていう熱意があちこちから溢れているような内容だったから
アンチ寄りだった俺ですら心底楽しめてしまったというわけなんですよ

なので今回の映画、今までSEEDが好きだったファン向けというのはもちろんなんですが、それだけじゃなくて
今までSEEDが気に入らなかったアンチ向けでもあると思います
「キラやラクスの悟ってる感が気に入らねー、シンは生意気なクソガキすぎてむかつく、戦闘シーンは使い回しの映像が多すぎてつまらねー」
といったような、アンチ感情を持っていてもめちゃくちゃ楽しめる映画だと思うんですよ
実際に俺自身がそうだったので、たとえSEEDアンチであっても今回の映画はマジでオススメしたいです
今までのSEEDとはひと味もふた味も違うっていう、そんな凄さを実感できるんじゃないかなと思いますよ

(C)創通・サンライズ






トップに戻る