■あさっての方向。9話 「みちしるべ」

からだに拒絶されてしまい、失意の中叶町に戻ってきた尋。
椒子もそんな尋にかける言葉が見つからず、2人だけの家でひたすら無言の気まずい時間が流れて行きます
しかしどんなに落ち込んでいようと仕事の時間は待ってはくれません
のそのそと立ち上がり、スーツを羽織って家を出ようとする尋でしたが…

「どういうことだよ!これ消印叶町のじゃねえか!
 何が親戚のところだよ、いるんだろ五百川!どこにいるんだよ!なァ!」

いきなりそこへ怒り狂ったテツが登場!何かと思えば、その手には以前送った残暑見舞のハガキが…
やっぱりあれは小細工も何もなしに身近な郵便局から出したのね(´・ω・`)まあ多分からだが1人で出したんだろうし…
それにしてもテツの言葉遣いがひどすぎ。「おい五百川いるんだろ!?わかってんだよ!出せよオラァ!」って
これじゃまるで借金取りに来た暴力団の人じゃないか!(えー
こんな危険人物大事な妹に会わせたくねえよ!むしろ私なら警察呼ぶ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「妹はいない…ここにもこの町にも…出て行ったんだ…」

「で…出て行ったってどこに!?どこに行ったんだよ!おいなんとか言えよ!」

喋るのもおっくうなほど落ち込んでいるのか、重たい口をやっと開いてボソボソと喋りだす尋。
相変わらず乱暴な言葉を浴びせるテツでしたが、尋の普通でない落ち込み方にただならぬ様子を察したんでしょうか
これで終わったと思うなよ!と今は引き下がっていくのでした

「いなくなったとか…見つかったとか…親戚の家だとか…出てったとか…一体何がどうなってんだよ…」

今まで尋の矛盾だらけの言い訳を聞かされ続け、からだに関する情報がムチャクチャで頭を抱えてしまうテツ。
透子のアパートに転がり込んでぐちぐち弱音を吐きますが、そんなテツの態度に透子はイライラ。
蹴りを一発お見舞いするとテツをほっぽり出してしまいます

「あいででで!な、何すんだよ!」

「私、バカな弟はいるけどウジウジした弟を持った覚えはないのよね!
 考えるより先に突っ走るのがあんたでしょ!今を生きるんじゃなかったの!?」

うーむ姉ちゃん手厳しい。まだ小学生の弟にはハードルの高い問題なんでは…
と思いきや、透子の言葉で吹っ切れたのか、テツは決意の表情で荷物をまとめると
電車に飛び乗りからだがいなくなったという大泉学園駅を目指すのでした






「ここ、いーですかー?」

「ああ、どうぞ…」

「んふー」

「…?こ、琴美ちゃん!」

その途中、テツが電車に揺られているとそこで琴美と遭遇!なんで琴美がここに!?面白そうだから尾けて来たとか?
どうでもいいけどセーラー服姿に激しく違和感が!
やっぱり中学生には見えないよ!正直なんかイメクラみたい:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「今日は何?買い物か何か?おば様は一緒じゃないんだ…」

「こ、琴美ちゃんこそ何なのさ!」

「小学校の時の担任の先生んちに、泊まりがけで遊びに行くんだー。
 近くだから遊びに来いって。公私共にお世話になったってやつ?」

「担任の先生…?げぇー」

え…?(゜д゜;)つまりテツとは全然関係ない目的で電車に乗ったと…?
たまたま偶然同じ方向・同じ時間・同じ電車の同じ車両に乗ったのかよ!なんて偶然だ!
まあでも叶町のことだから、電車は数十分に一本・車両も2両とかそんなのかもしんないなあ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「琴美ちゃん、乗り換えなんだよね。じゃあ俺はここで」

「うん、じゃあね」

結局大泉学園駅で琴美は乗り換え、テツは情報収集のためその駅に残留。
テツはからだの写真を片手に、まずは駅員さんから聞き込みを開始します

「2・3日前だと思うんですが、覚えていませんか?」

「う〜ん…ちょっと分からないな、毎日大勢の人が通るからね」

「そうですか…どうもありがとうございました」

え、駅員さん!この間迷える子羊のような目であんたを見ている少女がいたじゃないですか!もう忘れてしまったんですか!
あんたおとといの晩飯のおかずとか絶対思い出せないでしょ!(えー
とは言え、駅員さんが覚えていたとしても「そんなような子が自動改札のハイテクさに戸惑ってたなあ」というくらいで
すでに「からだがこの町に来た」と知ってるテツには意味のない情報ですけど:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

それにしてもテツが礼儀正しく喋ってて驚き。ちゃんと敬語で喋れるんじゃないですか
ということは、いつもタメ口で話される尋はよっぽど舐められてるんだなぁ(えー

「あっ…?」

「白状しろぉ、こら」

テツが次の駅員さんに話を聞こうとした時、その行く手にはまたも琴美が。結局乗り換えはすっぽかしてついて来てしまったのです





「ゆ、行方不明!?」

「こ、琴美ちゃん声でかい!」

「だ、だってこんな小さい子が…それってやばくない、やばすぎない!?
 あ、あれよほら、最近あれだからきっと…!むぐ」

「そんなんじゃねえっつーの!」

とりあえず喫茶店で事情を話すテツ。すると琴美は予想外の事態に激しく取り乱してしまいます
お黙んなさい!口をふさいで上上下下左右左右BA!
ぶうぉええの時のカレンといい小清水亜美の演じるキャラは、顔をぐいぐい左右にひねられることが多いですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

というか後ろに見える「Books Yosheno」っていうのは、からだが2回目に面接に向かった本屋ですか。芸が細かい

「警察には届けたの?」

「家の人がやってるでしょ」

「だったら連絡待った方が…」

「…探さなきゃいけないんだ」

「………分かった、私も手伝う!」

「え!?だって先生の家に行くんじゃ…」

「それどころじゃないでしょ!こんな大変な話聞いちゃったからには!」

妙なところで責任感を発揮する琴美。ある意味テツよりも張り切りながらからだ探しを手伝うことに。

「この町で降りたことと、さっきの駅から中山線の下り電車に乗ったとこまでは分かってるんだ
 だから片っ端から駅員に…」

「ダメダメそんなんじゃ!」

1人ずつ聞き込みしようとするテツを「ぬるい」と一蹴し、からだの写真をガーガーコピーしまくる琴美。
というか中山線の下り電車とか、尋もかなり具体的なところまで教えてるんですね。それがいいことなのか悪いことなのか…

「お願いしまーす!どうも、お願いしまーす!」

「こ、琴美ちゃん恥ずかしいよ…!」

「何言ってるの、友達なんでしょ!?そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」

そして街頭でひたすら「五百川からだを探してます」のビラ配り。
椒子の時もそうですが、琴美は友達についてかなりこだわる性格みたいですね
やっぱり転校を重ねただけあって、友達の大事さみたいなものを実感してるんでしょうか

ってBooks Yoshenoのオッサン来たー!!
昼間っから店はどうしたオッサン!なんにしろ「これなんて読むの?」ってからだの名前を履歴書ではっきり見てた店主ですから
あんたならこの名前に見覚えがあるでしょう!きっと名前も知らない駅員さんより印象は深いはず…

ポイッ  スタスタスタスタ

…(゜д゜;)あ、あの店主さん?なんでビラを投げ捨てて立ち去ってしまうんですか?
まさか全然覚えてないんですか!それとも思い出す気がないんですか!
なんにしても目の前でビラ放り捨てて行く奴があるかー!ひどい人だ…これも都会の悲しさよ…
私も上京してきた当初は「配ってる人が可哀想」とか思って、ビラやティッシュの類は一つ残らず受け取ってましたが
今となっては面倒くさくて何があっても絶対受け取りませんからね(えー
都会ってのは人があまりに多すぎていちいち気にしてらんないので、他人を見捨てることを覚えてしまうのです
まったく嫌な話だ…そう分かってても受け取らないんだけど:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ぐ…よろしくお願いしーまーす!」

しかし店主のオッサンがビラを捨てたのを見て、逆に猛烈にやる気が湧いてきたテツ。
琴美に負けじとリキを入れてビラを配り続けるのでした。叩かれれば伸びるタイプなのね






「お昼の用意ができましたよー!」

「ああ、佐藤さーん!」

「はーい!」

一方、大泉学園駅を飛び出したからだが向かったのは、第一話で尋やテツと遊びに行った海辺の駅でした。
特に理由もなくそこで降りたからだでしたが、ペンションを経営する中年夫婦に運良く住み込みのバイトとして雇ってもらったのです

ていうか旦那さん絶対出るアニメ間違ってるよ!
な、なんだこの妙につぶらな瞳は!からだと目の大きさが全然違うじゃないですか!お、同じ人間に見えない…

「今までずっと生活のために働いてきて、色んなものを我慢して…
 だから、この辺であの人の好きにさせてもいいかなって思ったの。付き合うわよって」

どうやら中年夫婦がこのペンションを始めたのはつい最近のことらしく、そのいきさつを簡単に説明する奥さん。
旦那さんは脱サラか何かしたんでしょうか?それにしても「好きなものを犠牲にして働いてきた」っていうのは
尋となんだか境遇が似てますね。明るい雰囲気の中年夫婦から、からだもポジティブなものを吸収できればいいんですが…

プルルルル プルルルル

「…もしもし」

「………私、大丈夫ですから、ちゃんとやってますから…心配しないでください」

「からだちゃん!?今どこにいるの、大丈夫!?
 ねえ、からだちゃん聞いて…お兄さんとのこと、ちゃんと話したいのよ!」

「ごめんなさい…」

とりあえず生活の見通しがついたので、椒子に心配しないでと連絡を入れるからだ。
しかし、一言ぽつりと話しただけですぐに電話を切ってしまいます
椒子の声を聞いたら少しは気が変わるかと思いきや、やっぱりまだ全然帰ろうって気持ちはないのね…(´・ω・`)






「どうしてここに…?」

「からだちゃんから電話があったわ、元気でいるから心配しないでって」

「…」

お昼時、いつものように尋が透子の喫茶点にやって来ると
そこでは椒子がオレンジジュースをズーズー吸っていました
からだのかけて来た電話はあっという間に切れてしまったと聞いて、余計に沈んでしまう尋。
「ご注文は?」と尋ねる透子に答える気もなくガン無視です。お客さん冷やかしはお断りですよ!(えー

ああ…それにしても透子の背中のラインがえろい。えろすぎる。これだけでご飯3杯はいける:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「分からないのよね…別に責任逃れするわけじゃないけど、あの子どうして出て行ったの?
 私たちの関係を知ったからって、何も家出することないじゃない…妹なんだから…
 ねえ、あの子知ってたんじゃないの?本当の妹じゃないって…」

「…」

「確かめたことないの?」

「必要ないだろ…!実際はどうであれ、俺たちは兄妹なんだ」

からだのことで言い合いしながら激しくタバコ争奪戦を繰り広げる2人。
子供がそんなもの吸っちゃいけません!と慌ててぶん取る尋ですが、
たぶん煙草を今一番取り上げたいのは料理人の椒子です(えー


(C)土山しげる/日本文芸社

食を扱う料理人たる者
調理の前に味覚嗅覚を鈍らせる
煙草を吸うなど言語道断!

ましてや小学生の客である椒子がだ!

そう、もしこの喫茶店に次の瞬間海原雄山でもやってきたら大変なことになります(えー
ヤニの味がする料理にブチ切れテーブルをムチャクチャに!「なんだこの店は!女将を呼べ!」怒りのはけ口に女将を召喚!
君が泣くまで怒鳴るのをやめない!女将だけでは怒りが収まらず調理場にまで踏み込み、タバコの犯人をとっ捕まえてひたすら罵倒
「きさまには料理をする資格がない!死ね!死んで償え!」
いやあ煙草って恐ろしいですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

(C)雁屋哲・花咲アキラ/小学館

「逃げてるんでしょ、聞くのが恐くて逃げてたのよ!
 あなたはどうして本当のことを避けて通ろうとするの!?
 傷付いたり傷付けたりすることを、なんで分かってくれないの!
 かわいそう!?同情!?それって本当の兄妹なの!?臆病者!卑怯者!」

「いい加減にしろ…!あいつのことが心配なのは分かるけど…!」

「心配なんかしてないわ!寂しいのよ…!あの子がいなくなって私が寂しいのよ!」

からだが戻って来ないこと、過去に尋が自分を捨てたこと、積もりに積もった尋への不満をメチャクチャにブチ撒けて
喫茶店を飛び出してしまう椒子。その場にぽつんと残された尋でしたが、
椒子がオレンジジュースの代金を払わずに出て行ってしまったので
自分は何も頼んでないのに伝票をレジに持ってく姿が哀れすぎます

「そう落ち込まないでも、今日みたいに探してればきっと見つかるよ」

一方、日が暮れるまでビラ配りを続けていたテツ達。やはりというか成果はゼロでした
今日はもう帰った方がいいと言う琴美でしたが、テツは実家に帰れば厳しいママンに監禁されるだけ、
透子のアパートに行っても追い出されるのがオチです

「俺…五百川見つけるまで帰らないから」

「へえ…なんだかカッコいい!でも今日はどこに泊まるの?」

「あ…考えてなかった」

「なんだよしょうがないなあ。だったら私と一緒に来ない?
 大丈夫、先生んち中山線の沿線だからその子探すのに都合がいいよ」

先生の家ってのはよっぽど大きいんでしょうか、テツ一人増えてもどってことないないと
一気に同行を決めてしまう琴美。そして2人が先生の家に到着してみると…

「ご無沙汰してます磯貝先生!」

「おおやっと来たか!佐藤さーん、お客さんだよ!」

「はーい!」

ってさっきのカエルみたいなオッサンが琴美の先生かよ!
いくらなんでも偶然すぎ!図らずも一気にからだ(佐藤花子)に急接近する結果に!
残り話数も少ないことだし、ここで一気に正体バレでしょうか?次回に続く!


■あさっての方向。10話 「本当の名前」

 

「え…!?」

「あ、あれ…?一緒に住んでたんじゃないの、五百川の兄貴と…」

「網野君、佐藤さんとは知り合いなの?」

「あ…はい」

「え、そうなの?」

ペンションにてからだとの思わぬ再会に目を丸くするテツ。驚いているのはからだも同じでしたが
数日前からだに会ったばかりの琴美「この人誰だっけ?」全然覚えていませんでした

「え、えーと…同級生のお兄さんの友達です」

「ほぉ、こうして見てるとカップルみたいに見えるけどね」

「えっ…!」

「先生違いますよ、テツ君は一途なんですよぉ。同級生の子を探してここまで来ちゃって、
 しかもテツ君はその子のことが…」

からだと奥さんが作ったディナーをつつきながら雑談をする一同。
しかし先生、小学生のテツと20歳超え(たぶん)のお姉さんがカップルとは大らかっつーかなんつーか…(えー
そしてテツの恋をバラそうとした琴美は今日もまた顔面シェイクの刑です。上上下下LRLRBA!

(まだ私のこと探してくれてたんだ…)

自分を必要としているテツに複雑そうな表情のからだ。
元の姿に戻れない以上、報われることのないテツの必死の捜索を見ているとなかなかに辛いものが…

というかゴロリと寝転ぶと一層おっぱいが強調されてえらいことに!
こぼれるほどにでかいおっぱいがむにむにと…まさに女の人の一番グッと来る瞬間(by香取慎吾)
この場面ほど「俺も布団になりてーなー」と思ったことはない:;y=_ト ̄|○・∵. ターン





「AセットとBセット、おひとつずつですね」

「お待たせしました!はぁひぃ…」

翌日、ペンションはランチを食べに訪れた客で大繁盛。からだと琴美は次から次へ注文取りにバタバタ
先生の奥さんは相当な料理の腕前を持っているようで、このペンションの料理は客にかなりの好評を得ているようです

「先生〜、またこんなところでさぼってる」

「さぼってるとは人聞きが悪いな、今夜お客さんに出す食材を調達してるんだよ」

嵐のようなランチタイムが終わり、自由時間になった琴美は釣りをしていた先生の所へ。

「浜の方にはもう行ったかい?あの浜には言い伝えがあるんだよ
 夏の終わりに砂に想い人の名前を書いて海に返すと、いつか必ず巡り会えるんだ」

さっそく趣味のおとぎ話を聞かせる先生。いつか必ず巡り会える…それテツに教えてやれよ!(えー
まあ真剣に人探ししてるテツに「砂に名前書けば会えるよ!」なんて言っても
遊びでやってんじゃないんだよ!とかキレられるかもしれませんが:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「そんな乙女なことばっかり話してるから、みんな先生の言うこと信じなくなっちゃったんだよ」

「でも汐崎は信じてくれたろう。お父さんからお聞きしたよ、”磯貝先生の話は面白い”って
 汐崎が楽しそうに話してくれるって。お父さんはお元気かい?」

「…多分」

「そりゃあ良かった」

うーむ…なんだか意味深な会話が出てきました。どうやら琴美も先生も何やら色々と事情を抱えてるみたいですね
先生は普段おとぎ話をしているうちに周囲からバカにされ、琴美も父親とは別居か何かしているような…



それはそれとしてのびーる琴美のワキに辛抱たまらん!萌えのビッグバンだ!(えー






「はあ…」

その頃からだは、第一話で尋達と泳ぎに来た砂浜へと足を運んでいました
みんなでワイワイお弁当をつついたビーチパラソル。その下に座り込み、楽しかった日々のことを懐かしみます

くそっなんなんだこのアニメは!ぼんのくぼさえも萌えに変えられるのか!(えー
うつむくからだの首筋萌え。あらゆる場面を萌えに変えてしまうからこのアニメは凄いな…まさに萌えの神様だ

「ここ、五百川と来たことあるんだ」

そこへやってきたのは、今日もからだを探してあちこち歩き回っていたテツ。
砂浜を見回すとすぐに他の場所を目指すテツでしたが、からだはテツを放っておけずにトコトコ後をついていくことに。

「保護者はいらねーから」

「か、帰り道が同じなだけですから…あれからずっと探してるんですか?
 どうしてそんなに頑張るんですか…?」

「…あいつ俺のこと恐がらねーし、俺のアダ名つけたのもあいつだし…」

ぼそぼそとからだ探しの建前を語るテツ。しかしこれ以上テツに苦労をかけたくないからだは、普段より強気で押しに行きます

「もし見つからなかったら…」

「…見つけるんだよ」

「でも」

「見つかるまで探すんだよ」

「でも!」

「好きだから見つかるんだよおっ!」

うわー!勢いに任せて愛の告白!まさかその本人が目の前にいるとは夢にも思うまい
色恋沙汰に疎いからだは、初めて聞かされる告白に真っ赤になってうつむいてしまいます

「そ、それに…俺のせいかもしれない」

ここ数年の思い出を振り返ると、やたらからだを泣かしてしまったことばかりがテツの頭をよぎります
それにしてもロリからだもショタテツも最高に萌えるぜ
プリプリを見て以来二次元なんだから性別なんて気にすることないというのが私の持論なので
ショタだろうがロリだろうがどっちも大好物:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

というかテツ、2・3年前まではからだとまったく同じ身長だったのに、物凄い勢いで身長伸びてますね
神様の修行から帰って来た時の悟空くらい伸びまくってます(えー
まあからだもあれだけ幼児体型だったのが、今じゃボンキュッバーンなので結構似た者同士なのかも…






「…出て行くのか?」

「ええ、今の私たちを繋いでたのはからだちゃんだったから」

その頃、尋のアパートでは椒子が荷物をまとめて出て行くところでした
からだと別れて以来、尋はひたすら沈んで黙りこくる毎日。
2人にはロクな会話もなく気まずい時間が流れていたので、椒子が出て行くのも無理はありません

「あなたはどうするの、ただ待ってるだけ?」

無気力な尋の尻を叩いて去っていく椒子。曇りがちだった天気は一気にドシャ降りとなり、
椒子はズブ濡れになりながら一人マンションを目指すのでした

「思ったより強くなってきたわね…」

「うん…網野君は大丈夫かね」

「私ちょっと探してきます」

同時刻、からだ達のいるペンションでも雨の勢いはどんどん強まっていました
自転車で出かけたまま帰ってこないテツが心配になり、傘を持って探しに行くからだ。
テツもペンション目指して自転車を飛ばしていましたが、ぬかるみにタイヤを取られて足をケガしてしまいます

「う…はぁ…はぁ…」

「網野君!?大丈夫ですか網野君!」

自転車を起こそうとするテツでしたが、ケガだけでなく妙な倦怠感に襲われてみるみる虚ろな表情に。
駆けつけたからだが慌てて抱き起こし、ペンションへと運んでいきます

「ケガは大したことないわ、熱は38度だったけど…明日になれば下がるんじゃないかな」

「あの…私、看ていたいんです」

これまでの疲れが雨を受けてドッと吹き出したんでしょうか、高熱を出したテツはすぐに眠り込んでしまいました
「寝かせておけば大丈夫」と言う奥さんでしたが、からだはテツに責任を感じて献身的に看病をすることに…

「はぁ…はぁ…」

(ごめんなさい網野君、私のせいでこんなことに…)

「ん…あ…あれ?ずっと…いたの?」

「あ…!気分はどう、苦しくありませんか?」

「大丈夫…はぁ…どっかで雨宿りしてるかな、早く見つけないと…放っておけないんだ、あいつのこと」

なんとか意識を取り戻したテツ。しかし、こんな状態でもテツが最初に思うのはからだのことでした
自分をここまで必要としているテツに、徐々に惹かれていくような表情のからだ。なんとか元気づけようと励ましの言葉を送ります

「網野君なら…網野君ならきっと見つけられますよ!」

「ありがとう…佐藤さん…」

(網野君…私の…私の名前は…!)

テツの気持ちに応えてあげたいからだでしたが、今のからだはテツにとって佐藤花子という他人でしかありませんでした

苦悩のからだは胸をぎゅーっと…可哀想なシーンですがおっぱいに目が行ってしまうのは男の悲しいサガか(えー
それと熱を出して息を乱すテツにも何だかエロスを感じてしまいました。俺マジダメ人間
男キャラのテツにさえこの色気、まさに萌えのバーリトゥード。あさっての方向…恐ろしい子!

■あさっての方向。11話 「そこにある現在(いま)」

(いつかここに連れて来たかったんだ…)

冒頭、ロリからだと第6話の泉へ行く夢を見たテツ。素直に喜んでくれる夢の中のからだでしたが
次の瞬間、そのからだはなぜか佐藤さんへと姿を変えていました
無意識のうちにテツも本当のことに気づき始めているんでしょうか、目が覚めた後も佐藤さんと目を合わせることができません
というか同じ角度から顔見ると本当瓜二つじゃん!そろそろ疑問を持ってもいい頃だぞテツ…

「はいどうぞ、佐藤さんが作ってくれたのよ」

「いただきまーす!ん…ん?」

そして朝食に箸を伸ばすテツ。するとそこには、からだ独特の味付けをしたしょっぱい卵焼きが。
一話でロリからだが作ったのと同じ味の卵焼きに、怪訝そうな顔をするテツ。着々と真実に気づくフラグが…

「37度1分…もう少しですね、風邪は治りかけが大事ですから。
 治ったらまた…五百川さんを探しに行くんですか?」

「うん…夢を見たんだ、五百川をあの水源に連れてく夢…
 一緒に景色を見て、そしたらいつの間にか……………やっぱなんでもない」

もうあと一押しあれば「もしかして佐藤さんって五百川なのと違う?」と言い出しそうなテツ。
からだも徐々に、テツが気づいてくれそうな雰囲気を感じ始めているようです

「ただいまー!あれ、テツ君もういいの?」

「もう全然。ずっと寝ててもしょうがねーしさ」

「よかったよかった、じゃあちょっと外の空気吸った方がいいんじゃない?」

一日ゆっくり休んですっかり回復したテツ。帰ってきた琴美に散歩に誘われますが…

「琴美ちゃんは夕飯の手伝い。こんなにたくさん一人でさばけないわよ」

「え〜〜?」

「じゃあ佐藤さん、お願い」

「えっ…?」

「バカ琴美おめー空気読めてねーなー」と琴美を引き止めてからだに目配せする奥さん。
散歩を任されたからだは真っ赤になってうつむいてしまいます
なんだかえらく2人の仲が接近してますよ!やっぱり昨晩一つ屋根の下で過ごしたことが効いてるのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「あ、あの…なんだか色々世話になっちゃってどうも…」

「いえ…」

「本当にもう大丈夫だから」

砂浜をサクサク散歩する2人。なんだか微妙に意識しているのか、
2人とも恥ずかしそうにうつむいたまま会話を続けます。見てるこっちもこっぱずかしいぜ

「続き…あの、続きどうなったんですか?昨日の夢の…」

「あ、ああ。いや別に…」

「一緒に来たんですよね、ここに五百川さんと…五百川さんのお兄さんと、網野君のお姉さんと、
 尋兄のお友達の椒子さんと…」

「…?」

「私です…私、五百川からだです」

いきなり告白いったーー!!
早くもバラしちゃうんですか!何かもうひとつ決定的な証拠でも見せた方が!
ただまあ、前回の正体を気づいてもらえない苦悩っぷりから言って、
一刻も早く気づいてもらいたいと思うのも仕方ないかもしれませんが…

うっそーん。呆然として返す言葉も見つからないテツ。自分がからだ本人だと証明するべく、からだは思い出話を始めます

「この海に来た時のこと覚えてますか?椒子さんと願い石にお願いしたって…
 今すぐ大人になりたいって願ったんです、その願いを石が叶えてくれたんです
 今まで黙っててごめんなさい、こんなこと信じてもらえないと思って…
 でも嬉しかった。網野君はずっと私を探してくれて、見つけてくれた…」

一歩間違えばストーカー道まっしぐらのテツでしたが、からだはテツのそんな必死さを心から嬉しく思っている様子。
なんだかもう私でよければ付き合ってくださいと言ってしまいそうな勢いですが、
そんなからだとは逆に、テツは話を聞けば聞くほど険しい表情に変わってしまいます

「…なんなんだよあんた、何の話だよ…なんでそんな話を俺にするんだよ…!
 何これ、何の冗談…?俺のことからかってんの!?」

「ち…違います!からかってなんかいません!
 私本当にからだです、五百川からだです!」

「ふざけるなァッ!見つからないと思ってんだろ、
 だからそんなこと言うんだろ!俺は見つけるからな、絶対五百川を見つけてやる!」

涙ながらに訴えるからだを無視して駆け出してしまうテツ。今まで一緒に過ごしたことを必死に叫ぶからだでしたが、
それでもテツは振り返ることなく、とうとう砂浜から立ち去ってしまいました
テツよ…もっと夢を持とうぜ…(えー
小学生のうちからそんな現実的じゃなくてもいいじゃない!いっそのこと
「奇麗なお姉さんとイチャイチャできるチャンス!テキトーに話合わしとくか」とか不純な動機でもいい:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「網野君…信じてください…網野…君…」

一人砂浜に取り残されたからだは、その場に崩れ落ちるとただただ泣き続けるのでした




日が落ちてペンションに戻ってきた後も、明らかに暗く沈んで生気のないからだ。
一体何があったのかと先生や奥さんも気が気ではありません
テツも部屋にこもったままで、話を聞くのもはばかられる先生たち。そこで琴美が強引にテツの部屋へ乗り込んでいきます

「願い石!?じゃあ佐藤さんがテツ君の探してた女の子ってわけ!?」

「信じられるわけないだろ…なんであんなこと俺に言ったのかわかんねえよ…」

琴美声でかすぎますよ!会話は部屋の外の先生にも丸聞こえ。
頭ごなしに否定するテツとは違って、好奇心旺盛で願い石の話に食いついてくる琴美。
おとぎ話の好きな先生も、じつに興味深そうな表情です

「彼女、網野君に何やら面白い話を披露したみたいなんだな。
 ところが網野君には、これがお気に召さなかったらしい」

「だからって…それだけで網野君があんなに怒るなんて」

「…僕らが最初にデートした時、30分後には君は怒って帰ってしまった」

「そりゃ、いきなりカッパやツチノコの話をされたら…」

「でも君は今ここにいる。最初は腹を立てても、ロマンというものは
 いずれ人を豊かな気持ちにさせてくれるものさ。まあ温かく見守ってあげよう」

「ロマンがあればきっと恋人はうまくいく」と、体験談からとりあえず2人を見守ることにした先生。
それにしても、関係ないですが先生を見てると丸メガネ長い顔ロマン
学生時代は浪漫倶楽部の部長とかやってなかったですか?:;y=_ト ̄|○・∵. ターン






「あ、いた!聞きましたよテツ君から。あなたが石のせいで大人になって、友達は子供になって…
 面白いっちゃ面白いけど、今のテツ君にはちょっとシャレになんないかな」

「…本当です、私本当に…」

ペンションの外でぼんやり遠くを眺めていたからだ。そこへ琴美が話しかけてきました
最初は「もー冗談きついっすよー」とあまり信じていませんでしたが、からだの深刻な表情を見て願い石について話し始めます

「叶町の生まれですか?」

「いえ…」

「私、あそこが故郷。だから願い石のこともよく知ってますよ
 小さい頃からお父さんと散歩すると、よく聞かされましたよ
 『この石は願いを叶える、お前の願いもきっと叶えてくれる』…
 自分だって願い事叶ったことなんかないくせに、変なとこだけガンコでさ
 もうお母さんなんか、いっつも『この子にいい加減なこと言わないで』って怒っちゃって大変だったんだ」

また出ましたね琴美パパ。6話で父親に手紙を出しに行ったことから考えても、
琴美父は先生みたくメルヘンな性格で、琴美母が愛想尽かして別居とかそんな状況でしょうか?

ってカメラさんどこ映してんだーー!!
琴美の股ぐらにズームイン!なんということを!エロスはほどほどにしてください、大事な話の最中なのに!

「もしあなたの話が本当だとしたら、私も…」

なんだか意味ありげにつぶやく琴美。半信半疑とはいえ、かなりからだの話を信じる気にはなっているようです
しかし、一番信じてもらいたい人に拒絶されたからだには、琴美の言葉もあまり慰めにはならず…

プルルルル プルルルル

「はい…からだちゃん、何かあったの?」

「椒子さん、私もうどうしたら…」

な、なにい!?半分絶縁状態みたいになってた椒子に電話!そこまで思いつめてたんですか
確かに相談できる相手はもう椒子くらいしか残ってませんが、今まで連絡を絶ってたのにいきなり相談するとは…
もうなりふり構っていられないってことでしょうか
からだの優先順位がいつの間にかテツ>>>>>椒子と尋ってことになってるな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン



というか風呂あがり椒子がやばいですよ!この破壊力には絶対耐えられない!(えー
何この極上の萌え。まったくこういう描写やらせたらあさっては最強すぎるぜ

「網野君に嫌われちゃいました…信じてもらえませんでした、私が私だって…」

「網野君と一緒にいるの?」

「ここでバレーボールして遊んだことや、浮き輪のことを話しても全然…
 信じてもらえるわけないですよね、でもきっと分かってくれるって…
 私、網野君と一緒にいるとなんだかホッとなって、温かくなって…」

微妙に情緒不安定なからだは、喋りたいだけ喋るとすぐに電話を切ってしまいます。もう完全に恋の病ですね
しかし「バレーボールや浮き輪で遊んだ場所」という話から、からだは第一話の海にいると気づいた椒子。
そして携帯を見ると尋からの着信履歴が。何かと思って電話をかけ直します

「もしもし」

「なに」

「…お前の言う通りだ、俺は臆病者だった…卑怯者だった。はは、こんな話を電話でするのも卑怯か」

「…エアメールよりマシよ、続けて」

9話で椒子にこっぴどくののしられ、その後もそれとなく透子に諭されていた尋。
今までの自分をもう一度見つめなおして、椒子に反省の電話をかけてきたのです

「確かに俺は逃げてきた、お前からもからだからも…
 お前と手紙で別れたのも、からだに何も言わずにきたのも
 本当のことを告げるより、嫌われた方が…実の兄でいた方が楽だったからだ」

個人的に一番気になっていた椒子1年放置→エアメールで別れ話の理由。
そのわけは「だって説得するより嫌われた方が楽だったんだもーん」とのこと。そりゃ確かに最低だわ…

「あいつの居場所を奪ったのは俺だ…あいつを探しに行く。どこにいるかも分からないけど、
 とにかく見つけ出して…」

「…分かったわよ、居場所。海にいるわ、私たちと一緒に行った…」

ようやく胸のうちを明かした尋に、もう一度歩み寄ってみる気になった椒子。
からだの居場所を教えると、翌朝2人はからだのいる海を目指して出発します

というか尋がすっきり爽やかスーパーイケメンに!
今までの濁った目がキラキラと!デスノートなくした時の夜神月みたいだな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
こうなるとズボラな長髪ですらオシャレに見えてしまいますね

それにしても今回改めて思ったのは、椒子は時々おっそろしい萌えを発揮しますね
からだも透子も琴美も好きなんですけど、椒子は時々神がかってるというかムチャクチャ可愛く見える時があります
他のキャラより眉毛太いし前髪カクカクだしメガネぶっといのに萌えるのはなぜなんだ…(えー
理屈を超えてる椒子の萌え。スタッフは神としか言いようがありません。そして次で最終回か…俺の至福の時間よサラバ( つд`)


■あさっての方向。最終話 「ここにいること」


「ったく、やりにくいったらありゃしねえ…」

相変わらずからだを信じることができないテツ。
この日もからだと顔を合わせそうになると、そそくさと自転車でペンションを飛び出してしまいました
ペンションからの坂を一気に駆け下りていくと、そこに叶町からやってきた尋達の姿が…

「妹はどこ?」

「五百川ならこれから探しに…」

「もう見つけてるはずだ、妹のことが好きなら信じてやってくれ」

「なに言ってんだよ、いい加減にしろよ…!五百川はすっげーちっこいんだよ!
 あんな大人なわけないだろ!?
 佐藤さんって人なら、この先のペンションにいるよ…!」

やかましい!あんなおっぱいなんて知らないね!あくまでも今のからだは「佐藤さん」だと吐き捨てて、
再び自転車をとばしていくテツ。からだのためにはテツの説得も不可欠と思った尋は、すぐにテツを追いかけていくことに…




テツを追って海岸までやってきた尋。見てみれば、テツは自転車を降りて先生と話しているところでした

「あの…話ってなんですか?俺急いでるんですけど」

「不知火って知ってるかい?九州のある地方に、不知火という現象があって
 この時分、夜になると不思議な光が見えるんだ。言い伝えでは、2000年前
 九州征伐に赴いた景行天皇が、この光に導かれ彼の地を踏むことが…」

「あの、俺本当に急いでるんで…」

不知火って知ってるかい?163キロのストレートとハエが止まる超遅球が得意なピッチャーで:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
前置きの長い先生の話に痺れを切らすテツ。というか尋にはタメ口だったのに先生には敬語なのね…(ノ∀`)尋が哀れだ

「まあ待ちたまえ…光の正体については諸説あるが、肝心なのは今もその光が輝き続け、航路を照らし
 人々を導いているということさ。世の中には不思議なことがあり、それを信じている人がいる。
 素晴らしいことじゃないか」

「…」

「まあ、そんな話もあるってことだよ」

「少しは佐藤さんを信じてあげてもいいんじゃない?」と不知火の話を交えて諭す先生。
多少は尊敬している先生からそんな話を聞いて、テツは肩の力が抜けたようにこれまでのことを思い返します
一人で海岸に横になって物思いにふけるテツ。そして歩み寄ってきた尋の方に向き直ると…

「行こうか」

「(こくり)」

爽やかな笑顔で微笑み合う二人。な、なんかこいつら…すげーホモっぽーい!(えー
というか尋、いくら爽やかマンになったとはいえその笑顔はキラキラしすぎだろう!まるで恋する乙女のする顔ですよ!

「いらっしゃー…あらっ!?どうしてここに!?なんでこんな所に来てるの!?一人?」

「…と、友達を迎えに来たの」

「友達…?あ〜!」

その頃、一足先にペンションを訪れた椒子は琴美と出くわしていました
椒子の話を聞いて、ようやく以前からだと会った時のことを思い出した琴美。
外のベンチで落ち込んでいるからだの元へ、椒子を案内してあげることに。

「佐藤さん、どっかで見たことあると思ったら…そうそう、願い石のところであなたと一緒にいたんだった」

「で、あなたが網野君をここに連れてきたわけ?」

「そ。ふふふふ」

「…何よ」

「別にぃ。なんだか急に口調が大人びたなーって」

「…この先にからだ…佐藤さんがいるの?」

「佐藤さんって面白いよね、あの人願い石のせいで大人になっちゃったんだって。
 でもって大人だった方が子供に…それってもしかして、あなたのことだったりして」

えー!?何この邪悪な微笑み
何か企んでるようにしか見えませんよ!「願い石…それが本当なら俺のものにしてやるぜ!」とか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかし、もはや正体を隠す必要もない椒子は「そうよ」とさらりと肯定。
からだのいるベンチが目前となったので、琴美を残して先に駆け出してしまいました。
予想外にあっさり答えられて、しばし( ゚д゚)ポカーンとする琴美。しかし、やがてポケットをゴソゴソいじりだすと
再びニマアッと怪しげな笑みを…うーむなんなんだ一体





「椒子さん!?どうして…」

「あなたが教えてくれたんでしょ、バレーボールや浮き輪で遊んだところにいるって…
 網野君に会ったわ、辛かったでしょうね……彼のことが好きなのね?」

「………う…うっうっ…うう…」

久しぶりの再会。とりあえず、今からだが一番悩んでいる恋の話を始める椒子でしたが
テツの拒絶を思い出したからだはポロポロ泣き出してしまいます

「人を好きになるって…素敵なことよ。たとえそれで、傷ついたり苦しんだりすることがあっても…」

尋に1年放置されて手紙一枚で振られたことがあるだけに、重みのある言葉です
もう一度テツと話し合うことをすすめる椒子でしたが、恋とは別にからだにはもう一つの悩みが…

「尋兄…ですよね、椒子さんが好きだった人…」

「…そうよ」

「でも、私のせいで尋兄と椒子さんがお別れして…私がお願いしたせいで椒子さんが…」

「あなたがいたから私はもう一度尋と出会えた、そんなに自分を責めないで…本当はあの時、私も…」

椒子に対するからだの負い目。確かに椒子はからだが原因で辛い思いをすることになりましたが、
その後のからだとの生活は、椒子にとってその何倍も大切なものでした
そのことをなんとかからだに伝えようと…ドダダダダダダ!
って、あ、あれ!?椒子が後ろを向いたスキにからだ脱走!こ、これからがいい話なのにー!

(嘘…!椒子さんは優しいからあんなことを…
 もうこれ以上、私に優しくしないでください…!)

からだを追って走る椒子!すると、そこへ運よく通りがかった尋たちが!
追って追って早く!椒子から事情を聞いたテツは、すぐに自転車を飛ばしてからだの元へ!

(やっぱり私のせいなんです、私があんなお願いしたから…!
 椒子さんは小さくなって、尋兄にも迷惑かけて、網野くんにまで…だから私は…!)

だから私は…ってまさか入水自殺!?海にダイブして辛い世の中さようなら!?は、早まるなー!
と思いきや、からだがやってきたのは海ではなく駅前。どうやらこの場所を離れたかっただけみたい:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかし、そんなからだの行く手を阻むひとつの人影が…


(C)永野護/角川書店

この道は通行止めだ…他をあたれ

「またどっか行っちゃうのか…!五百川!」

「あ…!?」

「いいよ、行けよ…!でも俺は何度だって探すぞ、何度だって見つけてやる!」

ようやくその名でからだを呼んだテツ。本当の自分にテツが気づいてくれたことで、
情緒不安定だったからだも徐々に落ち着きを取り戻してきました

「好きだァッ!!」

「あ…網野君…」

畳みかけるようにド直球の告白!からだの目から嬉し涙がこぼれます。そのまま互いを見つめ合う2人…あっ!

めちゃめちゃ覗かれてます!ぐわー恥ずかしすぎる!
考えてもみてください、たとえば兄弟か「あ、そういえばこんなの届いてたよ」とかラブレターをすでに見られてた瞬間を…
ぐおおおおお!考えただけで死にたくなります!(えー





そして仲睦まじくペンションへ戻っていくからだ達。そんな2人を少し離れて見守りながら、尋達も後をついていきます

「叶町に越してきた時…私、何もかも嫌になってた。いつまでも昔のこと引きずって…
 あなたに振られたのも、結局自分が悪いんじゃないかって…そんな時、あの子に出会った。
 きっと私も願ったのよ、子供の頃に戻りたいって。あの子のような子供になって人生をやり直したいって…」

「やり直してどうするつもりだったんだ?椒子が椒子だから、俺たち出会ったんだろ」

「相変わらずずるいのね…そんな言い方しかできないなんて」

「お前も相変わらず、素直じゃない」

願い石に小さくされたことについて、今までは「からだが大きくなった引き換え」ぐらいにしか思っていなかった椒子ですが
本当は心のどこかで望んでいたのかもしれないと呟きます
そんな椒子の告白に茶化すような言葉を返す尋。「相変わらずの甲斐性なしめ」と文句を言う椒子でしたが、
その言葉とは裏腹に、2人は互いを大事にするように手を握り合うのでした



翌日、この町に残る必要がなくなった一同は叶町へ帰ることに。もともと先生の家に長期滞在する予定だった琴美だけ残して、
一同はペンションを出発します

「どうも、お世話になりました」

「何はともあれ安心したよ。佐藤さんとも仲直りして、こうして探していた同級生とも会えて」

「うふふ」

な、なんだってー!?テツの探してた同級生=椒子ってことにして帰る気ですか!ちょっと待ってください!
そうすると、先生からすれば「私が五百川からだです!願い石で大人になったんです!」とか言い出した佐藤さんは
本当に意味不明なことを言い出した変な人ってことになるのでは!?
先生になら別に本当のことを話してもよかったんじゃ…

「ところで汐崎はいつまでいるんだ?」

「そうだなあ…このままずっといようかなぁ」

「琴美ちゃん、電話よ。お父さんから」

「あっ…」

琴美がまったりペンションでくつろごうと思っていると、そこへ琴美父からの電話が。
それを受けた琴美は、嬉しさを隠せないように頬を染めていくのでした
手紙で連絡は取っていたものの、どうやら父親と直接話すのはかなり久しぶりのことなようで…






そして叶町へ帰る前に、互いのわだかまりについてケジメをつけようとする尋とからだ。
海岸で2人きりとなり、これまで遠慮して口に出せなかったことを話し合います

「黙っててすみませんでした…知ってたんですよね、俺たちが本当の兄妹じゃないって…」

「…」

「辛いなんて思ったことは一度もなかった…楽しかった、お前が一緒にいて。
 お前がいたから俺は今まで頑張ってこれた…幸せだった」

おお、とうとう尋の口から敬語が消滅!つまりこれで、よそよそしい仮の兄妹という立場を捨てて
遠慮をせずタメ口で話し合える本当の兄妹に…

「…これからも…妹でいていいですか…?」

「これからも…兄でいさせてください」

もう二度と敬語は…あ、え〜!?結局敬語に戻っちゃうのかよ!
なんなんだお前はー!これからもその口調で喋るんですか!この2人が敬語で喋る意味は最後まで分からなかったな…

そして叶町での日常生活が再び始まり、しばらく経ったある日。
尋はうざったい長髪を短くし、無精ヒゲもきれいに剃るようになっていました

「あ〜あ、ヒマねえ。からだちゃんが帰ってきたのはいいけど、ランチのお客が一人減っちゃったしなあ」

「もともと大して客なんていねーだろ」

「うっさいわね、誰があんたの旅費出してやったと思ってんのよ」

「だから働いて返してるんだろ…」

からだが尋の昼食を作るようになり、すっかりヒマになってしまった透子の喫茶店。
というかこんな美人の姉ちゃんが店主なのに、これといった常連は全然いないのか…
今喫茶店に来れば透子さん一人占めだな、素晴らしい:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「そういえばあんた、あんまり嬉しそうじゃないわね。からだちゃんせっかく帰ってきたのに、なんで?」

「……俺、でかくなるから。すぐでっかくなるから!」

からだを信じられなかったことを気に病んでいるのか、今までの自分よりでかくなりたいと語るテツ。
それにしても、透子の態度からすると「いつものからだが帰ってきた」みたいに聞こえますが、まさか…?



って大きいまんまじゃないですか!
透子さんあんた一体!?からだが大きくなったことを何の違和感も持たず受け入れることができたと!?お、大物すぎる…
それともテツから「五百川見つかったよ」って話を聞いただけで、からだと顔を合わせてないだけなんでしょうか






「本当にみんなに言わなくていいの?」

「別に言うほどのことじゃないし、とりあえずちょっとの間だけだから」

その頃、駅では叶町を出ようとする琴美を椒子が見送りに出ていました
ペンションで受け取った電話は、父親からの「ちょっと遊びに来なさい」とかいう内容だったんでしょうか

「じゃあなんで私だけ?」

「いいじゃん、友達でしょ?」

「な…何言ってんのよ!大体あんた言葉遣いに気をつけなさいよ、こう見えても私24歳なんだから!」

「あはは。あんた達の話、お父さん喜ぶわ」

友達と言われた照れ隠しに、ぎゃーぎゃー騒ぎたてる椒子。
というか24歳だったのか…尋が28になりたてなので、大学では3年差とかそれくらいだったんでしょうか

ガタンゴトン ガタンゴトン

そうこうしているうちに電車が到着し、琴美とはしばしのお別れがやってきました
最後に別れのハグをして電車に乗っていく琴美。その瞬間、椒子の耳元で何やらこそっとつぶやきます

「お父さんの言った通りだった…」

「え…?」

言葉の意味が分からず、琴美が去っていった後もぽかんとホームに立ち尽くす椒子。
しばらくして、ポケットの異物感に気づきそこを探ってみると…

こ、これはー!ねんがんの願い石をてにいれたぞ!琴美がこっそり渡して行ったのか!
まさか琴美がこんなキーアイテムを持っていたとは…ペンションで怪しい笑みを浮かべていたのは
「ふっふっふ、私はその願い石を持ってるんだぜ」ということだったんですか
おそらく、願い石にこだわっていたという琴美父から普段渡されてたんでしょうね
琴美父の話がちょくちょく出てきたのもこの伏線だったのか…





そして流れるEDテーマ・スイートホームソング。普段聞いても物悲しさと温かさが同居するこの曲ですが、
最終回となるともう本当に感慨無量になってしまいます。ゆうまおは神だな…(´;ω;`)
ED映像では、願い石で元に戻ったからだ・椒子のその後を垣間見ることができます
再び恋人となり、相合傘で仲睦まじく家路につく尋と椒子。
そして家の写真立てには、心から笑顔を浮かべる本当の家族となった3人の姿がそこにありました

あさっての方向。完


終わってまず思うのは、8話以降の展開がちょっと惜しかったかな…ということですね
7話までからだ・椒子・尋の話をじっくりやってきたのが、椒子と尋が急にフェードアウトして
からだ・テツが話の中心になってしまって正直戸惑いました
特にダブル主人公だと思っていた椒子の出番が、一気に減ってしまって少し残念。私は椒子に一番感情移入してたので…

1〜4話は尋が認めてくれなくて欝5〜7話は3人のほのぼの生活8話でからだ脱走という感じでしたが
あさってはとにかくほのぼの日常描写が最強だったので、
もう1話くらいは日常話をやってほしかった…できれば透子関連の話も…
それでラストも、からだが自分で3人の暮らしの大切さに気づく感じだったらもう言うことないですね。
なんだか今回は自分で帰りたいっていうより、尋が居場所を用意してくれたから帰るっていう印象が少しあったので…

ただ、8話以降も葬式からだとか湯上がり椒子とか、メガトン級萌えパワーの描写がちょくちょくあったので
細かい不満は全部吹き飛ばしてくれました。OPでもただケンケンパしてるだけなのに萌えるし、
本当このアニメの日常を萌えに見せる手法は、ものすごく私のツボにはまりました



2006年は色々と良アニメに恵まれた年でしたが、そんな猛者の中でも並ぶものがないほど好きなアニメでした
本編だけ見て終わりじゃあまりにも惜しい…DVD以外に何か商品展開はないのかなぁ…
DVDにおまけの特典映像でもあればいくらでも買うんですが…(´・ω・`)






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