■武装錬金11話 「死が2人を分かつまで」

「父親はいない…知らない…分からない。姉さんと母さんと俺、
 早坂家は3人と1DKのアパートが全てだった」

LXEで叶えたい望みについて話す前に、まずは自分たちの生い立ちを語り始めた秋水。
母子家庭で貧しい暮らしをしていた早坂一家でしたが、優しい母親と一緒に幼い2人は幸せに暮らしていました
しかし、母親はなぜか日を追うごとにみるみる痩せていき、ある日2人をこの世に残して餓死してしまいます
幼すぎる2人は母親が死んだことすら理解できず、ともかく家の外へ出てみようとしますが…

「な…!?」

「あ、開けて!開けて開けてー!」

そんな2人が玄関で見たのは、信じがたい数の錠前と鎖でがんじがらめに固められたドア。
そう、2人が優しい母親だと思っていたその人物は、実は2人を攫って監禁していた誘拐犯だったのです
力の限りドアを叩いて助けを求める2人。しかし、同じアパートに住む隣人はどいつもこいつも薄情者ぞろい。
2人を助けるどころか「うるせえぞガキ!」と罵声を浴びせ、助けを求める声に耳を傾けもしませんでした

結局家に閉じ込められたまま何日もの時が過ぎ、食料も尽きた頃ようやく警察に助けられた2人。
餓死寸前だった2人は病院に運ばれますが、実の両親の仲はすでに冷え切っており
2人は引き取りを拒否されてしまいます

母親だと思っていた人が誘拐犯、助けを求めても無視し続けたご近所さん、そして自分たちを見捨てた実の親。
立て続けに絶望を味あわされた早坂姉弟は、2人だけで生きていこうと病院を飛び出し、
行き倒れそうになったところをLXEに拾われたのでした

「秋水先輩…桜花先輩…」

「この世界をどうこうしようと思っているわけじゃない…俺たちの望みはたった一つ。
 ホムンクルスとなって死ですら分かてない命を得て、2人だけの世界で共に生きていくこと」

「言いたいことはそれで終わりか?ホムンクルスは人を食らう…
 貴様らがホムンクルスになって、人に不幸を振り撒くマネは絶対に許さない!
 2人仲良く一緒に死ねぇッ!!」

私の辞書に同情の文字はない!斗貴子さんあんたって人はー!
秋水たちの境遇に同情的なカズキと違って、斗貴子さんは相変わらず見敵必殺あるのみ。
秋水の話が終わったと思ったら、もう次の瞬間には問答無用でバルキリースカート振り下ろしてました。あんた鬼だよ!


(C)鳥山明/集英社

なんだそれは!それが理由か!?
もっとお涙頂戴してみろ!

私はきさまらを殺したくて
ウズウズしてるんだぞ!
(えー

ガギイイイッ!!

「ちょっと待ったァッ!!」

そこへ割って入ったのはカズキ!何も今すぐ殺すことはないと斗貴子さんを説得しますが…

「なんの真似だカズキ!」

「斗貴子さんこそ、死ねって一体…先輩たちはまだ人間なんだ!」

「だが魂をホムンクルスに売った敵だ…!
 ホムンクルスは殺す!敵は殺す!」

「ダメだ!まだ人間なんだ、ここからやり直すことだってできる…!
 あの時は…蝶野の時はダメだったけど、今度は…今度こそは!
 2人とももう戦える状態じゃない、それに俺は人殺しなんてしたくない!
 斗貴子さんにもして欲しくない!」

お兄ちゃんどいてそいつ殺せない!物凄い表情でカズキを睨みつける斗貴子さん。
カズキの心境は超おっかない野獣をしつける飼育員といったところでしょうか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

というかイメージ映像のパピヨン恐すぎ(゜д゜;)
愛嬌のある奴なのにこの凶悪極まりない表情ときたら!カズキの中ではこんな奴なのか!

「カズキ…その甘さがいずれ君の命を奪うだろう。
 そうなる前に、私が君から戦う術を奪う!
 許せカズキ…君の戦士としての命、今ここで断つ!」

「や、やめろ斗貴子さん!ぐあああああっ!!」

ドガッシャアア!!

暴力反対!暴力反対!カズキの制止もむなしくバルキリースカートが炸裂!オニー!
秋水との戦いですでに瀕死のカズキは、ほとんど斗貴子さんの相手にならず吹き飛ばされてしまいます

「よく逃げなかったな」

「もう…諦めましたから…」

「いい心がけだ」

カズキが倒れ、いよいよ早坂姉弟に刃を向ける斗貴子さん。すでに無抵抗となった桜花たちでしたが
やはり同情する気のない斗貴子さんは、眉ひとつ動かさずにバルキリースカートを振り上げます


(C)武論尊・原哲夫/集英社

よいか!この斗貴子には
無抵抗は武器にはならぬ!!
(えー

今の斗貴子さんなら、LXEに加担する者はガンジーだろうが何だろうが容赦なくブチ撒けることでしょう:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

ギイイイイン!!

「殺すなんて…ダメだって…!先輩たちは人間なんだ…!」

しかし再びカズキが斗貴子さんの刃をブロック!
ボロボロの体で何度でも立ちふさがるカズキに、さすがの斗貴子さんも戸惑いを隠せません

「な…!まだ分からないのか、こいつらはホムンクルスどもに加担しているんだぞ!
 君は妹や友人とこいつらと、どっちを守りたいんだ!」

「どっちも!俺はどっちも守りたい!」

「なっ…ふ、ふざけるなちゃんと選べ!」

「無理!」

ドラクエのようにはい・いいえとは行かないカズキに調子が狂う斗貴子さん。
徐々にカズキのペースに引き込まれてきた感じです

「命の取捨選択なんて俺には無理…拾える命は全部拾う!俺の命だって、
 斗貴子さんが核鉄を使ってまで拾ってくれたから…まひろや岡倉たちと死に別れずに済んだ!
 先輩たちだって、この夜がきっかけになって新しい世界が開けるかもしれないんだ!
 だから…簡単に命を切り捨てちゃダメなんだ!」

「…」

カズキの熱弁に黙って耳を傾ける斗貴子さん。説得できるまであともう一押し…というその時!

ドズウウッ!!

「勝つ…!姉さんのために、俺たちの望みのために!
 俺はここで負けるわけにはいかない!」

「あ…あ…?」

「カ…カズキイイイイイッ!!」

バ…バカタレ秋水空気読めやああああああ!
斗貴子さんの殺気にあてられてイカレポンチと化した秋水!何をトチ狂ったか味方のカズキを串刺しに!
バカ!バカ!平和的解決までもう一歩って時に!そもそも狙うなら斗貴子さんの方だろ!(えー
すさまじい出血と共に崩れ落ちるカズキ。それとやっぱり吹き出る血は白色なんですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

キュイイイイイ

「あ…!?」

「はぁ…はぁ…はぁ…!」

「ね…姉さん!?姉さぁぁぁぁんっ!!」

その時、桜花がエンゼル御前を発動しカズキの傷をすべて自分が肩代わり!
すでに秋水のダメージも半分引き受けていた桜花は、傷の深さに耐え切れず急速に死が近づいてしまいます

「姉さん…!なんで…どうして!」

「さあ…どうしてかしら…もしもあの時、アパートのドアが閉ざされた時…すぐそばに武藤君がいたら、
 絶対に助けてくれたんだろうなって…そう思ったら…ね…死が2人を分かつまで…とうとう来ちゃった…ね…」

「…!」

「まだだッ!諦めるな先輩!核鉄…!核鉄の治癒力を使えばまだ間に合う!」

絶望に沈む秋水の手を取り励ますカズキ。ついさっき刺してきた相手にもこう言える主人公ってすげえ
カズキはすぐに桜花と秋水の核鉄をあてがいますが、桜花の傷はあまりに深すぎて治癒の力が及びません

「ダメだ…出血が止まらない…!」

「2つでもまだ足りないのか…斗貴子さん!」

「ふん」

「俺のは核鉄の状態じゃ体の中から取り出せない…
 命を拾うか捨てるか、選ぶのは斗貴子さんだ」

「…二択か。私の二択にはまともに答えなかったくせに」

「あぁぁ…」

「いい。君と違って私はちゃんと選ぶ」

めちゃめちゃ嫌そうに核鉄を差し出す斗貴子さん。そこまで露骨に嫌がることないじゃないですか!
3つの核鉄の力でなんとか一命を取り止めた桜花。
はらはらと涙を流しながら喜ぶ2人を見て、カズキは安堵の笑みを浮かべるのでした






「よかったよかった。あの時のような思いをしないで済んで…ね」

そんなカズキ達を遠くに眺めていたのはパピヨン。宿敵の健闘をたたえてパチパチ拍手を送ります
そしてパピヨンの傍らには、LXEのNO.2であるホムンクルス・ムーンフェイスの姿が…

「君を倒した戦士、どれほどのものかと思って見てたけど大したことないねぇ」

「…」

「そんな恐い顔しなーい。スマイルスマーイル」

貴様は武藤カズキを舐めたッッッ!
パピヨンキレる!カズキを侮辱したムーンフェイスに対してこの形相。恐すぎます
さっきのイメージ映像もあながち大げさってわけでもなかった:;y=_ト ̄|○・∵. ターン






その後、LXEを抜けた早坂姉弟は錬金戦団の息のかかった病院に運ばれます
学校には交通事故ということで情報操作し、ゆっくりと傷を癒していました

「早坂先輩たちが交通事故に遭って十日、やっと病院を突き止めた!」

「レッツお見舞い!」

「関係者以外面会謝絶です!」

意気揚々と桜花達のお見舞いにやって来たまひろ達。しかし相当酷い傷を負った桜花はいまだに面会謝絶の状態。
まひろ達は看護士さんに阻まれ門前払いを食らってしまいます

「う〜ん…関係者ってやっぱり親類じゃなきゃダメなのかな…」

「違ああうっ!俺たちはアイツのサイズを比べた仲!
 関係者以上であることはもはや確定!」

「な…何やってたんだ貴様ら!?」

「それなら私たちだってしっかりと!」

裸のつき合いをした俺たちに障害などない!カズキ達は看護士さんの制止を振り切り病室へ!

「こらボク達!医療関係者を甘く見ると痛い目に遭うわよ!」

しかし百戦錬磨の病院の皆さんに妨害され、結局病室へ辿り着けたのはカズキと斗貴子さんの2人だけ。
それにしてもこの看護士さんはとてもいいおっぱいですね(えー
同じメガネキャラのちーちんあたりと交換してくれないものか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

病室に入ると御前様から熱烈な歓迎を受けるカズキ達。というか御前様の声ドラえもんかよ!
でもどっちも丸っこい二頭身で違和感ないから、このキャスティングは結構アリかも…

「桜花先輩、秋水先輩は?」

「早坂秋水はすでに今朝がた退院した」

病室をキョロキョロ見回しながら、姿の見えない秋水について尋ねるカズキ。
しかし秋水は自分の心の弱さを鍛え直すため、すでに今朝修行の旅へと出発していました
しかもカズキ宛てに「姉さんを頼む」と筆で書いたっぽい置き手紙つき。
いつの時代の人間ですか秋水先輩

「今までの私たちは、共に生きることを誓った振りをして、ただお互いに寄りかかっていただけ…
 2人だけの世界で閉じていたから、死が2人を分かつのが恐くてたまらなかった…
 これからは一人で歩けるよう、新しい世界で共に生きましょう」

どうやらLXEへの未練はきれいさっぱり捨てたらしい桜花。これからは永遠の生命などに頼ったりせず、
カズキ達と共に生きることを誓うのでした。次回に続く!

ところで六舛が差し入れに持ってきたメロン、某アニメのせいでどっから見てもキャベツにしか見えません(えー


それとカズキVS斗貴子さんのシーンですが、原作で印象的だった
カズキの目ん玉えぐろうとする斗貴子さんの場面は、残念ながらカットされてしまいましたね
深夜枠をもってしても表現しきれない斗貴子さんの残虐ファイト…恐ろしい子!

■武装錬金12話 「カーニバル」

「いいか?耳かっぽじってよーく聞け!オレ様が今からLXEのすべてを教えてやるぜ!」

桜花が味方についたことで、LXEのアジトを御前様から聞き出したカズキ達。
殴り込みをかけるのは明朝に決定し、その日は一旦解散になります

「お?やっと来たな!」

「遅いぞ、何やってたんだ」

「お見舞いうまくいったんでしょ、どうだった?」

カズキが桜花の病院を後にすると、近くのコンビニで岡倉達が待っていました
というかみんな結局看護士さんに阻まれてお見舞いできなかったんですか。看護士さんすげー

「よく俺だって分かったな、暗くて顔も見えなかったろうに」

真っ暗で顔も見えないのに、遠くからズバリ声をかけられて驚くカズキ。
しかし親友の岡倉達にとって、カズキを見分けるには雰囲気だけで十分でした

「斗貴子さんだけじゃなくて俺たちとも遊んでよー」と催促する岡倉。
最近つき合いが悪かった埋めあわせに、カズキは夏にみんなで海へ行くことを約束するのでした





そのころLXEのアジトでは、桜花から情報が漏れたことを悟り
ドクトル・バタフライとムーンフェイスが決戦に向けて準備を整えていました

「そうだ、戦力のことならパピヨン君はどうかな?」

「いや、あいつは駄目だ。所詮あいつは、私の研究の成果を使いながらも
 不完全なホムンクルスにしかなれなかったクズ。
 ここを離れれば即座に錬金の戦士達に見つかって、始末されるのが関の山。
 蝶は蝶でも私と違い、一人では高くも遠くへも飛べない出来損ない…
 それでも一応はホムンクルスだから、私がお情けで保護してやっているのだ」

そ、そこまで言うか!一言「パピヨン君はどう?」って聞いただけなのに、ここまでダメ出しすることないだろ…(´・ω・`)
徹底的にパピヨンをこきおろすバタフライでしたが、その会話はドアを隔てたパピヨンにも全部聞かれていました

「クッククク…一人では高くも遠くへも飛べないって…?
 じゃあ一つ試してみようじゃないか…!武装錬金ッ!!」

クソジジイが出来損ないかどうか見て驚け!パピヨンは自分の力を証明するため武装錬金を発動!
というか核鉄の保管場所はやっぱり股間なのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ガアアアアアアアアアアッ!!
 ウッ…!ガフッ!久しぶりだなこの感じ…この痛み!この苦しさ!
 ここしばらく忘れていた臨死の恍惚!」

病弱な体に負担がかかり激しく吐血!それでもなお「臨死体験するのはたのしいね」と笑みさえ浮かべるパピヨン
そういえばホムンクルスになりたての時も、銃でバンバン撃たれてたのに快感とか言ってましたね。Mすぎるぜパピヨン(えー

「今まで保護してくれてありがとうご先祖様…!お礼に蝶・サイコーな飛翔を見せてやる!」






「そういえば斗貴子さんって泳げる?」

「君は私をバカにしてるのか、なんの話だ」

「いや、夏休みにみんなで海に行く話」

決戦の朝。LXEのアジトへ向かうブラボー達でしたが、その途中でカズキはこんな時に海水浴のプランを練っていました
おいおい、いくら寛大なブラボーでもさすがに今は…

「戦士カズキィッ!!」 

そらきたー!

「俺は車の運転ができるぞ」

あ、あんたも行きたいのかよ!(゜д゜;) 余裕というかなんというか…

「この別荘の最深部…そこがドクトルバタフライの研究室だ」

「よし…行くぞ!」

「待ちな!ちゃんと合言葉に答えてロックを外さないとドカンだぜ」

ついに別荘へ到着し、一気に突入しようと身構えるカズキ達。そこへ御前様が待ったをかけます
この別荘の扉は、LXEのメンバーだけが知る合言葉と決めポーズを取らないと開かない仕組み。
ポーズを取るのに抵抗のないブラボー達とは違って、常識人の斗貴子さんは激しくうろたえてしまいます

「き…決めポーズだと!?そんな恥ずかしいことができるか!」

《片手に?》 「ピストル!」 《心に?》 「花束!」

「あ、ああまだ進めないで…」

心の準備をする間もなく合言葉を進めてしまう二人。待って!待ってよう!しかし止める間もなく斗貴子さんの番になってしまいます

《唇に?》 「ひ、火の酒…」 《背中に?》 「今だァッ!!」

とうとう仕方なく折れてしまう斗貴子さん。いよいよ3人揃っての決めポーズを披露!

「人!」「生!」「を!」

もうどうにでもなれ!ヤケクソになって一番気合の入ったポーズを披露する斗貴子さん。
しかし扉にはなんの反応もありません。あれー?

「…ま、敵だと分かってて開けるバカもないか」
「…私にここまでさせてタダで済むと思うな…武装錬金ッ!!」

ドッガアアアアン!!

敵がドアを開けてくれなかったので、結局は力任せに破壊して突入!ドアの爆弾全然意味ねえー!!

「戦士長…!」

「ああ…!昼間の方が手薄だと聞いてはいたが、気配一つないとは…?」

てっきりLXEもこちらの襲撃に備えてくるかと思いきや、いくら館を進んでも敵の気配は一つも見当たりません
不審に思いながらも館の最深部へとやってきたカズキ達。そこにはムーンフェイスがただ一人待ち受けていました

「ドクトルバタフライはどこへ行った!?」

「簡単なクイズだろう。若き生命エネルギーが溢れかえっている近場と言えば?」

「まさか…!」

「銀成学園!?みんなが危ない!」

そうと分かればてめーの相手なんかしてられるか!ブラボーが足止めをしている間に、
カズキ達はすぐさま来た道を引き返していきます

「む〜ん。子供らだけ行かせても話にならんと思うがね」

「あの2人に心配は無用だ…それにここに残っている敵は貴様一人、速攻で片付ければ済むこと」

「むーん確かに」


(C)許斐剛/集英社

「「ならダブルスでいくよ」」(えー

菊丸印の分身の術!突如として2人に分裂してしまったムーンフェイス。
どうやら残像などではなく本当に増えてしまったようです。早くカズキ達の応援に向かいたいブラボーでしたが、
これではなかなか一筋縄ではいかないようで…






「斗貴子さん、この霧…!?」

「気をつけろ、よく目を凝らすと金属の粒子が浮いている…これは武装錬金だ!」

銀成学園へと急ぐカズキ達。しかし学園の周囲には、ドクトル・バタフライの武装錬金によって
方向感覚を狂わせる霧が発生していました。いくら学校へ向かおうとしても、気がつけばまるで違う方向へ進んでしまう有様。
それは学園の中から出ようとしても同じことで、今や銀成学園は外界から完全に隔離された状態でした

「こっちだカズキン!俺様のエンゼルアイならまるっとお見通しよ!」

霧に手を焼くカズキ達でしたが、武装錬金である御前様には霧の効果がなく、その案内で学園へ入ることに成功します
というか3サイズを見切るまひろアイとか、相手を分析する心眼ブラボーアイとか、まるっとお見通しのエンゼルアイとか
毎回のようになんか凄い目のスキルが出てくるな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

そして学校に着いたカズキの目に飛び込んできたのは、今にも校舎を襲おうとしている化け物の群れでした
それはバタフライの生み出したホムンクルスの調整体たち。知能こそないものの、腕力に特化したパワー型のモンスターです

「これ以上校舎に近づけさせるか!」

「行くぞ化け物ォッ!」

「な、なんだ!?化け物と戦ってる!?」

校舎を守るため、化け物の群れへ身を投じる2人!カズキはサンライトハートの布で顔を隠し、
斗貴子さんはカズキの学ランを羽織っているので、生徒達には「なんか戦ってるみたいだけど誰?」としか分かりません
しかし違いの分かる男・岡倉、六舛、大浜の3人は、冒頭のコンビニで会った時のように
カズキが戦っていることを雰囲気だけで見抜いていました

《自分は生徒会書記兼・会長代理鈴木震洋です。
 みんなで力を合わせて学校を守りましょう!
 化け物どもを校舎に近づけてはなりません!すべて化け物です、
 人の形を成していようがいまいが、校庭にいるすべてが化け物!
 鞄、ノート、机、イス…一つ一つは小さくとも、
 それは確実に化け物どもの戦意を削ぐはず!》

その時、突如として校舎に響き渡った校内放送。
そこから聞こえてきたのは、「カズキ達もろとも化け物に攻撃しようぜ!」というムチャクチャな命令でした
その放送を流した張本人・鈴木震洋は、桜花達と同じくLXEに忠誠を誓った信奉者だったのです

カズキ達の人間離れした強さに、「あいつら人間なのか…?」と困惑していた生徒達。そんな彼らにこの放送は効果てきめんでした
ある生徒がカズキへ鞄を投げつけると、生徒達の流れは一気にカズキ達への攻撃に傾いてしまいます

「ざまあ見ろ!来るなこの化け物!」

「何すんだ!こいつらはお前たちを守るために!」

「いいんだ御前様…!今は信じてもらおうとする時じゃない」

「…その通りだ、今は戦う時だ!」

周囲からひどい罵声を浴びせられても、仕方ないと割り切って再び化け物と戦うカズキ達。
しかし、他人を守る時にこそ実力を発揮するカズキは、
この状況ではわずかばかりに動きが鈍り、徐々に化け物からのダメージが蓄積していくことに…

   

「てめえッ!何デタラメ喋ってやがるんだ!」

バキイイッ!!

「うぐっ!?デ、デタラメとはなんだ…僕はこの学校を化け物から守るために、
 この放送をやっている!」

震洋の汚いやり方に怒り心頭の岡倉達。とうとう放送室へと乗り込み怒りの鉄拳を叩き込む!
しかし、あくまで「俺は学校のためにやってんだコンニャロー」と言い張る震洋。ここは口の上手い六舛が2人を制します

「鈴木さん、あんたは校庭にいるのはすべて敵かのように話しているけど、
 後から現れた2人は俺たちと同じ人間じゃないのか?」

「あんな化け物の大群と互角に戦える人間など、在り得るはずがないだろう!
 もっと常識的に考えてみるんだな」

「この状況がすでに常識的じゃないんだけど」

「ぐっ…なんであれ素性の知れない者たちには違いない!
 それをこちら側の者として、認めるわけにはいかない!」

「素性なら分かってる」「あの2人は…」「俺たちの友達だ!」

マイクを通してカズキにも届いた岡倉達の声。その言葉を受けて、再びカズキにも力強さが戻ってきました
しかし「友達?あんたらアホですか?証拠あるんですか?」と3人を鼻で笑う震洋。そんな放送室へもう一人、新たな乱入者が…

「そうだバッキャロー!あのバカはな、自分を殺そうとした敵の命まで
 助けるほどのバカなんだぞ!すんげすんげーバカなんだ!超超大バカだ!
 そんなお人好しのバカがよ、おめえらの敵なワケねーじゃねえかよ…!ばっきゃろう…」

「エ…エンゼル御前!?どうして貴様が…!」

やってくるなり震洋に怒鳴り散らす御前様!しかし御前様を初めて見る六舛達は、
このしずくの森の住人みたいなのは一体なんなの?」とあっけに取られてしまいます
そんな中、震洋だけは御前様を見慣れているようにその名前を口に…

「鈴木さん、あんた…どうしてこの珍入者の名前が分かるんだい」

「い、いや、それは…」

とうとう馬脚を現した震洋。放送を聞いている生徒達にも「一体何がどうなってんだ?」と動揺が広がります
そんな時、とうとう化け物の一体がまひろ達の教室を襲撃!生徒たちは一斉に教室から逃げ出しますが、
恐怖で足のすくんだちーちんが取り残されてしまいます

「立ってちーちん!逃げなきゃ!」

「ダメ、恐くて体が動かない…逃げて沙織…!」

なんとかちーちんを抱き起こそうとするさーちゃん、そして2人をかばいに入るまひろ!
化け物を前にしたまひろは、以前もこんなことがあったと忘れていた記憶を思い出します
第一話で蝶野のホムンクルス・巳田に食い殺されそうになったまひろ。その時、懸命に戦って守ってくれたのがカズキでした

「私ね、思い出したんだ…話したよね、まだ入学したての頃
 ちょうどこんな感じの恐い夢を見たって…でもあれ、本当にあったことだった!
 最後にお兄ちゃんが守ってくれた…だから今度だってきっと守ってくれる!
 今度はお兄ちゃん、みんなの味方なんだから!」

震える体でカズキを信じるまひろ。巨大な腕がまひろ達へと伸ばされたその時、山吹色の閃光が化け物を粉々に打ち砕く!

グワッシャアアアアッ!!

「うおおおおおおおっ!!」

化け物を粉砕し、悠然とまひろ達の前に現れるカズキ!その姿まさに威風堂々!このシーンマジ最高すぎる
gifだけで見るとなんか後光が差してるのがギャグっぽく見えてしまいますが、
実際にはセリフのテンポ、音楽、演出がすべてカズキの格好よさ・頼もしさにつながっている素晴らしい演出になってます
カズキがあまりに格好よすぎて震えがくるシーンなので、これはぜひ一度アニメ本編で見ることをオススメします
こんないい作品を打ち切ったジャンプ編集部はどんだけ大バカなのかと:;y=_ト ̄|○・∵. ターン






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