――惑星Zi(ズィー)。
そこには、優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体・ゾイドが存在した。
ゾイドとは、すなわち生きた機械なのである――
地球から6万光年の彼方に存在する惑星Zi。そこは、ゾイドと呼ばれる機械生命体と人間が共存している星でした。
主人公ルージ・ファミロンは、そんな惑星Ziの田舎にある集落・ミロード村で育った少年です。
そしてルージはこの日、大人たちに混じって海底に眠るゾイドの引き上げ作業を行っていました
「素潜りであんなに深く潜るとはなぁ。さすがルージだ」
「ルージは素潜りだけじゃなくて、計算も得意だからな」
13歳という若さでありながら、大人を驚かせるほどの才能で周囲に一目置かれているルージ。
誰も潜れないほどの海底深くでゾイド引き上げの準備を行い、引き上げに使う足場や船の設計もルージが担当していました
「うわ〜あ…!」
「こんなのが村の近くに沈んでいたとは…!」
「こんなデカイのは初めてだぜ!」
そんなルージの活躍で、海底から引き上げられた超レア物のゾイド・ムラサメライガー。
今までミロード村で発掘されたのは、こんな獣型の大型ゾイドではなく昆虫型のバラッツゾイドと呼ばれる小物ばっかりだったので、
村人達にとっては生ツバもんの超お宝ゾイドです。そして村人達は目をキラキラさせながら操縦席に乗り込んでいき…
「とても何千年も海に沈んでたとは思えないな…!」
「30年以上ゾイド掘りをやってるが、こんな綺麗な操縦席は初めてだ…!」
「お父さん、動かせるかなぁ」
「ん…!くっ…!ダメだ、俺には合わないようだ…」
「お頭に動かせないとなると…流石にデカすぎなのかな…」
「うむ、大きいゾイドはあまり動かせる人間がいないと聞くしな…」
「次は俺だ!動け動け、動けばこのゾイドは俺のもんだぁ!」
次々にムラサメライガーの操縦桿を握り、「ムラサメライガーさん僕と付き合ってください!」と
自分達にこのゾイドを動かす適正があるかを試し始めた一同。
ゾイドとは誰にでも動かせるものではなく、ゾイド自身が認めた乗り手でないと起動しないため、
こうして適任者がいるかどうか一人ずつ試しているのです。
「売りに出すしかありませんかねぇ…」
「ああ…残念だがそうなるかもな」
「誰も動かせないみたいだよ…僕も乗せてもらえるかなぁ、お兄ちゃんは乗らないの?
これを見つけたの、お兄ちゃんなんでしょ?お兄ちゃんなら動かせるかも…」
ところが「悪いけどあんた達全然私の好みじゃないから」と誰が乗ってもまったく起動してくれないムラサメライガー。(えー
仕方なく売って金にしようかという相談が始まった中、ルージの弟・ファージは自分達も試してみようと言い出しますが…
「…」
「…これまで色んなゾイドで試してみたけど、ダメだった。
お兄ちゃんはゾイド乗りに向いてないんだ、みんな知ってる」
しかしファージの「お兄ちゃんは乗らないの?」という言葉に、ピクッと作業の手を止めてしまうルージと母親のミン。
(゜д゜;) え、えーっと…今のはルージに言ってはならん禁句だったようですな…
運動も計算も大人顔負けの凄い才能があるのに、ルージはゾイド適正だけはまるっきり落ちこぼれで何一つ動かせるゾイドがないようです
ミンのルージを気遣うような表情からしても、このことはルージにとって相当なコンプレックスになっているようですな…
ザバアアアアン!!
「ぶっはぁぁぁーーっ!!」
一方その頃、村の近くの川原では謎の少女がすっぽんぽんで魚を掴み取りしていました
一体どういう状況ですかこれは!?か弱い女の子が釣りをするのに竿も使わず全裸で川に突入するなんて…(えー
そしてゲットした獲物は、その場で丸焼きにして味付けもせず丸かじりですよ。
見た目に反して相当に豪快なサバイバル少女のようですな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「んあぁ〜〜〜…ん?」
ズシィィィィィン!ズシィィィィン!
しかし少女が魚にかぶりつこうとしたその時、周囲から何事かと思うような地響きの音が…
その原因を確かめようと、少女は巨大な木の幹をサルか何かのようにするする登っていきます。もう本当に野人だな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
そして木の幹から辺りを見回すと、ミロード村の方角に向けて進軍する何者かのゾイドが…
危険を感じた少女は焼きたての魚を放り出し、ミロード村の方へと急行するのでした
「お、お頭!村が火事だ!」
「む…!?いや、ただの火事ではないぞ!」
そして一仕事終えたルージ達が沖から戻ってくると、ミロード村のあちこちが炎に包まれているという異変が!
それもよくよく見てみれば、単なる火事ではなく謎のゾイド達がこの村を攻撃していたのです
その正体は、各地を制圧を進めているというディガルド武国のバイオラプター…
どういうわけかこのミロード村も目をつけられてしまい、一方的に攻撃を受けていたのです
ギャオオオオオオオ!!
「ぎ…銀色のゾイド!?ディガルドが…攻めてきたんだ!」
「先に戻る!ルージ、後は頼んだぞ!」
「わ、分かった、父さん!」
家族とムラサメライガーをルージに任せた父・ラージは、他のゾイド乗り達を集めてバイオラプターを迎撃に出る!
しかし凶悪な戦闘力を誇るバイオラプターに、バラッツゾイドで立ち向かうのはあまりに無力…
村のゾイド達はあっと言う間に蹴散らされ、ラージのゾイド・ビームトータス以外はすぐに全滅してしまいます
「ぐっ…こうなったらあれを使うしかない!先祖代々伝えられてきた幻の光を!」
しかしこんなこともあろうかとまだ奥の手を残していたラージ!そう、ビームトータスにはその名が示す通り
必殺の大口径ビームキャノンが備えつけられていたのです
これの直撃ならばバイオラプターだろうがなんだろうが!吹き飛べディガルド野郎どもー!
ギュボアアアアアア!!
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ビームトータスの
こうげき!!
バイオラプターAには
きかなかった!
バイオラプターBには
きかなかった!
バイオラプターCには
きかなかった!
バイオラプターDには
きかなかった! |
って全然効いてねえーー!!そ、そんな…まったくの無傷だなんて反則じゃないですか!このチート野郎どもが!(えー
もはや完全に万事休す、ビームトータスはとうとう頼みのビーム砲も食いちぎられて戦闘不能にされてしまいます
邪魔者がいなくなりいよいよ好き放題に暴れ始めたバイオラプター…そんなバイオラプターに不運にも目をつけられたのは、
海岸に横付けされていたムラサメライガーでした
ドガアアアンボガアアアアン!!
「うわあああーっ!!」
「うっ…!うう…!」
「ファージ!?母さん!やめろ!攻撃をやめてくれ!」
ドッバアアアン!!
「やめてくれぇぇぇーーっ!!」
容赦なくムラサメライガーへ降り注ぐバイオラプターの火球!しかし今最も危険なのは、そのすぐ横にいるルージの家族たち!
ミンやファージが爆風に脅える中、ルージは家族の命を守ろうと無我夢中で操縦席へと転がり込む!
こんな時になんですが俺もミンママの胸に避難したい!避難したいよ!(えー
ラージパパは普通に老けてるのに、こんなロリ顔のママを嫁にするなんてパパは相当なやり手ですね:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「動けええええーーっ!!」
そしてありったけの力を込めて操縦桿を掴んだルージ!するとその時、ムラサメライガーがその言葉に応えたかのように
力強く起動するとバイオラプターめがけて飛びかかる!
「う、動いた…!?ムラサメライガーが…!」
バラッツゾイドも動かせない自分にまさかこんなことが…と驚きを隠せないルージ。
その時操縦席のコンソールに「村雨」の文字がピカピカと…
なんでしょうこれは、自分の持ち物にマジックで名前書くのと似たようなもんかと思いましたが(えー
その時ルージの家では、古くから飾られている大刀に同じ文字が浮かび始めていました
ビュオオオオオオ!!
「あ、あれは…先祖代々うちに伝わってる大刀じゃないか!」
そしていきなりルージの下へとすっ飛んで来た大刀!こ、これは一体!?
どうやらこれがムラサメライガーの武器となるムラサメブレードのようですが…
それにしても「先祖代々の武器」って、さっき父ちゃんが同じセリフを言ってボロ負けしてましたが
今度の武器は大丈夫なんですか!(えー
「うちの大刀がムラサメライガーに…!元々こいつのものだったんだ!
いっけぇぇぇぇぇっ!!」
ズッシャアアアアアッ!!
空中でムラサメブレードとドッキングしたルージは、そのままの勢いでバイオラプターに突撃!
すれ違いざまにムラサメブレードをお見舞いすると、あの頑丈だったバイオラプターが一刀で真っ二つに!
さすがは主人公ゾイド、同じ先祖代々の武器でも亀とはレベルが違います(えー
さて残る敵は3体、素人のルージでもこの調子で片付けていけばなんとか…
「そこまでだ」
しかし「調子に乗るなよ小僧」とばかりに現れた新たな2体のゾイド!そ、そんな!敵の増援なんて聞いてないですよ!
それも現れたのはルージの背後、ルージは正面のバイオラプターと完全に挟み撃ちにされてしまいました
「く、くそ…仲間がいたのか!?」
ズザザザザザザ!!
ドドドドドドドドド!!
「う…うあああああーー!!」
動揺するルージに決断の暇も与えてくれず、一斉に突撃してきた5体のゾイド!
素人のルージにはあまりに荷が重い状況、果たしてどうなるのか…!?次回に続く!
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