第13話・支配

ルージ達がゼ・ルフトに潜入して一夜明けると、広場にて街中の住民がディガルドに並べられていました。
一人ずつテントの中で検査され、その結果で2つのグループに分けられる住民達。ディガルドの考えが掴めず、住民達は困惑顔です



な、なにー!
こんな美人の若奥さんまで検査を!!
検査ってことはあれですか、テントの中で服をひん剥かれて
聴診器を当てられたりするとゆーのですか!?
うおおお!ディガルドの奴ら
なんてうらやましい許しておけん!断じて許せんぞおおお!(えー


しかし住民達のことも気がかりですが、潜入したルージ達のことも気になります。
フェルデの捜索は順調に進んでいるんでしょうか?



って、
あれーー!?
ちょっ!お前らもそこに並んでたのかよ!!

いや前回目立たない服に着替えたのは、
てっきり
兵に見つからないよう、隠密行動を取りながらフェルデを探すためだと思ってたんですが、
実のところは
兵に見つかっても「ボク村人でーす」と言い訳できるようにするためだったんですか!?
はあ、まあ…大胆というか危険というか…


そして列は進み、とうとうルージ達もテントの目前にやってきたその時…

「うわあああん!お母さーーん!!」

「リーム…!」

ある親子が別々のグループに引き離され、母親を求めて泣きじゃくる子供の姿が。
子供は必死に母親へすがりつこうとしますが、ディガルド兵は力尽くで子供を連行していき…

「ディガルドの奴ら…っ!」

ディガルドの横暴にふつふつと怒りが湧いてくるルージ。しかし、その様子に飛び出したくなるのはルージだけではありませんでした

「待つのだ!親と子を引き裂くなど、ディガルドには情けすらないのか!
 ゲオルグ殿にも親や子はおありではないのか!?」

と、ゲオルグに意見したのはゼ・ルフトの町長。
しかしその必死の訴えも
「親や子?そんなものが何の役に立つ」と一蹴されてしまいます。
独身貴族がほぼ確定の私は
この時ばかりはゲオルグに同意(えー  結婚なんてなー!バーローチキショー!

「おのれディガルド…!この街に乗り込んできて好き放題やりおってぇっ!!」

ゲオルグの冷徹な言葉に、とうとうディガルドへ明確な反抗の意志を見せる町長。
しかしゲオルグが黙ってそれを見ているわけがありません。詰め寄ってきた町長を殴り飛ばすと、
左手に装備したギミックが
がしょーんがしょーんと変形!ロックバスターだろコレー!!
 

ゲオルグに銃口を向けられてもなお、反抗の姿勢を崩さない町長。このままでは町長の命が!

「やめろっ!やめろぉぉぉっ!!」

その様子にとうとう我慢し切れなくなったルージが、町長とゲオルグの間に割って入る!しかし…

「馬鹿な小僧だ。お前が撃たれたいのか?なら望みを叶えてやる」

「あいつ…!本気で撃つつもりよ!?」

立ちふさがるルージをまるで意にも介さないゲオルグ。これでは止めるどころか犠牲者が増えるだけ!
すると、師匠までもがルージとゲオルグの間に!でも師匠とはいえ同じことでは…いやこれは!?


くらえヴォルグ・ザンギエフ直伝
ホワイト・ファング!!
たまらず吹き飛ぶルージ!逃がすかー!
3D格闘ゲームじゃ

ダウン追撃は日常茶飯事よ!!

オラオラー!!

なんとゲオルグが暴挙に出る前に、ルージを気絶するほどぶちのめしその場を収めるセイジュウロウ。
師匠の素早い対処に
「いい動きをしている」と、ゲオルグもなんとか引き下がってくれました。
それにしても動きにまったく
躊躇がないですよ師匠!何かルージきゅんに恨みとか持ってないですか!?師匠ーー!!!


騒動が収まり、検査が再開されるといよいよコト姉の番に。
テントの中へ入っていくと、そこにはぽつんと置いてある石版が…

は、話が違いますよ!脱衣は!?聴診器は!?(えー


コト姉に石版に手を置けと命じるディガルド兵士。言われるままに手を置くと、突然その石板が青白い光を放ち…

「よし、適合!」

「適合って…?」

「ゾイド乗りとしての資質があるってことだ。次!」

なるほど、ここで行っていた検査とはゾイド乗りの適性検査で、
適正のある者はディガルド兵士としての訓練を、適性のない者はレッゲル工場を作るための奴隷として扱われるようです。


コト姉の次は気絶したままのルージの番。兵士に抱えられて石板に手を押し付けられますが、なんと
石板は何の反応も示さない!
ルージは不適合と判断され、コト姉や師匠と違い奴隷グループに入れられてしまうことに…

ムラサメライガーに乗れているのになぜ不適合に…?意外なルージの結果に驚くコト姉。
元々ルージはバラッツゾイドにすら適正がありませんでしたが、普通のゾイド乗りには動かせないムラサメライガーと
やはり何か特別な因果関係が…?


「…う…」

「気がついた?きみ、名前は?」

「ルー…イ。ルーイ」

「私はルネ、さっきはおじいちゃんを助けてくれてありがとう」

「すまなかったなぁ」



宿舎に入れられたルージが目を覚ますと、そこでは町長とその孫娘・ルネが看病してくれていました。
突然ルーイと名乗るルージですが、
師匠に殴られて記憶喪失になったわけではありません(えー
ゼ・ルフトでは正体を隠すために師匠もセイゴロウ、コト姉もコトハと偽名を使っているようです。

「作業を始めるぞッ!出ろ!!」

しかしルージが目を覚まして間もなく、ディガルド兵から労働力として駆り出されることになり…


その一方で、コト姉達ゾイド乗り候補も別の場所で集められていました。

「貴様らは、栄えあるディガルド武国の一員となれる可能性を与えられた!
 返事はどうしたァ!!」

「は、はい…」

「返事はディガーだ!!」

「ディ、ディガー!」

なんだか
ハートマン軍曹のような鬼教官にしごかれる候補生達。こっちも決して楽なグループではないようです

私が訓練教官のハートマン先任軍曹である!
話しかけられた時以外は口を開くな

口でクソたれる前と後に“サー”と言え
分かったかウジ虫ども!!


サー、イエスサー!!


「うっ、ううっ…リーム…」

偶然コト姉の隣に立っていたのは、先ほどテントの前で子供と強引に引き離されてしまった母親。
やはり別のグループに入れられた子供が心配なようで、すすり泣く声がなかなか止まりません

「勝手に泣くなァ!!涙のひとしずくですら貴様のものではなく、
 ディガルドのものだと言うことを忘れるな!!」

お前のものは俺のもの!俺のものも俺のもの!
もはや完全にディガルドの消耗品として扱われるコト姉達。果たしてこんな状況でフェルデを探し出すことができるのか…?



場面変わって、ルージ達はレッゲル生成工場建設のためガレキ除去作業を担当させられていました。
その時、ガレキの下に埋もれていた人形を見つけて動きを止めるルネ。どうしたのかとルージが歩み寄ると…

「お父さんとお母さんが遺した宝物…ここが私の家だった…」

「…」

「なくなっちゃった…家だけじゃない、思い出も…ずっと積み重ねてきたのに…うっ…うっ、ううっ…」

まだ顔を合わせて間もないルネですが、根は明るくて快活な少女ということは十分伝わってきました。
それが今はただ顔を伏せて泣いている…ルージはルネにかける言葉も思いつかず、その場に立ち尽くすのでした



ガレキの除去が終われば、休む間もなく今度は工場のための資材運び。
坂道を登り、資材置き場へと向かうルージ達ですが…

「この上へ行っても山しかねーぞ…!」

「工場の材料なんてどこにあるんだよ…」

「無駄口を叩くなァ!!」

自分達の街に詳しい住民たちによると、この先に進んでも何もないとのこと。
そんな場所へと向かわせるディガルドの意図とは一体…?

「ああ!?」

「や、山が…!なくなってる!?」



つい数日前までそこにあったはずの山はなんと消滅しており、代わりに建設途中の工場や格納庫が…
そこでも辛い労働を強いられるルージ達ですが、それ以上に驚くべきスピードで工場の建設は進んでいくのでした

「あっと言う間に組みあがっていく…こんな技術力を持ってて、凄い機械を持ってて…
 ディガルドは一体何をしようとしているんだろう…」

たった数日で消えた山、異常な速さで完成していく工場、
明らかに惑星Ziの科学力とかけ離れた技術に、ルージは驚嘆すると同時にディガルドの真の目的について思い悩むのでした。



「う…うう…」

「誰が休んでいいと言った!立て!」

いつまでも続く労働時間に、とうとう足がもつれて倒れてしまう町長。
銃を突きつけて脅すディガルド兵ですが、体力も尽きかなりの高齢な町長には立ち上がる余力もありません

「この老いぼれェェ!!」

「少しは休ませてあげろよ!オレが2人分働く…!それならいいだろ!」

歯を食いしばりながら2人分の仕事をこなすルージ。
そして長い一日もようやく終わりを告げ、誰もが待ち望んだ食事の時間がやってきたのですが…

「ルーイ、ワシの分も食べろ」

「えっ…?いいですよ、オレの分はあるし」

「2人分働いたんだ、2人分食べろ」

食事はパン、スープ、水だけという質素なもの。しかし町長は自分の分まで働いたルージにスープを差し出します

「よかったら、私の分も」サッ

「オレの分も食えよ、お前は大したやつだルーイ…」サッ

「で、でも…」サッ サッ サッ



ルージの元に次々と差し出されるスープ。み、みんなー!なんていい人たちなんだ・゜・(つД`)・゜・
あれ?でもなんでみんな
スープだけを?他にはパンだってあるのにスープスープスープスープ
ま、まさかこのスープ
「ウォェェェ!とても食える味じゃねえ!」とかそんなことはないですよね!
パンなら一杯あるからそっち食おうっと、とかみんな考えてないですよね!ないない!(えー



そして夜が更け、住民達の就寝時間となった時のこと。
ルージ達の宿舎の屋根に、師匠とコト姉が連絡を取りにやってきたのでした。

ルージはルネに足場の箱を積んでもらい、2人のいる屋根の上へ…

「どう?フェルデは見つかった?」

「いえ…もう少し探してみます」

「くれぐれもディガルドに正体がバレないよう、気をつけるのよ」

「はい…。でもコトナさん、ディガルドって凄いですね」

「ディガルドが凄い…?」

結局今日のところはどちらもフェルデの情報は掴めず。
しかしディガルドを誉めるようなことを言うルージに、コト姉はいぶかしげな表情を見せます。

やはりルージは想像を超えたディガルドの技術を目の当たりにして、自分たちとのギャップを感じ取ったんでしょうか。
おそらく本当に言いたいのは
「これほどの技術があるのに、どうしてこんな酷い事にしか使えないのか」という…

「驚きました!あっと言う間に山を削って工場を作って、ホント凄いですよ!」

あ、あれー?まさかただ単にディガルドってすげーなー!!って感心してるだけなんじゃ…(゜д゜;)
お…おいいいいいいいッ!そりゃあないよ!そりゃあないだろうルージ君!
ルネとかめちゃめちゃ泣いてたじゃないですか!不憫な親子とかいたじゃないですか!町長も酷い目に合ってたじゃないですか!
それを見ておいて
素直に感心しとる場合かーッ!人間的にまずいじゃん…
ああほらもうコト姉とか師匠とか
めっちゃ睨んでる!睨んでるYO!ひー助けてー



なんかここ数回ルージきゅんの
空気読めてない発言が多くなってきた気が。きばってください主人公


「なんて書いてあるの?」

「フェルデはまだ見つかっていないそうだ…待つしかないな」

「そうだな、心配しても始まらないぜ」

「だ、誰がルージの心配なんか!!」

街の外にて、コト姉の飛ばしたクルックーから手紙を受け取るラ・カン達。
相変わらず素直でないミィ様ですが、ほんの少し前に
「ルージ達は大丈夫かしら…」と心配そうに街を見つめていたあたりぬかりはありません(えー

「……?」

その時何かの気配に気付いたラ・カン。ルージから預かった望遠鏡で辺りを見回すと、
ゼ・ルフトへ向けて一直線に突貫するモルガキャノリーの姿が!

「ゼ・ルフト守備隊の名に賭けて、街を我らの手に取り返す!
 この時間ならディガルドとて油断しているはず!」

なんと彼らは生き残っていたゼ・ルフトの防衛部隊!
闇に紛れてディガルドからゼ・ルフトを取り返そうと戦いを挑みます。
でもさすがにもるもる部隊じゃあ…リーオの武器もないし…(´・ω・`)

「出るぞ!」

モルガ相手ならバイオラプターでどうにかなりそうなものですが、なんとゲオルグ自らがバイオトリケラで出撃!
獅子はウサギを狩るにも全力を尽くすと言いますが、ゲオルグもモルガに向けてまったく容赦のない攻撃を繰り出す!

 

も、もるもるーー!!・゜・(ノД`)・゜・

ゾイド界のアイドルもるもるが串刺し!なんという酷いことを!許さん許さんぞゲオルグ!

「た、退避だ!退避ーーーーっ!!」

ゲオルグによって見るも無残に蹂躙されたモルガ部隊。
もはや勝ち目なしと見た残り2体のモルガは撤退を試みますが、地中へ逃げようとするモルガへゲオルグの無慈悲なる追撃が!

「貴様らは知らねばならぬことがある…
 ディガルドに逆らった者がどうなるのかを、知らなければならないッ!!」

吼えろ!蛇尾丸ー!!

ツノが伸びよったでーー!?
ガリアンソードか蛇尾丸か、分解されたヘルツインホーンが猛スピードでモルガへ向けて放たれる!

「うっ、うあああああっ!?」

一旦は地中へ逃げたモルガを引きずり出し、串刺しにして跡形もなく爆破!もるもるーー!!!

「ひどい…もう戦う気はなかったのに…」

遠方から見ていたミィ様も、ゲオルグの執拗な攻撃に後味の悪そうな表情です。
ザイリンがゲオルグを嫌うのもこういった理由からなのか…

聖帝サウザーに逆らった者には
降伏すら許さん!!

退かぬ媚びぬ省みぬ!その恐ろしさを存分に見せつけゼ・ルフトへ帰還するゲオルグ。
ところでアンタ絶対
惑星ベジータ出身だろ!!目とかM字髪とかそっくりだなコリャ



「ルーイ、なにか見える?ルーイ…」

そして宿舎の屋根から戦いの様子を見ていたルージもまた、
ディガルドは単なる「凄い」存在などではなく、恐るべき侵略者であることを再認識するのでした

次回へ続く!








トップに戻る