第14話・脱出

モルガ部隊がゲオルグに倒された次の日、早朝から街の外にもうもうと立ちのぼる煙が。
何かの狼煙か、それとも爆発したモルガの残骸か…


って
あんたの丸焼きかよ!
朝っぱらからそんな食事じゃ胃もたれが心配ですよ!おじ様なんてもう50歳だというのに!
もっとこう
減塩味噌汁にご飯に漬け物とか、年配の人が好みそうなものを…(えー



そして街の中では、今日もまたルージ達が辛い労働を強いられていました。
しかし、作業中にある住人がふらふらとその場に倒れ込んでしまい…

「こいつ昨日から体調が悪かったんだ…休ませてくれ!」

「駄目だ。動ける限り働け!」

「そ、そんな…!」

「だ…大丈夫だ…」

何か悪い風邪にかかったのか体調の優れない様子ですが、その住人は懸命に作業を続けようとします。
しかしまともに歩くこともかなわず、再びよろよろと地面に倒れることに…

「立て!ディガルドの為に働けェ!」

ドガッ!バギッ!ズドッ!ズガァッ!



て…てめえらの血は何色だーー!!
病で動けない住人を徹底的に痛めつけ、とうとう気絶させてしまうディガルド軍人。
住人からの反応がなくなると、
「ち…連れて行け」と吐き捨てるように一般兵に命じるのでした。


そして一方、コト姉達パイロット候補生は…

「速度が落ちて来てるぞっ!5周追加ァ!!」

なんと鬼教官にマラソンを命じられている最中でした。
や、やっぱりゾイドと乗り手の強さとは関係が…?
そろそろ誰か明言してよ!

「返事はァ!!」

「はぁい…!」

「違うっ!返事はディガーだ!!」

「ディガー…!」

延々とノルマの周回を追加されて走り続けるコト姉達。
それにしても、何か師匠の様子がいつもと違います

「はぁ…はぁ…はぁ…」

あ…ああー!!師匠がせつなさ炸裂状態に!!家出しちゃうよ!無言電話かけちゃうよ!(えー
冗談は置いといて、日頃から鍛えていそうな師匠が走っているだけでも相当辛そうです。何か体に異常が…?

「はぁっ…はぁはぁっ…ああ…!?」

そして辛そうな人は他にも。終わらないシゴキに耐えかねてとうとう倒れ込んでしまった女性が…
見てみれば、以前子供と別れ別れにされてしまったあの母親です

「み…水…水を…」

「そこっ!さぼるなぁ!」

「…この人もう限界なのよ!?」

母親をかばって鬼教官に休養を直訴するコト姉。その言葉に、鬼教官は水筒を取り出しますが…

ジャバジャバジャバジャバ…

「あ…ああ…あ…」

なんと、わざわざ母親に見せつけながら水をその場にまき散らす教官!
さらに、わなわなと手を伸ばす母親の顔面に空の水筒を叩きつける!

「はははは!まだ動けるようだなぁ?走れ」

こ…この悪魔めがー!!
貴様のやったこと、どんな理由があろうと犬畜生以下だ!鬼だ!外道の極みだ!ぐわあああああ!!

何を話しても無駄だと悟り、コト姉は母親に寄り添って再び走りこみを続けるのでした…



この日もまた辛い仕打ちに耐えるだけの一日でしたが、その代わりルージに大きな収穫が。
フェルデのことを町長に尋ねてみたところ、その居場所を突き止めることができたのです。
ゼ・ルフトのリマ地区に住んでいたという情報を頼りに、ルージは夜中にコト姉達とリマ地区の宿舎へ向かいますが…

「フェルデ爺さんか…?おとといまでは居たんだがな、
 腕のいい職人だったってディガルドの連中が聞きつけて、司令部に連れてかれたよ…」

「司令部…?厄介なところに連れて行かれたわね…」

運悪く、フェルデはすでにリマ地区から別の場所へ移された後でした。
しかも移された場所は、住人たちの宿舎とは比較にならないほど警備の厳しい司令部。
正攻法ではとても侵入できそうにない、とルージ達が途方に暮れていると…

「お前達何者だ…?返答次第によっちゃ、手を貸してもいいぜ」



話を聞いていたのはゼ・ルフトの守備隊員。先日モルガで戦闘を仕掛けた部隊の仲間のようです。
ルージ達が事情を説明すると、フェルデを奪い返すチャンスはまだあるとのことですが…

「明日の夜、外にいる仲間がディガルドの司令部を攻撃する。
 指揮官を失えばディガルドの連中は混乱するはずだ、
 君達はそのスキに司令部に入り込んで、フェルデを連れて街を出るんだ」

真正面から突っ込んだ前回の戦いと違い、今度はモルガの地中を移動できる能力を利用して
ディガルドの宿舎に奇襲をかけるようです。確かに前回より勝算はあるでしょうが、果たして…?




そして次の日、夜の作戦開始までいつも通り労働に精を出すルージ達。
コト姉達は今日は走り込みではなく、大学のような講堂でバイオゾイドに関する講義を受けるようです。

「バイオゾイドの基本的な動かし方について説明する!
 すべて頭に叩き込むんだ!戦闘中に解説書を読んでいるヒマはないぞッ!」

講堂に鬼教官の怒鳴り声が響く中、きょろきょろと誰かを探すように周りを見回すコト姉。
どうやら昨日倒れたあの母親を探しているようですが、彼女が座るはずだった席にもその姿はありません。
やがてコト姉は、悲しみを噛み締めるように目を伏せて…

え…ま、まさかもう
あの人はこの世には…?(´・ω・`)なんてこった…



ディガルドの度重なる横暴を許さないためにも、守備隊の人達にはなんとしても作戦を成功させてもらいたいところ。

夜が更け、作戦開始の時間が訪れると、次々にモルガがディガルド司令部へとその姿を現す!

「くそっ…!ゲリラどもが!」

いきなりのモルガの襲撃に、やむを得ず生身で抵抗するディガルド兵たち。思いの他この襲撃はかなりの成果を挙げそうです。
そして一体のモルガが、偶然渡り廊下を歩いていたゲオルグと遭遇する!こいつは願ってもないチャンスだ!

「むうっ…!?」

「あれは…ゲオルグ!でやあああああっ!!」

次々に火を吹くモルガのガトリング砲!さあミンチにおなりなさい少将さんよー!
しかしゲオルグは着弾の寸前に外へ飛び出すと、乗り手を殴り倒して操縦席を奪い取る!



げげー!あんた一体
どういう運動能力してるんですか!!
あんな高さから飛び出して平気なのかよ!もう
さすが惑星ベジータ出身としか(えー

ゲオルグはモルガを乗っ取ると、周囲のモルガへ向けて次々にガトリング砲を撃ち込んでいく!もるもる逃げてーー!!
突然の味方機からの攻撃に、なす術なく倒れていくもるもる。さらには、ゲオルグの援護にバイオラプターまでもが姿を現して…

「…遅い!!」

バイオラプターの遅い到着に愚痴を漏らすゲオルグ。
しかし、やって来たバイオラプターはゲオルグのモルガにまで照準を合わせると…

「…!?敵味方の区別もつかんとは!」

ゲオルグが乗っていると気付かずヘルファイヤーを発射!俺は味方やでー!
しかしまたもやゲオルグは、モルガが爆発するより速く颯爽と機体を抜け出すのでした。
あんたは忍者ですか




一方、うまく騒ぎに乗じて司令部へ侵入していたルージ達。
浮き足立っているディガルド兵を一人捕まえると、
さわやかな笑顔で刃物を取り出し脅しつけます

「こんばんわ〜♪お取り込み中のところ申し訳ないんだけどぉ、
 フェルデさんの所まで案内してもらえないかしら?」



やけに師匠がノリノリです。やっぱり根はお茶目な人なのか!?師匠ーー!!

「フェルデだと…?ああ…あの男か。何の用か知らんが、少し遅かったな」

しかし、ディガルド兵から返って来たのは意外な言葉。
遅かったというのは一体?もしかしてまた入れ違いに…

「フェルデはディガルドへの協力を拒んだばかりか、明確にディガルドに反抗する意志を示した…」

ディガルド兵に案内をさせてやってきた場所は、まるで安置室のような部屋。ま、まさか…

「元々体が弱かったみたいでね…へっ、昨日の夕方だったかな?この通りだ」



「そんな…!嘘だ…!嘘だぁぁっ…!!」

なんと、ようやく会えたフェルデはすでに帰らぬ人となっていた!唯一の希望を失い、ショックに打ちひしがれるルージ。
それを見守るコト姉も
「なんてコトナの…」思わずギャグを口走るほどの動揺を:;y=_ト ̄|○・∵. ターン



失意のままラ・カン達と合流し、ゼ・ルフトから脱出するルージ達。
ゼ・ルフト守備隊も善戦したのですが、ゲオルグとバイオラプターの攻撃でとうとう全滅してしまったらしく…

「もう…!苦労してここまで来たのに、骨折り損じゃない!」

「そんなこと言わないで…一番ショックなのは…」

「…」

そう、一番ショックなのは作画の崩れに(´・ω・`)ショボーンとしている視聴者:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
だ、だって本当に今回はちょっとまずい出来だったんですもの!
そろそろスタッフも力尽きてしまったのか!?なんとかもう少し踏ん張ってください!

次回へ続く!








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