第19話・紅蓮


「おじ様…ケガは大丈夫なの?」

「うむ、だいぶ具合もよくなった」

体の傷もそれなりに回復してきたラ・カン。完治したとは言わないまでも、普通に体を動かすくらいにはなんとかなりそうです。
ルージやガラガとも合流できたことだし、ピクル村にこれ以上留まる理由はありません。
むしろ、ディガルドとのいざこざを村に持ち込まないよう早く出発したいところですが…
 

「でも、ロンがまだ…」

あ…あ〜あ〜
そういえば居なかったなぁロン(えー
すっかり忘れてた。しかしどこかウサンくさい奴だったので、
今ごろどこかディガルドの基地でVIP待遇でも受けてるんじゃ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

結局、ロンと付き合いの長いガラガの
「そのうちひょっこりと現れるさ」という言葉を信じて出発することに。しかし…

「頼む、ディガルドから村を守ってくれ!」

「この村を見捨てるつもりか!あんた達が行っちまったら、
 誰がディガルドと戦ってくれるんだ!」

「…ちょっと身勝手すぎない!?私たちをディガルドに売り渡そうとしたくせに!」

「まったくだ…虫が良すぎるぜ!」

「おねがい私を捨てないで!」とラ・カン達にすがる村人達。しかし、村人に裏切られたばかりのミィ様達は聞く耳持ちません
まあそもそも、ディガルドが狙っているのはラ・カン達であって
ラ・カン達がいなくなれば、戦略的に意味のないこの村が襲われる心配はないんですが…(実際に今までずっと平和な村だった)

「…我々はレッゲルを奪って逃げた悪者だ。ディガルドにはそう言えばよい」

万が一ディガルドがやってきた時は、自分たちを悪者にしてやり過ごしなさいと言うラ・カン。
かくして一同はピクル村を後にするのですが…




しかしなんと、その頃ゼ・ルフトの医療施設では
ディガルド驚異のメカニズム
死亡寸前のゲオルグが治療されていた!
50歳中年男のヌードときましたよ、たまりませんなぁ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
一体どんな医療技術を駆使したのか、致命傷を受けていたにも関わらず、あっさりと全快して健康そのものなってしまうゲオルグ。
バイオゾイドもそうですが、惑星Ziの文明レベルを明らかに超えているディガルドの超技術。
果たしてディガルドの驚異的な技術の秘密とは…?

傷の癒えたゲオルグは、すぐさまラ・カンの追撃に出ようと闘志満々。
しかしゼ・ルフトの同僚は、やたらと多いバイオラプターの注文に悲鳴を上げてしまいます

「これ以上バイオラプターを連れて行かれては、ゼ・ルフトの守備が…!」

「黙りたまえ!私は総司令ジーン大将よりラ・カンを倒せと命じられている。
 あなたはジーン大将の命令より、第三師団の方が大事だと仰りたいのか?」

「い…いや、総司令の命令は絶対です」

まるでジャイアンの威を借るスネ夫だよ!
うりうり、俺のバックには総司令がついてるんだぜーと同僚を黙らせるゲオルグ。
ザイリンがゲオルグを毛嫌いしていた理由が分かったような気がします


というわけで、ラ・カンへの復讐に燃えるゲオルグはピクル村に到着。村人をかき集めて尋問を開始します

「こ、これはこれはこのような所へお越しいただき…」

「捜索を開始しろッ!」

「ま、待ってください!あの者達ならすでに村を出て…」

「バイオラプターで村を焼き払え!」

だー!!まるで聞く耳なし!この男には人間の血が通っていないのか
手っ取り早くラ・カン達を見つけるために、容赦なく村を焼いていくゲオルグ。
皮肉にも、ミィ様の言葉どおりに
マジでピクル村は丸焼きにされてしまいました

「…!?ピクル村の方角に黒煙が見えます!」

一方、ピクル村から離れる途中で村の異変に気づいたルージ。小競り合いならともかく、
まさかこれほど徹底的にピクル村が攻撃されるとは…ゲオルグの常軌を逸した暴虐に、ラ・カン達も動揺が隠せません。
結局無力な村人たちを見捨てるわけにも行かず、ラ・カン達は再び村へと引き返します

「燃えちまう…みんな燃えちまう…!」

「間違っていた…!そもそもディガルドを呼んだのは私たちだ…愚かだった…」

炎の中に消えていく村を目にして、自分たちの行いを心から悔いる村人たち。
しかし、絶望に沈む村人たちの前に疾走してくる青いゾイドが!

「やめろォォォーーーッ!!」

「!?戻って来て…くれたのか…!」

勇者特急マイトガイン、定刻通りただ今到着!
なんとか村が原型をとどめているうちに到着したルージ達。
これ以上の破壊はさせまいと、駆けて来た勢いをそのままにゲオルグ達に挑む!

「現れたか…!総員に告ぐ、掃討作戦開始!陣形展開せよ!」

ゼ・ルフトでの戦いと同じく、ルージ達を分断して一対多数の状況を作り出すゲオルグ。
仲間の援護が期待できないまま、ルージとラ・カンだけがゲオルグと対峙することになってしまいました

「これならどうだぁぁーっ!!」

「邪魔だおまえェーッ!!」

負傷しているラ・カンに代わってゲオルグに肉薄するルージ!
しかし、バイオトリケラのパワーとヘルツインホーンの変則的な攻撃に、どうしても勝機を見い出すことができません

「ぐううっ…!間合いが取れん!」

ラ・カンもやはり動きに精彩を欠いており、じりじりと追いつめられていく2人。
そしてついに、ルージを弾き飛ばしたゲオルグがラ・カンへと猛突進を見せる!

「ラ・カン!貴様の最期だぁぁぁぁッ!!」

「やっ…やめろぉぉぉぉぉっ!!」

バイオトリケラのノーズブレイクホーンが、ソードウルフの眼前へと迫ったその時
突如ムラサメライガーが
真紅のボディへと変化!目にも止まらぬ動きでバイオトリケラを斬り刻む!

「ぐ…!ぬぅああああーッ!に…逃がさんぞ…!ラ…カ…!
 うおおおあああああ!!」

ゲエー!難敵ゲオルグを
ものの数秒で撃破!おもいがけぬスーパーパワーアップ!
ムラサメライガーにズタズタに斬り刻まれたバイオトリケラは、谷底へと落下して大爆発。
さすがのゲオルグもこうなっては、
ディガルド驚異のメカニズムでも治しようがないでしょう

「…ルージ…!?」

ラ・カンをはじめ、ただただ突然の逆転劇が信じられずに目を丸くする仲間達。
バイオ四天王を瞬殺するほどの戦闘力、ムラサメライガーに秘められた力とは果たして…?

とりあえず分かったことが一つあるぜ!
ハァハァと息をつくルージきゅんは
きゃわいいなという事:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
次回へ続く!








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