第6話・山のアジト

「仲間が襲われている…ディガルド武国に…!くそったれがぁッ!!」

夜空に輝く信号弾。それを見るなり血相を変えて飛び出していくガラガ。
唯一ガラガの事情を知るコト姉によると、ガラガの言う仲間とは反ディガルド勢力のゲリラのことであり
ガラガはそこのリーダーを任されているようです。似合わねー!

しかし、ディガルドが絡んでいるとなれば放っておくわけにもいきません。
ルージ達もすぐにゾイドに飛び乗るとガラガの後を追いかけます

「コトナさん、あなたまでついて来ることはない」

「ルージに一緒にジェネレーターを修理できる人を探すって約束しちゃったし…
 それに私、ディガルドは大っキライなの」

どんな危険が待っているかも分からない場所に、なるべく無関係な人を巻き込みたくはないラ・カン。
しかし、コト姉はすでにルージについて行くことに決めてしまった様子。
それにルージの大事な
お嫁さん候補を置いていくなどわたしは許しませんよーっ!

「…決して無理はするなよ」

「は〜い、おじさま♪」

コト姉のおふざけに苦笑いするラ・カン萌え

かくして、5人のゾイド乗りが協力する形となりゲリラの元へと向かうことに…


「ラチがあかんな…」

一方その頃、ゲリラたちのアジトを攻めていたのは
我らがザイリン少将。
本来はこの地域の担当ではないのですが、ルージに斬り落とされたバイオメガラプトルの腕を補修した直後であり、
その試運転にゲリラの中で評判のガラガを狙おうと、ついでにゲリラの掃討作戦に参加していたのです。

しかし目当てのデッドリーコングは現れず、ゲリラはひたすら時間稼ぎのトラップを仕掛けるのみ。
これでは手ごたえも何もあったもんではありません。

「肝心のコングタイプは現れる様子もなし…誘い出すしかないかなッ!」

言うが早いか、ザイリンは後足のバーニングジェットを噴かしてほとんど垂直な崖を駆け上がる!ばびゅーん





ザイリンは、崖の上から足止め攻撃をしていたゲリラのゾイドを捕まえると、バイオラプターを連れて一旦引き揚げます。



「なにィッ!!連れ去られただとォォッ!?」

しばらくして、ようやくゲリラのアジトに到着したガラガ達。
ザイリンに仲間が連れ去られたと聞いて、ガラガの頭は
煙を吹きそうなくらいヒートアップ。

「こうしちゃおれん!すぐ助けに行くぞ!」

到着したばかりで、すぐにまたザイリンを追いかけようとするガラガ。
しかし、頭に血の上ったガラガに足払いをかけてコト姉が制します。
そう、今大事なことは闇雲に突撃することではない!今最も考えるべきなのは!



コト姉のおっぱいでけぇなあ(違

あ、いや、ごめんなさい。
今考えるべきなのは、確実に罠を張っている敵に対してどう作戦を立てるかということ。
そのためには敵の動向を探る必要があり、こちらには運良くコト姉のレインボージャークがあります。
空からなら敵の様子を知ることも比較的容易。これを上手く利用すれば…


というわけで偵察に出ることになったレインボージャーク。
しかし、ミィ様はルージが一緒に乗っていくと聞いて納得が行きません。

「なんであなたが一緒に乗るわけ!?」

「なんでって…さっきみんなで相談して決めたろ?」

「ルージはこの中で一番いい目をしている。敵の様子を探るのにうってつけだ」

「だったら、中に乗らないで翼の上にでも座っていけば!」

「む、無茶言うなよ…」

前回もそうですが、ルージとコト姉が接近するとやけに機嫌の悪くなるミィ様。
あぁ
これがツンデレってやつなんだなぁ(えー


こうして、またもレインボージャークで二人乗りをしていくことになったルージ達。

「この前は無我夢中で気付かなかったけど、コトナさんっていい匂いがするんだな…」

と乗り込む時はデレデレしているルージでしたが、地面を離れて飛び立った途端真剣な顔つきに。
ルージきゅんは仕事とプライベートをきっちり分けるタイプみたいね

「君とは縁があるみたいね、こうしてまた一緒に乗ることになるなん…「いました!」




と、コト姉の雑談をさえぎるようにザイリン達の発見を伝えるルージ。お前らもっとイチャイチャしろよ!(えー
しかし、コト姉がフロントパネルのズーム機能で探索してみるものの、どこにもそんなものは見つかりません

「何も見えないわよ…?」

「見えてますよ、一時の方向に向かってください」

ズームでも分からないものをはっきりと捉えているルージの肉眼。
一体どんな視力だよルージ!私なんて眼鏡を外したら20cm先の文字も読めませんがな


コト姉がルージの指示通りに飛んでいくと、そこには確かに岩場で陣形を組むザイリン達の姿が!

「特殊なコングタイプか…せめて、ルージ君くらい歯応えのある相手だとよいのだがな」

と、デッドリーコングとの戦いに思いをはせているザイリン。
いや、歯応えというかあんた
単にルージ君が好きなだけだろ!そうに違いねぇー!



「変だな、バイオラプターが4体しかいないぞ…?」

はるか遠方から、望遠鏡でザイリン達の戦力を確認するルージ。
ゲリラ達の話では7体が確認されていたので、残り3体の潜んでいそうな場所を当たってみる二人。すると…

「いましたよコトナさん!前方の森の中、あの岩場の影にも…すごいですねコトナさん!ドンピシャです!」

やはり、ザイリンの命令で伏兵となっていた3体のバイオラプター。
望遠鏡で次々と隠れ場所を発見するルージですが、やはりそれはルージ以外の視力では
言われても確認すらできないという代物。
ただただコト姉はルージの秘めた能力に感嘆するのでした

「すごいのは君の方よ…」

「えっ?なんでですか?」

「なんでも…ないっ」

 

こうして偵察は大成功に終わり、アジトに戻ると全員で作戦タイムを開くことに。


敵の配置は丸裸になったものの、数で劣っている以上うかつに攻め込むのは危険とみたラ・カン達。
ただし、ザイリン達はこちらの戦力をガラガのデッドリーコング、ガラガの参謀・ロンのバンブリアンしか確認していません。

その盲点を突き、レインボージャークでムラサメライガー、ランスタッグ、ソードウルフを空輸して
各地に潜んでいるバイオラプターを各個撃破してから、数的有利を作り出してザイリンの元へ向かうことに。





ガラガが派手に真正面から突入する陽動役を引き受け、いよいよ作戦開始!
一対一ならバイオラプターなどムラサメライガー達の敵ではなく、
順調にバイオラプターを始末しザイリンの元へと急ぐルージ達。

「残念ながら君は包囲されている」とやってきたガラガに言い放つザイリンですが、
その周囲から現れたのがバイオラプターではないことに驚きます。

「ランスタッグ…!ソードウルフだと!?それでは…!」

配置した部下が消されており、愕然とすると同時に
どこか期待をしている風なザイリン。
そう、この2体が現れたということは
まさか!まさか彼もまたここに!

「よくもオレの村のジェネレーターを壊してくれたな!」

「ルージ君かっ!!」

期待通りのルージの登場に
歓喜の声をあげるザイリン。
他の連中など残りのバイオラプターにくれてやるわ!俺はルージきゅんと戦いたいんだYO!

「うおおおおおっ!!」

「こいつ…!腕を上げたのか!?」

わずかな期間ながらも確かに成長しているルージの技術。
ザイリンもそう簡単には追いつめることができず、ルージは予想以上の健闘を見せる!そして…

「ちっ、全滅か…!」

気がつけば孤立無援!
ルージとの戦いに夢中になっている間に、全て倒されてしまったバイオラプター部隊。ええい使えない部下どもが!
5対1ではさすがに勝ち目なしと見たザイリンは、引き際を悟りスタコラ逃げようとします

「逃げるなよっ!」

「君とはまた遊んであげるよ!!」

追いすがるルージに火球を放ち、ザイリンは即座に撤退!
因縁の相手に決着をつけられなかったことに、ルージはまた苦い思いを残すのでした



「今戻ったぞぉーーっ!!ようし祝杯だ!ルージ、来い!はっははははは!」

アジトへと帰還し、人質の救出作戦が大成功に終わったことでご馳走を囲むガラガ達。
しかし、誰もが勝利の美酒に酔いしれている中、ミィ様とラ・カンだけはそんな気分になれずにいました。





「のん気に祝杯なんて挙げてる場合じゃないでしょ…」

「そう言うな、ミィ」

「ディガルドが、このままあっさり引き揚げるわけないのに…」

予想されるディガルドの反撃に警戒心を持ち続けるラ・カンとミィ様。
はたして、ラ・カン達の知るディガルドの恐ろしさとは…?

次回へ続く!








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