第8話・地下水路

前回の戦いでガラガは本拠地を失い、生き残ったゲリラもほとんどが負傷者に…
ガラガはこれ以上の犠牲を出したくないと仲間を解散し、ロンと2人でルージ達に同行することにします。

そして、ルージ達はロンのバンブリアンを修理しているサクサ村のジンゴという人物を訪ねることに。
ジンゴはゾイド修理において右に出る者がいないという達人であり、それほどの人物ならジェネレーター修理についても
何か知っているかもしれません。

「み、みんなどいてぇ!レッゲル切れだわ!」

しかし、サクサ村へ向かう途中にガス欠になってしまうレインボージャーク。ひーこらひーこらバヒンバヒン



他のゾイドも補給をしていないので、このまま進んでもどこまで持つか分かりません。
そこで、一度ハラヤードの街に引き返しレッゲルを補給しようとするのですが…

「街の周りにはバイオラプターがいっぱい…!入口にはディガルド兵…」

その辺りはぬかりのないディガルド。すでにルージ達がハラヤードに戻ってくると踏んで、街をガチガチに監視していました。
領主のハーラと知り合いであるラ・カンは、自分がなんとかスキを見てハーラに会いに行くと言いますが、
いくらラ・カンでも突破できるとは思えない、とミィ様達の反論が。

「大丈夫、入れるわよ。ルージならね♪」

しかし、コト姉には何か名案があるようです。ルージなら潜入可能というのは一体?

というわけでコト姉に半裸に剥かれるルージきゅん。
そう。第一話でも言われていましたが、ルージの特技は素潜り。
街の外の湖から街中の水路を泳ぎ、ハーラの館の井戸を目指そうというのです。

ちなみに頭のカメは潜っているときのカモフラージュ。キューキューと声まで出すスグレモノです
こいつはお風呂でも大活躍だぜ!!

哀〜♪ふるえる哀〜♪

それは〜別れ唄〜♪

ひろう骨も〜燃えつきて〜♪

ぬれる肌も〜土にかえる〜♪

カメのカモフラージュが効いたのか、まんまと連邦軍本部ジャブローにハーラの屋敷に辿り着いたルージ。
井戸を登って庭に出ると、遠くから誰かの話し声が…声の主はハーラなのでしょうか?

「ハラヤードは中立の商業都市です。特定の国には属しません」
「それは素敵なことですねぇ、ハーラ殿」


遠くからかすかに聞こえたハーラという名前。ルージはすぐに声のする方へと駆け出して事情を話そうとします。

「ハーラさーん!」

「ん…?」

ザ、ザイリーーン!!
今回もまたあんたかよ!神出鬼没だな本当に!
ルージは声を出してしまったことを激しく後悔しながら身を隠しますが、
ザイリンはルージの方を凝視したまま目を離そうとしません。や、やばい!

「どうかしましたか?」

「…」

「ザイリン少将…?」

「…」

話しかけてくるハーラを完全無視して凝視を続けるザイリン。
ば、ばれた!これは絶対ばれた!一体この危機を乗り越えるにはどうしたら…

「ニャ〜…ニャ〜…」

すると、
猫の鳴き真似をしてなんとか誤魔化そうとするルージ。
あぁさすがプロの声優は猫の声もうまいな〜…って
そういう問題じゃねえ!!
ちょっ!さすがにこれで騙すのは無理っぽいぞ!むしろザイリンがあれほど警戒しているのに、ヘタに声を出すなんてあぶな…

「…ふ。ハーラ殿、私はジェネレーター監視の許可をいただきたいと言っているだけです」

コロっと騙されたー!!えええー!!ザ、ザイリンあんたそれでいいのか本当に!

「すでに勝手になされているのではありませんか?検問に町中の歩兵…」

「人聞きが悪いですね。私は遠慮しているのですよ?『今は』ね」

おっと悪党ですザイリン。
許可しないならもっとメチャクチャかますぞ、とハーラに脅しをかけます

「…先ほども申しましたが特定の国に協力は致しかねます。ですが、あなたがたの活動の邪魔も致しません」

「それで十分です。このザイリン、心より感謝致します(棒読み)」

ディガルドの横暴を許したくないハーラですがそれも限界。
結局ディガルドの活動を邪魔しないということで、元々ザイリンの欲しかった許可は取り放題ということに。
棒読みでお礼の言葉を述べるザイリンがなんとも皮肉です

「………出ておいで、ネコさん?」
ザイリンがその場を去ったのを確認すると、ルージに声をかけるハーラ。
やっぱバレバレだったんじゃん!
うっかり者ザイリン!うっかり少将!普段は抜け目ないのに、
ルージが絡むと途端にうっかりですなこの人は

自分がラ・カンの指示で来たことをハーラに告げると、ザイリンの時とはうって変わってハーラは協力的に。
人徳の差ってやつでしょう。おじ様頼りになります。なんとかレッゲルを補給できないか相談するルージですが、
たった今ザイリンにジェネレーター監視の許可を与えてしまったばかり。普通の方法ではまず無理です。
しかし、この街のジェネレーターには湖の湖底にある洞窟から侵入でき、そこからなら監視の目が緩いことを伝えるハーラ。

「ハーラ殿!」

話が終わり、ルージがその場を去ろうとした時にザイリンが再び庭へ!見つかる見つかる!何しに来たんですか!



「ザ、ザイリン少将。何の御用ですか?」

「今晩、私はどの部屋を使えばよろしいのかと思いまして」

(゜д゜;)へ、部屋ですって!?
そんなもん使用人にでも聞いてください!!
最悪のタイミングに、茂みに隠れながら逃げようとするルージ。しかし、ここの庭はかがんで移動する人間にとってはまるっきり迷路です。
まさか顔を上げて逃げ道を確認するわけにもいかず、夢中であちこち移動するルージですが
最悪なことにハーラの元へ歩いてきたザイリンと鉢合わせ!もう終わりだー!



って、
ええええええええええ!?
ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっと!!
な…何それ!何ですかそれはザイリン!
逃げ道のなくなったルージがヤケになって限界まで姿勢を低くすると、それに気付かず
ルージをまたいでいくザイリン。
どこまで
うっかり少将なんですかあんたは!!これに気付かないって…しょうがない人だなもう…

事なきを得たかのルージは、ザイリンが話し込んでいる間にその場を去ろうとしますが
帽子が茂みに引っかかりガサリと音が!ま、またかよもう!

「ん?この辺りは猫もどきが多い…」

しかし今度もまた
ザイリンのうっかり発動。まるで疑うことなく見逃してくれました。ザイリン…もうちょっとしっかりした方が…


仲間の元へと無事に戻ってきたルージは、ハーラに聞いた情報をラ・カン達に伝えます。
そして湖底を目指すにはやはりルージの力が必要ということで、すぐにまた湖へ取って返すことに。ルージも大変ね

レッゲルを入れる袋を背負い、ルージもさっきより重武装に。ランスタッグにルージの命綱を結ぶと、
敵の目をランスタッグから引き離すようラ・カンとガラガが陽動を引き受けます。
そしてルージはジェネレーターを目指して湖底の洞窟へ…



一方ハーラの客間にて休んでいたザイリン。そこにラ・カンとガラガがバイオラプターと交戦中との報告が入ります

「妙だな…2体だけか?メガラプトルをいつでも出せるようにしておけ!」

2人だけで行動しそうもない組み合わせに疑問を抱くザイリン。この辺りはさすが少将。
何か次の動きがあるだろうとメガラプトルを用意させますが、ザイリンは格納庫とは別の部屋へ向かおうとします。え…一体どこへ?

「…?今すぐ出撃されるのでは?」




「身だしなみというものだよ。寝起き姿のままで、ゾイドに乗るわけにはいかんだろう?」

は…
はいいいいいいいいい!?
関係ないじゃん!!寝起き姿とかゾイドに何も関係ないじゃん!!
し、しかも身だしなみってあんた…いつもあの
土偶スーツで出撃するのに身だしなみもクソも!

←いつもの土偶スーツ

相変わらずよくわからない男ですザイリン。というわけで、ザイリンは出撃前に水浴びをしに向かいます



その頃ルージは、順調にジェネレーターの内部でレッゲル回収作業を終え、
ランスタッグに命綱を引っ張ってもらい湖底洞窟から脱出するところでした。オーエスオーエス

しかし、洞窟の入口まで戻ったところで命綱が流木に引っかかってしまう!
なんとか流木をどけようと綱から手を放すルージ。その時、ミィ様が綱を強く引いて流木は払いのけたものの、
ルージが洞窟の入口に置き去りにされたままに!ミィ様とコト姉の元には、レッゲルの入った袋だけが届くこととなり…

なんとか脱出を試みるものの、洞窟の中へと流れ込む水流に押されて前進できないルージ。
とうとうこらえ切れずに水流に流され、再びルージは洞窟の中へ…

いくら素潜りが得意なルージでも呼吸がもう持ちません。
洞窟の上方から光が注いでいることに気付いたルージは、一縷の望みをかけてその光の差す方へと向かいます

「ぶはあっ!はあっ、はあっ、はあっ…」

運良くどこかの広い場所に顔を出し、呼吸を整えるルージ。コーホーコーホー
それにしても一体どこに出てしまったんでしょうか、どこかの水浴び場のようですが…



あ、ああー!!このケツは!いや、この後ろ姿は!ま、まさか、まさか…

「あ…ああ…あ…」



「ザイリン!?」
「お…おお…?」



「ルージ君!?」

な…なんつートコにつながってるんだあの洞窟は!よりにもよって入浴中のザイリンと鉢合わせ!
この2人もとんだ因縁です、まさかこんなところでも顔を合わせるとは…

しかし、ザイリンの顔を見るなり
無言でさっさと洞窟へ潜るルージ。
「待て!」と呼び止めるザイリンですが、そこにはすでにルージの姿はありません

それより少将、
少しくらい前を隠す努力を!!あんたさっきから仁王立ちじゃないですか!!


そして、ルージが姿を消した後すぐに
「水路…?地下水路…そうか!街の裏手の湖だ!」とルージの侵入した場所に気付くザイリン。
いきなり入浴を覗かれたというのにまったく動揺していません。ディガルド軍人おそるべし…


一方ルージは逆にあんなものを見せられてショックだったのか
物凄い勢いで湖まで泳ぎきり、洞窟からの脱出に成功します。
しかし、ルージがコト姉達と合流すると同時に、ハラヤードから出撃したザイリン率いるバイオラプターの群れが!

「あ…あれ!」

「ルージ君!君とはよくよく縁がある!!」

「くっ、もう来たのか…!?オレが足止めします!ミィとコトナさんはレッゲルを運んで!」

「わかったわ!」

すぐにムラサメライガーに飛び乗ると、単身ザイリン達に立ち向かうルージ。
しかしザイリンもまた、ルージとの戦いとなると自分の手で倒したいのか、バイオラプターを制し一対一での戦いに!
ザイリンと一緒に出撃した10機ほどのバイオラプターは
すべて見学です。あぁ戦力がもったいない…

「ルージ君!君は何度も何度もォォッ!!」

しかし今回のザイリンの気迫にはすさまじいものが。元々技量では及ばないだけにルージは為す術がありません
ついにムラサメブレードを押さえ込まれ、至近距離からヘルファイヤーの照準に捉えられてしまう!

「今まで楽しかったよ、覚悟したまえルージ君」

「う…くっ!」

とうとう2人の因縁にも決着が…というその時、ルージは一か八かの体当たりでヘルファイヤーの直撃から逃れる!
なんとか危機を脱したものの、不利な状況に変わりはありません。不本意ながらもルージは撤退を開始します

「逃げ切れると思っているようだが…無理だね!」

ザイリンはメガラプトルのバーニングジェットを噴かすと、マリオカートのキノコダッシュジャンプのように
一瞬にしてムラサメライガーの頭上を取る!バシュぴょいーん

「終わりだァァァァッ!!」

「うわああああーっ!!」

「跳んでっ!!」

しかしその時、応援に駆けつけたレインボージャークがギリギリでムラサメライガーをかつぎ上げる!
なんとか九死に一生を得たルージ。ザイリンは、空の向こうに飛んでいくムラサメライガーを眺めながら一人つぶやくのでした

「…今は行くがいい、ルージ君。また会う時を楽しみにしているよ」

あらら…今回は
「もう君にはうんざり」みたいな台詞が多かったですが、結局はまた会うのが楽しみなようです


ルージには散々な一日でしたが、なんとか十分なレッゲルの補給に成功した一行。
今度こそサクサ村へと向けて足を進めるのでした



次回へ続く!








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