School
Days9話 「後夜祭」
「あなたも誠君のこと好きだったんですか…!?
だからこの間私が誠君と一緒に帰ろうとした時も、間に入ってきて…」
「違う…それは世界のため…」
「じゃあどうしてその西園寺さんが好きな、誠君とキスしてたんですか!?
このことを西園寺さんが知ったら…!」
「それはやめて!私もうすぐこの学校からいなくなるから…
自分だけの思い出が欲しかった、それだけ…」
「そんなこと…私と誠君には関係ありません!失礼します!」
人の彼氏取ろうったってそうは行かねえぞ!と刹那を厳しく問いつめる言葉。
前回世界との浮気現場に出くわした時には、あまりの悲しさに泣き崩れた言葉でしたが、
今度は容赦無用の怒り丸出しといった感じです。これも言葉のリミットゲージがどんどんと溜まって行っている証拠か…(えー
一夜明けて学祭2日目。言葉のクラスはお化け屋敷を開いていましたが、その受付は一日中言葉一人に押し付けられていました
「ちょっと桂!ちゃんのお客入れてんの!?」
「あんた暗いんだよね〜、あっちの方はちゃんと案内できてんの?」
「あっちの方…?」
「しっかりしてよね、休憩室のこと!お化け屋敷の休憩室ってのは、
榊野学園祭の3つの伝統の1つなんだからね!」
「1、カップルで学祭を回る。2、後夜祭のフォークダンス。そして一番スゴイのがこの休憩室!
女子が日頃気になってる男子に向かって手を差し出すの、それが告白の合図。
男子はその告白に対して、イエスなら手を握り返す!
そして互いに手と手を取り合った2人は、そのまま休憩室の中へ消えて行き…キャー!!」
休憩室ねえ…「フォークダンスやったら恋人」だの「休憩室に入ったら恋人」だの「学祭一緒に回ったら恋人」だの
1話の「携帯の待ち受けにした人が一週間見られなければ恋人」だのって
しょーもない伝統がいくつあるんでしょうかこの学校は(えー
こんなのにいちいち夢中になるなんて暇な奴らだな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
しかしその休憩室、一番スゴイというからには他のマユツバものの伝統とは一味違うようです。
その中の様子がどうなっているかというと…
なんじゃこの有様はー!!ゴミ箱が妊娠なさっておられる!(えー
ゴミ箱へ大量にブチ込まれた使用済みティッシュの山、そして「女子が男子に手を差し出す」という動作の意味は…
なに握ってるんだろうと思ったら、これって明るい家族計画かよ!ふざけてんのかこの学校ー!!
学校の一室が堂々とラブホも同然の部屋にされているとは…この学校根本から腐り切ってやがる:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ちわーっす、お取り込み中だった?」
「…澤永さんには関係ありません」
言葉にさんざん嫌味を垂れ流していった乙女グループと入れ替わりに、お化け屋敷へ顔を出しにきた泰介。
言葉に軽く挨拶してみたものの取り付く島もありません
「ねえ桂さん、昨日からずっと受付してなくない?」
「皆さん忙しいらしくて…あまり受付を離れられないんです」
「…」
「あ、いらっしゃいませ。あの澤永さん、そこ立ってられるとお客さん入りにくいんですけど」
また新たな腐れカップルがエロス部屋を使いにやって参りました。
くそったれどもが…一体学校を何だと思ってるんだ!しっとマスク様出てきてください!しっとマスク様ァー!(えー
それにしても言葉、あからさまに「邪魔だからさっさと消えてください」って泰介にはなんでこんなにきついんだ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「あのさ、もしよかったら今日一緒に回らない?それで、できればフォークダンスも一緒に…なんて」
「ごめんなさい、前にも言いましたけど私誠君の彼女ですから」
「え…?でも誠は西園寺と付き合ってるようにしか見えないけど…」
「誠君の彼女は私ですから!勘違いをしないでください!」
「あ、ああ…そうだよね、ごめん俺何言ってるんだろう、ごめんね、ごめん…。あ、あははは」
めげずにアタックを続ける泰介でしたが、言葉のきっつい態度にとうとう引きつった笑みを浮かべて退散してしまいました
泰介が可哀想すぎて直視できないぜ…どうしてそこまで誠にしか興味がないんだ言葉は
「もう、やめてよ!やめてって!誰かに見られたらどうすんの!?」
その頃の誠は、メイド喫茶の厨房で世界の尻をまさぐっていました
こいつまさか…その尻を触った手で料理をしようっていうのか!お前みたいな汚いゴミには厨房に立つ資格すらないわ!(えー
(C)雁屋哲・花咲アキラ/小学館
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なんだこの店は!
猿の尻を触った豚の手で
料理をさせるのか!
この海原雄山も甘く見られたものよな!
死ね!死んで償え! |
「はいはい仕事仕事!」
「…」
「やめてったら!!」
ドグシャアアアアア!
クソバカ誠に怒りのニークラッシュが炸裂!これほど世界を応援した瞬間はありません
お前邪魔だからどっかいけと厨房を追い出された誠。仕方なく気ままに学祭をぶらつきますが…
「い、伊藤…もしまだ一緒に回る相手とか見つかってないんなら、これから一緒に回らない?」
「え、お前と?どうしたんだよ急に」
そこへ声をかけてきたのは乙女。前から誠が気になっている描写はありましたが、ついにモーションをかけてきました
同じ中学ということ以外に接点もないので、いぶかしげな表情の誠でしたが
なめまわすように乙女の体を観察すると簡単にOKを出してしまいます。死んでしまえサル野郎!
「あ、あのさ伊藤…後夜祭のフォークダンス、私と踊ってくれないかな」
「え?あれって付き合い始めたカップルのお披露目みたいなもんだろ、加藤も好きな奴誘えって」
「だ、だから伊藤を誘ってるんだけど…」
一通り学祭を回って盛り上がってきたところで、乙女に告白されてしまった誠。
しかしここでうんとでも言ってしまえば言葉や世界にぶっ殺されます。
さすがに断るだろうと思いきや、ジロジロ乙女の体を眺めた誠はまたもきたならしい笑みを…
「誠!本当にサボるなもう!人手足りないんだから戻ってきてよ!
もう十分遊んだでしょ!?」
「え、ああ!?」
そこへドタドタやってきた世界は即座に誠を連行!乙女に告白されていたことも察してか、
ギロリと乙女に牽制の睨みをきかせておくことも忘れません、まったく黒い女だよこいつは…
「誠さ…私と後夜祭のフォークダンス踊ってくれるよね?」
またか、またその話題か!フォークダンスフォークダンスっていい加減うんざりしてきました
恋人の証だかなんだか知りませんが、そんなもんで誠を繋ぎ止めようとしてる時点で
この先の関係もたかが知れてると思います
というかフォークダンスはやたらこだわってるのに、同じ「3つの伝統」の
学祭回ることと休憩室について全然気にしてないのはどうしてなんだ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「それってそんなに大事なことかぁ?」
この時ばかりは誠に激しく同意。このバカと意見が合致したっていうのもいい気分はしないですけど(えー
「大事なことだよ!私達は恋人ですってみんなに宣言することと同じなんだから!」
「そりゃそうなんだろうけどさ…」
「だから私と踊ってくれるよね?」
あぁやかましい。これだけしつこくゴチャゴチャ言われると、かえって踊る気なくすのは私だけだろうか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
それにしても恋人宣言と同じってことは彼女いない奴は参加することすら許されないってことか!
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←彼女いないブ男さんの悲しい叫び(えー |
(C)鳥山明/集英社
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「ねえ桂ってさ、恋人いるんだよねぇ?だったら休憩室、桂も使う?」
「悪いよ夏美そんなこと言っちゃ〜。聞いてるでしょ?桂、彼氏と別れたって」
「別れてないです!」
またも言葉を煽りにやってきた乙女グループの2人。乙女は誠と、ヘアバンド娘は彼氏と学祭回りに行ってしまったので
残ったこいつらは「あたしらでさえ彼氏いないのに桂にいるなんて許せない!」ってイチャモンつけに来たってとこでしょうか。
心の貧しいやつらだな(えー
「あんたさ〜、今日彼氏迎えに来た?もしかして別の女の子と学祭回ってたりして」
「そんなことあるわけないです、だって誠君の彼女は私なんですから…」
「辛そうな顔してるよぉ?素直に認めちゃいなよ。本当は伊藤と付き合ってなんかないってこと」
「付き合ってますッ!」
「…!じゃあ付き合ってたのかもしれないけど、もう別れたんでしょ!?」
「別れてなんかいません!」
「へぇそうなの!だったら連れてきてみなさいよ!」
「そうね、恋人だっていうなら問題ないはずよねぇ!」
「誠君は来てくれます、絶対!」
誠のこととなると強気の言葉。てめえらほえ面かかせてやんよ!と誠にメールを送りまくりますが、
厨房に携帯を放りっぱなしの誠は、全くそれに気づいてくれないのでした
「約束できなかったな…フォークダンス…はぁ〜あ」
「はぁ〜あ…」
「…?あんた確か、いつも伊藤と一緒の…」
その頃、誠と約束できなかった乙女が校庭で溜め息をついていると
そこには同じ事情で落ち込んでいる泰介の姿が!まさか負け犬同士慰めあってカップル誕生か!?(えー
「はぁ…ねえ伊藤ってさ、本当に桂と付き合ってるの?」
「それなんだよな〜、なんかいつもはぐらかされてんだよなあ」
「それってハッキリとは付き合ってないってことじゃないの?」
「さあなぁ。誠のやつ、西園寺と付き合ってるようにしか見えないし。
ホントあいつ、二学期になってから何考えてるか分かんなくなっちゃったっていうか…
桂さんも可哀想だよな、あんなに可愛い子なのに」
「なに、あんたも桂のことが好きなの?」
「え、いやまあ…でもねえ。桂さんは誠と付き合ってるっていうし」
「もう!そこで諦めてどうすんのよ!女子は一にも二にも押しよ押し!」
そ、そこで泰介を煽るような真似すんなー!!
泰介は言葉なんてさっさと諦めて光とくっつけばいいのに!略奪愛なんてふざけた真似は世界だけで十分ですよ!
「あんた見てたらイライラしてきた。やっぱり自分の気持ちぶつけてくる!
あんたはあんたで頑張りなさい!」
言うなり誠の下へたったか駆け出してしまう乙女。諦めの悪い乙女の態度は、少なからず泰介にも影響してしまったようです
その頃の誠は、世界に連れてこられて厨房に復帰していましたが…
「おい、そんなにくっつくなよ…」
「いいでしょ〜?」
「接客に行かなくていいのか、黒田達が大変だろ」
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さっきと2人の立場がまるであべこべです
尻を触る誠をあからさまにウザがっていたさっきと違って、今度は腕をからめてわざとらしく乳を押し付けたりして…
フォークダンスまで気を引いておこうって魂胆が見え見えです
醜いねえ、誠がライバルに狙われてると知った途端そこまで必死になって…(えー
「世界手伝ってー!!」
「あ、うん」
世界が接客に出て行ったその時、ようやく自分の携帯がブルブル鳴っていることに気づいた誠。
誰かからメールかな、と携帯を開けてみますが…
嫌ああああああああああ!!
そこには大量に送られていた言葉からのメールが!軽いホラーだなこれは:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
会いに行かないと殺される!と必死の形相で教室を飛び出す誠。しかしそこには、再び告白にやってきた乙女が…
「い、伊藤!(手を差し出す)」
「…?何それ、パンチ?」
「ち、違うっ!もう…!お願い、来て…」
例のエロス部屋行きのポーズを取る乙女でしたが、女子達のしょーもない伝統のことなど知る由もなかった誠。
もどかしくなった乙女は、こうなりゃ実力行使だ!とムリヤリ誠をエロス部屋へ連れ込んでしまいます
部屋に入るなり、乙女は誠をどっしーんとベッドへ押し倒してしまい…
「伊藤のこと中学からずっと好きだったの…私と友達以上になるのって、嫌…?」
「嫌だからさっさとどいてくんない」とは誠に言えるはずもなく、
またもきたならしい笑みを浮かべてあっさりと乙女を受け入れてしまいます。てめえら豆腐のカドに頭ぶつけて死んじまえー!(えー
「彼氏結局来なかったねぇ?ひょっとしてさ〜!
桂が勘違いしてるだけで、実は前から彼氏でもなんでもないんじゃないの?」
「うっわ〜、それヒサーン!」
そんな休憩室のすぐ隣では、いつまで経っても誠が姿を現さないので
言葉相手にほ〜ら見ろと乙女グループが大喜びしていました
「誠君は私と付き合ってます…誠君、何か大事な用事で忙しいんです、
きっと…きっと…」
「あのねぇ伊藤だったらさあ!」
「な、夏美…」
「あ…」
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LEVEL UP!
言葉は”眼力”の
スキルを覚えました |
まるで自分に言い聞かせるようにぼそぼそと呟く言葉。
いつもと違うその眼光にすくんでしまった2人は、そそくさとその場から退散していくのでした
「参ったなぁ〜」
「フォークダンスの約束?」
「うん」
「…分かった、見つからないように行った方がいいよ」
そして乙女とやるだけやった誠は、フォークダンスの時間になると世界のためにさっさとエロス部屋を出て行ってしまいます
てめえというクズはー!!乙女は用が済んだらもうヤリ捨てかよ!!
乙女もあっさり許すとかバカだろ!こんな結末嬉しいのかよ!満足なのかよ!誰が喜ぶんだよぉぉぉぉぉ!
「誠君…?」
「あ…桂さん」
フォークダンスも始まった頃、誠のクラスへ誠を訪ねにやってきた言葉でしたが、
明かりの消えた教室に残っていたのは泰介一人だけでした。というか光も泰介誘えよ…:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「…誠だったらもういないよ、西園寺とフォークダンスに行ったよ」
「…何言ってるんですか?誠君の恋人は私なんですよ」
「誠はもうそう思ってないよ…」
「そんなのウソです!」
「ウソじゃない!あいつは…誠は君を裏切ってる!」
バカの誠に変わって残酷な事実を伝える泰介。目をそむけてきた現実と直面してしまった言葉は、
絶望のあまりまるで腐った魚のような目に!ぎゃああー!!
「俺…俺、桂さんが好きなんだよ!好きなんだ!」
泰介襲いかかりやがったー!!くそがああああああああああ
ついに俺の最後の希望(泰介×光)までが粉々に砕け散った…ちくしょうみんな乙女が悪いんだ・゚・(つД`)・゚・
そして校庭のキャンプファイヤーの前では、最低ゴミカップルの2人が楽しげに踊り狂っていました
「私誠の彼女なんだよね〜?」
やあとてもご機嫌ですね世界さん。虫唾が走るわボケ!死にさらせ!(えー
まんまと他のライバル達を出し抜いた世界でしたが、今回乙女とも関係を持ってしまった誠は
世界の問いに答えられずに目をそむけるのでした。次回に続く
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