デルトラクエスト11話
「はばひろ川を渡れ」
「遅いぞッ!約束の時間はとうに過ぎている!」
「も、申し訳ありません、やむを得ない事情がありまして…」
黒の憲兵団と落ち合うなりどやしつけられるネズヌク達。へこへこと頭を下げてご機嫌取りに必死です
あ、あんたらチュルナイじゃあんなにふんぞり返ってるくせに!一歩町から出れば一般兵より立場下なのかよ!
「まあまあ、まずは中で一杯どうぞ。これからいつも通り、食料を運びにデルの城まで戻られるんでしょう?」
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そこへ憲兵をなだめにトム登場!いつも通りってことはやっぱり黒の憲兵団は常連客なのか…
(そうか…!あの食料は捨てられるんでなく、デルに運ばれるんだ!
影の大王の手下どもがむさぼり食うために…)
(許せない…!影の大王もネズヌクも、そしてトムも!あいつはレジスタンスを支援するようなフリをして、
実際は影の大王の味方だったんだ!)
ト…トムてめえ…てめえよくも影の大王の味方を…わたしは許しませんよーっ!!
トムの態度に我慢がならずリーフ大爆発!とその時、ジャスミンを追って飛んできたクリーが馬車に追いついてきました
「…?そういえばあの鳥、チュルナイからずっとついて来てるな」
「ほーう…?」
(まずいぞ…!トムはクリーを知っている!)
(私たちが来てることがバレちゃったかもしれないわ…!)
しげしげと荷台を眺めてニヤリと笑うトム。完全にバレてますよ!
しかしトムは告げ口をするような真似はせず、まずはお茶をどうぞと憲兵達を店の中へ押し込めます
馬車はこの後憲兵達が乗っていくので、ネズヌク達は他の手段で帰ることになりますが…
「申し訳ないんですが、みなさんにはチュルナイへ歩いて帰ってもらうことになりますな」
「どういうことだ…?」
「実はみなさんのお帰りに用意していたマドレッドが、盗まれてしまいましてね…悪賢い3人の旅人に」
「…やっぱりそうか、その3頭はチュルナイの牧草地に戻って来たよ。旅人を振り落としてな」
「それは何よりです!」
(なんて奴だ…!この間は僕たちにいい顔をしてたくせに!)
な、なにー!?「チュルナイに戻って来た」ってことは、リーフ達に売りつけたマドレッドは元々チュルナイの物だったってことですか!
トムのやつ人様の預かり物を売っぱらったのかよ!
それとも本心では「影の大王に仕える連中のものなんかこうしてくれる!」と思ってのことなのか…
その後トムは家の裏手へネズヌク達を誘導すると、聞こえよがしに馬車の前で独り言を始めました
「さてさて、こっそりと荷馬車を降りて店の脇の植え込みに逃げ込みたいんなら、今がチャンスだよな〜」
か、勘違いしないでよね!「逃げるなら今のうち」だなんて教えてないんだから!(えー
やっぱりリーフ達の味方なんでしょうか、ご丁寧に逃亡ルートをお膳立てするトム。
しかしトムへの怒りが治まらないリーフは、助けてくれたお礼も言わずに噛み付きます
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「あんたは嘘つきだ!僕たちに自分の物でもない
ネズヌクのマドレッドを売りつけておいて、「奴らに盗まれた」と言った!」
「ハッハッハ!そりゃ商人ですからねえ、自分の利益になることも考えますよ」
「おかげでこっちはチュルナイで酷い目に遭ったわ!」
「けどねえ、あたしゃ左の道を行くようにと言ったはずです。
そうすりゃマドレッド達も、故郷の臭いに引かれて暴走することもなかったでしょうよ」
あー、マドレッドが暴れ出したのにはそんな理由が…
トムの忠告を無視した立場としてはグサッと来ますが、それでもまだまだリーフは言い足りない様子です
「もう一つある!お前はレジスタンスに味方するような顔をして、
裏では影の大王と繋がってるじゃないか!」
「お気づきになりませんでしたかねぇ〜。
うちの看板、どこから見ても同じに見えるでしょ?西から見ても東から見ても。
あたし自身もそれと同じ、誰に対しても同じなんです」
「なんて奴だ…!」
「言ったでしょ?あたしゃ商人ですからねえ、
お客様なら誰でも大歓迎。誰の味方もいたしますよ」
どこから見ても「TOM」に見える看板は、トムの人格をも象徴したものでした
うーん、表面的にコウモリ男を装ってるのかと思いましたが、やっぱりこれがトムの本音なんでしょうね
あっちが敵、こっちが味方という枠に捕われずにあらゆる人の味方になる。
危ないところを助けてくれたのも、ある意味では「リーフ達の味方」ということなんでしょう
「ああトムはそういう人なんだ」と割り切って出発するバルダとジャスミンでしたが、
リーフはいまだに納得できずにトムへの不満をたれ流していました
「トムは私たちを助けてくれたわ、それ以上何を望むの?自分のことしか信じない動物はたくさんいるわ」
「トムは動物じゃない、人間だ!人間なら正義を知るべきだ!」
「ほんと口だけは立派なんだから…リーフは本当に分かってるの?何が正しくて何が間違ってるのか」
人間は正義と悪のどっちかなんだ!トムは正義じゃないから悪なんだ!と極端なことを言い出すリーフ。
スザクも似たような話ロイドとしてた気がするなー。あんたら似た者同士だよ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「二人とも、言い争いをしてる場合じゃない。今は一刻も早くここを立ち去るべきだ」
ふふ、わかいなといった様子でリーフを微笑ましげに見つめるおっさん。大人の風格です
ラットシティ目指して今度は徒歩で出発する一同。しかしリーフは道中もずっとヘソを曲げたままでした
ひたすら地道に歩き続けてようやくはばひろ川へ到着。ラットシティを発見する3人でしたが、
ドラクエ1の竜王の城みたいに、見えてはいるのにとても渡れないような対岸に位置していました
ああこんな時にキャプテンブラボーさえいれば…(えー
「こいつはまるで海だな…」
「あれがラットシティかな、川さえ渡ればここからまっすぐなのに…」
「泳いで渡るのはとても無理だわ…」
「かと言って、イカダを作れそうな木も見当たらないか…」
「ここまで来たのにまいったなもう〜」という顔のおっさん萌え
長い旅路でジャスミンはもうクタクタ。休憩も兼ねてひとまずランチタイムにすることにします
「リーフ、トムの店で買ったもので食えそうなものはなかったか?」
「あいつの店の物なんか、どうせロクなもんじゃないと思うけど。
火起こしビーズにシャボン玉パイプ、ウォーターメーカーにマジックブレッド…」
「マジックブレッドか、そいつは食い物のはずだ」
「どうだかね」
もうトムに関する全てが気に入らないリーフ。あんなに目輝かせて買ってたのに(ノ∀`)
「あとはおまけでもらったこれくらいかな」
「水食い虫…?なんなんだこりゃ?」
「生きてるの?」
おまけでもらった妙なアイテム・水食い虫。缶から出してみると、虫とは全然関係ないようなカケラが入っていました
「”乾いた土地が必要なところへ少しずつ撒いてください”…?」
「それで川を干上がらせてくれるとでも言うわけ?」
「説明書きを読んだだけだよっ!」
「ふん!」 |
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「ふん!」 |
たかが説明書きでまたしても言い合い!ジャスミンに段々とツンデレ属性が:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
そんな中、おっさんは「まったく二人とも仲がいいな」という感じで一人だけニッコリなごんでます
まあまあと2人をなだめながら、とりあえず水食い虫がどんなアイテムか確かめてみることに…
「ふふ、まあしかし物は試しだ。やってみるか…
水食い虫とやら、この川を乾いた土地にしてみろ!そ〜れ〜!」
少年のような笑顔で水食い虫投げるおっさんマジ純真
期待に胸を膨らませて川へ投げ入れますが、残念ながらしばらく待っても何かが起こる様子はありません
「ダメか…?」
「当然だろ?あのトムが役に立つものをタダでくれるわけがない!」
ここぞとばかりにトムをこきおろすリーフ。そっぽを向いてまったくよートムの奴はよーって志村うしろー!!
ザッバアアアアアア!!
「ちょっ…ちょっとあれ見て!?」
「こいつは凄い…!」
「どんどんと川の水を吸い上げてる!」
あの小さいカケラが突然バカでかい水晶に!物凄い勢いで水を吸い上げて、あっという間に円状の陸地ができてしまいました
なるほど、これで次々に川に道を作っていけば…
「今なら川を渡れるぞ!」
「でもトムの店のものなんか、本当に信用していいのかな」
まだそんなこと言ってんのかよリーフ!目の前で実際にこれだけのことが起こってるのに!
「怖いの〜?歩いて渡るのが」
「そんなわけないだろっ!」
ジャスミンに乗せられて先頭をずんずん歩いていくリーフ。次々に水晶を立てて川をまっぷたつに割っていきます
「まるで魔法ね…」
「こんな便利なものだったとはな…」
思わず感嘆のため息を漏らしながら進むバルダとジャスミン。
こういう幻想的な風景って憧れてしまいますね、いかにも冒険って感じでいいなあ
「いいぞ、このまま一気に行こう!」
「でもこれ、あとちょっとしかないけど岸にたどり着くまで足りるかな」
ギャーン!!(゜Д゜;)いやちょっ…あっさりと口にしてますけど、それって凄くヤバイ状況なんじゃないですか!?
「えええ!?」
「あのねえっ!そういうことはもっと早く言ってよね!」
なんだとコノヤロー、とリーフがジャスミンに言い返そうとしたその時、
背後からずばーんどばーんと次々に何かが崩れるような音が…
ズッシャアアアアア!!
「はっ…柱が崩れたぞ!逃げろォォッ!!」
水をせき止めていた水晶が次々に崩壊!怒涛の勢いで水流が一気に迫る!
「どうなってるのぉぉーっ!!」
「効き目があまり長く持ちませんって書いてある!ええええ!?」
「もおおおっ!そういうことは早く言ってよねっ!!」
「とにかく急げっ!振り返るんじゃないぞ!」
すぐ後ろに迫る津波から逃げる逃げる逃げる!
しかし心配することはありません、こういう場合はギリギリなんとか逃げ切れるのがアニメのお約束…
ドザバアアアアアア!!
「ぶぉわあああああっ!!」
あー飲み込まれたー!!
強烈な水流に逆らうこともできずに押し流されるリーフ達!日が暮れるまでどんぶらこっこと流され続けた結果、
3人ともなんとか運良く対岸まで辿り着くことができました
「は〜あ…さすがに疲れたな、結局飯も食わずじまいだし」
「私もう眠りたいわ…」
「でもラットシティは目の前だ!」
「まさか今から行くつもり…!?ちょっと、何そんなに焦ってるのよ!」
「目の前に3つ目の宝石が近くにあるんだ、焦るに決まってるだろ!」
またしてもギャースカ言い合いになる2人。宝石の前にはゴールやソルディーンのような恐ろしい守護者が待ち受けているというのに、
こんなヘトヘトの状態で乗り込むのはあまりにも無謀です
「まあ飯にしようじゃないか、腹が減ってもう動けん」
「服も乾かしたいわ…」
「そうだリーフ、トムの店で買った物の中に火起こしビーズってのがあったろう。使えるかもしれないぞ」
「またトムに頼るのか!?」
「この際仕方がない」
「水食い虫は役に立ったわ、酷い目に遭ったのは
誰かさんが説明書きを読んでなかったからだし!」
リーフダメな子一直線。空回るのはいつものことですが、今日はいくらなんでもひどすぎますよ!
「なになに…発火させるには硬いものに打ちつけ…」
ボワアアアアア
「あっちゃちゃちゃちゃああっ!!」
おっさん自分の手の上で火起こしビーズを発火!何を一人でコントやってるんですか!
場を和ませるためのおっさんなりのギャグなんでしょうか、100%素でやってると思いますが:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「火がついた!これならすぐに服が乾くわぁ!」
「こりゃあいい!後はこれを投げ入れるだけで…
リーフ!マジックブレッドってのを貸してくれ、きっと食えるぞ〜!」
「…ほら」
いつまでもむくれたままのリーフをよそに、魔法のようなトムのアイテムに夢中になる2人。キャッキャウフフと食事の支度を進めていきます
「そのままじゃ食べられそうにないわね?」
「これに水を垂らすとパンになるらしい」
「水…これでいい?」
「うむ、ウォーターメーカー…この名前がハッタリじゃなけりゃ、きっと飲み水が作れるはずだ!」
ウォーターメーカーって名前からして、ろ過でもするのかと思ったら何やら丸薬のようです。
川から汲んできた水に丸薬を入れると、みるみるうちにきれいな飲み水に!
「水が澄んできたぞ!」
「かけてみるわ…わっ、膨らんだ!」
「こりゃあ凄い、パンの出来上がりだ!」
「美味しい〜!」
「ああ、なかなかのもんだ!」
ジャスミンとおっさんはすっかり仲良しこよしです。
ジニとジッドの時あんなに無視されてたのが今となっては懐かしい:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「リーフ、お前は食べないのか」
「欲しくない!」
「意地張っちゃって」
「ホントに欲しくないんだよ!(ぐぅ〜)」
「あはは!体って正直よねえ〜」
こんな奴らに…くやしい!でも…お腹鳴っちゃう!(ぐきゅーぐきゅー)
意地を張り続けるリーフでしたが、「トムは気に入らないが売り物に罪はない」と諭されてようやくパンを受け取ります
リーフを真っ向から否定するジャスミンと違って、「トムは気に入らない」とリーフに歩み寄るおっさんの気遣いが光りますね
ドドドドドドドドドド!!
「…!?あ…あれは何だ!?」
「ネズミだわ!?」
「ネズミ…あれ全部がか!?」
ふと気づくと、遠くに地平線を埋め尽くすほど信じられない数のネズミが出現!しかもこちらに向かって猛スピードで突き進んできます
ワケの分からないまま川へと逃げるリーフ達。服が濡れたりネズミに噛まれるのを防ぐためか、大急ぎでネズヌクの防護服を着込みます
「はぁ…!はぁ…!きゃあっ!やめてったら…!」
「ジャスミン!くそっ!」
川があろうがお構いなしに水面を進むネズミ!疲労で逃げ足の遅いジャスミンへ次々に襲いかかる!
逃げ切れないと悟ったリーフは火起こしビーズを投げつけ、炎の壁でネズミを追い払いながら上流へと回り込みます
「はぁ…はぁ…私…もうダメ…」
嵐の後の静けさ。ネズミが去って川原に戻ってきた3人でしたが、丸一日アクシデントの連続でジャスミンはもう一歩も動けません
「ネズヌクの服か…無事だったのがこれだけとはな」
「きっとネズミもキノコの毒を嫌ったんだ」
んん!?い、言ってることがよく分からんのですが…防護服にはキノコの毒がついたままってことですか!?
あんな素肌で触れば1分かからず絶命するような猛毒が!?そんな危険物持ち歩くなー!
「はっ…?クリーンチュルナイ!」
「んん…?」
「ど、どうしちゃったの?」
「クリーンチュルナイ!」
こ、壊れた!突然リーフが壊れてしまった!
何をトチ狂ったか、いきなりチュルナイ教に目覚めてクリーンチュルナイを繰り返すリーフ。
おっさん達も変なモノを見る目で動揺した様子です
「クリーンチュルナイ…ひょっとしたらこの仕草、元々はネズミを払う仕草だったんじゃ」
あ、ああ、それが言いたかっただけなのか…最初からそう言えばいいのに!(えー
「きっとチュルナイは元はラットシティにあったんだ、でもネズミに追われて町を逃げ出したんじゃないかな」
「どうしてそう思うんだ?」
「あの紋章、チュルナイのあちこちで見た紋章によく似てる」
どうやら根拠のない思いつきではないらしく、リーフの指差したラットシティの搭には
チュルナイの聖なる杯にも描かれていた、勾玉のような紋章が描かれていました
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「フィリを怖がったのもきっとネズミに似てるからだ」
「なるほど…ああまで清潔にこだわっていたのは、ネズミを寄せ付けないためか」
次々と解き明かされるチュルナイの謎。食べ物を落とすと鞭でしばかれるのも、食べ物にネズミが寄ってくるせいでしょうか
「ラットシティへ入る時はこれを着ていこう」
「そうだな、あそこにはまだウヨウヨネズミがいるだろうしな」
ゲー!!まだそんな猛毒つきの防護服着ていくつもりですか!そんなの持ってる方がよっぽど危ないよ!
「こんな目に遭ったっていうのに…まだラットシティに行くつもり?
悪いけど…私はもうこれ以上付き合えないわ…私、旅はもうここでやめにしようと思うの」
な、なんだってー!?突然のジャスミン離脱宣言!確かに旅を始めてからこっち、
毎度毎度リーフたちとは意見の衝突を繰り返し、仕方なく言うことを聞いても死にかけるような大ピンチの連続。
精神的にも肉体的にも相当まいっているようです。やはりジャスミンにはここが限界なのか…次回に続く!
それにしても、今までの旅を振り返ってみると
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一番まともな人 |
一番お荷物な人 |
テーガン編 |
ジャスミン |
バルダ
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チュルナイ編 |
リーフ |
ジャスミン
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ラットシティ編 |
バルダ |
リーフ
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ってローテーションでも組んでるとしか思えないんですが:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
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