デルトラクエスト13話 「エンドンとジャード」
ラットシティを後にしたリーフ達は早速新たな宝石を求めて出発。
しかし、はばひろ川を渡った時から疲労を訴えていたジャスミンは、
ラットシティからそう離れてもいないうちにへたり込んでしまいます
「足は棒みたいだしお腹だってペコペコ…泣きたくても涙も出ないくらいよ…」
「それはみんな同じだ、泣き言を言っても始まらないぞ」
「このくらいで音を上げてもらっちゃ困るぜ」とジャスミンに立ち上がるよう声をかけるおっさん。
おっさんは前回階段でへばってるところをジャスミンに置いてかれた恨みがあるので
今度はその仕返しとばかりに、ジャスミンの泣き言を聞いてやるつもりはないようです(えー
「…!?あれは…!まずい!バルダ、ジャスミン!アクババだ!」
リーフがジャスミン達の方をふり返ったその時、遥か空の彼方からこちらを目指して飛んでくる巨鳥アクババの姿が!
「影の大王と意識を共有している」というアクババに見つかってしまえば、すぐさま三人の元へ追っ手が差し向けられてしまうでしょう
「こいつはまずい!」と即座にジャスミンを抱えて駆け出すおっさん。
というかジャスミンを持ち上げるどさくさにジャスミンの胸をわしづかみに!
なんという役得!ジャスミンは胸がないのに妙に胸に関するエピソードが多い気がするな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
すぐにリーフの消えるマントで身を隠す3人。幸いアクババに見つかる前に姿を消すことができましたが、
用心深いアクババはその場から立ち去ろうとせず、リーフ達の頭上をぐるぐると旋回し続けます
「いつまでこうしてるの…?」
「あいつがいなくなるまでさ」
「気が長いのね…」
「父さんもずっと待っていたよ」
「ああ、ジャードか…」
こんなことぐらい父さんの忍耐に比べたら…と父親のことをポツリとつぶやくリーフ。
この中で唯一リーフの家族のことを知らないジャスミンは、自分にもそのことを教えて欲しいと昔話をするようねだります
リーフの父・ジャードはデルの国王に仕える兵士の息子として生まれ、
王子エンドンとは同じ乳母によって育てられた親友同士の間柄でした。
いつかはエンドンを守る立派な兵士になることを夢見て、ジャードはエンドンと共に日々成長を重ねていきます
「王様が…王様がお隠れになられた!」
しかし2人がまだ成人する前のある日のこと、それまで国を治めていた王は突然病死してしまいます
まだ頼りない少年の身でありながら、急に国を任されることになったエンドン。
即位式の最中、ジャードは分不相応な重圧を負うことになってしまった親友を心配そうに眺めるのでした
「こ、これがデルトラのベルト…!」
そして新たなる王の証として、デルトラのベルトをその身にまとうエンドン。
ベルトの真の力は王族にしか発揮することができず、王となる者は必ず即位式の仕上げにこのベルトを装着するのです
エンドンがベルトを巻いたとたん宝石は眩い光を発し、いよいよ周囲から名実ともに王と認められることに。
太古の昔から数々の邪悪を退けてきたというデルトラのベルト。しかし、身につけていなければ意味がないそのベルトは、
なぜだか即位式が終わると誰の手も届かないような塔に保管されてしまうのでした
常に王が身に着けておけばいいものを、なぜわざわざ王から遠ざけるような真似をするのかと疑問を持つジャード。
言うなれば、せっかくの強力な防具を装備もしないで
預かり所にぶち込んだままにしておくようなもんです(えー
ジャードはベルトの扱いについて真相を確かめるため、夜な夜な城の図書館に忍び込んで
王族の始祖・アディンが残したという”デルトラの書”を読みふけるのでした
”デルトラの王となる者は常にベルトを身につけるべし。
さもなくば影の大王、影の国より襲い来たるであろう”
なんとデルトラの書には、今の王家のしきたりとはまったく逆のことが書かれていました
まるで国を陥れるかのようなしきたりに危機感を覚えたジャードは、すぐにこのことを伝えにエンドンの元を訪れますが…
「ジャード!?ダメだよ、いくら親友の君でもここに入ってきちゃいけない!掟に反する!」
「エンドン、すぐにデルトラのベルトを身に着けに行こう。
昔の王や女王がそうしていたように」
「そんなのダメだ、掟では…」
「掟がなんだ、あんなの歴代の主席顧問官が勝手に作ってるだけじゃないか!」
ジャードが思い返してみれば、ベルトの他にも城には妙な掟がいくつもあったのです
”城の人間は絶対に城下の町へ足を踏み入れてはならない”など、まるで外の世界から隔離でもされているような…
「なんということを…陛下に恐ろしいことを吹き込みおって!
一体何を企んでいるのだジャードよ!」
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エンドンの説得を試みるジャードでしたが、そこへ割って入るように主席顧問官・プランディンが登場!
この悪人ヅラからしてこいつが黒幕で間違いありませんが(えー
次々とデタラメを並べるプランディンによって、みるみるジャードは罪人に仕立て上げられてしまいます
「そうか…お前は陛下を妬んでいたのだ!そしてついに陛下を亡き者にしようとしたな!」
「違う!信じてくれエンドン、僕は君のためを思って!これを見てく…」
「陛下!奴はナイフを持っておりますぞ!誰か、誰かおらぬか!」
ジャードがふところのデルトラの書に手を伸ばしたその時、
「こいつは凶器を取り出す気だ!」とプランディンは有無を言わさず衛兵を呼び出す!
ここで捕まればプランディンに強引に処刑されてしまうでしょう、ついにジャードはエンドンの説得を諦めて逃走をはかります
「とにかく城を出よう…!機会をうかがってもう一度エンドンに…」
城門の周囲は厳重に固められていましたが、ちょうどその時城から出て行く馬車を発見したジャード。
木を伝って馬車の上に飛び乗ると、すぐにその荷台の中へ身を隠します
「むぐっ!ひどい臭いだな…通ってよし」
馬車の積み荷は肥か何かでしょうか?あまりにもひどい臭いに門番も簡単に調査を済ませると、早々に馬車を通してしまいます
「ぶはあっ!はあっ、はあっ…」
頭がどうにかなりそうな悪臭に耐えながら、どうにかこうにか城を脱出したジャード。
馬車が止まったので荷台から降りようとしますが、その時周囲から怒涛の勢いで押し寄せる人の波が!
潜んでいたことがバレたのか!?と肝を冷やすジャードでしたが…
しかし、馬車に集まった人たちはまったくジャードのことなど目もくれず、一心不乱に馬車の積み荷をむさぼり食い始めます
そう、馬車の積み荷は肥などではなく唯一町の人たちが口にできる食べ物だったのです
確かチュルナイでリーフが「デルの住人は腐りかけの残飯を奪い合って食べてる」と話していましたが、
まさかこれほどまでにひどい状況だとは…
ジャードが声をかけてもまったく反応が返ってこないほど、町の人たちの心身はすでに弱りきっていました
というかこのじいさんのうつろな顔マジで恐いよ:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「そ、そんな…これがデルの町だっていうのか!?
いつも城から眺めていた、あの美しいデルの町は!?」
滅びの町としか言いようのない荒れ果てた惨状に愕然とするジャード。
小さい頃からずっと城で見ていたデルの町は、ついさっき城から出るまで
確かに平和そのもので活気に溢れる美しい町だったはずなのに…?
そう、これもまた影の大王とプランディンによる策略だったのです
「民の信頼により力を増す」というデルトラのベルトを弱体化させるため、城を外界から隔離して町の姿を幻でカモフラージュし、
城の人間が知らないうちに、民から王への信頼を根こそぎ奪っていくという…
「はあ…はあ…は……あ……」
ジャードに次々と差し向けられるプランディンからの追っ手。これでは町で休むこともままなりません
森の奥に逃げ込み、あてもなく彷徨うジャードでしたが、溜まりに溜まった疲労でついにばったり倒れ込んでしまいます
「は…っ!?」
しばらくしてジャードが目を覚ますと、なぜかどこかの家のベッドに寝かされている状態でした
追っ手に捕まらずに済んだのか…?とジャードが辺りを見回してみると…
超絶的萌え幼女キター!!
なんじゃこりゃー!!天国か?まさかあのままおっ死んで天国へ来てしまったのか?(えー
そこは森の中でひっそりと暮らしている鍛冶屋・クリアンの家でした。
クリアンとその孫アンナは、行き倒れているジャードを見つけて助けてくれたのです
「あ、あの…助けてくださってありがとうございました。すぐに出て行きます」
「どこか行くアテはあるのか?どうだ、ここで仕事を手伝ってみないか。その服は息子のものなんだ…
3年前に殺されたよ、息子の嫁はずっと前にお産で死んでいる。
そしてアンナはワシが育てることになったんだ」
そ、それってワシはもう老い先短いからアンナが一人になったらよろしくってことですか!?(えー
チクショウなんてうらやましい。ジャードは元々城での暮らしで鍛冶の心得があるので、
見事な手際でクリアンの仕事をサポートでき、すっかり気に入られてしまったようです
というかアンナはマジ可愛すぎるぜ…物干し場からジャードを覗き見る時の、くいっとアゴを柵に乗せる動作とかたまりませんよ!
そしてクリアンの申し出を受けて、その後は鍛冶屋の後継者としてその家で暮らすことにしたジャード。
数年後クリアンが寿命で亡くなってからは、やはりアンナを嫁にもらって
ずっと2人っきりで暮らし続けます。こ、この幸せ者がー!!
そしてジャードがヒゲオヤジになってしまったほどの年月が経過したある日。
ジャードが日課のように家から城の様子を見守っていると、
穏やかな普段の様子とは違い、何羽ものアクババが城を襲撃する姿が!
望遠鏡で詳しく城の様子を見てみれば、そこにはエンドンからジャードに助けを求める合図が…
「エンドンからの合図が…ついに来た!来たんだ!」
ついにエンドンと再び分かり合えるチャンス到来!ジャードは自ら鍛えた剣を腰に差すと、親友を助けに再び城へと向かうのでした
「友を信じ、長い年月希望の時を信じて待ち続けたジャード…リーフはその思いを受け継いでいる」
「そっか…」
と、ここでアクババがようやく立ち去ったので話を切り上げるリーフ達。
アクババが引き返して来ないうちに、すぐにその場を離れることにします
「待ってよ、さっきの続きは?2人はどうなったの?」
「続きはあの丘を越えたところで話すよ」
「だったら急がなきゃね!」
へばっていたジャスミンも元気を取り戻して丘へ向けて駆け出します。
リーフとバルダはそれを微笑ましげに眺めながら旅を続けるのでした。次回に続く
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