■デルトラクエスト19話 「レジスタンスの少年」

「おい8号飛ばしすぎだぞ、もっとゆっくり走りやがれ」

「そう怒鳴るな2号、お前だってこんな仕事さっさと終わらせたいだろう」

袋詰めにされたリーフ達を乗せて、パカパカと旅を続ける影の憲兵団の馬車。
その馬車が向かっているのは闇の闘技場という場所。そこでは、腕に覚えのある人間が見せ物として猛獣と戦わされていました
リスメア競技大会とは、そんな人間を手っ取り早く集めるために影の王国がまいたエサに過ぎなかったのです

というか影の憲兵団って番号でお互い呼び合ってるんですね
どうせ7年経つと死ぬから名前つけるのめんどくせーやって影の大王も思ってるのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ちっ…雨だぜ。仕方ねえ、この辺りで一休みするか」

「そろそろ奴らにも食い物やっとかねえと、死なれたら最後、俺達が闇に葬られちまうからな」

ちゃんとエサをやっとかないとなと馬車を止め、リーフ達を袋から出してやる8号たち。
リスメア競技大会の優勝者ともなれば、闇の闘技場にとっては年に1度の大事な客寄せパンダってことでしょう
闘技場に着くまでは手荒な真似は控えてくれるようです

「ま、まさかあの薄汚れた干し肉を食べろって言う気かしら…」

「あっちのワケの分からんものを食わされるよりはマシだがな…」

しかし出てきたランチはまさにエサ!野生児ジャスミンですら「きたねー肉」と顔をしかめる粗末な肉でした


(C)土山しげる/日本文芸社

この肉
食するに
値せず!!
(えー

ジャスミンはドロだらけの食い物でも平気で食えるくらいだから相当まずそうな肉なんだろうな…(´・ω・`)
そしておっさんの言う「憲兵団の食ってるワケの分からんもの」とは何かと思ったら…

 

カ、カロリーメイト!?(えー
こんな剣と魔法の世界でもカロリーメイト!?さすがメタルギアでも絶賛される食べ物なだけあります:;y=_ト ̄|○・∵. ターン(リンク先4:30参照)

「くそ、この鎖さえ外せれば…!このまま影の王国に連れて行かれて、
 みすみすベルトを渡すハメになるなんて…」

なんとか鎖に繋がれた手枷を外そうとするリーフでしたが、いくら足掻いたところで頑丈な鎖はビクともしません
こんなところでゲームオーバーか…と落ち込むリーフでしたが…

くっあー!サニーパンチ!そこへ颯爽と現れたジョーカーが、8号たちを殴り倒してリーフ達を救出!
あのアップルドリンクを運んでいたデインという少年も一緒です、やっぱりジョーカーの仲間だったのか

「なぜお前が俺たちを助ける…!?」

「話は後だ」

「君は確かアップルドリンクを運んでいた…」

「どういうこと?」

「一体お前達は何者だ?」

だから話は後だって言ってるのに!助けてもらって礼も言わずに質問攻めのリーフ達。なんて失礼な!
あまりにリーフ達の疑惑の目がきついので、仕方なくジョーカーは自分の正体を明かすことに…

「俺は影の大王に対抗するレジスタンスのリーダーだ」

「僕もその一員です」

「どうしてそのレジスタンスが、リスメアの大会に出たりしたの?」

「俺たちは前々からあの大会を疑っていた、何か裏があるとな…
 それで俺が出場し、内部から事情を調べていたんだ。
 俺たちの計画では、あの獣のようなグロックを優勝させるつもりだった…
 だが予定が狂い仕方なく俺は、お前さんに負けたフリをしなければならなくなったというわけさ」

「…あなたは本当に負けたって思ってるんだけど?」

「お前さんはすばしこい、だが力の方はどうかな」

「なによ…!」

「ひとつ聞かせて欲しい、どうして僕たちを助けてくれるのか」

ちょっと待ってください!ひとつどころかそれもう何個目の質問だよ!いい加減信用してあげればいいのに!
しかもおっさんに最初に聞かれたのと同じ質問です(´・ω・`)それでも親切に答えてあげるジョーカー。意外と律儀な人だなあ

「トムの店で見かけた時、お前たちに興味を持った。
 それ以来行く先々で3人の旅人の噂が耳に入ってきた…
 男、少年、野育ちの女の子が、黒い鳥と一緒に旅をしている。
 その3人が顔を出すところ、必ず影の大王の悪事が正されるとな」

影の大王打倒のために力を貸したいと語るジョーカー。
それにしてもリーフとおっさんの特徴は、「金髪の少年」とか「長髪の男」みたいにはまるで噂になってないのに
ジャスミンだけ野育ちが強調されてるのはなぜなんだ(えー
やはり影の王国にとって、リーフとおっさんはどうでもよくてジャスミンを最も警戒すべきということなのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ともあれ今はここから去るのが先決だ、
 まずはレジスタンスの本部に移動して今後のことを話し合うのがいいだろう。
 奴らは必ず血眼になってお前達を追ってくる…味方は多い方がいいのでは?」

「俺たちはまだあんた達を信用したわけじゃない」

「ほう…?俺たちの申し出を断る理由を教えてもらおう、
 俺たちは危険を冒してお前たちを助け出したんだ」

「俺たちは知っての通り影の大王のお尋ね者だ、
 関わり合いにならん方がそちらにとっても好都合だと思うがな」

一旦3人を本部へかくまおうとするジョーカーでしたが、おっさんはつっけんどんな態度でそれをはねつけてしまいます
どうやら「レジスタンスとはいえ、7つの宝石を集めてることは知られたくない」という理由でわざと距離を置いたようですが…
でもジョーカーだってレジスタンスのリーダーっていう重大な秘密を明かしてくれたのに!
自分たちの秘密だけは内緒のままですか!少しは助けてもらったことに対する誠意ってもんが…

そんな「お前らなんかと馴れ合いたくねーよ」というおっさん達の態度の数々に、さすがに機嫌を損ねてしまったジョーカー。
もう勝手にしろコノヤロウ!とリーフ達と別れることとなってしまいます

ジョーカーと別れたリーフ達は、次の宝石が眠る魔境”うごめく砂”を目指して出発。
不幸中の幸いと言うべきか、憲兵団の馬車で運ばれてきたことで偶然にもうごめく砂はもう目前でした
こいつはラッキーと先を急ぐリーフ達。しかしその行く手に妙な石碑を発見することに…

「なんなんだろう、この石碑…?”おそれよ、うごめく砂を。死は岩壁の内にひそみ、
 大いなる力はあらゆるものを無限の砂の中心へ引き寄せる”…?」

「…何が言いたいのかしら?」

わけの分からない石碑の注意書き。「立入禁止」みたいにもっと分かりやすく書いてくれよ!(えー
結局何のための石碑なのかよく分かりませんが、ここでああだこうだ考えていてもしょうがありません
不思議に思いながらも3人がさらに進んで行くと、そこには行く手を阻むバカでかい絶壁が…

「まさに石碑に刻まれていた岩壁のことだ…!」

「でも、これを登るのよね…?」

うごめく砂はこの向こう側とはいえ、この絶壁を越えていくなんてスパイダーマンでも無理そうです
登って行くのが無理な以上、どこかに抜け道がないかぐるりと遠回りするしか…

って普通に登って行きやがったー!!お前ら本当に人間かー!!

「すごい…ここ雲の上なんだ!」

ひょいひょいと絶壁を登り切って雲の上まで来てしまった3人。
景色なんかよりあんたらの方がよっぽど凄いわ!
まさかリーフ達がこれほどの超人だったとは…
3人ともきっと大林寺拳法の厳しい修行の経験があるに違いない:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

(C)講談社/前川たけし

「間違いない、うごめく砂だ!」

「ああ…やったぞ!」

そして岩壁を越えたそこには、やはりリーフの予想通りうごめく砂が広がっていました。
一見したところ単なる砂漠ですが、その不気味な名前が意味するところは一体?次回に続く!


■デルトラクエスト20話 「うごめく砂の怪物」

「俺のおかげでもある!」

「バルダ!」

相変わらず自重しないおっさん。これを書くのも何度目か分かりませんが、
まだ一度も「確かに前回はおっさんのおかげだったね!」と書けないのが悲しすぎるぞ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
がんばれおっさん超がんばれ

「暑いわねぇ…」

「岩壁の向こうとはえらい気温の違いだな…」

ブウウウウウンブウウウウウン

「…なんの音だ?」

「音?」

「ほら、ブーンとうなるような音が」

「なんにも聞こえないわよ…?」

「ああ、俺にも聞こえん」

クソ暑いうごめく砂へ足を踏み入れたリーフ達。汗だくになりながら宝石を探し始めますが、
あの岩壁を越えてからというもの、リーフの耳には虫の羽音のような耳障りな音が聞こえていました
しかし周囲に虫の姿はまるでなし。ジャスミンとおっさんにもそんな音は聞こえていない様子です
とりあえずおっさんは置いとくとして、遠く離れた人の足音すら聞き取るジャスミンが無反応というのは…?
不審に思いながらも宝石探しを続けるリーフでしたが、何も宝石の手がかりがなく途方に暮れてしまいます

「こう広くっちゃどこから探せばいいのかしら…」

「それなら問題ない、宝石に近づけばベルトが必ず熱くなる」

お、おっさんそれはしらみ潰しに探せってことですか!?このだだっ広い砂漠をすみずみまで!?
「問題ない」ってこの広さがすでに大問題じゃないですか!(えー
しかしそれ以外に方法がない以上、ここはおっさんの言う通りにするしかありません
ひたすらベルトの反応だけを頼りに、3人が砂漠を歩き続けていると…

「急げェ!奴らはそう遠くないはずだ!」

「だろうな、まだ足跡が新しい!死んでも逃がすんじゃねえ!」

なんと、前回ジョーカー達に殴り倒された8号・2号が、こんなところまでリーフ達の追跡に出現!
てことはあんたらもあの断崖絶壁を越えてきたんですか!(えー  なんてパワフルな連中なんだ…
逃がすな追えーと騒がしく追ってくる8号達にリーフ達も気づきますが、
こんな何もない砂漠では、どこへ逃げても足跡がくっきり残って簡単に追い詰められてしまいます

「どうする…?」

「戦うか、逃げるか…」

「そうだ…!いい考えがある、2人とも僕について来て!」

そんな時リーフに奴らをやりすごす名案が。果たしてその内容とは…

バックトラックキター!!
足跡をなぞって数歩戻り、ぴょいーんと砂山から飛び降りる3人。
こうして足跡から離れたところで消えるマント発動です。これならやすやすと見つかりそうにないですね
それにしてもまさかリーフがジョジョを愛読していたとは:;y=_ト ̄|○・∵. ターン


(C)荒木飛呂彦/集英社

「おい、奴らの足跡が消えてるぞ!」

「ちっ…きっとその辺の砂の中に隠れてるんだ、探せ!探すんだ!」

そしてリーフ達の足跡が途切れた場所までやってきた8号たち。
「なんで?どうして?」とかもっと混乱するかと思いきや、意外と冷静に辺りを探し始めます
力任せにブンブン剣を振り回して辺りを探る8号たち!これはリーフ達がとばっちりを食らう危険が…
そして偶然にも、憲兵団の一人がずんずんリーフ達に近寄ってきてしまいます
息を殺して見つからないことを願うリーフ達でしたが、その時ピョコンと砂の中から変な虫が!

「フィフィーーーー!?」

「ダ、ダメよフィリ!暴れちゃダメ!」

変な虫キモイヨー!虫の登場にビビッてしまったフィリは、我を忘れてメチャクチャに暴走!
ジャスミンの制止も聞かずにマントから飛び出してしまい、それを追ってジャスミンも丸見え状態に!

何このシュールな雰囲気
丸見えになったジャスミンを微動だにせず見つめる憲兵団たちが面白すぎます

「くっ…来るなら来い!」

「あ…あ…うわああああああああーーっ!!」

「な、なんだ?」

ええ!?(゜д゜;)い、一体なにが…?やむなくリーフ達が身構えたその瞬間、
8号たちは突然心の底から震え上がったようにその場から逃げ出してしまいます。
獲物がやっと見つかったのにどうして…まさかおっさんの荒ぶる闘気に恐れをなして逃げ出したのか!?これもおっさんのおかげなのか!?(えー:
まあとにかく戦わずに済んで一安心です。宝石探しを続けようとするリーフ達でしたが、
その時3人をすーっと包み込む影が…こんな平坦な砂漠に影?不思議に思った3人が振り向くとそこには!

(C)谷川流・いとうのいぢ/SOS団

巨大カマドウマキター!!(えー 
いつの間にか違うアニメの中に紛れ込んでしまったのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
気づいた時にはリーフ達のすぐ近くに迫っていた大怪獣・テレオクティ!
突然のとんでもないバケモノの出現に、リーフ達は声も出ないほど驚きすくみあがってしまいます

「な…あ…!?」

ドタドタドタドタドタ

「…!」

しかし、目の前のリーフ達よりもドタバタ逃げる8号達に反応したテレオクティ!
途端に巨大な目のような顔の球が緑から赤へと変わり、
その巨体で8号たちへ一気に接近する!王蟲じゃ!王蟲の怒りじゃ!(えー

バリボリメキメキグシャボリボリ

「うああっ!?うわあああアアアアア!!」

「く、食ってやがる…!?」

「そんな…!」

なんとバクバク8号たちを捕食してしまうテレオクティ!軟骨がうめーんだよ軟骨がー!
奴らを食い終わったら次は自分たちが…今のうちに逃げることを相談するジャスミンでしたが…

「ふ、2人とも今のうちに…」

「いや、動いちゃダメだ!あいつは近くにいた僕たちを素通りして、
 逃げようとした憲兵団に襲いかかった…多分動くものに反応するんだ」

「ああ、砂の中から振動を感じ取っているのかもしれん」

「とにかくジッとして様子を見よう」

冷静にテレオクティの特徴を観察していたリーフ。テレオクティがここを去るまでひたすら待っているしかなく、
グロいお食事シーンをさんざん見せ付けられた後で、ようやくテレオクティはどこかへ去って行きました

「ふはぁ〜〜」

「どうやら助かったようだな…」

ブウウウウンブウウウウウン

「う…?またあの音だ…!さっきより音が近づいてる…!」

しかし一難去ってまた一難!テレオクティがいなくなったと思いきや、またもリーフの耳にあの不気味な音が…
それも今度は「なんか知らんけどうるせーなー」では済みません。ガンガンと頭に響いてくるようなその音に、
リーフは地面をのたうちながら苦しみ始めることに!

「や、やめてくれ…!やめろおおおおっ!!ぐああああああ!!」

「どうしたリーフ!?」

「またあの怪物が来ちゃう!」

今ドタバタ暴れることは「テレオクティさんいらっしゃい」と言ってるようなもの。慌ててリーフを落ち着かせようとする2人でしたが、
その時3人を包み込むように不気味な砂嵐が出現!物凄い突風にあおられ、リーフはただ一人彼方に吹っ飛ばされてしまう!

「うわああああああーーっ!!」

「ベルトをよこせ…!ベルトを捧げよ!大いなる力にベルトを捧げよ!」

「ぐ…!?ダメだ…!ベルトは渡さない!何があってもッ!!」



砂嵐の中でリーフを脅す不気味な声!しかし使命感なら人一倍のリーフは、これしきで屈する男ではありません
謎の声の要求をはねつけると、途端に周囲の砂嵐はおさまり声の主は去っていきました。えー!?(゜д゜;)も、もう諦めたの!?
もしかして意外と話の分かる相手だったのかな…(えー

「リーフ!何があったの!?」

「またあのブーンって音が聞こえてきて…頭が割れそうに痛くなって…」

「今の砂嵐、普通じゃなかった…あれだけリーフが暴れたのに、さっきの怪物も現れないし…」

「うむ、あの砂嵐こそうごめく砂の正体なのかもしれん」

「…あ、あれ?ナイフが…ない!?」

ナイフがないふ!?突然なにをふざけてるんですかジャスミン?(えー
今の砂嵐のドサクサで消えてしまったジャスミンのナイフ。3人が辺りを見回してみると、
そばの砂地にナイフの跡だけがくっきりと残っていました。なんじゃこりゃ

「多分…砂嵐を起こした何者かが、ジャスミンのナイフを貢ぎ物として認めたんだ」

「貢ぎ物…?」

「あのナイフに満足したから砂嵐を止めてくれたんだと思う。石碑にはこう刻んであった…
 ”大いなる力はあらゆる物を無限の砂の中心へ引き寄せる…
  屍の下、生者は恐れ役割のままに見上げるのみ”…
 大いなる力とはうごめく砂を支配する力、その力が砂の上のあらゆる貴重なものを
 うごめく砂の中心へ引き寄せる…そういう意味なんじゃないかと思うんだ」

い、言ってることが全然わからん…(えー
いくらなんでも超推理すぎやしませんかリーフさん!今の出来事だけでそこまで分かっちゃうもんなんですか!
ともかくリーフの推理通りとするなら、貢ぎ物さえあげてしまえばあの不気味な声もそう襲ってくることはなさそうです
今度こそと宝石探しを再開する3人でしたが…

「ひとつお願いがあるんだ…」

「なに?改まって…」

「ここからはロープでお互いの体を繋いで行きたい。離れ離れにならないように…」

バルダやジャスミンと離れ離れになってしまうんじゃないかというリーフの心配、
それはオパールを入手した時に見た、縁起でもない未来の映像を思い出してのことでした
さっきの砂嵐に襲われた状況は、あの時に見た映像にかなり近いもの…
今は貢ぎ物を渡した直後だからいいものの、この先またあの不気味な声がリーフ一人を狙ってくるに違いありません
そのためにロープで3人固まることを提案したのです。「巻き込んじゃってごめんね(´・ω・`)」と謝るリーフでしたが…

「あら、3人一緒の方がいいに決まってるわ」

「そうだな、この先も俺たちはそれで行こう」

俺たちみんな一心同体、快くそれを受け入れてくれる2人。
ラットシティでは「お前らとの旅なんてやってらんねー!」と言っていたジャスミンが
すんなり一緒がいいと言ってくれるとは…地味にちょっと3人の友情にグッとくるシーンですね

というわけでシュッシュッポッポと電車ゴッコをしながら砂漠をひたすら歩き続ける3人。(えー
完全に日が落ちるまで一日中歩き回っていましたが、結局この日は宝石の手がかりを見つけられませんでした

「冷えてきたわね…」

「俺も本で知ってはいたが、砂漠の昼と夜の気温の差がここまであるとはな…」

夜になり急速に冷え込んできた砂漠の気温。なにげにマントをジャスミンに羽織らせてやっているおっさんが気配り上手です
戦闘以外ではおっさんはいい仲間なんです!戦闘以外では…そう戦闘以外では…(えー

「この辺で一休みしない?」

「そうだな、2人ともゆっくり眠るがいい。俺が見張っててやるから」

「ごめん…お先に…すう…すう…」

今日のところはここまでにして、適当な場所で体を休めることにした3人。
するとリーフは、横になった途端あっと言う間にぐうぐう寝息をたて始めてしまいました

「相当疲れていたようだな…」

「リーフには私たちに聞こえない声が聞こえてしまうんだものね…」

「これじゃあいくらなんでも窮屈だろう…」

何度となく聞こえていた不気味な声のせいで、想像以上に気力を消耗していたリーフ。
寝ている時くらいはゆっくり休ませてやろうと、おっさんはリーフのロープを…ほ、ほどくなー!!
おっさんなんてことをするんですか!気遣いをするのはいいんですが
それって思いっきりリーフ離脱フラグじゃないですか!(えー

ビョオオオオオオオオオ!!

「ま、まただわ!?」

「う…!?うわあああああーーっ!!」

「リーフーッ!!」

や、やはりこうなるのか!リーフのロープがほどけるのを待っていたかのように、突然吹き荒れる砂嵐!
なんというおっさんのおかげ。おっさんのナイスアシストにより、リーフは嵐に巻かれて吹き飛ばされてしまいました
こんなところで貢献してどうすんですかおっさん!とんだ大ポカをやらかしてしまったおっさんに、名誉挽回のチャンスはあるのか…次回に続く!


■デルトラクエスト21話 「神の石ラピスラズリ」


「俺のおかげでもある!」

「バルダ!」

おっさんあんたって人は!これが前回リーフの縄をほどいて窮地に陥れた男のセリフですか!(えー
それを自慢げに語るとは、やはりおっさんこそがリーフ一行の最大の障害:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
 

「バルダーー!ジャスミーーン!」

ブウウウウウンブウウウウウン

「ぐっ…!ここは…オパールが見せたあの光景だ…!
 同じだ、この耳障りな音も…一番恐れていたのに…!」

猛烈な砂嵐に視界を塞がれ、右も左も分からずに辺りをさまよい歩いていたリーフ。
すべておっさんのおかげです(えー
オパールが見せていた不吉な未来の映像。結局それから逃れることはできず
リーフは完全におっさんやジャスミンと分断されてしまいました。すべておっさんの(ry

《リーフ…》

「こ、この声は…!?」

《よく来た、ここがうごめく砂の中心だ…
 うごめく砂から逃げることはできない、さあベルトを渡せ…!》

その時、ぬっとリーフの前に現れた不気味なでかい顔!
でかい顔を形作っているのは無数のハチの群れです。まるで集まったハチが、一つの意志を形成しているかのような…
さっきからブンブンうるさかったのはこいつだったんですね

「ハ、ハチ…!?ダメだ、ベルトは渡せない!」

《渡せ…!》

ブウウウウウンブウウウウウン

「嫌だっ!来るな…!来るなぁぁっ!!」

頑なに蜂の命令を拒み続けるリーフ。しかし頭の中をひっかき回されるような羽音はますます大きくなり続け、
とうとうそれに耐えかねたリーフはばったりと気絶してしまいます

「う…うう…ここは…?」

「おはようリーフ、よく眠れた?」

「か、母さん!?どうしてここに!?」

「何を言ってるのよ、ここはあなたの家でしょう?」

なんじゃこりゃ!突然ふりだしに戻った!目を覚ましたリーフがいたのは、なぜか見慣れた自分の家。
これはあのハチが見せた幻なのか…?
父さん母さんから優しい言葉をかけられますが、突然のことにリーフは戸惑いを隠せません

「すまなかったな…長いこと辛い思いをさせてしまって」

「よく戻ってきてくれたわね…さぞ苦しかったでしょう」

「母さん…父さん…」

「お前は十分がんばった、もう苦しい旅なんてやめていいんだ」

「さあ、ベルトを外して楽におなりなさい」

しきりにべルトを外せ外せとせかしてくる2人。やはりさっきのハチの罠なのか…
2人の優しい言葉に誘われるまま、リーフはベルトに手を伸ばしてしまいますが…

「でも…僕が旅をやめたらデルトラの国が…」

「それなら心配ない、誰か他の者が宝石を集めてくれるさ」

その時、「そんなのどっかの誰かが何とかするよ」という言葉でハッと我に返るリーフ。
リーフの知る父さんは、決してそんな無責任なことを口走るような人ではありませんでした

「違う…!父さんと母さんじゃない!
 本当の父さんと母さんなら、ベルトを外せなんて言うはずがない!」

この偽者どもが!と2人から咄嗟に距離を取るリーフ。狙いを見破られてしまった2人は、いよいよその正体を現します

「ベルトを外しなさい」

「ベルトを外しなさい」

「ベルトを外すのよ」

「ベルト…ベルト…」



き…気持ちわるー!!なんと2人に化けていたのはおぞましい量のハチ!
こんな気色の悪いところにいられるかー!その光景に驚いたリーフは、物凄い勢いで自分の家を飛び出してしまいます

「はぁ…はぁ…はぁ…!うあっ!?」

「リーフ…リーフや…」

一心不乱に林を駆け抜けていると、いきなりリンゴが降ってきてリーフの脳天を直撃!
なんと今度はそのリンゴが喋り出しました、またこれもハチが化けてるのか!?

「しっ…静かに…」

「リ、リンゴ園のおばあさん!?」

「リーフ…ハチに火はダメだ、煙を使うんだよ」

って、この人はいつぞやのインセクターばあちゃんじゃないですか!(えー
確かリスメアで、おっさんがリンゴ盗み食いしてブチ切れてた…その人がなんでこんな所に?

「「「「けむりけむりけむりだけむりをつかうんだけむりけむりだよけむりをつかうんだよ」」」」

うぎゃああああああああああ!!!このグロ画像はなんなんだー!!
さっきのハチよりよっぽどこっちの方がきもいよ!(えー
どうも親切にハチへの対抗策を教えてくれてるようですが、この顔で大量に出てこられると正直耐えられません:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「…う…」

次の瞬間リーフが目を覚ますと、そこは砂嵐のおさまったうごめく砂の上でした
あれ…まさか今までのは単なる夢!?さっきのインセクターばあちゃんは、
てっきりリーフを助けにうごめく砂までやって来たのかと思ってましたが、あれは単にリーフの深層意識の現れだったのか…
「ハチには火よりも煙」っていうのも、前にあのばあちゃんがハチをけしかけた時に言ってたセリフだし。
そもそもリーフ達のことを「大事なリンゴを盗み食いしたバカヤロウども」としか思ってないばあちゃんが、
わざわざリーフを助けに来るわけないしなあ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン  それにしても相変わらずリーフの記憶力はとんでもないぜ…

「あ…!?ベルトが熱い…宝石が近いのか…?」

むくりと体を起こしてみると、リーフの周囲から宝石の反応が!やっと手がかりが掴めましたね
きょろきょろとリーフが辺りを見回すと、ぬーんと空高くそびえ立つ見るからに怪しい塔が!
宝石があるのはあそこに間違いなさそうですが…

ギャオオオオオオアアアアアアア!!!

「!?な…あ…!?」

こ、こいつはー!!背後に大怪獣キター!!なんでこんな目の前にあのテレオクティが!
しかもいきなり目ん玉真っ赤の暴走モード!だ、だめだこれは助かりようがない…
突然すぎる最悪の状態にすくみ上がってしまうリーフ。そんな棒立ちのリーフに、テレオクティの巨大な前足が振り降ろされる!

ボッガアアアアアア!!

「無事か!?」

「世話が焼けるわねぇ!」

「バルダ…ジャスミン!」

そこに颯爽とおっさん&ジャスミン登場!影の憲兵団からくすねた火ぶくれ弾(要するに爆弾)をテレオクティにぶちかまし、
あの大怪獣を追い払うことに成功します。というか火ぶくれ弾めちゃくちゃ強いな…
撃退どころかそのまま粉砕でもしそうな威力でしたよ

「もう2度と会えないんじゃないかって思ったよ…!」

「すまなかった…ロープを解いてしまって」

「心配したわ、よかった無事で…さっさとここを離れましょう。もう2度とあの怪物に会いたくないでしょ?」

「大丈夫、もうあの怪物は襲ってこないよ。
 僕たちがあの塔を目指す限り、あいつは襲ってくる必要がないんだ」

へ…?(゜д゜;)も、もう襲って来ない?ずいぶん突拍子もないことを言い出しましたリーフ
目を覚ましたらいきなりテレオクティ→すぐおっさん達が駆けつけるって感じだったので、
そんな習性を発見をしたようには見えませんでしたが…

「塔…?なんなんだあれは…」

「中心らしい…このうごめく砂の。あの怪物は…いや、うごめく砂は訪れた者たちを
 すべてあの塔へ導いてるんだ。だからあそこを目指す限り、僕らが襲われることはない」

…???(゜д゜;)ちょ、ちょっと、なんでそんな結論になったのか全然分かんないよ!!
何言ってんですかリーフ!今までの経験のどこからそんな発見を…?超推理すぎてワケわかめ!
まあその辺のことは置いといて、とにかく宝石があの塔にあるのは間違いないでしょう
塔の目の前まで進んできた3人でしたが、入口なんてものはなく垂直に何十メートルも伸びているだけ…うーむどうしたもんでしょう

…って、そういえばリーフ達は断崖絶壁を雲の上まで登れるような連中でした(えー
それに比べればこんな塔なんて朝飯前!いとも簡単に塔をよじよじと登り切ってしまいました。なんてやつらだ!

ブウウウウンブウウウウウン

「なんなの…?この音…」

「ああ、耳障りだな…」

「聞こえるの!?このうごめく砂に着いてから、時々聞こえてたのがこの音だよ」

「ついに俺達にも聞こえるようになったってわけか」

「ちっとも嬉しくないわね」

塔の頂上には内部へ続くでっかい大穴が。その中からは、ブーンブーンと例のうるさい羽音が聞こえてきます
ここが奴らの巣ってことなんでしょうか、ここまで来るとおっさん達にも音が聞き取れるようです
穴は垂直に下へと伸びており、中にのこのこ入っていけばハチ達に襲われることは必至…
3人で行くのは危険と判断したリーフは、おっさんとジャスミンを残して命綱を引っ張ってもらうことにします

ブウウウウウンブウウウウウン

《ベルトを渡せ…ベルトを渡せ…!》

「ぐっ…!来るな!来るなっ!」

穴に入っていくとやはりハチどもの大群が!リーフはさっきのインセクターばあちゃんの言葉を思い出し、
まとわりついてくるハチをたいまつの煙で追い払いながら進んでいきます

「うわあ…色々なものが積み重なってる」

そんな塔の中にあったのは、文字通り山のように積まれた大量のお宝!
ジャスミンのナイフを”貢ぎ物”として奪ったように、うごめく砂を訪れた無数の冒険者達から、
あのハチたちがあれこれ奪ってきた結果がこれなんでしょう
それにしても、よくあの断崖絶壁を越えてきた冒険者がこんなにいたもんだな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「そうか…!あの石碑の意味は…”生者は群れ、役割のままに積み上げるのみ”だったんだ…!
 ハチ達は役割のままに、砂漠に落ちた宝物をひたすら積み上げていく…ここは奇妙なハチの巣なんだ!」

またも一度チラッと見ただけの文章を完璧に思い出すリーフ。なんて記憶力だ…このセーブ&ロード機能つき人間め!(えー

そのままするする降り続けて、とうとう穴の最深部までやってきたリーフ。
そして宝の山を支えている根元の部分に、探し求めていた第四の宝石・ラピスラズリを発見!

ガラガラ…ガラガラガラ…!

「うわっ!?宝石を抜けば崩れてしまう…!」

しかし、宝の山の荷重はラピスラズリの一点に集中して、ギリギリのバランスを保っている状態でした
無理にでも引き抜けば宝の山は大崩れ。そうなればリーフは生き埋めになってしまいます

うーんうーんと悩むリーフでしたが、そうこうしているうちにたいまつの火が燃え尽きてしまう!
待ってましたと一気に押しよせてくるハチの群れ。もうあれこれ悩んでいる時間がありません
こうなったら一か八か!宝石を素早く引き抜いて代わりのつっかえ棒を押し込む!
後は宝の山が崩れる前に、おっさんが上手く引き上げてくれれば…

「来たわ!合図よ!」

「おう!」

ぐいぐいと順調にリーフを引き上げていくおっさん。しかし、その最中にもハチどもはしつこくリーフを襲い続けてきます
このままの調子で引っ張っていてはリーフがどうなるか…
なんとかペースアップを図りたいおっさんの取った行動とは!



タミフル飛び降りキター!!
意を決して塔からダイブし、一気にリーフを引き上げるおっさん!この好判断により超速で引き上げられたリーフは
ガツンガツンと激しく壁にぶつかりながらも、ハチより先に飛び出すことに成功!

「ジャスミン!火ぶくれ弾を!」

「ええいっ!!」

逃がさんぞーと追ってきたハチどもに向けて、ジャスミンの火ぶくれ弾が炸裂!
爆裂した炎に焼かれて、大量のハチは一匹残らず丸焼きにされてしまいます。火ぶくれ弾マジ強すぎですよ!



「なんとか抜け出せたな…!」

「2人のおかげだよ!」

そう、意外なことに今回はなんとおっさんのおかげでの宝石入手!
あのダイブがなければリーフは助からなかったでしょう、おっさんが宝石がらみで活躍したのこれが初めてですよ!
これで次回は何の遠慮もなく「俺のおかげ」が主張できるってもんです:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「はい、ジャスミン」

「あ…!?私のナイフ!ありがとう…リーフ!」

そして”貢ぎ物”として取られていたジャスミンのナイフを、しっかり取り戻してきていたリーフ。
そろそろジャスミンにもフラグが立ってきた感じですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
とにかくこれで4つ目の宝石入手、残る宝石はあと3つ!次回に続く!


■デルトラクエスト 第22話「魔女テーガンの復活」


皆さん久々の感想ですっかり忘れてるかもしれませんが、前回はおっさんが初めて宝石集めの役に立った記念すべき回ですよ!
今回ばかりは温かい目で、冒頭の「おっさんのおかげ」を見守ってあげましょう

「僕はリーフ!」

「私はジャスミン!」

「僕たちは奪われた宝石を取り戻すため、7つの魔境を目指して旅をしている」

「トパーズ、ルビー、オパール、ラピスラズリを手に入れたわ!
 凄いモンスターもいたけど、私たち結構やるわよね」

「おいおい、まだどんな敵が待ち構えているか。2人とも気をつけろよ」

「もう、バルダは慎重すぎるのよ」

「そして今僕たちは、5つ目の宝石がある恐怖の山へ…」

「俺のおかげ」消えやがったーー!!なんだよコレーー!!
今までさんざん何もしてない時は「俺のおかげ俺のおかげ」言ってたのに!肝心な時にかぎって言わせてもらえないなんて!
それと「僕はリーフ!」「私はジャスミン!」ときて「俺はバルダ!」と言わせてもらえないおっさん涙目
スタッフはおっさんをいじめてるのか!まあ単純に次の魔境を目指すセリフに変えたからこうなったんでしょうけど:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「これで4つの宝石が集まった!あと3つだ!」

「あんまり調子に乗って無茶しないでよ」

「いつ僕が無茶なんか…」

「いつもよ!」

「はっはっは!リーフはいつもジャスミンに叱られてるな」

順調に宝石集めも半分以上が終わり、すっかりご機嫌なリーフ。
この調子でどんどん行こうと次の魔境・恐怖の山を目指しているところでした
しかしその道の途中、3人は道ばたですっ転んでいる美少女と出会ってしまいます

「(どてっ)きゃあっ!?」

「あっ…大丈夫ですか!」

「ご親切にありがとうございます…」

「一人で旅をしているのか…?」

「ええ、お母さまのところへ行く途中なんです」

「お母さんの?」

「はい、この先の虹の洞窟というところに住んでいるんです」

立った立った!フラグが立った!(えー  いきなり一目惚れとは久々にチェリーの本領発揮か:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
どうやら実家へ帰る途中らしいその女の子。しかし彼女が指差した先は、
今まで生い茂っていた木々がいきなり枯れまくっているという、いかにも死の荒野な感じのヤバそうな道でした
リーフ達もついさっき、「あんなとこ通ったら絶対死ぬな…」と別ルートを探していたところです
そんな道をこんな女の子一人が突っ切ろうとは、何か普通ではなさそうな…

「あんな所に…?」

「ええ、ちょっと恐そうなところなので誰も近づかないんです。ですから住むにはかえって安全なんですよ」

「なるほど、そうかもしれんな」

え…?ちょ、ちょっと待てよその理屈って底無し沼の隣に家建ててるからかえって安全だおとか言って
ニジとドッジの時にまんまと騙された考え方じゃないですか!またあの時と同じ失敗を繰り返す気か!

「私は離れた村で働いているんですけど、お母さまが病気になったので
 お見舞いに行くところで…あの、皆さんはどちらへ?」

「ああ、この先の山へ…」

「恐怖の山ですか?でしたら一緒に…」

「えっ!?一緒ぉぉっ!?」

「はい、虹の洞窟を通ると近道なんですよ。それに、やっぱり一人では心細いんですもの…」

ああ…チェリーお前ってやつは…(えー
一緒にあの超物騒な荒野を進もうと言い出す女の子。まさかこれはリーフ達を誘い出す罠なのか…
危険な臭いがプンプンの展開に顔をしかめるジャスミンでしたが、
女の子にデレデレしまくりのチェリーは「よし行こうすぐ行こう」とすでに同行する気満々です

「虹の洞窟か…」

「近道なんだから一緒に行こうよ!」

「あんな所を通るのは嫌よ」

「でも同じ方向なんだし!」

「クリーも嫌だって。危険は避けて通らなきゃ、全部の宝石を見つける前に命を落としてしまうわよ」

「だが、あそこを通る方がかえって安全かもしれないぞ?」

「そうだよ!ついでにあの娘をお母さんのところに送ってあげようよ!」

「…2人の弱点が分かったわ…可愛い女の子に弱いってこと!フンッ!!」



この女の子の言うことをまんま鵜呑みにしているチェリー、
思慮深く考えてはいるものの「この子の言う通りだな!」とすっとぼけた結論に達するおっさん
今日もまたジャスミンの苦労は絶えません。「お前ら可愛い子について行きたいだけだろ!」と思いきり皮肉を言ってやりますが、
チェリーとおっさんは全然気にせず女の子に同行してしまいます。ダ、ダメだこいつらー!!

「僕はリーフ!それとバルダにジャスミンだよ、君は?」

「あっ、わ、私は、フラ………フ、フランソワーズ!よろしく、リーフ」

これからよろしくと軽く自己紹介をするリーフでしたが、名前を聞かれた女の子はオタオタと慌てて
今この場で考えたような名前を…やはりこのフランソワーズという女、怪しさ満点です
馴れ合いたくないジャスミンは、1人だけチェリー達と距離を取って歩いていくことに…

「私の意見なんてちっとも聞いてくれないんだから…!」

ズズズズズズズ

「…!?リ、リーフ!その子の鞄が!」

とその時、突然フランソワーズの鞄が勝手に動き出し、バカでかい口となってリーフに食らいつこうと!
仰天してリーフに叫ぶジャスミンでしたが、3人が振り返った瞬間
鞄は元の形に戻ってフランソワーズの手におさまっていました

「あっ…!?」

「私の鞄が…?」

「口を開けてリーフにかじりつこうとしたのよ!」

「…?普通の鞄じゃないか」

「私は見たのよぉっ!」

目撃したことを主張するジャスミンでしたが、リーフが鞄をあれこれいじってみても別に異常ありません
もっとちゃんと調べろカスとジャスミンは引こうとしませんが、
話を聞いていたフランソワーズがジャスミンの服から何やらつまみ出し…

「あっ、この辺りに生えているまぼろし草の実です。触ると幻覚が見える植物なんですよ」

「げ、幻覚…?」

「そんな植物があるのか…」

「はい、この辺りにしか生えないんです。気をつけてくださいね」

「ありがとう、地元の人がいると助かるね!」

「そうだな」

「むーっ…!」

そんな草があるなんて知らなかったなぁ!とまんまとフランソワーズに騙されてしまう2人。
あんたらもう少ししっかりしてよ!唯一まともなジャスミンは、いよいよ本格的にフランソワーズへ疑惑の目を向け始めます

(私はごまかされないわよ…)

次は何をしでかすかとフランソワーズをジロジロ眺めていると、今度は鞄でなく帽子の方が巨大な口に!
その口はおっさんを狙っているようです。咄嗟に石を拾ったジャスミンは、帽子へ向かって思い切り投げつける1

「バルダ!危ない!」

ガコオオッ!!

「あいたぁ!!」



おっさんにブチ当たったー!!こいつはいてえー!
相変わらず世界一災難の似合う男です(えー  やはりおっさんは笑いの神だな

「危ないことしてるのはジャスミンじゃないか!」

「だって今度は、この帽子がバルダに噛み付こうとしたのよ!」

「ジャスミンさん…大丈夫ですか…?」

「本当にすいません、ジャスミンは理由もなくこんなことする子じゃないんですけど」

「やはりまぼろし草のせいかな…」

ジャスミン…酸素欠乏症にかかって…と、3人に哀れみの視線まで向けられてしまうジャスミン。お前らという奴はー!
その後もフランソワーズ自身からシッポがぴょこんと出てきたり、怪しい点を次々に指摘するジャスミンでしたが
すべて「ジャスミンあなた疲れてるのよ」で片づけられてしまい、リーフ達はちっとも話を聞いてくれません

「ジャスミンやめろよ!」

「だってシッポが!」

「…ちょっと休憩しませんか?そうすればジャスミンさんも落ち着くかもしれませんし」

「そうだな」

「私、水を汲んできますね。向こうに泉があるんです」

「あんなことをされても怒らないなんて…!」

「優しい子なんだなあ…!」

疑うどころかとてもすがすがしいまなざしでフランソワーズを見つめる2人。
あれだけボロ出してるのに全っ然気づいてないのかよ!ダメだ…こいつらはもうダメだ!

「…何やってんだよあんた達はッ!!」

「あんな美味そうなごちそうを目の前にして我慢してられるか!
 お前だってヘマしたろ、シッポなんか出しやがって!」

「誰も気づいてねーよ!」

しかし、泉で一人になったフランソワーズはついにその本性を現す!
なんとその正体はテーガンの子供4人。ホットとドットが帽子と鞄に、フィーとフライが上半身と下半身に変身していたのでした
そういえばこいつら変身能力あったんだっけな…名前を聞かれた時に「フラ…」って言いかけたのは、
フライがうっかり自分の名前を答えそうになってしまったんでしょうね

「あ〜食いてえ食いてえ!」

「我慢して!ママの所まであいつらを連れて行くんでしょ?」

「どうせ殺しちまうんだろ、その前に俺たちが食っちまっても同じじゃねえか!」

「黙れ!」

「な、何すんだよ!」

そしてこいつらの目的は、復活したテーガンの下へリーフ達をおびき出すこと。
テーガンじきじきに「生きたまま連れて来い」との命令ですが、何しろこいつらは
リーフ達を食いたくて兄弟全員バトルロイヤルかましたこともある大バカヤロウどもです
今日もまた食いてー食いてーとぐだぐだ言い出し、取っ組みあいの大ゲンカを開始!
しかしそこへ、フランソワーズを探しに来たリーフが現れてしまい…

「フランソワーズ?フランソワー…ええ!?」

「なんですか?リーフさん」

なんですかじゃねええええ!!慌ててフランソワーズに戻ったせいでとんだドジを!
うっかり変身を間違えて鞄の方を頭にかぶってしまいます、さすがにそれは不自然すぎだろ…

「そ、それ…?」

「え…?きゃっ!わ、私ったら、鞄を頭に乗せてみたら楽かしらなんて…」

「あ、あぁ…すみません気がつかなくて、僕が持ちます」

めちゃめちゃ苦しい言い訳で取り繕うフランソワーズでしたが、
なんとリーフは鞄が重かったんじゃあ仕方がないな( ´∀`)とあっさり納得してしまいます
それでいいのかお前はー!そんな重たいもんわざわざ頭に乗せる奴なんているわけないですよ!

ともかく再び虹の洞窟へ向けて歩き出した一同。その途中、フライ達のバカは性懲りもなくリーフ達に手を出そうとしますが
そのたんびにフランソワーズに妨害されてしまいます
それにしてもおっさんのこの楽しそうな表情ときたら…(えー

「他に家族はいないのか?」

「兄弟がたくさんいます」

「いいなあ〜」

「いいことばかりじゃないんです…ケンカもするし、お母さまが死んだ時は大変でした」

「死んだ…!?」

「あっ、一度死にそうになったの間違いです!」

「そうか…お母さん、体が弱いんだね」

「ええ、でも今ごろは好物のカラスを食べて元気になっていると思います」

「え…!?」

「カラス…!?」

「いえ…か、からす、辛すぎるくらいの物が好きで!」



たわいない会話をしているうちにボロを出しまくりのフランソワーズ!これではいくらリーフ達がアホでも疑われるのは時間の問題です
ところがそんな正体バレの危機にも関わらず、またしてもリーフ達を食おうとするバカな鞄と帽子ども。
いい加減うっとうしくなったフランソワーズは意外な行動に出てしまいます

 

ガブッ!

「いたっ…!」

「ごめんなさい!鞄のフタが開いて指を挟まれたみたいで…
 止め金が緩んでいたのかなぁ…あっ!」

「どわあああああ!「きゃあああああー!」

「だ、大丈夫?」

「ええ、ごめんなさい大きな声をあげて…」

谷底に投げ捨てやがったー!!一応は血を分けた兄弟だろそれー!
しかもバカ2人の断末魔が聞こえないように不自然な悲鳴まであげる徹底ぶり。
なんてひどいことを!大人しく言うこと聞いてればよかったものを、バカ2人よ安らかに眠れ…(えー



「これじゃ取りに行けないなぁ」

「いいんです、大したものは入っていませんし」

「気を使わせないように振る舞っているんだなぁ…!」

「そうか、優しいんだなぁ…!」

(絶対あの子はおかしいわよ!どうして2人とも気づかないの!?)

どこまでもアホの子一直線なリーフ達が面白すぎる
一体どんだけおめでたい頭をしてるんですか!もういっそのことジャスミンも
こいつらをあのバカ達と一緒に谷底へ突き落として処分した方が:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

そしていよいよリーフ達は虹の洞窟へ到着。メルヘンチックな名前の割には、薄暗くて不気味な雰囲気の洞窟です
そして注意深く洞窟の中を進んでいくと、なんとその奥には何人もの影の憲兵団が!

「う…!?影の憲兵団だ!フランソワーズは離れてて!」

「で、でも…」

(ちっ…!とんだところで邪魔が…!ここであいつらに殺されちゃ元も子もない!)

しかし憲兵団との遭遇はフランソワーズにとってもまったくの予想外。
リーフ達をテーガンの下へ連れて行きたいというのに、こんなところで死なれては今までの苦労が水の泡です
なんとか怪しまれない程度にリーフ達を守りたいフランソワーズでしたが…

「いやあっ!」

ブスッ!!

「きゃあああああ!!」

ドゴオッ!!

きゃーきゃー叫びながらもえぐい攻撃連発!ひ、ひでえー!!
どこの世界に泣き叫びながら目を直接つぶしにくる女の子がいるんだよ!恐ろしすぎます
さらに憲兵たちを物影に引きずり込んだフランソワーズは、変身を解き圧倒的なパワーでボコボコに!
あっと言う間に憲兵団を片づけてしまったフランソワーズ。しかしそこに新たな人影が…

「お前らよくも俺らを投げ捨てやがったな!?殺す気かー!」

まだ生きとったんかいお前ら!足手まといはさっさと成仏してくださいよ!(えー
なんとか谷底から生還してフランソワーズを追っかけてきたバカ2匹。時と場所も考えずにまたまたケンカを始めてしまいます
まったくいつリーフ達が気づくかも分からんというのに…

「…?あっさり片づいたわね」

その頃、いつもよりやけに簡単に全滅した憲兵団に拍子抜けしていたジャスミン達。
それは要するに、リーフ達よりフランソワーズの方がとんでもなくつえーってことなんですけどね
テーガン>>>フランソワーズ>>>リーフ達>憲兵団ってとこか…
相変わらず主人公なのにそこらのモンスターより遥かに弱いんだなあ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

ともかく戦いは終わったものの、フランソワーズの姿がないので探し始めたリーフ達。
またしてもさっきと同じように、ケンカ中のフランソワーズのところへ歩いて行ってしまいます

「フランソワーズは…?」

「こっ、ここよ〜」

「…ええ!?な…あっ…あ…」

もはや人間じゃねえええええ!!
バカだー!!また慌てて変身した4匹はハチャメチャな造形に!さすがにこれはもう言い逃れできんでしょう
失敗に気づいて変身しなおすフランソワーズでしたが、あんなバケモン丸出しの姿を見られた以上すでに手遅れってもんです

「…?げえっ!!(ぼんっ)」

「彼女いた?」

「ど、どうしたんですかリーフさん、そんな顔をして」

「えっ?ぼ、僕もまぼろし草に触ったのかな」

でもああなんだまぼろし草かとまだフランソワーズを疑いもしないリーフ。こんだけ決定的な場面見といてそれかよ!
あれほどボロを出しまくってるのにまだ気づかないとは…
ここまで来ると、むしろどうやったらリーフ達が気づくのか想像もつかないな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「無事でよかったなぁ」

「でも…鞄と帽子…?」

「こ、この辺りに落ちていたんです。影の憲兵団たちが拾って持ってきたんじゃないでしょうか」

「そっか、戻ってきてよかったね!」



ついさっき谷底に落とした鞄と帽子についてもじぇんじぇん気にしておりません。本当こいつら鈍感ってレベルじゃねーぞ!
結局まんまとフランソワーズに騙されたままのリーフ達は、虹の洞窟を抜けて何も知らずにテーガンの館へ到着してしまいます

「さあどうぞ、ぜひお母さまに会っていってください。お食事とお茶の用意もしますね」

「帰りましょうよ…!ここまで送ってきたんだからもういいでしょ?」

「ん…?ルビーが危険を知らせてる!」

もう早く帰りたいとリーフ達をせかすジャスミン。その時、ジャスミンの不安を裏付けるようにルビーが館の危険を察知!
こ、これは…ルビーと言えばジャスミンより索敵能力が低くて普段いらない子なのに今日は意外な活躍を!(えー
ともかくこれ以上この場に留まるのは危険。「フランソワーズを実家まで送る」という義理も果たしたことですし、
ここは一刻も早くここから退散を…

「もしかしたら…フランソワーズのお母さんに何かよくないことが!?
 行ってみよう!」

そ、そうじゃねええええええええええ!!!
何を言ってんだお前はー!こんな時までそんなアホな勘違いを!
せっかくのベルトのありがたい効力もまったくの逆効果に変えてしまうーフのアホの子ぶり。
とどまるところを知らないこの暴走には大爆笑です
面白すぎだろデルトラ。テーガンの罠に自ら飛び込んでいったリーフの運命やいかに…次回に続く!





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