■イタズラなKiss7話
「イジワルなKiss」
「入江センパイ!第二ボタンは私に!」
「いいえ私にください!」
「悪いが俺には心に決めた人がいるんだ…さあ琴子!受け取ってくれたまえ!
これは君にこそふさわしい!」
「まあ嬉しい、入江くんありがとう」
「では2人の素晴らしい門出を祝って記念写真を撮ろう!琴子、もう放さないよ…」
「入江くん…」
なんという夢オチ丸出しの冒頭シーン
夢の中の入江にむちゅう〜と唇を近づけながら、ベッドから勢いよく転げ落ちるKOTOKO。めくれ上がったパジャマえろいよ(*゚∀゚)=3
「いいとこだったのによぉ〜」と頭をさすりながら起き上がり、壁のカレンダーを見ると今日は3月7日。
早いもので、とうとうKOTOKO達の学校は卒業式の日を迎えることになったのです
「答辞、卒業生代表・入江直樹」
「はい!桃の蕾も膨らみ、日々暖かきなりつつあるこの良き日に
多数の方々のご臨席を賜り、このような盛大な式を開いてくださったことを…」
卒業式で答辞を任され、難なくその役割をこなす入江。確か入学式の時も挨拶を任されたんでしたっけ?さすがの優等生だなぁ
そんな入江の姿を見ているうちに、「ああ素晴らしき青春の日々よ」と
またKOTOKOの妄想ワールドが発動してしまいます
いいかげんにしなさい!妄想なら朝にあれだけやってきたでしょ!(えー
(思い出がたくさんできた…私、入江くんを好きになって良かったなぁ〜)
「F組代表、相原琴子」
(ぽわ〜ん)
「ちょ、ちょっと琴子!」
「え?なあに?」
「相原琴子!」
「は、はい!」
せっかくの卒業式で大恥!F組女子代表として卒業証書を受け取る役割だったのに、妄想に夢中になりすぎてしまったKOTOKO。
大爆笑に包まれながら、「これ以上恥かいたら死ぬ!」と緊張の面持ちで壇上へと向かいますが…
(おお…!あの階段を2人で上って行くんやな!これはまるで…!結婚式やないか!!)
しかし妄想ワールドの使い手は一人だけではなかった!
KOTOKOの幼なじみでF組の男子代表・金ちゃん。普段から「琴子は俺の嫁」が信条の金ちゃんは、
KOTOKOと並んで壇上へ向かううちに、どんどん一人で盛り上がって脳内結婚式を始めてしまいます
「ごめんね金ちゃん、長い間あなたの愛に気づかないで…」
「馬鹿だな、泣くなよ。愛してるぜ琴子」
「金ちゃん…」
「琴子…」
「池沢金之助、汝は病める時も健やかなる時も、死が2人を分かつまで
相原琴子を愛し続けることを誓いますか?」
「もちろん誓いますがな!」
「な・に・を誓うのかね!!」
全校生徒の前で妄想ボイス垂れ流し!大恥なんてもんじゃねー!
校長先生の怒鳴り声でようやく現実に戻ってきた金ちゃん。普通なら恥ずかしくて死にたくなるところですが
神経の図太い金ちゃんはなんとさらなる暴挙に!
《しっかしなぁ入江直樹!おんどれ琴子と同じ大学に入るいうて安心すんなや!
俺ははよう一人前の板さんになって琴子と結婚するでぇ!》
校長のマイクをぶん取ってマイクパフォーマンス開始!と、止めろ!誰かこいつを止めろー!
こんなメチャメチャな卒業式は聞いたことがありません、あまりの恥ずかしさに耐えられなくなったKOTOKOは、
半泣きになりながら証書を持って駆け下りますが…
「き、金ちゃんのバカ!!し、知らない!!(ずるっ)お、おあああ!?」
滑って転んで証書をぶち撒け!それもよりによって、入江の席の目の前でやらかしてしまいました
どこまでも恥の上塗りを続けるKOTOKOに、とうとう入江もブチ切れて大バカ呼ばわり。
KOTOKOの妄想とは正反対の散々な卒業式になってしまうのでした
「「「おおおお〜!!」」」
「い、いいわね〜!」
「やっぱりこれよ!卒業式はこうでなくっちゃ!」
「うらやましい〜!なんで私たちは!?」
卒業式を終えて校庭に出てきたKOTOKOたち。するとそこでは、お目当ての相手を見つけた生徒たちが
次々に告白しまくっていました。ワクワクしながらKOTOKO達が辺りを見回すと、
凄い勢いで女子生徒に言い寄られている男が一人…誰かと思えばやはり入江です
「先輩!ボタンを…第二ボタンを頂けませんか!?」
「嫌だね」
「入江さん!あの、写真を一緒に!一枚でいいんです!」
「しつこいな…!」
「「びえええええええ!!」」
雑魚は誇り高き獅子に触れることすら許されぬことを教えてやる!!(えー
どれだけ女の子が寄ってこようとまったく取り付く島のない入江。
第二ボタンが欲しいのはKOTOKOも同じでしたが、これではどう頼んだらいいものか…
「第二ボタンをせがむなんてとんでもない子ね!
よし、次は琴子ちゃん行って来なさいな!これで今の子達と差をつけなきゃ!」
「帰れ帰れメス豚ども!でも琴子ちゃんは別ね」とひどい言いようの入江ママ。
同じ頼みごとをして他の女子生徒と差をつけようと、入江にKOTOKOをけしかけますが…
「なんだよ」
「え、え、ええっとねえ…」
「まさか第二ボタンくれとか言わねーだろうな」
「あは、当たり!」
「やらねーよ」
「じゃ、じゃあ写真を…」
「撮らねーよ!」
「うわああああんおばさまー!!」
「ああ…!もうなんてことを!ちょっとお兄ちゃん!
琴子ちゃんの健気な気持ちに応えてあげないなんて
それでも男なの!あん!?」
ママさんさっきと態度違いすぎですよ!
「第二ボタンをあげないなんてなんてゲス野郎なの!」と我が息子を激しく責めるママ。
この凄い剣幕には、さすがの入江も渋々写真をOKするしかありません
「はーい、じゃあ撮りますからねー!はい、チー…ズ!?」
わーいこれで入江くんとツーショット…ってぶち壊しキター!!
シャッターを切る瞬間邪魔しに割って入る金ちゃん!またお前か!
せっかくの写真が雰囲気台無しです、もう一枚撮り直しを要求するKOTOKOでしたが、
入江は「一枚撮ってやったんだからありがたく思え」とスタスタ帰ってしまうことに…
「ちょっと琴子、いつまで落ち込んでんのよ」
「だって私…卒業式…私の夢が何一つ叶わないまま終わっちゃったぁ…」
「そんなのいつものことじゃない、それよりこの後パーティだってよ!」
いやぁ…さすがにあの妄想丸出しの夢は叶わないんじゃないかな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
どんよりと落ち込みまくりなKOTOKOでしたが、この後はどうやらF組みんな集まって記念パーティをやるようです
とにかくパーッとやろうぜ、とKOTOKO達はぞろぞろ飲み屋に集まりますが…
「さ…さむっ…」
「臭うね…」
「うん…」
しかし、その飲み屋はすきま風が酷くて便所の臭いがキツイというサイテーな店!
誰だよこんな店選んだの!と思いきや、パーティの幹事は金ちゃんでした。またやらかしやがった!
「もう〜…ほんとさむ…い、入江くん!?」
「な、なんや!?なんで入江がこんなとこおるんや!?
まさかA組もここでやるなんちゅう…」
「残念ながらそのまさかだよ」
えー!?エリート連中のA組もこんな臭い店でパーティやんのかよ!(えー
あんたらも貧乏クジ引いたな…と思いきや、KOTOKO達とは違っていかにもVIPといった感じの席に通されるA組の人たち。
どうやら大分金を積んだようで、出てくる料理も豪華なフルコース…
ポテチをむさぼるKOTOKO達とは天と地ほどの違いです
「うう…なんか格付けされてるみたい…」
あまりの格差に「私らみじめすぎるぜ…」と落ち込まずにはいられないKOTOKO。
VIP席でクラスの女子にちやほやされる入江を見て、入江が悩殺されやしないかと気が気ではありません
するとその時、突然店の照明が落とされるとスポットライトが点灯して…
またお前かー!!いきなり始まった金ちゃんオンステージ!
これがやりたくてパーティの企画を担当したのか!どこまでも自重しない金ちゃんのステージ内容とは…
「レディースアンドジェントルメン!今宵は金之助オンステージにようこそ!
では聞いてください”琴子マイラブ”。あワン、ツー、さん、しー」
♪ワシは琴子が好きや〜♪ \金ちゃーん!!/
♪出会えたことに感謝や〜♪ \金ちゃーん!!/
♪琴子もワシが好きや〜♪ \琴子さーん!!/
♪だから2人はハッピ〜♪ \琴子さーん!!/
なにげに舎弟の合いの手が絶妙すぎて吹いた
それにしてもこんな歌を公衆の面前でやられてるKOTOKOは公開処刑されてるも同然です
さらにA組もF組もドン引きで「引っ込めバカ」と大ひんしゅく。
ぎゃーぎゃーと反論する金ちゃんでしたが、ちょうどその時就職先から呼び出しを受けてしまい
やむなく一足先に飲み屋から出て行くのでした。やれやれやっと平和になったか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「今の生徒は確か、進学せずに就職したとか?まったく揃いも揃って…
大体このF組には、うちのクラスで一番優秀な生徒の邪魔ばかりするのがいるそうですな?
噂では、東大に行けなくなったのも彼女のせいだとか」
とか思っていたらまた変なのが出てまいりました。いかにもイヤミなインテリ先生という感じのA組担任。
「まったくF組の連中は腐ったミカンばっかりですね」とひどい言いようです。
「先生、そいつのせいじゃないですよ」
「し、しかし入江」
「俺がそんなバカのために人生誤ったなんて言われたら、その方が屈辱ですね」
おや…?もしかして入江、なんだかんだ言いながらこの先生からKOTOKOをかばおうと…
そろそろツンデレな性格が表に出てきた感じでしょうか
しかし金ちゃんの歌で笑いものにされ、先生に罵られ、入江にもバカにされ、とうとうKOTOKOは我慢できなくなってしまいます
「ぐぐ…!ちょっと!バカとは何よ!?
人間頭が良けりゃいいってもんでもないでしょ!一番大事なのはハートよハート!」
「そういうセリフは頭のいい奴が言ってこそ説得力があるんだぜ」
「な、なによ…入江くんなんていつもいつも!意地悪!冷血男!」
「その冷血男を好きなんだろ、お前は」
「うぐぐぐ…」
言い合いでKOTOKOにまったく勝ち目なし!ガスガスと痛いところを突きまくる入江にはとてもかないません
「そういえば相原さんて、入江くんにラブレター渡してなかったっけ」
「あぁそうそう、受け取ってもらえなかったって」
「すごいチャレンジャーよねえ、無駄に勇気があるっていうか」
「ふふ、無駄ね。確かに」
はははははは あははははは
な、なんというゲス野郎ども!A組連中はさらにクラス全員でKOTOKOを笑いものに!
さすがにKOTOKOもこれには参ってしまったのか、うつむきながらわなわなと震えだしてしまいます。泣くか、泣くかKOTOKO!?
「…そう…入江くんの気持ちはようく分かったわ…そこまで言うなら、こっちにも考えがあるんだから…」
少し…頭冷やそうか…(えー
とうとう降参するかと思いきや、逆に対入江用の最終兵器を投入するKOTOKO!あの入江を黙らせるとっておきの秘策とは…
「なんだよ?」
「それはね…これよっ!!」
「!!!!!」
「え、誰あの女の子?」
「かわい〜!」
「お、お、お前ッ!!こ、これ…なんで!?」
「みなさーん、これはなんとここにいる入江くんの小さい頃の写真でーす!」
恥ずかしい昔の女装写真!女の子が欲しかった入江ママによって、昔の入江は毎日こんな格好をさせられていたのです
どっからどう見てもロリロリなその姿に、真っ赤になって写真を握り潰す入江。
しかしKOTOKOは、「ふふんバカめその一枚だけなわけあるか」と新たな写真を取り出そうと…
「おばさまからもう一枚もらって…」
「…来いッ!!」
「や、やだ…放してよ…な、なにすんのよ!」
「…ハデにやってくれたな…」
あぁ!?こ、これは!?KOTOKOを店から引きずり出して暗がりの路地へ連れ込む入江!
KOTOKOを壁に押し付けながら凄い顔で睨んでおります、ま、まさか犯すつもり!?(えー
「ふ…ふん…!凄んだって…恐くないんだから…!」
強がりを言うKOTOKOでしたが、何をされるか分からないこの状況にぶるぶると震えが止まりません
「私が入江くんのこと好きな気持ちを、みんなで笑いものして…だからやり返しただけだもん!
…もう私やめる…!入江くんのこと好きなのやめる!」
「…へー、そんなことできんの?」
「できるわよ!入江くんの性格なんて嫌ってほど分かったもの!
卒業と一緒に、片思いも全部リセットしてやるんだから!」
「もうお前みたいなツンツン野郎はたくさんだ!」ついに入江の横柄ぶりに我慢の限界を迎えてしまったKOTOKO。
そんなKOTOKOの言葉に、入江はピクッとわずかに眉をひそめます
今まで特に意識してなかった琴子の好意が、いざなくなるとなって惜しい気持ちになったんでしょうか
「…ふーん、忘れちゃうんだ。俺のこと」
「そうよ!あなたなんか忘れて、大学行ったらすぐカッコいい男の人見つけて…!」
「じゃあ…忘れてみろよ…!」
ズキュウウウウウウン!!
や…やりやがったー!!KOTOKOの言葉をさえぎるように突然のキス!
いきなり入江からの意外すぎる行動に、KOTOKOは腰が抜けたように放心してしまいます
「ざまーみろ」
「これで俺のこと忘れらんないだろ」としてやったりの表情で去っていく入江。
いやぁ…イケメンだから許されるけど、こんなの俺らがやったら普通に通報される:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン 次回に続く!
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