■涼宮ハルヒの憂鬱 第21話「涼宮ハルヒの溜息U」
さて、前回は「まったくキョンはどうしようもないボケカス野郎だぷー」と散々こきおろした
涼宮ハルヒの溜息ですが、今回はそんな不満もなく楽しんで見ることができました。
前回は常に不景気なツラで暗黒ムードを撒き散らしてたキョンも、今回は感情豊かでくるくると表情を変えてたし
前回の難癖つけてるような文句の垂れ流しも、今回はキレのいい突っ込みって感じでユーモアを感じたし。
キャラの動かし方次第でずいぶんと印象の変わるもんですね、今回のキョンはかなり感じのいいキャラだったと思います
キーンコーンカーンコーン
「ひぃやぁああううああああんあああ!」
「ほら早く脱ぐの!手伝ってあげるから!」
「ひ、わ、わかっひゃっわああああんああああ!!」
「…」
今日も今日とて放課後にSOS団の部室へ向かったキョン。ところが部室の中からは、この世のものとは思えないみくるの悲鳴が
激しくこだましていました。一体何をやっとるんだとでっかい溜め息をついて部室に入るキョンでしたが…
がちゃっ
「うあっかっか!?」
「う…うう…」
「どう?」
「どうも何も異様に似合ってマース!カエアン製かと思いましたねー!!」
そんな部室の中にいたのはウエイトレス姿のみくる、それを見たキョンは興奮しすぎて変なカタコト外人化
分かりましたから落ち着いてください!そして何やら誉めてるようですがカエアン製とか意味不明です、解説を見ても意味不明です(えー
まあここは「何を言ってるか分からないがとにかくすごい服だ!」くらいに思っておけばいいのか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
|
|
「やあ、どうも…おおーこれは!よくお似合いですよぉ」
「そんなもん見りゃ分かる!分からないのは、なんで喫茶店でもないのにウエイトレスが部室にいるかってことだ!」
「それはね、みくるちゃんにはこのコスチュームで映画に出てもらうからよ!」
「は…?いつものメイド服じゃ不都合なのか?」
「もちよ!メイドってのはどっかの屋敷にいて、個人的奉仕活動をするのが仕事よ!
ウエイトレスは違うわ、不特定多数にサービスするのが目的なの!」
みくるにこんな服を着せた理由とは、前回わーわー言っていた文化祭の映画撮影のため。
そう、ハルヒが今撮ろうとしている映画とは、あの忌まわしき第一話・朝比奈ミクルの冒険の事です(えー
一期では時系列がメチャメチャになっていたので分かりにくいですが、この「涼宮ハルヒの溜息」はあの朝比奈ミクルの冒険の
収録に関するエピソードになるみたいですね
がちゃっ
「…」
「んわ!?え…えぇ〜…?」
「わっはぁ!有希!あなたも分かってきたじゃない!そう!それよぉ!」
さらにそこへ「こんにちは魔女です」となぜか魔女のコスプレをした長門が登場。
この服は長門のクラスの出しもの(占い大会)に使う衣装のようですが…なんでわざわざ部室へ着てきたんだ!?
みんなに見せびらかしたかったのか!?まあ単に何も考えてないだけだと思うけど:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「私の考えていた配役にピッタリの衣装だわぁ!」
「ピッタリってどういうこった?」
「これよっ!!」
「ふぇ…!?」
「なっ…!」
「…」
「ん…な…!?…こ、これはつまり…俺のせい…か…!?」
そして意気揚々とハルヒが取り出したキャラ設定、そこにはなんとみくる:未来人、古泉:超能力者、長門:宇宙人という
事実とモロに合致している記述が!無論ハルヒは3人の正体なんて知りもしませんが、
偶然にしろズバリ自分達の秘密と同じキャラ設定に古泉達は動揺を隠せません
しかしキョンが「やべぇこれ俺のせいだわ」と青ざめてるのが、一体なんの事だかよく分かりませんが
そんな事より驚き顔の古泉の方がレアなのでここは古泉の方に注目すべき:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「さあみんな、ロケに行くわよ!学校でいいところを探したんだけど、
やっぱ近場で済まそうとしてもダメねぇ。みくるちゃん準備して!!」
「ええ!?わ、私も行くんですか!?」
「当然でしょ!主役がいないと話にならないもの!」
「こ、この格好でですか…!?せ、せめて上から羽織るものを…!」
「ダメよ!恥ずかしいと思うから変な照れが出るのよ!
そんなんじゃゴールデングローブ賞は狙えないわよ!!」
意味の分からない賞の獲得を狙うために、なんとこの恥ずかしい格好のままみくる達を町中連れ回すハルヒ!
さらに「ちゃんちゃーん!ちゃかちゃか、ちゃんちゃんちゃかちゃか!」となぜかノリノリのハルヒが
運動会のBGMを大熱唱しながらねり歩いているせいで、嫌というほど人目を引きまくってみくるは早くも死にそうです
「お、おいハルヒ…?お前もしかして、この2人をこの格好で電車に乗せるつもりなのか…?」
「ん?何か問題あるの?」
「大ありだろーが!!」
「どうして?素っ裸なら捕まるかもしれないけど、ちゃんと服着てるじゃん」
服さえ着てればなんでもええんかー!!このうえさらに電車まで乗せられるとはなんたる恥辱!
町を歩くだけなら他人とすれ違うだけで済みましたが、電車となれば十数分同じ人達に凝視されるハメになるので
みくるも今までよりさらに死にたくなることでしょう、でも「裸じゃないから恥ずかしくないもん!」とまるで話を聞かないハルヒにより、
一同は電車にガタゴト揺られて行くハメになり…
「約束通り来ましたー!」
「はーい、ああご苦労さん!じゃあよろしく頼むよ」
「了解了解!はーいみんな、これからCM撮りをします!」
「「「は…はい?」」」
そして一同が到着したのは商店街の電気店。ここで何をするつもりなのかと思いきや、
「映画の中でこの店を宣伝するからビデオカメラをください」という店主との約束を果たすために、
この店のCMを最初に録るつもりのようです
「こ、こ、ここのお店は店長がとても親切でぇす!そ、それにナイスガイでぇす!
えっと…今の店主の栄次郎さんの、お祖父さんの代からやっていまーす!
乾電池から冷蔵庫まで、何でも揃いまぁす!えっと、あとは…と、とにかく、大森電気店をよろしくお願いしまーす!」
「ママー、あれなにー?」
「しっ、見ちゃダメよ」
「うう…」
「どうも感じが出ないわねぇ…うーん、いまいち伝わってこないのは何故かしら?
分かったわ!電気屋さんにウエイトレスがいるのが引っかかるのよ!」
「そこかよ!?」
「ウエイトレスで不特定多数にサービスすべき」って言ってたのは誰だー!!
「いや電気屋にウエイトレスは駄目だろ」なんて自分で言い出すのかよ!まったくもってフリーダムですハルヒ
というわけでウエイトレスの衣装から着替えるみくるでしたが、次に用意されたのはなんとバニーガールの衣装でした
「電気屋にバニーガール」も似たようなもんじゃねえか!(えー
今回のハルヒの思考は相当ぶっとんでますなー
「ふーこれでバッチリ!さぁ最初からやり直し!じゃあテイク2!」
そしてもう一度頭から電気屋の宣伝をやらされるみくる。こんな1秒でもいたくない奇異の目の中でテイク2とはなんと哀れな…(えー
この宣伝シーン、朝比奈みくるの冒険で見た時は「何でこんなワケ分からんシーンが入ってんだつまんねー」と散々な印象でしたが、
まさか撮影時にはこんな涙ぐましい努力を重ねていたとは…
もう一度あの場面を見たら印象も変わるんだろうか、みくるがんばれ超がんばれ
「ふっふふんふんふ〜ん♪」
「うう…」
「ううう…」
そして恥ずかしさで息も絶え絶えになりながら、やっとの思いで電気屋のCMを撮り終えた一同。
ハルヒは上機嫌でルンルン歩いて行きますが、さんざんな目に遭わされたキョンやみくるは完全に瀕死状態です
しかしこの恥ずかしい商店街ロケもやっと終了、疲れ果てたキョンやみくるも十分羽を伸ばしてもらって…
「何勘違いしているんだ?まだ商店街ロケは終了してないぜ!!」
ゲゲェーッ!?ところがなんと、電気屋を去ったその足で今度はエアガンを提供してくれた模型屋へと向かうハルヒ!
もうやめて!とっくにみくるのライフはゼロよ!
一難去ってまた一難、今度は同じ商店街で模型屋のCMを撮るハメになってしまうのでした
「はーいじゃあみくるちゃん!さっきの感じで頼むわよぉ、あれで問題ないから!」
「問題だらけだろ!!」
「よーい…アクションっ!」
「こ、この模型屋さんは、山土啓治さん28歳が、去年脱サラして開店オープンしたんだそうでぇす!
えー、趣味が高じたばっかりにやっちゃったって感じです!案の定売り上げは伸びず…
え、えっと…?こんねんどぜんき…は、さくねんたいひ…で、伸長率80%なのでぇっ、
みなさんどんどん買いに来てあげてくださーい!」
その場で初めて読む古泉のスケブを見ながら、たどたどしく宣伝文句を読み上げていくみくる。
「今年度前期は昨年対比で伸長率80%」の字が小さすぎるのかヘタクソすぎるのかで途中どんづまりになったりと、
相当ハチャメチャな段取りでの収録風景です。それにしても、
「脱サラした兄ちゃんが道楽で始めた店で、案の定売り上げは微妙」って
なんつー宣伝文句だこれー!!さっきの電気屋は「店主がナイスガイ」とか「冷蔵庫から乾電池まで何でも売ってる」って
ひたすら褒めちぎってたのに!山土啓次さん28歳涙目すぎる
「ふうー…え、えっ?持つんですか?えと…ひ、人に向けて撃ってはいけませぇん!
空き缶でも撃って我慢しましょーう!え、撃つの…?(ドガガガガガガ!!)ひえええーっ!?」
さらに「やっと終わった…」と溜め息をついたところへ突然ハルヒに鉄砲を渡されたり、突然実演しろと指示を出されたり、
相当な無茶振りをされて宣伝を続けるみくる。みくるは一生懸命やっているんですが、常にカメラが回りっぱなしで
余計な部分も全部収録されてしまっているので目も当てられない映像になっております。
む、報われねえー!!
「今日の撮影はまあまあだったわね〜!」
「…」
そしてようやく部室に帰ってきた一同でしたが朝比奈みくる終了のお知らせ。
完全に精も根も尽き果てて、ピクリとも動く気力がないようです。いつもならお茶を淹れるのはみくるの担当ですが、
今日ばかりは代わりに古泉がみんなのお茶を用意してます
「明日は土曜日で朝だから、朝から全員集合ね!北口駅前に9時には来てること!」
「なあハルヒ。朝比奈さんの格好、もう少しどうにかならないのか?」
「…あ…!」
その時あまりにも心身ボロボロのみくるを見かねて、みくるの衣装変更を提案するキョン。キョンにこんな気の利いた一面が!
みくるもこの恥ずかしい格好から解放されるとあって、ぱあっと明るい表情に変わりります。ここはなんとしても説得を成功させて欲しいところですが…
「もっとこう、戦うんであれば戦いそうな衣装があるだろうが、プラグスーツとかステルス迷彩とか」
プ、プラグスーツ!?あんなおっぱいぴっちぴちになるようなボディライン出まくりの格好を!?
それじゃ全然改善されてないじゃないですか!結局のところ晒し者に変わりはありませんよ!
しかし、プラグスーツと聞いたみくるの反応は相変わらずめちゃ嬉しそうなままです。そ、そんな!
おっぱいなら丸見えになっても別に構わないと言うんですか!?(えー
「ちっちっ…そんなんで戦っても意外性がないじゃない!
ウエイトレスが戦うから『おぉっ!』と思わせることが出来るのよ!
つかみが肝心なのよ!コンセプトよコンセプト!」
「うう…」
「(コンセプトの意味が分かって言ってるんだろうか…)まあそれはいいけどさあ、なんでわざわざ未来人なんだ?」
衣装の話あっさり切り上げんなー!!キョンお前ってやつはー!!
せっかくみくるを絶望の淵から救ってくれると思ったのに、ハルヒから反論を受けたら「まあいっか」とあっさり引き下がってしまいました
そこはもう少し粘ってくれないと…まあ結局プラグスーツに決まったとしても、今よりマシとは言えないけど:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「別に未来人じゃなくてもいいじゃねえか」
「そんなもん突っ込まれた時に考えりゃいいのよ!
考えても思いつかなきゃ、無視しとけばいーの!面白ければなんだってオッケーよ!」
「(゜д゜
)ポカーン」
設定なんぞまったく無意味の力押し!今まさにキョンに突っ込まれてるというのに、それを微塵も気にしてないあたり流石すぎますハルヒ
それにしても、そんなハルヒとキョンの漫才みたいな会話を、くすくす笑いながら見守る古泉がいい味出してますね
なんだかんだ言って、このSOS団の居心地の良さが表現されているシーンと言いますか
今まではSOS団が上っ面だけの関係に見えることが多々あっただけに、こういうお互いの繋がりを感じるようなシーンは貴重だと思います
「こっちよー!ほらキョン、早く!」
「はぁ…ひぃ…あ、暑、あっつ…」
そして次の日、別のシーンの撮影のために朝っぱらから遠出をするハメになったキョン達。
特に荷物係のキョンなどは、炎天下の中を何十分もクソ重い荷物を持ってきたせいですっかりヘトヘトです
「あのう、飲みます?私の飲みかけでよければ…」
「の、飲みか…!?あ、やぁすいません!」
そんな中、みくるの飲みかけペットボトルとぶっちゅうできるという思わぬご褒美をもらったキョン!
ここのキョンの輝かしい表情ときたら…こんなキラキラした瞳のキョンなんて今まで見たことねえ!(えー
「(ぱしっ!)」
「えっえ、ええ!?」
「後にしなさい後に!みくるちゃんも!今はこんな雑用係に
水分補給させてる暇はないの!さあとっとと撮影始めるわよ!」
しかしキョンがペットボトルに手を伸ばしたその時、「何しとんじゃおりゃー!」と力任せにそれをぶん取って行ったハルヒ!
そしていかにも不機嫌そうに「とっとと撮影始めんぞカスども」と2人を引き離してしまいます
なんという分かりやすい妨害工作…キョンに惚れてるハルヒは2人が間接キスすることも許せんみたいですね
「じゃーん!カラーコンタクトよ!左右の目の色が違うっていうのも結構重要なのよね!」
「う、うう、うう…」
な、なんてことを!その後さらに「こいつの目の中に!カラコンを突っ込んで!殴りぬけるッ!!」と
貧民外ブース・ボクシングの技巧をみくるにお見舞いするハルヒ!(えー
かわいそうに、無理矢理カラコンをブチ込まれたみくるはずっとおいおい泣いています
しかしこれはこれで確かにスゲー可愛いな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ほーらみくるちゃーん!もっと照れをなくしなさい!役にはまってなり切ればいいのよー!」
「はあ、ひい、はあ、ひい…!」
「はいもう一回走って!」
「ひ、ひい〜!?」
その後も「いい走りのフォームが撮りたい」と足腰ヘロヘロになるまで走らされたり、恐る恐るエアガンでのドンパチを行ったりと
ひたすら苦労を重ねるハメになってしまうみくる。しかし映画はまだまだ撮り始めたばかり、
この先みくるにはどんな受難が待ち受けているのか…次回に続く
文章から伝わったかどうか分かりませんが、今回の話は今までのハルヒの感想の中でも一番書いてて楽しかったです
この際だからハッキリ言っちゃいましょう、今回の話は面白かった。
今まではハルヒの感想でこんな評価は一生下せないかもしれないと思ってましたが、今回はいつものような不満もなく十分楽しめました
もしかしたらこの間のエンドレスエイトにしても、8回ループなんてふざけた事になってなければ同じ気持ちで書けたのかもしれません
いやひょっとしたら一期の感想だって、話数シャッフルなんてものがなかったら…
つくづくド汚いハルヒ商法なんてものがなければよかったのにと思わざるを得ません
作品そのものに罪はないのにねえ。ハルヒ商法がなければ俺がハルヒに星1つの評価を下すこともなかったろうに…
|