■涼宮ハルヒの憂鬱
第23話「涼宮ハルヒの溜息W」
「おっ待たせぇー!本格的なのはこれからよ、ほら見なさい!」
さて前回谷口達を加えたSOS団は近所の溜め池へ…ってゲェー!?今日もまたみくるビーム発射準備完了!
なんと前回とは別のカラコンをまたみくるに装着させてしまったハルヒ!
それを見た古泉の笑みにもいつもの余裕が感じられません、またあの恐怖の破壊光線を発射してしまうんでしょうか
(おいおい…これはなんて悪夢だ!?また昨日のアレを繰り返そうってのか!)
「さあみくるちゃん!そのミラクルミクルアイRから…何でもいいわ!
不思議な物を出して攻撃しなさい!」
ある意味ビームよりもタチ悪い指令をみくるに送るハルヒ。「何でもいいから不思議なもの」って言われると
這い寄る混沌でも出てきそうで恐ろしすぎます(えー いあ、いあ、はすたあ、はすたあ
ズダダダダダダッ!!
「ひゃあああああ!?な、な、長門さああああん!?」
「ちょっと有希!?あなた魔法使いなのよ、こんなとこでプロレスしても!」
しかし、みくるの目から世にも恐ろしいものが出てくる前に、今日もまた超高速の踏み込みでみくるに突撃した長門!
そのままみくるに覆いかぶさってコンタクトを抜き取りますが…
どう見てもレイプです、本当にありがとうございました
「ううっ…!?」
「迂闊…今度は超振動性分子カッター」
うわあああ痛い痛い見るだけで痛い!コンタクトを抜き取った手をキョン達にこっそり見せる長門でしたが、
まるで無数の刃物でズタズタにされたかのような無惨な姿に!どうやら今度はビームではなく、殺人カッターがみくるの目から出ていたようで…
あんなうふんあはんな光景に私達がエロい目を向けている中で、こんな凄まじい傷を負っていたなんて…
長門さんマジですいませんでした:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
それと長門がみくるの腕を噛み噛みしているのは、もう目から変なものを出さないようにナノマシンを注入しているそうです。へー
「まあこれでもいっか…ウリになりそうね!(レイプ映像が)
それとあなた達の役割はこれよ!」
結局みくると長門の戦闘シーンは今のくんずほぐれつ映像だけで終わりにして、
いよいよ谷口達も撮影に参加させるハルヒ。その役どころは「長門(悪い宇宙人)に操られた一般人」だそうです
「つまりね!ミクルは正義の味方だから一般人には手を出せないわけ!
ユキはそこを突いて、一般人を魔法で操作して襲わせるの!
んで、ミクルは抵抗できずにボロボロになっちゃうのよぉ!」
な、なにィ!?理性をなくした男2人に無抵抗のまま襲われる美少女ですってえええ!?
一体どんな性的な映像を撮るつもりだよハルヒ…(えー
というか昨日のしゅごキャラ感想からすごい下品な感想書いててすいません:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「あっははは!みくるはボロボロかあ〜!」
「手始めに!みくるちゃんを池に叩き落としなさい!」
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こうですか?わかりません!(えー |
(C)神楽坂淳/徳間書店・東邦星華桜花会 |
いよっ十番小町ー!!まずは谷口達がみくるを池へ落とすシーンの撮影だと言い出すハルヒ。まあそれくらいなら…と思いきや、
キョンとみくるは背筋が凍ったように顔を引きつらせております。それもそのはず、なんとこの池は辺り一面ゴミだらけで
とても飛び込みなど出来るはずもない状況…これはさすがにひどいですな…
というかこんな池の水を飲んだりしたら本気でヤバイんじゃないでしょうか、公害病とかにでもなってしまいそうだ
「おいおいこの池にかよ〜」
「す、す、涼宮さん、せめて温水プールとかは…」
「確かに過酷な撮影よね。でもねみくるちゃん!目指すリアリズムのためには、
どうしても今この犠牲を払わなければいけないのよ!
それにこれは、みくるちゃんが乗り越えないといけない壁でもあるのよ!
女優として大きくステップアップするチャンスなのよ!さあ準備して!」
この池だけは勘弁してくれと懇願するみくるでしたが、それでも有無を言わさず撮影を強行するハルヒ!
あまりに一方的なハルヒの言い分に、キョンの表情もどんどん険しくなっていきます
そういえば前日でもハルヒの横暴さに本気で怒ってましたからな…この光景が許せないのもうなずける話です
「おい…!!」
ガシッ!
「…」
「…くっ…」
すぐに撮影をやめさせようとするキョンでしたが、「歯向かってはダメです」と無言でそれを制する古泉!
ここで撮影をブチ壊しにするということは、ハルヒの不満が爆発して世界に大規模な異変が起きるかもしれないということ…
世界崩壊とみくるズブ濡れのどちらを取るか、比べるまでもないと言ってしまえばそうなのですが…
「う…あ…あ…あ、あの…わ、私…やります…!」
これが世界のかかった撮影ということはみくるも重々承知、ついに自分から池落ちをやると言い出しますが
このガタガタ震えて怯え切った姿がなんとも可哀想ですな…キョンもこれにはひたすら不憫そうに見守ることしかできません
「(ザバザバ…)うう…けほけほっ、けほっ…」
(まったく…無駄なものは露天商を開けるくらいあるくせに、タオル一枚の用意もないとはどういうこった…!)
「次はミクルを救い出したイツキが、彼女を自宅にかくまうシーンを撮るわよ!」
「な…お前、それじゃ全然繋がらないぞ!長門や谷口達はどうなったんだ!?
いくらなんでも描写なしじゃ、観客は納得しないぜ!」
「うるさいわね、そんなの撮らなくてもちゃんと見てる人には伝わるの!」
(この野郎…!単に朝比奈さんを池に突き落としたかっただけか!)
どうにかこうにか池落ちシーンを撮り終えたみくるでしたが、体を拭くものは鶴屋さんのハンカチ一枚しかなく、
とても全身を拭くのには足りずにズブ濡れのままになってしまいます。
さらに悪いことに、谷口達がみくるを突き落とす→古泉が引き上げる→古泉の家に場面転換というシーンの流れで、
谷口達はいきなり出てきてみくるを突き落とす→次の瞬間ストーリーから消滅という
なんともワケの分からん事になってしまいます。キョンの怒りも猛烈な勢いで高まるばかり、いつ大噴火を起こしてしまうか分かりません
「あのさ、私の家ならすぐ近くなんだけどさ、みくるが風邪ひきそうだから着替えさせてあげてもいいかな?」
「ちょうどいいわ!鶴ちゃんの部屋を貸してくれない?
そこでイツキとミクルが仲良くしてる所を撮るの!」
「うん、いいよ!使って使って」
「えっと、僕達は…」
「あんた達はもう帰っていいわ」
「ハァ!?」
そして哀れにも今のシーンだけで帰らされる谷口達。
こいつらせっかくの休日に付き合ってくれたのに、とんだ事になってしまいましたな…(ノ∀`)生きろ谷口
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「はーいここが私の部屋!みくるがお風呂上がるまでここで待っててね」
「いい部屋ねぇ、ロケーションにはちょうどいいわ!
あ、そうだ!鶴ちゃん、ちょっと思いついたんだけど…(ごにょごにょ)」
「…くふっ!くふははは、うはははは!」
「…?」
そして鶴屋さんの家へとやってきた一同でしたが、意外なことに鶴屋家はいかにも高貴な家柄という感じの和風な屋敷。
「私の部屋」と言っても無駄なものが一切なく、掛け軸にちゃぶ台、畳にふすまくらいしか目に入るものがありません
仙人みたいな暮らししてんだな鶴屋さん…布団敷いて寝るくらいしか部屋の使い道ないんじゃないか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
それとも「私の部屋」と言っても、だだっ広い屋敷の中に鶴屋さん用の部屋がいっぱいあって
ここはその中のひとつということなんだろうか。謎すぎるぜ鶴屋さん
「ごめんなさい、遅くなりました…」
(はっ…!?お、俺は今猛烈に理性を試されている!朝比奈さんその姿は犯罪ですッ!!)
そんな中お風呂から上がってきたみくるでしたが、その姿はハダカにTシャツ一枚という激しくエロスな格好!
な、なぜに!?この家には鶴屋さんの服なんて腐るほどあるだろうに!
はっ(゜д゜)ま、まさか、さっき「いいこと思いついた」とハルヒが内緒話をしていたのは、
みくるには着替えを用意せずに、このエロイ格好をさせろということだったのか…
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そして「風呂上がりのカルピスうめー」とジュースで一服したところで、さっそく撮影再開。
場面としては、池に落とされて気絶したみくるが、古泉の部屋で目覚めるというところからですが…
「う、ううん…」
「気がつきましたか?」
「ここは…?」
「僕の部屋です」
「ありがとうございます…」
「2人、もっと近づいて!古泉君は肩に手を回して!
もういいから押し倒してキスしちゃってー!!」
「…ぐぐ…」
ところがいきなり古泉たちにラブシーンを強要するハルヒ!キスをしろと言われても黙ってそれを実行しようとする古泉でしたが、
とうとうキョンはその光景に耐えられずに声を張り上げてしまう!
「…待てコラ…!!色々はしょり過ぎだぞ、ていうかなんでこんなシーンがある!
なんだこれは!!」
「塗れ場よ濡れ場、時間またぎにはこういうのを入れておくもんよ」
「アホか…!夜9時から始まる2時間ドラマか!古泉もなに乗り気な顔してやがんだ!
こんなものが上映されたら、次の日からお前の下駄箱には
百単位で呪詛の手紙が舞い込むぞ!俺だって送る!!」
ところどころにキョン独特の突っ込みが混じってますが、おふざけのつもりは皆無でその怒りは真剣そのもの!
思わず見てるこっちも表情がこわばるような、ピーンと張り詰めた空気が漂いますが…
「くっふあははは!みくるおっかしい!あっははははは!」
そんな中まったく空気読めずに大爆笑を始めた鶴屋さん。そんな場合かこらー!
「人が怒ってる時に何がおかしいんだテメエ!!」とキョンがブチ切れてもまったくおかしくありません、
なんでこんな時に笑い出すんだよこの人は…
(おかしくない…!と、言いたいところだが…確かにおかしい…目が潤みっぱなしで
頬も染まりっぱなしだし、おまけに古泉にされるがままになってる…)
「うう〜ん…古泉くん、わらしなんだか頭重いのれす…」
しかしイライラはしていてもまだ冷静さは失っていないキョン、確かに鶴屋さんの言う通りみくるの様子が妙な事に気づきます
顔は真っ赤っ赤でろれつも回っておらず、なんだかまるで酒にでも酔ってるかのような…
(どっかでクスリでも盛られたんじゃ…)
「あ…!!」
「あ…ごっめーん、みくるのジュースに甘酒混ぜといたの。そしたら演技に幅が出るかもって言われてさ〜」
そして「変なものを飲んだのかも」と考えを巡らせた結果、すぐにさっきのカルピス的ジュースに思い当たったキョン!
そう、あれにはハルヒの命令で鶴屋さんがこっそりと甘酒を混ぜていたのです
最初にハルヒと鶴屋さんがこそこそ話していたのはこれのことだったのか…
「…そんなもん黙って混入するな!!」
「いいじゃん、今のみくるちゃん凄く色っぽいわよ。いいからキスしなさい!
もちろんマウストゥマウスで!」
「(ギリ…ッ!)やめろ古泉!!」
「…」
みくるを嵌めたことを悪びれもせず「いいからキスしろ」と命令するハルヒ、その姿にキョンの怒りはもはや限界に!
しかし、何度もキョンに文句を言われ続けたハルヒも「なんなんだお前さっきから」と不快感をあらわにした表情!
こ、これはやばい…まさに一触即発、今までの中でも最悪に険悪な雰囲気です
「監督、僕には荷が重過ぎますよ…それに朝比奈さんはもう限界のようです」
「…はぁ、しょうがないわねえ」
と、そこで古泉が「キスだけは勘弁して下さい」となんとかハルヒを説得して事なきを得た一同。た、助かった…
それにしても、これだけやんわりした言い方とはいえ、古泉がハルヒの決めたことに従わなかったのはこれが初めてじゃないでしょうか
つまりはそれだけキョンの怒りが本物だということなのか…
「もう、甘酒くらいでそんなに酔っ払ってどうするの」
「ふぇ…」
(飲ませたのはお前だろうが…!)
「ほら、シャキッとしなさい」
ぼかっ
「…!」
「う、うぅ…」
「そんなリアクションじゃダメよ、こうして頭を叩かれたら背筋をピーンと伸ばすくらいの事はしないと。
じゃあもう一度練習」
ぼかっ
「…く…!」
しかしその時、へにゃへにゃしているみくるに気合を入れようとメガホンで頭を小突きだしたハルヒ!
普段ならこのくらい何でもない光景なのかもしれません、しかし今のキョンはハルヒへの怒りを限界以上に抱えた状態…
例えるならば決壊寸前のダムのようなものです、そんな状態のキョンに、例えこんな小突く程度でも刺激を与えてしまったら…
ばこっ
「ひんっ…」
「ぐ…く…!」
「む〜(もう一度殴ろうとする)」
「やめろ…!何が練習だ!それを映画のどこに使おうってんだッ!!」
「何よ、止めないでよ。どこに使うかなんていちいちあんたに言う必要なんてないわ」
「どうせ何も考えてないんだろうが!!適当なこと言ってんじゃねえよッ!!」
うわあああああとうとうキョンの怒りのダム決壊!仏の顔も3度まで、ハルヒがみくるを4回殴ろうとした瞬間に
堪忍袋の緒が切れたキョン!しかし「何も考えてないくせに適当ぬかすな」というキョンの言葉で、
ハルヒの方もついに怒鳴り声を上げ始めてしまい…
「何決め付けてんのよ…!映画の中身も知らないくせに、
勝手なこと言うんじゃないわよ!!」
「お前こそ勝手なこと言って朝比奈さんを叩いてるだけだろうが!
そんな権利お前にはねえ!!」
「うるさいわねぇ!!あんたに何が分かるっていうのよ!?
これも私の映画にとっては大事な約束事の一つなの!!」
「誰との約束だそれは!朝比奈さんはお前のオモチャじゃねえぞッ!!」
「私が決めたの!みくるちゃんは私のオモチャなの!!」
「…ッ…!!」
ブッチイイイイイッ!!
とうとう完全にキョンの理性を吹き飛ばす一言を口にしてしまったハルヒ!「みくるちゃんは私のオモチャ」…
許しがたいその言葉を耳にした途端、キョンは我を忘れるほどの凄まじい怒りに襲われてしまう!
そして次の瞬間、ぶるぶると震える拳を思い切り振りかぶり…!
「あ…っ!?」
ガッシイイッ!!
「…」
「…あ…」
ところがその時、すんでのところでキョンの腕をがっしと掴んで止めた古泉!あ、危なかった…
古泉が止めに入らなければ、あらん限りの力を込めたキョンの拳は確実にハルヒを捉えていたことでしょう
そんな状況から「自分はハルヒを殴ろうとした」という事実を改めて実感し、怒りの波が引くように我に返るキョン。
しかし「キョンが私を殴ろうとした」という事実を実感したハルヒは、逆に顔をくしゃくしゃにしてますます情緒不安定になってしまい…
「…な…何よ…何が気に入らないっていうのよ…!!
あんたは言われたことしてればいいの!!
私は団長で…っ!監督で…っ!…っ…!…んん…!
とにかく…!反抗は許さないからッ!!」
頭に来たというよりも、悔しくて歯がゆくてしょうがないという風に息を詰まらせながら声を張り上げるハルヒ。
心の底ではキョンのことが好きなハルヒにとって、そんなキョンが自分をことごとく否定したあげく、最後には殴り倒そうとしたことが
相当ショックだったのでしょう。しかし、そんなハルヒのわめく姿を見ているうちに、冷めかけていたキョンの怒りが
再びふつふつと湧き上がってきてしまい…
「放せ…!放せ古泉…!!動物でも人間でも、言って聞かない奴は
殴ってでも躾けてやるべきなんだ!でないとこいつは…
一生誰からも避けられるような、アホになっちまうんだッ!!」
殴ってなぜ悪いか!
殴られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか!(えー
私は以前、ハルヒを「裸の王様みたいな奴」と言ったことがあります。おそらくキョンがここまでハルヒを殴ろうとしているのは、
このままではハルヒが本当の意味で裸の王様となってしまい、そのうち誰からもそっぽを向かれてしまうことになるからでしょう。
団長だろうがなんだろうが、人としてやっていい事と悪い事がある。そして口で言っても悪い事が分からないなら、
もう殴ってでもそれを分からせるしかないと…
「や、やめてくらさぁぁぁい!ケンカはぁ…だめなのれす…!でないと…ふぁ…こ、これ…禁則れしたぁ…」
「…」
しかし、古泉を振りほどこうとするキョンを止めようと、ふらふらの体でしがみついてきたみくる!
古泉だけならともかく、まさかこんな状態のみくるをはねのけるわけにも行かず、さすがにキョンも手が出せなくなってしまいます
結局この日はこのモヤモヤした気持ちを引きずったまま、撮影を切り上げてキョン達は解散となってしまうのでした
「どうも今の涼宮さんは、イライラする事よりしょんぼりする事に忙しいようですね」
「ほー、なんでかな」
「分かっておられるはずですが…涼宮さんは、あなただけは何があろうと
自分の味方をすると思っていたのです。色々文句をつけつつも、あなただけは許してくれるだろうとね」
「あいつを許せるのは、とうに殉教した聖人くらいだ」
「涼宮さんに、元気を出すように言ってもらえませんかね?
このまま気持ちが沈み続けると、閉鎖空間とは別のもっと酷い事態が起こりそうなので…」
そして次の日、いつものように登校してきたキョンの目に映ったのは、机に突っ伏したままで顔を合わせようとしないハルヒの姿でした。
全身が鉛のようになった感じですわぁ…とランニング地獄がきつかったわけではありません:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
そんな落ち込みモードのハルヒを励ますように言われるキョンでしたが、モヤモヤした気分を抱えているのはキョンとて同じ。
はいそうですかと気の利いたセリフなど言えず、谷口や国木田と一緒に不機嫌そうに弁当を食っていました
「なにが映画だ!行って損した!」
「まぁまぁ。コレ、本当はもっと涼宮さん達と遊びたかったんだよ。他の予定をキャンセルまでしてね」
「言うなバカ!とにかくだ、俺はもうあんなくだらない事には一切関わらんからな!
映画だと?ふん!どうせゴミみたいなモンになるに決まってるぜ!!」
「…!お前だけには言われたくないぜ!」
しかし、ハルヒの映画をメッタクソにこき下ろす谷口の姿に、言いようのない不快感を感じてしまうキョン!
こ、これは一体?ハルヒの映画のことなら、キョンが一番その酷さを知っているはずですが…
(少なくともハルヒは、文化祭に向けて行動を起こしてる!関わろうとしてる!
対してお前はどうだ?どんなにくだらん物でも、ここで文句言ってるお前より、
作ってるハルヒの方が遥かにマシだ!まったく…ムシャクシャするぜ!!)
お、おま…これって3話前に俺がキョンに言った文句と同じですよ!
あの時、一生懸命文化祭で頑張ろうとしてる実行委員や古泉のクラスメイトに向かって、「バカだね無駄な面倒に首突っ込んで」と
明らかにコケにしていたキョン…そんなキョンを私は「コノヤロー無気力で無関心で怠惰なスカタンの分際で」と散々ののしりましたが、
それと同じものをキョンも谷口から感じているということか…
(はて…ムシャクシャするのはなんでかな…ああ…そうか、俺もハルヒの言うがままにヘーコラしては、
ブツブツ言ってるだけだ…俺がムシャクシャするのは、つまり谷口の言った事に腹を立ててる俺自身も、
谷口と何も変わらんこと…クソッ…!)
な、なんと!私が散々キョンに向かって文句言った部分を自らの意志で気づいたキョン!
このままでは自分も谷口と同様に、何もしてないのに他人に向かって文句を垂れてるだけの人間だと…
こ、これはすごい、まさかキョンが自らこの事に気づいてくれるとは思わなかったな…
まさしく私が3話前に感じたことをそのまま言ってくれたので、物凄いシンパシーをキョンに感じております
(クソッ…!クソッ…!谷口のゲロハゲ野郎!
お前のせいで変な事に気づいちまったじゃねーか!
後で後悔するような事をしたくなってきたじゃねーか!!)
バタアアアン!!
「わっ…!?」
「おい、ハルヒ」
「…………何よ」
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「この映画は、絶対成功させよう」
「…!?」
う、うおおおおおお!?な、なんと!今までの無気力な自分から一歩踏み出すために、
この文化祭と映画に全力を尽くすことを誓うキョン!こ、この野郎…俺は前からずっとずっとずっと
そういう姿が見たかったんだよ!「なんでもっとスカッと生きねえのかなあ」とかキョンに言っていたのは
まさにこうやって何かに一生懸命取り組む姿を見たかったからです。ハルヒの裸の王様を直そうとしたことといい、
なんかもう今回の脚本はまるで俺の願望を全て叶えてくれたかのような内容だな…(えー
ハルヒとは思えないほど気分いい引きで次回に続く
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