■イナズマイレブン 第2話「帝国が来た!」
 

「これより、帝国学園vs雷門中学の練習試合を始めます!」

部員も足りない、やる気もない、部室に引きこもってひたすらグータラ過ごすだけの部活、それが雷門中サッカー部。
ところがある日、そんな雷門中サッカー部は40年連続全国大会優勝を成し遂げた
中学サッカー界史上最強の学校・帝国学園に
練習試合を申し込まれてしまいます
今までのだらけきった生活態度のせいで、「負けたら廃部」という条件までつけられるハメになってしまった雷門サッカー部。
部員の足りない分は助っ人4人(風丸、マックス、目金、陰野)のおかげで、なんとかギリギリ11人揃えて試合に臨みますが…

《おお!?凄い凄い!雷門イレブン、細かいパスを繋いで帝国を翻弄しているぞ!》

「いける…!いけるぞ!」

「へへっ!結構やれるもんだな…!おらぁーーっ!!」

しかし意外なことに、そんな急造チームの雷門中にやすやすと翻弄されてしまう帝国学園!
「40年無敗も大したことねーな」と一気にDF陣を突破され、無駄にすごいジャンプ力を披露した染岡さんの
スーパージャンプシュートが炸裂!一体何メートル跳んでるんだこれー!

バシイイイイイン!!

《あぁ!?お、惜しい…!!》

しかし、そんな染岡さんのシュートをやすやすと阻んでしまう帝国キーパー源田!
弱小チームの雷門イレブンに「俺たちつえー超つえー」という、はかない夢を見させてやったかのようなこのプレー…
そして源田のこのプレーを皮切りに、ついに雷門イレブンは帝国の圧倒的な実力を見せつけられてしまいます

「鬼道、俺の仕事はここまでだ」

「ああ…始めようか、帝国のサッカーを…行け!!」

「ふぅんっ!!」

ドバゴオオオオオオッ!!

「う…!?うあああーっ!!」



自軍ゴール前から敵軍ゴールをやすやすブチ抜く驚異の破壊力!
キックオフゴールどころの話じゃねえー!センターサークルなんぞより遥かに遠い位置から撃ったことでしょう
それでもなお円堂を吹き飛ばしてゴールに刺さる恐るべきパワー…
こんなとんでもないシュートに加えて、強烈な威力を誇る必殺技を次々に繰り出し始めた帝国イレブン。
もはや雷門中はなす術なく一方的に痛めつけられてしまいます

「「「デスゾーン!!」」」

「百烈ショット!!」

「サイクロン!!」

「「「ぐああああああーっ!!」」」

信じられない勢いでゴールを量産され気がつけば18対0!!それにしてもデスゾーンの威力すげえええええ
こんなシュートを顔面に食らって、首がもげないだけでも円堂は大したもんだ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「続けろ!奴をあぶり出すまでな!」

しかし、それほどのワンサイドゲームになっても容赦ない殺人プレーを続ける帝国イレブン!
そう、帝国の目的とは雷門に勝つことではなく、フィールドに現れようとしない豪炎寺を引きずり出すこと…
昨年の木戸川清修を全国決勝まで導いた豪炎寺のプレー、それを見たいがためにこんな練習試合を組んだのです

「クククク…出て来いよ。さもなければ最後の一人のあいつを…!」

バシイイイッ!!

「うぐっ!!」

バシイイイッ!!

「があっ!!」

バシイイイッ!!

「ぐ…!うう…!」

「あ…あいつら…!ゴールを決めるのが目的じゃない…円堂を潰す気だ!」

10人の仲間達が全員倒れてしまった中、たった1人帝国の殺人シュートを延々とその身に受け続ける円堂!
もはやリンチとしか言いようのない酷い光景、それでも円堂は決して倒れようとせずサンドバッグ状態に…



「ふ…ふざけるな…!こんなのは…サッカーじゃ…ない!」

バシイイイッ!!

「ぐああああーっ!!」

「か、風丸ーッ!!」

その時、我が身を盾にして円堂をかばいに入った風丸!風丸の円堂ラブはこの頃から変わらないんですね:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
サッカー部に助っ人に来てくれた理由も「サッカーが気に入ったから」じゃなくて「円堂が気に入ったから」だしなぁ

「う…うう…え…円堂…」

「風丸…!お前の気持ち受け止めたぜ…!絶対にこのゴールは守ってみせる!」

「ククククッ、一度として守れてはいないがなぁ!」

「百烈ショットオオオオッ!!」

ズッドオオオオオ!!

「があああああーっ!!」

「あ…あ…嫌だ…も、もうこんなの嫌だぁぁぁぁぁ!!」

ついに円堂ごと吹っ飛ばされて入った19点目!百烈ショットの直撃を受けた円堂は、さすがにダメージが大きくその場にぶっ倒れてしまいます
唯一ちゃっかり余力を残していた目金も、ユニフォームを脱ぎ捨てフィールドから逃げ出してしまう始末…
誰も立ち上がれないうえに10人となってしまった雷門イレブン、もはや完全に試合の続行すら不可能です

「無様だなァ!フッフフフフフ…ハーッハッハッハッハ!!」

「…」

そんな雷門イレブンを思いっきりあざ笑う鬼道さん自重
この頃の鬼道さんはマジで外道ですな…後であんないい人になるとは誰も思うまい:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そして木陰から試合を見守っていた豪炎寺もまた、「可哀想だけど終わったな」とばかりに目を伏せてしまいます

「…ま…まだだ…まだ…!終わって…ねえぞォォッ!!」

「…!?」「…!?」



しかし、これだけ絶望的な状況でも決して試合を捨てない円堂!試合終了を確信していた鬼道さんと豪炎寺は驚愕の表情です
「だったら今度こそおねんねさせてやるぜー!」と、再び始まってしまう円堂へのリンチタイム…
しかし、今の円堂の行動は豪炎寺のくすぶっていた闘志に熱い火を点けていました

(…夕香…今回だけ…お兄ちゃんを許してくれないか…!)

「もう見るまでもありませんね。これで雷門サッカー部は…」

「お、おい、ウチにあんな奴いたか!?」

「え…!?」

「か…彼はもしや…!昨年のフットボールフロンティアで、1年生ながら
 強烈なシュートで一躍ヒーローとなった…豪炎寺修也!?」

「ご…豪炎寺…!へへ…遅すぎるぜお前…!」

目金の脱ぎ捨てたユニフォームを身にまとい、ついにフィールドに姿を現した豪炎寺!
まるで救世主のような豪炎寺の登場に、倒れていた雷門イレブンもよろよろと立ち上がります

「クク…我らの目的はここからだ」

ようやくお目当ての豪炎寺が出て来てほくそ笑む鬼道さん…って我らって言った?今我らって言った?(えー
なんですかその恥ずかしいフレーズは!我らですって!中学生なのに我らですって!
帝国時代のことは今の鬼道さんにとって確実に黒歴史になっているに違いない:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「行け、デスゾーン…!」

そして試合再開と同時に、一気に雷門ゴールを狙い駆け上がる帝国FW陣!
さっきの口ぶりから豪炎寺のオフェンスの腕前を拝見するのかと思いきや、まるで手を抜くつもりはなく
再びデスゾーンを円堂にお見舞いする気のようです

「よし…!」

《あぁ!?何故か豪炎寺、一人敵ゴールに向かって上がっていく!?
 円堂をまったくフォローせず!目金と同じ敵前逃亡か!?》

(いや…あいつは…俺を信じて走ってるんだ…!俺が止めるって…
 これを止めた俺から、必ずパスが来ると信じて!!)

「「「デスゾーン!!」」」

「うおおおおおおおーーっ!!」

「ゴッドハンドォォォォッ!!」

ドババチイイイイイ!!

俺のこの手が光ってうなる!!お前を倒せと輝き叫ぶ!!
豪炎寺の信頼に報いようとする一心で発動した円堂の必殺技!それは伝説のイナズマイレブンが使ったとされる鉄壁の技ゴッドハンド!
この技の前には3人技のデスゾーンすら無力と化し、ゴッドハンドに完全な敗北を喫する!

(ま…まさか…!幻のゴッドハンド…!間違いない…40年の時を経て、
 伝説のイナズマイレブンの技が甦ったのか!)

「これはまた…なかなかの余興だな…」

「いっけぇぇぇぇっ!豪炎寺ィィィッ!!」

鬼瓦刑事たちがゴッドハンドに目を丸くする中、前線の豪炎寺へとボールを送る円堂!
前がかりになっていた帝国は格好のカウンターの餌食、一気にゴール前へと躍り出た豪炎寺は、
帝国イレブンが戻る暇を与えず得意の必殺技で決めに出る!

「ファイアトルネエエエドッ!!」

ズッバアアアアアン!!



第1発目のなんか遅いファイアトルネードキター!(えー
今やすっかりおなじみのファイアトルネードですが、この初使用の時は妙にスローモーションです。初めてだからじっくり見せたかったんだろうか
そんなファイアトルネードは見事に帝国ゴールへ炸裂!源田も思わずボールと逆に跳んでしまうこの破壊力を見よ!(えー
まあさすがの源田も急にボールが来たのでビックリして避けてしまったんでしょう:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

《つ、ついに!ついに雷門イレブン!帝国学園から1点をもぎ取りましたぁぁぁぁっ!!》

「や…やった…!!」

(クク…これで終わりだ。データ収集は完了した…
 スーパーストライカー豪炎寺のシュート、少しも錆びついてはいない)

ついに帝国に一矢報いることができ歓喜に湧く雷門イレブン!しかしファイアトルネードのデータを採取し、目的を達成した帝国イレブンは
すぐに試合を放棄して負けを認めてしまいます。1対20の大差とはいえ、結果的に雷門の勝利に終わったこの試合…
廃部の危機を逃れて誰もが喜びに包まれる中、豪炎寺は静かにユニフォームを脱ぎフィールドを後にしてしまうのでした。次回に続く

 

■イナズマイレブン 第3話「あみだせ必殺技!」
 

「キャプテーン!この間の豪炎寺さん、呼べないんですかね?」

「そうだよねえ、結局のところあの1点、豪炎寺君のシュートだったんだからねえ」

「今の俺たちじゃあんな風にはなれないッスよ〜!」

帝国との練習試合を辛くも勝利で終わることができ、なんとか廃部の危機を乗り越えた雷門イレブン。
そんな勝利の功労者である豪炎寺にすっかり憧れてしまった宍戸たちは、
「豪炎寺さんスゲー豪炎寺さんスゲー」と、いまだに部室で豪炎寺のことを褒めちぎっていました

「ぐあっはは、なにが豪炎寺だ!
 いなくなりゃただのションベンよ!」(えー
(C)武論尊・原哲夫/集英社

「なんだお前ら!豪炎寺がいなくてもFWならここにいる!
 俺がシュートを決めてやるぜ!あんなのは邪道だ、俺が本当のサッカーを見せてやる!」

そんな中で、唯一豪炎寺に敵意ムキ出しなのは我らの染岡さんです。同じストライカーとしては
「豪炎寺さんが抜けたらうちの得点力なんてガタ落ちっすよー」とか言われるのが我慢ならないようで…

「みんなー、お客さんよ」

「えっ…!」

「くさいわ…」

「ちっ…!こんな奴なんで連れてきたんだよ!」

そこに「なんて下賤の輩が集まった部室なんでしょう」というしかめっ面でやってきたお嬢。
この頃はサッカー部のマネージャーでもなく、ついこの間一方的に廃部の話を持ち出されただけあって
雷門イレブンは誰もが「とっとと帰れよコノヤロー」とお嬢をけむたがっているようです

「帝国学園の試合、廃部だけは逃れたわね」

「お、おう、これからガンガン試合していくからな!」

「ふふ。次の対戦校なら決めてあげたわ、尾刈斗中…試合は一週間後よ」

「つ、次の試合!?」

「オカルト中…?」

「もちろんただ試合をすればいいというわけではないわ。負けたらサッカー部はただちに廃部」

「ぐ…ま、またかよ!?」

「ただし勝利すれば、フットボールフロンティアへの参加を認めましょう。せいぜい頑張ることね」

なんと帝国との試合が終わったばかりだというのに、早くも勝手に次の試合をセッティングしていたお嬢!
しかも負けたらまた廃部だとか…一難去ってまた一難、思わずがっくり肩を落とす円堂でしたが
今度の試合に勝った時のご褒美はそれ以上に魅力的なものでした

「フットボールフロンティア…!?これに出られるのか!」

「凄いですね!中学サッカー日本一を決める大会ですよ!」

「うおおお!俺盛り上がってきたでヤンスよぉ!」

「部員7人の頃じゃ考えられなかったもんなぁ!」

全国の中学サッカー小僧の誰もが憧れる大会、フットボールフロンティア…
それに出られると聞いた円堂達は、がぜん尾刈斗中との試合に向けてメラメラとやる気を燃やすのでした
というか「7人の頃じゃ考えられなかったよなー!」って半田…お前それ
優勝後のバスの中と言ってることが同じじゃねーか!!(えー
半田め進歩のないやつ…キャラ的に中途半端だから「俺は最古参メンバーなんだからな!目金達とは違うんだよ!」
数少ない自分の特徴を主張するのに必死なのか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「オラオラァーッ!!」

「うわああーっ!!」

「ちっ…このォォォッ!!」

「う…うああぁ!?」

「染岡!今のはファールだろ!」

「うおらあああああああ!!」

そして来たる尾刈斗戦に向けて練習を始めた雷門イレブンでしたが、あまりにも入れ込みすぎの染岡さんが酷いラフプレーを連発!
風丸を突き飛ばしマックスを蹴散らしたあげく、影野を内股で投げ飛ばして完全フリーでシュートを放ちますが
ボールはゴールの遥か上…どうも豪炎寺を意識しすぎて自分を見失っているようで、完全に一人相撲で空回りしていますね

「ちっ…!こんなんじゃダメだ…!」

「染岡さん…ちょっとラフプレー過ぎますよ」

「そんなことねえよッ!!」

内股のどこがラフプレーなんだよ!!と、なだめようとした宍戸にすら噛み付く染岡さん!す、少し落ち着いて…
こんな調子じゃとてもじゃないけど豪炎寺を超えるどころじゃありませんな

しかしその日の練習が切り上がった後も、やる気だけは本物の染岡さんは、一人グラウンドに残って黙々とシュート練習を続けるのでした

「やっぱりここにいたのか…練習変えたのか?」

「いててぇ〜…ああ、次の段階さ!」

染岡さんがシュート練習に明け暮れる一方で、いつものように鉄塔広場でタイヤ特訓を行っていた円堂。
1話では同じタイヤでゴッドハンドの習得に励んでいましたが、それが習得できた今は熱血パンチの特訓に切り替えたようですな
それにしても手の傷がめちゃめちゃ痛そうだ…(´・ω・`)

「染岡…焦ってるんだろうな。あんな凄いプレーを見せられたら、俺だって負けられないって思うよ。
 もっと頑張って力をつけなきゃってね」

「ああ…みんなお前みたいに思ってくれたらいいんだけどなぁ」

「そこを導くのがキャプテンの役割じゃないのか?」

「そうだな…今はみんな、豪炎寺さえいれば簡単に勝てるって思いすぎてる。
 サッカーは11人でやるってことを忘れてるんだ」

豪炎寺のプレーに触発されて「俺も負けてられないな」とやる気を出した風丸や染岡さん、
しかし他のメンバー達は「豪炎寺さんがいれば俺達は無敵だぜイヤッフー」と、どうにも豪炎寺にばかり頼ろうとしている状態…
円堂はそんな他力本願なメンバー達に目を覚まして欲しいと思っているようです

「俺、豪炎寺のことはもう無理に誘おうって思ってないんだ。今の俺たちで強くなれたらいいなって思うんだ」

今まで熱心に円堂が入部の話を持ちかけても、頑として「サッカーは二度とやらない」と断り続けてきた豪炎寺。
そんな豪炎寺が、自分の信念を曲げて1度だけ帝国との試合に来てくれた…
それだけで、円堂は「もう十分豪炎寺は自分のワガママを聞いてくれた」と満足しているようです
風丸の退部騒ぎの時もそうでしたが、円堂は自分の意見を押しつけるより、相手がどうしたいのかを尊重するタイプですしね
豪炎寺自身があれだけ嫌だと言っている以上、もうこれ以上入部の話をするのも悪いと思っているんでしょう

「ん…?豪炎寺が…病院?」

そんなある日、学校帰りに町をてくてく歩いていた円堂。するとその時、偶然にも近くを通りがかった豪炎寺を発見してしまいます
なんとなくその足取りを目で追っていくと、豪炎寺が入っていったのはなんと病院。
こんな所に何の用が…?と気になった円堂は、豪炎寺を追って自分も病院に入って行ってしまいます

「うーん、確かこっちだったような…」

ガラガラッ

「う、うわ!?」

「…!?お前…何しに来た」

「えっ、い、いや、その…お前がここに入るの見たからさ…ケガとか病気かなって…
 サッカーやめたのそれでかなって思って…い、いや!お前があの一度だけっていうのは分かってる!
 俺も誘いに来たわけじゃないんだ…なんかその、心配でさ…悪いと思ったんだけど…ごめん!」

そして廊下をうろうろしていた円堂は、いきなり病室から出てきた豪炎寺と鉢合わせに!
「なんだこの野郎ストーカーかこの野郎」と険しい顔の豪炎寺を前にして、しゅーんとなりながら弁解をするハメになってしまいます
普通だったらストーカーの言い訳にしか聞こえませんが、円堂はついさっき「豪炎寺の勧誘はやめる」って心に決めたばかりですし
これは本音をそのまま言ってるんでしょうね



それにしてもしどろもどろな円堂なんかかわいいな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「…まったく、お前には呆れるよ。入れよ」

そんな円堂の気持ちが通じたのか、今出てきたばかりの病室へ円堂を入れてやる豪炎寺。
そして今まで誰にも話したことのない秘密を、円堂だけに打ち明けることになります

「妹だ、夕香って言うんだ…もうずっと眠り続けてる」

「え…?」

「夕香は…去年のフットボールフロンティア決勝の日からずっとこうなんだ」

「確か…木戸川清修と帝国の試合だったな…」

「ああ、必ず応援に行くって言ってな…」

病室に寝かされていたのは、植物状態のまま眠り続けている豪炎寺の妹・夕香…
去年のフットボールフロンティア決勝の日、豪炎寺が日本一になるのを楽しみにしていた夕香は
その応援のために決勝の会場へ向かったのですが…その途中で交通事故に巻き込まれ、それ以来2度と目覚めていないのです



「事故のことを聞いたのは…試合の直前だった」

「だからお前は…」

「…病院に向かったよ。俺がサッカーをやってなきゃ…夕香はこんなことにはならなかった…
 夕香がこんなに苦しんでるのに、俺だけのうのうとサッカーをやるわけには行かない…
 だから俺は…夕香が目覚めるまでやらないと誓ったんだ…!」

夕香がこうなる原因を作ったのは自分だと、激しい罪の意識に囚われていた豪炎寺。
事故のことを知ってからは決勝の試合を捨て、木戸川の仲間を捨て、そしてサッカーそのものを捨て…
そんな覚悟で雷門中に転校してきたのです。そうとは知らず気軽に「木戸川のエースなんてすげー超すげー」
勧誘してしまった円堂は、申し訳なさでいっぱいになってしまいます



「…辛い話、させちゃったな…俺、何にも知らないでしつこく誘って…ごめんな。
 このこと、誰にも言わないよ。じゃ…」

「サッカー部…あれからどうなった?」

「ああ、次の対戦校が決まったんだ、お前のシュートがきっかけでみんな練習頑張ってるぜ!ありがとな」

「…」

思っていたよりずっと重い豪炎寺の境遇を知って、沈んだ気持ちを抱えながら病室を後にした円堂。
去り際にサッカー部のことを聞かれますが、「いやー実はまた負けたら廃部なんだよね」なんて
豪炎寺の気を引くようなことは、ちゃんと言わずに伏せておく円堂はさすがですね。
しかし豪炎寺は、円堂が出て行った後暗い表情で目を伏せてしまいます
やはりいくら重い覚悟をしているとはいえ、自分の中にくすぶるサッカーへの情熱を捨てることはできないのか…

「新聞部、音無春奈!今日からサッカー部マネージャーやります!
 みなさんの練習見てるだけじゃ物足りなくって!
 だったら一緒の部活やった方が早い、そう思ったんです!
 新聞部の取材力を活かしてみなさんのお役に立ちたいと思います!
 よろしくお願いしまーす!!」

「あ、ああ、よろしく…」

「音無って…やかましの間違いじゃないの…?」

そして次の日、またサッカー部に加わった新しい仲間・音無春奈!今までは新聞部として取材をするだけだった春奈でしたが、
この間の帝国戦を見て以来、すっかり雷門イレブンのファンになってしまったそうです。それにしてもこの間の帝国戦って…
雷門イレブンはほとんどボロクソにやられる一方でしたが、どの辺がそんなに気に入ったんだろう:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
考えられるのは染岡さんのスーパージャンプシュートか、円堂のゴッドハンドか、豪炎寺のファイアトルネードくらい…って
そういえば染岡さんのシュートの時、春奈はものすごい会心の笑顔を見せてましたよね
まさか春奈は染岡さんに惚れてサッカー部に!!いやあああああああああああああ!!

「くそっ…!くそっ…!くっそおおおおおおっ!!」

そんな幸せ者の染岡さんは、今日もまた汗だくになりながらシュート練習に明け暮れていました
寝る間も惜しんで何千何万というシュートを繰り返したためか、だんだんと青白い特別なパワーを宿しつつあった染岡さんのシュート…
しかし、威力は上がってもコントロールは逆にどんどん悪くなるばかり。
今や染岡さんのシュートは、何発打ってもまるでワクに入らなくなっていました

「無理すんなよ染岡、今故障されちゃかなわないからな」

「…タイヤで無茶な特訓してるお前に言われたくねーよ」

あまりにも気負いすぎな染岡さんを見かねて、土手にごろんと寝転びながら息抜きを勧める円堂。
普通なら「うるせえな!これぐらいなんでもねーよ!」と怒鳴られそうなものですが、
さすがの染岡さんも円堂には一目置いているのか、割と穏やかに円堂の隣に座ります

「へへっ、俺この間みんなと試合出来てすっげー嬉しかった!やっとサッカーらしくなってきたって思ったんだ!
 お前はどうだった?」

「…羨ましかったんだよ、俺…豪炎寺が…あいつ、出てきただけでなんかオーラが違ったんだよな…
 一年生たちがあいつを呼んでくれって言うのも分かる…豪炎寺には負けたくない、
 俺もあんなシュート撃てるようになりたいんだ…!」

「豪炎寺なんていらねーよ、あんなシュートは邪道」と口では言いつつも、心の中では豪炎寺の凄さを嫌というほど分かっていた染岡さん。
同じフォワードとして自分も豪炎寺みたいになりたい、その一心であれほど過酷なシュート練習を続けて来たのです
しかしそんな願いは叶わないまま試合はもう目前、結局自分には無理なのか…とさすがの染岡さんも心が折れそうになっているようで…

「…そっか………よし!お前のシュート完成させようぜ!」

「無理だよ、試合まであと何日だと思ってるんだ」

「だから頑張るんじゃないか!」

「お、お前、口で言うのは簡単だけどな…」

「豪炎寺になろうとするなよ、お前は染岡竜吾だろ?もっと自分に自信持てよ!」

良くも悪くも豪炎寺のことしか見えていない染岡さんに、もっと自分をしっかり持てとアドバイスする円堂。
この言葉で少しは周りが見えてきたのか、染岡さんは心を入れ替えて再び円堂とシュート練習を始めます

「…」

そして尾刈斗戦までの数日、ひたすら河川敷で染岡さんの練習に付き合う円堂…って、そんな円堂達を遠くから見つめる豪炎寺の姿が!
つい気になってここまで足を運んでしまったって感じですな、やはりどうあってもサッカーへの未練は捨て切れないのか…

「こんにちは。雷門夏未と言います」

「…どうも」

「この道あなたの通学路だったかしら」

「…」

ってそこにお嬢キター!!「お前も仲間に入りたいんだろ(笑)」とニヤニヤしながら豪炎寺に声をかけてきたお嬢!
一体どういうつもりなんでしょうか、今までお嬢はサッカー部のことなんて眼中にないと思っていましたが、わざわざ豪炎寺に声をかけるとは…

「失礼だけどあなたのことは調べさせてもらったわ。妹さんのこともね」

「…!」

「あなた、このままでいいの?あの諦めの悪い連中とプレーしたい、
 だからこの道を通ってる」

「ほっといてくれ…!」

「サッカーをやめることが、妹さんへの償いになると言うの?
 そんなの勘違いも甚だしいわね。あなたに一番サッカーをして欲しいのは、
 一体誰なのかしら」

サッカーをやめたところで何の解決にもならないと、豪炎寺の選択を痛烈に批判するお嬢。
そんな言葉を浴びせられた豪炎寺は、元気だった頃の夕香が最後に残した言葉を思い出してしまいます

(お兄ちゃん頑張ってね、絶対勝ってね!格好いいシュート打たなきゃダメだよ!)

「…夕香…」

「ふふ。行ってちょうだい」

「しめしめ上手く行ったぜ」とばかりに、豪炎寺の微妙な心境の変化を見届けて去っていったお嬢。
どうも豪炎寺にやる気を取り戻させたかったみたいですが、どういう風の吹き回しなんでしょう
なんにしろこれほどデリケートな話題にずけずけ踏み込んでくるとは、お嬢は円堂とまるで逆のタイプだな…って

「…ふう…」

こ、これは!?走り去る車の中で、「あんなきついこと言うのも辛いわ…」とばかりに溜め息をつくお嬢!
平然とあんなズバズバ言ってたのかと思ったら…心の中では豪炎寺に申し訳なく思っていながら
虚勢を張ってあんな余裕ヅラを装っていたみたいですね。
本当はか弱いのに女王様であろうとするお嬢ハァハァ(*´д`)やっぱりイナズマヒロインの中でもお嬢は最高だぜ

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!く…うおおおおおああああああ!!」

ズギョアアアアアアアア!!

「う…あ…!?」

「す、すっげぇ…!」

「今までのシュートとまるで違う…!」

「い、今なんか、ドラゴンがガーッと吼えたような…!?」

そしてついに自分の壁を乗り越えた染岡さん!みなぎるパワーがドラゴンへと姿を変え、敵を蹴散らす必殺技ドラゴンクラッシュが完成!
これには今まで豪炎寺豪炎寺騒いでいた仲間たちも、ようやく染岡さんを見る目が変わります
雷門にはこれほど強力なストライカーの染岡さんがいる…もはや豪炎寺がいなくとも十分に戦っていけるでしょう

「染岡ぁ!すっげぇシュートだったな!」

「こ、これだ…!これが俺のシュートだ!!」

「…」

「えっ…!?ご、豪炎寺!?」

「円堂…俺…やるよ」

って豪炎寺空気読めてねええええええ!!
そ、そんな…「これで豪炎寺がいなくても戦えるぜー!」ってみんなで盛り上がってる最中に
今ごろ「やあみんな!俺もやる気になったからよろしく!」って仲間になられても!(えー
豪炎寺へのコンプレックスをやっとの思いで乗り越えたのに、その本人がのこのこと現れた染岡さんの心中はいかに…次回に続く


■イナズマイレブン 第4話「ドラゴンが出た!」
 

「これで豪炎寺は雷門中サッカー部の一員だ!みんな仲良くやろうぜ!」

「ご、豪炎寺さんが俺達と一緒に!」

「これで恐いものなしだね!」

「待てよ!そいつに何の用がある!?雷門中には俺の必殺シュートがあるじゃないか!」

ついにサッカー部へ入る決意を固めた豪炎寺、その加入を雷門イレブンは誰もが喜んでいましたが
やはり唯一染岡さんだけはいちゃもんをつけていました まあ当然こうなりますわな…

「染岡、雷門中のストライカーが2人になるんだぜ!こんな心強いことはないじゃないか!」

「ストライカーなら俺一人で十分だ!!」

「結構つまらない事にこだわるんだな」

「なっ…!つまらない事だとォ!!」

円堂がなだめようとしても「うるせー馬鹿」と全く話を聞かない染岡さん、豪炎寺が口を開けばさらに激しく怒り狂うばかりです
この人は本当年がら年中こんなことやってばっかだな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そんなウルトラ短気な染岡さんのご機嫌を取る方法は何一つ思いつかず、
結局雷門中はそのまま尾刈斗中との練習試合の日を迎えてしまうのでした

「へ〜え…豪炎寺は正式に入部したようだな」

「ふふ…」

って鬼道さんは今日もまた観戦しに来てくれたんですか!なんやかんや言って雷門の試合の半分以上は見に来てますよね鬼道さん
雷門の方は帝国の試合を誰一人見に行ってやったことがないというのに、なんて健気な片思いだろう:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
というか一緒にいる佐久間は、風丸に対する宮坂みたいに鬼道さんマンセーの後輩キャラかと思ってたんですが
タメ口ききまくりな同級生だったみたいですね、これはちょっと意外だな…

「尾刈斗中監督・地木流灰人(じきるはいど)です、よろしく。君が豪炎寺君ですね?」

「…」

「君が帝国戦で撃ったシュート、見せてもらいましたよ。いやはやまったくもって素晴らしかった…!
 今日はお手柔らかにおねがいしますね」

「ちょっと待てよ…!アンタ達の相手は豪炎寺じゃない!俺達全員だ!!」

「ハァ?これは滑稽ですねぇ…我々は豪炎寺君と戦ってみたいから練習試合を申し込んだのですよ?
 弱小チームである雷門中など興味はありません、せいぜい豪炎寺君の足を引っ張らないようにしてください」

「な…なにィ!?」

そして試合開始前に挨拶を交わす両チームでしたが、尾刈斗中の監督はまたずいぶんなクセ者のようですな…
豪炎寺のことはベタ誉めしておきながら、染岡さんのことは滑稽なサル野郎としか見ていないようで
完全に舐められっぱなしの染岡さんは早くも爆発寸前です

ピピィィーッ!!

《さあキックオフです!果たしてどのような試合になるのか!》

「よし、みんな上がれ!少林!」

「はい!豪炎寺さ…うっ!?」

そして試合開始と同時に一斉に攻め上がる雷門イレブン!しかし尾刈斗中は、なんと豪炎寺に3人がかりでの徹底マークを開始!
「豪炎寺にしか興味がない」という言葉は本当のようですな…しかし豪炎寺にこれだけ人数を割いてしまえば、
もう一方の染岡さんがフリーになるのは当然!少林からパスを受けた染岡さんは、即座に自慢のドラゴンクラッシュを撃ちに行く!

「見せてやるぜ…!俺の必殺シュート!
 ドラゴンッ!!クラアアアアッシュ!!」

ズッバアアアアアン!!

無警戒な相手ゴールへ豪快に突き刺さるドラゴンクラッシュ!こうして貴重な先取点が雷門に…って
「私のダーリンがゴールを決めてくれたわー!!」と言いたげに一番大はしゃぎなのはやはり春奈です
て、帝国の時といいやっぱり春奈は染岡さんのことを…!!鬼道さんなんとか言ってあげてー!!(えー

「ドラゴンッ!!クラアアアアッシュ!!」

ズッバアアアアアン!!

「…まさか豪炎寺君以外にあんなストライカーがいたとは、予想外でしたよ雷門中の皆さん。
 いつまでも雑魚が調子に乗ってんじゃねえぞォッ!!」

相変わらず豪炎寺への徹底マークを続ける尾刈斗イレブンを尻目に、2点目のゴールを決めた染岡さんのドラゴンクラッシュ!
しかしその途端、「はじめてですよ…このわたしをここまでコケにしたおバカさん達は…絶対に許さんぞ虫ケラども!」
フリーザのごとく猛烈な勢いでブチ切れ出した地木流監督!するとその時、そんな地木流監督の豹変が合図になったかのように
尾刈斗イレブンの動きがまるで変わってしまいます

ぼわんぼわんぼわんぼわん

「あ、あれ…?なんだこれ…!?」

「来るぞ!少林は9番、マックスは11番のマークにつくんだ!」

「は、はい!」

「…何やってるんだお前ら!?」

「あ…ああ!?」

まるで実体の掴めない尾刈斗イレブンの幻惑フォーメーションに、まんまと翻弄されてしまう雷門イレブン!
目の前の相手をマークしていたはずが、気がつけば仲間同士でお見合いしている状態…
「あれあれ?敵はどこ?」とオロオロしている間に、いとも簡単にゴール前まで突破されてしまいます

「みんな、落ち着いて相手の動きを見るんだ!」

「無駄だ…ゴーストロック!!」

ピキイイイイイン

「う…!?く、くそ…!」

「ふふふ…ファントムシュートォッ!!」

ドッゴオオオオン!!

さらには相手を金縛りにする技・ゴーストロックで動きを封じられてしまった円堂!
どれだけ必死にもがいても棒立ちのまま動くことが出来ず、そこにファントムシュートを叩き込まれて簡単に1点取られてしまうことに…

「…なんだったんだ今のは…」

「取られたら取り返せばいいッ!!」

「待て染岡!まずは奴らの動きを見るんだ!」

「また突き放してやる!!」

「染岡!!」

誰もが不気味な尾刈斗イレブンの技に困惑する中染岡さんだけは元気です(えー
「点なんざ取り返せば関係ねえぜー!」と強引に尾刈斗イレブンを蹴散らし、再びドラゴンクラッシュを撃ちに行きますが…

「ドラゴンッ!!クラアアアッシュ!!」

ひゅるひゅるひゅるひゅる

「な…なに!?」

「これぞゆがむ空間…どんなシュートもこの技には無力…!」

ところが相手キーパーの必殺技であっさりと防がれてしまったドラゴンクラッシュ!
ちょっと本気を出せばこうも簡単に止められるのか…この技を今まで使わなかったのは、
2点くらいいつでも取り返せるという余裕からでしょうか。実際、ゴーストロックの効果に雷門イレブンはまったく手も足も出ず
あっさりと2点目、そして3点目まで奪われてしまいます

(闇雲に向かって行っても勝てない…!)

「ちっ、腰抜けめ!黙って俺にパスを出せばいいんだ!!」

ゴーストロックを封じなければまるで勝ち目のないこの試合、豪炎寺はパス回しをしながら尾刈斗イレブンの動きを見極めようとしますが
染岡さんはそんなの知ったこっちゃありません
相変わらずの猪突猛進プレーでまたしても無謀な突撃を!しかし今は豪炎寺が攻め上がっていないので、
尾刈斗イレブンも余裕を持って染岡さんに対処できる状態…結局染岡さんはシュートすら打たせてもらえず止められてしまいます

「染岡ぁっ!」

「うぐっ!?く、くそ…!」

「半田先輩!なんで豪炎寺先輩にパスしないんですか!」

「豪炎寺さんノーマークだったのにぃ!」

「なっ…だ、だってあいつにボール回したってシュートしないだろ!」

ついに豪炎寺派と染岡派での抗争が勃発!(えー
帝国の試合からずっと「豪炎寺さんスゲー豪炎寺さんスゲー」と豪炎寺に憧れていた宍戸達、
一方で焦りまくりな染岡さんに同情的だった半田達…ここにきてそれがプレーにまで影響するようになってしまいました
それでも染岡さんは「なんでもいいから俺にボールよこせ」と相変わらずの様子ですが…

「少林、来い!」

「…」

「染岡にボールを回せ少林!」

「だって染岡さんのシュートじゃ止められてしまいます!」

「やっぱり豪炎寺さんじゃないと点は取れないでヤンス!」

「あ、あいつら…!」

少林本当のこと言っちゃらめぇぇぇぇぇぇ!!(えー
なんてこと!染岡さんがパスを要求しても「染岡さんに点が取れるわけがないぜ」と豪炎寺にボールを回す少林!
いやまったくもってその通りなんですけど、こんな本当のことを言っちゃって少林が無事でいられるのか心配:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「ちぃ…!ボールをよこせえーっ!!」

「やめろ染岡!確かめたい事があるんだ!」

「俺がシュートを決める!!」

「染岡ぁっ!!」

「な…何やってんだあいつら!?」

「ククッ、バカな連中だ。頼んでもいないのに仲間割れを始めてくれたぜ」

 

染岡さんの暴走はもはや誰にも止められない!(えー
なんと自分にパスが回してもらえないと見るや、「いいもんね豪炎寺のボール奪ってやるから」
ドリブル中の豪炎寺を襲撃する染岡さん!これには風丸や尾刈斗の面々もすっかり呆れております
そしてまたドラゴンクラッシュを撃つ染岡さんでしたが、今度もまたゆがむ空間で簡単に防がれてしまい…

「この程度のシュート、何本撃とうが俺には通用せん」

「お…俺の…ドラゴンクラッシュが…」

「あぁ〜…」

やっぱり…

「あーあやっぱり無理だったか」って少林マジ正直すぎるよ!
まあ今のは豪炎寺からボールを奪ったあげく自爆した染岡さんが、どう考えても一番悪いんですけど:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
しかしこんな体育会系の部活で先輩に暴言連発してしまった少林寺の運命やいかに…
試合後に「おい少林ちょっと顔貸せよ」って部室の裏に連れて行かれてかわいがられる少林寺の姿が目に浮かぶぜ…(えー

ところで今気がついたんですけど、尾刈斗のキーパーってモロに鬼道さんじゃないですか?
この髪型はどう見ても鬼道さんだよ!観戦しに来ただけかと思ったら何やってるんですか!
さては妹にいいところを見せてやろうと、尾刈斗キーパーが仮面男なのをいいことにこんな入れ替わりを:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

《さあ一斉に上がる尾刈斗中FW!防ぎ切れるか雷門中!?》

(あと1点取られたら逆転は難しいぞ…!絶対に止めてみせる!!)

「ゴーストロックゥゥッ!!」

ピキイイイイイン

「ぐ…!動け…!動けぇぇッ!!」

2−3のこの状況から追加点を取られたら致命的、なんとしても尾刈斗イレブンの攻撃を防ごうとする円堂でしたが
やはりゴーストロックの前にはどうにもならず棒立ちになるのみ!
もはやこれまでか…というその時、円堂の耳に「止まれ〜止まれ〜」とブツブツ言っている地木流監督の声が聞こえてきます
(゜д゜;)え…?ちょっ、これってまさか…

「はっ…!?そ、そうか!」

「ファントムシュートォッ!!」

ドッバアアアアン!!

「ごろごろごろどっかーん!!」

なんか恥ずかしいかけ声でゴーストロック攻略完了!!うぇえええええええ!?
な、なんだこの攻略法は…あの監督のブツブツ言ってる声が原因だったのは分かりますが、
「ごろごろどっかーん」は中学2年生としちゃ恥ずかしすぎないか円堂よ:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「へへっ!見たか俺の熱血パンチ!」

「え、円堂お前…どうして動けたんだ!?」

「分かったんだよゴーストロックの秘密が!コロコロ変わるフォーメーションで
 グルグルになった俺達の頭に、あの監督が”止まれ”って暗示を刷り込む…
 つまり俺達は、目と耳をごわんごわんにされていたんだよ!」

「…?そ、それはつまり?」

「つまり、視覚と聴覚に訴える催眠術だったのですよ」

「そ、それでキャプテンごろごろどかーんて…」

「そう、止まれという暗示を打ち消したんです」

「そんな単純な秘密だったなんて…」

「それを気づかせないために、あの監督はわざと挑発して冷静さを失わせたのでしょうね」

な、なんつー…なんつー突っ込みどころ満載の技なんだゴーストロック!(えー
あの不可思議な幻惑フォーメーションを「コロコロ変わるフォーメーション」の一言で片づけないでくれ円堂:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そもそも監督に挑発されて冷静さを失ったのは染岡さんだけだったとか、まあ突っ込み出したらキリがないのでやめましょう



「さあ反撃はこれからだ!少林!FWにボールを回すんだ!」

「で、でもキャプテン!染岡さんのシュートじゃ…」

「あいつを信じろ少林!あの監督の言う通り、俺達はまだまだ弱小チームだ…!
 だから一人一人が力を合わせなきゃ強くなれない!
 俺達が守り、お前達が繋ぎ、あいつらが決める!
 俺達の1点は、全員で取る1点なんだ!」

「俺達…全員…」

「さあ!行こうぜみんな!!」

そして少林へとボールを託し、熱い叫びでイレブン達の抱えていたわだかまりを一蹴する円堂!
さすがはリーダーシップに定評のある男です円堂、豪炎寺派と染岡派に分かれていたみんなの気持ちをひとつに繋げ、
少林寺も今度は迷わず染岡さんへのパスを出すことに!…って

 

なんというきれいな染岡さん(えー
「やったー!パスもらえたよー!」って少林寺からパスを受けた瞬間この表情ですよ
実は少林達にハブられて心の中でしくしく泣いていたんでしょうな:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「染岡!奴の手を見るな、あれも催眠術だ!平衡感覚を失ってシュートが弱くなるぞ!」

「ご、豪炎寺お前…?」

そしてゆがむ空間のカラクリを見破り、染岡さんにアドバイスを送る豪炎寺!
ボール強奪なんてバカな真似をしでかした自分にそんな助言を…それに比べてなんと自分の器の小さいことか…
豪炎寺に持っていた敵意や対抗心、そんなバカバカしいものを投げ捨てた染岡さんは、決意の表情でドラゴンクラッシュの体勢に入る!

(…やっぱ凄え奴だぜ…それに比べて俺は…俺は…!)

「豪炎寺ィィィィッ!!」

「…!!」

「うおおおおおおーーっ!!」

「「ドラゴンッ!!トルネエエエエドッ!!」」

ズドバッゴオオオオオオ!!

ついに結束した2人のドラゴントルネード炸裂!2つの必殺技が合わさった凄まじい威力は、ゆがむ空間を難なく吹き飛ばし
同点のゴールに突き刺さる!そんな新必殺技の誕生を目にした鬼道さんは、ニヤニヤしながらグラウンドを後にしてしまいます

「いいのか?最後まで見なくて」

「フン…結果は見えている」

鬼道さん自分が点取られたからってそんなすぐ帰らなくても…(えー
関係ないけど私服姿の佐久間がなんか妙に目を引いてしまうなー
パッと見ちょっと強気な女の子みたいでこいつ可愛すぎじゃないか?:;y=_ト ̄|○・∵. ターン

「「ドラゴンッ!!トルネエエエエドッ!!」」

ズドバッゴオオオオオオ!!

「ふぅ〜ん…面白い奴らじゃないか」

そして鬼道さんの予想通りに決勝点となるドラゴントルネードが…ってめっちゃ悪そうな土門キター!!
いかにもチンピラって感じでワルの雰囲気出てますなぁ土門、帝国の奴らはみんな私服でも
ちょっと不良な感じが出てて面白いですな

「勝ったぁ!勝ったんスね俺達!」

「ふん…エースストライカーの座は、譲ったわけじゃないからな」

「ふふ」

「よぉーしみんな!フットボールフロンティアに乗り込むぞォ!!」

「べ、べつにエースストライカーの座は譲ったわけじゃないんだからね」と染岡さんもツンデレ化して一件落着、
こうしてフットボールフロンティアへの出場権を手にした雷門イレブンは、まだ見ぬ強敵達との戦いを前に闘志を燃やすのでした。次回に続く





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