■マリア様がみてる 4th season 第5話「紅薔薇のため息」
「期末試験が憂鬱だ〜〜…」
しょっぱなから薔薇の館のカリスマを粉々に吹っ飛ばした由乃の図で始まった今回の話。
今日は山百合会みんなで集まって試験勉強をしているようで、英語が苦手な由乃は全然勉強がはかどってないみたいです
「由乃は苦手な教科ほどサボりたがるんだよねえ」
「むっ…」
「私は『試験が終わったらこれをしよう』ってものを用意しておきますよ、不思議とがんばれるので」
「乃梨子は仏像を見に小旅行をするのよね」
「はい!」
そんな由乃に勉強のモチベーションを保つコツを教えてあげる乃梨子。
それにしてもご褒美が仏像って会話が女子高生の口から出てくるとカオスすぎて吹く:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
普通だったらそんなのご褒美どころか罰ゲームのレベルですよ!(えー
「そうよ!ご褒美を作ればいいんだわ!試験休みにどこかへ遊びに行きたいなあ、いっそみんなで出かけちゃう?」
「それじゃあ試験休みに遊園地へ行きましょうか、ただしジェットコースターには乗らなくてよ」
「わぁ!う、嬉しいどうしよう!ええっと、皆さんのご都合はいかがですか?遊園地の嫌いな人は…」
「何を言ってるの祐巳、遊園地には2人で行くのよ。当たり前でしょう」
そ、それは由乃への嫌がらせですか祥子さま!!(えー
「みんなで一緒に出かけましょうか」
→ 「それじゃあ私と祐巳だけで遊園地行ってくる」とか由乃マジ涙目すぎる
一体何が「それじゃあ」なのか全然意味が分からないよ祥子さま!とにかく祥子と祐巳が2人で遊園地へ行くことはもう決定だそうです
その日からあっと言う間に試験は終わり、約束の日を迎えた2人は駅で待ち合わせしますが…
三鷹駅キター!!おおなんと懐かしいこの風景
祐巳達のよく使う駅は中央線三鷹駅と吉祥寺駅っていうのは有名な話ですが、今回2人は三鷹駅の方に集まったみたいですね
三鷹には私も大学の4年間住んでたんで、この図はすごい見覚えあるなぁ。こういう身近な風景をアニメで見るとニヤニヤが止まらないぜ
「15分前…ちょっと早かったかなぁ〜」
「おはよう祐巳」
「お、お姉さま!?おはようございます…」
「興奮して早く目が覚めてしまって、前倒しで早く着いてしまったのよ」
「お、お姉さまが興奮…」
「ゴルフの朝は目覚ましが鳴る前に目が覚める、なんて言うじゃない?そんな感じかしら」
ゴ、ゴルフの朝は早く目が覚める!?祥子さまそれちょっと喩えがオヤジくさくないですか!?(えー
ゴルフの朝って言われてもどんな感じなのか全然分かんないなー
私的に言うならバトスピの朝(日曜朝7時)は目覚ましが鳴る前に目が覚めるってとこか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「家の者とかがね、車を出すから乗っていけって言うのよ。断るのが大変だったわ」
「車…」
「みんな分かってないわね、祐巳と2人で満員電車に揺られたり、乗り換えの駅で迷ったりするのが楽しいのに」
「た、楽しい…ですか?」
どうやら祥子としては、順風満帆な車の旅より波乱万丈な電車の旅の方がお気に入りのようです。
でも祐巳はそんなハプニング満載の旅より、ゆったりのんびり順調な旅の方がお好みのようですね
「楽しいわよ、2人ならきっと」
きらきらきらきら
「お、お姉さまっ!」
きらきらきらきら
こ…この2人アホやーー!!ただ電車に乗るだけでなにをそんなキラキラ空間出してるんですか!この2人最高すぎる
というわけで総武線の電車に飛び乗った2人は、長い間ガタンゴトンと揺られてお城のようにでっかい遊園地に到着します
うーむここはどこの駅なんだろう…この規模だとやっぱりディズニーランドとかになるのかな?
とにかく2人が期待に胸を躍らせて受付へと向かっていくと…
「あっ、あぁ!?どうして!?」
「やあ」
俺の柏木さんキタキターー!!(゚∀゚≡゚∀゚)
なんと遊園地の前で待っていたのは我らのギンナン王子こと柏木優!なぜか祐麒まで一緒です。知らない人のために説明しておくと
柏木さんは顔がよくて頭がよくて背が高くて金持ちでスポーツできて声がかっこよくて(声優:檜山修之)祥子の婚約者という
スーパーマンみたいな奴ですが、でもホモという点ですべて台無しにしてる愛すべき男です:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
今までの柏木さんの出番は、アニメだと壮絶にカットされまくってるのでちゃんと出てきてくれて嬉しいですね
第2話でも原作では可南子パパと色々喋るシーンがあったのに、アニメだと一瞬姿が映っただけで終わりっていう
通行人以下の扱いだったしなあ;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「祐麒!なんでここにいるのよぉっ!」
「そ、それは俺も知りたい…」
「そんなの答えになってないじゃない!」
「お前ら私たちの邪魔しにきやがってー!」とぐわんぐわん祐麒を揺さぶりながら事情を吐かせようとする祐巳。
しかし祐麒は本当に何も知らないようで、ここへは柏木さんに強引に連れてこられてしまったみたいです
でも祐麒と話してる時の祐巳って、こんな風に素の感情をあけっぴろげにするから好きだなあ
祐巳がこんな風に100%何の遠慮もなく喋る相手って祐麒だけだし。だから私は祐麒が出てくるのが好きです
「優さんどういうこと?あなたのエスコートは昨日、丁重にお断りしたはずですけど」
「もちろん聞いたよ」
「ならどうしてここにいるの?」
「いちゃいけないかな?僕らはこの遊園地への入場ができないってことはないよね」
「…分かったわ。じゃああなたは私たちと関係なくここへ遊びに来たってことね」
「そんな風に思ってくれると嬉しいな」
「祐巳、チケットを買いましょう。こんな人に関わっているだけ時間の無駄よ」
一体どうしたんだ柏木さん、祥子の質問に対して「なんで答えなきゃいけないんですか(笑)」と言いたげに
なんだか腹の立つ答えばかりを返してしまいます。とうとう頭に来た祥子は「はいはいじゃあ勝手にやってろカス」と
柏木さんを無視してチケット売り場へ向かうことに…
「そうそう自由にやってくれたまえ、こちらも好きにやらせてもらおう。おいユキチ、行くぞ」
「は、はい…」
「すいませんうちの祐麒まで…」
「いいの、優さんが強引に連れてきたんでしょう。でもどういうことかしら…
ただ邪魔をするためだけに、こんな事をする人じゃないのだけれど…」
「…」
「シカトしてくれるなら望むところだぜ」と祥子達と別れて、柏木さん達は先に遊園地へ入っていってしまいました
柏木さん達はすでにチケットを買ってあったのか…ということは、いつでも遊園地に入れたにも関わらず
わざわざ祥子を怒らすためだけにずっと待ってたようなもんですが…なんだってそんなことをする必要があったんでしょうか?
考えられるのは祐巳たちへの嫌がらせくらいのもんですが、柏木さんがそんなアホなことをする奴じゃないのは祥子がよく知っています
果たして柏木さんは一体なにを考えているのやら…
ともかくチケットを購入した祐巳たちも遊園地の中へ。このくらいでかい遊園地となると
遊ぶ時間より並ぶ時間の方がよっぽど長いのが普通ですが、試験休みってことは今日は平日なんでしょうか
ともかく客の数はいい感じにばらけており、祐巳たちは次々に楽しいアトラクションを体験していきます
「あぁ〜楽しかったわ!祐巳も見た?あの大きなカエル」
「はい!あそこで私思わず…」
「へーえ、群馬から来たの」
「そうなんです〜」
存分に遊園地を満喫する2人でしたが、その時楽しい時間に冷や水をぶっかけるような柏木さんの声が!
何事かと祐巳が振り向いてみると、柏木さんは祐巳たちのすぐ後ろで聞こえよがしにナンパしてるところでした。
柏木さん実は本当に2人の邪魔したいだけじゃないんですか!(えー
「お2人なんですかぁ?」
「そう、僕たち2人っきりなんだ」
「えぇ〜、ほんとに?」
「えー?男2人ってそんなに怪しい?傷つくなあ〜」
「…」
「バカね、気にしたら優さんの思うツボよ」
やたら邪魔くさい柏木さんの声のせいで、後ろが気になってしょうがない祐巳。祥子は「無視しろ無視」と言いますが
そう言われてもなかなか簡単にはいきません。まあでも、どこかのアトラクションに入ってしまえばそれ以上追いかけては…
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ってどこまでついて来る気だー!!
なんとそこらのアトラクションへ入った後も露骨に後をついてくる柏木さん!
ちらちらと後ろが気になる祐巳に向かって、ニコニコ笑って手まで振る始末です。なんてやつだ
「レストランは多分今が一番混んでいるわね、もう1つ何か乗ってご飯にしましょう」
「あっ、はい!」
「(すたすたすたすた)」
「お、お姉さま?」
その時、お昼の前に何か乗ろうと言い出した祥子は、何に乗るかも言わずにいきなり歩き出してしまいます
一体どうしたんでしょう、祐巳に相談するまでもなく乗りたい何かがあるのか…って
「ジェットコースターは得意?」
「えっ、あ、あまり得意ではありませんが…」
「じゃあ優さんでいいわ。祐巳と一緒に乗ってくださらない?」
「オッケー」
な、なんじゃああああああ!?突然どうしたっていうんですか祥子は!
あれだけシカトすると決めていた柏木さんに、いきなり歩み寄って「お前ちょっと祐巳とジェットコースター乗ってきてよ」って!?
唐突すぎて意味が分からないよ!祐巳も祥子の言い出したことが理解できずにパニック状態です
「お、お、お姉さま!?私ジェットコースターなんて!」
「私が見たいのよ、祐巳が乗る姿。いいでしょう?」
猛抗議する祐巳でしたが、祥子の「だって見たいんだもん」という一言で一蹴されてしまいます。そ、そんな…
そんだけの思いつきでこんなこと言い出すとは相当無茶です祥子さま
「で、でも、だったら柏木さんじゃなくても…!」
「どうして?ただの付き添いだったら、柏木さんでもいいじゃないか」
「…」
「それとも、僕とさっちゃんが仲良く待っていようか?」
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「い、嫌ぁぁぁぁぁ!!それは絶対に嫌!!」
ウホッ!いい男… どう見ても阿部さんのようなポーズでベンチに座る柏木さんを想像してしまった祐巳。
さすがガチホモ柏木さんはいい男のポーズが似合いすぎるから困る:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
そんな柏木さんと祥子のツーショットに耐えられない祐巳は、やむなく柏木さんとジェットコースターに乗ることを承諾。
しぶしぶ祥子と祐麒をベンチに置いて、ジェットコースターの列に並ぶのでした
「…柏木さんって分からない」
「なにが?」
「どういう人なのか、なに考えてるのか分からない」
「いいね〜」
「…」
列に並んでる間、「あんた一体なに考えてんの?」と明らかに柏木さんを煙たがる祐巳。
しかし柏木さんは「いいねえ〜」となぜか大喜びしてしまいました。なんなんだあんたはー!
「僕は保険さ」
「…?」
「”何かがあった時に必要になるかもしれない”くらいに思ってよ」
「何かって何?その何かは起こるの?」
「僕は、僕が必要にならないほうがいいと思っているよ」
その時、ようやく自分がここへやってきた理由を語り出した柏木さん。ですが具体的なことはさっぱり分かりません
ただ、その口ぶりはまるで祥子たちのボディガードにでもやってきたかのような…
「…分かった」
「この話はさっちゃんには内緒だよ」
(そうなんだ…柏木さんが遊園地に来たのは、お姉さまのことを考えてのことなんだ…
柏木さんは一応お姉さまの婚約者でいとこ…私と知り合う前からお姉さまのことを知っていて、
私の気づかないことを私より早く気づく…だから祐麒を連れてここへ来たわけで…だから…だから…!)
”ムカつき”が止まんねーよ!?と柏木さんへの嫉妬がぐるぐる頭の中を駆け巡る祐巳。
柏木さんの方が祥子を理解している事実を見せつけられる度に、どうにもイライラが溜まってしまうようです
こうも嫉妬してしまうとは、祥子のことを好きになりすぎるのも考えものですな。つまり百合がなければ全て丸く収まる:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
「ひいいいやああああああああああ!!」
そんなことをうだうだ考えている間にもジェットコースター出発進行!
絶叫マシーンは苦手なのかバカでかい叫び声をあげてしまう祐巳、離れて見てる祥子が思わず耳をふさぐくらいです
「うふふ、祐巳はずいぶんと楽しそうだったわねえ」
「えぇ?し、下からじゃ分からなかったでしょう?」
「そんなことないわよ、キャーキャー叫んでいたの分かったもの」
そしてさっき言っていた通り、ジェットコースターに乗った後はランチタイムにすることにした祥子たち。
祥子はさっきの祐巳の姿が相当面白かったようで、物凄くニヤニヤしながら祐巳の姿を回想します
「お、お姉さま…」
そう祥子に言われて恥ずかしさと嬉しさが混ざったような顔をする祐巳。
「あんなキャーキャーうるさい中で私の声に気づくなんて、さすがお姉さまだわ!」と思ってるのかもしれませんが…
「お前の声かなり響いてたんだよ…俺にだって分かったぞ」
「う…うぅ…」
しかし実際は人一倍はしたない大声あげてたので丸分かりだったというだけ。
そんな情けないところを見られた祐巳はがっくりと肩を落とすのでした
「優さんはずいぶん大人しかったわねぇ、もしかして恐かったの?」
そして今度はからかい相手を柏木さんに移した祥子。恐がってたんじゃないの〜?と冗談めかして聞いてみますが、
さすがにそれはないでしょう。柏木さんのことだからいつもの爽やかスマイルで…
「…うぅ…」
って、ど、どうしたんですか柏木さん!?なんでそんなしょんぼりうつむいてるんですか!?(えー
図星なのかよ柏木さん!なんという意外…あの何をやらせてもスーパーマンな柏木さんがジェットコースターを恐がるなんて!
でもいつも余裕たっぷりの柏木さんが「今のジェットコースター恐かったお(´;ω;`)」ってなってるのはなんだか萌えるな:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン
そして食事の後はまた遊園地をあちこち周る祐巳たち。祥子も祐巳も「うふふ、あはは」と2人の時間を心から楽しんでるようです
「わっわっ、わぁ〜!」
「ふふふ」
そんな祐巳たちが次に発見したのは、道ばたで大道芸をやっている着ぐるみ達でした。
可愛らしい姿で華麗なトリックを次々に決める着ぐるみ、そんな姿に感心しきりの2人でしたが…
「すごいすごい!ねえお姉さま見ましたか!?今…あ、あれ?」
しかしその時、祐巳が祥子の方を振り向くと隣の祥子の姿がありません
たった今まで横でニコニコ笑っていたはずなのに、一体どこに…って
「はあはあ…はあはあ…はあ…!」
「お…!お姉さまっ!!」
こ、これは一体!?今の今まで普通にしていた祥子が、急にフルマラソン走り終わった後みたいに
息を乱してかがみ込んでいるなんて!突然起こってしまった祥子の不調に頭がついて行かない祐巳、
分かるのは祥子の苦しそうな表情だけです、それが余計に祐巳の気を動転させてしまい…
「お、お姉さま…!お姉さま…!」
「…立てるかい?みんなの迷惑になるから、騒がないでそっと出よう。その方がいいね?」
「はあ…はあ…ええ…」
そんな祥子の前に颯爽と現れたのは柏木さん!すぐに祥子を優しく抱きかかえると、近くのベンチへ連れて行って休ませます
頼りになるな柏木さん…さっき言っていた「何かあった時のため」っていうのはこういうことだったんですね
でもベンチに来るとやっぱりいい男座りですか柏木さん!
その座り方やめてください!突然ホックを外し始める場面しか想像できないから!(えー
「お、お姉さま…」
「祐巳ちゃん、泣かなくていいから…さっちゃんは貧血っていうか人いきれっていうか、
つまり一瞬クラッとしちゃっただけさ」
「ごめんなさい祐巳…優さんの言う通りなの…」
「昔からさっちゃんは、よく出先で気分を悪くしてたよね」
「そうね、治っていなかったのね…がっかりだわ」
うーむ…どうやら祥子は人ごみに酔ってしまう体質のようで、今のは人ごみにずっと紛れているうちに気分を悪くしてしまったようです
祥子は筋金入りの箱入り娘だからなぁ…ずっと俗世間から離れた生活してたせいで、こんな体質になっちゃったんでしょう
「今日のところは引き揚げて、続きはまた後日ということにしたら?」
「あ…もう良くなったわ」
「君のためじゃないよ、僕達のためだ。このまま遊んだって君の事が心配で楽しめない」
今日のお楽しみはここで切り上げることを提案した柏木さん。この言い方からして、さすが柏木さんは祥子の扱いを心得ていますね
「君の体を大事にしなきゃダメだ」とか正直に言ってみたところで、多分祥子は
(C)鳥山明/集英社
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バカバカしい!
オレはいま遊ぶぞ!! |
と意地を張って言うことを聞いたりしないでしょう(えー
でも「僕や祐巳ちゃんが楽しめない」と言うことで
「祐巳のためだったら仕方ないわね…(´・ω・`)」と引かせることに成功したと…
実際、祐巳はもう涙ぐんでしまって遊園地で遊ぶどころじゃないですしね
そして遊園地を後にした一同は、柏木カーで小笠原邸へ向かいます。さっきは「もう良くなったわ」と言っていた祥子でしたが
実の所かなりのムリをしていたようで、車の中ではずっとぐったりしているままでした
「柏木さんは…こうなるって予測してたんでしょ?どうして止めなかったの」
「それは、さっちゃんが凄く楽しそうだったからだよ」
「え…?」
「楽しそうだったんだよ、本当に…僕はあんなに笑顔のさっちゃんは見たことがない」
「でも…」
「予測を気にしすぎて、一切を排除したら何も残らない。さっちゃんは祐巳ちゃんと一緒に
色んなことをしたいんだよ、それを阻むことの方が僕には酷だと思えた」
おお、なるほど…柏木さんは祥子が楽しみにしていたこのお出かけをぶち壊しにしたくなくて、
祥子が出かけるのをあえて止めなかったんですね。それでいて、もしもの時はフォローしてあげようと…
誰に頼まれたわけでもなく、柏木さんにはメリットもないのに待機しててくれるなんていい人すぎるぜ…
でも柏木さん、祥子を心行くまで楽しませてやりたかったっていうなら
あのお邪魔虫な行動の数々はなんだったんですか!(えー
影からこっそり見守ってあげてれば言うことなしのいい人だったのに!一体何を考えてあんなことを!
ううむ…もしかしたら柏木さんは、「今まで見たこともないほどの祥子の笑顔」を見て、
祐巳にちょっとした嫉妬をしてしまったとか…?だから全面的に協力するのをシャクに思って、
あんなようなお邪魔虫な行動をしてしまったとか…
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「あっ、お電話お借りします。家に電話しておきたいので…」
「電話ならこの部屋を出て廊下の左側よ」
キンコーン
「あら、岩松先生よ」
「先生をお呼びしたの?」
「よっぽど悪いと思ったのよ、せっかくだから一応診ていただいたら?」
「もう、大丈夫なのに…」
小笠原邸に到着し、ひとまず全員応接間に通された祐巳たち。しかし祐麒は電話、祥子は診察のためにすぐ部屋を出て行ってしまいます
というか今回はさすがにおでんとお電話を聞き間違えなかったか:;y=_ト ̄|○・∵. ターン
「やっと2人きりになれた」
「…!?」
な、なんですとー!?と、突然何を言い出すんですか柏木さん!
まさか「俺はノンケだって構わず食っちまうような人間なんだぜ」と祐巳に迫ろうと!?あおおーっ!
「と思ってるのは祐巳ちゃんじゃないかな?」
「…うぬぼれてますね!」
「それほどでもない、ただ僕と話をしたいんじゃないかなと思っただけだよ」
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な、なんだ…単にからかい半分で言ってみただけか:;y=_ト ̄|○・∵.
ターン まったく人騒がせな人だ…
そして「僕に話したいことがあるんじゃないの?」というのはズバリその通りのようですが、
図星を突かれた祐巳はかえってヘソを曲げてしまいます
「私、柏木さんのこと嫌い!!」
「それはよかった、あっははははは」
「どうしてそういう答えが…」
「祐巳ちゃんてさ、誰か気に入らない人がいても、堂々と本人には言わないタイプに見える。
だからそれをあえて口にするってことは、僕にかなり強い感情を抱いているということだ。
それは僕にとって嬉しいよ、なんとも思われてないことの方が辛い」
なんつー人だ柏木さん、無関心に思われるより大嫌いと思われる方が嬉しいってことですか
要するにいいさ嫌われたって、マゾってのはそういうスリルも快感なのさというやつか…(えー
私は無関心の方が気を使わなくて済むから楽だけどなぁ
「私は…柏木さんに嫉妬してるんだと思う」
「それは分かっているよ」
「柏木さんは祥子さまのことが好きでしょ?祥子さまのことを愛しているんでしょ?
見ていて分かる、でも柏木さんは…!」
むう…柏木さんへの嫉妬心と同時に、「祥子さまのこと好きなくせになんでいつもロクな真似しないの」という感情が入り混じって
とにかく柏木さんを問い詰めようとする祐巳。それに対して柏木さんは…
「そうか…君には見えてない部分もあるんだよ。僕は確かにさっちゃんが好きだ、でも好きにも色々ある。
さっちゃんが好きだが祐麒も好きだ、そして祐巳ちゃんも好きだよ」
「祥子さまが一番じゃないんですか?」
「一番ってなんだい?犬が好きだ、メープルパーラーのゼリーが好きだ、どれも同じ天秤では量れないだろう?」
「で、でも、人だもの…!」
「祐巳ちゃんは、お父さんとお母さんのどっちが好き?それに祐麒を加えたら…?さっちゃんは?
一番なんて決められないだろう」
な、なんと、ここにきて柏木さんの意外な性癖が明らかに…どうやら柏木さんは、人を好きになるのに
LIKEの感情しか持ったことがなくてLOVEの感情を実感できない人のようですな…
今までのホモな発言も「男が好き」と言うよりは、「男も女も柏木さんにとっては変わらない」と言ったほうが正確なのか…
でも「さっちゃんが好きだ」の後に真っ先に「祐麒が好き」って言うのは勘弁してください!(えー
「さっちゃんは好きだよ、でも結婚する気はない。それが今の正直な気持ちだ」
「柏木さんは…相手が祥子さまだから結婚しないの?それとも誰とも結婚しないの?」
「祐巳ちゃんとならしてもいいよ」
「悪いけど、そういう冗談笑えないからっ!」
「はは、了解。やめよう」
またしても「祐巳ちゃんと結婚したいよ〜」などと祐巳を口説くような冗談を言う柏木さん。
しかしこれだけ何度も言ってると、まさか本当に祐巳のことが好きなんじゃ…という気になってきますね
でも一番好きな人なんていないってたった今自分の口で言ったばかりだしなぁ、やっぱりよく分からない人です柏木さん
「最後に一つだけ…僕を倒したって君は勝てないよ」
「え?」
「僕に嫉妬しているようじゃまだまだってこと。こんなところに留まってないで、もっと上のステージを目指せよ」
「…?」
「そんな目をしたってダメだよ、これ以上ヒントはあげない」
そんなこと言わないでもっとヒントくださいよ柏木さん!(えー 上のステージって言われてもなんの事だか…
うーん…要は「自分と祥子の絆なんてたかが知れてるから、そんなのをライバル視してちゃまだまだだよ」
とかいうことが言いたいんでしょうか?例えばの話、
天下一武道会で優勝したいならチャパ王をライバル視しててもしょうがないみたいな(えー
「…敵じゃないとしたら、柏木さんはなんなの?」
「同志」
「…?」
「祐巳、祥子さんが部屋に来て欲しいって」
最後にまた柏木さんが変なことを言ったその時、祐巳は祥子の部屋に呼び出されてしまいました
同志ってのは何のことなんだろう…うーん、考えられることとしては、今祐巳に注意したケチな嫉妬心を
柏木さん自身も持ってしまっているってことだとか?今日のお邪魔行動がそのケチな嫉妬心によるものだとしたら、言うことも分かるんですが…
「応接間に戻るつもりだったのだけれど…」
「いいんです、寝てらしてください」
「…どうかして?」
平静を装って祥子に話しかける祐巳でしたが、祥子は祐巳がずいぶん落ち込んでいることに気づいていました
祥子がそっと祐巳の顔に優しく手を添えると、今まで溜めていたものが噴き出したように祐巳は泣き出してしまいます
「私…今日柏木さんに嫉妬しました」
「あら」
「だって、私がしたくても出来ないことをなんでもやってしまうし、
私が知らないお姉さまのことだってよく知ってるし…」
「バカね、祐巳に出来て優さんに出来ないことだってあるのに…例えば、
今私が会いたいと思ったのは祐巳の笑顔よ、車の中で私が手を握っていて欲しかったのは祐巳の手だわ。
知っていることの多さなんて、付き合いの長さが違うのだから当たり前でしょう?
それを言うなら、私だって祐麒さんに嫉妬しないといけなくなるわ」
「祐麒に嫉妬…?あはは、お見舞いに来たのに逆に励まされちゃった」
柏木さんに嫉妬する必要がないことを、優しく諭すように祐巳に話す祥子。
祥子のおかげで祐巳も少しは気が楽になったようです、やっぱり柏木さんの言っていた「上のステージ」っていうのは
こういう嫉妬をする必要がないくらい、自分と祥子の仲を信じられる状態のことを言ってるんだろうなあ
「今日はごめんなさいね、必ずリベンジするから」
「お姉さま、リベンジなんて気を張らないで、今度行くときは肩の力を抜きましょうよ。
また具合が悪くなったっていいって気持ちで」
「ふふ、そうね…今日はちょっと頑張りすぎちゃったのね」
「はい」
「もっと楽に考えればいいのにね、祐巳とはこれっきりというわけじゃないんだもの」
「はい!」
次こそは一日中楽しんでやると気を入れる祥子でしたが、それよりもっと自然体で楽しもうと語る祐巳。
これから先も一緒に出かける機会は何度だってある、何度失敗しても大丈夫ということなんでしょう。次回に続く
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